Oracle Applications概要 リリース11i(11.5.10) 部品番号: B15656-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
複数報告通貨(MRC)機能を使用して、取引レベルの会計レコードを複数の機能通貨で報告し保守することができます。 この機能を使用するには、主会計帳簿の他に、1つ以上のレポート用会計帳簿を定義します。
レポート用会計帳簿では、主機能通貨以外の機能通貨でレコードを保守します。
MRCを使用する際の基本用語は、次のとおりです。
主機能通貨 | Oracle Applications内で取引を記録したり、会計データを保守するときに使用する通貨。主機能通貨は、通常、大多数の業務取引を実行するときの通貨であり、法的レポート用にも使用されます。 |
レポート機能通貨 | 主機能通貨以外に、報告するときに必要な通貨。 |
主会計帳簿 | 業務を遂行するための財務諸表作成エンティティ。主会計帳簿では、特定の勘定体系、会計カレンダおよび機能通貨が使用されます(主会計帳簿では、機能通貨は常に主機能通貨です)。 |
レポート用会計帳簿 | 主会計帳簿と関連付けられた財務諸表作成エンティティ。レポート用会計帳簿は、主会計帳簿と勘定体系および会計カレンダが同じですが、通常は機能通貨が異なります。レポート用会計帳簿を使用すると、主会計帳簿とは異なる機能通貨で報告できます。 |
MRCで使用する各会計帳簿に関して、主会計帳簿とレポート用会計帳簿を指定する必要があります。次に、レポート用会計帳簿を主会計帳簿に割り当てます。
MRCは、次のOracle E-Business Suite製品でサポートされています。
MRCをサポートする製品の場合、通貨依存情報(換算レートおよび取引金額など)が含まれるベース・スキーマの各取引表には、関連付けられたMRCサブ表が含まれます。 ベース・スキーマ取引表のレコードには、1つ以上のMRCサブ表レコードが存在する場合があり、ここには、関連付けられた各報告通貨におけるベース取引の通貨依存情報が含まれます。 APPSスキーマには、各ベース取引表の報告通貨表示を示すMRCビューがあります。
注意: 複数組織アーキテクチャが実装されていない場合でも、MRCを使用できます。
図17-1 MRCアーキテクチャ
MRCをサポートする製品の場合、通貨依存情報(換算レートおよび取引金額など)が含まれるベース・スキーマの各取引表には、関連付けられたMRCサブ表が含まれるようになりました。
ベース取引表のレコードと対応するMRCサブ表のレコードの間には、オプションの1対多関係が存在します。ベース取引表の各取引レコードに対し、MRCサブ表の1つ以上のレコードが対応しています。各レコードは報告通貨に関連付けられています。MRCサブ表の主キーは、ベース取引表の主キーおよびレポート用会計帳簿IDの組合せです。
図17-2 取引表およびMRCサブ表
Oracle Applicationsリリース11.5.9以降、すべてのMRCトリガーがAPIのかわりに使用されています。 これらのMRC APIは、対応するベース取引表のレコードを挿入、更新または削除するたびに実行されます。たとえば、請求書に入力した場合、Oracle PayablesによりAP_INVOICES_ALLおよびAP_INVOICE_DISTRIBUTIONS_ALLにレコードが挿入されます。 Payablesによりこれらのレコードが挿入されると、MRC APIが対応する表ハンドラから呼び出され、MRCサブ表AP_MC_INVOICESおよびAP_MC_INVOICE_DISTRIBUTIONSの報告通貨レコードが作成されます。
注意: MRCサブ表とその対応する製品の詳細は、『Oracle Applicationsにおける複数報告通貨』を参照してください。
MRCビューでは、各報告通貨で取引が表示されます。MRCビューはAPPSスキーマで作成されます。MRCビューでは、指定の時間に1つの会計帳簿のみの情報が表示されます。 つまり、これらのビューでは、ユーザーの現在の職責に関連付けられたレポート用会計帳簿に基づいて情報が取得されます。 ある職責にサインオンすると、Oracle Applicationsにより、プロファイル・オプション「MRC: レポート用会計帳簿」に基づいてuserenv変数が設定されます。この変数の値は、レポート用会計帳簿に関連付けられた情報のみを表示するため、MRCビューで使用されます。