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Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - メンテナンス
リリース11i 2005年6月
部品番号: B15955-01
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ユーザー・プロファイル

ユーザー・プロファイル設定の概要

ユーザー・プロファイルとは、アプリケーションの外観と動作に影響する変更可能なオプション・セットです。システム管理者は、ユーザー・プロファイル・オプションを必要な値に設定してOracle Applicationsの動作を制御します。ユーザー・プロファイル・オプションは、その定義に応じてサイト、アプリケーション、職責、ユーザー、サーバーおよび組織など、様々なレベルで設定できます。

主機能

階層タイプ

階層タイプは、リリース11.5.9に導入されました。この機能により、システム管理者がビジネス・ニーズやインストールのニーズに従ってプロファイル・オプションをグループ化して設定できます。

階層タイプは「セキュリティ」、「組織」および「サーバー」の3つです。

デフォルトの階層タイプは「セキュリティ」です。この機能拡張以前に存在していて更新されていないプロファイル・オプションには、タイプ「セキュリティ」が使用されます。

第2の階層タイプは「組織」です。この場合、組織は営業単位を指します。たとえば、各組織のユーザーは特定のプロファイル・オプションについて所属組織に応じて異なる値を必要とする場合がありますが、同じ組織内のユーザーは同じ値を使用します。「組織」階層タイプを使用すると、システム管理者はプロファイル・オプションを組織レベルで設定できます。これにより、その組織のユーザー全員が組織レベルで設定されたプロファイル・オプション値を使用することになります。

「サーバー」階層タイプは、ユーザー・セッションを実行中のサーバーをシステムで判別する必要がある場合に使用されます。たとえば、「サーバー」タイプを使用してプロファイル「アプリケーションWebエージェント」を定義できます。このプロファイル・オプションには、内部サーバーと外部サーバーで異なる値を設定できます。たとえば、このプロファイル・オプションの値と比較してCookieを検証できます。

「セキュリティ」階層タイプを使用するプロファイルは、サイト>アプリケーション>職責>ユーザーという従来の階層に従います。「サーバー」タイプを使用するプロファイルには、サイト>サーバー>ユーザーという階層が使用されます。「組織」タイプを使用するプロファイルには、サイト>組織>ユーザーという階層が使用されます。

ユーザー・プロファイル・オプションの設定

システム管理者は、「システム・プロファイル値」ウィンドウを使用してユーザー・コミュニティのプロファイル・オプションを設定します。ユーザー・プロファイル・オプションの値を変更すると、変更内容はユーザーが再びログオンするか職責を変更した後に有効になります。

ユーザー・プロファイルの設定時に、ユーザー、職責、アプリケーションまたはサイトを記述する標準情報(プリンタなど)をOracle Applicationsに提供します。ユーザー・プロファイル・オプションの値は、各プロファイル・レベルで設定できます。

変数 説明
サイト オプション設定はインストール・サイトのユーザー全員に関係します。
アプリケーション オプション設定は、アプリケーションに関連付けられている職責のユーザー全員に関係します。
職責 オプション設定は、職責でサインオンしているユーザー全員に関係します。
ユーザー オプション設定は、アプリケーション・ユーザー名で識別される個々のユーザーに関係します。
サーバー オプション設定は、個々のサーバーに関係します。
組織 オプション設定は特定の組織に関係します。

各レベルで設定する値は、各ユーザーのプロファイル・オプションのランタイム値を提供します。オプションのランタイム値は、そのオプションの最上位レベルの設定となります。

プロファイル・オプションを複数のレベルで設定できる場合の優先度は、最下位から順にサイト、アプリケーション、職責となり、最上位がユーザーです。たとえば、サイト・レベルで入力された値は、他のレベルで入力された値により上書きされます。ユーザー・レベルで入力された値は最上位の優先度を持ち、他のレベルで入力された値を上書きします。

たとえば、あるユーザーについて、プリンタ・オプションがサイト・レベルと職責レベルでのみ設定されているとします。そのユーザーがログオンすると、プリンタ・オプションでは職責レベルで設定された値が最上位レベルの設定であるため、その値が想定されます。

提案: システム管理者は、Oracle Applicationsのインストール後に、サイト・レベルのオプション値を設定してから他の3レベルのプロファイル・オプションを指定する必要があります。サイト・レベルで指定したオプションは、同じオプションを他のレベルで指定するまでデフォルトとして機能します。

アプリケーション・ユーザーは「個別プロファイル値」ウィンドウを使用して、独自の個別プロファイル・オプションをユーザー・レベルで設定できます。すべてのプロファイル・オプションがユーザーにとって参照可能ではなく、参照可能な場合にもエンド・ユーザーが更新できないプロファイル・オプションがあります。

パラメータまたはセグメントのデフォルト値としてのプロファイル・オプションの使用

プロファイル・オプション設定は、次のフォームでコンカレント・プログラムのパラメータまたはフレックスフィールド・セグメントのデフォルト値として使用できます。

プロファイル・オプションの設定をデフォルト値として使用するには、フォームの「デフォルト・タイプ」フィールドに移動して「プロフィール」を選択します。次に、「デフォルト値」フィールドにプロファイル・オプションの内部名を入力します。

ユーザー・プロファイル・オプションの例

例#1

買掛管理部門が最近プリンタを購入したため、この部門からのレポートをすべて新規プリンタで印刷するとします。この場合は、単にOracle Payablesの「PRINTER」プロファイル・オプションを変更し、新規プリンタの購入を反映させます。

提案: 例#1では、デフォルトのプロファイル・オプションの重要性を強調します。Oracle Payablesのアプリケーション・ユーザーまたはOracle Payablesに関連付けられている職責に、「PRINTER」プロファイル・オプションの値が指定されている場合は、その値によりアプリケーション・レベルで設定した値が上書きされます。最初に、サイト・レベルでユーザー・プロファイル・オプションを設定してから、必要に応じて階層を上位に遡って他のレベルで作業することをお薦めします。あるレベルで設定されていないユーザー・プロファイル・オプションは、次の下位レベルで設定されているユーザー・プロファイル・オプションにデフォルト設定されます。

例#2

「GL会計帳簿ID」プロファイル・オプションを使用して職責、アプリケーションまたはサイトに会計帳簿を割り当てると、Oracle Applications内のセキュリティをさらに制御できます。職責に会計帳簿を割り当てると、その職責でアクセスできるフォームと機能のみでなく、特定の会計帳簿も制御できます。

会計帳簿を定義する方法は、Oracle Applications製品のリファレンス・マニュアルを参照してください。

ユーザー・プロファイル・オプション値レポート

このレポートには、ユーザー・プロファイル・オプションの設定が表示されます。このレポートは、複数の職責、ユーザーまたは各種アプリケーションについて様々なプロファイル・オプション値を定義する際に使用します。

レポート・パラメータ

プロファイル・オプション名

レポートに値を表示するプロファイル・オプションの名称を選択します。プロファイル・オプション名を選択しない場合、すべてのプロファイル・オプションが表示されます。

ユーザー名

レポートにプロファイル・オプションを表示するユーザーの氏名を選択します。

アプリケーション略称

レポートにプロファイル・オプション値を表示するアプリケーションの名称を選択します。

職責名

レポートにプロファイル・オプション値を表示する職責の名称を選択します。

レポート・ヘッダー

レポート・ヘッダーには、指定のレポート・パラメータが表示され、レポートの内容の概要が提供されます。

「システム・プロファイル値」ウィンドウ

このウィンドウを使用して、プロファイル・オプション値を表示および設定します。

プロファイル・オプションは、対応する階層タイプのレベルで表示して設定できます。「セキュリティ」タイプのプロファイル・オプションの場合、レベルはサイト、アプリケーション、職責およびユーザーです。「組織」タイプのプロファイル・オプションの場合、レベルはサイト、組織およびユーザーです。「サーバー」タイプのプロファイル・オプションの場合、レベルはサイト、サーバーおよびユーザーです。設定は、ユーザーがサインオンするか職責を変更すると有効になります。

「プロファイル値」ブロック

プロファイル・オプションの値は1つ以上のレベルで設定できます。それぞれの値により、左側に設定されている値が上書きされます。たとえば、「ユーザー値」設定により「職責値」設定が上書きされ、「職責値」設定により「アプリケーション値」設定が上書きされ、「アプリケーション値」設定により「サイト値」設定が上書きされます。

無効なプロファイル・オプション値があると、そのフィールドには値のかわりに値リストが表示されます。

プロフィール

このフィールドにはプロファイル・オプション名が表示されます。

サイト

このフィールドには、インストール・サイトのユーザー全員に対する現行の値が表示されます(設定されている場合)。

アプリケーション

このフィールドには、「プロファイル値の検索」ブロックで識別されたアプリケーションが所有する職責で作業中のユーザー全員について、現行の値が表示されます(設定されている場合)。

職責

このフィールドには、「プロファイル値の検索」ブロックで識別された職責で作業中のユーザー全員について、現行の値が表示されます(設定されている場合)。

ユーザー

このフィールドには、「プロファイル値の検索」ブロックで識別されたアプリケーション・ユーザーについて、現行の値が表示されます(設定されている場合)。

サーバー

このフィールドには、「プロファイル値の検索」ブロックで識別されたサーバーについて、現行の値が表示されます(設定されている場合)。

表示

組織

このフィールドには、「プロファイル値の検索」ブロックで識別された組織について、現行の値が表示されます(設定されている場合)。

提案: アプリケーションのインストール後に、必須オプションについてサイト・レベルのデフォルト値を設定する必要があります。特定のプロファイル・オプションをどのレベルでも割り当てていない場合、そのオプションにはデフォルト値がないことになり、フォームの使用時、レポートの実行時またはコンカレント要求の実行時にエラーになる可能性があります。

「システム・プロファイル値の検索」ブロック

プロファイル・オプション値を表示および設定するレベルを1つ以上指定します。

インストール済プロファイル・オプションの値セットを表示可能なレベル

Oracle Order Entryの場合は「OE:」など、特定の文字列を含む全プロファイル・オプションの値を検索できます。また、値が設定されているプロファイル・オプションのみを表示することもできます。

サイト

インストール・サイトのプロファイル・オプションの値を表示する場合は、「サイト」チェック・ボックスを選択します。

アプリケーション

特定のアプリケーションが所有する職責のプロファイル・オプション値を表示する場合は、そのアプリケーションを選択します。

職責

特定の職責のプロファイル・オプション値を表示する場合は、その職責を選択します。

ユーザー

特定のアプリケーション・ユーザーのプロファイル・オプション値を表示する場合は、そのユーザーを選択します。

サーバー

特定のサーバーのプロファイル・オプション値を表示する場合は、そのサーバーを選択します。

組織

特定の組織のプロファイル・オプション値を表示する場合は、その組織を選択します。

プロフィール

値を表示するプロファイル・オプションの名称を入力します。文字列とワイルドカード記号(%)を使用してプロファイル・オプションを検索できます。たとえば、「Concurrent:」で始まるプロファイル・オプションをすべて検索するには、「Conc%」と入力して「検索」ボタンを押します。

値のないプロファイル

値の設定されていないプロファイルを含め、すべてのプロファイルを表示するかどうかを選択します。このチェック・ボックスの選択を解除すると、値が設定されているプロファイルのみが取得されます。

検索

「検索」ボタンを選択すると、指定した1つ以上のレベルのすべてのプロファイル・オプションまたは検索対象のプロファイル・オプションを表示できます。