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Oracle Learning Managementユーザーズ・ガイド
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B25739-01
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Oracle Learning Managementの概要

Oracle Learning Managementの概要

Oracle Learning Management(OLM)は、拡大する従業員、顧客およびパートナの学習に対する意欲に対応した単一の統合学習提供システムを提供し、あらゆる教育モデルをサポートするために設計されています。

OLMは、人事管理アプリケーション内のタレント・マネジメント機能と緊密に統合されており、さらに、Oracle FinancialsおよびOracle Order Managementアプリケーションとも統合されているため、学習ビジネスの財務的および商業的な側面を管理できます。このアプリケーションでは、就業者のコンピテンスが記録されるため、候補者の配置、業績評価などのアクティビティとともにキャリア計画にも利用できます。

OLMには、カタログやオンライン・クラス管理から学習者登録や学習パスまでの広範囲な機能が用意されており、これらの機能を使用して次の各項で説明する操作を実行できます。

統合カタログを使用した全学習の管理

カタログは、拡大する従業員、顧客およびパートナの学習に対する意欲に対応した単一の統合学習提供システムを提供し、広範囲にわたる教育モデルをサポートします。このカタログは、管理者が学習の設定や提供を管理するためのインタフェースになります。カタログ・モデルには、次の5つのカタログ・オブジェクトを使用します。

管理者はカタログを使用して、学習者にアクセス権を付与し、リソースを登録してコンピテンスを学習に割り当てます。また、学習者とマネージャは、カタログのバージョンを表示して学習に登録できます。

学習パスへのコースのグループ化

学習パスは、業績をモニターして要員のキャリアを開発するのに役立ちます。学習パスでは、複数のコースが意味のある順序にグループ化されているため、完了ターゲットを組み込んで、学習パスを完了する必要がある日付を加入者に示すことができます。

各種の学習パスは、次の3つのソースから作成されます。

登録の追跡と管理

クラス・ステータスを使用すると、クラスのライフ・サイクル全体にわたってクラスへの登録を管理できます。

たとえば、ステータスが「予定」のクラスを作成し、学習者の関心をモニターして使用可能なリソースを調査できます。学習者がこのクラスに関心を示した場合はステータス「受講希望」で登録を入力し、学習者の意思が確定したときはステータスを「登録希望」に更新できます。さらに、「登録希望」の登録者がクラスの実行に必要な最小数に達した場合は、クラス・ステータスを「通常」に更新できます。

クラスの取消が必要な場合、OLMでは、すべての学習者登録を取り消し、請求済の学習者がいる場合は警告します。

学習者アクセスの付与と制限

学習者アクセスによって、管理者は、どの学習者に、どの学習へのアクセス権限があるかを定義できます。管理者は、すべてのカタログ・オブジェクトでこの学習者アクセスを指定できます。学習者アクセス指定したカタログ・オブジェクト内のすべてのカタログ・オブジェクトは、その学習者アクセスを継承します。たとえば、あるカテゴリに学習者アクセスを付与すると、そのカテゴリ内のすべてのコースにアクセス権限が付与されます。学習者は、アクセス権限がない学習を表示したり登録することはできません。

オンライン・コンテンツの管理、提供および追跡

コンテンツ・インタフェースを使用すると、オンライン自己ペース・コースとして提供されるコンテンツを編成および準備できます。オンライン・コンテンツをインタフェース内で組み立てたり、協力会社の教育用ソフトウェアなどの既存のコンテンツをインポートできます。

オンライン・コンテンツを学習者に提供するには、学習者が登録してオンライン・プレーヤからアクセスするカタログ講義を作成します。

このプレーヤは、Webで再生できるあらゆるタイプのコンテンツ(Webサーバー上のビデオ、HTML、フラッシュなど)をサポートします。

アプリケーションでは、オンライン・コースでの学習者の進行状況が追跡されます。デフォルトでは、使用時間、完了ステータスおよびテストの成績を含む業績詳細が学習オブジェクト・レベルで保持されます。さらに、SCORM CMI、AICC HACPなど認識されているe-Learning業界仕様のファンクション・コールを含むコンテンツがサポートされるため、必要に応じてコンテンツの詳細な追跡が可能になります。

テストの作成と管理

テスト・ビルダーを使用してテストを作成し、学習者の業績、知識およびスキルを測定できます。また、問題バンクを作成して保守できるため、複数のテストで問題を編成および再利用できます。

テストは、コース内の学習オブジェクト、または独立した講義として学習者に提供します。アプリケーションではテストの採点が行われ、採点結果に基づいて学習者の合否が決まります。

業績統計が表示されるため、特定のテストまたは問題に対する学習者の業績を分析できます。

プレーヤ前提条件の定義

オンライン講義の場合は、テストを含む学習オブジェクトを、同一または別のコース内にある別の学習オブジェクトに対する前提条件として定義できます。学習者が指定の前提条件(必須)のコンテンツを正常に完了していないかぎり、その学習者がコンテンツ(学習オブジェクト)の一部を再生しようとすると、オンライン・プレーヤはアクセスを拒否します。

オンライン・コンテンツのインポートとエクスポート

認識されているコンテンツ仕様に準拠したSCORMやIMS QTIなどの既存のコンテンツ(メタデータおよびコンテンツ・ファイル自体(必要に応じて)の両方)は、インポートおよびエクスポートできます。これには、組織内で作成されたがアプリケーションの外部にあるコンテンツや、サード・パーティから購入したコンテンツ(既製品または特注品のいずれか)があります。

学習者による学習の管理

学習者インタフェースを使用すると、学習者は学習の検索、登録、表示および再生を簡単に実行できます。学習者ページには次のページがあります。

「学習者ホーム」ページ: 学習パスおよび学習者が現在登録しているコースのスナップショットが表示されます。このページで学習者は次の操作を実行できます。

「カタログ」ページと「検索」ページには、使用可能な学習のオンライン・カタログが表示されます。学習者はカタログをナビゲートし、アクセス権限がある学習のみを検索して登録できます。学習者は次の操作も実行できます。

「要求済学習」ページには、登録を要求したが、承認保留中または満席のため登録できないクラスが表示されます。学習者は自分が登録希望になっているクラスや承認保留中のコースも表示できます。

外部学習者への学習アクセスの提供

拡大する顧客やパートナの学習者も含めてすべての学習者は、学習者ページを使用でき、これによって、すべての研修対象者に対してクラスを実質的に提供できます。

完全な学習履歴の表示

学習履歴機能を使用すると、学習者が出席、合格、不合格、完了、取消または失効したすべての学習アクティビティを継続して記録できます。この情報は、次の4つのセクションに表示されます。

学習者およびコース・コンピテンスの管理

学習パスと同様に、コンピテンスは業績をモニターして要員のキャリアを開発するのに役立ちます。このリリースでは、学習パスの従来の機能がHRコンピテンスからコースへのリンクに拡張されています。管理者は、学習者がクラスを正常に完了した後、その学習者の個人コンピテンス・プロファイルを自動的にまたは承認付きで更新するようにアプリケーションを構成できます。

マネージャによる就業者の学習の管理

マネージャはページにアクセスして、従業員に関する学習関連情報を表示できます。マネージャは、表示する従業員を選択した後、学習者インタフェースを使用してその従業員をコースに登録したり、従業員の業績および進行状況を表示できます。

ワークフロー通知との自動通信

アプリケーションには25以上のワークフロー通知が用意されており、クラスの学習者とマネージャに対して、承認が必要な登録、マネージャまたは他のユーザーが実行した登録や取消などを通知します。導入担当者はOracle WorkflowおよびOracle Approval Managementを使用して、これらの通知とその動作を構成できます。

コースの企画と予算計画

予算は、新規コースの企画、およびコースに予定されている全クラスのランニング・コストの両方について割り当てることができます。また、コースを企画するためにインストラクタなどのリソースを割り当てることができます。

セッションの作成

クラスは、指定した期間に実行できます。クラスの詳細な予定を簡単に作成するために、クラスを複数の短いセッションに分割し、セッションごとに開催場所、開始時刻および終了時刻を指定できます。

登録希望者リストの管理

クラスが満席の場合、または空席を割り当てる前に登録者を優先させる場合は、クラスの登録希望者リストを作成できます。空席が出た場合(学習者が登録を取り消したり、登録可能数を増やした場合)、または空席を割り当てる準備ができた場合は、登録希望者リストを表示して登録希望者を選択できます。

登録希望者の自動登録

登録希望者の優先順位または登録日に基づいて、登録希望学習者を自動的に登録することもできます。登録希望学習者の自動登録は、ある学習者が登録を取り消した場合、またはクラスの最大出席者数を増やした場合に発生します。OLMでは、最初の適格な登録希望者をクラスに自動的に移動します。

出席の結果の記録

クラスが開始されると、不合格の理由(適切な場合)を含めて各出席の結果を記録できます。

コンピテンス情報をOracle Human Resourcesに保持している場合は、学習者レコードを更新し、クラスで取得した新しい資格、知識または経験を表示できます。

クラス料金とリソースの相互賦課

クラス料金またはリソースの原価は、企業内の組織間、部門間または原価センター間で転送できます。

財務ヘッダー・レベルで受取原価センターと支払原価センターを指定し、承認済財務ヘッダーと明細の組合せごとに費用(つまり貸方)の財務詳細を要約できます。また、Oracle General Ledgerシステム(または別のGLや売掛金アプリケーション)のオープン・インタフェースに含める出力も作成できます。

Oracle Learning Managementの要件

Oracle Learning Management(OLM)は、学習と企画に関連する広範囲なビジネス・アクティビティをサポートします。

設定できるコース

コースおよび学習パスを設定し、コンピテンス、資格または経験を向上させるために設計された教育事業または開発事業を表現できます。コースは、従来の研修のみではなく、オンライン研修、OJT、実務経験、実習、テストなどで使用できます。

特定の目標にあわせたカリキュラムの設計

カリキュラムは、特定の目標と目的にあわせて設計できるばかりでなく、免許、修了証書および管理研修を含めることもできます。

コンピテンスの更新

コンピテンスは、学習者がクラスを正常に完了した後、自動的にまたは手動で更新できます。

HRMS Intelligenceを使用したキャリア・マネジメントの調査とモニター

Oracle HRMSもインストールしている場合、HRMS Intelligenceには、企業内のコンピテンス、熟達度および研修を調査するために設計されたレポート、Discovererワークブックおよび業績測定が含まれています。HRMS Intelligenceを使用すると、次のようなビジネス上の質問に回答できます。

概要

学習サイクル

次の図に、Oracle E-Business Suiteモデルに従った学習サイクルを示します。

Oracle Learning Managementを他のOracle Applicationsとともに使用すると、必要な学習サイクルをすべてサポートできます。

設定段階

ユーザー段階

OLM学習サイクル

テキストで説明されている画像

設定の決定

ユーザーがタスクを実行できるようにOracle Learning Managementを設定する前に、慎重に計画することをお薦めします。

OLM学習サイクルの様々な段階を計画および設定する職責は、企業によって異なります。段階4〜13は明らかに学習管理の領域となりますが、通常、段階1と2は複数の部門による合同作業で、段階3と14は人事部門の作業となります。

OLMはOracle Human Resourcesと統合されており、これらのアプリケーションをあわせて学習サイクルのすべての段階をサポートできます。

サイクル内のすべての段階を検討する必要はありません。たとえば、市販の学習サービスのプロバイダは、内部研修要件を特定したり学習者の詳細レコードを保守する必要はありません。これらのプロバイダは、主に、計画のメンテナンス、および登録や財務トランザクションの管理に重点を置いています。

外部学習者に対してクラスを商業ベースで提供しない内部研修部門では、価格表や他の財務情報の管理はあまり重要ではありません。ただし、内部の会計実務をサポートするための相互賦課は有効にできます。

必要な決定事項

OLMを設定する前に必要な決定事項については、「Oracle Learning Managementの導入」を参照してください。