Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース11i B25740-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
Daily Business Intelligence for Oracle iStore(DBI for iStore)では、マネージャに対して、新規顧客数やショッピング・カート金額合計など、Webストアー活動に関する重要な取引データが提供されます。また、売上、販売製品および顧客オーダーに関する活動合計の表示も可能です。
DBI for iStoreのWebストアー・データは、次の2つのメイン・エリアで提供されます。
「ストアー管理」ダッシュボード
「ストアー上位活動」ダッシュボード
「ストアー管理」ダッシュボードを使用すると、マネージャは、次に示す複数の新規キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)、レポートおよびリンクを使用して、E-Commerceの生産性を監視できます。
新規顧客件数
カートおよびオーダー活動に関するレポート
カートからオーダーへの変換率
平均オーダー値と平均オーダー値引
「製品カテゴリ別の活動」レポート
記帳済オーダー合計金額とキャンペーン関連オーダー金額
製品に関する他のダッシュボードを表示するための関連リンク
記帳済オーダー、平均オーダーおよび平均オーダー値引については、視覚的な表示を使用できます。また、前期間との比較が可能です。
「ストアー上位活動」ダッシュボードを使用すると、マネージャは、次の情報を表示して、ストアー活動に関する有益な情報を入手できます。
上位オーダー
上位販売製品
上位顧客オーダー
販売金額別上位カート
DBI for iStoreの各ダッシュボードは、次の2つの職責のいずれかを選択すると使用できます。
Webストアー・マネージャ: 役割ベースの職責
Daily iStore Intelligence: 機能ベースの職責
注意: 両方の職責に同じメニュー構造が割り当てられています。これらの職責では、ユーザーは同じデータにアクセスできます。
DBI for iStoreでは、次のディメンションを使用できます。
ストアー
製品
通貨
時間
製品カテゴリ
次に、DBI for iStoreのレポート・ヘッダーおよび計算KPIを示します。
名称: パフォーマンス・インディケータの名称。
増減: 「増減」列には、現期間と選択した比較期間の増減が示されます。たとえば、期間タイプが「月」で、比較が「前年度」の場合は、今月と前年度の同じ月の間の増減が示されます。比較が「前期間」の場合は、今月と先月の間の増減が示されます。
比較は常に、日付までの期間累計のデータに対して行われます。つまり、月レベルで現在日が10月30日の場合、比較は9月29日までの期間のデータに対して行われます。使用するロジックでは、現期間の終了日からの日数が考慮されます。この例の場合、10月30日と9月29日は、月末の1日前です。前年度との比較についても同じロジックが使用されます。
XTD: 期間累計(日)。週累計(「WTD」)、四半期累計(「QTD」)、年累計(「YTD」)または月累計(「MTD」)のいずれかです。
ストアーの比較: 「比較」セクションでは、ストアー間の比較が視覚的に表示されます。点の上にマウスを移動すると、点で表されているストアーのKPI値を参照できます。アクセス可能な各ストアーは点で示されます。選択したストアーは丸で表されます。ストアーが選択されていない場合、丸は表示されません。
セキュリティ情報については、このマニュアルのセキュリティに関する説明を参照してください。
Oracle DBIのデータは、Oracle Applicationsの標準のセキュリティ・グループおよび機能セキュリティを使用して保護されます。
Oracle iStoreデータにアクセスするユーザーには、特定のストアーが関連付けられている営業単位すべてへのアクセス権が必要です。Oracle Human Resourcesプロファイル・オプション「MO: セキュリティ・プロファイル」を使用すると、ユーザーがアクセス可能な営業単位を指定できます。この結果、「ストアー管理」および「ストアー上位活動」ダッシュボードにログインしたときにユーザーが参照できるストアー・データを指定できます。詳細は、このマニュアルを参照してください。
Oracle iStoreの詳細は、『Oracle iStore Implementation and Administration Guide』を参照してください。
DBIの実装前に、次の事項を考慮する場合があります。
製品カテゴリ・レポートをできるかぎり正確にするために、公開済のストアー製品をすべて製品階層に追加します。詳細は、このマニュアルの「製品カタログ階層の設定」を参照してください。
ミニサイト移行を実行する前に、ストアーと営業単位のマッピングを確認します。詳細は、この章の「サイト移行プログラムの実行」を参照してください。
初期データ・ロードを実行する前に、実装している機能とインテリジェンス製品について、実装に関する考慮事項と前提条件をすべて検討し、それらを満たしていることを確認します。詳細は、このマニュアルを参照してください。
DBI for iStoreを実装する前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。
『About Oracle Daily Business Intelligence』(OracleMetaLink から入手可能)を参照し、理解してください。
機能通貨を変換する場合は、プロファイル・オプション「BIS: Treasuryレート・タイプ」を設定します。このプロファイル・オプションの詳細は、このマニュアルの「Daily Business Intelligenceの実装」の章を参照してください。
必要な前提条件をすべて満たした後は、DBI for iStoreの実装を開始できます。詳細は、次のリストを参照してください。
Daily Business Intelligenceの設定: DBIのダッシュボードとレポートのグローバル・デフォルト値を定義します。グローバル通貨、エンタープライズ・カレンダ、週の開始日を指定します。このマニュアルを参照してください。
品目ディメンション・レポートの設定: この設定には、製品カタログ階層の設定とコンカレント・プログラムの実行が含まれます。このマニュアルを参照してください。
記帳済オーダーに関するデータの内部的なレポートで、Oracle iStoreはOracle Supply Chain Managementに依存するため、「OM: DBI導入」プロファイル・オプションの設定が必要です。このプロファイル・オプションが「Yes」の場合、Oracle Order Managementでは、変更された明細がログ表に記録されます。その後、「受注管理ベース要約の更新」プロセスによって、変更されたレコードがログ表から取得されます。プロファイル・オプションが「No」の場合は、データの増分収集が正しく行われません。
このプロファイル・オプションはDaily Business Intelligenceでのみ使用されます。Oracle Order Managementのみを使用しているユーザーが、変更された明細を不必要に記録しないように、プロファイル・オプションには「No」オプションが用意されています。Oracle Order Managementで使用される「Daily Business Intelligence」コンカレント・プロセスによって、ログ表は各収集後にパージされます。
システム管理者は、ユーザー、職責、アプリケーションまたはサイト・レベルでこのプロファイル・オプションを更新できますが、増分収集はサイト・レベルで行われることが望ましいため、サイト・レベルで設定する必要があります。このプロファイル・オプションのデフォルト値は、「No」です。
次のプロファイル・オプションは、DBI for iStoreに固有のものです。
IBE: DBI上位活動行数: このプロファイルでは、「ストアー上位活動」ダッシュボードからアクセスできるドリルダウン・レポートに表示する上位カート、上位オーダー、上位顧客および上位製品の数を指定します。サイト・レベルで整数を設定します。デフォルト値は25です。値の変更が必要なビジネスの事例が発生しないかぎり、デフォルト値を使用することをお薦めします。
このプロファイルを変更した場合は、初期ロードを再度実行する必要があります。
DBI for iStoreでは、実装担当が、半自動移行スクリプト(「iStoreミニサイト移行」コンカレント・プログラムとして使用可能)を実行して顧客データを移行し、DBIで履歴データを表示できるようにする必要があります。このスクリプトでは、ASO_QUOTE_HEADERS_ALL表に、ヘッダー・レベルでストアー識別子(Minisite_ID)列が作成されます。スクリプトは、3つのモードで実行できます。詳細は、後述の「実行モード」を参照してください。
重要: このコンカレント・プログラムは、「iStoreコンカレント・プログラム」職責があるユーザーが実行する必要があります。
iStoreミニサイト移行プログラム: 実行モード
値リストの値は、次のとおりです。
評価: デフォルト値。この値を使用すると、プログラムの出力ログのみを作成するモードでプログラムを実行できます。データ移行は実際には行われないため、移行をコミットする前に、プログラムの結果を表示できます。
コンカレント・プログラムの出力を表示する方法: 要求を発行した後は、Oracle Formsで、「表示」->「要求」の順に選択して、「要求の表示」画面を表示します。特定の要求を参照するには、要求IDを入力します。「要求の表示」画面で、「出力の表示」ボタンを選択して、コンカレント要求の出力を表示します。
実行: このモードでは、データ移行が実際に行われます。
ストアーおよび組織識別子のリストを取得: ストアーと営業単位識別子のリストが提供されます。このリストには、ストアーと営業単位の両方の名称および番号が表示されます。
重要: 「自動デフォルトのみ使用」(後述の「移行ルールの使用」を参照)を使用していない場合は、他の2つのモードで実行する前に、このモードでプログラムを実行してください。
iStoreミニサイト移行プログラム: 移行ルールの使用
値リストの値は、次のとおりです。
自動デフォルトのみ使用: デフォルト値。「カート明細」、「組織からストアーへのマッピング」および「一意価格表」の3つのルールが使用されます。
組織からミニサイトへのマッピングのみ使用: 移行の実行前に、「組織からストアーへのマッピング」の入力のみが使用されます。
最初にデフォルト・ルールを使用し、次に組織マッピングを使用: 最初に3つの自動デフォルト・ルールが使用され、その後残りのカートに対して、ユーザー定義の「組織からストアーへのマッピング」ルールが使用されます。
iStoreミニサイト移行プログラム: 組織からストアーへのマッピング
<営業単位識別子>:<ストアー識別子>の規則を使用して、各営業単位をデフォルト・ストアーとマップする文字列を入力します。
次の例を参照してください。
営業単位1の識別子(204)の後にストアー1の識別子(10000)が続き、2つの数値をコロンで区切ると、「204:10000」のようになります。
営業単位2の識別子(301)の後にストアー2の識別子(10008)が続く場合は、「301:10008」のようになります。
注意: 営業単位識別子とストアー識別子を確認するには、「ストアーおよび組織識別子のリストを取得」モードでプログラムを実行します。
既存のストアー識別子によるカートの更新: この値はデフォルトでは非表示です。このオプションは、有効なミニサイトIDが不正確なIDで上書きされるリスクを減らす必要がある場合のみ使用します。値は「Yes」または「No」です。「No」(デフォルト)の場合は、コンカレント・プログラムによって、カート・ヘッダー・レベルでストアー識別子のないカートのみが更新されます。「Yes」の場合は、コンカレント・プログラムによって、すべてのカートが更新されます。
注意: 値が「No」の場合、この機能を使用するには、コンカレント・プログラムの定義を変更する必要があります。パラメータのデフォルト値を変更するには、システム管理者でOracle Formsにログインし、「コンカレント」->「プログラム」->「定義」の順にナビゲートします。プログラム「iStoreミニサイト移行プログラム」を問い合せ、「パラメータ」ボタンを選択します。詳細は、『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』を参照してください。
iStoreミニサイト移行プログラム: プログラム実行後の動作
このプログラムを実行した後は、次の移行ルールがこの順序で実行されます。
カート明細レベルのデータが移入されると、プログラムによってヘッダー・レベルのストアー識別子に同じ値が移入されます。カートに作成される最初の明細は、ストアー識別子の取得に使用されます。
各ショッピング・カートがヘッダー・レベルで営業単位に結び付けられます(営業単位は「MO: 営業単位」プロファイルで定義され、職責レベルで顧客職責に設定されます)。ストアーには、何も関連付けられないか、または多数の顧客職責(それぞれが1つの営業単位に関連)が関連付けられる場合があります。コンカレント・プログラムは、この情報を使用して、カート・ヘッダー・レベルで定義された営業単位に関連したストアーを取得します。
各カートが、特定のパーティとパーティ・タイプに対するカートの価格設定に使用した価格表に結び付けられます。ストアーベースの価格設定が使用される場合は、価格表識別子がIBE_MSITE_CURRENCIES表に格納されます。ストアーベースの価格設定を使用するときは、通貨ごとに3つの価格表がサポートされます。1つは予約なしユーザー用、1つは登録済B2Cユーザー用、1つは登録済B2Bユーザー用です。ショッピング・カートのパーティ、パーティ・タイプおよび価格表識別子に応じて、コンカレント・プログラムでは、候補のストアーと価格表が検出されます。
カートに対して移行ルールが実行されるとき、次のことが行われます。
移行ルールによって、ストアーが1つ取得される場合。それに応じてカート・ストアー識別子列が更新され、そのカートに対するルール評価は終了します。
移行ルールによって、ストアーが取得されない場合。カートに対して次のルールが評価されます。
移行ルールによって複数のストアーが取得される場合。1つの固有のストアー識別子が2つのルールに共通の場合、コンカレント・プログラムはそこで終了します。それ以外の場合は、次のルールが評価されます。
パラメータ「移行ルールの使用」が「最初にデフォルト・ルールを使用し、次に組織マッピングを使用」に設定されている場合。カートに対するストアーがデフォルト・ルールを使用して取得されない場合は、ユーザー定義のマッピング・ルール(ストアーと組織のマッピング)が使用され、ストアーIDが検出されます。
DBIとその関連機能およびインテリジェンス製品の実装を完了した後は、実装後の手順をいくつか実行する必要があります。これらの必須手順は、すべてのインテリジェンス製品に共通で、初期実装の完了後に1回のみ実行する必要があります。詳細は、このマニュアルの「設定後の手順」を参照してください。