Oracle Daily Business Intelligenceインプリメンテーション・ガイド リリース11i B25740-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
Oracle DBI for Salesは管理レポートを作成するツールです。このツールによって、営業担当の役員とマネージャは、担当している組織について、包括的な予測分析、収益バックログの要約、商談活動のレビュー、および営業部署の比較を実行できます。Oracle DBI for Salesは、営業組織の重要な課題すべてに対応できるように、関連する営業情報や複数の組織の営業情報をタイミングよく提供します。レポートとKPIは日次単位で更新され、企業のビジネスに関する最新の販売傾向と指針を提供します。Oracle DBI for Salesは、一連のキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)、トレンド・グラフおよび要約表で構成されています。また、豊富な比較機能も用意されており、実用的で他にない水準の分析を営業組織全体で実行できます。中心的な取扱い範囲には、予測対パイプライン・パフォーマンス、キャンペーン別の引合と商談、パイプライン成長トレンド、商談受注/失注、および収益バックログ累計があります。Oracle DBI for Salesは、営業担当の役員とマネージャが販売実績を監視しながらビジネスに関する最適な販売戦略を計画できるように設計されています。
ダッシュボードとレポートを形成するすべてのKPIは、Oracle E-Business Suiteの営業取引システムから供給されます。
使用可能なレポートとその内容の完全なリストは、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle DBIの詳細は、このマニュアルの「Daily Business Intelligenceの設定」の章を参照してください。
DBI for Salesのダッシュボードとレポートには、次のディメンションが使用されます。
時間
営業グループ
品目(製品カテゴリ・ディメンション・オブジェクトのみ)
通貨
キャンペーン
共通ディメンションの詳細は、このマニュアルの「Daily Business Intelligenceの設定」の章を参照してください。
DBI for SalesのKPIのリストは、『Oracle Daily Business Intelligenceユーザーズガイド』の「DBI for Sales」にある用語と選択した注記に関する項を参照してください。
次の各項では、DBI for Salesのベース要約表について説明します。
営業商談のベース要約: BIL_BI_OPDTL_F
BIL_BI_OPDTL_Fは、営業商談のベース要約とも呼ばれ、各営業グループ、営業担当および製品カテゴリについて、最新の商談が営業実績別に格納されます。この表は、マテリアライズド・ビューで使用されます。
販売予測のベース要約: BIL_BI_FST_DTL_F
BIL_BI_FST_DTL_Fは、販売予測のベース要約とも呼ばれ、各営業グループ、営業担当および製品カテゴリについて、要約データが販売予測別に格納されます。この表は、マテリアライズド・ビューで使用されます。
営業パイプラインのベース要約: BIL_BI_PIPELINE_F
BIL_BI_PIPELINE_Fは、営業パイプラインのベース要約とも呼ばれ、有効な各期間(日、週、期間、四半期、年)について、各営業グループ、営業担当および製品カテゴリのパイプラインおよびオープン・データの日次スナップショットが格納されます。この表は、マテリアライズド・ビューで使用されます。
Daily Business Intelligence for Salesが所有しているマテリアライズド・ビューは、次のとおりです。
営業商談のベースMV要約: BIL_BI_OPDTL_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPDTL_MVは、商談に関するベース・レベルのマテリアライズド・ビューです。このマテリアライズド・ビューは、営業商談のベース要約表に指定されている品目IDと組織IDに対して、ENI_ITEM_DIMENSION_STAR表での製品カテゴリIDを特定するために使用されます。マスター組織のマッピングや、種別がSALESでないグループの排除もこの段階で実行されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業商談の中間MV要約(営業グループおよび製品カテゴリ別): BIL_BI_OP11_PG_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OP11_PG_MVは、BIL_BI_OPDTL_MVの営業グループの積上げによって得られます。これは上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業商談の中間MV要約(営業グループ別): BIL_BI_OP21_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OP21_G_MVは、品目および製品カテゴリ情報を無視するために、BIL_BI_OP11_PG_MVの内容を削減することで得られます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業商談の中間MV要約(営業グループ別): BIL_BI_OP22_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OP22_G_MVは、BIL_BI_OP21_G_MVから取得されます。時間の積上げに使用できる共通のeffective_time_id列を指定するために、様々な時間ベースのKPIを異なるUNION ALLSに分割することで取得します。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業商談の要約(営業グループ別): BIL_BI_OPTY_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPTY_G_MVには、期間累計(PTD)KPIの時間ディメンションに従って集計された営業グループ別に、商談件数と商談金額が挿入されます。これはネストしたマテリアライズド・ビューで、BIL_BI_OP22_G_MVの最上位で作成されます。このマテリアライズド・ビューを実行時の問合せに使用できるのは、(1)「表示別」が「製品カテゴリ」に設定されていない場合、および(2)「製品カテゴリ」パラメータが選択されていないか、「全て」の場合です。
営業商談の中間MV要約(営業グループおよび製品カテゴリ別): BIL_BI_OP12_PG_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OP12_PG_MVは、BIL_BI_OP11_PG_MVから取得されます。時間IDに基づく様々なKPIを、最終段階で時間を積み上げる目的で個別のUNION ALLSに分類することで取得します。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
営業商談の要約(営業グループおよび製品カテゴリ別): BIL_BI_OPTY_PG_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPTY_PG_MVは、期間累計KPIの商談金額が、営業グループ階層および製品カテゴリ別に格納される最上位レベルのマテリアライズド・ビューです。これはネストしたマテリアライズド・ビューで、BIL_BI_OP12_PG_MVに基づいて作成されます。このマテリアライズド・ビューには、BIL_BI_OP12_PG_MVの時間が積み上げられます。このマテリアライズド・ビューを実行時の問合せに使用するのは、製品カテゴリが選択されている場合、または「表示別」が「製品カテゴリ」に設定されている場合です。
上位商談の要約(営業グループ別): BIL_BI_TOPOP_G_MV
BIL_BI_TOPOP_G_MVは上位商談のマテリアライズド・ビューで、「上位商談」レポートに対応します。このマテリアライズド・ビューは、ランク機能の使用時に高速リフレッシュできないため、マテリアライズド・ビューのみを完全にリフレッシュします。
引合および商談のベースMV要約(営業グループおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLDC_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLDC_MVは、商談および引合のベース・レベルのマテリアライズド・ビューで、営業グループまたは営業担当別のレポートにのみ使用されます。このマテリアライズド・ビューは、引合および商談のKPIを単一のマテリアライズド・ビューに結合するために使用されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
引合および商談の中間MV要約(営業グループおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLDC_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLDC_G_MVは、ベース・マテリアライズド・ビュー(BIL_BI_OPLDC_MV)のキャンペーンを積み上げたものです。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
引合および商談の要約(営業グループおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLDC_GC_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLDC_GC_MVは、BIL_BI_OPLDC_G_MVの最上位での時間および営業グループを積み上げたものです。これは、キャンペーン別引合および商談のマテリアライズド・ビューの最上位レベルのマテリアライズド・ビューで、営業グループ別にレポートし、実行時のレポートに使用できます。
引合および商談のベースMV要約(営業グループ、製品カテゴリおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLPC_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLPC_MVは、商談および引合のベース・レベルのマテリアライズド・ビューで、営業グループまたは営業担当および製品カテゴリ別のレポートにのみ使用されます。このマテリアライズド・ビューは、引合および商談のKPIを単一のマテリアライズド・ビューに結合するために使用されます。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
引合および商談の中間MV要約(営業グループ、製品カテゴリおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLPC_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLPC_G_MVは、ベース・マテリアライズド・ビュー(BIL_BI_OPLPC_MV)のキャンペーンを積み上げたものです。これは、上位レベルのマテリアライズド・ビューによって使用される中間レベルのマテリアライズド・ビューです。
引合および商談の要約(営業グループ、製品カテゴリおよびキャンペーン別): BIL_BI_OPLPC_GC_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_OPLPC_GC_MVは、BIL_BI_OPLPC_G_MVの最上位での時間および営業グループを積み上げたものです。これは、キャンペーン別引合および商談のマテリアライズド・ビューに対する最上位レベルのマテリアライズド・ビューで、営業グループおよび製品カテゴリ別にレポートし、複数のレポートで使用できます。
販売予測のベースMV要約(営業グループおよび製品カテゴリ別): BIL_BI_FST1_PG_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_FST1_PG_MVには、営業グループに従って集計された予測金額が挿入されます。このマテリアライズド・ビューは、ベース要約表BIL_BI_FST_DTL_Fに基づくことになります。このマテリアライズド・ビューは、実行時の問合せには使用しないでください。
販売予測の要約(営業グループおよび製品カテゴリ別): BIL_BI_FST_PG_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_FST_PG_MVには、営業グループおよび製品カテゴリの階層に従って集計された予測金額が挿入されます。このマテリアライズド・ビューは、マテリアライズド・ビューBIL_BI_FST1_PG_MVに基づくことになります。製品カテゴリが「全て」でない場合、実行時の問合せには、このマテリアライズド・ビューを使用してください。
販売予測の要約(営業グループ別): BIL_BI_FST_G_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_FST_G_MVには、営業グループの階層に従って集計された営業グループ別予測金額が挿入されます。このマテリアライズド・ビューは、マテリアライズド・ビューBIL_BI_FST1_PG_MVに基づくことになります。製品カテゴリが「全て」でない場合、実行時の問合せには、このマテリアライズド・ビューを使用してください。
柔軟なバケット機能を使用した営業グループ別営業パイプラインの要約: BIL_BI_PIPE_MV
マテリアライズド・ビューBIL_BI_PIPE_MVには、営業グループ別に積上げたパイプラインとオープン商談のKPIが格納されます。このマテリアライズド・ビューには、受注確度に関連する製品カテゴリIDと柔軟なバケットIDも格納されます。このマテリアライズド・ビューは、柔軟なバケット機能を使用した受注確度KPIで加重調整したパイプラインを含む実行時レポートで使用されます。
営業パイプラインのベース要約(営業グループ別): BIL_BI_PIPE_G_MV
このマテリアライズド・ビューは、柔軟なバケットIDを無視するために、BIL_BI_PIPE_MVを削減することで得られます。このマテリアライズド・ビューは、受注確度によるパイプラインの柔軟なバケット情報が不要な場合に、実行時レポートの問合せで使用されます。
DBI for Salesでは、Oracle Field SalesまたはOracle Salesに実装されているものと同じ営業グループのセキュリティ・モデルが使用されます。次に、アクセスを管理するルールについて説明します。
許可される役割
DBI for Salesへのアクセスは、Oracle Resource Managerの役割であるマネージャまたは管理者のいずれかが割り当てられているユーザーに制限されます。
営業グループ・アクセス
ユーザー・アクセスは、次の営業グループまたは営業担当の情報の表示に制限されます(これらのグループ/営業担当は、営業グループ・パラメータに表示されます)。
ユーザーが所有する営業グループ
ユーザーが所有する営業グループの下位の営業グループと営業担当(営業グループ階層の現行のビューの定義に基づく)
ユーザーは、同位の営業グループ情報を表示できません。ユーザーは、営業グループ階層をその最下位レベルまでドリルダウンできます。
注意: 管理者の役割をサポートしているのは、Oracle Field SalesおよびOracle TeleSalesアプリケーションのみです。
DBI for Salesを実装する前提条件は、次のとおりです。
Oracle SalesまたはOracle Field Sales(ユーザーの作業環境によって異なる)
DBI for Salesには、次の製品のKPIと分析が格納されます。
DBI for Marketing
DBI for Financials
DBI for Supply Chain
これらの製品は必須ではありません。ただし、これらの関連DBI製品を指定しない場合、DBI for Salesのダッシュボードとレポートには、その製品のKPIが欠落することになります。これらの関連DBI製品がインストールされている場合は、次の取引アプリケーションもインストールする必要があります。
Oracle Marketing
Oracle Financials
Oracle Order Management
バージョン要件については、該当する「About」ドキュメントを参照してください。
次の各項では、DBI for Salesの実装時に考慮する必要がある実装の設定とプロファイル・オプションについて説明します。これらの実装の設定によって、DBI for Salesの各ダッシュボードとレポートに表示されるデータが決まります。
DBI for Salesは、Oracle Field Sales、Oracle TeleSalesまたはOracle Sales On-Line Transactional Processing(OLTP)の各アプリケーションと併用するように設計されています。後述のように、DBI for Salesでは、商談、パイプラインおよび予測KPIのデータ収集およびレポートについて、適切なプロファイルが使用されます。
DBI for Salesでは、「BIS: エンタープライズ・カレンダ」プロファイル・オプションに定義されているカレンダを使用して時間ディメンションが構成されます。時間ディメンションは、情報を期間別にレポートするために、DBI for Salesのすべてのダッシュボードとレポートで使用されます。
予測に使用されるカレンダは、Oracle SalesまたはOracle Field Salesが実装されているかどうかによって、「ASN: 予測カレンダ」または「OS: 予測カレンダ」プロファイルで定義されます。
発行される販売予測の期間タイプは、「BIL: ベース予測期間タイプ」プロファイルで定義されます。予測カレンダの範囲内の有効な期間であることが必要です。予測データについては、定義されている期間に発行された予測のみが営業取引システムから収集されます。
DBI for Salesでは、時間ディメンションに相当する期間と、営業予測が発行される期間タイプを同等に扱う方法(つまり、時間ディメンションに属しているディメンション・オブジェクト)が必要です。
双方の期間タイプのマッピングは、「BIL: エンタープライズ予測期間タイプのマッピング」プロファイルで提供されます。このプロファイルには、販売予測が発行される予測カレンダの期間タイプに相当するディメンション・オブジェクトの名称を定義するように設定してください。
次の図は、予測カレンダとエンタープライズ・カレンダ間のマッピングの例を示しています。
特定の期間の予測が発行されている場合は、「BIL: ベース予測期間タイプ」に定義されている期間に対してのみ予測情報を表示できます。あるいは、時間ディメンション階層内で次に大きい期間まで積み上げます。サイト・レベルのプロファイル「BIL: 予測期間積上の有効化」が「Yes」に設定されている場合、予測情報は時間ディメンション階層まで要約されます。たとえば、期間タイプ「月」(月は「BIL: ベース予測期間タイプ」プロファイルで定義される)で発行される予測は、「四半期」および「年」期間タイプに積み上げられます。ただし、「週」の期間タイプで発行される予測は、積み上げられません。このプロファイルにシードされているデフォルト値は「No」です。これは、予測情報が時間ディメンション階層に従って要約されないことを意味します。
DBI for Salesのすべての商談および予測情報は、Oracle SalesまたはOracle Field Salesが実装されているかどうかによって、サイト・レベルのプロファイル「ASN: 予測営業実績タイプ」または「OS: 予測営業実績タイプ」に指定されている営業実績タイプの情報が表示されます。これは、「上位商談」レポートを除くすべてのレポートに当てはまります。
現在または過去の日付(SYSDATE以前の日付)に対して、Oracle General Ledger(GL)の通貨換算レートを変更しないでください。現在または過去の日付の通貨換算レートを変更した場合は、初期要求セットを使用して、グローバル開始日から取引データを再収集してください。再収集しないと、DBI for Salesには誤った通貨値が表示されます。
収集プログラムでは、クローズ日が(現在日から)最大2年先までの商談のみが収集されます。クローズ日が2年を超える商談が作成され、その後更新されなかった場合、DBI for Salesではレポートされません。クローズ日が更新されて2年の日付範囲内になった場合のみ、レポートの対象となります。
予測カテゴリとは、販売予測の対象として選択された1つ以上の製品カテゴリです。販売予測は、特定の予測カテゴリ、さらに、その予測カテゴリにマップされている1つ以上の製品カテゴリについて発行されます。
Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesの実装では、1つの予測カテゴリを1つの製品カテゴリにマップすることをお薦めします。複数の製品カテゴリがマップされている予測カテゴリに対して発行される予測は、DBI for Salesのデータ収集プログラムから除外されるため、DBI for Salesの各レポートとダッシュボードには表示されません。
例: 予測カテゴリと製品カテゴリに対する推奨マッピング
次の表に、製品カテゴリに対する予測カテゴリのマッピングを示します。後述のベスト・プラクティスの各項を検証する際は、この表を参照してください。
予測カテゴリ | 製品カテゴリ | 推奨ソリューション |
---|---|---|
FC1 | B | Yes |
FC2 | D、E | No |
FC3 | C | No |
ベスト・プラクティス: 予測カテゴリは単一の製品カテゴリにマッピングすること
DBI for Salesでは、単一の製品カテゴリについてパイプラインおよび予測情報を表示するために、予測カテゴリは単一の製品カテゴリにマップすることをお薦めします。前述の例で、予測カテゴリFC1は単一の製品カテゴリにマップされました。予測カテゴリFC1に対して予測を発行すると、製品カテゴリBの商談明細が含まれているすべての商談が考慮されます。
したがって、ユーザーがDBI for Salesにログインして製品カテゴリBを選択すると、予測を発行した営業グループのマネージャには、予測および対応するパイプライン情報が表示されます。
すべての予測カテゴリは、同じレベル(つまり、階層内のピア・ノード)で製品カテゴリにマップしてください。予測カテゴリは、最上位ノードまでの親ノード、または予測カテゴリにマップされている製品カテゴリの子ノードにはマップしないでください。
たとえば、予測カテゴリFC1が製品カテゴリBにマップされている場合は、製品カテゴリA、DまたはEには、別の予測カテゴリをマップしないようにします。製品カテゴリCには、FC2などの追加の予測カテゴリをマップできます。
予測カテゴリが製品カテゴリ階層の最上位ノード(製品カテゴリAなど)にマップされている場合は、その他の予測カテゴリが製品カテゴリB、C、D、E、FまたはGにマップされないようにします。
かわりに、予測カテゴリFC1が製品カテゴリDにマップされている場合は、その他の予測カテゴリ(FC2など)を製品カテゴリEにマップできます。製品カテゴリAまたはBには予測カテゴリがマップされないようにします。
予測カテゴリは、階層の個別のブランチごとに、製品カテゴリ階層内で異なるレベルにマップできます。たとえば、予測カテゴリFC1が製品カテゴリBにマップされている場合は、その他の予測カテゴリ(FC2など)を製品カテゴリFまたはGにマップできます。
ベスト・プラクティス: 予測カテゴリは複数の製品カテゴリにマップしないこと
DBI for Salesの収集プログラムでは、複数の製品カテゴリにマップされている予測カテゴリについては、予測データが収集されません。
予測カテゴリが複数の製品カテゴリにマップされていると、等価ベースでパイプラインおよび予測情報を比較できません。前述の例では、予測カテゴリFC2は製品カテゴリDおよびEにマップされています。予測カテゴリFC2の予測を発行する際は、製品カテゴリDおよびEの商談明細が含まれているすべての商談が考慮されます。したがって、ユーザーがDBI for Salesにログインして製品カテゴリDを選択すると、製品カテゴリDおよびEに対して発行された予測が表示され、一方で、パイプライン情報は製品カテゴリDについて表示されます。
注意: Oracle Salesでは、予測カテゴリが複数の製品カテゴリにマップされている場合、予測カテゴリを構成する個別の製品カテゴリに対して予測を発行できます。
ベスト・プラクティス: 複数の予測カテゴリを単一の製品カテゴリにマップしないこと
複数の予測カテゴリは、単一の製品カテゴリにマップしないことをお薦めします。複数の予測カテゴリが単一の製品カテゴリにマップされていると、正しい予測情報を表示できない可能性があります。前述の例では、予測カテゴリFC3およびFC4が製品カテゴリCにマップされています。予測カテゴリFC3またはFC4(あるいはその両方)に対して予測を発行する場合は、製品カテゴリCの商談明細が含まれているすべての商談が考慮されます。したがって、ユーザーがDBI for Salesにログインして製品カテゴリCを選択すると、予測カテゴリFC3およびFC4に対して予測を発行した営業グループ・マネージャには、合計された予測情報が表示されます。
ここでは、営業商談、パイプラインおよび予測データを収集およびレポートする際の想定事項と制限について説明します。
一般的な想定事項
DBI for Salesには、データ収集とレポートに関連する次の一般的な想定事項があります。
通貨額は、Financial Intelligence APIを使用して、取引通貨からBISの第1レート・タイプの第1通貨とBISの第2レート・タイプの第2通貨に換算されます。予測には発行日時点での換算レートが、商談にはクローズ日時点の換算レートが使用されます。将来のクローズ日については、通貨換算レートの判断に現行のシステム日が使用されます。
営業グループ、製品カテゴリおよびキャンペーンの各階層には、最新の階層が使用されます。
現行のマッピングは、製品カテゴリと製品との間に存在します。品目ディメンションには、未割当ての製品カテゴリにマップされていない製品が自動的に割り当てられます。
在庫品目の製品カテゴリを決定するには、マスター品目の組織IDが使用されます。
営業商談のデータ収集とレポートに関する想定事項
営業商談のデータ収集とレポートに関する想定事項は、次のとおりです。
データは、営業実績を入手した営業担当および営業グループ別に集計およびレポートされます(ただし、「上位商談」レポートを除く)。
営業グループまたは営業担当の情報がない商談営業実績はレポートされません(ただし、「上位商談」レポートを除く)。
収集されるのは、「予測実績タイプ」のプロファイル・オプション値に定義されている実績タイプの商談です。
「上位商談」レポートでは、次の想定事項が適用されます。
データは、所有者営業グループおよび営業担当に対して集計およびレポートされます。
所有者営業グループまたは営業担当のいない商談は、レポートされません。
すべての商談メトリック(オープン、パイプラインおよび加重パイプラインを除く)は現在日まで累計されます。つまり、現期間の開始日から現在日までにクローズ日があった商談の情報が表示されます。
営業取引アプリケーションでは、ユーザーは、将来のクローズ日の商談ステータスを「受注済」に指定できます。このビジネス・プロセスでは、DBIレポートで問題が発生する可能性があります。たとえば、商談のクローズ日が将来のクローズ日で、ステータスが「受注済」に設定されている場合は、現在日が商談のクローズ日になるまでは、「受注済」としてはレポートされません。同様の状況は、引合から商談への変換にも存在します。DBIでは、データは次の想定事項に基づいて収集されます。
クローズ日が作成日より前の日付の場合、作成日はクローズ日と同日とみなされます。クローズ日が作成日より前の商談が作成された場合、作成日はクローズ日と同日とみなされます。
クローズ日が変換日より前の日付で、作成日がクローズ日以前の日付の場合、変換日は作成日と同日とみなされます。
クローズ日が変換日より前の日付で、作成日がクローズ日より後の日付の場合、変換日はクローズ日と同日とみなされます。作成日より前のクローズ日で商談が作成される場合は、クローズ日がすぎた後に引合にリンクされ、リンク日はクローズ日と同日とみなされます。
営業パイプライン/オープン商談のデータ収集とレポートに関する想定事項
営業パイプライン/オープン商談のデータ収集とレポートに関する想定事項は、次のとおりです。
データは、営業実績を獲得した営業担当および営業グループ別に集計およびレポートされます(ただし、「上位商談」レポートを除く)。
営業グループまたは営業担当の情報がない商談営業実績はレポートされません(ただし、「上位商談」レポートを除く)。
収集されるのは、「予測実績タイプ」のプロファイル値と同じ実績タイプの商談です。
データ収集処理が実行される場合、パイプライン要約にはパイプラインとオープン商談のスナップショットが格納されます。コンカレント要求セットを実行しない日は、パイプラインとオープン商談ではデータが表示されません。データ収集でのこのようなギャップは、ギャップ内の各日の終了時点で、営業商談の履歴ログ表を使用して補充されます。いつでも存在するギャップは1つのみです。ギャップは、1日の場合も、数日にわたる場合もあります。
ギャップの補充では、すべての製品カテゴリに関連するデータ・エラーは警告として報告され、対応する商談の行が収集処理では無視されます。
パージ・パラメータが「Yes」の場合は、パイプライン収集の初期実行でギャップの補充は行われません。
販売予測のデータ収集とレポートに関する想定事項
販売予測のデータ収集とレポートに関する想定事項は、次のとおりです。
Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesの実装では、営業取引アプリケーションでの予測カテゴリから製品カテゴリへのマッピングは1対1です。
Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesの実装で、予測カテゴリ・マッピングへの変更がある場合は、初期ロードの要求セットを実行してデータを再収集する必要があります。再収集しないと、以前に収集した履歴データが予測カテゴリから製品カテゴリへの古いマッピングに基づいて要約されます。この制限は、「販売予測ベース要約のロード」の収集開始日がプロファイル「BIL: Oracle Sales実装日(mm/dd/yyyy)」の日付より前の日付に設定されている場合、Oracle Salesの実装に対しても必要です。顧客がOracle Salesで作成されたデータのみを使用する場合は、このコンカレント・プログラムの開始日パラメータは、プロファイルの日付以降の日付に設定する必要があります。
予測期間タイプが週または年の場合、予測データは積み上げられません。
サイト・レベルのプロファイル「BIL: 予測期間積上の有効化」の値に変更がある場合は、初期ロードの要求セットを実行してデータを再収集する必要があります。再収集しないと、すでに収集されている履歴データに対して変更が反映されません。
予測は、期間終了後には発行されません。レポートには、選択した日付以前に、その期間で最後に発行された予測の値が表示されます。
次の表に、DBI for Salesの実装に関する必須タスクと任意のタスクをリストします。
タスク | 職責 | 必須/オプション |
---|---|---|
DBI for Salesプロファイル・オプションの設定 | システム管理者 | 必須 |
柔軟なバケットの設定 | Oracle Sales管理者 | オプション |
「商談ログ表の初期ロード」コンカレント・プログラムの実行 | Oracle Sales管理者 | 必須 |
DBI for MarketingおよびDBI for Supply Chainの実装 | Business Intelligence管理者 | オプション |
この項にリストされているプロファイル・オプションを推奨値に設定します。次のDBI for Salesプロファイル・オプションを設定してください。
BIL: ベース予測期間タイプ: このサイト・レベルのプロファイル値は、営業組織内で販売予測の発行に使用する期間タイプに対して設定する必要があります。たとえば、四半期単位の事業期間で販売予測を発行する場合は、期間タイプを「四半期」に設定します。選択する期間タイプは、「OS: 予測カレンダ」プロファイルに選択されているカレンダで有効な期間タイプであることが必要です。販売予測データには必須です。
BIL: エンタープライズ予測期間タイプのマッピング: このサイト・レベルのプロファイルは、「BIL: ベース予測期間タイプ」プロファイル(販売予測に使用される期間タイプに対応する時間ディメンションのディメンション・オブジェクト)で選択した期間タイプに相当する「BIS: エンタープライズ・カレンダ」プロファイルの期間タイプを示します。たとえば、販売予測が四半期に対して発行される場合、このプロファイル値は、相当する期間である「エンタープライズ四半期」に設定します。販売予測に使用される期間タイプに相当する時間ディメンションのディメンション・オブジェクトに設定してください。
「BIL: 予測期間積上の有効化」: このサイト・レベルのプロファイル値は、特定の期間に発行された販売予測を、DBI for Salesの時間ディメンションでより広範な期間に積み上げるかどうかを示すために設定します。たとえば、四半期で発行される販売予測は年に積み上げる可能性があります。「No」に設定すると、販売予測は積み上げられません。「Yes」に設定すると、販売予測は積み上げられます。
「BIL: Oracle Sales実装日(mm/dd/yyyy)」: このサイト・レベルのプロファイルは、Oracle Sales OLTPアプリケーションの実装日に設定してください。Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesが実装されている場合は、NULLに設定します。注意: 最初はこのプロファイルに「Y」または「N」が設定されている場合があります。その値を前述のように設定してください。
Oracle Sales、Oracle Field SalesおよびOracle TeleSalesのプロファイル・オプション
次のOracle Sales、Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesのプロファイル・オプションを設定する必要があります。ナビゲーションと職責については、Oracle SalesおよびOracle Field Salesの各インプリメンテーション・ガイドを参照してください。
これらのプロファイルでは、商談取引のログを定義します。取引ログ表は、収集プログラムが実行されなかった期間に対して、パイプライン、加重パイプラインおよびオープン商談情報を取得するために使用されます。たとえば、データ収集プログラムが、月曜日と火曜日には実行され、水曜日と木曜日には実行されなかったとします。したがって、金曜日時点で水曜日と木曜日について使用できるパイプライン、加重パイプラインおよびオープン商談情報はありません。データ収集プログラムが金曜日に実行されると、水曜日と木曜日のパイプライン、加重パイプラインおよびオープン商談情報を判断するために、取引ログ表が参照されます。
次のプロファイルが推奨値に設定されていない場合は商談取引が記録されず、その結果、ユーザーはデータが収集されなかった期間のパイプライン、加重パイプラインおよびオープン商談情報を入手できません。
OS: 商談履歴データの追跡可能: 「Yes」に設定すると、商談取引(新規商談または商談の更新)を記録できます。
OS: 購入明細履歴データの追跡可能: 「Yes」に設定すると、商談明細取引(新規商談明細または商談明細の更新)を記録できます。
OS: 営業実績履歴データの追跡可能: 「Yes」に設定すると、商談営業実績取引(新規商談営業実績または商談営業実績の更新)を記録できます。
OS: 商談ログの時間枠: このプロファイルでは、発生する取引の記録レベルを定義します。プロファイル値は「日」に設定することをお薦めします。これは、商談取引について日次レベルでの記録が有効であることを意味します。パフォーマンス面でも最適な設定です。
Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesが実装されている場合に設定するプロファイル
Oracle Field SalesまたはOracle TeleSalesが実装されている場合は、次のシステム・プロファイルを設定してください。
OS: 予測カレンダ: このサイト・レベルのプロファイルは、販売予測に使用するカレンダに設定します。「BIS: エンタープライズ・カレンダ」プロファイルに設定されている値と同じ値にする必要があります。異なる場合、予測データはレポートできません。
OS: 予測営業実績タイプ: このサイト・レベルのプロファイルは、DBI for Salesでの予測と商談情報に使用する営業実績タイプに設定します。
Oracle Salesが実装されている場合に設定するプロファイル
Oracle Salesが実装されている場合は、次のシステム・プロファイルを設定してください。
ASN: 予測カレンダ: このサイト・レベルのプロファイルは、販売予測に使用するカレンダに設定します。「BIS: エンタープライズ・カレンダ」プロファイルに設定されている値と同じ値にする必要があります。異なる場合、予測データはレポートできません。
ASN: 予測営業実績タイプ: このサイト・レベルのプロファイルは、DBI for Salesでの予測と商談情報に使用する営業実績タイプに設定します。
営業担当の役員とマネージャにとって重要な作業は、パイプラインのレビューと、ビジネス・ニーズに合わせて定義した受注確度範囲で加重調整されたパイプライン情報のレビューです。この受注確度範囲をカスタマイズする機能が用意されています。
Daily Business Intelligenceの管理者職責を使用してOracle Self Service Web Applicationにログインします。
「設定」->「グローバル」->「レポート」->「バケット・セット」の順にナビゲートします。
バケット・セットの「商談受注確度バケット・セット」を検索して、更新します。
受注確度範囲を必要に応じて定義します。
変更内容を保存します。
コンカレント・プログラムは、生成されたコンカレント要求セットを実行すると自動的に実行されます。詳細は、このマニュアルの「Daily Business Intelligenceの設定」の章を参照してください。「商談ログ表の初期ロード」コンカレント・プログラムは、個別に実行する必要があります。このプログラムは、要求セットの一部には含まれていません。このプログラムを実行するには、職責をOracle Sales管理者に切り替えてから、このコンカレント・プログラムを実行し、商談履歴のOracle Salesログ表で基本編成データを作成します。このコンカレント・プログラムは、「Oracle Sales、Oracle Field SalesおよびOracle TeleSalesのプロファイル・オプション」の項にリストされているプロファイルを設定した後に、1回のみ実行する必要があります。
「Oracle Sales管理者」職責を使用して、Oracle Applicationsのフォームにログインします。
「新規要求の発行」ウィンドウにナビゲートします。ナビゲータ・パスは、「コンカレント要求」->「実行」です。
「新規要求の発行」ウィンドウで、「単一要求」オプションを選択して「要求の発行」ウィンドウを表示します。
「商談ログ表の初期ロード」コンカレント要求を選択します。「デバッグ」および「SQLトレース」フィールドは空白のままにします。
「発行」をクリックして、この要求を実行します。
DBI for Salesで、DBI for MarketingおよびDBI for Supply Chainからの情報を表示する場合は、これらの製品アプリケーションを実装することをお薦めします。