Oracle Order Managementインプリメンテーション・マニュアル リリース11i B25742-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
Oracle Order Management(OM)で行われたデフォルト決定の一部によって、価格設定エンジンが取得した最終価格が変更される場合があります。受注入力時には、デフォルト値を慎重に選択することが重要です。
価格設定日を入力すると、価格設定エンジンは、その設定日に有効な定価と特典を使用して受注価格を設定します。
受注明細レベルで、デフォルト・ルールを設定すると、受注ヘッダーに入力された価格設定日、受注日または要求日などのデフォルト値を設定できます。価格設定日のデフォルト値を制御することによって、OMで問合せ対象となる価格表の値リストおよび受注に適用される定価と特典を制御します。
受注に基本契約名を入力すると、顧客は基本契約で交渉した価格を受け入れることができます。基本契約は標準価格表または基本契約価格表に結び付けられています。基本契約価格表は、価格表に結び付けられている基本契約が「受注」画面に入力された場合にのみ、OMで選択できます。
基本契約を使用すると、営業担当、発注番号、支払条件、運送条件などのデフォルト値を設定できます。
受注明細の価格表は、定価を取得し、特典を適用するために使用されます。品目が価格表に記載されていない場合は、第2価格表が検索されます。品目が第2価格表にも記載されていない場合または第2価格表がない場合は、エラー・メッセージが通知されます。
受注に基本契約が示されている場合は、標準価格表および基本契約に結び付けられている基本契約価格表を使用できます。価格表は、顧客、基本契約または受注タイプを基にデフォルト設定できます。
価格設定エンジンは、受注に示されている通貨コードで価格表および特典を検索します。デフォルトを使用して、受注の価格が設定される通貨を制御します。
この項では、Order Managementにおける運送費と特別手数料について説明し、一般的な手数料シナリオを実行するための手数料の設定方法に関するヒントと例を示します。特に、費用から手数料への自動換算の設定について詳しく説明します。
運送費および特別手数料は、搬送先への出荷移動またはその他の理由について顧客請求書に適用される金額として定義されます。また、受注全体に適用したり、特定の受注明細で請求できます。商品の出荷に関連する費用を出荷処理中に取得し、必要に応じて手数料として受注に送ることができます。このような手数料は、適切なセキュリティ権限を持つユーザーが「受注」ウィンドウで表示して変更できます。
会社は、運送費や取扱手数料などの手数料を請求するように選択できます。これらの手数料は、顧客、受注サイズ、搬送先、重量およびその他のファクタに基づいて同一社内で変動することがあります。顧客に実際の出荷費用を渡す会社と、収益を増加させるために出荷手数料と取扱手数料を使用する会社があります。
ほとんどの場合、会社はこれらのポリシーを受注担当による手動介入なしに実装しようとします。たとえば、iStoreや他のWebインタフェースを介して受注がセルフサービス・モードで入力されるE-Business環境では、ユーザー自身が運送費と特別手数料を入力することは期待できません。
このリリースでは、手数料の適用と運送費の取得がOracle Order ManagementとOracle Shipping Executionに分割されています。Order Managementでは顧客請求書に運送費または他の手数料が適用され、Shippingでは商品の出荷時に発生した運送費がすべて取得されます。
手数料は、受注インポートを介して手動で、受注処理オープンAPIを介して、または手数料設定に基づいて自動的に受注に適用できます。受注入力時には、受注に適用される一部の運送費と特別手数料が判明しています。その他の手数料は、ユーザー設定とビジネス慣行に応じて受注処理の後半で適用できます。次の運送費および特別手数料タイプがシードされています。
運送費
処理
保険
輸出費
その他の手数料
すべての運送費および特別手数料は、請求処理のためにOracle Receivablesに渡されます。
運送費は、出荷の輸送中に出荷担当が実際に負担する費用です。シード済の運送費タイプは、「運送費」、「処理」、「保険」、「管理費」および「輸出費」などです。Shipping Executionでは、ユーザーが「出荷取引」ウィンドウまたは「出荷」オープン・インタフェースを使用して商品の出荷時に発生する原価を入力できます。出荷確認処理が完了すると、原価入力がOrder Managementに転送されて受注に格納され、ユーザー指定のルールに基づいて手数料に換算できるようになります。出荷時に取得された運送費は、顧客には請求されません。
運送経費は運送費から自動的に導出できます。運送経費は、出荷品を受け取る顧客に渡される金額を表します。運送経費が運送費と同額になる場合や、運送費とマークアップの合計のように運送費より大きい金額になる場合があります。その他、運送経費の請求に一般に使用される方法として、受注または品目ごとに事前に決定した固定金額に基づく方法と、受注額合計、出荷方法、優先度、運送条件および他の変数に基づく階層別金額に基づく方法があります。
そのため、価格設定モディファイアを使用して手数料を定義し、価格設定クオリファイアを使用して手数料の適用ルールを定義します。価格設定算式を使用すると、運送費から手数料への転嫁を定義できます。
運送費および特別手数料機能は、基本価格設定で使用可能です。
この項では、複数の一般的なビジネス・フローをたどりながら運送費および特別手数料処理について説明します。
運送費または特別手数料を受注に適用するための基本的なフローは、「受注」ウィンドウから始まり、ユーザーが受注を作成して明細を入力します。明細を保存すると、顧客が行った設定に基づいて受注明細に運送費および特別手数料が自動的に適用されます。受注ヘッダーと明細に手数料が適用された後、ユーザーは「受注」の「メイン」タブの「合計」領域で手数料合計を確認し、「受注明細」ウィンドウの「価格設定」タブの「手数料」列で各明細の手数料合計を確認できます。
さらに、ユーザーは「受注」ウィンドウで「処理」→「手数料」を選択して、手動手数料を表示、変更または追加できます。「手数料」ウィンドウには、適用されている運送費および特別手数料の詳細が表示されます。手数料の「上書可能」ボックスが選択されている場合、ユーザーは手数料を変更できます。
受注の出荷準備が完了した時点で、明細または搬送に関連付けられたすべての費用を入力できます。出荷確認時(および、特に受注管理インタフェースでの処理時)には、これらの費用が受注明細に価格調整として転送されます。費用から手数料への換算が設定されている場合は、原価から手数料への換算がトリガーされます。換算後の手数料は明細に適用され、運送手数料は受注明細で請求されます。請求後の受注明細には、新規手数料を適用できません。
手数料を手動で追加するためのフローは、自動手数料フローと同様です。ユーザーが受注ヘッダーと明細を入力します。設定内容によっては、自動手数料を適用できる場合があります。また、適切なセキュリティ権限を付与されているユーザーは、手動手数料を適用することもできます。そのためには、手数料を適用するヘッダーまたは明細を選択し、「処理」ボタンをクリックして「手数料」を選択します。
「手数料」ウィンドウが表示された時点で、空白行の値リストから、受注または明細クオリファイアの対象となる手動手数料を選択します。手動手数料に対するセキュリティは、プロファイル・オプション「OM: 手数料設定権限」に基づきます。このプロファイルが「なし」に設定されている場合、ユーザーに付与されているのは手数料への表示アクセス権限のみで、手動手数料は適用できません。「フル・アクセス」に設定されている場合は、手動手数料を適用したり、上書き可能な手数料を変更できます。「無制限アクセス」に設定されている場合は、手動手数料を適用でき、上書き禁止の手数料も変更できます。
すべての手数料が請求処理されます。明細レベルの手数料は、添付先の明細とともに請求され、ヘッダー・レベルの手数料はその受注について請求される最初の明細とともに請求されます。一部明細の請求後に追加されたヘッダー手数料は、請求にインタフェースされている次の明細とともに請求されます。手数料は請求書ヘッダー・レベルの運送経費としてOracle Receivablesに個別に送信されますが、Oracle Receivablesではそれが請求書用の1つの運送費明細に要約されます。
手数料が課税要件を満たしている場合にも、手数料に対する税金は、受注入力のこの時点では計算されません。手数料の税処理が必要な場合は、「税金: 売上としての運送費請求」プロファイル・オプションを「Yes」に設定し、Oracle Inventoryで課税対象としてダミーの運送品目を設定し、その品目を「税金: 運送用在庫品目」プロファイル・オプションで指定する必要があります。これにより、Order ManagementのInvoicing Integrationでは、手数料が運送費ではなくその在庫品目が記載された明細としてOracle Receivablesの「自動インボイス」に送信されます。手数料は必要に応じて税処理し、「自動会計」を使用して手数料の収益計上を実行できます。
返品明細の手数料には、次のような考慮事項があります。
第1に、返品明細または返品受注で請求できる運送費および特別手数料を設定できます。通常、これらは保管料や返品処理手数料などです。この種の手数料の設定は他の手数料と同様ですが、ほとんどの場合は、返品明細にのみ適用されるように(明細カテゴリ=返品)、これらの手数料の適用ルール(クオリファイア)を作成します。
第2に、返品対象の当初受注で顧客が支払った手数料を払い戻す場合と払い戻さない場合があります。手数料が払戻可能かどうかは、手数料モディファイアの設定時に「返品時に含む」ボックスを選択するか選択を解除して定義できます。既存の受注明細を参照する返品明細が作成されると、当初明細に関連付けられていた払戻可能な手数料が、マイナス手数料として自動的に返品に適用されます。ユーザーが既存の明細を参照しない新規の返品明細を作成する場合、払戻可能な手数料があれば手動で適用する必要があります。
受注の出荷残明細に手数料総額を適用するかどうかを制御するプロファイル・オプションが用意されています。出荷残の運送費および特別手数料を請求しない方針の会社と、請求する方針の会社があります。この機能はプロファイル「OM: 出荷残の手数料」を使用して制御します。出荷残明細を手数料総額の請求対象とする場合は、このプロファイルを「Yes」に設定します。デフォルトは「No」です。このプロファイル・オプションを設定できるのはサイト・レベルのみです。
注意: パーセント・ベースおよび金額ベースの手数料は、常に出荷残について請求されます。
Order Managementでは、運送費および特別手数料はOracle Pricingでモディファイア・タイプである「運送費および特別手数料リスト」モディファイアとして設定します。取扱手数料、運送費、その他など、受注または受注明細に適用される手数料のタイプごとにモディファイアとリスト明細を定義します。
モディファイアが受注または受注明細に適用される前に、特定の資格が満たされる必要がある場合は、モディファイアのクオリファイアを選択できます。たとえば、この顧客にこの運送費を適用できるかどうか、この受注額にはこれらの運送条件が妥当(適格)かどうか、受注サイズ(金額または数量)はマークアップ付きの標準的な運送費換算を示しているかどうかなどの事項が考えられます。
運送費: 商品の出荷時に発生する費用。Order ManagementおよびShipping Executionでは、出荷確認時に入力される、会社が商品の移動に対して支払う費用を反映した費用。
運送費タイプ: 運送費を運送費タイプで分類する必要があります。運送費タイプは、発生する費用のタイプを分類するための一般記述子です。シード済の運送費タイプは、税金費、「手数料」、「保険」、「輸出費」、「運送費」および管理費です。
運送費タイプは参照です。「出荷」→「設定」→「参照」の順にナビゲートすると、運送費タイプ参照を追加作成できます。「検索」アイコンを使用して問合せを実行し、既存の参照を表示します。
運送費名: 運送費タイプに関連付けられており、使用予定の運送費を識別する名前。たとえば、運送費タイプ「エクスポート」に、港湾管理手数料、従価関税、輸入割当関税などの名前を含めることができます。この運送費名は、出荷担当が運送費を入力するときに「出荷取引」ウィンドウに表示されます。運送費名を設定するには、「出荷」→「設定」→「運送」→「運送費タイプの定義」の順にナビゲートします。[Ctrl]を押しながら[F11]を押して、既存の運送費名を表示します。空白行に新規の名前を入力し、運送費タイプ、通貨および金額を選択します。ここに入力した金額は、出荷確認時に「運送費」ウィンドウの「原価タイプ」フィールドで指定の運送費名を選択するとデフォルト設定されます。出荷確認時に、ユーザーはこのデフォルト金額を受け入れるか、別の金額を入力するかを選択できます。
運送費および特別手数料: 商品の出荷や他のサービスについて顧客に適用する手数料の定義。各運送費タイプには、運送費タイプ名と同じ参照タイプを持つ参照である運送費サブタイプが関連付けられています。手数料は、「その他」参照で定義します。この参照では、出荷原価から換算せずに請求する手数料を定義する必要があります。これらのサブタイプと(運送費名ではなく)前述の運送費タイプは、運送費および特別手数料のモディファイアを定義するときに手数料名として表示されます。
運送条件: 受注ヘッダーと受注明細の属性。手数料を適用するためのクオリファイアとして使用できます。
受注に対する手数料の適用方法を定義するモディファイアを設定できます。モディファイアでは、手数料の内容(名前、計算方法、適用レベル)と次のいずれかの適用方法を定義します。
クオリファイアに基づく自動適用
ユーザーによる手動適用
手数料の計算方法を次の中から選択できます。
固定総額: 固定手数料金額($10.00の処理費用など)。
価格設定数量ごとの固定金額: 価格設定数量ごとの固定手数料金額(受注品目ごとに$1.00の手数料など)。
定率: 品目の定価に占める定率(5%の処理費用など)。
算式: 手数料を計算する算式(保険料*定数)など。算式の基本コンポーネントにPRICING ATTRIBUTE(価格設定属性)とNUMERIC CONSTANT(定数)を使用して、数値を戻すことができます。ユーザーは、算式を運送費モディファイアに添付できます。
受注ヘッダー・レベルで適用する手数料を設定する場合、使用できるのは「総額」または「算式」タイプの計算のみです。
会社が常に全受注に対して自動的に$39.99の運送費を請求し、$10.00の取扱手数料も請求する必要があるとします。特定のユーザーが入力時に手数料の金額を変更できます。
このシナリオでは、手数料に総額計算方法を使用します。
簡単な運送費を作成して受注に適用する手順は、次のとおりです。
「価格設定モディファイア」ウィンドウにナビゲートします。
タイプとして「運送費および特別手数料リスト」を選択します。
認識できる番号と名前を入力します。「番号」は数字でなくてもかまいません。
モディファイアが受注に自動的に適用されるように、「自動」ボックスを選択します。
モディファイアの通貨、範囲(開始日と終了日)および摘要を選択します。
注意: オプションで、モディファイアにクオリファイアを追加して、特定の属性を持つ受注または明細にのみ手数料を適用できます。ただし、このシナリオでは、運送費が常に適用されるため、クオリファイアは作成しません。
次に、運送費と取扱手数料についてモディファイア明細を1つずつ追加できます。「モディファイア」ウィンドウの下部にある「モディファイア要約」タブにモディファイア明細を入力します。
1行目にユーザー定義のモディファイア番号を入力します。
「受注」または「明細」レベルを選択して、モディファイアを受注レベルと明細レベルのどちらで適用するかを指定します。この例では、「受注」を選択します。
「モディファイア・タイプ」では、デフォルトで「運送費/特別手数料」が選択されます。
オプションで開始日と終了日を入力します。
手数料がユーザー介入なしで適用されるように「自動」を選択します。
適用された手数料の金額を承認済ユーザーが変更できるように、「上書き」ボックスを選択します。
手数料の適用時期を制御する価格設定フェーズを選択します。
受注レベル・モディファイアの場合は「ヘッダー・レベル手数料」、明細レベル・モディファイアの場合は「明細手数料」を選択します。
「モディファイアの定義」ウィンドウ
「値引/手数料」タブで手数料詳細を入力します。
「手数料名」フィールドから「運送費」を選択します。
「返品時に含む」を選択し、この手数料を各受注から作成される返品にコピーします。
適用方法として「総額」を選択し、値$39.99を入力します。
同様に、「取扱手数料」について別のモディファイア明細を入力します。
第2の明細を、最初の明細と同じ設定を使用して「モディファイア要約」タブ・リージョンに入力します。
「値引/手数料」タブで、手数料名として「手数料」を選択します。
「返品時に含む」を選択(または選択を解除)します。
「適用方法」で「総額」を選択し、「値」に$10.00と入力します。
「モディファイアの定義」ウィンドウの「値引/手数料」タブ
作業内容を保存します。運送費の詳細を示す明細と取扱手数料を示す明細を1つずつ含む基本的な運送費および特別手数料モディファイアが作成されました。
クオリファイアなしのモディファイアを(この例のように)適用するには、価格設定プロファイル・オプション「QP: 確認なし値引オプション」も「Yes」に設定する必要があります。
受注に対する受注レベルの自動手数料の適用
このモディファイアの適用方法を確認するために、Oracle Order Managementで新規受注を作成します。
次のような受注ヘッダー情報を入力します。
顧客
受注タイプ(「標準」など)
価格表
出荷先および請求先所在地と営業担当
「明細」タブで、数量1を指定して品目を入力し、受注を保存します。
「受注」の「メイン」タブの「合計」領域に、手数料$49.99が表示されます。これは、運送費$39.99と取扱手数料$10.00の総額です。
適用された手数料を確認するには、「ヘッダー」リージョンから「処理」ボタン→「手数料」を選択します。次の条件で適用された2つの運送手数料が表示されます。
手数料タイプ = 運送費および金額 = $39.99
手数料タイプ = 処理費用および金額 = $10.00
「手数料」ウィンドウ
適切な(「OM: 手数料設定権限」プロファイル・オプションの設定に基づく)セキュリティ権限を持つユーザーは、手数料金額を上書き入力し、事由および注釈を入力して「適用」をクリックして上書きできます。
受注に対する受注レベルの手動手数料の適用
会社が一部の受注には自動的に手数料を適用しないようにするかわりに、受注入力担当が請求対象の受注を選択できるようにする必要があるとします。
そのためには、モディファイア・リストのヘッダーと明細で「自動」ボックスの選択を解除し、前述したモディファイアの設定を変更します。次に、新規の受注と明細を入力して保存します。これで、手数料が自動的に適用されていないことを確認できます。
受注に受注レベルの手動手数料を適用する手順は、次のとおりです。
運送費と取扱手数料を手動で適用するには、「受注ヘッダー」から「処理」ボタン→「手数料」の順に選択します。
「手数料」ウィンドウで新規の明細をクリックします。
「手数料名」値リストから「運送費」を選択します。「運送費」という$39.99の手数料が適用されます。次に、「手数料」ウィンドウで新規の明細をもう1つクリックし、「手数料名」値リストから「処理費用」を選択します。「処理費用」という$10.00の手数料が表示されます。
手数料を手動で変更できない場合は、次の手順を実行します。
プロファイル・オプション「OM: 手数料設定権限」が「フル・アクセス」または「無制限アクセス」に設定されていることを確認します。
「QP: 確認なし値引オプション」が「Yes」に設定されていることを確認します(「QP: 確認なし値引オプション」が「Yes」に設定されている場合は、クオリファイアのないモディファイアがすべて考慮されます)。
この2つのプロファイル設定を確認するには、「編集」→「作業環境」→「プロファイル」の順にナビゲートして各プロファイルを問い合せます。
運送費および特別手数料の手動適用が発生したことを確認するには、「受注」の「メイン」タブで「手数料合計」を確認するか、「処理」ボタンをクリックして「手数料」を選択します。
「合計」領域に合計$49.99が表示され、「手数料」ウィンドウに運送費$39.99と処理費用$10.00が表示されます。この2つの手数料は手動で適用されたため、「手数料」ウィンドウでは「固定」ボックスが自動的に選択されます。これは、この2つの手数料はシステムで変更されないことを示します。
会社は、運送条件が「前払いおよび追加」に設定されている全受注について、$39.99の運送費と$10.00の取扱手数料を常に自動的に請求する必要があるとします。
このシナリオでは、前述のシナリオで設定したモディファイアに簡単なクオリファイアを追加できます。「モディファイア」ウィンドウを選択し、前項で設定したモディファイア・リストを問い合せます。ここでは、モディファイア明細に対して2つの変更を行います。最初に再び「自動」にして、それぞれのクオリファイアを指定します。
モディファイアのクオリファイアを設定するときに、モディファイア・リストのヘッダー・レベルまたは明細レベルでクオリファイアを選択します。リストのヘッダー・レベルで選択したクオリファイアは、そのリストに定義されている全モディファイア明細に適用されます。この方法は、リストのヘッダーで共通のビジネス・ルールを1回指定するのみでよいため便利です。リストの明細レベルで指定したクオリファイアは、そのモディファイア明細固有です。この方法は、リスト上のすべての手数料ではなく、その手数料の1つに固有のルールが必要な場合に使用します。
このシナリオでは、このリストの両方の手数料に適用するヘッダー・レベル・クオリファイアを設定します。
クオリファイアを使用して受注レベルの自動手数料を設定する手順は、次のとおりです。
「モディファイアの定義」ウィンドウの上部にある「クオリファイア」をクリックします。
設定した事前定義済のクオリファイア・グループがウィンドウに表示されます。このシナリオでは、これらのモディファイア・グループを選択しないでください。かわりに、「OK」をクリックして「クオリファイア - ヘッダー・レベル・クオリファイア」ウィンドウを表示します。
「クオリファイア - ヘッダー・レベル・クオリファイア」ウィンドウで、新規クオリファイアを入力します。
「グループ化番号」に1を入力します。
クオリファイア・コンテキストとして「受注」を選択します。
クオリファイア属性として「受注カテゴリ」を選択し、デフォルトの優先値を受け入れます。
演算子として「=」、「値 自」で「受注」を選択します。
同様に、運送条件に関する第2のクオリファイアを入力します。
「クオリファイア - ヘッダー・レベル・クオリファイア」ウィンドウ
新規の受注を作成し、ヘッダーで運送条件として「前払いおよび追加」を選択します。「明細」タブを選択し、明細を1つまたは2つ入力して受注を保存します。シナリオ1と同様に、受注ヘッダー・レベルで2つの手数料が自動的に適用されたことがわかります。「受注」の「メイン」タブで「手数料合計」を調べ、「手数料処理」を選択して手数料詳細を表示し、手数料が適切であることを確認します。
異なる運送条件を指定して別の受注を入力し、手数料が適用されていないことを確認すると、クオリファイアが機能していることを確認できます。
会社の運送方針が次のように定義されているとします。
「通常」搬送方法の受注ごとに、運送費として$3.00の手数料が自動的に適用されます。
「通常」搬送の場合は、数量当り$0.50の追加運送費が適用されます。
「特別」搬送の場合は、受注当り$11.50の手数料と数量当り$1.00の追加手数料が適用されます。
「通常」搬送と「特別」搬送との差異は、運送業者や輸送会社に応じて異なります。これは、「受注ヘッダー」で「出荷優先度」としてモデル化されます。
これは様々な方法で実装可能です。
単純な方法の1つは、自動適用を指定し、クオリファイアに出荷優先度を指定したリスト明細を使用して、運送費および特別手数料リストを1つ設定することです。
「自動」ボックスを選択して新規の運送費および特別手数料リストを設定します。リスト・クオリファイアを割り当てないでください。次に、4つのリスト明細を入力します。最初の2つは「通常」出荷優先度で適格となるように設定し、次の2つは「特別」出荷優先度で適格となるように設定します。リスト明細のペアごとに、明細の一方は受注レベルで総額として計算され、他方は明細レベルで数量当りの金額として計算されます。いずれも、手数料名は運送費となります。
次の図に、このモディファイア明細セットが設定されている「Oracle Advanced Pricing - モディファイアの定義」ウィンドウの「値引/手数料」タブを示します。
「Oracle Advanced Pricing - モディファイアの定義」ウィンドウの「値引/手数料」タブ
クオリファイアは、次の表のようになります。第2のクオリファイアにより、これらの手数料は返品明細ではなく受注明細にのみ適用されます。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 出荷優先度コード | <デフォルトを受入れ> | = | 通常 |
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
新規の受注を作成し、ヘッダーで出荷優先度として「通常」を選択します。「明細品目」タブを選択し、複数の明細を入力して受注を保存します。$3.00のヘッダー手数料が適用されたことがわかり、明細ごとに品目当り0.50の明細手数料も表示されます。「受注」の「メイン」タブで手数料合計を調べ、「明細」タブの「価格設定」タブでも各明細の手数料合計を調べて、手数料が適切であることを確認します。
出荷優先度に「特別」を指定して別の受注を入力し、適用される手数料が増加したことを確認して、クオリファイアが機能していることを確認できます。ヘッダーで$11.50、明細の単位数量ごとに$1.00が適用されています。
このようにして、受注入力時に手数料を適用または入力できます。次の項では、出荷確認時に入力された運送費を自動的に運送経費に換算する方法について説明します。
Shipping Executionで運送費名を定義すると、出荷確認時に入力した費用がOrder Managementに転送され、費用から手数料への換算処理に使用可能になります。正確な費用金額を手数料金額に換算するか、換算にマークアップまたはマークダウンを使用できます。
ここで説明する費用から手数料への換算は、明細レベルの手数料にのみ適用されます。原価は常に明細レベルの価格調整としてShippingからOrder Managementに渡されます。これらの原価は、受注レベルの原価に関するユーザー定義の価格設定属性と、明細レベルの原価を合計するためのカスタム・ソース・ルールを使用して、受注レベルの手数料に換算できます。
換算処理を機能させるには(マークアップなしの直接費用換算を実行する場合にも)、換算アルゴリズムを指定して価格設定算式を設定し、その算式を手数料モディファイアの設定時に使用する必要があります。たとえば、最終手数料(運送費+30%など)を取得するために、原価に30%のマークアップを適用する必要があるとします。
費用から手数料への単純換算に使用できるように、複数の価格設定算式がシードされています。1組は正確な原価を渡すために使用でき、もう1組は原価にマークアップを適用する場合に使用できます。シード済の算式を変更して、必要なマークアップ金額または率を記述できます。
注意: シード済の価格設定算式を使用する場合は、この手順をスキップできます。
「算式設定」ウィンドウにナビゲートします。
算式を説明する名前、摘要、有効日(オプション)および算式の等式を入力します。
ステップ1をステップ2で乗算することを意味する等式1*2を入力します。
ウィンドウの「算式明細」リージョンで、これらのステップを価格設定属性「運送費」が定数1.3で乗算されるように定義します。
この算式を使用するため、システムでは出荷確認時に割り当てられた運送費(ステップ1)が定数1.3(130%)(ステップ2)で乗算され、最終運送費が算出されます。
「Oracle Advanced Pricing - 価格設定算式」ウィンドウ
次に、この算式を使用する新規の手数料モディファイア・リストを作成します。
「モディファイアの定義」ウィンドウにナビゲートします。
タイプとして「運送費および特別手数料リスト」と入力します。
番号と名前を入力します。
「自動」ボックスを選択します。
モディファイアの通貨、開始日および終了日を選択し、摘要を追加します。
次に、手数料リストのモディファイア明細を入力します。
モディファイア番号を入力します。
レベルで「明細」を選択します。
モディファイア・タイプとして「運送および特別手数料」を選択します。
オプションで開始日と終了日を入力します。手数料が自動的に適用されるように「自動」ボックスを選択します。次に、「値引/手数料」タブを選択して手数料詳細を入力します。
「手数料名」フィールドで「運送費」を選択し、「適用方法」で「総額」を選択し、作成した算式を選択します。
これで、このモディファイア・リストに適用するリスト・レベル・クオリファイアを設定できます。リスト・ヘッダーの「リスト・クオリファイア」をクリックし、次の表に示すようなクオリファイアを入力します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
1 | 受注 | 出荷済フラグ | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
1 | 受注 | 出荷可能フラグ | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
これらのクオリファイアにより、対象となる手数料は出荷時にのみ受注明細に確実に適用されます(「出荷済フラグ」=「Yes」)。これらの運送費を特定の運送条件を持つ特定の顧客や受注に限定するなど、ビジネスに有効な他のクオリファイアを追加できます。
これらのリスト・レベル・クオリファイアとは別に、リスト内のモディファイア明細ごとに明細レベル・クオリファイアを作成する必要があります。このクオリファイアにより、出荷確認時に入力される運送費タイプがこの手数料にリンクされます。
「手数料名」が「運送費」に設定されているモディファイア明細を選択します。
「明細クオリファイア」ボタンを選択し、「グループ化番号」に1、「クオリファイア・コンテキスト」に「受注」、「クオリファイア属性」に「運送費タイプ・コード」と入力し、「優先」でデフォルトを受け入れて「値 自」に「運送」と入力します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 運送費タイプ・コード | <デフォルトを受入れ> | = | 運送費 |
算式とこのモディファイアを作成した後、出荷費用を運送費に換算できます。そのためには、手数料に対して設定したクオリファイア(顧客または運送条件など)と一致する新規の受注を作成する必要があります。
受注の記帳とピック・リリースを完了した後(処理を簡略化するために自動作成搬送を使用)、出荷確認時に「出荷取引」ウィンドウに実際の運送費を入力します。
「出荷取引」ウィンドウにナビゲートして、受注明細を問い合せます。
「出荷取引」ウィンドウの「明細/コンテナ」タブで、「処理」ボタン→「運送費」の順に選択して「進む」をクリックします。
「原価タイプ」に「運送費」、「通貨コード」に「USD」と入力し、金額($15.00など)を入力します。
搬送の出荷確認を実行します。
運送費は必ず出荷確認前に入力します。出荷確認後は運送費を追加できません。実際の手数料は算式と入力した運送費に基づいて計算されます。出荷確認時にOMインタフェースを遅延させた場合、そのインタフェースの実行後まで手数料が表示されないことがあります。
運送費から運送経費への換算を確認するには、「受注パッド」に戻って受注を問い合せます。「メイン」タブに運送経費が$19.50(15 + 15の30%)と表示されます。
「受注明細」ユーザー・インタフェースから「手数料および運送費」処理を使用して、Shippingから転送された運送費を表示できます。このフォームの「原価」タブを表示するには、原価を表示できるように機能セキュリティが設定されている必要があります。
一部の運送費が出荷確認後に発生するため、顧客に対して請求できなくなることは避けられません。たとえば、トラックによる出荷が荷降中に顧客のドックで遅延し、運送業者が出荷担当に遅延手数料を要求するとします。運送費の提出期限は出荷確認時であるため、この追加費用を顧客に請求するには、手動で処理を実行する必要があります。
参照: 『Oracle Order Managementユーザーズ・ガイド』のシード済の算式に関する項
ここでは、運送費を運送手数料にマップするために必要なステップを十分に理解できるように、その他の一般的なビジネス・シナリオについて説明します。
このシナリオでは、音楽CDの販売会社がCD当り$1.99の標準取扱手数料を請求する必要があるとします。
「モディファイアの定義」ウィンドウにナビゲートして次の情報を入力します。
タイプ | 番号 | 名称 | 自動 |
---|---|---|---|
運送費/特別手数料 | <ユーザー定義> | <ユーザー定義> | <選択> |
「モディファイア要約」タブの1行目に次のように入力します。
レベル | モディファイア・タイプ | 自動 | 上書き | フェーズ |
---|---|---|---|---|
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択> | 明細手数料 |
「値引/手数料」タブをクリックして次のように入力します。
手数料タイプ | 適用方法 | 値 |
---|---|---|
処理費用 | 金額 | 1.99 |
「金額」適用方法を使用すると、価格設定エンジンは受注品目ごとに$1.99の取扱手数料を請求します。かわりに適用方法として「総額」を使用した場合、価格設定エンジンは明細ごとに(または、受注レベル・モディファイアを使用した場合は受注ごとに)$1.99の取扱手数料を請求します。
「明細クオリファイア」ボタンをクリックして次のように入力します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
このモディファイアの設定は完了です。受注品目ごとに$1.99の取扱手数料が自動的に適用されます。取扱手数料が適切に機能していることを確認するには、「受注パッド」にナビゲートして新規の受注を入力します。数量10を指定して明細を1つ入力します。「処理」ボタンをクリックして「手数料」を選択します。「手数料」ウィンドウに$19.99の取扱手数料が表示されます。
出荷担当は、運送条件が「前払いおよび追加」となっているすべての出荷について、明細ごとに$50の運送費マークアップを請求することを考えています。このマークアップは、出荷部門が入力する実際の運送費に対して請求されます。運送費は受注の出荷時まで使用できないため、会社は顧客に対して各受注明細で$300の見積運送費を表示することを考えており、この運送費は出荷後に実際の手数料で置換されます。また、受注の各明細に標準取扱手数料である$10が追加されます。すべての手数料は明細レベルで適用されます。
この例では、算式、モディファイアおよびクオリファイアを設定する必要があります。
注意: このプロセスを単純化するには、マークアップありの費用から手数料への換算用に作成したシード済の価格設定算式を使用します。
まず、価格設定算式を設定して運送費XXという名前を付けます。「算式設定」ウィンドウにナビゲートし、次の情報を入力します。
名称 | 摘要 | 算式 |
---|---|---|
運送費XX | 運送費 | 1 + 2 |
「算式明細」リージョンに次の情報を入力します。
算式タイプ | 価格設定属性コンテキスト | 価格設定属性 | 構成部品 | ステップ |
---|---|---|---|---|
価格設定属性 | 価格設定属性 | 運送費 | <空白> | 1 |
定数 | <空白> | <空白> | 50 | 2 |
価格設定属性には、数量、品目、運送費など、品目の価格設定に使用する属性を指定できます。この算式を設定する目的は、出荷時に割り当てられる運送費に値上を適用することです。この算式では、出荷確認時に割り当てられた運送費(ステップ1)に$50(ステップ2)が加算され、最終運送費が算出されます。
いずれかの価格設定モディファイアで算式「運送費XX」を選択すると、モディファイアで定義したとおり明細レベルまたはヘッダー・レベルで運送費に$50が加算されます。
受注に表示する必要のある運送費と特別手数料の価格設定モディファイアを設定します。「モディファイアの定義」ウィンドウにナビゲートし、次のように入力します。
タイプ | 番号 | 名称 | 自動 |
---|---|---|---|
運送費/特別手数料 | <ユーザー定義> | <ユーザー定義> | <選択> |
次に、「モディファイア要約」タブを選択します。最初の明細のモディファイアには、「運送費XX」の算式を使用します。次の情報を入力します。
レベル | モディファイア・タイプ | 自動 | 上書き | フェーズ |
---|---|---|---|---|
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択を解除> | 明細手数料 |
「値引/手数料」タブを選択して次のように入力します。
手数料タイプ | 算式 | 適用方法 | 値 |
---|---|---|---|
運送費 | 運送費XX | 総額 | <空白> |
「価格設定算式」ウィンドウで設定した算式が使用されることに注意してください。運送費金額は出荷確認時に出荷部門で入力されるため、「値」列はNULLになります。
「モディファイア要約」タブで、運送手数料明細情報を次のように入力します。
レベル | モディファイア・タイプ | 自動 | 上書き | フェーズ |
---|---|---|---|---|
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択を解除> | 明細手数料 |
さらに2つのモディファイア明細を作成する必要があります。一方の明細は運送手数料用で、他方は取扱手数料用です。この2つの明細では、Oracle Shippingで実際の運送費が入力されない場合の、これらの手数料の標準デフォルト金額を設定します。
「値引/手数料」タブで、運送手数料明細情報を次のように入力します。
手数料タイプ | 算式 | 適用方法 | 値 |
---|---|---|---|
運送費 | <空白> | 総額 | 300 |
このプロセスを取扱手数料について繰り返します。
次のように入力します。
「モディファイア番号」: NULL
「レベル」: 明細
「モディファイア・タイプ」: 運送および特別手数料
「開始日」: NULL
「終了日」: NULL
「自動」: 選択
「上書」: 選択を解除
「値引/手数料」タブで次の情報を入力します。
「手数料名」: 運送費
「算式」: NULL
「適用方法」: 総額
「値」: 10
このモディファイア明細により、請求書は受注当り金額$10の取扱手数料を含むように変更されます。標準取扱手数料は自動的に請求され、受注入力時や出荷確認時の手動入力は不要です。
入力を完了した「モディファイア要約」ウィンドウは、次のようになります。
レベル | モディファイア・タイプ | 自動 | 上書き | フェーズ |
---|---|---|---|---|
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択を解除> | 明細手数料 |
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択> | 明細手数料 |
明細 | 運送費/特別手数料 | <選択> | <選択を解除> | 明細手数料 |
入力を完了した「値引/手数料」ウィンドウは、次のようになります。
手数料タイプ | 算式 | 適用方法 | 値 |
---|---|---|---|
運送費 | 運送費XX | 総額 | <空白> |
運送費 | <空白> | 総額 | 300 |
処理費用 | <空白> | 総額 | 10 |
次に、リスト・クオリファイアと明細クオリファイアを設定する必要があります。この例では、リスト・クオリファイアを使用して、運送条件が「前払いおよび追加」の受注にモディファイアを適用します。明細クオリファイアを使用すると、価格設定エンジンでは処理ステータス(出荷可能、出荷済など)に従って受注明細にモディファイアを適用できます。出荷確認まで受注ステータスは「出荷可能」になっており、Oracle Order Entryの「手数料」ウィンドウには標準運送手数料($300)が表示されます。出荷確認後は受注ステータスが「出荷済」に変わり、実際の運送費 + 値上$50が適用されます。明細クオリファイアは、この機能のトリガーです。
モディファイアの定義ウィンドウで「リスト・クオリファイア」をクリックします。「クオリファイア・グループ」ウィンドウが表示された時点で「OK」をクリックします。
次のように入力します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 条件 | 運送条件 | <デフォルトを受入れ> | <デフォルトを受入れ> | 前払いおよび追加 |
受注は、明細レベル・クオリファイアで検査される前に、リスト・レベル・クオリファイアに合格する必要があります。明細クオリファイアでは、受注が運送費に適格となるように、さらに詳細な要件が追加されます。
この例の明細クオリファイアを設定するには、最初のモディファイア明細を選択して「明細クオリファイア」ボタンをクリックします。「クオリファイア・グループ」ウィンドウが表示された時点で「OK」をクリックします。「クオリファイア - 明細レベル・クオリファイア」ウィンドウが表示されます。
費用から手数料への換算モディファイア明細のクオリファイアとして次の情報を入力します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 出荷可能フラグ | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
1 | 受注 | 出荷済フラグ | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
1 | 受注 | 運送費タイプ・コード | <デフォルトを受入れ> | = | 運送費 |
明細1の場合は、受注に運送手数料を適用するために複数の明細クオリファイアに合格する必要があるため、グループ化番号が使用されています。したがって、明細1のすべての明細クオリファイアがTRUEになる必要があります。明細1に関する前述の表は、次のことを意味します。つまり、受注の出荷可能フラグが「Yes」、受注の明細カテゴリが「受注」、受注の出荷済フラグが「Yes」、かつ、受注の運送費タイプ・コードが「運送」である必要があります。クオリファイアを受注に適用するには、これらのクオリファイアがすべてTRUEになる必要があります。
$300の見積手数料の明細クオリファイアを設定するには、第2のモディファイア明細を選択して「明細クオリファイア」をクリックします。「クオリファイア・グループ」ウィンドウが表示された時点で「OK」をクリックします。「クオリファイア - 明細レベル・クオリファイア」ウィンドウが表示されます。
次のように入力して、明細カテゴリが「受注」の明細と未出荷の出荷可能明細に適用するクオリファイアを作成します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
1 | 受注 | 出荷済フラグ | <デフォルトを受入れ> | = | No |
1 | 受注 | 出荷可能 | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
取扱手数料の明細クオリファイアを設定するには、第3のモディファイア明細を選択して「明細クオリファイア」ボタンをクリックします。「クオリファイア・グループ」ウィンドウが表示された時点で「OK」をクリックします。「クオリファイア - 明細レベル・クオリファイア」ウィンドウが表示されます。
次の情報を入力して、出荷可能なアウトバウンド明細(明細カテゴリ = 受注)に取扱手数料を適用します。
グループ化番号 | クオリファイア・コンテキスト | クオリファイア属性 | 優先 | 演算子 | 値:自 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 受注 | 明細カテゴリ | <デフォルトを受入れ> | = | 受注 |
1 | 受注 | 出荷可能 | <デフォルトを受入れ> | = | Yes |
これで、この例の算式とモディファイアの設定は完了です。
前述した運送費および取扱手数料の設定が適切かどうかを確認するには、「受注パッド」にナビゲートして新規の受注を入力します。
「その他」タブをクリックし、運送条件が「前払いおよび追加」であることを確認します。これで、リスト・クオリファイアに合格します。
「明細」タブをクリックして明細を入力します。
「処理」ボタンをクリックして「手数料」を選択します。
「手数料」には、運送費$300と取扱手数料$10が表示されます。この金額は、モディファイアで設定したデフォルト値です。出荷確認時に出荷部門が実際の運送費を入力すると、運送経費が変更されます。
受注を記帳します。
「出荷取引」ウィンドウにナビゲートして実際の運送費を入力し、受注を出荷確認します。
「出荷」→「取引」の順にナビゲートして受注を検索します。
「処理」ボックスをクリックして「ピック・リリースの起動」を選択し、「進む」をクリックします。
また、ピック時または受注の出荷確認前に、搬送を自動作成してください。搬送の作成後に「搬送」タブをクリックします。受注明細が表示されない場合は、再び「クエリー・マネージャ」(フラッシュライト・アイコン)を使用して受注を検索します。受注明細が表示された時点で再び「処理」ボックスをクリックし、「運送費」を選択して「実行」ボタンをクリックします。
ここで出荷の実際の運送費を入力します。「原価タイプ」を「運送」に、「金額」を「200」に設定して「完了」をクリックします。
注意: 費用換算用のモディファイアには他の手数料を設定していないため、ここで他の原価タイプを入力しても、運送経費として表示されないことに注意してください。取扱手数料は設定しましたが、費用換算用には設定されていません。
再び「処理」ボックスをクリックし、「出荷確認」を選択して「実行」をクリックします。
「受注パッド」に戻って受注を検索します。手数料明細の合計が$260となっていることに注意してください。この金額は、運送費 = $250(実際の運送手数料 + 価格設定算式による$50の値上)、処理 = $10です。
この例では、モディファイア明細の「出荷済フラグ」=「No」のクオリファイアが満たされなくなるため、$300の見積運送費は出荷後は適用されなくなります。これは、このクオリファイアの関係で、出荷部門が運送費を入力しないと、見積手数料は表示されないままであることを意味します。かわりに運送費が入力されていなくても受注に$300の手数料を表示したままにしておく場合は、見積手数料に対するクオリファイアの第2明細を削除する必要があります。これにより、運送費が入力されなくても、$300の手数料は残ります。ただし、運送費が入力されると、算式から得られた手数料が$300を超えた場合は、$300の手数料が置換されます。
この項では、手数料(特に費用から手数料への換算)の実装時のトラブルシューティング情報と提案について説明します。
一般的なビジネス・ケースでは、受注の出荷確認時に実際の手数料で置換されることを予想して、受注入力時に見積手数料が自動的に適用されるように手数料を設定します。そのためには、出荷可能だが入力済ステータスの明細をクオリファイアとして使用し、入力時に自動手数料を適用する手数料モディファイアを設定できます。後で出荷確認時に費用から手数料への換算が発生すると、見積手数料が換算後の実際の手数料で上書きされます。
この操作は、「受注」ウィンドウから「手数料」ウィンドウにナビゲートして「固定」ボックスで制御できます。適用済手数料がシステムで上書きされないようにする場合は、費用から手数料への換算時または以降の価格設定コール時に、「手数料」ウィンドウで「固定」ボックスを選択します。手動で適用される手数料、または手動で上書きされる自動手数料の場合は、「固定」ボックスが自動的に選択されます。
注意: 「固定」ボックスを「上書き可能」ボックスと混同しないでください。後者は表示専用ボックスで、ユーザーが手数料金額を手動で変更できるかどうかを制御します。
費用から手数料への換算を使用する場合は、ネーミング規則が重要になります。費用は、Shipping Executionで定義されている運送費名を使用して「出荷取引」ウィンドウに入力しますが、この運送費名はそれぞれ特定の運送費タイプに属しています。ただし、この運送費タイプは名称ではなく手数料モディファイア明細のクオリファイアとして使用する必要があります。
Order Managementでは、出荷確認時を除き運送費名が実際に表示されることはありません。操作を単純化しておくために、運送費タイプと運送費に同じ名前を使用して運送費タイプごとに運送費名を1つのみ使用できます。
また、手数料に換算できるように運送費タイプ(参照)を(運送費名と金額を使用して)追加定義することも可能です。ただし、新規の運送費タイプを(算式に入力できるように)価格設定属性として使用することをOracle Pricingに対して指定する必要があります。このように指定しないと、算式の「価格設定属性」値リストに表示されないため、使用できなくなります。
複数の自動運送費および特別手数料リストを設定している場合、Order Managementでは手数料タイプとサブタイプの組合せごとに手数料が1つのみ使用されます。その場合、次のようになります。
どちらの手数料が適用されるかは、モディファイアのINCOMPATIBILITY GROUP(非互換グループ)、PRECEDENCE(優先)およびPHASE(フェーズ)によって決まります。モディファイアのINCOMPATIBILITY GROUPがNULL(未指定)の場合、受注および明細には手数料タイプ/サブタイプの個別で一意の組合せごとに最高の運送費が適用されます。INCOMPATIBILITY GROUPがNULLでない場合、フェーズのINCOMPATIBILITY RESOLVE CODE(非互換性解決コード)が「優先」に設定されていれば、価格設定エンジンにより特定のPHASEと特定のINCOMPATIBILITY GROUP内で最大のPRECEDENCEを持つ運送費が選択されます。特定のPHASEの特定のINCOMPATIBILITY GROUP内で適格の運送費が複数存在し、そのPRECEDENCEが同一の場合、またはフェーズのINCOMPATIBILITY RESOLVE CODEが「最善価格」に設定されている場合は、最低の手数料が選択されます。Order Managementでは、このようにして選択された運送費の中から、手数料タイプ/サブタイプの一意の組合せごとに最高の運送費が受注および明細に適用されます。
基本価格設定を使用する場合、使用できるINCOMPATIBILITY RESOLVE CODEは「最善価格」のみです。Oracle Advanced Pricingのライセンスを取得している場合は、INCOMPATIBILITY RESOLVE CODEとして「優先」を使用するように選択できます。
出荷確認時に原価を搬送レベルで入力すると、Order Managementで明細に転送される原価は、各明細で出荷される重量(存在する場合)、容積(存在する場合)または数量に基づいて、すべての搬送明細に按分されます。搬送詳細で重量または容積(あるいはその両方)を取得する方法については、『Oracle Shipping Executionユーザーズ・ガイド』を参照してください。
費用を入力したかどうかを確認します。出荷確認時に原価を入力していないと、費用から手数料への換算は発生しません。費用として0(ゼロ)を入力すると、設定した算式に基づいて換算が発生します。そのため、手数料を費用 + $50にする場合に原価として0(ゼロ)を入力すると、手数料として$50が生成されます。ただし、費用をまったく入力しなければ、受注に手数料は設定されません。
展開品目かどうかを確認します。手数料を設定しようとしている明細はPTOキットまたはモデルの展開品目かどうかを調べます。この種の展開品目の場合、手数料は容易に換算できません。これは、原価がShippingからOrder Managementに明細レベルの価格調整として取り込まれ、「出荷」価格設定イベントにより運送費および特別手数料モディファイアの適用がトリガーされるためです。展開品目は価格設定されないため、この処理は発生しません。展開品目に対する費用から手数料への換算が機能するように変更するには、受注レベルのモディファイアを使用する必要があります。
フェーズを確認します。費用から手数料への換算のモディファイア明細の設定時に選択したフェーズは、「出荷」価格設定イベント中に実行される必要があります。基本価格設定の場合は、「明細手数料」フェーズを使用します。他のフェーズを選択する場合、モディファイア明細には「出荷」イベントが関連付けられているフェーズを使用する必要があります。
フェーズは、「イベント・フェーズ」ウィンドウで問い合せることで確認できます(ナビゲーション・パスは、「価格設定マネージャ職責」→「設定」→「イベント・フェーズ」です)。また、フェーズの「上書固定」フラグが選択されていることも確認します。このウィンドウの使用方法の詳細は、『Oracle Advanced Pricingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
OMインタフェースを実行したかどうかを確認します。インタフェースの実行を遅延した場合(「出荷確認」のチェック・ボックス)、OMインタフェースは実行されていません。完了していることを確認してください。
それでも費用から手数料への換算が機能しない場合は、デバッグ・ユーティリティを実行できます。このユーティリティを実行すると、ユーザーまたはサポート担当は原価がOrder Managementに転送されたかどうかと、転送された場合は手数料へと正常に換算されなかった原因を調べることができます。デバッグ出力はファイルにスプールされ、そこで結果を確認できます。
このデバッグ・ユーティリティを使用するには、運送費(費用から手数料への換算)が実行されていない受注明細のline_id(受注明細ID)を知る必要があります。受注明細を判別するには、受注明細の問合せ後にメニュー・オプション「ヘルプ」→「診断」→「検査」の順に選択します。また、費用から手数料への換算を実行するように設定したモディファイアのlist_line_id(モディファイア明細ID)も知る必要があります。そのためには、運送費モディファイアの問合せ後に「明細」リージョンにナビゲートし、検査するモディファイア明細を選択して、メニュー・オプション「ヘルプ」→「診断」→「検査」の順に選択します。
このデバッグ・ユーティリティでは、次の処理が実行されます。
原価がShippingにより挿入されたかどうかがチェックされます。
フェーズのfreeze_overrideフラグがNでないことが確認されます。
qp_list_header_phases表が移入されていることが確認されます。
ソーシング(属性マッピング)が発生したかどうかがチェックされます。発生していない場合は、ソース・ルールの作成コンカレント要求を実行する必要があります。
明細がモデルの展開品目かどうかがチェックされます。展開品目の場合、手数料は作成されません。
Charge_Type_Codeが出荷確認時に選択される原価タイプ・コードと一致するかどうかがチェックされます。OMに渡された他の原価もすべて出力されます。
この明細が在庫インタフェース済でOMインタフェース済かどうかがチェックされます。
次の表に、モディファイアに対して設定できるシード済の運送費および特別手数料タイプを示します。
参照コード | 参照タイプ | 摘要 |
---|---|---|
ADMINISTRATION | FREIGHT_COST_TYPE | 管理手数料 |
DUTY | FREIGHT_COST_TYPE | 関税に適用される手数料 |
EXPORT | FREIGHT_COST_TYPE | 商品の輸出入に適用される手数料 |
FREIGHT | FREIGHT_COST_TYPE | 運送手数料 |
HANDLING | FREIGHT_COST_TYPE | 商品の取扱いと梱包に適用される手数料 |
INSURANCE | FREIGHT_COST_TYPE | 保険付きの出荷に適用される手数料 |
MISCELLANEOUS | FREIGHT_CHARGES_TYPE | その他手数料 |