Oracle Sourcingインプリメンテーションおよび管理ガイド リリース11i B25745-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
これまで戦略的ソーシングは時間のかかる複雑なプロセスであったため、多くの組織は、最大削減金額を実現するためにすべての支出をソーシングすることはできませんでした。 Oracle Sourcingは、調達専門家のソーシング能力を向上させることで、削減の機会を増やし、各機会においてより多くの利益を得られるようにします。 オンライン・コラボレーションとネゴシエーションにより、複数の組織の参加者は、情報の交換、入札およびオークション・プロセスの実行、および基本契約の作成と実装を簡単に行うことができます。 バイヤー専門家、ビジネス専門家および仕入先は、ソーシング・プロセスをより迅速かつ正確に行うために、情報をオンラインで交換します。 アプリケーションによりソーシング・サイクル時間が大幅に短縮され、仕入先約定の完全な監査証跡が作成されます。 Oracle Sourcingを使用すると、組織は、以前は手付かずであった削減の機会を得て利用できるようになります。
Oracle Sourcingを使用すると、次のことを実行できます。
支出のソーシング
最小総コストのソーシング
迅速かつ長期にわたる削減の実施
ソーシング・イベントをより短時間で管理して、迅速に結論を出すことで、より多くの削減の機会を得てそれを利用できるようになります。
ソーシング機会の利用
これまでは、入札パッケージの準備と公表、および応答の処理に時間が必要だったため、各専門家が管理できるソーシングの量が制限され、削減は手付かずになっていました。 Oracle Sourcingを使用すると、ソーシング・プロセス全体が構造化されるため、各需要のソーシングに必要な時間と労力が大幅に削減されます。 調達専門家はテンプレートを使用して、情報依頼、見積依頼、提案依頼、逆オークションなどのソーシング・イベントを迅速に作成できます。 ソーシング・イベントは、Oracle Purchasingからの需要を直接統合して作成することもできます。 バイヤーは1回のクリックによる再ネゴシエーションを使用して、失効する基本契約を新しいソーシング・イベントにただちに複製することもできます。 Oracle Sourcingにより、各ソーシング・イベントの実行に必要な手作業が軽減されます。 そのため、調達専門家は金額の削減に最善を尽くすことができます。
オンライン・ネゴシエーションによる時間の短縮
Oracle Sourcingを使用すると、イベントの準備がより迅速に行われ、完了も早いため、基本契約を署名後ただちに実装できます。 要件の収集が構造化されるため、ソーシング・イベントの準備に必要な時間が短縮されます。 Oracle Sourcingにより要件、修正および応答が1箇所に集約されるため、仕入先はより迅速に入札できます。 オンライン・ツールは、仕入先の追加処理が必要なイベントをバイヤーに警告します。 結論が出るまでに時間のかかるネゴシエーションを行わずに仕入先に条件を改善させることで、オンライン競合により時間を節約します。 Oracle Sourcingで交渉される基本契約をOracle Purchasingでただちに実装することもできます。 そのため、多くのものをソーシングできるだけでなく、削減の実現も早くなります。
オンライン入札比較および審査ルールによる迅速な審査決定
入札の収集および比較を手動で行うと、審査決定に時間がかかり、不正確になります。 Oracle Sourcingは一貫性のある構造化された形式で入札を収集し、迅速で正確な審査を行うためにオンライン分析を提供します。 並べてグラフィカルな比較を行うことで、最適価格を提示する仕入先が一目でわかります。 組織が独自のカテゴリ用にスプレッドシート・モデルを作成した場合、Sourcingはオフライン分析用に価格設定およびスコアリング・データもエクスポートします。 柔軟な審査方法により、仕入先を選択し、最適な価格設定のロットおよび明細を入札できます。Oracle Sourcingは、事前定義されたスコアリング基準に基づいて最適な審査を実行できます。 構成可能な審査ルールは、少数企業設定またはミッション・クリティカルな品目の複数ソーシングなどのポリシーに従って作成されます。 審査要約は、審査推奨事項の完全なビューをチーム・メンバーに提供し、審査承認はポリシーおよび規制準拠を保証します。
Oracle Sourcingを使用すると、単価だけではなく総コストに基づいて最適な決定を下すことができます。
機能間コラボレーションによるソーシング結果の改善
優れたソーシングには、調達専門家と技術顧問の特別なスキルを組み合せる必要があります。 しかし、時間と距離の制約により、通常はすべての参加者が協力するのは困難です。 Oracle Sourcingのオンライン・コラボレーションを使用すると、技術、事業および取引条件の専門家が専門知識をソーシング・プロセスに容易に提供できるようになります。 これにより、ソーシング・プロセスが適切に行われ、幅広い審査決定が可能になります。 適切な仕入先を選択することも、戦略的なソーシングには必要です。 Oracle Sourcingを使用すると、調達専門家は、社内に存在する様々な仕入先情報を参照して、新しい仕入先に参加を依頼し、より競争力のある入札を実施できます。
ソーシング知識の取得によるベスト・プラクティスの活用
あるソーシング・イベントでコスト削減を実現した知識とベスト・プラクティスは、通常はイベントの終了時または従業員の退職時に失われます。 Oracle Sourcingを使用すると、ソーシング専門家は、ベスト・プラクティス・カテゴリの知識を取得して再利用できます。 過去のイベントで成功した要素はすべて、見積依頼、情報依頼およびオンライン・オークションのために、カテゴリ固有テンプレートに取り込まれます。 参加依頼先リストは、最適な仕入先に取り込まれます。 価格設定要素は、最小総コストを実現するために、仕入先の原価体系にあわせて購買を調整します。 ネゴシエーション形式は、最適値を実現するイベント・タイプおよび入札条件に関する知識を取得します。 Oracle Sourcingを使用すると、最適なソーシング知識を長期間継続して企業で利用できます。
最小総コストの分析による削減金額の増加と入札パッケージ評価の完了
ソーシング専門家は、最低価格によって最小総コストが常に実現されるとはかぎらないことを理解しています。 Oracle Sourcingを使用すると、合計原価を押し上げるコスト推進要因および目に見えないコストを識別することで、最小総コストを分析できます。 価格分岐と価格要素を含む、複数属性重み付けスコアリングおよび価格設定により、調達専門家は、品目とサービスを戦略的に定義して、仕入先と効率的に交渉できます。 Sourcingでは、下流部門のコストに影響する入札仕入先の長所と短所を分析するための、構成可能なスコアリング基準も提供します。 価格と配送日、品質、仕入先の信頼性、財政の安定性などのバイヤー定義の基準を組み合せることで、入札にスコアを付けることができます。
Oracle Sourcingは、迅速な配置とROI、およびOracle Advanced Procurement Suiteによる一貫した実行により、迅速な削減を実施します。
迅速な配置による削減の開始
購買専門家は、わずかな削減でも最終的な収益に大きく貢献することを理解しています。 したがって、ソーシング専門家は常に100%の生産コストを事業コストに費やしているわけではありません。 Oracle Sourcingを使用すると、数か月ではなく数週間でソーシング組織に大きな影響を及ぼすことができます。 アプリケーションは、オンサイトで実行するか、またはホストすることができ、独立して動作することも、Oracle Advanced Procurement Suiteの一部として動作することもできます。 したがって、Oracle Sourcingを現在および次の機会に適用して、削減をただちに開始する一方で、必要に応じて独自のソリューションを拡張することもできます。
オープンな競合による迅速なROIの実現
ソーシングの改善によりイベントを保存できます。 Oracleを使用する組織は、明確な要件を提供することで、現仕入先をリスクにさらします。リスクの軽減により、仕入先は現在もオープンでいることができます。
一貫した実行と準拠による長期の削減の実現
最適な購買基本契約でも、一貫して実行されないかぎり、ほとんど価値はありません。 購買依頼から支払への一貫した実行により、Oracle SourcingをOracle Advanced Procurement Suite内で使用した場合、組織での削減金額が多くなります。 Oracle Procurement Contractsは、契約提出物の組込みの追跡を促進します。 Oracle Purchasingは、Oracle Sourcingで交渉された基本契約をシームレスに実行します。 Oracle iProcurementに配置された従業員セルフサービス購買依頼は、Sourcingで交渉された価格で優先仕入先に自動的にデフォルト設定されます。 Oracle Daily Business Intelligenceは契約稼働状況と準拠を監視し、新たな機会を見つけるための詳細な作業を設定します。 Oracle Advanced Procurement Suiteは、購買基本契約を企業全体で実装および実施することで、Oracle Sourcingの価値を利用します。
Oracle SourcingはE-Business Suiteの調達モジュールと緊密に統合されています。 Oracle E-Business Suiteを使用すると、企業は顧客処理の効率的な管理、製品の製造、出荷受注、支払の収集などを、統合情報アーキテクチャ上に構築されたアプリケーションから実行できます。 この情報アーキテクチャは、顧客、仕入先、従業員および製品など、ビジネスのあらゆる側面に関する1つの定義を提供します。 1つのモジュールまたはスイート全体を実装するかどうかによって異なります。 Oracle E-Business Suiteを使用すると、調達専門家は、企業間で統合された情報を共有し、最適な情報を使用して賢明な決定を下すことができます。
Oracle Sourcingを使用した一般的なビジネス・フローには、次の3つがあります。
ソーシング・バイヤーはOracle Purchasingの需要ワークベンチ機能を使用して、承認済の購買依頼明細を選択し、需要を暫定的なオークションやソーシング見積依頼に集約できます。 バイヤーは、Oracle Sourcingを終了しなくても需要ワークベンチを使用できます。 元になる購買依頼明細情報は、ソーシング・ドキュメントのライフサイクル全体で保持されます。
需要ワークベンチを使用した新規ドキュメントの作成
Oracle Purchasingのバイヤーは、包括購買契約(BPA)を選択し、新規オークションやソーシング見積依頼の基準として使用できます。BPA(ヘッダー、添付、価格分岐を含む)の詳細は、暫定ネゴシエーションおよび元のBPA明細を参照するソーシング明細にコピーされます。
既存の包括購買契約からの新規ドキュメントの作成
Oracle Sourcingのバイヤーは、ソーシング・ドキュメントをOracle Sourcingで直接定義できます。在庫品目を選択し、商品とサービスを直接入力できます。品目の多くは、スプレッドシートのアップロード機能を使用した迅速な入力が可能です。
Oracle Sourcingにおけるドキュメントの直接作成
バイヤーは調達プロセス全体にわたって情報を表示できます。Oracle Purchasingのユーザーは、標準発注または包括購買契約の元となった審査を表示することが可能です。同様に、Oracle iProcurementによる購買依頼の作成者は、その購買依頼に関する交渉が行われているネゴシエーションを表示できます。 Oracle iSupplier Portalにアクセスした仕入先は、発注からその基礎となるソーシング・ドキュメントや見積にOracle Sourcingでドリルダウンすることが可能です。