Oracle Balanced Scorecard管理者ガイド リリース11i B25755-01 | ![]() 目次 | ![]() 戻る | ![]() 次へ |
スコアカード設計の完了後、「データベースの生成」要求を実行し、目標のサポートに必要なデータベース・オブジェクトを生成します。
「データベースの生成」要求により、目標ごとに入力表および要約レベルが生成されます。 「データベースの生成」要求では、必要なデータベース・オブジェクトの最適化が試行されるため、複数の目標で同じ基礎オブジェクトが共有される場合があります。
デザイナが目標を変更し、管理者がスコアカードを更新して変更を反映させる必要が生じるごとに、このプロセスを実行します。 また、アーキテクチャ方法を変更した場合にもこのプロセスを実行します。
次の表に、データベースの生成プロセスで生成される表オブジェクトをリストしています。 ディメンション表および入力表にデータを移入するには、データ・ロード・プロセスを使用する必要がある点に注意してください。 また、事前計算済KPIについてシステム表に移入する場合もデータ・ロード・プロセスを使用する必要があります。 他の表はすべて、バランス・スコアカードにより自動的に生成および移入されます。
表 | 説明 |
---|---|
ディメンション表(BSC_D) | ディメンション・レベル値が含まれます。 通常は、ディメンションごとにディメンション表が1つあります。 データ・ロード・プロセスを使用して、これらの表にデータを移入します。 |
入力表(BSC_I) | KPIおよびスコアカードのサポートに使用されるデータが含まれます。 データ・ロード・プロセスを使用して、これらの表にデータを移入します。 |
システム表(BSC_S) | KPIおよびスコアカードのサポートに使用される計算済および非正規化済データが含まれます。 標準KPIの場合、入力表をロードすると、これらの表が自動的に移入されます。 事前計算済KPIの場合、データ・ロード・プロセスを使用して、これらの表にデータを移入します。 |
履歴表(BSC_BAK) | KPIおよびスコアカードごとに履歴データが含まれます。 入力表をロードすると、これらの表が自動的に移入されます。 これらの表のデータは、管理者が削除するか、またはデータ・ロード・プロセスの次回実行時に削除できます。 |
一時表(BSC_T) | 一時データが含まれます。 |
「データベースの生成」ウィンドウでは、現在の目標ステータスが次のように示されます。
データの再ロードと要約リフレッシュが必要な目標 入力表または要約レベルの構造に変更が必要な目標数。 このカテゴリに分類される目標がある場合、影響を受ける目標のデータを再ロードする必要があります。
要約リフレッシュが必要な目標 データのリフレッシュが必要な目標数。 これらの目標のデータを再ロードする必要はありません。 かわりに、データが相応に更新されるよう、データ・ロードの実行時に再計算プロセスを実行する必要があります。
削除保留中の目標 本番モードであり、削除フラグが設定されている目標数。 これらの目標の入力表および要約レベルは削除されます。 この場合、追加プロセスを実行する必要はありません。
拡張要約レベル更新 要約レベル数が変更されています。 このフラグにより「データベースの生成」がトリガーされ、すべての目標について適切な数のマテリアライズド・ビューが生成されてから、このプロセスが1回実行されます。 この場合、データを再ロードする必要はありません。
「データベースの生成」要求を実行するタイミングおよび頻度を決定するには、このステータスを使用します。
データベースの現在のステータスを表示する手順は、次のとおりです。
「パフォーマンス管理管理者」職責を使用してOracle Applicationsにログインします。
「生成」->「データベース」の順番にナビゲートします。
データベースの生成プロセスを実行し、目標およびスコアカードのサポートに必要なデータベース・オブジェクトを生成します。 プロセスの実行準備が整ったら、すべてのローダー、アーキテクト(移行を含む)およびデザイナ・セッションがクローズしていることを確認します。 ユーザーは引き続きスコアカードを表示できます。ただし、プロセスの実行中は、ユーザーはデータベースが更新中であることを示すメッセージを受け取ります。 プロセスの実行中に、ユーザーはプロトタイプ・データを含むスコアカードおよび目標のみを表示できます。
データベースの生成プロセスを実行する前に、スコアカード設計を確認し、実装チームおよび目標の出資者とともにこの設計を承認することをお薦めします。
前提条件
データベースの生成プロセスを実行する手順は、次のとおりです。
「パフォーマンス管理管理者」職責を使用してOracle Applicationsにログインします。
「データベース」->「生成」の順番にナビゲートします。
「データベースの生成」をクリックします。
次のオプションから1つ選択します。
すべての目標の処理 既存のデータベース・オブジェクトのバックアップが作成され、その後、既存のオブジェクトの切捨ておよび再生成が行われます。 このオプションを選択した場合、データを再ロードする必要があります。
変更された目標のみ処理 既存のデータベース・オブジェクトのバックアップが作成され、その後、保留中の変更が含まれるデータベース・オブジェクトおよび相関オブジェクトが更新されます。
バックアップ表の名前は元の表と同じですが、サフィックス「_BAK」が付けられます。
「次」をクリックすると、目標のリストが表示されます。
必要に応じて、目標ごとに生成方法を更新します。
可能な生成方法は次のとおりです。
標準 あらゆるディメンションの組合せのすべてのデータ型(実績、計画およびベンチマーク・データ)に対して入力表が1つ作成されます。 入力表では、最下位のディメンション・レベル(日次など)でデータが収集されます。 上位のディメンション・レベルは、最下位レベルから情報を積み上げることで計算されます。 デザイナは、メジャーごとの積上げ方法の指定を担当します。 これは全目標のデフォルトの生成方法です。
事前計算済 ディメンションの組合せごとに独立した入力表が作成されます。 各入力表にすべてのデータ型をロードできます。 このオプションを選択した場合、ディメンションの組合せの合計値は計算されません。 かわりに、管理者はこの情報のロードを担当します。
別レベルでのベンチマーク 計画データとベンチマーク・データが実績データと同じレベルで要約されない場合は(予測が月次で実績データが日次である場合など)、ユーザーは「別レベルでのベンチマーク」生成方法を使用できます。
「別レベルでのベンチマーク」を選択した場合、期間、ディメンションおよびKPIに使用する要約のレベルを選択します。 デフォルトでは、すべての期間、ディメンションおよびKPIが選択されます。 カテゴリごとに、少なくとも1つの要約レベルを選択する必要があります。
「別レベルでのベンチマーク」を選択した場合、データベースの生成プロセスにより、目標ごとに2つの入力表のセットが生成されます。 実績データの表1「collects acut」は、最下位要約レベルで生成されます。 計画データの2つ目の表は、デザイナが定義した上位レベルで生成されます。 上位の期間に積み上げることができない期間を含む時間ディメンションを使用する場合、追加表が作成されます。
データベースの生成プロセスを実行するタイミングをスケジュールします。
要求の完了時に送信する通知を設定します。 可能な受信者のリストは、Oracle Workflowに基づきます。 受信者ごとに、通知を受け取るステータス(「正常」、「警告」または「エラー」)を指定できます。
「終了」をクリックして要求を発行します。
要求の進捗を表示するには、「要求」サブタブを使用します。
関連トピック
要求のモニター方法は、要求のモニターを参照してください。
スコアカードが本番モードに入った後は、「データベース」->「目標」または「データベース」->「表」の順番にナビゲートして、生成済のシステム文書を表示できます。
表を表示するには、「データベースの生成」要求を少なくとも1回実行する必要があります。 保留中の要求がある場合、要求の処理中に既存の文書を表示できます。 生成済の文書に表示される内容は、次のとおりです。
目標別の入力表または入力表別の目標
各表の列
表間の依存および階層
メタデータ結果
次の表に、各表タイプで使用可能な情報を示しています。
表タイプ | 列の表示 | 目標の表示 | 依存関係の表示 | 名称変更 |
---|---|---|---|---|
ファクト入力表 | Yes | Yes | Yes | Yes |
ディメンション入力表 | Yes | Yes | Yes | No |
実表 | Yes | No | Yes | No |
ディメンション表 | Yes | No | Yes | No |
要約表 | Yes | No | Yes | No |
また、必要に応じて入力表名を変更できます。 入力表名はいつでも変更できます。「データベースの生成」要求が保留中の場合でも同じです。 保留中の要求は、新しい表名によって更新されます。
文書をオンラインで表示できるだけでなく、「データベースの生成」要求により次の文書が生成されます。
System.txt この文書には生成済の表がリストされ、表間の関連が示されます。 この文書は、要求セットのステータスが「正常」である場合のみ生成されます。 この内容は、「PMAデータベース - 文書の生成」プログラムの出力ファイルで参照できます。
メタデータ結果 この文書には、メタデータに加えられた構造上の変更がリストされます。 また、各目標で使用される新旧の入力表名および要約レベルの実表のバックアップ表がリストされます。 この情報は、「PMAデータベース - データベースの生成」プログラムの出力ファイルで参照できます。
保留中の「データベースの生成」または「データのロード」要求のステータスをモニターするには、「データベース」->「要求」または「データ・ローダー」->「要求」の順番にナビゲートします。 「要求」サブタブには、発行済プログラム、発行日、要求の現在のステータスとフェーズおよび要求IDのリストが表示されます。 また、プログラムの詳細および出力ファイルへのリンクが提供されます。 このサブタブを使用して、保留中および完了済要求を表示したり、特定の要求を検索できます。 また、コンカレント・マネージャを使用して、任意の要求のステータスをモニターできます。
要求に警告またはエラーが含まれる場合、ログ・ファイルを確認するか、または「無効なレコードの表示」をクリックして、問題の原因となった無効なレコードのリストを参照します。 リストされたレコードを修正し、要求を再実行します。
関連トピック
『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』
データベースの生成プロセスの実行中に発生する可能性のある問題を解決するため、次の情報が提供されています。
システムがロックされています。
「データベースの生成」要求を実行するには、システムのロックが解除されている必要があります。 「データベースの生成」によりシステムがロックされ、プロセスが終了するまで、誰もバランス・スコアカードを操作できなくなります。 セッション・モニター機能を使用して、システムに現在ログインしているユーザーを確認できます。
別のデータベースの生成プロセスが実行中です。
「データベースの生成」要求がすでに実行中である場合、別の要求を起動できません。 現在の要求が完了するまで待機してから、新しい「データベースの生成」要求を起動してください。 現行または保留中の要求があるかどうかを確認するには、「要求のモニター」機能を使用します。
目標が割り当てられていません。
「データベースの生成」要求を実行する前に、すべての目標をスコアカードに割り当てる必要があります。 要求を実行しようとして、目標がスコアカードに割り当てられていない場合、割り当てる必要がある目標がリストされたエラー・メッセージが表示されます。
整合性に問題があります。
データベースの生成プロセスで、処理中にデータ整合性のエラー(同期化されていない共有KPIなど)が見つかった場合、これらのエラーがログ・ファイルにリストされます。
要求が警告またはエラーありで完了しました。
要求に警告またはエラーが含まれる場合、ログ・ファイルを確認するか、または「無効なレコードの表示」をクリックして、問題の原因となった無効なレコードのリストを参照します。 リストされたレコードを修正し、要求を再実行します。