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Oracle Enterprise Performance Foundationユーザーズ・ガイド
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Oracle Enterprise Performance Foundationの基礎

この章のトピックは、次のとおりです。

Oracle Enterprise Performance Foundationの概要

Oracle Enterprise Performance Foundationは、Corporate Performance Management製品セットの全アプリケーションにフレームワークを提供する、データおよびビジネス・ルールのオープンな共有リポジトリです。この単一データソースから提供される一連の機能により、リポジトリ・メタデータを管理し、管理レポートとパフォーマンス分析を生成できます。

Enterprise Performance FoundationはE-Business SuiteおよびOracle General Ledgerと緊密に統合されていますが、外部システムからのデータも容易に統合してOracle Enterprise Performance Foundationで利用できます。

データとメタデータの編成

Enterprise Performance Foundationは完全なメタデータ・ドリブン型であり、ディメンション、ディメンション階層、ファクト表、ビジネス固有のメタデータおよびビジネス・ルールで構成されます。また、アーキテクチャではE-Business Suiteローカライゼーションの標準セットで使用できるように、完全な複数言語サポート(MLS)が使用されます。

Enterprise Performance Foundationパッケージには、データ・モデル、外部ローダーおよびE-Business Suiteとの直接的な統合が組み込まれています。

ディメンションとディメンション・メンバー

ディメンションにより、データが1つのオブジェクトに分類されます。たとえば、時間、地域、組織および製品などのディメンションがあります。ディメンション・メンバーは、ディメンションを構成する個別項目です。たとえば、サンフランシスコとニューヨークを組織ディメンションのメンバーにすることができます。

階層とレベル

ディメンション・メンバーをレベル単位で配置し、各レベルで下位レベルのデータの集計を表現できます。たとえば、組織階層を世界->大陸->国->サイト->コスト・センターの各レベルで構成し、各レベルを上位の親へと集計できます。メンバーは特定のレベルに所属できます。たとえば、ヨーロッパは大陸に属し、フランスは国、リヨンはサイトとすることができます。

階層では、データを集計して割り当てるレベルを指定できます。ユーザーがデータを表示するときには、階層をドリルアップおよびドリルダウンして各種レベルで参照できます。また、データをレベルで選択することもできます。

1つのディメンションに複数の階層を使用できます。たとえば、組織には、世界->大陸->国->サイト->コスト・センターのような地域階層と、全世界->ビジネス・ライン->コスト・センターのような管理上の階層を使用できます。この場合、各階層は同じ組織ドメインから導出されます。

属性

属性とは、ディメンション・メンバーを記述するプロパティまたは修飾子であり、日付、数値または文字列を使用できます。たとえば、地域ディメンションに地域住民の人口を示す人口属性を持たせることができます。

ファクト表

システムは、メタデータに存在するディメンションで定義されるファクト表で構成されます。ユーザーは事前シード済のファクト表を使用して、既存の表にディメンションを追加したり独自の表を新規に作成できます。

ビジネス固有のメタデータ

ビジネス固有のメタデータは、Enterprise Performance Foundationを使用する特化した各アプリケーションで事前シードされるため、Enterprise Performance Foundationではなく各アプリケーションとともに組み込まれます。ただし、Enterprise Performance Foundationはこの種のアプリケーションで容易に拡張できます。

ビジネス・ルール

Enterprise Performance Foundationは、事前シード済の一部の汎用ビジネス・ルールに加えて、アプリケーション固有のビジネス・ルール向けのフレームワークをサポートしています。たとえば、Oracle Financial Consolidation Hubアプリケーションには、複数の会計帳簿間におけるデータ連結に関連した機能固有のビジネス・ルールが用意されています。また、Enterprise Performance Foundationには、フィルタとして機能するデータ条件用の共有ビジネス・ルールと、システム内のファクト表にあるデータを表示するためのデータ・インスペクタが組み込まれています。

基本概念: 値セット、グローバル値セット組合せおよび元帳

Enterprise Performance Foundation内のメタデータの編成は、Oracle E-Business Suiteにおける値セット、勘定体系および会計帳簿の定義方法に似ています。ただし、この基本定義は、各組織固有のビジネス要件を満たすために容易に拡張できます。

値セット、グローバル値セット組合せおよび元帳

Enterprise Performance Foundationデータ・モデル内のファクト表に含まれるデータのコア定義は、元帳ディメンション別になっています。つまり、元帳ディメンションは、グローバル値セット組合せ、カレンダおよび通貨というコンポーネントによる属性を持っています。これは、E-Business Suiteにおける会計帳簿と同様で、会計帳簿は勘定体系、通貨およびカレンダで定義されることに注意してください。

グローバル値セット組合せは、勘定体系と同様に、アプリケーション内の各ディメンションの値セットで構成されます(この点はE-Business Suiteにおける勘定体系とは異なります。これは、トランザクション・システムでは勘定体系が全ディメンションのサブセットであるためです)。

グローバル値セット組合せではディメンションごとに値セットが定義されるため、選択した元帳の各ディメンションのドメインが効果的に判別されます。ユーザーは、アプリケーションで作業中に、グローバル値セット組合せを指定するデフォルト元帳を選択する必要があります。グローバル値セット組合せにより、特定の元帳に関連するルールとその元帳でディメンション化されているデータについて、各ディメンションの値セットが定義されます。

たとえば、システムにLedger1およびLedger2という2つの元帳があるとします。

Ledger1に関連するグローバル値セット組合せはGVSC1で、GVSC1はシステム内のディメンションごとに1つの値セットで構成され、GVSC1の明細項目ディメンションの値セットはLineItem1です。LineItem1値セットには、明細項目ディメンション・メンバーLineA、LineBおよびLineCが含まれています。

Ledger2のグローバル値セット組合せはGVSC2です。GVSC2の明細項目ディメンションの値セットはLineItem2で、明細項目ディメンション・メンバーLineD、LineEおよびLineFが含まれています。

Ledger1のビジネス・ルールを作成する場合、使用可能な明細項目ディメンション・メンバーはLineItem1の値セットに含まれるLineA、LineBおよびLineCです。同様に、Ledger2のルールを作成する場合、使用可能な明細項目メンバーはLineItem2の値セットに含まれるLineD、LineEおよびLineFです。Ledger1のルール用にはLineItem2のメンバーを選択できず、Ledger2のルール用にはLineItem1のメンバーを選択できません。

共有機能

Enterprise Performance Foundationに用意されている機能はすべて、全Corporate Performance Managementアプリケーションで共有されます。これは、Corporate Performance Managementアプリケーションはいずれも同じコア・データ・モデルおよびファクト表を使用するためです。

「ホーム」ページ

「ホーム」ページには、次の情報が表示されます。

「ホーム」ページのカスタマイズの詳細は、「「ホーム」ページのカスタマイズ」を参照してください。

ユーザー職責

Enterprise Performance Foundationには、「Enterprise Performance Foundation管理者」ユーザー職責が用意されています。この職責では、各種のシステム管理タスクを実行できます。Oracle General LedgerからEnterprise Performance Foundationにデータ、ディメンションおよび階層を移動するビジネス・ルールを定義して実行するときには、この職責を使用する必要があります。

他のアプリケーションには、その他のユーザー職責が用意されている場合があります。この種の職責については、該当する製品のマニュアルを参照してください。

アプリケーション作業環境

グローバル・ツールバー領域の「アプリケーション作業環境」リンクを使用すると、ユーザー・アカウント固有の各種デフォルトを設定できます。どのアプリケーションの場合も、使用前にデフォルト・セキュリティ・フォルダとデフォルト元帳を指定する必要があります。階層ルールを表示するには、該当バージョンを選択する「有効日」ユーザー作業環境が必要です。