Oracle Manufacturing Operations Centerユーザーズ・ガイド リリース12.1 B66925-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Manufacturing Operations Center(MOC)は、分散した製造現場システムからデータを収集し、ビジネス・コンテキストを用いてそれらに意味付けを設定することによって工場のパフォーマンスを改善し、製造現場の運用に対してリアルタイムなインテリジェンスを提供する、柔軟で拡張可能な事前定義済のソリューションです。 Oracle Manufacturing Operations Centerは、継続的な改善基盤になります。 このアプリケーションの主要なコンポーネントを次に示します。
ISA-95業界標準および拡張可能な属性フレームワークに基づくデータ・モデル。
Oracle EBS用の拡張可能なアダプタ。
製造現場の生データを意味のあるビジネス情報に変換するための確実なコンテキスト化ルール・エンジン。
構成と拡張が容易なOracleビジネス・インテリジェンス(BI)テクノロジによって提供される定義済のキー・パフォーマンス・インディケータおよび分析テンプレート。
生産パフォーマンスのリアルタイム監視機能。
Oracle Manufacturing Operations Centerは、持続可能性構想を推進する新しい機能を提供します。 持続可能性状況とは、企業が活動して商品やサービスを生産するために消費される連続的な入力に対して使用される一般的な名称です。 持続可能性状況の一般的な例としては、電気、ガス、石油、水、ヘリウムなどがあります。
Oracle MOCのSustainability Sensor Data Management Systemは、製造、技術革新、サービスに注力する企業が法定要件および社会的責任を満たして持続可能性の向上を実現、加速するのに役立ちます。
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(OBIEE)テクノロジを利用したダッシュボードおよび定義済みのキー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)によりエネルギー消費量、エネルギー原価、炭酸ガス排出量をモニターおよび分析できます。
スマート・メーターおよび環境管理システムと統合できます。
オートメーション・システムを構築し、エネルギー消費および排出データを収集できます。
エネルギー効率の改善および炭酸ガス排出量の削減の具体的な機会を識別できます。
エネルギー消費を正規化し、稼働条件および生産変数と関連付けて、エネルギーを考慮した製造を可能にします。
Global Reporting Initiative(GRI)フレームワークおよびGreen House Gas(GHG)プロトコルに基づくエネルギー使用レポートのための信頼性の高いデータ・リポジトリとして利用できます。
Manufacturing Operations Centerには次のOracleテクノロジが使用されます。
Oracle Data Warehouse Builder(OWB)
Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(OBIEE)
Oracle E-Business Suite(EBS)Foundation
次の図では、Oracle Manufacturing Operations Centerのアーキテクチャの概要を示します。
この図では次のことが説明されています。
Oracle MOCのデータ・モデルはISA-95標準に準拠し、インテリジェンスと統合に対して最適化されています。 ISA-95は、バッチ生産、連続生産、組立型生産といったインダストリーを含むシステム統合を企業が制御するための標準です。 ISA(Instrumentation, Systems and Automation Society)によって管理されているISA-95では、用語および機能要件が定義されており、製造を対象とするPRM(Purdue Reference Model)が取り入れられています。 Oracle MOCデータ・モデルは公開されており、ユーザー固有の属性を取得して独自の階層などを構築できる拡張性をもっています。また、複数の持続可能性状況(電気、ガスなど)のエネルギー消費、エネルギー原価、排出に関するデータ収集を組み込むことができます。 データ・モデルの粒度は、正確な解析を実行するために分レベルでの測定頻度に対応しています。
プラグイン可能なビジネス・ルール(OWBマッピング)
OBIEEでの非定型ダッシュボードとレポート
Oracle MOCは、デバイス・データも含めた異機種間システムをサポートし、Programmable Logic Controllers(PLC)、Supervisory Control and Data Acquisition(SCADA)システム、メーター、Sensors and Distributed Control Systems(DCS)などから製造現場データを直接収集するための広範なオプションを提供します。 Oracle MOCは、データの抽出、処理にデータ・ウェアハウス・ツールであるOracle Warehouse Builder(OWB)を利用します。 持続可能性状況の消費に対するメーター読取はコンカレント・プログラムを用いて行われます。
EBSアダプタ: Oracle MOCは、リリース11i10用のEBSアダプタをパッケージしています。
KPIおよびダッシュボード: Oracle MOCは、60以上のメトリックスおよび役割に応じたダッシュボードやレポートをあらかじめパッケージしています。
通常、Oracle Manufacturing Operations Center(MOC)は工場にインストールされます。 1つまたは複数の工場にインストールされることもあります。 1つの工場用のサーバーまたは複数の工場に接続されたサーバーにインストールできます。 Oracle MOCがインストールされた複数のインスタンスをもっている企業もあります。
次に示すのは、米国内の2箇所とインドに工場を持つグローバル企業の例です。
この例では、MOCインスタンスのインストールに次のオプションを使用できます。
オプション1
MOCインスタンス01 - USA - SFO
MOCインスタンス02 - USA - Denver
MOCインスタンス03 - India
このオプションでは、工場はグループ化されず、MOCのインスタンスは工場ごとにインストールされています。
オプション2
MOCインスタンス01 - USA
MOCインスタンス02 - India
このオプションでは、工場は国ごとにグループ化され、 SFOとDenverの工場は、USAという名前の1つのインスタンスにグループ化されています。
オプション3
MOCインスタンス01 - USA & India
このオプションでは、すべての工場がUSA & Indiaという名前の1つのインスタンスにグループ化されています。
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