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Oracle Service Parts Planningインプリメンテーションおよびユーザー・ガイド
リリース12.1
B70972-01
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リリース処理

序説

修理および補充計画の一部として、SPPは計画オーダー(計画内部修理オーダー、計画社外修理オーダー、計画修理作業指示、および計画新規購買オーダー)、再計画、および取消を推奨します。社内購買依頼と社内受注はペアで再計画されます。また、これらはペアでリリースする必要があります。プランナはリリース処理を自動化(自動リリース・オーダー)することも、計画オーダーを手動で実施することもできます。

サービス・サプライ・チェーン計画は、リバース・サプライ・チェーンに関連する各種計画オーダーを推奨します。これらのオーダーは、処理が可能なソース文書として実施されます。

オーダー問合せを使用して、オーダーのレビューやリリースを行うことができます。オーダー問合せは、計画内の全オーダーで評価される一連の条件です。問合せを実行すると、問合せで示された条件を満たす一連のオーダーが作成されます。これらのオーダーをレビューし、必要に応じて編集してからリリースできます。

オーダー問合せの作成」を参照してください。

社外修理用のリリース(プッシュおよびプル)

障害品資材を修理用に移動するため、また修理仕入先から修理済みの良品資材を移動するための計画オーダーが計画によって生成されます。計画オーダー推奨は、障害品を移動するために障害品インバウンド出荷および障害品アウトバウンド出荷として変換され、実施されます。SPPは、修理部品を受け入れ、サービスに対して支払いを行うために社外修理オーダー(発注)を作成します。

オーダーをソースにリリースするため、Spares Managementアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)が計画によって呼び出されます。計画からは、計画社外修理オーダーのみを実行できます。この文書に連結された残りの文書、つまり、修理作業指示と障害品アウトバウンド出荷がSpares Managementによって作成されます。また、Spares Managementは、在庫の移動に関わる実行処理を自動化し、管理します。

修理発注に関わる計画オーダーをリリースするため、Spares Management APIが計画によって呼び出されます。また、障害品の修理と移動のため、計画オーダーの詳細が修理仕入先にプッシュされます。基本的に、1つの修理計画オーダーにより、3つの個別のオーダーがSpares Managementにリリースされます。

Spares Managementは修理用の発注が確実に承認されてから、社内受注(ISO)を生成して障害品を修理仕入先に出荷します。ISO(ソース組織)は、計画推奨に基づきます。この理由により、計画からは計画社外修理オーダーのみが実行されます。

内部修理またはDepot Repair用のリリース

デポ組織が倉庫組織と同じである場合、内部修理オーダーが計画によって1つ生成されます。このような特別な場合、オーダーは修理作業指示です。

デポ組織が中央倉庫組織ではない場合、内部修理用に3つの個別の計画オーダー推奨が生成されます。これらのオーダー推奨は次のとおりです。

修理作業指示とは個別に、移動オーダー(内部修理オーダー、障害品インバウンドおよびアウトバウンド出荷)が計画によってリリースされます。Depot Repair APIが呼び出されて、修理計画オーダーがDepot Repairにリリースされます。Depot Repairは修理オーダーを生成して、修理オーダー定義に従って修理作業指示を保持します。

Service Parts Planningで、修理オーダーがダミーの非標準ジョブとして読み取られます。修理オーダーは親作業指示と見なされます。また、このダミー作業指示で必要なコンポーネントが、特定の修理オーダーの修理作業指示が対象とする全コンポーネントであると想定されます。

計画はこの想定によって、Depot Repairの柔軟な修理作業指示の定義に対処できます。Depot Repairでは、親品目の修理オーダーに実際には半組立品部品の修理作業指示が付されることがあります。たとえば、修理オーダーがコンピュータ用のもので、複数の修理オーダーを持つ可能性があります。各修理オーダーは、1つ以上の修理作業指示に連結されることがあります。これらの修理作業指示はLCDやハード・ディスク半組立品用の場合があります。また、修理されている同じハード・ディスクに複数の作業指示が付されることがあります。

修理オーダーに関連付けられているすべての修理作業指示が特定されます。

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

Depot Repairは、未改修という新しい修理オーダー・タイプを生成します。この修理オーダーには、障害品の移動および関連修理作業指示が含まれます。修理オーダーに関連付けられているすべての修理作業指示が計画によって特定されます。

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

Oracle SPPでは、障害品倉庫と良品倉庫が個別の倉庫であると想定して、障害品がデポにある場合、および障害品が修理時に持ち込まれる場合の両方をサポートします。

同じ部品に対する複数の修理作業指示

複数の修理作業指示を使用して修理している同一の部品が計画によって特定されます。障害品が必要以上にプルされないようにするには、こうして特定することが必要です。たとえば、同じハード・ドライブを修理するために10の作業指示が出された場合、障害品への需要は1回のみ対処されます。

シリアル管理品目とDepot Repair

Oracle Depot Repairは、シリアル管理されている品目に対して個別の作業指示を生成します。修理作業指示に対して累積計画オーダーが計画で生成されると、Depot Repairは必要に応じて累積計画オーダーを分割し、複数のオーダーを生成します。

注意: 計画を適切に遂行するため、内部修理作業が行われるすべての組織が、インスタンス - 組織フォームでデポ組織としてマークされる必要があります。

障害品を移動するためのリリース処理

修理仕入先との関連がプルまたはプッシュ・タイプのどちらの関連かに応じて、障害品を修理組織の近くに移動するため、計画で移動オーダー(社内購買依頼およびISO)が生成されます。プランナは、計画オーダーを社内購買依頼(障害品アウトバウンドおよびインバウンド出荷)として選択的に実施できます。

社外修理実行管理

社外修理 - プル

社外修理組織の場合、Oracleワークフローにより、次の処理手順が自動化されます。

  1. 障害品社内受注が障害品倉庫から出荷されると、移動中の数量が修理組織の障害品保管場所で、手持残高に自動失効されます。

  2. 修理組織のデフォルトの障害品保管場所に資材を受け入れます。

  3. 修理組織の障害品保管場所に在庫を受け入れると、非標準工程管理(WIP)を作成し、障害品をWIPジョブに出庫します。

  4. 修理リード・タイムに基づき、WIPジョブを良品保管場所へと完了させます。

  5. 中央倉庫で発注を受け入れると、その他出庫取引を使用して、受入数量を良品保管場所から、受入が倉庫で行われた直接材料費勘定に移動されるようにします。

  6. 基準から外れた部分を手動調整します。

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

Spares ManagementおよびVCPの修理実行(通常モード)。通常モードでは、必要が生じる前に修理仕入先で障害品が事前配置されることはありません。

  1. プランナは、計画システムで修理推奨をレビューし、承認します。

  2. 修理購買依頼が自動生成されます。

  3. 購買担当が発注詳細を検証し、修理発注を作成します。または、発注は、既存の修理契約に基づいて自動的に作成されます。

  4. 発注が承認されます。

  5. 社内発注が自動的に作成され、障害品部品が修理仕入先に出荷されます。

  6. 障害品部品が修理仕入先で受け入れられて障害品保管場所に入れられるか、障害品部品は障害品保管場所に自動的に受け入れられます。

  7. 社内発注が障害品保管場所に受け入れられると、WIPオーダーが自動的に作成されます。障害品部品が障害品保管場所からWIPオーダーに取引されます。

  8. WIPオーダーは、事前定義された修理時間に基づいて自動的に完了します。障害品部品は修理完了保管場所に取引されます。

  9. 修理仕入先が発注に従って、修理済み部品をフィールド・サービス倉庫に出荷します。

  10. フィールド・サービス倉庫は、発注の修理済み部品を受け入れます。

  11. 修理済み部品が修理完了保管場所から取引されます。

社外修理 - プッシュ

社外修理組織のプッシュ(または事前配置)処理手順は次のとおりです。

  1. 仕入先の障害品出荷確認に基づき、修理組織の障害品保管場所で自動受入が作成されます。

  2. 修理用の発注が作成されると、新しい非標準ショップ型製造オーダーを作成します。

  3. 非標準作業指示に対し、障害品が出庫されます。

  4. 修理リード・タイムに基づいて、または発注を自動受領すると、作業指示を完了します。

  5. 発注を自動受領すると、資材が修理組織から出庫されます。

  6. 基準から外れた部分を手動調整します。

Spares ManagementおよびVCPの修理実行 - 事前配置モード。事前配置モードでは、必要が生じる前に修理仕入先で障害品が事前配置されます。

  1. プランナは、計画システムで事前配置推奨をレビューし、承認します。

  2. 障害品の事前配置に対する社内発注が自動的に作成され、障害品部品が修理仕入先に出荷されます。

  3. 修理仕入先が、事前配置社内発注の受領を報告し、受領は障害品保管場所に取引されます。

  4. プランナは、計画システムで事前配置された障害品の修理推奨をレビューし、承認します。

  5. 修理購買依頼が自動生成されます。

  6. 購買担当が発注詳細を検証し、修理発注を作成します。または、修理発注は、既存の修理契約に基づいて自動的に作成されます。

  7. 発注が承認されます。

  8. 発注が承認されると、WIPオーダーが自動的に作成されます。障害品部品が障害品保管場所からWIPオーダーに取引されます。

  9. WIPオーダーは、事前定義された修理時間に基づいて自動的に完了します。障害品部品は修理完了保管場所に取引されます。

  10. 修理仕入先が発注に従って、修理済み部品をフィールド・サービス倉庫に出荷します。

  11. フィールド・サービス倉庫は、発注の修理済み部品を受け入れます。

  12. 修理済み部品が修理完了保管場所から取引されます。

修理仕入先での社内購買依頼の直接出荷と自動受領

このプロセスは通常、修理仕入先組織での手動受領を避けるために使用します。組織間移動が直接行われるように設定することができ、その場合、出荷取引が完了すると、出荷された社内受注は自動的に倉庫で受領されます。

障害品倉庫と修理組織間の出荷ネットワークが「直接」に設定されている場合、障害品部品出荷は社内購買品依頼に従って修理組織で自動受領されます。修理作業指示の開始日と終了日の計算には、実際の移動リード・タイムが含まれます。

たとえば、修理までの期間は10日で、障害品資材を移動するまでの期間は20日とします。障害品品目が出荷されると、修理仕入先組織に自動的に受領されます。Spares Managementは、30日のリード・タイム(20 + 10)の作業指示を作成し、障害品部品を作業指示に対して出庫します。

計画実行

社外修理 – プルおよびプッシュ

サード・パーティ修理または社外修理計画は、サービス・サプライ・チェーン設計における重要な特徴です。計画エンジンが仕入先サイトでソース・ルールを検出すると、各種計画オーダーを推奨します。計画オーダーが実施されると、次に変換されます。

このプロセスの重要な要件の1つは、在庫を修理仕入先サイトで管理することです。修理組織へのインバウンド在庫は、中央または障害品倉庫の障害品保管場所から障害品が出荷されることで生じます。この資材は、修理仕入先組織のデフォルトの保管場所に手動で受け入れる必要があります。

基準から外れた場合、実際の修理歩留は手動で管理する必要があります。たとえば、歩留が50%に定義されるとします。修理オーダーの場合、100個が修理される一方で、実際の歩留は10%のみです。次に、計画により、残りの40個について補充推奨が算入および生成されるように、発注を40個に減らす必要があります。

修理発注に従って良品部品を倉庫で受け入れると、バック・フラッシュ取引が発生して、修理仕入先組織の在庫が減ります。

前述のように、SPPでは、計画は社外修理用に3つの個別の計画オーダーを生成します。

Service Parts Planningは、修理する部品および修理の属性を計画します。

3つの計画オーダーは、Spares Managementへの1つの推奨として組み合わされます。3種類の個別の推奨を修理に対して生成できます。

ケースIIIは、SPPの動的ペギングまたは相互ペギングによって生じることがあります。

Spares APIは2つのモードで実行されます。

ASCPからの最初の2タイプの推奨(ケースIとケースII)を効率化するため、外部修理計画では次が想定されます。

  1. ユーザーはプランナ・ワークベンチから、修理の発注を表す計画オーダーのみを実施できます(修理計画オーダー)。

  2. プランナは外部仕入先組織に関わるアップストリーム供給をリリースすることはできません。これには、修理製造計画オーダー、および修理返品 - プルの場合に障害品を移動するための転送計画オーダーが含まれます。

  3. Planning-Spares実行APIには、次の項目に対するこれらの詳細が含まれます。

  4. Spares Managementは、計画推奨および修理作業指示に基づいて、関連する障害品の移動オーダーを生成します。

  5. アップストリーム供給で、非標準製造オーダーの数量や障害品コンポーネント要件などの不一致が生じた場合、計画はこれらの計画オーダーを推奨します。

    これらのオーダーは計画からはリリースできません。適宜手動で作成するか、発注を適切に変更します。

  6. オーダーが適切でない場合、未対応需要例外が生成され、障害品が不足していて修理を期間内に完了できないことを伝える関連例外メッセージが生成されます。その場合、プランナは、発注の数量を減らして、数量の差異を解決する必要があります。

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

Spares Managementの統合修理発注ビュー

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

修理発注に関わる計画オーダーをリリースするため、Spares Management APIが計画によって呼び出されます。また、障害品の修理と移動のため、計画オーダーの詳細が修理仕入先にプッシュされます。Spares Managementによる自動化と実行が修理の計画オーダーに対してトリガーされます。

事前配置の計画と実行

計画の観点からは、品目が事前配置関連で管理される場合、相違は何もありません。唯一の機能的な違いは、障害品資材の修理仕入先への移動が、発注処理とは関係なく行われることです。

修理仕入先が保管する障害品在庫の量に対する制限も存在する可能性があります。これらの制限は契約によって取り決められます。計画によって全障害品を事前配置ポイントにプッシュする機能は、初回リリースには実装されていません。

品目組織属性事前配置ポイントは、その品目のアップストリーム供給がプッシュされるサプライ・チェーン・ノードを定義します。これにより、仕入先サイトで障害品をプッシュまたは自動配置する場合に、すべての障害品品目の手持在庫が修理仕入先組織にプッシュされます。在庫でのプル推奨は作成されません。

資材を修理用に移動するため、また修理仕入先から資材を移動するための計画オーダーが計画によって生成されます。在庫が事前配置されるので、計画によって修理発注に関する計画オーダーが実施され、さらに、修理仕入先組織での修理に関連する計画オーダーの詳細が送信されます(非標準修理作業指示)。

ドキュメントのテキストで図を説明しています。

Depot Repairの計画と実行

計画エンジンは、資材の移動を計画するだけでなく(要求組織へのデポ修理からの良品部品、デポ修理への障害品倉庫からの障害品)、修理作業指示も計画します。

修理デポはサプライ・チェーンの個別組織として定義およびモデル化されているので、計画エンジンは、修理デポでの障害品と良品部品の移動のために適切な移動推奨(社内受注および社内購買依頼)を生成します。

修理作業指示を計画するため、計画エンジンはデポ修理作業指示、関連する部品構成表および工順を考慮します。また、処理生産能力と交替チェーンに応じて、特定の修理作業指示に入る適切な障害品を導出します。

リソース計画を実行するには、工順を定義する必要があります。

計画エンジンは、移動用の計画オーダー(修理デポ間の移動)と修理作業指示を生成します。Supply Chain Planningのプロファイル・オプションのMSC: 関連オーダーのコンカレント・リリースを有効化により、3つの関連オーダーを一度に1つずつ、または同時に実施する必要があるのかが決定されます。このプロファイル・オプションを有効にした場合、1つのオーダーがリリースされると、他の2つの関連計画オーダーが自動的にトリガーされます。