Oracle Service Parts Planningインプリメンテーションおよびユーザー・ガイド リリース12.1 B70972-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックを説明します。
Oracle E-Business Suiteは、在庫レベルを考慮し、フィールド・サービス技術者を含めたサービス・サプライ・チェーン全体で安全在庫レベルを指定します。「組織品目」フォームの「MPS/MRP計画」タブの「配分計画」領域で、最材在庫と目標在庫を供給日数の単位で指定できます。
サービス計画では、次の安全在庫の計算方法をサポートしています。
品目属性に基づく安全在庫
Inventory Optimizationによって推奨された安全在庫
品目属性に基づく安全在庫の計算方法には2つのオプションがあります。
MRP計画比率
非MRP計画比率
MRP計画比率。MRP計画比率を選択した場合、計画プロセス中、品目の安全在庫が動的に計算されます。安全在庫数量は、定義した安全在庫の割合を、安全在庫日数で定義した期間の総所要量の平均で掛けて計算します。
安全在庫 = 安全在庫パーセント×(総所要量/安全在庫日数)
非MRP計画比率。この属性を使用する場合、安全在庫値はOracle Inventoryによって定義されます。
Oracle Inventoryは、安全在庫を計算する方法を複数提供します。安全在庫値は、ソース・インスタンスから収集されます。安全在庫がOracle Inventoryで定義されない場合、安全在庫はゼロになります。
Inventory Optimization推奨の安全在庫。 在庫計画に基づいて安全在庫を実行することを選択した場合、安全在庫のサービス計画の決定では、需要計画として提供されるInventory Optimization計画を使用します。
Oracle Inventory Optimizationは、供給日数および数量の両方の安全在庫を推奨します。Service Planningの計画オプションに基づいて、ユーザーは安全在庫レベルの計算方法として供給日数または数量のどちらを使用するかを指定できます。
SPPインライン予測では、交替チェーンの最上位改訂の予測が生成されるので(プランナが下位改訂の失敗率を定義しない場合)、Inventory Optimizationは交替チェーンの最上位改訂の設定も考慮し、交替チェーンの最上位改訂のポリシーを指定します。Oracle Demand PlanningまたはOracle Demantra Demand Managementを使用して予測を行う場合、ユーザーは、最上位改訂の予測が行われるように交替製品導入を適切に設定します。
計画ロジックでは、予測、受注、および安全在庫需要が交替/代替計算の一部として考慮されます。
システムでは、安全在庫需要が最新改訂品目にあり、供給が前の改訂にある場合(双方向関連で代替可能)をサポートします。計画では、既存の供給を考慮してから、修理または新規購買のいずれかによって供給を作成するための新しい推奨を生成します。
安全在庫計算のサイト・レベルのプロファイル・オプションである「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」により、SPPでの安全在庫の考慮事項が決定されます。このプロファイル・オプションの値が「品目」の場合、各品目(安全在庫が指定される品目)の安全在庫レベルが考慮され、代替可能部品の供給を代用したり、使い切ったりすることはありません。このプロファイル・オプションの値を「一次」に設定すると、一次全体の安全在庫が安全在庫レベルと見なされます。安全在庫レベルの維持を図りながら、各種一次のメンバーの既存の供給を考慮します。
Inventory Optimizationで品目グループの安全在庫レベルが指定される場合、交替チェーン全体で品目属性の安全在庫(MRP計画比率に基づく安全在庫)は無視されます。
たとえば、A -> A1 -> A2 -> A3(A3が現在の版)の場合、Inventory Optimizationは品目A3の安全在庫レベルを推奨します。A、A1、A2の安全在庫の品目属性が存在していても無視されます。この場合、プロファイル「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」は「一次」に設定されていることが想定されています。これには、代替部品のユーザー定義の残全在庫も含まれる場合があります。その場合、Inventory Optimizationは最新改訂品目の安全在庫レベルを指定しますが、ユーザーが指定した代替部品の安全在庫レベルも含めます。
Inventory Optimization計画は、交替チェーンの安全在庫を推奨せず、「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」に基づく安全在庫レベルおよびおよび各品目に指定された安全在庫を総計します。この安全在庫は、各SKUのMRP計画比率として計画することで、在庫で指定されるか計算されます。
たとえば、A3 -> A4 <--> A5 <--> A6 -> A7 <--> A8の例を挙げます。
これらの品目のそれぞれの安全在庫レベルが特定期間中、100個だとします。
プロファイル・オプション「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」が「品目」に設定されている場合、各品目の安全在庫レベルは100個と見なされ、ネイティブ供給のみを使用してこのレベルが維持されます。したがって、計画では代替品は推奨されません。各品目について安全在庫違反の例外が呼び出されます。
プロファイル・オプション「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」が「一次」に設定されている場合、計画ではA3、A6、およびA8が交替チェーンの一次であると判別します。その後、次のレベルが使用されます。
A3: 100個の場合 -> A3の供給のみを使用してこのレベルを維持します。
A6: 300個の場合 -> A4、A5、およびA6の供給を使用してこのレベルを維持します。
A8: 200個の場合 -> A7およびA8の供給を使用してこのレベルを維持します。
注意: 交替品目の安全在庫レベルは最新の交替部品にプッシュされません。上述のルールのようにユーザーが定義した安全在庫レベルが使用されます。新しい交替品目をチェーンに含める場合、変更プロセスの一部として、交替部品の品目属性またはユーザー定義の安全在庫レベルを変更(または削除)することをお薦めします。
「MSC: サービス計画品目安全在庫レベル値」で推奨される設定は「一次」です。この場合、サプライ・チェーンを一次の品目集計レベルで表示する際、予定使用可能残高(PAB)は正確な値になります。
安全在庫が考慮される部品について、最大レベルと目標レベルも計算されます。
安全在庫を供給日数として指定した場合、計画は一次サプライ・チェーン・パス全体で同じ需要を考慮することで、サプライ・チェーン全体の安全在庫需要を計算してから、これらの組織の安全在庫数を計算します。この計算は、一次パス介して制約のない需要計画を生成することで可能になります。
サービス計画のユーザー・インタフェースには、安全在庫数量、安全在庫の計算のためにサービス計画で使用される制約なしの需要、および安全在庫の供給日数(部品で該当する場合)が表示されます。
MRP計画安全在庫の場合、サービス計画は安全在庫平滑法を使用して、ユーザーが指定した期間内の安全在庫レベルの大きな変動を排除します。予測と計画バケットが日数単位で、安全在庫が供給日数で指定される場合に、この方法がよく使用されます。
安全在庫平滑化では、次のプロファイル・オプションを使用して平滑化を計算します。
プロファイル名 | 説明 |
---|---|
MSC: 安全在庫変更間隔 (日数) | これは、時間間隔機能内で、平滑化のために使用される間隔です。20日間の間隔を指定すると、計画は安全在庫計算をシステムの日付から開始して、20日のバケットに分類します。次に、MSC: 平滑方法を使用して、変更間隔内で安全在庫を計算し、バケットの安全在庫レベルを決定します。 |
MSC: 変更間隔内の安全在庫を計算する平滑方法 | 時間間隔内の値を使用して時間間隔の安全在庫を計算するために使用される数学的構成を指定します。値には、最小、最大、および平均があります。計画は最小安全在庫レベルまたは最大安全在庫レベルを使用するか、「MSC: 安全在庫変更間隔 (日数)」内で平均を計算して、その期間の安全在庫レベルを決定します。 |
MSC: 安全在庫値の最大変動率 | ある時間間隔から次の時間間隔に以降する際、安全在庫の偏差はこの値を超えることはできません。 |
MSC: 安全在庫値の最小変動率 | 偏差がこのパーセント以内であれば、安全在庫は時間間隔全体で一定に維持されます。 |
また、少量需要の範囲全体に対しては、単一の安全在庫のみが提供されます(Croston法の予測選択に基づいて決定)。
サービス・レベルは次のように指定できます。
計画レベル
品目シミュレーション・セット内
サービス・レベル・セット内
次のルールに従って、異なるサービス・レベルが適用されます。
「計画オプション」で指定された(および「デフォルト計画レベルの施行」チェック・ボックスを選択して実施された)サービス・レベルは、他のすべての値を上書きします。このルールが実施されない場合、このサービス・レベルは、サービス・レベルが他の方法で設定されていない品目のデフォルト値になります。
「デフォルト計画レベル」によってサービス・レベルを実施せず、品目と組織の組合せのサービス・レベルが品目シミュレーション・セットで指定されている場合、品目シミュレーション・セットの値が計画実行に適用されます。
「デフォルト計画レベル」によってサービス・レベルを実施せず、品目シミュレーション・セットでサービス・レベルが設定されていないが、サービス・レベル・セットを使用してサービス・レベルが設定されている場合、サービス・レベル・セットのサービス・レベルが計画実行で使用されます。
サービス・レベル・セットの一部として入力した場合、サービス・レベル値がOracle Inventory Optimizationでデフォルトになる特定の階層が存在します。一般に、サービス・レベルを下位レベルで指定すると、ロジックにより、より上位の(一般的な)レベルからサービス・レベルのデフォルト値がチェックされます。たとえば、サービス・レベルは、需要区分レベルでは指定されません。次に、カテゴリがチェックされてから、品目-インスタンス-組織レベルがチェックされるという具合に進みます。
サービス・レベルを下位レベルで指定した場合、Inventory Optimizationロジックは、これらの下位レベルからサービス・レベルを選びます。このルールの唯一の例外は、計画レベル強制を使用する場合です。サービス・レベルを計画オプションで指定すると(計画レベル強制)、サービス・レベル・セットを使用して下位レベルでサービス・レベルを指定した場合でも、Oracle Inventory Optimizationロジックは常に計画オプションのサービス・レベルを使用します。
次のマトリックスでは、サービス・レベルが実施された場合に、計画エンジンによって適宜考慮されるサービス・レベルについて説明します(ESL)。生産能力制約の施行(ECC)または予算制約の施行(EBC)を実施する計画の場合、達成されるサービス・レベルは、計画の入力ではなく、出力である点に留意してください。
計画オプションで入力したサービス・レベル(デフォルト計画レベル) | デフォルト計画レベルの施行 | 品目シミュレーション・セットで指定したサービス・レベル | サービス・レベル・セットを使用して入力したサービス・レベル | 予測される動作 |
---|---|---|---|---|
Yes | Yes | 「Yes」または「No」 | 「Yes」または「No」 | すべての需要のサービス・レベル要件は、計画オプションで入力するサービス・レベルから取得されます。 |
Yes | No | Yes | 「Yes」または「No」 | サービス・レベル要件は、品目シミュレーション・セットで指定した場合は品目シミュレーション・セットから、または収集データから選択されます。サービス・レベルがこれらのソースから取得できない場合、サービス・レベル・セットで設定された値が使用されます。使用できるものがない場合は、デフォルト計画レベルで設定された値が使用されます。 |
Yes | No | No | Yes | サービス・レベル・セットで指定するサービス・レベルが使用されます。品目のサービス・レベルを推測できない場合、デフォルト計画レベルが使用されます。 |
No(NULL) | No | Yes | 「Yes」または「No」 | サービス・レベル要件は、品目シミュレーション・セットから推測されます。シミュレーション・セットからサービス・レベルを推測できない場合、サービス・レベル・セットから推測されます。サービス・レベルをサービス・レベル・セットからも推測できない場合は、デフォルトのサービス・レベル(50%)が想定されます。 注意: EBC計画の主なタスクは、予算に合わせて達成可能なサービス・レベルを決定することです。達成するサービス・レベルはこの場合、指定されません(EBC計画)。ただし、EBC計画では、計画内の全品目で達成しなければならない目標サービス・レベルを指定する必要があります。このような目標サービス・レベルは計画オプションで入力します。目標のデフォルト値は50%と想定されます。 |
No(NULL) | No | No | 「Yes」または「No」 | サービス・レベル・セットで指定したサービス・レベルが使用されます。指定されていない場合、デフォルトの目標サービス・レベル(50%)が想定されます。 |
No(NULL) | Yes | Yes | 「Yes」または「No」 | 計画は、品目シミュレーション・セットまたは収集データで指定したサービス・レベルを使用します。シミュレーション・セットで何も指定されていない場合、サービス・レベル・セットのサービス・レベルが使用されます。 指定されていない場合、デフォルトのサービス・レベル(50%)が想定されます。 |
No(NULL) | No | No | Yes | 計画は、サービス・レベル・セットで指定したサービス・レベルを使用します。 |
No(NULL) | No | No | No | 計画はサービス・レベル要件を50%と見なします。つまり、安全在庫は計算されません。 |
前述のように、サービス・レベル・セットの一部として入力した場合、サービス・レベルがOracle Inventory Optimizationでデフォルト値になる特定の階層が存在します。一般に、サービス・レベルを下位レベルで指定していない場合、ロジックにより、より上位からのサービス・レベルのデフォルト設定がチェックされます。たとえば、サービス・レベルを需要区分レベルで指定していない場合、ロジックにより、カテゴリ、品目-インスタンス-組織レベルなどが検索されます。
サービス・レベルを下位レベルで指定した場合、Inventory Optimicationロジックは、下位レベルからサービス・レベルを選びます。このルールの唯一の例外は、計画レベル強制を使用する場合です。サービス・レベルを計画オプションで指定すると(計画レベル強制)、サービス・レベル・セットを使用して下位レベルでサービス・レベルを指定した場合でも、Oracle Inventory Optimizationロジックは常に計画オプションのサービス・レベルを選択します。
現場(技術者および事業所)では、非常に大きな在庫を抱えている場合があります。特に、在庫計画を在庫予算で制約す場合は技術者倉庫を計画できます。サービス部品業務をサポートするための、Inventory Optimization(IO)の拡張機能と考慮事項の一部を次に示します。
需要履行リード・タイム(DFLT)
交替チェーンの在庫計画
断続的実行需要(および少量の需要)のためのポアソン分布のサポート
安全在庫平滑化 – 非断続的実行需要の場合、端数処理のためのヒューリスティックを改善
予算制約および現場技術者のトランク在庫
計画オプションの品目シミュレーション・セット
『Oracle Inventory Optimization User Guide』を参照してください。
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