Oracle Service Parts Planningインプリメンテーションおよびユーザー・ガイド リリース12.1 B70972-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックを説明します。
OEMの製造施設では、製造する新しい製品に組み込む部品の生産を計画する必要があります。また、OEMには、障害品製品が現場に返品、修理、および返送される、サービス・サプライ・チェーンが含まれる場合があります。また、場合によっては、修理不能部品を最初から製造する必要があります。したがって、製造施設には、1)製造サプライ・チェーンからの需要、および2)サービス・サプライ・チェーンからの需要の2つの需要が存在する可能性があります。
ただし、この2つのビジネス・モデルは本質的に異なっており、個別の計画アプリケーションが必要です。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは製造サプライ・チェーンの計画に対応し、Oracle Service Parts Planningではサービス・サプライ・チェーンの計画に対応できます。これらの製品を統合することで個別計画および同期計画に対応して、製造施設が両ストリームからの需要に対処できるようにします。
次に示すように、製造(上位)サプライ・チェーンとサービス(下位)サプライ・チェーンは、異なる事業として扱われますが、サービス組織は製造組織に対して部品オーダーを発注できます。通常、製造サプライ・チェーンとサービス・サプライ・チェーンは、半独立事業として管理され、移動オーダーや発注はそれぞれの組織の間で行われます。
SPP / ASCPの統合はこのアプローチに従って、2つのサプライ・チェーンを独立したものと見なします。Oracle Service Parts Planningはサービス組織の計画を作成し、Oracle Advanced Supply Chain Plannerは製造組織の計画を作成します。この2つはハブ・アンド・スポーク・モデルに統合され、Oracle Service Parts Planningがハブ計画として、1つ以上のOracle Advanced Supply Chain Plansに対処します。
統合環境下のOracle Service Parts Planningは製造組織のことを、修理および新規購買ソースだけでなく、部品ソースとしても見なします。これは、Service Parts Planの中央倉庫のソーシングに「移動元」ソース・ルールを含め、ソースを製造工場とすることで可能になります。
注意: Service Parts Planでは、製造工場は計画されません。
SPPが、製造工場をソースとした状態の「移動元」ソース・ルールを検出すると、製造工場をソースとした、適切な数量の計画転送を作成します。計画転送は常に良品部品の転送を意味し、組織間の移動時間や処理リード・タイムなど適用されるリード・タイムに従います。また、対応するカレンダに従い、日付はカレンダに応じて設定されます。
注意: サービス計画では、修理は通常、部品の優先ソースです。
障害品を修理したら、サービス部門は製造工場から部品を調達することも、仕入先から購入することもできます。したがって、SPPは通常、「製造工場から修理/移動」または「修理/購買」のいずれかを決定します。
注意: SPPでは分割をサポートしません(たとえば、製造工場と新規購買仕入先など)。
ASCPでは、SPP計画は需要計画として提供されます。ASCPの「計画オプション」→「組織」タブには、ASCPで計画された組織のリストが含まれます。ここでは、全組織がSPP計画を需要計画として使用でき、サービス組織が製造組織に需要を発行します。
SPP計画が需要計画としてASCP計画に含まれる場合、製造工場をソース組織にした計画転送のみが需要としてASCP計画で考慮されます。それには、需要計画の「プラント 間」チェック・ボックスをオンにする必要があります。これは、SPP計画が需要計画としてASCP計画に含まれるシナリオとして唯一サポートされるシナリオなので、このボックスは自動的にオンにされており、SPP計画が需要計画として選択されるとグレー表示されます。
製造工場をソース組織にしたすべての計画転送は、ASCP計画で需要として見なされます。
注意: SPP計画のインライン予測(またはSPP計画に需要計画として提供される予測)は、ASCP計画では需要として見なされません。
需要連結
SPPがさまざまな最終需要への計画転送を製造工場から単一の転送に連結する場合、これらを単一の需要に統合するか、個別の需要として見なすことができます。どちらの動作になるかは、「MSC: 工場間需要の連結」プロファイル・オプションによって決まります。
プロファイルを「最終ペグ需要別」に設定すると、ASCPは、最終需要数量に基づいて計画転送を分割し、供給を個別に計画します。ASCPでのこれらの個別の「需要」のランクは、SPPの最終需要のランクに対応します。
プロファイルを「需要計画供給別」に設定すると、ASCPは連結計画転送を単一の需要と見なし、その需要を満たすための供給を計画します。ASCPでのこの需要のランクは、組み込まれる最も高い最終需要のランクに設定されます。
計画方法と計画タイプについての考慮
動作には相違がありません。計画タイプに応じて、「計画方法」設定に基づくすべての適格な品目が計画対象として選択されます。
交替についての考慮
SPPは、最上位改訂の製造のみを要求します。このほかには、ASCPは交替チェーンを考慮しません。最上位改訂のBoMを参照し、同一のものの製造を計画します。
制約の有無
ASCP計画が制約モードで実行されると、リソース制約はいずれかのストリームの需要計画で考慮されます。したがって、ASCP計画が制約モードで実行されると、SPPが非制約モードで実行されていても、製造工場からSPPの中央倉庫にソースされた部品は、工場の能力によって制限されます。
計画オーダーのリリース
修理(および新規購買)オーダーはSPP計画からリリースされ、製造オーダーと購買オーダーはASCP計画からリリースされます。
注意: 理論的には、SPPとASCPは両方とも、「購買」ソース・ルールを持つことができるため、2つの計画の同じ品目に対して新規購入/発注がある可能性があります。これらは連結されません。
製造工場から中央倉庫への計画転送は、SPPのリリース用に有効化されます。計画転送がリリースされると、IR-ISOペアが作成されます。次の計画実行(収集後)で、IRはSPPで供給として解釈されます。受注はASCPで需要として読み取られ、部品供給を中央倉庫に出荷するための実行文書を構成します。
レポート
ASCP計画とSPP計画の両方で統合レポート・インタフェースが必要であり、APCCを利用してそのようなレポートを作成できます。
また、計画オーダーのリリースに関するセクションも含める必要があります(SPPで作成されるIR-ISO、およびASCPでの実行文書)。
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