Oracle Demantra Demand Managementユーザー・ガイド リリース7.1.1 E05936-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle Demand Managementは構成可能なWebベースの製品で、組織が需要計画および予測を行う際に役立ちます。Demand Managementはコラボレーションを中心に構築されており、ワークフローを活用してDemand Managementプロセスを自動化します。
通常、需要計画のプロセスでは、販売履歴データを調査し、将来の需要をできるかぎり詳細に予測します。顧客の需要をできるかぎり迅速に満たしながら、各製品を必要な分のみ製造または購入するようにバランスを取ることが目標です。
需要計画は予測に基づいています。予測はある期間にわたってサプライ・チェーンの傾向を予想したもので、季節やその他の予測可能な要因の影響を受けます。予測の結果は、傾向を示し例外的な変化を重視しないように平滑化された予測曲線になります。
通常、需要計画と予測は生産計画などのダウンストリーム工程で使用されます。システムの構成方法により、このようなデータを自動的にエクスポートするか、その目的に使用するレポートを含みます。
Demand Managementは反復プロセスで、通常は週1回、2週間に1回または月1回のサイクルで行われます。このプロセスには次のものが含まれます。
ERPまたは他の記録体系からの適切なデータを収集します。
Demantraデータベースに適切なデータをダウンロードします。
予測を生成し、需要アナリストに通知を送信します。
需要アナリストは予測を操作し、修正または調整を行います。
需要マネージャまたは指定された予測所有者は、予測を承認します。
承認された予測はERPシステムにアップロードされます。
ほとんどの業務には、毎月、毎週または毎日(少数)行われる定期的なDemand Managementプロセスがあります。この期間中に、将来の需要を予測するために、様々なソースがDemand Managementシステムにロードされます。ソース・システムは、ERPシステム、レガシー・システム、またはAdvanced Supply Chain Planning、Inventory Optimization、Global Order Promising、Collaborative Planningなどの他のOracle APS(Advanced Planning Suite)モジュールになります。
ソースがロードされると、管理者はプランナが必要とするデータへのアクセス権を持っていることを確認します。たとえば、各プランナは特定の地域や製品ラインの需要を計画できます。プランナはアクセス権が付与されているすべてのライン・オブ・ビジネスのデータを表示できますが、実行できるのは権限を持つデータの変更のみです。
ダウンロードが完了すると、管理者(または自動化されたプロセス)は予測を実行し、承認シリーズを再設定します。予測が正常に計算されると、予測がレビュー可能であるという通知が自動的に該当するユーザーに送信されます。すべてのユーザーが、事前定義済ワークシートで予測、予測精度メジャーおよび需要優先度情報を分析に使用できます。
注意: ダウンロードや予測生成に失敗した場合、管理者は処理および予測生成中に発生した問題の詳細をバッチ・ログで確認できます。
承認プロセスは、需要管理者と需要アナリストの2つのユーザー・タイプを中心に構築されます。実装時に、需要管理者は、予測の最終承認を行うレビュー担当者を指定することで、承認プロセスを構成します。需要アナリストの各グループには、1人の最終承認者が必要です。
承認プロセスの開始時に、現在の計画サイクルに予測を使用できることを需要アナリストに通知する、「My Tasks」ウィンドウが表示されます。アナリストは、事前にシードされたワークシートの1つを使用して、計画データ(予測を含む)をレビューできます。
ウォーターフォール分析: 製品カテゴリとゾーン
ウォーターフォール分析: 製品カテゴリと組織
需要分析: 製品カテゴリと組織
需要分析: 製品カテゴリとゾーン
需要分析: 品目と組織
需要分析: 品目とゾーン
アナリストはこれらのワークシートにあるグラフとレポートを使用して、予測データを表示および修正します。アナリストは履歴を分析して、出荷済オーダー、記帳済オーダー、顧客オーダー、在庫レベルおよびその他の要因を把握します。たとえば、アナリストは顧客や販売予測に加えて需要にも影響する可能性のある次回のイベントや販促を考慮できます。
この情報に基づいて、アナリストは予測を変更し、ワークシートに変更されたデータを再移入するシミュレーションを実行できます。分析と変更が完了すると、アナリストは変更内容を保存し、Collaborator Workbenchの「My Tasks」ビューで関連する通知の「Done」を選択します。これにより、需要計画マネージャや管理者に通知が送信されます。
予測へのこれらの変更を、承認者によるレビューに使用できます。1人以上の人がレビューを実行できます。たとえば、アナリストが地域別の需要を担当する場合、地域マネージャはアナリストの変更を承認または変更できます。または、アナリストが製品ラインへの分割を担当する場合、製品ライン・マネージャは最終承認を実行できます。Demand Managementの事前にシードされた承認プロセスは、1つのレベルのレビュー用に設定されます。その他のレベルのレビューを行うには、事前にシードされた承認ワークフローを変更する必要があります。
最終承認者は、「Final Approval」列を選択することでいつでも予測をロックできます。レビューの後、最終承認者は予測通知の「My Tasks」で「Done」ボタンを選択することで、予測を承認します。
承認後、需要管理者は他のシステム(Oracle Advanced Supply Chain Planningなど)で使用できるように連結された予測をアップロードします。これらのシステムでは、制約のない需要を使用して制約のある需要を促進します。
通常、組織のデータは複数のライン・オブ・ビジネス(LOB)に分割されます。たとえば、プリンタ製造業者は、プリンタおよび複写機のライン・オブ・ビジネスを使用します。通常、ライン・オブ・ビジネスが異なると、需要管理プロセスも異なります。計画プロセスの違いは、次の理由によります。
ライン・オブ・ビジネスごとに計画サイクルが異なり(毎週、毎月など)、異なるカレンダ(製造、会計など)を使用します。
ライン・オブ・ビジネスごとにビジネス要件が異なります。たとえば、モデル・オプション予測、製品ファミリ・レベル予測、サービス部品予測などがあります。
ライン・オブ・ビジネスの地理的な場所が異なるか、またはビジネス手法が異なります。
各ライン・オブ・ビジネスには、それぞれのライン・オブ・ビジネスのみに関連する需要データを参照する必要があるプランナの個別のグループがあります。
ライン・オブ・ビジネス需要計画では、ライン・オブ・ビジネスに関連するレベル値(品目、組織、顧客の出荷先事業所、営業担当など)のみを含むように、需要計画の範囲を制限します。
組織に複数のLOBがある場合、通常は(製品ラインや地域に基づいて)データが特定のユーザーに割り当てられ、アナリストがそのデータの区分の需要を判断します。各アナリストが需要をレビューおよび承認すると、マスター承認者に通知が送信され、予測全体が承認されます。
次の図は、複数のライン・オブ・ビジネスを持つ需要管理プロセスを示しています。