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Oracle Projects基礎
リリース12
E06005-01
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Oracle Projectsの概要

この章では、Oracle Projectsに含まれる一連のアプリケーションの概要を簡単に説明します。Oracle Projectsには、Oracle Project Costing、Oracle Project Billing、Oracle Project Resource Management、Oracle Project Management、Oracle Project Collaboration、Oracle Daily Business Intelligence for ProjectsおよびOracle Project Portfolio Analysisの各アプリケーションが含まれています。

この章では次のトピックを説明します。

Oracle Projectsの概要

Oracle Projectsスイートを構成する複数のアプリケーションは、協調して完全な企業プロジェクト管理ソリューションを提供します。これらのアプリケーションによって、プロジェクトを始め、関連する人員、予定、搬送品および財務を柔軟に定義して管理できます。

集計レベルの企業プロジェクト管理は、事前定義の作業を予定の期間と予算内で達成するための会社資源(人員、お金、有形資産など)の収集と調整に関連があります。一部の企業のプロジェクトは、マーケティング・キャンペーンや資本開発のためのインフラストラクチャ強化プログラムに関する時間と原価を追跡するプロジェクトなど、社内的な性質のプロジェクトに限定されています。ただし、多くの企業は全体的にプロジェクト指向で、クライアント・サービスを提供する複数のプロジェクトから収益を生み出しています。Oracle Projectsは請求機能を備えており、企業は、クライアント用に複雑で多様なプロジェクト請求書を作成できます。

Oracle Projectsのアプリケーション・スイートは、企業プロジェクト管理の要件に適格かつ効率的に対応するための様々な機能を備えています。これによって、プロジェクト・マネージャは、効率的にプロジェクトを監視し、事前に決定した計画と予算を照合して進捗状況を評価し、プロジェクトに適した人材を配置して、多様なレポートを迅速に生成できます。また、実際のプロジェクト・チームとグローバルに展開するプロジェクト・チームは、効率的にコミュニケーションを図り、協調してタスクを完了できます。

また、Oracle Projectsを使用すると、企業幹部は、企業全体におけるプロジェクトの進行状況をすばやく調べることができます。関心のある地域や特定の製品についてドリルダウンし、潜在的な問題を抱えるプロジェクトや、早急な対処が必要なプロジェクトを検討できます。

Oracle Projectsの各アプリケーションは、他の多くのOracle Applicationsスイート(オラクル人事管理システム、Oracle Financials、Oracle Supply Chainアプリケーションなど)と統合するように設計されているため、効率的な情報フローによってグローバルな資源の共有が容易となり、強固な会社間会計を提供します。

Oracle Projectsは、次の製品で構成されています。

次の各項では、これらの各製品を詳細に説明します。

Oracle Project Costing

Oracle Project Costingは、企業内のすべてのプロジェクトと活動に対して、統合された原価管理ソリューションを提供します。Project Costingを使用すると、通貨と組織の複数の境界にまたがる原価を管理できます。また、Project Costingは、プロジェクトの計画と取引の中央リポジトリとして機能し、プロジェクト原価を処理して対応する会計仕訳を作成し、企業の財務要件を満たします。

Project Costingによって、運営マネージャと財務マネージャは、プロジェクトのパフォーマンス情報に完全かつタイムリにアクセスし、その結果が会計に与える影響を把握します。また、プロジェクトのパフォーマンスを監視するライン・マネージャには、生産性を向上させる形式で詳細な原価情報がタイムリに提供されます。さらに、財務マネージャは、業務を遂行するための合計原価を追跡できます。

Oracle Project Costingの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Project Costingは、Oracle Project Billing(後述)を使用して拡張でき、業務をE-Businessに転換するために設計されたインターネット・アプリケーションの統合スイートである、Oracle Enterprise Project Management Suiteに含まれています。

Oracle Project Costingの詳細は、『Oracle Project Costing User Guide』を参照してください。

Oracle Project Billing

Oracle Project Billingによって、企業は、顧客請求作業の簡素化、企業キャッシュ・フローの効率化、および契約プロジェクトの収益性の評価を実現できます。Oracle Project Billingでは、構成可能な会計ルールを使用してOracle Project Costingの機能を拡張できます。これによって、実績原価の処理、会社の財務要件を満たすための収益見越に対応する会計仕訳の作成、プロジェクト作業に関する顧客請求書の作成を実行できます。Project Billingを使用すると、プロジェクト・マネージャは、プロジェクト請求書をオンラインで検討してプロジェクトの収益性を分析できます。また、会計マネージャは、会社へのプロジェクト作業の影響を調べることができます。

Oracle Project Billingの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Project Billingの詳細は、『Oracle Project Billing User Guide』を参照してください。

Oracle Project Resource Management

Oracle Project Resource Managementは、プロジェクト作業に対する人員配置と人数を管理します。これによって、企業全体のプロジェクトに対して適格な資源を配置し、プロジェクト資源のニーズ、収益性および組織稼働状況を効率的に調整できます。Oracle Project Resource Managementは、最も重要な資産である人員を有効に活用するために、主要なプロジェクト関係者(プロジェクト・マネージャ、資源マネージャ、人事マネージャなど)を支援します。

Oracle Project Resource Managementの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Project Resource Managementを使用すると、顧客と従業員の満足度を向上させ、資源の稼働状況と収益性を最大限にできるため、企業の競争力を増強できます。

Oracle Project Resource Managementの詳細は、『Oracle Project Resource Management User Guide』を参照してください。

Oracle Project Management

プロジェクト管理の成功には、期待される成果目標と財務目標を達成するための継続的な意思決定が必要です。Oracle Project Managementは、プロジェクト・マネージャに対して、プロジェクトを正常に引き渡して効率的に運営するために必要な先見性と管理を提供します。また、プロジェクト管理に関する主要な要素(計画、進捗、懸案、変更、文書、従事と原価、財務情報、パフォーマンスおよびステータス・レポート)を包括的に統合した形式で提供します。

Oracle Project Managementを使用すると、プロジェクト・マネージャは、事前にプロジェクトを計画および予測して変更やパフォーマンスをリアルタイムに管理し、データ管理ではなく目的のプロジェクト成果に集中できるため、少ない負担で意思決定を下すことができます。

Oracle Project Managementの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Project Managementによって膨大な情報が削減されるため、プロジェクト・マネージャは、作業計画、資源割当、財務予測、プロジェクト会計、関係者とのコミュニケーション、組織の内外におけるプロジェクト作業の協調実行を監視できます。

プロジェクト・マネージャは、プロジェクトのパフォーマンスに関するステータス情報を、Eメール通知で定期的に受信できます。この通知には、パフォーマンスに関する例外事項も記載されるため、訂正処理を迅速に実行でき、プロジェクトを成功に導くことができます。

Oracle Project Managementの詳細は、『Oracle Project Managementユーザー・ガイド』を参照してください。

Oracle Project Collaboration

Oracle Project Collaborationは、グローバルまたは実際のプロジェクト・チームのメンバーが、プロジェクト・タスクを継続的に検討して完了するために、容易に協調してコミュニケーションを図れるように支援します。プロジェクト・チームには企業の内外から人員が参加している場合があり、各メンバーにはパーソナライズした方法によるプロジェクト情報へのアクセスが必要です。Oracleの統合された協調システムでは、プロジェクトのすべての関係者は、場所や時間に制約されることなく情報を共有できます。割り当てたタスク、懸案および成果物に対する明確な先見性によって、チーム・メンバーは効率的に協調して実効的な意思決定を下し、優れた結果を迅速にもたらすことができます。

Oracle Project Collaborationの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Project Collaborationによって、チーム・メンバーは、プロジェクト・マネージャがOracle Project Managementを使用して入力した情報を活用できます。

Oracle Project Collaborationの詳細は、『Oracle Project Managementユーザー・ガイド』を参照してください。

Oracle Daily Business Intelligence for Projects

Oracle Daily Business Intelligence for Projectsは、企業のプロジェクトに関する集計情報や詳細情報を、その情報を必要としている個人に直接提供します。経営者はOracle Daily Business Intelligence for Projectsを使用して、要約情報をグラフと表形式の両方で検討し、必要に応じて特定のプロジェクトやタスクにドリルダウンできます。

Oracle Daily Business Intelligence for Projectsは包括的なレポート作成ソリューションで、商談予約、資源稼働状況、収益性とアクティビティの分析について相互プロジェクトの先見性を提供します。安全なロール・ベースのポータルを使用して、主要メトリック(収益、原価、マージン、記帳、バックログ、稼働状況など)の要約を毎日提供します。

Oracle Daily Business Intelligence for Projectsの主な機能は、次のとおりです。

Oracle Daily Business Intelligence for ProjectsはOracle Daily Business Intelligenceの1コンポーネントです。Oracle Daily Business Intelligenceは、Oracle E-Business Suiteのビジネス・ユーザーに対して管理レポート層を提供する、レポート作成と分析用のアプリケーションです。

Oracle Daily Business Intelligence for Projectsの詳細は、Oracle Daily Business Intelligenceのユーザー・ガイドとインプリメンテーション・ガイドを参照してください。

Oracle Project Portfolio Analysis

Oracle Project Portfolio Analysisは、Oracle Projectsの豊富なプロジェクト管理機能を利用して、プロジェクトの評価とポートフォリオへのプロジェクトの収集を容易にします。また、財務基準、戦略目標、使用可能な資金に関する情報を使用して、ユーザーがビジネス目標に見合う適切なプロジェクトを評価して優先順位を決め、選択できるように支援します。さらに、加重した基準と目標(投資回収率、市場適応、技術リスクなど)を定義し、プロジェクトへの資金供給の決定をビジネス目標と財務目標に基づいて標準化できます。

このアプリケーションを使用すると、プロジェクト財務(原価や収益など)の詳細をリアルタイムで活用できます。Project Portfolio Analysisには、複数の新規プロジェクトと継続中のプロジェクトを比較してランク付けするためのグラフが用意されています。また、複数のwhat-ifシナリオを作成して比較できるため、プロジェクトや財務への変更に伴う影響を把握できます。

Oracle Project Portfolio Analysisの主な機能は、次のとおりです。