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Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド
リリース12
E06012-01
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物流計画の管理

この章のトピックは、次のとおりです。

物流計画管理の概要

割付の調整

「物流計画ワークベンチ」では、物流センター間または物流センターから最終需要(受注および予測)への供給割付の分析および更新について、複数の方法が用意されています。割付計画または水平プランにアクセスし、搬送計画による不足分の供給の割付方法に関する情報を確認できます。社内転送を調整して確定し、受注および予測に割り付けることができます。

割付を調整するには、次の方法があります。

物流センターに対する割付の調整

割付計画のコンテキストは、ユーザーのアクセス場所から導出されます。次の場所から右クリックします。

水平ディメンション、顧客、顧客サイトおよび需要区分には3つの選択肢があります。割付計画を右クリックして水平ディメンションを変更できます。

フォーム上部の日付範囲は、各割付バケットの開始日です。割付バケットが週次の場合、この日付は週の開始日です。搬送計画では、他の週次または期間レベルには集計されません。2週間など、一部の割付バケットは期間レベルに正しく集計できないことがあります。

受注、予測、転送需要またはキット需要のいずれであるかに関係なく、バケット別の制約なし需要が表示されます。これは、受注の失効または終了後の正味需要数量ではなく、当初需要数量です。受注には計画オプションに基づく需要日が反映されますが、この日付は搬送計画での再予定日ではなく、提示納期です。

割付計画(搬送計画の新機能)

顧客に対する割付のレビュー

制約なし需要: 宛先組織、顧客、顧客サイトまたは需要区分に関する制約なし需要合計とバケット内の提示納期。

期限切れ需要: 期限切れ需要の合計数量とバケット内の提示納期(受注および予測)。

ターゲット安全在庫: 割付バケット終了時の組織のターゲット安全在庫レベル。

供給: このソース組織からのこのバケット中の有効供給数量合計(「全組織」ビューには非表示)。

確定割付: 宛先組織の場合、ソース組織からの計画確定転送数量または実績確定転送数量が含まれます。

提示割付数量: このバケット中の供給のうち、この宛先組織、顧客、顧客サイトまたは需要区分に割り付けられた数量。割付元はバケット中の供給で、任意のバケットに提示納期を持つ需要に割り付けることができます。

手動割付数量: コンテキストが宛先組織の場合のユーザー編集可能フィールド。

有効割付数量: このバケットの割付合計(手動割付数量)。NULLの場合は、確定割付と提示割付数量のうち、大きい方の数量。

累積制約なし需要: この宛先組織、顧客、顧客サイトまたは需要区分に対する制約なし需要の累積合計。

累積期限切れ需要: この宛先組織、顧客、顧客サイトまたは需要区分に対する期限切れの制約なし需要の累積合計。

累積供給: このソース組織のこれ以前の全バケットの有効供給数量合計。

累積提示割付数量: この宛先組織、顧客、顧客サイトまたは需要区分に対する累積提示割付数量。

累積履行レート: 100% * 累積制約なし需要 / 累積提示割付数量。ターゲット在庫と安全在庫は累積制約なし需要に含まれないため、数量がターゲット在庫または安全在庫に割り付けられている場合は、このレートが0(ゼロ)より大きくなることがあります。

手動割付

ソース組織から宛先組織への手動割付数量を入力できます。数量を入力するには、「割付計画」->「手動割付数量」を選択します。フォームを保存すると、新規の確定計画インバウンド出荷および確定計画アウトバウンド出荷(計画オーダー)が次のように作成されます。

「割付計画」の「手動割付数量」の機能は、次のとおりです。

水平プラン

「割付計画」のみでなく、水平プランを使用して物流ネットワークでの割付を分析できます。個別の供給レコードにドリルダウンし、計画割付を調整できます。

拡張水平プランを使用して、社内全体の資材の流れをレビューします。複数の組織と、組織固有のインバウンド転送およびアウトバウンド転送が表示されます。

右クリックして割付詳細にナビゲートし、搬送計画の割付決定をレビューします。

ダブルクリックして「需要/供給」ウィンドウにナビゲートし、個別の需要/供給レコードを分析および更新し、ペギング・データをレビューします。

調整後、再計画を使用してダウンストリームへの影響を計算します。

搬送計画の新機能として、水平プランをコールするたびに、水平プランの組織選択オプションが表示されます。表示する初期組織を選択し、水平プラン内で選択内容を変更できます。

ユーザーが設定時に組織リストを定義した場合は、組織リスト名も「組織選択」リストに選択肢として表示されます。

組織表示には、次の組織が含まれます。

水平プランには、次のフィールドを表示できます。

水平プランの割付詳細の表示

需要優先度、割付バケット、ソース組織、宛先組織および確定フラグごとに、供給割付詳細行があります。品目が構成部品の場合は親品目ごとの1行もありますが、宛先組織はNULLになっています。割付バケットの詳細を表示するには、需要または供給行を右クリックして「割付詳細」を選択します。

次のようなフィールドが表示されます。

割付詳細行

オーダー・タイプ

「供給と需要」ウィンドウには、次の新規オーダー・タイプが表示されます。

割付のペギング

各バケットにおける各需要の割付数量は、最初に割付ルールに基づいて決定されます。その後、各需要がそのバケット中に割付可能な供給にペグされます。各供給は、最終需要組織内の1つ以上の供給にペグされます。

供給間のペグは、ロードの連結の完了後に作成されます。このペギングは、宛先(計画インバウンド出荷または社内購買依頼)での制約付き供給が、ソース(計画インバウンド出荷、社内購買依頼および在庫)での制約付き供給にペグされたことを示します。実際には、ソースからの供給のうち、宛先での制約付き供給に含まれる部分を示します。

組織間で表示されるペギングをオーダー・タイプ別に示すと、次のようになります。

本文の説明内容に関するイメージ

搬送計画では、Oracle Advanced Supply Chain Planningのペギング・プロファイル・オプションは使用しません。

割付調整の検証

オンラインおよびバッチ再計画を使用して、ユーザーが入力した割付調整の結果をチェックできます。再計画されるのは、需要または供給に変更があった品目のみで、トリップが完全に再計画されることはありません。

オンラインおよびバッチ再計画では、計画担当が行った手動変更の内容に基づいて再計画の対象品目が決定されます。

ロードの連結は、オンラインおよびバッチ再計画中には完全に再計算されません。ロード連結の再計算は、次の(変更後の品目に対する)操作を伴います。

受注に対する割付の調整

個別の受注と予測に割り付けるには、「割付計画」または「水平プラン」から「供給と需要」ウィンドウにドリルダウンします。次の操作を実行できます。

その後、「オンライン再計画」または「バッチ再計画」を実行します。最初に確定需要が割り付けられてから、他のすべての需要が残りの供給に再割付されます。

ユーザーは需要(予測または受注)の「確定フラグ」を選択し、「新規日付」フィールドと「新規数量」フィールドの両方を更新して需要の提示納期を(前日付または先日付に)変更し、オプションで需要数量を変更します。

「確定フラグ」が選択され、新規日付と新規数量が移入されている受注需要と予測需要は、搬送計画でのバッチまたはオンライン再計画中に最初に(他の確定需要とともに)割付を受けます。「確定フラグ」の通常の動作の対象となる受注需要と区別するために、この需要を日付/数量確定と呼びます。「新規日付」および「新規数量」フィールドの値なしで、単に受注を確定する場合、動作に変更はありません。受注の「確定フラグ」が選択されている場合、受注のソース組織は変更できません。

日付/数量確定の受注は、1回の完全な計画実行から次回の計画実行までの間保持されません。日付/数量確定の受注には、「上書きオプション」フラグは適用されません。完全な計画実行により、常に受注のスナップショットが再取得されます。

例:

割付計画

「割付計画」で、搬送計画の割付決定を顧客別に表示します。使用する手順は、次のとおりです。

トリップの連結

ユーザーは、「機会の検索」ウィンドウで特定の転送と連結を選択できます。処理は次のとおりです。

計画担当は、稼働率不足のトリップを様々な方法で検索できます。「計画要約」でトリップの稼働率不足例外を最も重要な例外に追加したり、「例外要約」でトリップの稼働率不足例外をオープンできます。また、「トリップ」フォームで稼働率をチェックすることも可能です。これらのどのフォームからも、「トリップの連結」ウィンドウをオープンして作業し、トリップの稼働率を改善できます。

計画担当は、「トリップの連結」ウィンドウから「機会の検索」アルゴリズムを使用できます。このアルゴリズムでは、次の検索基準を入力として使用し、考慮対象となる転送のターゲット・トリップへの配置を制限します。

トリップから「機会の検索」フォームにナビゲートします。

「トリップの連結」フォームの上部に、計画担当が稼働率を改善しようとしているターゲット・トリップに関する情報が表示されます。

「機会」リージョンに、ユーザーが検索アルゴリズムに入力した値に基づいて選択されたトリップが表示されます。

「出荷明細」リージョンに、「機会」リージョンでハイライトされているトリップの明細が表示されます。

「需要遅延日数」および「供給遅延日数」フィールドの両方で、トリップは上部リージョンに表示されているトリップ、つまり、出荷明細の追加先として検索しようとしているトリップを指します。需要納期を満たすことに問題があるか、新規出荷日に有効な供給に問題がある場合は、両方のフィールドが赤で表示されます。

各出荷明細の「供給可能日」フィールドは、ペギング関連に基づいて計算されて表示されるため、供給がソース組織で使用可能になる早期日数を把握できます。現在よりも早いトリップに移動できる場合があります。

供給の前倒し

物流プランナは、同じワークベンチ機能を使用して、MRP/MPS/MPP計画で使用される供給を前倒しできます。例外管理機能とワークベンチ機能を使用して、次の操作を実行できます。

在庫の再残高計算

計画の在庫再残高計算要件をレビューします。

計画オーダーで在庫再残高計算のソース例外が使用されるかどうかをチェックし、在庫再残高計算処理を計画別にレビューします。必要に応じて、在庫をリリースして計画オーダーの再残高計算を実行します。

複数組織に水平プランを使用して、その他の在庫再残高計算が必要かどうかを判断します。

在庫再残高計算機能の詳細は、「MSC: 在庫再残高計算剰余在庫ベース」プロファイル・オプションおよび計画オプション「在庫再残高計算剰余日数」計画オプションを参照してください。

トリップの更新とリリース

「トリップ」フォームを使用してトリップを更新およびリリースします。

「トリップ」フォームで、ユーザーはトリップの出荷方法、出荷日および納入予定日を変更できます。納入予定日または出荷日の一方を変更し、他方の日付を空白にすると、その日付は選択した出荷方法に基づいて計算されます。出荷方法を選択していない場合は、両方の日付を入力する必要があります。

ユーザーは、「トリップ」フォームでトリップを確定してリリースできます。

トリップのすべての変更内容(日付変更、確定およびリリースなど)は、特定のトリップに関する社内購買依頼、社内受注、計画インバウンド出荷および計画アウトバウンド出荷に伝播します。

ユーザーは「供給と需要」ウィンドウでトリップに対する社内出荷を削除または追加できます。

トリップのロードの分析

「トリップ割付詳細」フォームで、トリップのロード方法を分析します。

トリップを右クリックして「トリップ割付詳細」を表示します。

詳細明細ごとに、次の操作を実行します。

「トリップ割付詳細」フォームでは、トリップのうち要求出荷日と要求納入予定日が最も早く優先度が最も高い品目と数量を判断できます。これにより、ユーザーはトリップに追加する必要があるトリップ明細と遅延可能なトリップ明細を決定できます。トリップ連結ウィンドウに含まれない日付については、割付詳細は表示されません。

同様の情報は「供給と需要」ウィンドウにも品目別に表示されますが、「トリップ割付詳細」フォームにはさらに詳細な情報が表示されます。最早納入予定日と最遅納入予定日は、どちらもトリップの出荷方法を使用して計算されます。これらの日付は、より高速または低速の出荷方法により変更でき、これは搬送計画エンジンでトリップ割付詳細明細を特定のトリップに割り当てる前に考慮されます。「トリップ割付詳細」フォームの情報は、その出荷方法に基づくものです。

これらの日付を使用して、手動で出荷を連結する際に考慮できる供給とトリップを決定します。

各トリップ割付詳細明細は、次の両方に関連付けられます。

「トリップ割付詳細」は、需要に次のように関連しています。

社内購買依頼と社内受注の作成

物流計画から転送用の計画オーダーをリリースできます。

計画アウトバウンド出荷または計画インバウンド出荷をリリースします。

搬送計画のリリース・メカニズムでは、宛先組織での社内購買依頼とソース組織での社内受注の両方が自動的に作成されます。社内購買依頼はリリース・メカニズムの一部として自動的にOracle Order Managementにインタフェースされ、社内受注はリリース・プロセスの一部として作成されます。

トリップまたは個別出荷のリリースの動作は、どちらの文書もリリース・メカニズムによりソース内で作成されるため同じです。

搬送計画では、社内購買依頼を作成してOracle Order Managementにインタフェース済のマークを付けるなど、両方の文書の作成に必要なステップをすべて完了する必要があります。社内受注が作成され、社内購買依頼番号が移入され、社内受注に記帳済のマークが付けられます。また、Oracle Order ManagementのループバックAPIにより、出荷日と到着日の両方が社内受注にロードされます。この2つの日付には、計画決定が反映されます。

社内受注は、作成時に「記帳済」ステータスになります。搬送明細も作成され、Oracle Transportation Managementで使用できます。Oracle Transportation Managementでは、モード、運送業者、サービス・レベルを選択でき、預託準備ができるようにロードを計画できます。

社内受注と社内購買依頼についてソース・インスタンスに移入される日付は、物流計画の「供給と需要」ウィンドウ内の日付と次のように関係します。

受注の「最早出荷日」は「受注」フォームでは参照できませんが、ユーザーはOracle Shippingで受注明細に関連する搬送明細を表示するときに参照できます。そのためには、品目がATP品目であることと、「OM: TP早期出荷/搬送日のソース」プロファイル・オプションが「最早許容日」に設定されていることが必要です。

社内受注と社内購買依頼の再計画

計画担当は、社内転送の再計画と取消をリリースできます。

社内受注は、新規の日付(および、異なる場合は新規の数量または新規の出荷方法)で更新されます。

供給の追跡情報は再計画のリリースにより更新されるため、社内受注が再計画された後も、社内受注と社内購買依頼の供給と需要は同期化されます。

再収集されたデータと物流計画は、社内受注が再計画された後も、同期状態の社内受注日と社内購買依頼日を示します。

ユーザーが再計画後の社内購買依頼と社内受注をリリースすると、Oracle Order Managementの受注処理APIがコールされます。これにより、社内受注が新規日付と新規数量に更新されます。

Oracle PurchasingではOracle Order Managementにインタフェース済の購買依頼の更新が許可されないため、購買依頼自体は変更されません。かわりに、Oracle Order Managementの受注処理APIにより、供給(社内購買依頼から)の追跡情報も更新されます。物流計画では、社内受注からの実績日付および数量が使用され、社内購買依頼詳細は、Oracle Order Managementの受注処理APIにより社内受注との同期状態が維持されている資材供給情報から設定されます。

社内購買依頼と社内受注では、日付が異なる場合があります。ただし、データが収集されて搬送計画で使用された後は、社内購買依頼と社内受注が同期化されます。

受注変更のリリース

物流プランナは、次のような顧客受注の更新をソース・インスタンスにリリース(計画結果をOracle Order Managementに公開)できます。

搬送計画には、MRP/MPS/MPP計画と同じ機能が用意されています。「グローバル予測」がサポートされており、搬送計画を使用して受注に最も適したソース組織が選択されます。

フェア・シェア割付

競合する各需要に割り付けられる有効供給数量のフェア・シェア・パーセントは、様々なフェア・シェア割付方法(オーダー・サイズ方法以外)により決定されます。

フェア・シェア割付方法は、次の場合に起動されます。

オーダー・サイズ・フェア・シェア割付ルールを使用すると、各組織にはオーダー・サイズとフェア・シェア・パーセントに従って有効供給数量が割り付けられます。最初に最大パーセントを持つ組織に割り付けられてから、オーダー・サイズが適用されるため、供給数量が増加する場合があります。次に、2番目に高いパーセントを持つ組織にも、オーダー・サイズに従って供給が割り付けられます。2つの組織が同じパーセントを持つ場合は、まず上位ランクの組織に供給が割り付けられます。

各フェア・シェア・ルールの違いは、フェア・シェア・パーセントの計算方法のみです。計算されたフェア・シェア・パーセントは、まったく同じ方法で適用されます。

フェア・シェア割付方法

供給割付ルールの場合、パーセントまたはオーダー・サイズが同一の場合は、タイブレークにするために組織ランクが使用されます。組織ランクは、組織がフォームに入力された順序から推測されます。2つの組織が特定の供給割付ルールに基づいて同等の場合に、どちらの組織が最初に考慮されるかを管理する必要がある場合は、フォームの上部に最上位優先度の組織を入力します。「需要優先度の上書き」供給割付方法には、推測によるランクは使用されません。

現在の需要率方法

フェア・シェア・パーセントは、現行割付バケット中の競合需要の数量に基づいて計算されます。

1つ以上の組織についてパーセントを入力することもできます。入力したパーセントにより、その組織の実績需要率が上書きされ、残りの組織には需要率に基づいて残りのパーセントが比例配分されます。

パーセントが同一の場合、最初に供給を割り付ける組織はランクを使用して決定されます。

なし(フェア・シェア割付なし)

同一優先度を持つ競合需要に供給を割り付ける際には、現行の先入れ先出しロジックが使用されます。供給は、搬送計画の優先度のペギング・ロジック(先入れ先出し)に基づいて割り付けられます。2つの需要の優先度および納期が同一の場合は、一方の需要が完全に割り付けられてから、他方の需要が考慮されます。どちらの需要が先に割り付けられるかは管理できません。これは、品目-組織に対してフェア・シェア割付方法が指定されていない場合のデフォルト方法です。

固定パーセント方法

ユーザーが「パーセント」フィールドにフェア・シェア・パーセントを入力します。入力したパーセントが割付処理中に使用され、使用可能な供給のうち組織が受け入れる必要のある最小数量が定義されます。割付中には、高パーセントの組織が最初に考慮され、供給がそのパーセントまで割り付けられてから、次の組織が考慮されます。パーセントを定義済の組織がすべて考慮された後、残っている供給があれば先入れ先出し方式で割り付けられます。

定義した固定パーセント値の合計が100%になる必要はなく、計画エンジンにより内部的に100%になるように標準化されることはありません。たとえば、組織1を50%として指定し、他の組織についてはパーセントを指定しないとします。割付時には常に組織1が最初に考慮され、他の組織が考慮される前に供給のうち最大50%の割付を受けることができます。このステップの後、残りの全供給がルール外の組織に1度に1組織に対して割り付けられます。最初に選択される組織により、残りの供給がすべて使い切られる場合があります。すべての組織をルールで定義することを考慮してください。

組織1および組織2がそれぞれ25%として指定され、他に宛先組織がなければ、割付結果はそれぞれ25%がそれぞれ50%に標準化された場合と同様に表示されます。

安全在庫率方法

ある組織のフェア・シェア・パーセントは、その組織の安全在庫レベルを全組織の安全在庫レベルの合計で除算した値です。割付バケット間の安全在庫の平均値を使用して、安全在庫率が決定されます。1つ以上の組織についてパーセントを入力することもできます。

1つ以上の組織についてパーセントを入力することもできます。入力したパーセントにより、その組織の安全在庫率が上書きされ、残りの組織には需要率に基づいて残りのパーセントが比例配分されます。フェア・シェア・パーセントが同一の場合、どの組織に供給を最初に割り付けるかは、ランクを使用して決定されます。

組織の安全在庫が0(ゼロ)の場合は、安全在庫値がプラスの組織よりも下位の優先度が与えられます。割付ステップは次のとおりです。

パーセントが同一の場合、最初に供給を割り付ける組織はランクを使用して決定されます。

オーダー・サイズ方法

これは、フェア・シェア・パーセント計算の概念の例外です。「オーダー・サイズ方法」を選択した場合は、固定ロット乗数値を指定する必要があり、ランクも指定できます。固定ロット乗数が最大の組織に固定ロット乗数オーダー・サイズ数量が割り付けられてから、すべての供給が使い切られるか、または供給不足のため固定ロット乗数を充足できなくなるまで、次の組織に固定ロット乗数オーダー・サイズが割り付けられます。2つの固定ロット乗数オーダー・サイズが同一の場合、どの組織に最初に固定ロット乗数オーダー・サイズ数量が割り付けられるかは、ランクにより決定されます。

組織には最初に供給が割り付けられます。ソース組織にオーダーがある場合は、これが他方の宛先組織と併用されてソース組織固有の割付が決定されます。次に、この供給がソース組織の独立需要(受注、予測、ターゲット在庫レベルおよび安全在庫など)に割り付けられます。

オーダー・サイズ方法の場合、搬送計画では社内転送について供給割付ルールのオーダー・サイズ乗数が考慮されます。

供給割付ルールのオーダー・サイズを使用して、特定の出荷元-出荷先組織のペア間の組織間転送にのみ使用する固定ロット乗数(パレット数量など)を定義できます。これらは、ソースを考慮しない組織への全インバウンド出荷に使用される品目属性であるオーダーの固定ロット乗数とは異なっていてもかまいません。

搬送計画では、次のデフォルト設定階層を使用して、社内転送元および転送先組織のペアに使用するオーダー・サイズ乗数が検索されます。

組織をルールに追加しても、オーダー・サイズを定義しなければ、オーダー・サイズ方法には品目属性「固定ロット乗数」が使用されます。フェア・シェア・ルールで指定されていない組織は、オーダー・サイズが指定されている組織に対する全需要が充足されてから処理されます。

デフォルトのフェア・シェア割付方法

「計画オプション」フォームでデフォルト・フェア・シェア割付方法を選択できます。デフォルト方法は、供給割付ルールが明示的に定義されている組織を除くすべての品目-宛先組織に適用されます。計画オプション「デフォルト・フェアシェア 割付方法」の選択肢は、次のとおりです。

デフォルト・フェア・シェア割付方法が単一の品目-宛先組織に適用される場合、ランクとパーセントは指定できません。標準的なデフォルト設定ロジックが使用されます。

フェア・シェア割付ルール

出荷倉庫について、すべての宛先倉庫を含んでいない供給割付ルールを指定できます。

組織優先度を選択しなければ、計画エンジンではフェア・シェア割付ルールが使用されます。未指定の各倉庫は、指定した倉庫に対する特定の優先度の需要がすべて割付バケット中に充足された後でのみ考慮されます。未充足需要は、次のタイムバケットに移動されます。例:

フェア・シェア・ロジック

割付バケット中に供給不足があるため、フェア・シェア・ルールが起動されます。フェア・シェア・ルールを使用して、同じ割付バケット中の同じ需要優先度を持つ需要に供給数量が割り付けられます。有効供給数量を需要に割り付ける際に、1つの需要が完全に充足されるとはかぎらず、供給数量が需要間で分割される場合があります。

未充足需要の残高は、新規の有効供給数量がある次の割付バケット中に考慮されます。未充足需要の需要優先度は変わりません。次のバケットでは、繰り越された未充足需要の前に、他の上位優先度の需要が考慮されることがあります。未充足需要が多数の割付バケットに繰り越される場合があり、計画期間の最後まで繰り越される可能性もあります。

計画エンジンでは、供給不足を同じ需要優先度を持つ需要に割り付けるために、次のルールが使用されます。

全需要を充足できるが安全在庫レベルを満たせない場合は、フェア・シェア割付ルールを適用すると有効在庫数量の再残高計算が実行されます。フェア・シェア・ルールは、そのルールと安全在庫またはターゲット在庫不足を参照して配分される残りの供給に適用されます。

次の例に、RDC1およびRDC2がDC1から調達している場合を示します。DC1には、RDC1およびRDC2からの受注、予測および転送需要があります。

この例は最初の割付バケットに関するもので、DC1の手持数量に関する最初の割付バケット中の3つの異なる供給の割付を示しています。「現在の需要率」フェア・シェア割付方法が使用されています。

DC1の需要 優先度 需要数量 供給が100の場合の割付 供給が300の場合の割付 供給が700の場合の割付
受注1 100 50 100 100
RDC1の要求1 100 50 100 100
予測2 100 0 25 100
RDC1の要求2 200 0 50 200
RDC1の要求2 100 0 25 100
RDC1の要求3 100 0 0 10
RDC1の要求-3 -1000 -0 0 90

受注と予測に対する顧客フェア・シェア割付方法

ユーザーが受注と予測に適用する顧客フェア・シェア割付方法を選択できるように、計画オプションが用意されています。受注と予測に対する顧客フェア・シェア割付方法では、需要率供給割付ルールと同じフェア・シェア割付アプローチが使用されます。ソース組織および顧客別に個別のフェア・シェア割付ルールを指定する必要はありません。

オプションは次のとおりです。

同じ割付バケット中に同じ需要優先度の競合する受注、予測および要求アウトバウンド出荷需要があるために(需要優先度ルール・セットにより判別)ソース組織に供給不足が発生すると、フェア・シェア割付が使用されます。需要優先度ルール・セットがなければ、受注、予測および超過消込済予測のデフォルト優先度が使用されます。

受注と予測の間のフェア・シェア割付は、供給割付バケット中の各受注および予測に対する需要の比率に基づきます。有効供給数量は、需要合計に対する比率に基づいて各需要に割当てられます。受注と予測の両方について、需要納期までの割付数量が保持され、遅延補充例外メッセージでレポートされます。

計画エンジンでは、顧客のない予測需要がダミーの顧客名を持つ需要として処理されます。つまり、2つの予測(一方は顧客あり、他方は顧客なし)の数量が同一の場合、2つの予測間のフェア・シェアは同じになります。

受注と予測についてフェア・シェア割付を選択しなければ、先入れ先出しロジックが適用されます。供給数量は、使い切られるまで1度に1つの需要を充足するために使用されます。複数の需要の優先度が同一の場合、どの需要が最初に考慮されるかは管理できません。たとえば、それぞれ10単位の受注需要と予測需要があわせて5つあり、すべて同じ優先度で、供給数量が20単位であるとします。フェア・シェアの使用は5つの需要にそれぞれ4単位ずつ割り付けられることを意味し、先入れ先出し方式の使用は2つの需要にそれぞれ10単位ずつ割り付けられることを意味します。

次に示す例に、それぞれフェア・シェア割付なしと、需要区分レベル、顧客レベルおよび顧客サイト・レベルでのフェア・シェア割付を示します。次の表は、6月30日の組織C1の品目に対する需要を示しています。組織C1では、日次供給割付バケットを使用しています。6月30日の品目の手持残高は340です。

需要タイプ: オーダー番号 優先度 需要区分 需要ソース 数量
受注: SO1 1 DC1 顧客A 100
受注: SO2 2 DC2 顧客B/サイト1 200
予測: FC3 2 DC2 顧客B/サイト2 100
受注: SO4 2 DC3 顧客C 50
受注: SO5 2 DC3 顧客D 50
受注: SO6 3 DC4 顧客E 100
合計- - - 600

計画プロセスによる先入れ先出し割付の実行方法は、次のとおりです。

次の表に、先入れ先出し割付の結果を示します。

需要タイプ: オーダー番号 優先度 需要区分 需要ソース 数量 割付数量(期限充足数量)
受注: SO1 1 DC1 顧客A 100 100
受注: SO2 2 DC2 顧客B/サイト1 200 200
予測: FC3 2 DC2 顧客B/サイト2 100 40
受注: SO4 2 DC3 顧客C 50 0
受注: SO5 2 DC3 顧客D 50 0
受注: SO6 3 DC4 顧客E 100 0
合計- - - 600 340

計画プロセスによる需要区分別のフェア・シェア割付の実行方法は、次のとおりです。

次の表に、需要区分別のフェア・シェア割付の結果を示します。

需要タイプ: オーダー番号 優先度 需要区分 需要ソース 数量 割付数量(期限充足数量)
受注: SO1 1 DC1 顧客A 100 100
受注: SO2 2 DC2 顧客B/サイト1 200 180
予測: FC3 2 DC2 顧客B/サイト2 100 0
受注: SO4 2 DC3 顧客C 50 50
受注: SO5 2 DC3 顧客D 50 10
受注: SO6 3 DC4 顧客E 100 0
合計- - - 600 340

計画プロセスによる顧客別のフェア・シェア割付の実行方法は、次のとおりです。

次の表に、顧客別のフェア・シェア割付の結果を示します。

需要タイプ: オーダー番号 優先度 需要区分 需要ソース 数量 割付数量(期限充足数量)
受注: SO1 1 DC1 顧客A 100 100
受注: SO2 2 DC2 顧客B/サイト1 200 180
予測: FC3 2 DC2 顧客B/サイト2 100 0
受注: SO4 2 DC3 顧客C 50 30
受注: SO5 2 DC3 顧客D 50 30
受注: SO6 3 DC4 顧客E 100 0
合計- - - 600 340

計画プロセスによる顧客サイト別のフェア・シェア割付の実行方法は、次のとおりです。

次の表に、顧客サイト別のフェア・シェア割付の結果を示します。

需要タイプ: オーダー番号 優先度 需要区分 需要ソース 数量 割付数量(期限充足数量)
受注: SO1 1 DC1 顧客A 100 100
受注: SO2 2 DC2 顧客B/サイト1 200 120
予測: FC3 2 DC2 顧客B/サイト2 100 60
受注: SO4 2 DC3 顧客C 50 30
受注: SO5 2 DC3 顧客D 50 30
受注: SO6 3 DC4 顧客E 100 0
合計- - - 600 340

組織優先度上書き

ソース組織に組織上書き優先度を割当てて、ソース組織の独立需要と他の組織からの依存需要の相対優先度レベルを管理します。

計画オプション「組織優先度上書きを使用」を選択した場合、優先度は各組織-品目の供給割付ルールで設定した組織上書き優先度に基づきます。需要優先度ルール・セットは使用できません。

ソース組織から宛先組織への割付は、割当てた宛先組織優先度に基づいて実行されます。

「供給割付ルール」の「需要優先度 上書き」リージョンで、次のいずれかを選択できます。

ソース組織または出荷組織を追加して、出荷組織の優先度を指定することもできます。これにより、受入組織の優先度を指定すると同時に出荷組織の優先度を指定できます。このテクニックを使用すると、他の組織からの需要の優先度がソース組織からの需要よりも上位であるか下位であるかを管理できます。

「組織優先度」を選択すると、未指定の全倉庫は指定した倉庫よりも1つ下位の同一優先度に設定されます。

たとえば、組織R1、R2およびR3がD2から調達しているとします。R1の需要優先度上書きが1、R2が2、D2が2として指定されています。R3の優先度は指定されていません。R3のデフォルト需要優先度上書きは3です。

組織優先度上書きルールを指定しなければ、すべての宛先とソースは同じ優先度を持つものとして処理されます。

組織優先度上書きを使用すると、組織内の全需要に同じ優先度が与えられます。供給数量は、計画オプションの顧客フェア・シェア割付方法に基づいて、この優先度内でフェア・シェアされます。

仕入先から組織へのフェア・シェア割付

仕入先から調達する品目についてフェア・シェア割付ルールを定義して割当てることはできませんが、全仕入先のフェア・シェア割付方法を設定するための計画オプションが用意されています。仕入先生産能力が定義されている場合に、需要が割付バケット中に使用可能仕入先生産能力を超過すると、フェア・シェア割付ロジックがコールされます。

仕入先からの供給に適用される割付ロジックは、組織間の割付または供給に使用されるものと同じです。計画オプションの選択肢は、次のとおりです。

割り付けられる供給合計は、割付バケットの終了までの正味有効供給数量です。これは、仕入先生産能力に基づきます。

たとえば、仕入先生産能力が1日10単位で、すべての日が稼働日で、第2の週次バケットまで需要がなく、需要合計が仕入先生産能力を超過しているとします。第3の週次バケットが第18日に終了する場合、競合需要間の割付数量は合計180単位となります。

計画エンジンでは、次のデフォルト設定階層を使用して仕入先のオーダー・サイズ乗数が検索されます。

顧客への出荷の場合、ロード連結は実行されません。供給または顧客についてロード連結が必要な場合は、仕入先または顧客を外部組織としてモデル化できます。

適切な割付が行われるように、仕入先生産能力と固定ロット乗数の両方を考慮してください。たとえば、1月7日に計画が実行され、品目Xの計画タイム・フェンスが4日であるとします。組織AおよびBは、品目Xを仕入先Sから調達しています。仕入先生産能力は1日当たり500(24x7カレンダ)で、固定ロット乗数は750単位です。仕入先フェア・シェア方法の計画オプション値は「現在の需要率」です。ただし、オーダー・サイズは仕入先生産能力と相対であるため、結果が十分にフェア・シェアであるように見えない場合があります。組織AおよびBからの次の需要は、この事例を示しています。

顧客リストの設定

「顧客リスト」フォームを使用して、計画作業環境内のデフォルト顧客選択リストを指定します。このリストは、顧客と顧客サイトの割付計画をオープンするときに使用されます。定義済の顧客リストは「顧客リスト」フォームに表示されます。

顧客リストの設定

  1. 「ツール」->「顧客リスト」にナビゲートするか、デフォルトの水平ディメンションが「顧客」のときに割付計画を右クリックして「顧客リスト」を選択します。

  2. 顧客リストの名称と所有者を追加します。

  3. 「パブリック」ドロップダウン・リストで、定義とユーザーが割付計画を右クリックしたときの表示の両方について、この顧客リストへのアクセスを他の計画担当に許可するかどうかを指定します。デフォルト値は「No」です。顧客リストをパブリックにする場合は、「Yes」に変更します。

  4. 顧客リストから顧客を選択して顧客選択リストを定義します。矢印を使用してフォーム内で顧客を上下に移動し、顧客の表示順序を設定します。

  5. 必要な場合は、「顧客サイト」フィールドに値を入力します。