Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド リリース12 E06012-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
Oracle ASCPでは、ハイブリッド環境における物流および製造工程を計画できるミックス・モード製造がサポートされています。あらゆる範囲のショップ型、ライン型、プロセス、プロジェクトおよびフローの各製造環境について計画できます。また、すべての方法にまたがる共通の計画を使用して、製品の在庫、受注製造、受注組立および受注構成を同時に計画することもできます。この機能により、最も効率的なプロセスを使用して各製品を製造できます。
ミックス・モード製造は、Oracle ApplicationsのうちOracle Bills of Material(ショップ型製造の場合)、Oracle Flow Manufacturing、Oracle Project ManufacturingおよびOracle Process Manufacturingの組合せによりサポートされています。これらの製品は主としてOracle ASCPエンジンに計画(工順)データを提供する役割を果たします。また、様々な製造モードのユーザーが計画プロセスの出力を参照できるようにユーザー・インタフェースも用意されています。
注意: ライン型製造環境は、制約なし計画ではサポートされていますが、制約付きまたは最適化済計画ではサポートされていません。制約付きまたは最適化済計画が必要なライン型製造環境では、Oracle Flow Manufacturingのフロー・スケジュールを使用することをお薦めします。
計画エンジンでは、「プランナ・ワークベンチ」に表示されるロット基準製造オーダーの供給数量が累積歩留戻し(RCY)の値により調整されます。実行システムでの製造オーダー数量は製造オーダーの現行工程の数量を表すため、「プランナ・ワークベンチ」には工順の最終工程からの数量として異なる最終供給数量が表示されます。
Oracle ASCPには、副産物、連産品、ロット失効日およびフォーミュラ有効日に対する全面的なサポート機能が組み込まれています。計画タイプによっては、ライン型製造機能もサポートされています。
疑似とは、半組立品の製造に必要な資材をグループ化できる非在庫組立品です。Oracle ASCPでは、構成部品が親組立品に直接関連付けられている場合と同様に、所要量が疑似半組立品を介して構成部品まで展開されます。疑似組立品の計画オーダーは生成されません。疑似品目の工順は、生産資源所要量の生成に使用されます。ただし、計画エンジンでは、制約なし計画に対する疑似工順はサポートされません。
疑似工順は、Oracle Bills of Materialの組織レベル・パラメータ「疑似工順を使用」の設定に基づき、組織の全疑似品目について組み込まれます。疑似品目の構成部品の工程連番がそのまま使用されるか、親品目から継承されるかは、Oracle Bills of Materialで在庫組織レベルで設定する追加パラメータ「疑似工程連番を引継ぐ」によって決まります。
注意: 「疑似工順を使用」を「Yes」に設定して「疑似工程連番を引継ぐ」を「No」に設定することはできません。
次の図と表に、2つのパラメータの設定に関連した疑似品目と構成部品の様々な動作を示します。例については後述します。
組立品Aの部品構成表体系
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の部品構成表パラメータの定義に関する項および疑似に関する項を参照してください。
Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)では、展開された疑似構成部品所要量には疑似工順の工程連番は使用されません。計画エンジンでは、Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)のロット基準製造オーダーに対する計画オーダーの作成時に、組織パラメータ「疑似工程連番を引継ぐ」に値「No」が使用されます。
稼働率と効率は、生産能力計画で発生します。計画エンジンでは、工順を使用して計画オーダーと提示ライン型製造オーダーに関する生産能力所要量が生成されます。稼働率と効率は、Oracle Bills of Materialで部門生産資源に対して定義できます。フロー工順の場合、混合モデル・マップの定義でラインに使用される個別生産資源の稼働率と効率がライン・レートの決定時に考慮されます。ライン型製造オーダーの場合、効率と稼働率はライン・レートのユーザー定義に係数として使用されるものとみなされます。
稼働率はパーセントで、値の範囲は0.0から1.0までです。
効率の値の範囲は0(ゼロ)から無限です。部門生産資源について計画される各生産資源所要量の調整済生産資源時間には、生産資源の稼働率と効率が考慮されます。生産資源所要量の調整済生産資源時間は、次のように計算されます。
調整済生産資源時間 = 生産資源所要時間 * 稼働率 * 効率
(稼働率と効率は、「プランナ・ワークベンチ」の「生産資源」ウィンドウに表示できます。)
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の部門への生産資源の割当に関する項を参照してください。
工順の有効性は、Oracle Planning製品を使用する生産能力計画に取り込まれます。
計画エンジンでは、工順を使用して計画オーダーと提示ライン型製造オーダーに関する生産能力所要量が生成されます。この新機能を使用すると、生産資源所要量の生成には、計画オーダーまたは提示ライン型製造オーダーの開始日に有効な工順が使用されます。
各工順には、その有効期間を示す有効日と失効日があります。この日付はOracle Bills of Materialで定義します。工順は、品目の各工程で必要な様々な生産資源をリストするために使用されます。
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の工順の作成に関する項を参照してください。
このフレックスフィールドを使用すると、計画とスケジューリングに関して、「部品構成表」フォームのフレックスフィールドを介して定義した代替部品構成表/工順の使用原価データを入力できます。
実装時には、次のケースを参考として使用できます。
例1
工程に3つの活動があります。各活動の生産資源は、1つの代替生産資源で個別に置き換えられます。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
30 | 20 | M2 | Y | 2 | 2 | 20 | 1 | M2-1 | Y |
50 | 30 | M3 | Y | 3 | 3 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
例2
工程に3つの活動があります。各活動の生産資源は、複数の代替生産資源で置き換えられます。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
30 | 20 | M2 | Y | 2 | 1 | 10 | 2 | M1-2 | Y |
50 | 30 | M3 | Y | 3 | 2 | 20 | 1 | M2-1 | Y |
2 | 20 | 2 | M2-2 | Y | |||||
3 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
例3
工程に3つの活動があります。各活動には主要生産資源と同時生産資源があります。主要生産資源と同時生産資源の各ペアは、主要生産資源と同時生産資源の代替ペアで置き換えられます。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
20 | 10 | L1 | 1 | 1 | 10 | 1 | L1-1 | ||
30 | 20 | M2 | Y | 2 | 2 | 20 | 1 | M2-1 | Y |
40 | 20 | L2 | 2 | 2 | 20 | 1 | L2-1 | ||
50 | 30 | M3 | Y | 3 | 3 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
60 | 30 | L3 | 3 | 3 | 30 | 1 | L3-1 |
例4
工程に3つの活動があります。各活動には主要生産資源と同時生産資源があります。主要生産資源と同時生産資源の各ペアは、代替生産資源セットで置き換えられます。これらの代替セットには、置換対象の主要セットよりも多くの生産資源を含むものと、置換対象の主要セットよりも少ない生産資源を含むものがあります。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
20 | 10 | L1 | 1 | 1 | 10 | 1 | L1-1 | ||
30 | 20 | M2 | Y | 2 | 1 | 10 | 1 | L1-2 | |
40 | 20 | L2 | 2 | 2 | 20 | 1 | M2-1 | Y | |
50 | 30 | M3 | Y | 3 | 2 | 20 | 1 | L2-1 | |
60 | 30 | L3 | 3 | 3 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
例5
工程に3つの活動があります。各活動には主要生産資源と同時生産資源があります。最初の活動について代替生産資源を選択した場合は、第2および第3の活動についても代替生産資源を選択する必要があります。このように代替生産資源の選択の同期化を有効化するには、3つの活動すべてに同じ代替グループ番号を指定します。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
20 | 10 | L1 | 1 | 1 | 10 | 1 | L1-1 | ||
30 | 20 | M2 | Y | 1 | 1 | 20 | 1 | M2-1 | Y |
40 | 20 | L2 | 1 | 1 | 20 | 1 | L2-1 | ||
50 | 30 | M3 | Y | 1 | 1 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
60 | 30 | L3 | 1 | 1 | 30 | 1 | L3-1 |
例6
この例は、一貫性のないデータ設定を示しています。
主生産資源連番 | 主計画連番 | 主生産資源 | 主主要 | 主代替グループ番号 | 代替代替グループ番号 | 代替計画連番 | 代替置換グループ | 代替生産資源 | 代替主要 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 10 | M1 | Y | 1 | 1 | 10 | 1 | M1-1 | Y |
20 | 10 | L1 | 1 | 1 | 20** | 1 | L1-1 | ||
30 | 20 | M2 | Y | 2 | 2 | 20 | 1 | M2-1 | Y |
40 | 20 | L2 | 2 | 2 | 20 | 1 | L2-1 | ||
50 | 30 | M3 | Y | 3 | 3 | 30 | 1 | M3-1 | Y |
60 | 30 | L3 | 4* | 3 | 30 | 1 | L3-1 |
* 同じ計画連番を持つ2つのレコードに対して異なる代替グループ番号を設定することはできません。
** 特定の代替グループ番号に属する置換グループ内の計画連番は、その計画で定義された主要グループの計画連番のいずれかと同じにする必要があります。
一部の製造環境では、プロセス管理、テスト結果および原材料の品質などのファクタに応じて、1つの品目が1つ以上の親品目になる場合があります。このような親品目を連産品と呼びます。
連産品は、Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)とOracle Process Manufacturingの両方で使用します。
連産品の識別
連産品は部品構成表体系として識別します。次のダイアグラムでは、組立品A、BおよびCは原材料Xから製造された連産品です。パーセントは連産品の製造に予想される混合率を表します。
連産品
連産品とオーダー納期処理
オーダー納期処理では、需要が連産品の供給日よりも後であるかぎり連産品の供給が考慮されます。次の製品体系を使用するとします。
日付25に、10単位の品目A、6単位の品目Bおよび4単位の品目Cの受入を計画しました。
日付10に、日付35を納期とする品目Bに対する受注を受け取ります。オーダー納期処理では、数量6の計画受入が受注の充足に使用可能であるとみなされます。
日付10に、日付20を納期とする品目Cに対する受注を受け取ります。オーダー納期処理では、日付25の数量4の計画受入は受注の充足に使用可能であるとはとみなされません。
日付10に、日付25を納期とする数量15の品目Aに対する受注を受け取ります。オーダー納期処理では、数量10の計画受入が受注の充足に使用可能であるとみなされますが、数量5が不足となります。
CTP(生産可能数量)計算では、品目Aを5単位製造するには数量10の品目Xが必要であることになります(品目Xを数量1製造すると、品目Aが数量0.5製造され、5 / 0.5 = 10となります)。
日付25までに品目Aを5単位にするために使用可能な品目Xが十分にあれば、オーダー納期処理では、日付25を納期とする品目Aの数量5に対する供給、日付25を納期とする品目Bの数量3に対する供給および日付25を納期とする数量2の品目Cに対する供給が作成されます。
連産品と計画プロセス
収集プロセスでは、連産品情報が収集されます。
計画エンジンでは、連産品組立品に対する供給と、構成部品に対する需要および供給が、連産品組立品のいずれかに対する需要に基づいて計算されます。構成部品需要の計算時に指定した構成部品レベルの歩留ファクタが使用されます。
連産品は日次で計画され、在庫を最小限に抑えるために計画オーダーの作成前に連産品の供給が計画に算入されます。
「プランナ・ワークベンチ」では、次の操作を実行できます。
ナビゲータでは、構成部品と区別するための一意のアイコンで連産品を識別できます。
需要を認識した組立品の計画オーダーをリリースできます。
他の連産品に対する供給を表示して、すべての連産品の製造を追跡できます。
連産品の関連を確認するには、「品目」ウィンドウにナビゲートし、「連産品」ボタンを押して、関連する連産品とその計画率を表示します。
たとえば、組立品Aを10単位製造する場合、計画エンジンでは品目Xに対する需要が20単位の品目X(10単位/連産品割合0.5)として計算されます。20単位の品目Xの供給は、品目Aに対する10単位、組立品Bの6単位の供給(20 * 0.3)、組立品Cに対する4単位の供給(20 * 0.2)の製造について計画されます。
連産品組立品の供給オーダーのタイプは、「計画オーダー」および「計画オーダー 連産品/副産物」です。
次の表に、日付25の10単位の組立品Aに対する需要の結果として得られる需要/供給データを示します。
需要または供給 | 日付10 | 日付25 | 日付35 |
---|---|---|---|
需要(A) | 0 | 10 | 0 |
供給(A) | 0 | 10(計画オーダー) | 0 |
需要(B) | 0 | 0 | 0 |
供給(B) | 0 | 6(計画オーダー 連産品/副産物) | 0 |
需要(C) | 0 | 0 | 0 |
供給(C) | 0 | 4(計画オーダー 連産品/副産物) | 0 |
次の表に、日付35に2単位の組立品Bに対する需要が発生した後の需要/供給データを示します。
需要または供給 | 日付10 | 日付25 | 日付35 |
---|---|---|---|
需要(A) | 0 | 10 | 0 |
供給(A) | 0 | 10 | 0 |
需要(B) | 0 | 0 | 2 |
供給(B) | 0 | 6 | 0 |
需要(C) | 0 | 0 | 0 |
供給(C) | 0 | 4 | 0 |
次の表に、日付10に10単位の組立品Cに対する需要が発生した後の需要/供給データを示します。計画エンジンでは、他の需要をサポートするために計画オーダー連産品/副産物の供給が前倒しまたは先送りされることはなく、納期は計画オーダーの納期と同日に設定されます。
需要または供給 | 日付10 | 日付25 | 日付35 |
---|---|---|---|
需要(A) | 0 | 10 | 0 |
供給(A) | 25 | 0 | 0 |
需要(B) | 0 | 0 | 2 |
供給(B) | 15 | 6 | 0 |
需要(C) | 10 | 0 | 0 |
供給(C) | 10 | 4 | 0 |
組立品Aの計画オーダーをリリースすると、「プランナ・ワークベンチ」では20単位の品目Xの資材所要量から組立品A、BおよびCを製造することを考慮して数量20の供給が作成されます。計画エンジン内で組立品Aに対してオープンな実績供給は10です。
次回に計画を実行すると、計画エンジンでは、組立品Aに対する10単位の供給と、6単位の組立品Bおよび4単位の組立品Cに対する連産品/副産物供給が使用されます。連産品/副産物供給を維持しない場合は、供給の「連産品」供給フラグの選択を解除すれば、計画エンジンでは連産品/副産物供給が作成されません。
連産品と安全在庫
供給と連産品供給の両方を製造する工程が存在する場合があります。計画エンジンにより供給が安全在庫にペグされる場合は、関連する連産品供給が低優先度としてマークされます。これにより、次のようになります。
ペギング・プロセスでは、連産品供給が連産品に対する低優先度の需要にペグされます。
工程に関して競合する計画目的がなくなります。
「安全在庫」を参照してください。
Oracle Project Manufacturingは、プロジェクトや契約に基づいて製品を製造する企業をサポートするように設計されており、強力なプロジェクト追跡、請求および予算処理機能が用意されています。プロジェクト環境や契約環境では、供給と需要の全ソースをプロジェクト別に分割することで計画が可能になります。これにより、計画プロセスでは共有構成部品やプロジェクト固有の構成部品を識別し、既存の在庫をプロジェクト別に追跡し、プロジェクトに関連付けられている需要と供給をすべて参照できます。
Oracle Project Manufacturingでは、セイバン製造もサポートされています。セイバンとは日本の管理慣行で、製造番号を意味します。したがって、製造計画はセイバン番号で管理されます。製造計画に対する需要と供給はすべて、セイバン番号に(プロジェクト番号を介して)関連付けられます。
また、Oracle Project Manufacturingは、受注設計(ETO)環境と受注組立環境向けにも設計されています。このため、製造業者は特定の製品、プロジェクトまたは顧客を指定して需要と供給を追跡できます。
Oracle ASCPでは、プロジェクト計画を介してOracle Project Manufacturingがサポートされています。プロジェクト計画を使用すると、次のことができます。
需要予測、MPSおよびMDSエントリへのプロジェクト、プロジェクト-タスクまたはセイバン番号の追加
プロジェクト、プロジェクト-タスクまたはセイバン番号を使用した需要予測、MPSおよびMDSエントリのロード、コピーまたはマージ
プロジェクト、プロジェクト-タスクまたはセイバン番号に従った供給の認識と割付け
プロジェクトまたはプロジェクト-タスクおよびセイバン関連の需要および供給と、同じ計画または基準計画内の共通する需要および供給の併用
計画グループ別、プロジェクトまたはセイバン別およびタスク別の算入の実行
プロジェクトまたはセイバンおよびタスクの参照を使用した計画オーダーの生成
「プランナ・ワークベンチ」における計画グループ、プロジェクトまたはプロジェクト-タスクおよびセイバン別の計画の実行
プロジェクト環境におけるネット・チェンジ・シミュレーションの実行
プロジェクト、プロジェクト-タスクまたはセイバンを使用した計画オーダーの生成
計画グループ、プロジェクト、プロジェクト-タスクまたはセイバン番号別の計画提案の実装
Oracle Project ManufacturingはOracle ASCPと統合されています。Oracle ASCPでは、航空宇宙産業や国防産業に一般的な受注設計(ETO)製造向けに、オンライン・シミュレーションによる制約ベースのサプライ・チェーン計画および最適化がサポートされています。機能は次のとおりです。
ハード・ペギングおよびソフト・ペギング機能は、Oracle ASCPで完全にサポートされています。品目の属性は、後述するペギング・レベルのいずれかに設定できます。
計画プロセスでは、プロジェクトまたはプロジェクト-タスク・レベル(またはセイバン)の供給が、計画レベル・オプションで設定した予約レベルに従って、プロジェクトまたはプロジェクト-タスク・レベル(またはセイバン)の需要に割り付けられます。
需要レコードに対する供給予約は、すべて単一品目に関するものです。共通の非プロジェクト供給は、プロジェクト需要の充足に使用されます。ソフト・ペギングされた需要の場合、プロジェクトの超過供給(または共通供給)は、いつでも他のプロジェクトの需要に使用できます。
ソフト・ペギング品目に対して発行済の計画オーダーは、プロジェクトでは参照されません。
(ソフト・ペギングと最終組立ペギングの両方について、「最終組立/ソフト・ペギング」オプションを選択してください。最終組立ペギングでは、品目が部品構成表の最上位レベルでペグされている最終組立品が追跡されます。)
このオプションを選択すると、計画プロセスでは、プロジェクトまたはプロジェクト-タスク・レベル(またはセイバン)の供給が、計画レベル・オプションで設定した予約レベルに従って、プロジェクトまたはプロジェクト-タスク・レベル(またはセイバン)の需要に割り付けられます。1つのプロジェクトからの共通する超過供給は、予約レベルが「計画グループ」に設定された場合に、同一の計画グループ内のプロジェクト間でのみ共有できます。
ハード・ペギング品目の計画オーダーには、プロジェクト参照が添付されます。
(ハード・ペギングと最終組立ペギングの両方について、「最終組立/ソフト・ペギング」オプションを選択してください。)
プロジェクト計画用の新しい算入ロジックでは、ハード・ペギング品目のプロジェクト需要について共通の超過供給も考慮されます。この算入ロジックを使用できるのは、計画の予約レベル・オプションが「計画グループ」に設定されている場合のみです。
前述のように、グラフィカルなペギング表示を生成できます。ペギングに「なし」を使用すると、プロジェクト資材割付、最終組立ペギングおよびグラフィックは無効化されます。
プロジェクトが複数の組織にまたがって実行される状況を考慮して、Oracle ASCPにはサプライ・チェーン内で複数組織間の需要と供給の管理に使用するのと同じ有効な機能が用意されています。
この場合も、Oracle Project Manufacturing計画と同様のロジックを使用して複数組織でプロジェクトが計画され、プロジェクト情報がサプライ・チェーン内の全組織に確実に伝達されます。複数組織に属しているプロジェクトに対する供給は、単一の計画実行で同じプロジェクトの需要に対して算入できます。
プロジェクト・サプライ・チェーン計画を使用すると、サプライ・チェーン全体を参照できます。これと同じ機能を使用して、「プランナ・ワークベンチ」からプロジェクト固有の情報を取得できます。
注意: サプライ・チェーン・プロジェクト計画のシナリオでは、すべてのプロジェクト製造組織のプロジェクト管理レベルを同一にする必要があります。
算入ロジックにプロジェクト・グループを組み込むことができます。1つのプロジェクトの超過供給を、同じ計画グループに属する別のプロジェクトの需要に対して予約できます。そのためには、予約レベルを「計画グループ」に設定します。予約レベルを「プロジェクト」に設定すると、グループ・ネッティングは実行されません。
プロジェクト計画では、Oracle Project Manufacturingでの借入/回収取引による需要と供給を区別するために、次の2つのオーダー・タイプが作成されています。
回収需要
回収供給
これらのオーダー・タイプを使用すると、借入/回収の需要/供給を検索できます。また、これらのオーダー・タイプは「プランナ・ワークベンチ」でも表示できます。
水平資材計画と「プランナ・ワークベンチ」の「需要/供給」ウィンドウでは、品目について借入プロジェクトで作成された回収需要と貸付プロジェクトで作成された回収供給を表示できます。
計画済回収取引は、貸付プロジェクトについては回収供給と呼ばれる新しいタイプの供給、借入プロジェクトについては回収需要と呼ばれる新しいタイプの需要とみなされます。回収予定日は、供給日および需要日として使用されます。
「作業環境」ウィンドウでは、水平資材計画について回収需要と回収供給を表示するように選択できます。
需要/供給データを表示できます。ここでは、数量の再計画や変更などの変更はできません。
全体表示では、回収供給は別の列に表示され、回収需要は他の独立需要列に含まれます。回収供給は供給合計に含まれ、回収需要は総所要量に含まれます。また、回収供給は現行計画受入にも含まれます。
借入と回収の関連を「ペギング」ウィンドウで表示できます。
プロジェクトMRPにおける借入/回収の詳細は、『Oracle Project Manufacturingインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、プロジェクト製造環境で再計画する際に、超過在庫にペグされた計画供給を管理できます。「MSC: 超過にぺグされた供給のデフォルト・プロジェクト」プロファイル・オプションを使用して、有効なプロジェクトを超過にペグされた全供給のデフォルト・プロジェクトとして指定できます。
注意: Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、超過にペグされた供給のデフォルト・プロジェクトの割当対象はハード・ペギング品目のみです。
計画オプションにリスト表示される全組織に有効なプロジェクトを定義します。このプロジェクトは、超過にペグされた供給の割当てに使用されます。既存のプロジェクトを使用することもできます。
プロジェクトの定義の詳細は、『Oracle Projectsユーザーズ・ガイド』を参照してください。
プロファイル・オプション「MSC: 超過にぺグされた供給のデフォルト・プロジェクト」の値を、手順1で定義したプロジェクト・コードに設定します。
このプロファイルは、サイト、アプリケーション、職責またはユーザーのレベルで設定できます。
計画を起動するユーザーについてユーザー・レベルで設定するには、「編集」->「作業環境」->「プロファイル」にナビゲートします。
「個別プロファイル値」フォームが表示されます。
プロファイル・オプション「MSC: 超過にぺグされた供給のデフォルト・プロジェクト」のデフォルト・プロジェクト・コードを指定します。
「個別プロファイル値」フォーム
例
半組立品Bを持つ組立品目Aがあり、Bには構成部品品目Cが使用されるとします。
各組立品目の構成部品BとCの数量は1です。
プロジェクトP1の場合、品目Aのオーダー数量は1です。
計画システムでは、品目Bについて1単位の計画オーダー需要が生成されます。品目Bの発注乗数は4に設定されています。このため、品目Bの計画オーダー数量は4となります。
計画システムでは、品目Cについて4単位の計画オーダーとともに4単位の計画オーダー需要も生成されます。計画オーダーはプロジェクト・コードに基づいて次のように分割されます。
1: プロジェクトP1にペグされた計画オーダー数量1。
2: 超過にペグされた計画オーダー数量3(プロジェクト・コードなし)。
超過分の計画オーダーがプロジェクト・コードなしでリリースされると、Oracle Purchasingで拒否されます(リリースに失敗し、発注は作成されません)。
需要のあるプロジェクト = P1
デフォルト・プロジェクト・コード = P2
シナリオ1
計画オーダーは、次の2つの部分に分割されます。
計画オーダー数量1は、需要のあるプロジェクト(P1)にペグされます。
計画オーダー数量3は、デフォルト・プロジェクト・コードを持つ超過(P2)にペグされます。
説明:
供給オーダー合計はオーダー・モディファイアに基づいて4になります。供給の一部がプロジェクト需要にペグされ、他の部分が超過にペグされているため、この供給は2つの計画オーダーに分割されます。
ソフト・ペギングの場合、プロジェクトで計画オーダーは参照されません。
需要のあるプロジェクト = P1
デフォルト・プロジェクト = P1
シナリオ2
デフォルト・プロジェクトは需要のあるプロジェクトと同一のため、計画オーダーは分割されません。
Oracle ASCPでは、モデル/ユニット機能がサポートされています。
品目を有効性管理方法にあわせて設定できます。品目がモデル有効性管理下にある場合は、品目の「フル・ペギング」属性を「ペギングなし」に設定しないでください。「ソフト・ペギング」または「ハード・ペギング」に設定する必要があります。
計画エントリをモデル・ユニット番号別に入力できます。入力したユニット番号は、その最終品目に適格のユニット番号のマスター・リストと比較検証されます。エントリの品目が他の最終品目の構成表で使用されている発注可能な半組立品の場合は、その最終品目のユニット番号にエントリを関連付けることができます。
受注をMDSにロードし、受注に対して指定されたユニット番号を使用できます。
有効日で管理される品目のみでなく、ユニット有効性管理の対象品目について部品構成表のスナップショットを作成できます。BOMの一部である設計変更情報スナップショットに、最終品目のユニット番号または品目ユニット番号範囲に固有の構成部品有効性を使用できます。
スナップショット・タスクでは、プランナで使用されている様々な需要および供給エンティティの最終品目ユニット番号が組み込まれます。
最終品目ユニット番号に対する全供給を、最終品目の需要に算入できます。Oracle ASCPでは、指定のユニット番号を使用して計画オーダーが生成されます。構成部品の需要は、有効日で管理される構成部品のみでなく、モデル/ユニット番号有効性を使用して作成できます。提示ライン型製造オーダーの生成時には、指定のユニット番号は使用されません。
需要、供給、品目および最終組立品について、ユニット番号有効性管理の対象となる全品目のユニット番号を表示できます。「検索」ウィンドウで、品目、需要/供給または例外を確認しながらユニット番号を指定できます。「プランナ・ワークベンチ」には、新規計画オーダーとMDSエントリのユニット番号情報を入力できます。ただし、計画オーダーまたはMDSレコードに関連付けられた既存のユニット番号は、「プランナ・ワークベンチ」からは変更できません。
ユニット番号情報をペギング表示で確認できます。
「プランナ・ワークベンチ」で計画オーダーを実装する際に、ユニット番号情報をWIPおよびPOに渡すことができます。
「ライン計画ワークベンチ」の「未計画オーダー」ウィンドウ(Oracle Flow Manufacturingのワークベンチ)で、ユニット番号有効性対象のすべての未計画オーダーのユニット番号を表示できます。未計画オーダーのユニット番号有効性に基づいて新規計画を作成すると、ユニット番号の参照を含むフロー・スケジュールが作成されます。
「ライン計画ワークベンチ」の「詳細」ウィンドウで、ユニット番号有効性対象の新規フロー・スケジュールを作成したり、既存のスケジュールに関する番号を表示できます。APIを使用して、ユニット番号有効性対象のフロー・スケジュールを作成および更新できます。
計画エンジンでは、次の範囲内で安全在庫が計画されます。
プロジェクト
計画グループ
この機能を使用するのは、ビジネスにおける需要と供給が在庫の所有権により分離されている場合と、プロジェクト/セイバンまたは契約環境で操作する場合です。
計画エンジンでは、品目属性「予約レベル」を使用して算入およびペギング動作が決定されます。「予約レベル」の設定とそれに対応する動作は、次のとおりです。
プロジェクト/タスク: 計画エンジンは、非プロジェクトの算入およびペギング・ロジックに従います。「安全在庫」を参照してください。
プロジェクト/タスクより上位: 計画エンジンでは、指定の予約レベルで結合された所要量の安全在庫レベルが満たされます。たとえば、予約レベルが「プロジェクト」の場合、計画エンジンでは各プロジェクトの全タスクの安全在庫所要量が合計され、その安全在庫レベルがプロジェクトについて満たされます。
安全在庫情報は、プロジェクト/タスク参照とともに次の場所で表示できます。
「プランナ・ワークベンチ」、「水平プラン」ウィンドウ、「プロジェクト」ビュー(水平プランを参照): 期間中の全プロジェクトの安全在庫数量が表示されます。たとえば、日付5のプロジェクトP1の安全在庫が10単位、プロジェクト2の安全在庫が15単位であれば、水平プランの「安全在庫」行には品目の安全在庫として25単位が表示されます。
「ペギング情報」(ペギング概要を参照): 供給の場合、ペギングの「プロパティ」ウィンドウには安全在庫需要のプロジェクトおよびタスク参照が表示されます。
「プランナ・ワークベンチ」と「収集ワークベンチ」の「安全在庫」ウィンドウ(「安全在庫」ウィンドウを参照)。
「安全在庫」ウィンドウ
Oracle Inventoryでプロジェクト別の安全在庫レベルを指定する場合は、プロジェクト、有効日および在庫レベルを指定します。プロジェクト管理レベルが「プロジェクト-タスク」の場合は、プロジェクト内のいずれかのタスクを指定します。計画エンジンでは、タスク番号別の安全在庫は計画されません。
安全在庫需要の大部分が1つのプロジェクトに関連している場合は、プロファイル・オプション「MSC: 安全在庫プロジェクト」の値としてプロジェクトを指定します。プロジェクト値は各安全在庫レベルのエントリにデフォルト設定されますが、上書きできます。
通常は、稼働日の安全在庫レベルを指定する必要があります。非稼働日の安全在庫レベルを指定すると、計画エンジンでは非稼働日と直前の稼働日の安全在庫レベルが比較され、直前の稼働日の安全在庫レベルが高い方のレベルに設定されます。例:
稼働日の安全在庫レベルを10として指定します。非稼働日である翌日の安全在庫レベルを11として指定します。計画エンジンでは、稼働日の安全在庫レベルが11に設定され、非稼働日の安全在庫レベルが0に設定されます。
稼働日の安全在庫レベルを13として指定します。非稼働日である翌日の安全在庫レベルを10として指定します。計画エンジンでは、稼働日の安全在庫レベルが13に設定され、非稼働日の安全在庫レベルが0に設定されます。
稼働日の安全在庫レベルを0として指定します。非稼働日である翌日の安全在庫レベルを12として指定します。計画エンジンでは、稼働日の安全在庫レベルが12に設定され、非稼働日の安全在庫レベルが0に設定されます。
次の表に、プロジェクトP1およびP2に関連する品目A7の安全在庫の計算を示します。計画の予約はプロジェクト・レベルに設定され、ハード・ペギング・レベルはプロジェクト・レベルに設定されているとします。品目ペギング属性は「ハード・ペギング」に設定されているとします。
安全在庫所要量は、次のとおりです。
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 50、有効日: <空白>
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 150、有効日: 11月1日
手持残高は次のとおりです。
P1: 10
P2: 5
計画エンティティ | 10月20日 | 10月30日 | 11月1日 | 12月1日 |
---|---|---|---|---|
需要 | 50(P1) | 40(P2) | 20(P1) | 10 (P2) |
安全在庫需要 | 50(P1) | - | 150(P2) | - |
計画受入 | 25(P2) | 5(P1) | - | - |
計画オーダー | 85(P1) | 10(P2) | 20(P1) 150(P2) | 10(P2) |
予定使用可能残高 | 50(P1) | 50(P1) | 50(P1) 150(P2) | 50(P1) 150(P2) |
次の表に、プロジェクトP1およびP2に関連する品目A7の安全在庫の計算を示します。計画の予約は計画グループ・レベルに設定され、ハード・ペギング・レベルはプロジェクト・レベルに設定されているとします。品目ペギング属性は「ハード・ペギング」に設定されているとします。同じ計画グループに属するプロジェクトについてバケット中に供給がある場合、需要に対する供給の割付はプロジェクト間で完全にランダムになります。
安全在庫所要量は、次のとおりです。
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 50、有効日: <空白>
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 150、有効日: 11月1日
手持残高は次のとおりです。
P1: 10
P2: 5
計画エンティティ | 10月20日 | 10月30日 | 11月1日 | 12月1日 |
---|---|---|---|---|
需要 | 50(P1) | 40(P2) | 20(P1) | 10 (P2) |
安全在庫需要 | 50(P1) | - | 150(P2) | - |
計画受入 | 25(P2) | 5(P1) | - | - |
計画オーダー | 55(P1) | 40(P2) | 20(P1) 150(P2) | 10(P2) |
予定使用可能残高 | 50(P1) | 50(P1) | 50(P1) 150(P2) | 50(P1) 150(P2) |
次の表に、プロジェクトP1およびP2に関連する品目A7の安全在庫の計算を示します。計画の予約はプロジェクト-タスク・レベルに設定され、ハード・ペギング・レベルはプロジェクト・レベルに設定されているとします。品目ペギング属性は「ハード・ペギング」に設定されているとします。
安全在庫所要量は、次のとおりです。
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 50、有効日: <空白>
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 150、有効日: 11月1日
手持残高は次のとおりです。
P1、T1: 10
P2、T2: 5
計画エンティティ | 10月20日 | 10月30日 | 11月1日 | 12月1日 |
---|---|---|---|---|
需要 | 50(P1、T2) | 40(P2、T1) | 20(P1、T2) | 10(P2、T1) |
安全在庫需要 | 50(P1、T1) | - | 150(P2、T2) | - |
計画受入 | 25(P2、T1) | 5(P1、T1) | - | - |
計画オーダー | 50(P1、T2) 35(P1、T1) | 15(P2、T1) | 20(P1、T2) 145(P2、T2) | 10(P2、T1) |
予定使用可能残高 | 50(P1、T1) | 50(P1、T1) | 50(P1、T1) 150(P2、T2) | 50(P1、T1) 150(P2、T2) |
次の表に、プロジェクトP1およびP2に関連する品目A7の安全在庫の計算を示します。計画の予約はプロジェクト・レベルに設定され、ハード・ペギング・レベルはプロジェクト・レベルに設定されているとします。品目ペギング属性は「ハード・ペギング」に設定されているとします。
安全在庫所要量は、次のとおりです。
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 50、有効日: <空白>
品目: A7、プロジェクト/セイバン: P1、数量: 150、有効日: 11月1日
手持残高は次のとおりです。
P1: 10
P2: 5
計画エンティティ | 10月20日 | 10月30日 | 11月1日 | 12月1日 |
---|---|---|---|---|
需要 | 50(P1) | 40(P2) | 20(P1) | 10 (P2) |
安全在庫需要 | 50(P1) | - | 150(P2) | - |
計画受入 | 25(P2) | 5(P1) | - | - |
計画オーダー | 85 | 10 | 170 | 10 |
予定使用可能残高 | 50 | 50 | 200 | 200 |
安全在庫バケット日数と安全在庫率を指定します。計画エンジンでは、これらのパラメータが各プロジェクトの安全在庫計算に使用されます。
予約レベルを計画グループに設定すると、計画エンジンでは各計画グループ内のプロジェクトの安全在庫計算に、このパラメータが使用されます。
「計画グループ」予約レベルと「プロジェクト」予約レベルの両方を使用すると、各安全在庫供給は、安全在庫バケット日数ウィンドウ内の最終需要のプロジェクトとタスクに関連付けられます。たとえば、安全在庫バケット日数が3であるとします。計画エンジンでは、日付1の安全在庫の計算時に、日付1、2および3の需要が組み込まれます。日付1の安全在庫需要を満たすために作成される供給提示には、日付3の最終需要のプロジェクトIDとタスクIDが表示されます。
週次バケットまたは期間バケットで計画する場合は、安全在庫需要の期限は週または期間の最終日のため、安全在庫バケット日数に週または期間バケットの終了日に達することのできる値を指定します。
次の表に、プロジェクトP1およびP2に関連する品目A7の安全在庫の計算を示します。計画の予約はプロジェクト・レベルに設定され、ハード・ペギング・レベルはプロジェクト・レベルに設定されているとします。品目ペギング属性は「ハード・ペギング」に設定されているとします。
安全在庫パラメータは、次のとおりです。
安全在庫バケット日数: 4
安全在庫率: 10
手持残高は次のとおりです。
P1: 10
P2: 5
日付20、プロジェクトP1の安全在庫計算は、次のとおりです。
プロジェクトP1の今後4日間(安全在庫バケット日数)の需要: 70(日付20の50 + 日付22の20)
平均日次安全在庫需要: 18(70 / 4 = 17.5)
安全在庫供給所要量: 2((18 * 0.1) = 1.8)
計画エンティティ | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
---|---|---|---|---|---|---|
需要 | 50(P1) | 40(P2) | 20(P1) | 10(P2) | 85(P1) 10(P2) | 40(P1) 100(P2) |
計画受入 | 25(P2) | 5(P1) | - | - | - | - |
計画オーダー | 37(P1) | 1(P1) 12(P2) | 21(P1) | 11(P2) | 80(P1) 10(P2) | 40(P1) 100(P2) |
予定使用可能残高 | 2(P1) | 3(P1) 2(P2) | 4(P1) 2(P2) | 4(P1) 3(P2) | 4(P1) 3(P2) | 4(P1) 3(P2) |
プロジェクト計画には、他の例外メッセージとともに、プロジェクト資材計画のモニターに役立つ次のプロジェクト関連例外メッセージが用意されています。他の例外メッセージと同様に、これらの例外メッセージもサプライ・チェーンを調整しやすいようにワークフロー対応になっています。これらの計画例外は、プロジェクト・マネージャまたはタスク・マネージャ(定義されている場合)にも通知されます。
プロジェクト/タスクの超過在庫品目: この例外メッセージには、プロジェクトまたはプロジェクト-タスクで超過在庫のある全品目がリストされます。この例外が発生するのは、プロジェクトまたはプロジェクト-タスクにおける品目の予定手持数量が、0(ゼロ)または安全在庫を品目の例外セットの「超過数量」に入力した値を超えて上回っている場合です。
あるプロジェクト-タスクで不足している品目: この例外メッセージでは、特定のプロジェクトまたはプロジェクト-タスクについて需要が供給を上回っている品目がハイライトされます。あるプロジェクト-タスクで不足している品目の場合、例外メッセージが生成されるのは、プロジェクトにおける品目の予定手持数量がマイナスになるか、安全在庫を下回っている場合です。
プロジェクト/タスクに跨って割り付けられている品目: この例外メッセージは、あるプロジェクトまたはプロジェクト-タスクに対する供給が別のプロジェクトまたはプロジェクト-タスクの需要を充足するために使用されている品目を示します。
再計画追加
再計画削除
取消
計画エンジンでは、「再計画」および「取消」例外メッセージは常に発行されますが、超過、不足および複数プロジェクト/タスク間割付に関する例外メッセージが発行されるのは、プロファイル・オプション「MSC: プロジェクト例外の計算」が「Yes」の場合のみです。
プロジェクト環境で計画を設定、実行および表示するためのステップは、次のとおりです。
Oracle Project Manufacturingでプロジェクトとタスクを直接(「プロジェクトの入力」を使用して手動で、または「セイバン番号ウィザード」を使用して)定義するか、「セイバン番号ウィザード」を使用してセイバン番号を定義します。
計画グループのクイックコードを定義します。
プロジェクト/セイバンを計画グループに(「プロジェクト・パラメータ」フォームで)関連付けます。
設定手順の詳細は、『Oracle Project Manufacturingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
品目ペギング属性を定義します。次の品目ペギング属性を使用できます。
ソフト・ペギング、または最終組立 / ソフト・ペギング: この場合、選択した計画オプションに関係なく、すべてのプロジェクトのプロジェクト需要を満たすために超過プロジェクトまたは共通供給を使用できます。計画オーダーには、プロジェクトおよびタスク参照は使用されません。
ハード・ペギング、または最終組立 / ハード・ペギング: この場合、予約が計画グループに設定されていれば、あるプロジェクトの超過供給を同じ計画グループ内の別のプロジェクトの需要に使用できます。予約レベルが計画グループの場合にのみ、超過共通供給もプロジェクト需要に使用可能です。計画オーダーには、「ハード・ペギング・レベル」計画オプションで定義したプロジェクトおよびタスク参照が使用されます。
なし: プロジェクト資材割付は無効化されます。また、「ハード・ペギング・レベル」計画オプションに関係なく、計画オーダーにプロジェクトまたはタスク参照は使用されません。
設定手順の詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』を参照してください。
「ツール」->「ペギング」を選択して計画オプションを定義します。
「ペギング」ウィンドウで次のオプションを完了します。
オプション | 摘要 |
---|---|
予約レベル | このオプションでは、プロジェクト需要に対するプロジェクト供給の事前割付方法を指定します。予約レベルとして次のいずれかを選択できます。
|
ハード・ペギング・レベル | このオプションでは、プロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を計画オーダーに追加するかどうかを指定します。このオプションを適用できるのは、ペギング属性を「ハード・ペギング」または「最終組立 / ハード・ペギング」に設定する必要のあるハード・ペギング品目のみです。ソフト・ペギング品目の場合、プロジェクト参照は関連付けられません。これらの処理は予約レベル・オプションに依存しません。 |
計画を起動します。
計画オプションの定義と計画の起動の詳細は、「計画の定義」を参照してください。
エンティティ「取引先」の指定リフレッシュを実行する場合は、エンティティ「カレンダ」も収集してください。これにより、Oracle Project Manufacturingの組織が確実に組織タイプ「プロセス」として設定され、Oracle Advanced Supply Chain PlanningからOracle Project Manufacturingへのリリース・プロセスが正常に実行されます。
プロジェクト計画ロジックについては、『Oracle Project Manufacturingインプリメンテーション・ガイド』を参照してください。共通供給の算入およびペギング・ロジックによるハード・ペギングの例が記載されています。
注意: オーダー・モディファイアは、プロジェクト算入計算の前に適用されます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の操作中に計画オーダーと計画受入を操作する際に、プロジェクトおよびタスク情報がOracle Project Manufacturingを使用して検証されます。
リリース
「オンライン・プランナ」の実行
計画エンティティ内でプロジェクト情報が検出されると、次のことが検証されます。
プロジェクト製造が在庫組織で有効化されていること。
計画エンティティ内のプロジェクトが在庫組織で有効化され、固有の有効日の範囲が設定されていること。
計画エンティティ内のプロジェクトがチャージ可能であること。
計画エンティティ内の取引日がプロジェクトの有効日の範囲内にあること。
在庫組織をタスク・レベルで管理しているかどうか。
計画エンティティ内でタスク情報が検出されると、在庫組織をタスク・レベルで管理しているかどうかが検証されます。
在庫組織をタスク・レベルで管理している場合は、次のことが検証されます。
取引にタスク参照が使用されていること。
計画エンティティ内のタスクが在庫組織で有効化され、固有の有効日の範囲が設定されていること。
計画エンティティ内のタスクがチャージ可能であること。
計画エンティティ内の取引日がタスクの有効日の範囲内にあること。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の場合にリリース時の検証チェックが実行されます。手動取引は、「収集ワークベンチ」と「プランナ・ワークベンチ」の両方でチェックされます。取引終了時のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照が入力時と同一であれば、検証チェックは実行されません。
受注上でプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照が検出された場合。
ソース・インスタンスで基準需要計画エントリのプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を変更する場合。
手動基準需要計画エントリのプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を変更する場合(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートして「プロジェクト」タブ・リージョンで変更します)。
供給の確定時など、供給のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を変更する場合(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートして「プロジェクト」タブ・リージョンで変更します)。
リリース中に供給のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を変更する場合(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートしてリリースを選択し、リリースの「プロパティ」タブ・リージョンで変更します)。
「リリース用にすべて選択」を使用する場合(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートし、「計画」メニュー・オプションを選択し、「リリース用にすべて選択」を選択します)。
自動リリース用に選択した供給上でプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照が検出された場合。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の場合に「オンライン・プランナ」の実行時の検証チェックが実行されます。手動取引は、「収集ワークベンチ」と「プランナ・ワークベンチ」の両方でチェックされます。取引終了時のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照が入力時と同一であれば、検証チェックは実行されません。
手動基準需要計画エントリのプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートして「プロジェクト」タブ・リージョンで変更します)。
供給の確定時など、「収集ワークベンチ」または「プランナ・ワークベンチ」での供給のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照(「需要/供給」ウィンドウにナビゲートして「プロジェクト」タブ・リージョンで変更します)。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の場合、「オンライン・プランナ」の実行時の検証チェックは実行されません。その時点でリリース検証プロセスにより実行されます。
受注上のプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照。
ソース・インスタンスで基準需要計画エントリのプロジェクトまたはプロジェクト-タスク参照を変更する場合。
検証チェック・プロセスでは、無効な条件またはデータが検出されると次の操作が実行されます。
需要と供給に関する多くのオンライン操作の場合は、エラー・ウィンドウが表示され、続行前にデータを訂正するように要求されます。これは、手動基準需要計画エントリ、「需要/供給」ウィンドウへの計画オーダーおよび計画受入エントリ、「リリース・プロパティ」タブ・リージョンでの計画オーダーおよび計画受入エントリの場合に発生します。
「リリース用にすべて選択」および「自動リリース」機能の場合は、プロセスにより「リリース・エラー」フィールドに値が入力されます。「リリース用にすべて選択」の場合は、行が選択されません。「自動リリース」の場合は、供給が自動リリースされません。
エラーが表示された場合は、次の取引項目が検証チェックの基準を満たしていることを確認してください。
組織
プロジェクト
タスク
実施プロジェクト
実施タスク
提示納期
新規日付
実施日
計画は「プランナ・ワークベンチ」から表示できます。計画情報をプロジェクト別に表示し、ワークベンチで製造計画をプロジェクト別に実施できます。
「プランナ・ワークベンチ」の「供給」、「需要」または「需要/供給」ウィンドウを使用して、計画の需要および供給情報を表示します。検索基準として「計画グループ」、「プロジェクト番号」または「タスク番号」(あるいはすべて)を使用できます。
また、「供給」、「需要」または「需要/供給」画面でカスタマイズ可能フォルダを使用して、特定のプロジェクトまたはプロジェクト-タスクの計画情報を問い合せることもできます。
「水平プラン」および「全体表示」ウィンドウを使用すると、計画グループ別、プロジェクト別およびプロジェクト-タスク別の需要および供給情報を表示できます。これらのフォームに全資材の計画ステータスを表示するか、共通の資材のみを表示するかも選択できます。
「プランナ・ワークベンチ」では、プロジェクト供給に関する「再計画追加」、「再計画削除」および「取消」処理メッセージも生成されます。これらのメッセージは、現行の計画タイム・フェンスおよび許容前倒日数のロジックに従って生成されます。
Oracle Flow Manufacturingは、継続的に変動する製品ミックスを安定した生産率で生産するために設計された、生産ラインとプロセスのバランスを調整済の需要に基づく生産システムです。フロー製造では、生産のために作業指示ではなく混合モデル生産の計画が使用されます。混合モデル計画は計画ルールに基づいて順序付けされ、資材はカンバンを使用して順序を介して補充またはプルされます。
これに対して、従来のショップ型製造環境では、基準生産計画とMRPを使用して所要量が展開され、計画オーダーが作成されて発注と作業指示に変換されます。Oracle ASCPを有効活用できる場合があります。たとえば、季節によって変動するビジネスがあり、繁忙時の需要を満たす在庫を製造するために、Oracle ASCPを使用して閑散期間中に計画オーダーを作成しているとします。このような場合は、計画オーダーをフロー・スケジュールに変換できます。
Oracle ASCPではフロー・スケジュールを供給として考慮できるため、フロー製造システムからショップ型製造プラントに至る場合など、ハイブリッド製造方法の場合は、Oracle ASCPを有効に使用できます。
Oracle ASCPを使用すると、施設間の工程の同期を向上させることで、サプライ・チェーンのスループットを向上させて在庫を削減できます。Oracle Flow Manufacturingは、製造回数を大幅に削減して仕掛在庫と完成品在庫をなくすことで、製造プラントのスループットを向上させます。
ライン生産能力を指定すると、Oracle ASCPではその生産能力を制約とする計画を作成できます。需要が製造能力を上回ると、Oracle ASCPにより制約を考慮した計画が作成されます。これらの計画オーダーは、フロー・スケジュールに変換できます。
注意: 計画オーダーをフロー・スケジュールに有効な入力として表示するには、「プッシュ計画情報」コンカレント・プログラムを実行する必要があります。
Oracle ASCPでは、供給として考慮されるフロー・スケジュールが組み込まれます。
Oracle Flow Manufacturingを定義、実装および保守するプロセスは、次のとおりです。
需要管理
ライン設計およびバランシング
ライン計画と順序付け
生産の実行
カンバン計画と実施
製品ファミリ
フロー・スケジュールのリリース
計画は、Oracle Flow Manufacturing実装の設計フェーズで重要な役割を果たします。設定された需要予測、MDSまたはMPS(あるいはそのすべて)は、後述のようにライン設計とカンバン・サイズ設定の計画にのみ使用されます。需要予測は社外の仕入先に通信されるため、仕入先は自社の工程を計画できます。
需要管理には、Oracle Flow Manufacturingの予測ツール、「基準需要計画」および「基準生産計画」をOracle ASCPとともに使用します。総計レベルで計画できるように、類似する製品がファミリとしてグループ化されています。ラインの設計とカンバン計画には、需要予測、MDS/MPSの作成機能を使用します。顧客需要に対して直接作成しない場合は、Oracle Flow Manufacturingでは前述のツールにより生成された計画オーダーから計画を作成できます。
計画機能「需要予測」および「基準需要計画」を設定する必要があります。Oracle Flow Manufacturingでは、Oracle MPS/MRPまたはOracle ASCPに用意されている需要管理ツールを使用して生産高が計画されます。
注意: 『Oracle Flow Manufacturing Implementation Manual』の需要管理に関する項を参照してください。
ラインの設計には、製品ファミリへの製品のグループ化、プロセスの定義、各製品の製造に必要なイベントの定義、TAKT時間(目標サイクル時間を表すドイツ語)の概算を目的としたライン工程へのイベントの再グループ化などが含まれます。需要管理で設定された需要の明細書は、ソースが需要予測、MDSまたはMPSのいずれであるかに関係なく、ライン設計機能に重要です。需要は生産能力の上限を設定するものであり、バランス調整手順の基礎となります。
詳細は、『Oracle Flow Manufacturingユーザーズ・ガイド』のラインの設計とバランス調整手順に関する項、フロー製造ラインのバランス調整に関する項、フロー製造標準処理の定義に関する項、フロー製造標準イベントの定義に関する項、およびフロー製造の標準ライン工程の定義に関する項を参照してください。
通常、混合モデル生産ラインの設計に使用するのと同じ需要予測、MDSまたはMPSをカンバン計画にも使用します。構成部品の導出需要を使用してサイズ要件を設定します。Oracle ASCPでは、手持在庫数量と安全在庫について在庫のスナップショットを使用します。
『Oracle Flow Manufacturingユーザーズ・ガイド』のグラフィカル・ライン・デザイナ・ワークベンチに関する項、および『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』のカンバン計算プログラムの使用に関する項。
フローでは、製品ファミリを使用して総計レベルで計画します。Oracle ASCPでは製品ファミリ品目がサポートされています。製品ファミリまたは品目レベルについて様々な計画水平を定義できます。生産資源は、製品ファミリ・レベルで計画できます。
詳細は、『Oracle Flow Manufacturing Implementation Manual』の製品と部品の設定に関する項、および『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の製品ファミリ・メンバーの割当に関する項を参照してください。
フロー・スケジュールは計画エンジンにより提示されます。その処理には逐次計画を使用します。これは、「プランナ・ワークベンチ」から計画オーダーをリリースするのとはまったく異なるプロセスです。
逐次計画では、どの製品に他の製品が続くかを示す分単位のフローが作成されます。これを実行するには、「Flow Manufacturing」メニューで「ライン計画ワークベンチ」を選択します。
理論上、正しいフロー製造業者は需要予測に基づく計画ではなく受注需要に基づいて製造するため、計画オーダーではなく受注をリリースします。「ライン計画ワークベンチ」では、受注または計画オーダーを選択できるように、受注または計画オーダーから計画するオーダーをプールできます。
「ライン計画ワークベンチ」では、計画オーダーが受注、需要予測または依存需要のうちどれを充足するかの違いが認識されません。この場合は、二重カウントにならないように注意してください。
通常は、製品サイクル時間合計に応じて、今後数日についてラインを計画してロードします。長期については計画プロセスを使用して計画し、仕入先に計画を提供します。短期的には、「ライン計画ワークベンチ」を使用してラインを計画してロードします。
計画オーダーのプールを使用して計画する場合は、次のようになります。
MPSまたはMPP計画ではなくMRP計画を使用します。
「生産」を選択します。
計画の実行後に、計画オーダーを取引システムにプッシュします。
Oracle Process Manufacturing(OPM)ユーザーはOracle ASCPと完全に統合され、計画目的に基づいて計画し、資材と生産資源の使用を最適化できます。OPM P/MRPを実行する必要はありません。
Oracle ASCPでは、バッチ、継続および梱包工程など、複数のプロセス製造モード向けの統合計画が提供されます。連産品など、フォーミュラ・ベースのプロセス固有の要件とスケーリングが取り込まれます。
資材と生産能力の計画に使用されるデータはOPMスキーマに存在し、Oracle ASCP計画サーバーで使用されます。Oracle ASCPでは、Oracle Applicationsからの在庫および購買データとともに、OPMからの生産、算式、計画および販売データが使用されます。ユーザーは複数の計画を実行し、資材と生産資源を管理できます。計画に問題がなければ、生産モジュールで実行できます。
Oracle ASCPリリース12では、OPM MRPがASCPの制約なし計画に置き換えられています。次の表に、アップグレード・パスに基づいて提供される内容を示します。
OPMの体系が、次のようにOracle Applicationsの体系とマージされています。
OPMの生産バッチと計画機能はプラント・レベルで発生します。これらは、在庫組織レベルで生産および計画データにマージされます。
OPMの需要は倉庫レベルで処理され、計画もこのレベルで実行できます。これらは、在庫組織レベルにマージされます。
OPMの手持残高は倉庫または事業所レベルで保存されます。在庫の割付と算入可能性は、倉庫レベルで発生します。これらは、Oracle Applicationsの保管場所レベルにマージされます。
前述のデータと取引は、OPMの事業所レベルでも実行できます。Oracle Applicationsで対応するレベルは保管棚レベルですが、Oracle ASCPでは保管場所レベルで計画されます。したがって、OPMのすべての事業所データを倉庫にマージし、保管場所レベルでマップする必要があります。
Oracle Applicationsでは、在庫組織レベルでサイト事業所を仕入先と顧客に使用し、部門を生産資源管理に使用します。OPMでは、生産資源はプラント・レベルで定義します。
作業指示(Oracle ApplicationsでのWIP製造オーダー)は、OPMでの生産バッチにほぼ相当します。作業指示と生産バッチはどちらも生産資源を消費します。Oracle Applicationsの場合、作業指示(在庫組織レベルで作成)は、それが作成された在庫組織内で使用可能な生産資源からのみ導出できます。OPMの場合、バッチはプラントの生産資源にアクセスすることのみが可能です。
OPMでのプラント倉庫有効性により、生産バッチはそれが作成されたプラント(WIP倉庫)外で使用可能な資材から導出できます。OPMでは、生産バッチを完了するために在庫をプルする倉庫も指定できます。1つの品目に対して複数の割付パラメータを定義できます。これにより、複数の倉庫から在庫を割り付けることができます。
Oracle ASCPでは、バッチの原料は単一倉庫から取得する必要があります。OPMでは、バッチに複数のソースまたは宛先が指定されている場合に、原料在庫の単一ソースとして仕掛倉庫または生産資源倉庫(使用可能な場合)を使用することで、この問題に対処しています。仕掛倉庫または生産資源倉庫は、在庫の割付元であるOracle ASCPを示します。
OPMデータをOracle ASCPと円滑にマージできるように、次のOPM組織体系をお薦めします。ナビゲータ・パスもあわせて示します。
各OPM生産プラントには、生産資源倉庫と呼ばれる倉庫を1つのみ関連付けます。生産はその倉庫で発生するものとみなされます。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の「組織」フィールド・リファレンスに関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「システム管理」->「組織」->「生産資源倉庫」フィールド。)
各プラントに存在できる倉庫は1つのみです。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の「組織」フィールド・リファレンスに関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「システム管理」->「組織」->「生産資源倉庫」フィールド。)
複数の生産プラントが共通倉庫から原材料在庫を引き出して、それぞれの生産需要を満たすことができます。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』のプラント倉庫関連の設定に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは「OPM」->「計画」->「MPS」->「設定」->「プラント-倉庫の関連づけ」。)
複数の生産プラントが共通倉庫(物流センター)に供給できます。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』のプラント倉庫関連の設定に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「計画」->「MPS」->「設定」->「プラント-倉庫の関連づけ」。)
OPM倉庫ごとに、Oracle Applicationsで対応する在庫組織が必要です。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の「組織」フィールド・リファレンスに関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「システム管理」->「組織」->「生産資源倉庫」フィールド。)
複数の生産プラントが原材料在庫ソースとして同じ倉庫を使用する場合は、これらのプラントでの生産をまとめて計画する必要があります。
Oracle ASCPでは、組織固有のフォーミュラと工順が必要です。
Oracle ASCPには、次のOPM機能が組み込まれています。
有効性
スケーリング
1レベルの循環参照
1レベルの循環参照を使用すると、同じフォーミュラ内で製品または副産物を原料としてリストするフォーミュラを定義できます。たとえば、サワードウブレッドを製造する場合、次のバッチのスターターとして使用するためにパン種の一部を残しておきます。したがって、サワードウブレッドのフォーミュラを定義する際には、パン種は製品ですが原料も兼ねることになります。
Oracle ASCPでは、生産能力計画は在庫組織、部門または生産資源のレベルで発生します。OPMでは、生産能力計画をプラント・レベルで実行する必要があります。このOPMとOracle ASCP間のギャップを埋めるには、生産能力計画を必要とする生産プラントごとに倉庫を1つ定義します。これらの倉庫は生産資源倉庫と呼ばれます。Oracle ASCPでは、生産資源倉庫は生産能力計画を必要とする生産施設として認識されます。
OPMアプリケーションで次のナビゲータ・パスを使用します。
「OPM」->「計画」->「MPS」->「設定」->「プラント倉庫」。詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』のプラント倉庫関連の設定に関する項を参照してください。
「OPM」->「システム管理」->「組織」。詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の組織に関する項を参照してください。
OPMでは長さ4文字の品目単位を定義できますが、単位がOracle Applicationsにコピーされると値が3文字に切り捨てられます。単位はOPMからOracle Applicationsへと自動的に変換できます。
これはOPM組織にも適用されます。組織名は、OPMでは4文字以内ですが、Oracle Applicationsでは3文字以内です。
(詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の単位の編集に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「システム管理」->「単位」です。)
次のOPMデータを設定する必要があります。
OPM組織および倉庫
OPM品目、単位および換算
有効性、フォーミュラおよび工順
生産資源
Oracle ASCP用のMPS計画
プラント倉庫有効性
バッチ、FPO、受注、需要予測および手持在庫数量
OPMデータの設定手順の詳細は、『Oracle Process Manufacturingユーザーズ・ガイド』を参照してください。
次の項では、前項で説明した以外に、Oracle ASCPにリンクする他の領域について説明します。
Oracle ASCPで生産能力計画機能を使用する予定の場合は、各OPM生産プラントが生産資源倉庫を1つ所有する必要があります。
OPMでは、特定のプラントまたは生産資源倉庫の有効性ではなく、組織別のグローバル有効性を使用します。そのため、1つの組織の有効性は、その組織に関連付けられているプラントと倉庫すべてに適用されます。
Oracle ASCPでは、有効性機能として最小数量と最大数量、有効開始日と有効終了日、フォーミュラ割当と工順割当および作業環境を使用できます。
(詳細は、『Oracle Process Manufacturing New Product Development User's Guide』のレシピ妥当性ルールの編集に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「Development」->「フォーミュラ管理」->「有効性」です。)
Oracle ASCPでは、フォーミュラごとに1つの製品を使用できます。OPMのフォーミュラに製品または連産品に関する複数の有効性が含まれている場合、Oracle ASCPでは異なるフォーミュラが表示されます。Oracle ASCPでは部品構成表(この場合はフォーミュラ)ごとに1つの製品が必要なため、連産品と副産物はマイナス数量の構成部品として表示されます。また、可変(線形)および固定スケーリングも実装可能です。
(詳細は、『Oracle Process Manufacturing New Product Development User's Guide』のフォーミュラ詳細の入力に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「Development」->「フォーミュラ管理」->「フォーミュラ」です。)
工順とフォーミュラの組合せは一意である必要があります。工順数量には、有効性製品の基準単位を使用します。OPMでのステップは工程に相当します。OPMでの活動は工程生産資源順序に相当します。工順生産資源は、工程生産資源に相当します。
OPM CRPを使用する場合、代替生産資源を使用するかどうかを選択するオプションが用意されています。生産資源には、「工程」フォームで主(1)、補助(2)または副(0)を示す計画タイプを割当てます。Oracle ASCPでは、主生産資源と補助生産資源のみが使用され、副生産資源は無視されます。
Oracle ASCPでは、生産資源件数および使用数量情報が使用されます。この2つの情報は、「工程」フォームに記録します。たとえば、混合工程で2つの同じブレンダが使用される場合は、「件数」フィールドに2を入力します。この生産資源で毎時200ガロンを混合できる場合は、「処理数量」フィールドに200、「使用数量」フィールドに1を入力します。
Oracle ASCPでは、1つの工程で複数の生産資源を同時に使用できますが、1つの工順で複数の工程を同時に完了することはできません。Oracle ASCPでは、ある工程を別の工程とオーバーラップさせることができますが、これにより同時工程および複数の依存工程の許可というOPMの機能が制限されます。Oracle ASCPでは、同時工程は許可されません。
(詳細は、『Oracle Process Manufacturing New Product Development User's Guide』の工順に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「Development」->「フォーミュラ管理」->「工順」です。)
プロセス製造では、通常、同時工程、複数の連産品を生じる複数の工程、主要製品の生産で終了する複数の工程で構成される複雑な工順に基づく生産が発生します。複雑な工順には、次のような特性があります。
複数の開始工程
複数の終了工程
パラレル工程
関連する工程間の様々なタイプの一時的依存性
複数の工程で消費される原料と製造される製品
例: 複雑な工順
複雑な工順の例には、ケーキの製造タスクなどがあります。乾燥原料である小麦粉とベーキング・パウダーはまとめてふるいにかけられます。水分を含んだ原料である水、卵、バターおよび香料はまとめて混ぜあわされます。両方の工程からの出力が少しずつまぜあわされて生地となります。乾燥原料の工程と水分を含んだ原料の工程は同じ期間中に実行する必要があり、その後、ゆっくりと混ぜあわされます。乾燥原料をふるいにかける工程が水分を含んだ原料の工程の完了まで待機すれば、乾燥原料が固まり始める可能性があります。また、水分を含んだ原料の工程が乾燥原料をふるいにかける工程の完了まで待機すれば、水分を含んだ原料が分離し始める可能性があります。
次のダイアグラムに、複数の開始工程、同時工程、複数の終了工程および複数の製品で構成される複雑な工順を示します。
工順工程の計画時に、Oracle Advanced Supply Chain Planningの計画プロセスではOracle Process Manufacturingで定義された工程依存性が考慮されます。先送り計画フェーズでは、工程は前工程との依存性に基づいて計画されます。前倒し計画フェーズでは、工程は後工程に基づいて計画されます。
工程依存性の制約は、次の2つの依存タイプを持つ上位工程と下位工程の活動に適用されます。
「開始 - 開始」依存タイプ。上位工程に計画された最初の活動と、下位工程に計画された最初の活動に適用されます。
「終了 - 開始」依存タイプ。上位工程に計画された最後の活動と、下位工程に計画された最初の活動に適用されます。
次にステップ依存性の定義を示します。
終了-開始(オフセットなし): 処理ステップは、先行ステップの完了直後に開始することを示します。たとえば、中断することなく連続的に原料を追加する必要がある場合などです。
終了-開始(プラスのオフセットあり): 処理ステップは、先行ステップの完了後、指定の時間が経過してから開始することを示します。たとえば、別の原料を追加する前に、原材料を一定の時間そのままの状態にしておく必要がある場合などです。
終了-開始(マイナスのオフセットあり): 処理ステップは、先行ステップの完了前に、指定した時間だけ早く開始することを示します。たとえば、次の原料を追加する前に、製造機器を起動する必要がある場合などです。
開始-開始(オフセットなし): 処理ステップは、依存先ステップと同時に開始することを示します。たとえば、中断することなく同時に原料を追加する必要がある場合などです。
開始-開始(プラスのオフセットあり): 処理ステップは、先行ステップの開始後、指定の時間が経過してから開始することを示します。これは、「終了-開始(マイナスのオフセットあり)」と似ていますが、「開始-開始」の依存性を指定することで、前の依存ステップが早期終了した場合にプラスのオフセットが確実に保持されます。
次のダイアグラムに、前述のダイアグラムの工程10および40の「終了 - 開始」依存性を示します。
主な設定ステップは、次のとおりです。
複雑な工順、ステップ依存性および時間オフセットを定義します。
工順間の最小時間数量(MTQ)と時間オフセットを定義します。
ASCP計画に必要な他のデータ要素(品目、フォーミュラ、工順、レシピ、妥当性ルールおよびソース・ルールなど)を定義します。
「Oracle Process Manufacturing」職責を選択します。
「プロセス・エンジニア」->「工順」にナビゲートします。
「プロセス工順詳細」ウィンドウで、工順ステップを選択して「ステップ依存性」をクリックします。
「工順ステップ依存性」ウィンドウで、次のフィールドの値を指定します。
依存タイプ: 「終了-開始」または「開始-開始」。
標準遅延: この値は、工程間の最小時間オフセットを表します。
最大遅延: この値は、工程間の最大時間オフセットを表します。
転送パーセント: この値は、上位工程から各下位工程に転送される資材の割合を表します。
チャージ別適用: 工程ステップ依存性と時間オフセットを工程でのチャージに適用するように指定するには、このオプションを選択します。
「Oracle Process Manufacturing」職責を選択します。
「プロセス・エンジニア」->「レシピ」にナビゲートします。
「レシピ詳細」ウィンドウで、「ステップ原材料関連」ボタンを選択します。
「ステップ原材料関連」ウィンドウで、「最小転送数量」、「最小遅延」および「最大遅延」フィールドに値を入力します。
最小転送数量(MTQ)は、下位工順で製品Aを消費して製品Xを製造する工程を表します。この工程は、製品AのMTQを生産し、最小時間オフセットと最大時間オフセットを適切に適用した後で開始できます。
「最小遅延」および「最大遅延」フィールドは、工順間の最小時間オフセットと最大時間オフセットを表します。
複雑な工順を処理する手順は、次のとおりです。
ASCP計画を実行します。
ASCP出力を分析します。
複雑な工順内の各工程の開始時間と終了時間が規定のステップ依存性に従っていることを確認します。
工順からの資材のインフローとアウトフローのタイミングを確認します。
この情報は、「プランナ・ワークベンチ」の「ネットワーク工順」ウィンドウまたは「連産品」ウィンドウで確認できます。
計画オーダーをOPMにリリースします。
OPMバッチを実行します。
ASCPでリリースされた計画オーダーがOPMバッチに変換されます。
「個別プロファイル値」ウィンドウで「GMP: APS提案の自動実装」プロファイル・オプションを「Yes」に設定すると、自動的に変換されます。
ASCPの「新規バッチ」ウィンドウを介して手動で変換します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
「サプライ・チェーン計画」->「ワークベンチ」にナビゲートします。
計画を右クリックし、メニューから「品目」->「品目」を選択します。
「品目」ウィンドウで、品目を選択して「工順工程」をクリックします。
「工順工程」ウィンドウで次のいずれかをクリックします。
「ネットワーク工順」をクリックすると、複雑な工順内の依存タイプとオフセットが表示されます。
「連産品」をクリックすると、工順から製造される製品のMTQと時間オフセットが表示されます。
プロセス製造では、工程間のスラック時間がプロセスに重要になることがあります。たとえば、射出成形プロセスでは、乾燥原料が粉末にされてから正しい割合で混合されます。次のステップでは、バット内で触媒液と混合されて加熱されます。原料が適正温度に達すると、5分かけて型に射出されます。
射出プロセスが5分(最大遅延)以内に完了しないと、混合物の硬化が始まります。15分すると、混合物はバットから取り出してのみで清掃する必要がある段階まで硬化します。この状況が発生するのは、混合物の準備が完了した時点で成形台が使用可能でない場合です。これによりコストの問題が生じ、原料が無駄になり、機械をメンテナンスのために停止させる必要が生じる可能性があります。
原材料から完成品まで連続して処理するという一般的な慣行に従った計画をサポートするために、Oracle Advanced Supply Chain Planning(ASCP)では同じ工順内の工程間で最小時間オフセットと最大時間オフセットを施行できます。時間オフセットの制約は、第1工程の終了と第2工程の開始の間、または第1工程の開始と第2工程の開始の間に適用できます。
Oracle Applicationsでは、工程間のスラック時間制約モデルを作成できます。また、ASCPでは、製品が顧客サイトに到着した時点で、その残余保管期限が最小残余保管期限を下回っていると、「最終品目供給保管期限違反」例外が生成されます。品目の保管期限の設定の詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』のMPS/MRP計画属性グループに関する項を参照してください。
依存タイプごとに、工程間の最小時間オフセットと最大時間オフセットを指定できます。
次の表に、「終了-開始」依存タイプの最小時間値と最大時間値を示します。
最小時間値と最大時間値 | 摘要 |
---|---|
0 | 下位工程は、直前の工程が終了した直後に開始されます。中断することなく原料を連続的に追加する必要がある場合に、この時間オフセットを使用できます。 |
>0 | 下位工程は、直前のステップが完了した後で指定の期間内に開始されます。最小時間値と最大時間値の両方がプラスの場合、下位工程は最小時間値と最大時間値の間に開始されます。 原料を休ませる必要はあるが、硬化しすぎる前に別の原料を追加する必要がある場合に、この時間オフセットを使用できます。 |
<0 | 下位工程は、直前のステップが完了する前の一定期間に開始されます。
注意: オフセットとは、上位工程で計画されている資材活動と下位工程で計画されている資材活動の間です。たとえば、上位工程の実行時活動と下位工程の実行時活動の間などです。 次の原料が追加される前に生産装置を有効化する必要がある場合は、この時間オフセットを使用できます。たとえば、下位の実行時活動が原料を使用して開始され、プロセスの後の段階で上位活動から原料を受け入れます。 |
次の表に、「開始-開始」依存タイプの最小時間値と最大時間値を示します。
最小時間値と最大時間値 | 摘要 |
---|---|
0 | 下位工程は、依存するステップと同時に開始されます。下位工程で計画された最初の資材活動は、プロセス中のいずれかの時点で、上位工程で計画された最後の原料を受け入れます。 中断することなく原料を同時に追加する必要がある場合は、この時間オフセットを使用できます。 |
>0 | 下位工程は、直前のステップが開始された後で指定の時間に開始されます。最小時間値と最大時間値の両方がプラスの場合、下位工程は最小時間値と最大時間値の間に開始されます。 |
主な設定ステップは、次のとおりです。
キー・プロファイル・オプションを設定します。
ステップ依存性と時間オフセットを定義します。
ASCP計画に必要な他のデータ要素(品目、フォーミュラ、工順、レシピ、妥当性ルールおよびソース・ルールなど)を定義します。
Oracle ASCPでは、ユーザーが「MSC: ハード・リンクの施行」プロファイル・オプションを使用して、最小時間オフセットと最大時間オフセットをハードまたはソフト制約としてモデル化できます。MSCプロファイル・オプションの詳細は、「MSCプロファイル・オプション」を参照してください。
ASCPで品目の保管期限日数を品目の製造工程と消費工程の間の最大時間オフセットとして処理できるようにするには、「MSO: 購買/製造オーダーの計画で品目保管期限日数を使用」プロファイル・オプションを使用します。MSOプロファイル・オプションの詳細は、「MSOプロファイル・オプション」を参照してください。
「生産資源情報」フォームの完了後に、プラントと生産資源の関連を定義します。Oracle ASCPでは、プラントは関連付けられている生産資源倉庫を介して認識されるため、生産資源はプラントではなく生産資源倉庫に関連付けられているものとみなされます。生産資源倉庫はOracle Applicationsで在庫組織内の部門にマップされるため、実際には「プラント生産資源」フォームを介して生産資源を在庫組織内の部門にマップします。
Oracle ASCPを使用すると、生産資源の生産能力計画を開発できます。Oracle ASCPでは、プラント用の生産資源倉庫は、生産能力計画を実行する必要があることを示します。Oracle ASCPの生産能力計画機能では、すべての生産資源生産能力は時間単位と見なされます。「割当済数量」フィールド(OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「計画」->「生産能力計画」->「設定」->「プラント生産資源」)は、生産原価と可用性の定義対象として指定したプラントで使用される数または数量を示します。このフィールドに入力する数値は、定義している生産資源カテゴリの範囲に応じて異なります。たとえば、生産資源をブレンダ1(特定のマシン)として定義している場合は、1を入力します。生産ラインで3台のブレンダを使用しており、生産資源を(マシンを個別に定義するのではなく)ブレンダとして定義している場合は、3と入力します。
Oracle ASCPでは、OPM Cost Managementで定義した1単位の生産資源の使用原価(1時間のミキサの稼働原価など)も使用されますが、この原価は生産資源の名目原価値に記録する必要があります。Oracle ASCPでは、すべての生産資源の単位が時間であると見なされます。
生産能力計画を設定するには、ナビゲータから「生産能力計画」->「設定」->「生産資源」を選択します。
プロセス製造では、工程で使用される生産資源によって工程の生産能力が決まります。生産資源生産能力が所要量を下回っている場合、必要なバッチを完了するには、その生産資源を少ない量で繰返し実行する必要があります。このような反復を「チャージ」と呼びます。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、必要なバッチ数量を完了するために複数のチャージを計画できます。
1バッチに必要なチャージ数を判別するために、Oracle Advanced Supply Chain Planningではバッチ数量が最大生産資源生産能力で除算されて整数に切り上げられます。たとえば、生産資源の最大生産能力が1000ガロンで、1バッチに4500ガロン必要な場合、所要量を完成するには工程を5回実行する必要があります(4500/1000=4.5、切り上げて5回)。
1バッチを完了するための最終チャージの数量が生産資源の処理可能数量よりも少なくなる場合がありますが、工程の実行時間は変わりません。たとえば、ミキサーの内容物が半分しかなくても、工程を完了するには工程時間全体を必要とします。
チャージが工程の最大生産能力に達しなくても、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは異なるオーダーからのチャージは組み合されません。所要量が生産資源の最大生産能力より少ないバッチまたは作業指示が、異なるオーダーのためのチャージで処理されることはありません。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、チャージは連続プロセスとして計画されます。単一のチャージを製造カレンダ・ブレークまたはギャップ間で分割することはできません。
生産資源チャージの計画
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、確定オーダーの充足に必要でないかぎり、バッチのチャージ間のギャップは計画されません。たとえば、バッチに5日の生産資源チャージが必要で、土曜日と日曜日には生産資源を使用できなければ、システムでは週末のブレークなしに連続する日数にわたるチャージの計画が試行されます。ただし、ある週の月曜日と火曜日に生産資源を使用できず、翌週の水曜日には確定オーダーを充足するために品目が必要であれば、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは第1週の水曜日、木曜日、金曜日および第2週の月曜日と火曜日についてチャージが計画されます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、チャージに資材を増分フィードするように推奨できます。品目基準またはチャージ可能活動がチャージ可能活動をフィードする場合、計画エンジンにより活動が消費側チャージ数と同数のセグメントに分割されます。このため、チャージは活動の全チャージの資材を待機するのではなく、十分な資材が使用可能になった直後に確実に実行できます。フィード側活動が比例スケーリングされていない場合(「固定」スケール・タイプ)、チャージを増分フィードできません。
同様に、チャージ可能活動が品目基準またはチャージ可能な生産資源活動をフィードする場合、計画エンジンでは消費側活動がフィード側チャージと同数のセグメントに分割されます。これにより、すべてのフィード側活動のチャージが完了する前に消費側活動を開始できます。消費側活動が比例スケーリングされていない場合は、増分フィードできません。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、工順工程間の最小時間オフセットと最大時間オフセットを工程のチャージに適用できます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningから計画オーダーをリリースすると、Oracle Process Manufacturingでは、すべての工程生産資源とともにチャージ数量、チャージ開始日および終了日がインポートされます。この情報はいずれも変更できません。OPM計画担当は、個別のチャージではなくバッチ・ステップ全体を実行できます。ユーザーは、「ツール」->「OPMバッチ・ステップ」フォーム->「生産資源チャージ」ウィンドウにナビゲートしてチャージ情報を表示できます。
Oracle Process Manufacturingでチャージの計画に必要なデータを設定できます。これで、収集を実行してOracle Advanced Supply Chain Planningにデータを移入し、チャージ計画を有効化できるようになります。
生産資源チャージ計画を設定する手順は、次のとおりです。
チャージ計画用の生産資源の設定
チャージ可能活動の指定
チャージ計画の有効化
Oracle Process Manufacturing(OPM)で、チャージの計画対象となる各生産資源をチャージ可能として定義し、その生産資源の最大生産能力を指定する必要があります。
チャージ可能生産資源は、全組織または特定の組織に対して設定できます。チャージ可能生産資源を全組織に対して定義すると、その生産資源は作成する全組織でチャージ可能になります。たとえば、「ミキサー」というチャージ可能生産資源を全組織に対して定義し、特定の組織で「ミキサー」生産資源を作成すると、組織固有のミキサーが自動的にチャージ可能として定義されます。
「Oracle Process Management」職責を選択します。
「プロセス・エンジニア」->「設定」->「一般生産資源」にナビゲートします。
「生産資源」ウィンドウで、チャージの計画対象となる生産資源を作成または検索します。
「チャージの計算」オプションを選択します。
「最大」フィールドに最大生産資源生産能力を入力します。
「Oracle Process Management」職責を選択します。
「プロセス・エンジニア」->「設定」->「プラント生産資源」にナビゲートします。
「生産資源情報」ウィンドウで、チャージの計画対象となる生産資源を作成または検索します。
「チャージの計算」オプションを選択します。
「生産能力範囲」フィールドに最大生産資源生産能力を入力します。
「Oracle Process Management」職責を選択します。
「プロセス・エンジニア」->「プロセス工程」にナビゲートします。
「プロセス工程詳細:活動」ウィンドウで活動を選択します。
「生産資源」ボタンをクリックします。
「プロセス工程」活動ページの「スケジューリング情報」タブで、各チャージ可能生産資源のスケール・タイプとして「チャージ別」を指定します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningで生産資源チャージを計画するには、「MSO: グローバル賦課可能フラグ」を「Yes」に設定する必要があります。このフラグが「No」に設定されていると、チャージは計画されず、生産資源ロードはチャージによる影響を受けません。デフォルト値は「Yes」です。詳細は、「MSOプロファイル・オプション」を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の情報を表示できます。
生産資源がチャージ可能かどうか。この情報はOracle Process Manufacturingで指定され、Oracle Advanced Supply Chain Planningに収集されます。
生産資源活動についてのチャージ。
計画済活動についてのチャージ(ガント・チャートに表示)。計画オーダーと既存バッチについてのチャージは、ASCPガント・チャートの「オーダー」ビューと「生産資源 - 活動」ビューで表示できます。詳細は、「ガント・チャートを使用した対話型スケジューリング」を参照してください。
チャージに関連する例外。Oracle ASCPでは、チャージ可能生産資源に関して「資材および生産資源能力」例外グループの2つの新規例外が生成されます。
「最小生産能力以下で生産資源チャージが開始」。
最大生産能力超過で生産資源の変更が開始。例外メッセージの詳細は、「 サプライ・チェーン計画例外メッセージ」を参照してください。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
「サプライ・チェーン計画」->「ワークベンチ」にナビゲートします。
ナビゲータで、計画を右クリックして「生産資源」->「生産資源」を選択します。
チャージ可能生産資源の場合は、「生産資源」ウィンドウで「チャージ可能」オプションが選択されています。
計画オーダーと既存のバッチに関するチャージ情報は、「プランナ・ワークベンチ」で表示できます。
「Advanced Supply Chain Planning」職責を選択します。
「サプライ・チェーン計画」->「ワークベンチ」にナビゲートします。
ナビゲータで、計画を右クリックして「生産資源」->「生産資源」を選択します。
「生産資源」ウィンドウで、「所要量」ボタンをクリックします。
「所要生産資源」ウィンドウで「チャージ」をクリックします。
「チャージ」ウィンドウに、計画チャージ日と数量が表示されます。
プラント倉庫有効性は、プラント倉庫関連とも呼ばれます。プラント倉庫有効性では、品目がバッチの原料として使用される場合に、プラントで消費する各品目の倉庫を指定します。また、品目がバッチの製品である場合に、プラントで各品目の補充に使用する倉庫も指定します。
「プラント-倉庫の関連づけ」フォーム(OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「計画」->「生産能力計画」->「設定」->「プラント-倉庫の関連づけ」)で、特定の倉庫の「倉庫品目」フィールドが空白の場合は、すべての品目をその倉庫との間で消費または補充できます。これをグローバル・ルールと呼びます。
プラント倉庫有効性品目の消費ルールと補充ルールは、グローバル品目と倉庫品目の両方についてOracle ASCPにより施行されます。グローバル・ルールを設定すると、倉庫品目が実際に倉庫から消費または補充されるかどうかに関係なく倉庫品目データがすべて転送されるため、転送データ量が増加します。
品目がプラント倉庫有効性でグローバル・ルールまたは特定のルールとして定義されていれば、その品目を倉庫間で転送できます。品目/倉庫の組合せの消費および補充インディケータはオフに設定でき、その場合も品目/倉庫の組合せは転送対象として考慮できます。
基準生産計画(MPS)パラメータを定義する際に、どのプラントを計画に含めるかを指定し、在庫の需要と供給の様々なソースを含めるための基準を選択します。MPS計画パラメータはOracle ASCPで同じ目的に機能し、Oracle ASCPの基準需要計画の作成に使用されます。Oracle ASCPの基準需要計画には、「MPSスケジュール・パラメータ」フォームの詳細でMPS計画にリンクされているプラントがすべて含まれます(OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは「OPM」->「計画」->「MPS」-「設定」->「スケジューラ」)。
詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』のMPS計画の定義に関する項を参照してください。
MPS計画には5文字の一意な名称が必要です。Oracle ASCPの基準需要計画名は、MPS計画名と倉庫名で構成されます。たとえば、生産資源倉庫RSW1に関するSCHD1というMPS計画の場合、基準需要計画名はSCHD1/RSW1となります。
「MPSスケジュール・パラメータ」フォームの「計画生産」フィールドでは、需要予測を需要ソースとして含めるかどうかを選択できます。「受注生産」フィールドでは、受注を需要ソースとして含めるかどうかを選択できます。「プラント-倉庫の関連づけ」フォームでは、MPS計画にリンクされた各プラントの需要をプルする品目と倉庫を定義します。
Oracle ASCPに予測消込を使用するために必須の設定ステップは、OPMで予測消込を使用する際に完了する必要のある設定ステップと同じです。
OPMアプリケーションで「OPM」->「計画」->「需要予測」->「需要予測」にナビゲートして、需要予測を作成します。詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』の需要予測に関する項を参照してください。
OPMアプリケーションで「OPM」->「計画」->「需要予測」->「計画関連」にナビゲートして、需要予測を計画に関連付けます。詳細は、『Oracle Process Manufacturing MPS/MRPおよびForecastingユーザーズ・ガイド』の「需要予測スケジュール関連」フィールド・リファレンスに関する項を参照してください。
Oracle ASCPでは、OPMで作成されてMPS計画にリンクされた需要予測情報を使用して、基準需要計画が作成されます。MPS計画に使用する需要予測は、「需要予測スケジュール関連」フォームで指定します。需要予測には様々な倉庫にある品目を必要な数だけ追加できますが、計画には「プラント-倉庫の関連づけ」フォームに従って倉庫に対する消込に有効な品目のみが使用されます。
注意: 1つの需要予測を複数のMPS計画で使用できるため、倉庫内の1品目の需要を複製しないように注意してください。
Oracle ASCPでは、保留中のOPM生産オーダーは需要と供給のソースとして表示されます。保留中のOPM生産オーダー(確定計画オーダー、保留中バッチおよび仕掛バッチ)をOracle ASCPで表示できるのは、対象品目の品目/倉庫/プラント関連が「プラント-倉庫の関連づけ」フォームで定義されている場合のみです。
プラントの生産能力計画を作成する場合は、プラントの生産工程管理(POC)をオンにして、プラントの生産資源倉庫を定義する必要があります。この操作は、「OPM組織」フォームで目的の組織に対して行います。(詳細は、『Oracle Process Manufacturing System Administrationユーザーズ・ガイド』の組織に関する項を参照してください。OPMアプリケーションでのこの画面へのナビゲータ・パスは、「OPM」->「システム管理」->「組織」)。
POCがオンになっている場合、バッチが作成されてバッチ情報がOracle ASCPに転送されると、Oracle ASCPによりプラントの工順と生産資源所要量が収集されます。プラントに生産資源倉庫がなければ、工順および生産資源データはOracle ASCPに転送されません。
バッチの原料は単一倉庫から取得する必要があります。OPMでは、バッチに複数のソースまたは宛先が指定されている場合に、原料在庫の単一ソースとして仕掛倉庫または生産資源倉庫(使用可能な場合)を使用することで、この問題に対処しています。仕掛倉庫または生産資源倉庫は、在庫の割付元であるOracle ASCPを示します。
バッチ製品の数量は、品目の換算済基準単位で表示されます。
Oracle ASCPでは、確定計画オーダーはバッチと同じとみなされますが、確定計画オーダーの工順と生産資源所要量は考慮されません。工順と生産資源所要量は、確定計画オーダーがバッチに変換された後に考慮されます。
生産ルール(OPM Inventoryで定義)は必須ではありませんが、このルールを使用すると、固定および可変リード・タイム所要量を満たすバッチが確実に作成されます。
計画提示から生産バッチまたは確定計画オーダーを作成するプロセスは、計画提示がOracle ASCPとOPMのどちらで作成されたかに関係なく同じです。プラントがセキュリティ・スキーマにリストされるかぎり、すべてのユーザーがOracle ASCPの計画提示から生産バッチまたは確定計画オーダーを作成できます。
Oracle ASCPでは、MPS計画に添付されたプラントに対して定義されている品目/倉庫の組合せの手持在庫が表示されます。Oracle ASCPでは、期限切れになったロットは有効在庫とみなされません。また、他のロットよりも失効日が早い有効ロットを使用するように提示されることもありません。Oracle ASCPではロット・ステータスがチェックされ、ロット・ステータスでロットが算入可能として識別されないかぎり、ロットは消込対象として考慮されません。
基本的な連産品情報は、「ハイブリッド製造環境での共通機能」の「連産品」を参照してください。詳細は、Oracle Process Manufacturingのマニュアルを参照してください。
プロセス製造環境における製造の焦点は次のとおりです。
フォーミュラ
レシピ
妥当性ルール
たとえば、等級1の小麦100 kgと水40リットルという原料が組み合されて、25 kgの小麦粉A1と50 kgの小麦粉A2という連産品が製造されます。
小麦粉のフォーミュラ
フォーミュラでは、製品の製造に使用する原料(構成部品)を指定します。計画エンジンでは、製造される連産品はマイナスの使用量で(副産物と同様に)表されます。「フォーミュラ副産物明細」ウィンドウでスケーリング・タイプ(「固定」または「比例」)を指定できます。
レシピでは、製品の製造プロセスを指定します。妥当性ルールの異なる複数のレシピで指定すると、同じフォーミュラの代替使用を指定できます。
妥当性ルールをレシピに関連付けて、次のような基準を指定します。
有効開始日と有効終了日の範囲
最小数量と最大数量
同レベルの作業環境を示す連産品
品目 | 数量 | 日付1 | 日付3 |
---|---|---|---|
小麦粉A1 | 25 kg | - | -200 |
小麦粉A2 | 50 kg | -100 | - |
ふすま | 10 kg | - | - |
麦粉入りふすま(固定) | 10 kg | - | - |
小麦粉A1 | - | 50(連産品) | 150(計画オーダー) |
小麦粉A2 | - | 100(計画オーダー) | 300(連産品) |
ふすま(副産物) | - | 20(副産物) | 60(副産物) |
麦粉入りふすま(副産物) | - | 10(副産物) | 10(副産物) |
小麦の需要 | 100 kg | -200 | -600 |
水の需要 | 40 l | -80 | -240 |
連産品品目には、異なる単位を使用できます。
計画エンジンでは、同じ製品を複数の工程で製造する状況が計画されます。
計画タイプを選択する際には、連産品に関する次の問題を考慮してください。どの計画タイプでも、同じ日に作成された連産品供給を利用するために全品目が同時に計画されます。
制約なし計画では、日付と数量の範囲に対して有効な最上位優先度と最下位作業環境のプロセス(フォーミュラ、工順)が使用されます。
決定ルールを伴う制約付き計画では、有効日と最大数量の範囲が考慮されます。十分な生産能力のある最上位優先度と最下位作業環境のプロセスが使用されます。
最適化済計画では、有効日と最大数量の範囲が考慮されます。ただし、生産能力制約が考慮されて在庫と原価も最小化される、最適なプロセス(フォーミュラとレシピ)が選択されます。代替部品構成表/工順のペアについて原価を指定する必要があります。
決定ルールを伴う制約付き計画および最適化済計画では、最小数量の範囲が考慮されますが、結果は最小化されていない場合があります。最適化プロセスでは、最小数量の条件に違反していても後から計画エンジンにより訂正されるプロセスが選択される場合があります。この場合、結果ではプロセス数量が考慮されていても、最適なプロセスが選択されていない可能性があります。
連産品と代替の関連
制約付き計画では、連産品体系を品目代替および構成部品代替機能で使用できます。つまり、連産品品目が代替関連を持つように定義できます。ASCPでは、代替供給を製造当日に使用できます。
Oracle Shop Floor Managementは、計画システムと実行システムをつなぐモジュールで、次の機能が用意されています。
複雑な製造現場ロット取引の管理
ロットの分割およびマージ
ロット名、製品、工順、数量の更新
ボーナス・ロットの作成
動的工順の有効化
進行中に決定される工順
有効な次工程に基づいて強制される工順移動
任意の工程へのジャンプの許可
製品の系統全体の提供
原材料まで遡った製品の全工程の追跡
系統の正方向と逆方向への移動
製品の原価に基づく工程歩留のモデル作成と追跡
工程レベルの歩留
製品の歩留原価
工程での原価差異
ERPとサード・パーティのMESシステムとの統合機能
Oracle Applicationsとのシームレスな統合
連産品モデル作成
連産品のモデル作成
Oracle ASCPは、OSFMとのシームレスな統合により次の機能を提供します。
ロット基準製造オーダーは、ロット基準の製造を処理するために設計されたOracle OSFMの実行エンティティです。ネットワーク工順を使用する品目の計画オーダーをロット基準製造オーダーとして実施できます。「計画推奨の実施」に示す指示に従って、「プランナ・ワークベンチ」から計画オーダーを選択してリリースします。リリース・プロセスでは、計画の実行時ではなくリリース時の「計画パラメータ」フォームのネットワーク計画方法の設定がチェックされます。
計画オーダーをリリースするのみでなく、「前倒し」、「先送り」および「取消」の各推奨を実施できます。推奨の実施には、ソース側で「ロット基準製造オーダーのインポート」コンカレント・プログラムを使用します。
計画オーダーをロット基準製造オーダーとしてリリースするには、次の操作を実行する必要があります。
計画オプション「計画生産能力」を選択します。
Oracle Work in Processパラメータ「WIP会計区分」に値を入力します。
Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)パラメータ「会計 区分」に値を入力します。会計区分は、Oracle Advanced Supply Chain Planningの「プランナ・ワークベンチ」の「作業環境」フォームで「その他」タブを選択し、「製造オーダー区分」フィールドで設定することもできます。ただし、この値はすべてのインスタンスに適用されます。
製造オーダー名、製造オーダー開始日と完了日、開始数量、部品構成表と工順の指標、需要区分およびWIP区分などを渡すことができます。数量の場合、計画エンジンでは開始数量、製造オーダーに対する全取引および現行工程での累積歩留戻しが使用されます。計画エンジンでは、ロット基準製造オーダーは供給とみなされます。
ロット基準製造オーダーから組立品の構成部品の需要を渡して、生産資源所要量を計算できます。計画エンジンでは、中間工程の生産資源所要量の計算時に、効率と稼働率が考慮されます。
ロット基準製造オーダーの取引結果(出庫、移動、完了など)を表示できます。Oracle ASCPでは、製造現場の現行の負荷が考慮され、生産資源の可用性に基づいてロット基準製造オーダーが計画されます。ソース側で製造オーダーを移動取引まで進行させると、次回の計画実行時にはOracle ASCPによりネットワーク内の残りの工程が計画されます。
注意: ロット基準製造オーダーは、「プランナ・ワークベンチ」では「ショップ型製造オーダー」として参照されます。
この機能は、APSとOracle Shop Floor Management(OSFM)の統合により使用可能になります。
一部の生産環境では、プロセス管理、テスト結果、原材料の品質などに応じて1つの品目が1つ以上の親品目になる場合があります。このような関連を定義するには、連産品を定義します。OSFMでは、単一部品から導出できる組立品(親)について複数の候補を指定できます。
連産品の設定にはOracle OSFMを使用できます。次のダイアグラムに、このことを説明する例を示します。A、BおよびCは、原材料Xから製造される連産品です。%は、連産品の生産に予想される混合率です。
連産品
基本的な連産品情報は、「ハイブリッド製造環境での共通機能」の「連産品」を参照してください。詳細は、Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)のマニュアルを参照してください。
半導体、エレクトロニクスおよび金属産業での焦点は、処理すると個別製品になる主構成部品です。たとえば、高速ウェハーは低速チップ、中速チップまたは高速チップとなる可能性があります。
ウェハーチップ: 主部品構成表
「連産品の定義」フォームを使用して、主構成部品から製造される連産品を指定します。次に「分割率」をクリックし、「期間分割率の定義」フォームに各連産品の配分率を入力します。配分率の有効日範囲を指定できます。計画エンジンでは、計画起動日に有効な配分率が計画水平全体で使用されます。
連産品の設定中に代替部品構成表/工順のペアを使用して、様々な構成部品から同じ製品を構築できます。例:
主: 高速ウェハー構成部品 > 低速チップ20%、中速チップ30%、高速チップ50%
代替1: 高速ウェハー構成部品 > 低速チップ5%、中速チップ15%、高速チップ80%
代替2: 中速ウェハー構成部品 > 低速チップ30%、中速チップ60%、高速チップ10%
次のダイアグラムに、代替部品構成表1を示します。プロセスでは、主部品構成表と同じ高速ウェハーを使用します。ただし、このプロセスは主部品構成表とは異なる比率で連産品を製造するように調整されています。
ウェハー・チップ: 代替部品構成表1
次のダイアグラムに、代替部品構成表2を示します。このプロセスでは、主部品構成表とは異なるウェハー(中速ウェハー)を使用します。このプロセスでは、主部品構成表とは異なる比率で連産品が製造されます。
ウェハー・チップ: 代替部品構成表2
最終品目である連産品の最終品目代替と、構成部品として使用される連産品の構成部品代替を指定できます。
連産品の最終品目代替
連産品の構成部品代替
計画タイプの選択時の考慮事項は、連産品にも適用されます。どの計画タイプでも、同じ日に作成される連産品供給を利用するために、全品目が同時に計画されます。
制約なし計画では、主部品構成表および工順が計画オーダーの作成にのみ使用されます。ただし、計画エンジンでは、計画受入について代替部品構成表/工順のペアが考慮されます。
決定ルールを伴う制約付き計画では、最初に主部品構成表/工順が選択されます。生産能力が残っていれば、各代替部品構成表/工順が選択され、生産能力があればその構成表/工順が使用されます。部品構成表と工順の選択後、計画プロセスは在庫の最小化に進みます。
最適化済計画では、生産能力制約が考慮されて在庫と原価も最小化される、最適な部品構成表と工順が選択されます。すべての代替部品構成表/工順のペア、すべての品目およびすべての生産資源について原価を指定する必要があります。
計画プロセスでは、供給の最小化を試みる際には需要の順序が考慮されません。例:
高速チップには日付1に数量100の需要があります。
中速チップには日付2に数量60の需要があります。
低速チップには日付3に数量40の需要があります。
計画エンジンでは、最初の需要である数量100の高速チップに対する計画オーダーが作成され、数量60と数量40についてその日に製造される連産品供給により日付2および日付3の需要が充足されます。
品目 | 率/数量 | 日付1 | 日付2 | 日付3 |
---|---|---|---|---|
高速チップ | 50% | -100 | - | - |
中速チップ | 30% | - | -60 | - |
低速チップ | 20% | - | - | -40 |
高速チップ | - | 100(計画オーダー) | - | - |
中速チップ | - | 60(連産品供給) | - | - |
低速チップ | - | 40(連産品供給) | - | - |
高速ウェハーの需要 | 0.01 | -1 | - | - |
計画エンジンでは、代替部品構成表/工順のペアを使用して、生産資源および資材制約を解決できます。前の需要による供給から製造される連産品で後の需要を部分的に充足し、残りの数量を連産品に対する後の供給で充足できます。例:
中速チップには日付1に数量60の需要があります。
高速チップには日付2に数量100の需要があります。
計画エンジンでは、最初の需要である日付1、数量60の中速チップに対する計画オーダーが、部品構成表/工順のペアALT2を使用して作成されます。この生産では、日付1に数量10の高速チップに対する連産品供給を作成する必要があります。次に、計画エンジンでは日付2、数量90の高速チップに対する計画オーダーが作成されます。
品目 | 率/数量 | 日付1 | 日付2 | 日付3 |
---|---|---|---|---|
高速チップ | 10% | - | -100 | - |
中速チップ | 60% | -60 | - | - |
低速チップ | 30% | - | - | -40 |
高速チップ | - | 10(連産品供給) | 90(計画オーダー) | - |
中速チップ | - | 60(計画オーダー) | 540(連産品供給) | - |
低速チップ | - | 30(連産品供給) | 270(計画オーダー) | - |
中速ウェハーの需要 | 0.01 | -1 | -9 | - |
計画エンジンに対して、構成部品の依存需要数量を端数処理するように指示できます。所要量の整数数量に関する項を参照してください。
計画プロセスに対して、複数の連産品関連に含まれる全品目を切り上げるか切り下げるように指示すると、供給数量合計と需要数量合計に品目間で異なる結果が表示される場合があります。
これを回避するために、Oracle Shop Floor Management(OSFM)で連産品の1つを主連産品として指定します。計画エンジンでは、端数処理のバランスを調整するために、主連産品の所要量が増加され、他の連産品の所要量が削減されます。連産品ごとに1以上の数量が作成されます。
次のダイアグラムに、連産品構成表を示します。
連産品構成表
すべての連産品について、「整数所要量の使用」が「切上げ」または「切下げ」でマークされています。
計画エンジンが25単位のC933の需要を受け入れるとします。
Xの所要量は42 [25 * 0.6 = 41.666、42に端数処理]として計算されます。
各連産品の所要量は、次のように計算されます。
C633: 2.49 [41.666 * 0.06]
C800: 3.74 [41.666 * 0.09]
C866: 10.41 [41.666 * 0.25]
C933: 25
各連産品の所要量は次のように切り下げられます。
C633: 2
C800: 3
C866: 10
C933: 25
需要と供給の差異は、需要が供給よりも2少ない[42 - (25 + 10 + 3 + 2)]として計算されます。
連産品の所要量が供給の42と等しくなるように、主構成部品が2単位追加されます。
C633: 2
C800: 3
C866: 12
C933: 25
需要が主連産品に関するものであれば、計画エンジンでは他のすべての連産品が切り下げられ、その1つがランダムに選択されて供給と需要のバランスを調整するために追加されます。主連産品は追加されません。
特定の生産プロセスの属性として十分な資材減損量を指定できる場合は、そのプロセスを識別して工程レベルで歩留を管理することが重要です。工程連番に指定する歩留は、通常、原材料または半組立品の量の計算とパフォーマンスの測定に必要になります。
次のダイアグラムに示す生産プロセスを考えてみます。
生産プロセス
各工程の開始時に必要な原材料を計算するには、累積歩留、累積歩留戻しおよび正味計画率を計算する必要があります。前述のダイアグラムは、それぞれの計算を示しています。このダイアグラムでは、累積歩留はCY、累積歩留戻しはRCY、正味計画率はNPPで示されています。正味計画率は、特定のノードにおける資材の予想フロー率です。累積歩留は、正方向に歩留を乗算した値で、累積歩留戻しは逆方向に歩留を乗算した値です。計算の詳細は、前述のダイアグラムを参照してください。
Oracle OSFMを使用して、ネットワーク工順の工程連番レベルの歩留を指定できます。「ネットワーク工順」フォームで「ツール」メニューから「累積歩留の計算」を使用すると、累積歩留、累積歩留戻しおよび正味計画率をシステムで自動的に計算できます。
「計画率」または「最適化」方法を使用する場合は、Oracle Shop Floor Management(OSFM)の「工順からの工程歩留の計算」コンカレント・プロセスをソース上で実行します。計画エンジンでは、期間別歩留を考慮して各オーダーの累積歩留戻しの値が計算され、計算にはソースからの「正味計画 (%)」が必要です。
Oracle Global Order Promisingでは、CTP時に構成部品と生産資源の所要量を計算する際に、工程歩留が考慮されます。計算はASCPの場合と同じです。
工程連番10で必要な資材を計算するには、オーダー数量を累積歩留戻しで除算して、工程連番10の正味計画率で乗算する必要があります。
工程連番10で品目Aが必要で、オーダー数量が100の場合、Aの構成部品需要を100/.88*100%(113.63)にする必要があります。Oracle ASCPでは、工程歩留を考慮して水増しされたオーダー数量に基づいて、様々な工程連番で生産資源が消し込まれます。この例では、工程連番10の生産資源は数量113.63に対して計画されます。
ロット基準製造オーダー上の一部の品目を廃棄または拒否する場合は、残りの保留中工程に歩留を適用できます。工程連番20でオーダー合計100のうち20単位を拒否する場合に、工程連番10で損失がなければ、工程連番20の数量80と累積歩留戻しに基づいて構成部品所要量を決定できます。
複数のノードが単一ノードに結合されているネットワーク工順の場合、累積歩留の計算は単一ノードになるように結合されている各ノードからの歩留の加重平均に基づきます。
計画エンジンでは、ショップ型工順に定義された工程歩留に基づいて、先日付工程の構成部品と生産資源の所要量が削減されます。製造オーダーまたは計画オーダーに対する供給数量も、先日付工程で予想される歩留損失に基づいて削減されます。
工程歩留を使用して正確な原価を計算するためには、Oracle Shop Floor Managementを使用することを検討してください。
既存のショップ型製造オーダーの工程歩留を考慮すると、既存の製造オーダーの実際の歩留による影響を認識する際の計画の応答時間が短縮されます。工順に定義される工程歩留は見積です。実際の廃棄取引が発生すると、計画エンジンでは現行の製造オーダー数量と先日付の計画歩留損失が考慮され、削減後の供給数量が決定されます。このように供給数量を動的に再計算することで、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、より正確に先日付の計画オーダー数量を計算できます。
また、次の数量に対する歩留損失の影響を見積もることで計画の精度も向上します。
供給数量。Oracle Global Order Promisingと計画担当は、既存の製造オーダーに対する工程歩留の影響を把握しやすくなります。
構成部品所要量。後工程の構成部品所要量をより正確に計算することで在庫が削減されます。
生産資源所要量。制約付き計画の実施機能が向上します。
品目の工順工程のいずれかに歩留損失がある場合、計画エンジンでは次の操作が実行されます。
WIP製造オーダーの現在位置(工程と工程間ステップ)と残りの工程の工程歩留損失を反映させるために、データ収集中にWIP製造オーダーの構成部品と生産資源の所要量が再計算されます。
製造オーダーの現行数量と現在位置および先日付工程で引き続き考慮される累積歩留戻しに基づいて、供給数量が計算されます。計画エンジンでは、WIP製造オーダーの供給数量はMRP算入数量 - 完了数量 - 廃棄数量としては計算されません。
品目の工順のどの工程にも計画歩留損失が含まれていない場合は、Oracle Advanced Supply Chain Planningにより構成部品と生産資源の所要量が収集され、使用されます。
計画数量と供給数量の計算
各工程の計画数量は、直前の工程の見積歩留損失だけ削減されます。構成部品と生産資源の所要量は工程の計画数量を使用して計算されるため、これらの所要量もその工程での予想数量まで削減されます。
製造オーダーの供給数量も、すべての計画済工程での工程歩留を考慮して削減されます。
計画オーダーの場合は、製造オーダーの開始数量と各工程での計画数量を増やすことで工程歩留が考慮されます。
ショップ型製造オーダーの場合は、次の算式が使用されます。
計画数量 = (キュー、実行および前工程の移動待ちでの数量) + (前工程からの計画数量 x 前工程からの工程歩留)の合計
したがって、工順に工程歩留があると、計画エンジンではショップ型製造オーダーの値が使用されるかわりに計画数量が計算されます。
次の表に、ショップ型製造オーダーに関する例の計画数量の計算を示します。資材所要量計算は「資材所要量の計算」のショップ型製造オーダーの例と同じで、生産資源所要量計算は「生産資源所要量の計算」のショップ型製造オーダーの例と同じであることがわかります。
工程番号 | キュー(Q)/実行(R)/移動(M)へ | 完了数量 | 廃棄数量 | 工程歩留(%) | 累積歩留戻し(%) | 計画数量 |
---|---|---|---|---|---|---|
10 | - | 100 | - | 100 | 72.9 | 0 |
20 | 20(M) | 100 | 50 | 90 | 72.9 | 0 |
30 | 15(R) | 15 | 10 | 100 | 81 | 35 |
40 | 3(Q)、2(M) | 2 | - | 90 | 81 | 38 |
50 | - | - | - | 100 | 90 | 36.2 |
60 | - | - | - | 90 | 90 | 36.2 |
70 | - | - | - | 100 | 100 | 32.58 |
資材所要量の計算
資材所要量は次のように計算されます。
所要数量 = 最小((計画数量 + 完了数量) * 使用量 - 出庫数量、0)
資材所要量の計算中に、ユーザーが「資材所要量」ウィンドウを使用して資材を製造オーダーに対して手動で出庫できます。したがって、工程ごとに計算される構成部品の数量では、出庫数量が考慮されます。
次の表に、「計画数量と供給数量の計算」のショップ型製造オーダーの例に関する資材所要量の計算を示します。生産資源所要量の計算は、「生産資源所要量の計算」のショップ型製造オーダーの例と同じであることがわかります。
工程10での構成部品Aの出庫は、破損(構成部品歩留)による超過出庫です。
工程20での構成部品Bと工程40での構成部品Dの出庫は、手動による不足出庫です。同様の不足出庫は、「組立プル」タイプのすべての構成部品に発生する可能性があります。
工程60での構成部品Eの出庫は、事前に実行されています。
工程番号 | 計画数量 | 完了数量 | 構成部品 | 使用量 | 出庫数量 | 所要数量 | オープン所要量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 0 | 100 | A | 1 | 120 | 100 [0+100)*1] | 0 [最大(100-120,0)] |
20 | 0 | 100 | B | 1 | 0 | 100 [0+100)*1] | 100 [100-0] |
30 | 35 | 15 | C | 1 | 15 | 50 [(35+15)*1] | 35 [50-15] |
40 | 38 | 2 | D | 1 | 11 | 40 [(38+2*1] | 39 [40-1] |
50 | 36.2 | - | - | - | - | - | - |
60 | 36.2 | - | E | 1 | 30 | 36.2 [36.2*1] | 6.2 [36.2-30] |
70 | 32.58 | - | - | - | - | - | - |
生産資源所要量の計算
品目基準の生産資源所要量は次のように計算されます。
生産資源所要量(工程) = 最大(((計画数量(工程) + 完了数量) * 使用量 - 適用済生産資源時間)、0)
ロット基準の生産資源所要量は次のように計算されます。
生産資源所要量(工程) = 使用量 - 適用済生産資源時間
次の表に、「計画数量と供給数量の計算」のショップ型製造オーダーの例に関する資材所要量の計算を示します。資材所要量の計算は、「資材所要量の計算」のショップ型製造オーダーの例と同じであることがわかります。
工程番号 | 計画数量 | 完了数量 | 生産資源 | 使用量 | 基準 | 適用済時間 | 所要時間 | オープン所要時間 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 0 | 100 | R1 | 1 | 品目 | 100 | 100 | 0 |
20 | 0 | 100 | R2 | 1 | ロット | 1 | 1 | 0 |
30 | 35 | 15 | R2 | 1 | 品目 | 15 | 50 [(35+15)*1] | 35 [50-15] |
40 | 38 | 2 | R2 | 2 | ロット | 2 | 2 | 0 |
50 | 36.2 | - | R3 | 1 | 品目 | - | 36.2 | 36.2 |
60 | 36.2 | - | R3 | 1 | 品目 | - | 36.2 | 36.2 |
70 | 32.58 | - | R3 | 1 | 品目 | - | 32.58 | 32.58 |
ショップ型製造オーダーに工程歩留の使用
「部品構成表」->「工順」にナビゲートします。
「工順」ウィンドウ
特定の工程の歩留を入力します。
「ワークベンチ」->「品目」にナビゲートします。
「工順工程」ボタンをクリックします。
「工順工程」ウィンドウ
工順の工程歩留を表示します。
「生産資源」ボタンをクリックします。
「生産資源」ウィンドウで、「所要量」ボタンをクリックします。
「生産資源所要量」ウィンドウ
各工程間ステップの現行数量を表示します。
「生産資源所要量」ウィンドウに表示される情報の詳細は、「「生産資源所要量」ウィンドウ」を参照してください。
「生産資源所要量」ウィンドウには、「生産資源」計画属性が「Yes」に設定されている計画済生産資源を含む工程のみが表示されます。WIP製造オーダーが計画済生産資源を使用しない工程にあると、その製造オーダーは正しく計画されますが、「生産資源所要量」ウィンドウでは工程間ステップの数量を表示できません。
品目の代替製造方法では、通常、柔軟な工順定義が必要です。ネットワーク工順を使用すると、複数の製造パスを柔軟に定義できます。ネットワーク工順は、ソースでOracle OSFMを使用して定義します。ネットワーク工順の設定時に、特定のパスで処理する必要があると予想されるオーダーの比率を指定できます。これを計画率と呼びます。
APSの「収集」プログラムを使用して、ネットワーク工順を計画サーバーに収集できます。ネットワーク工順のスナップショットを作成して、計画の実行時に既存のロット基準製造オーダーと計画オーダーの生産資源所要量の計算と計画に使用できます。ネットワーク工順を使用したオーダーの計画方法として次のいずれかを選択できます。
「プライマリ・パス」(デフォルト)
計画率
最適化
方法を選択するには、ASCPで「設定」にナビゲートして「パラメータ」フォームを使用します。OSFMの「ネットワーク計画方法」パラメータを組織について設定すると、計画方法を組織レベルで選択できます。
「計画率」または「最適化」を選択した場合は、ソース上のOracle Shop Floor Management(OSFM)の工順に対してソース上で「工程歩留の計算」コンカレント・プロセスを実行します。
次のダイアグラムに、ネットワーク工順を示します。
ネットワーク工順
名称が示すとおり、プライマリ・パス上のオーダーを計画できます。この場合、Oracle ASCPではプライマリ・パスに基づいて累積歩留戻しと正味計画率が計算されます。
この方法では、ネットワーク工順上のユーザー指定の計画率から導出された累計計画率が使用されます。図のように、工程連番20の生産資源所要量は100 * 工程連番20の正味計画率について計算されます。100単位のオーダーであれば、工程連番40の生産資源所要量は8単位について計算されます。
この方法では、製造現場の現行の条件を分析して代替パスを適切に選択し、様々なパスで処理する必要のある数量を決定できます。特定のオーダーを指定し、そのオーダーをプライマリ・パス上で計画できる必要があります。プライマリ・パス上で生産能力制約に達した場合、プライマリ・パスを使用してオーダーをできるだけ計画し、オーダーの残余数量を代替パス上で計画できる必要があります。代替パスに進む場合も、目的はできるだけ早くプライマリ・パスに戻ることです。たとえば、工程40で生産資源を計画する場合は、パス70、80、またはパス50、70、80ではなく、パス50、60、80を求める必要があります。制約なし計画には、この方法を使用しないでください。
プライマリ・パスと代替パスのどちらを使用するかの決定は、システム・レベルのプロファイル・オプションを使用して左右できます。Oracle ASCPには、スケジューリングの決定を左右するためのプロファイル・オプションが用意されています。Oracle ASCPでは、次のプロファイル・オプションで定義されたウィンドウでの生産資源の可用性に基づいて、オーダーが計画されます。
「MSO: ネットワーク工順サイクル時間係数」は、ネットワークの最長パスの倍数です。最長パスは、理論上の継続期間に基づきます。
「MSO: ネットワーク工順固定時間ウィンドウ」は、ウィンドウに追加する固定日数です。
ネットワーク上で最長パスを使用する継続期間が5日の場合に、「MSO: ネットワーク工順サイクル時間係数」に2、「MSO: ネットワーク工順固定時間ウィンドウ」に3を入力すると、合計ウィンドウ・サイズは固定時間ウィンドウ + サイクル時間計数 * ネットワーク上の最長パス、つまり3+2(5) = 13日となります。
次の2つのプロファイル・オプションを使用して、スケジューリングの決定をさらに左右できます。
「MSO: ネットワーク・フロー・バックワード圧縮率」で、前倒し計画中に前述のウィンドウ内で計画に使用可能な生産資源の比率を指定します。このプロファイル・オプションを60%に設定すると、システムでは前述のオプションで指定したウィンドウ内の使用可能生産能力の60%のみが前倒し計画時に考慮されます。
「MSO: ネットワーク・フロー・フォワード圧縮率」で、先送り計画中に前述のウィンドウ内で計画に使用可能な生産資源の比率を指定します。このプロファイル・オプションを20%に設定すると、システムでは前述のオプションで指定したウィンドウ内の使用可能生産能力の20%のみが先送り計画時に考慮されます。
この2つのプロファイル・オプションを使用すると、オーダーの納期搬送を柔軟に管理できます。
次の場合には、ネットワーク工順が不完全になり、計画結果に影響する可能性があります。
ネットワーク工順があり、ボトルネック生産資源グループを使用しており、ボトルネック生産資源グループに生産資源を1つ以上含めていない場合。
ある工程の全生産資源のスケジューリングをオフにしてから、この工程を使用するようにネットワーク工順に対して指示する場合。
生産資源時間の計算には、プロファイル・オプション「MSO: 工順使用浮動小数点精度」が適用されます。例:
品目の工順で1個当たり0.05時間または1個当たり3分の生産資源を使用する場合、効率と稼働率はどちらも90%となります。
その生産資源に数量680の供給オーダーが計画されます。
予想される生産資源消込は34時間[680個 * 1個当たり0.05時間]です。
「MSO: 工順使用浮動小数点精度」を100とします。
計画エンジンでは、稼働率と効率を考慮して、次のように生産資源所要量が41.933333として計算されます。
1個当たりの生産資源所要量: 精度係数100で3.70分[3 / (0.9 * 0.9)]
680個当たりの生産資源所要量: (3.70 * 680) / 60
「MSO: 工順使用浮動小数点精度」を10,000とします。
計画エンジンでは、稼働率と効率を考慮して、次のように生産資源所要量が41.975266として計算されます。
1個当たりの生産資源所要量: 精度係数10,000で3.7037分[3 / (0.9 * 0.9)]
680個当たりの生産資源所要量: (3.7037 * 680) / 60
「MSO: 工順使用浮動小数点精度」を1,000,000とします。
計画エンジンでは、稼働率と効率を考慮して、次のように生産資源所要量が41.975300として計算されます。
1個当たりの生産資源所要量: 精度係数 1,000,000で3.703703分[3 / (0.9 * 0.9)]
680個当たりの生産資源所要量: (3.703703 * 680) / 60
Oracle Global Order Promisingでは、CTP中の生産資源と資材の所要量の計算時に正味計画率(NPP)が考慮されます。前述のダイアグラムでは、ノード30で必要な生産資源と資材の所要量はオーダー数量 * RCY * 0.8(NPP) * 組立当り数量となります。
計画との統合により、特定のロット基準製造オーダーの先日付工程詳細を保存するかどうかを選択するオプションが提供されます。先日付工程の詳細は、Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)で特定の製造オーダーについて更新できます。これにより、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは計画中に特定の製造現場の先日付工程詳細が使用されます。
ロット基準製造オーダーの作成時には、次の詳細を含んだネットワーク工順の独自コピーが表示されます。
ネットワーク・フローの全候補。このデータは、現行工程からの先日付工程に関して存在します。工程歩留や計画率など、工程に関連付けられている全工順情報が製造オーダー詳細に保存されます。
代替生産資源の全候補。
代替構成部品の全候補。
使用が推奨されるネットワーク・フロー、生産資源および構成部品。
お薦めパス上の生産資源の計画日。
Oracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)では、特定の製造オーダーのお薦めパスを更新できます。これにより、ロット基準製造オーダーには完全なお薦めパスが確実に存在することになります。計画エンジンでは、これは特定の製造オーダーのプライマリ・パスとして解釈され、次回の計画サイクルでこの製造オーダーに使用されます。
計画エンジンでは、プライマリ・パスのスケジューリング詳細がOracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)にリリースされます。この詳細には、推奨計画日、生産資源および構成部品が含まれます。この詳細を更新して、特定の製造オーダーに関して行われる決定を左右できます。既存の製造オーダーを再計画する場合、計画エンジンでは工程歩留、推奨構成部品およびお薦めパスに関して更新済の情報が使用されます。
特定の計画機能がOracle Shop Floor Manufacturing(OSFM)と連携して動作します。次の操作を実行できます。
既存の製造オーダーの先日付工程に使用する代替生産資源を提供できます。これは、制約付き計画にのみ影響します。
計画オーダーの開始数量または完了数量にオーダー・モディファイアを適用できます。
現行工程がすでに開始されている場合に、その工程を確定とみなすことができます。製造オーダーが工程間実行ステップにある場合、現行工程はすべて確定(確定開始日、終了日、生産資源および割当ユニット)とみなされます。先日付工程と製造オーダーの完了日も先送りされることがあります。これは、制約付き計画にのみ影響します。
「サプライ・チェーン計画」->「設定」->「パラメータ」にナビゲートします。
組織の計画方法を「プライマリ・パス」に設定します。
計画方法を「計画率」または「最適化」に設定すると、計画エンジンではパスの全候補上で数量が計画されます。通常、製造現場で実行されるパスは1つのみのため、これは詳細計画には役立たない場合があります。
製造現場の製造オーダーに関する製造オーダー詳細を保存するかどうかを管理するには、プロファイル「WSM: 製造オーダー・レベルBOMおよび工順コピーを作成」を「Yes」または「No」に設定します。
このプロファイル・オプションの設定は、すべての製造現場組織に影響します。ビジネス用に選択できる動作は1つのみです。複数のソース・インスタンスがある場合は、すべての製造現場組織に同じ動作を使用する必要があります。
製造オーダーの完了日が日次バケット水平に含まれていることを確認します。
次のプロファイル・オプションをビジネス要件にあわせて設定します。
MSC: ロット基準製造オーダー詳細を使用したレガシー収集
MSC: 開始数量へのオーダー・モディファイアの適用
MSC: BOM改訂日がオーダー日と異なる場合にWIP詳細をリリース
MSC: ユーザーによるリリースのみ
MSC: WIP生産資源所要量の水増し
前述のプロファイルの詳細は、「MSCプロファイル・オプション」を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、計画オーダーと再計画の詳細をリリースできます。計画方法が「プライマリ・パス」に設定され、製造オーダーが日次計画水平の範囲内で完了するように計画されている場合、計画エンジンでは詳細をOracle Shop Floor Management(OSFM)にリリースできます。
「プランナ・ワークベンチ」で、ショップ型製造オーダーと計画オーダーをリリースします。
「リリース」ウィンドウ
「需要/供給」ウィンドウの「リリース・プロパティ」タブを使用して、計画オーダーのオーダー詳細を更新できます。計画オーダーの数量または日付を変更しても、これらの決定はオーダー詳細に反映されず、オーダー詳細はリリースされません。この場合、計画エンジンでは製造オーダーのヘッダー情報のみがリリースされ、Oracle Shop Floor Management(OSFM)では部品構成表と工順が展開されて詳細が提供されます。
工程詳細を表示するには、「OSFM」->「ロット基準製造オーダー」にナビゲートします。
製造オーダーを問い合せます。
「ツール」->「計画詳細」を選択します。
「ツール」メニュー
「計画詳細」ページが表示されます。
「計画詳細」ページ
特定の工程の歩留を表示して更新するには、工程行の最後にある「詳細」アイコンをクリックします。
「工程」ページ
特定の工程の生産資源を表示して更新するには、工程詳細にドリルダウンして主生産資源と代替生産資源を表示します。
「工程」ページのドリルダウン
「OSFM」->「生産資源計画の表示」にナビゲートします。
生産資源計画のガント・チャート・フォーム
作業環境を定義して、表示する生産資源を指定します。生産資源は、既存の製造オーダーによる利用時間に基づいて表示されます。
生産資源を利用している供給と生産資源過負荷を表示します。
ガント・チャートで製造オーダーを選択し、右クリックして「代替生産資源」を選択します。
生産資源計画のガント・チャート・フォーム、右クリック・オプション
供給を選択し、右クリックして「代替生産資源」を選択します。
これにより、この生産資源が推奨されている製造オーダーに保存されたコピーが更新されます。計画エンジンでは、この生産資源が以降の計画で主生産資源として使用されます。
構成部品所要量を表示して更新するには、「計画詳細」->「工程」ページにナビゲートして「構成部品」サブタブを選択します。
製造オーダー名を問い合せます。
「工程」ページ、「構成部品」サブタブ
ドリルダウンして構成部品詳細をレビューします。
「構成部品の更新」ページ
構成部品所要量を変更し、使用する代替構成部品を選択します。
工程の構成部品所要量を変更すると、変更内容を反映するために構成部品歩留が更新されます。
「資材所要量」フォームを使用して、現行工程に必要な構成部品を更新することもできます。
お薦めパスを更新するには、「OSFM」->「要求の実行」->「オープン製造オーダーのコピーのリフレッシュ」にナビゲートします。
これは、この製造オーダーのプライマリ・パスとして解釈されます。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、お薦めパスが次回の計画サイクルでこの製造オーダーのプライマリ・パスとして使用されます。
Oracle Shop Floor Management(OSFM)では、特定のロット基準製造オーダーの部品構成表と工順のコピーが保存されます。既存の製造オーダーの部品構成表と工順を変更した場合は、「オープン製造オーダーのコピーのリフレッシュ」コンカレント・プロセスを使用して、その製造オーダーを更新できます。
「お薦めパスの更新」ページ
データ収集後、計画エンジンでは更新した製造オーダー固有の詳細が使用されます。
製造オーダーが確定済の場合、計画エンジンでは生産資源は変更されません。非確定製造オーダーの場合、計画エンジンでは先日付工程に代替生産資源を使用できます。
計画エンジンでは、ロット基準製造オーダーからの推奨生産資源が使用されます。
お薦めパスに変更があると、代替パスには確定対象となる既存の計画日がなくなるため、計画エンジンによる全工程の再計画が必要になる場合があります。
「オープン製造オーダーのコピーのリフレッシュ」コンカレント・プロセスのパラメータ
Oracle Advanced Supply Chain PlanningはOracle Complex Maintenance Repair and Overhaulと統合されており、定例および定例でない保守要件に関連付けられている資材所要量を計画およびスケジューリングできます。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、訪問予定にリンクされている資材所要量の計画中に、Oracle Demand Planningからの資材所要量の統合需要予測とOracle Inventory Optimizationからの安全在庫需要も考慮されます。
計画エンジンでは、前述の入力がすべて収集され、資材の移動または調達に関する補充推奨が生成されます。これらの推奨を参考にすると、計画済(定例の保守に関連付けられた)資材所要量と計画外の(定例でない保守に関連付けられた)資材所要量の両方について、需要と供給の変動に対処するために事前に資材を適切に計画できます。また、定義済の在庫予算制約に基づいて、特定のサービス・レベルを満たすために、最適在庫を維持することもできます。
資材所要量を満たせない場合は、計画エンジンにより例外が生成されます。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、推奨日と例外をOracle Complex Maintenance Repair and Overhaulに戻すことができます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、次の資材計画機能を実行できます。
「サプライ・チェーン計画」->「名称」にナビゲートして、サプライ・チェーン計画を作成または変更します。
「計画オプション」->「組織」タブにナビゲートし、次の計画オプションを指定します。
「グローバル需要計画」リージョンで、計画を導出するグローバルまたはローカル(組織固有)の需要計画シナリオの名称を選択します。
「組織」リージョンで、「受注を含む」チェック・ボックスを選択します。これにより、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulで訪問予定に関連付けられている資材所要量が追加されます。これらの所要量により、Oracle Demand Planningからの資材所要量の需要予測合計が消し込まれます。
「需要計画」リージョンで、Oracle Demand Planningからの需要予測と需要予測変動の出力に応じてOracle Inventory Optimizationで規定されている安全在庫目標を含んだ、在庫最適化計画を指定します。
「収集」->「Oracleシステム」->「標準収集」にナビゲートして収集を実行します。
「計画データ収集」ウィンドウが表示されます。
「計画データ・プル」プログラムの「パラメータ」フィールドを選択します。
「パラメータ」ウィンドウが表示されます。
次のパラメータを設定して、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulからデータを収集します。
「インスタンス」値リストから、適用可能なOracle Complex Maintenance Repair and Overhaulインスタンスを選択します。
「受注」値リストから「Yes」を選択します。
計画エンジンにより、次の需要ソースからデータが収集されます。
Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulからの訪問予定に関連付けられている資材所要量
Oracle Demand Planningからの資材所要量の統合需要予測
Oracle Inventory Optimizationからの安全在庫需要
「サプライ・チェーン計画」->「起動」にナビゲートして計画を実行します。
「サプライ・チェーン計画」->「ワークベンチ」にナビゲートします。
「プランナ・ワークベンチ」フォームが表示されます。
レコードを選択し、右クリックして「「需要/供給」ウィンドウ」を選択し、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulの需要にペグされている供給を表示します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、訪問予定に関連付けられている資材所要量が受注として表示されます。これらの受注が確定として表示されるのは、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulですでに訪問が計画済で、組織に関連付けられているためです。
受注番号は次のように表示されます。
<訪問番号>.<タスク番号>.Complex MRO
たとえば、資材所要量Aの情報が次のとおりであるとします。
訪問番号 = 170
タスク番号 = 2
「需要/供給」ウィンドウには、Aのオーダー番号が170.2.Complex MROと表示されます。
「プランナ・ワークベンチ」->「例外詳細」ウィンドウにナビゲートします。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは計画済の訪問タスクが受注としてモデル化されるため、受注の再計画推奨を表示して、計画エンジンで考慮される資材制約、輸送制約およびカレンダ制約が、資材の可用性とOracle Complex Maintenance Repair and Overhaulでの訪問タスクの予定日にどのように影響するかを判断する必要があります。
受注をリリースし、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulで資材の予定日を更新します。
「ユーザーの作業環境」->「その他」タブにナビゲートし、「受注対象」チェック・ボックスを選択して、各受注の資材使用可能日を、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulでの資材所要量の予定日として、Oracle Complex Maintenance Repair and Overhaulにリリースします。
「プランナ・ワークベンチ」->「需要/供給」ウィンドウにナビゲートします。
リリースする計画オーダーの「リリース」チェック・ボックスを選択します。
「計画」->「リリース」メニュー・オプションを選択します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningにより、該当する受注について計算された資材使用可能日が、該当する訪問タスクの新しい予定日としてOracle Complex Maintenance Repair and Overhaulに送られます。
「Oracle Complex Maintenance, Repair, and Overhaul」職責を選択します。
「計画」->「長期計画」->「訪問」にナビゲートします。
予定資材と予定日のチェック対象に該当する訪問を選択し、「訪問の計画」ボタンをクリックします。
「訪問の計画」ページが表示されます。
左側のメニューから「予定資材」を選択します。
「予定資材」ページが表示されます。
このページで予定日と数量を確認できます。Oracle Advanced Supply Chain Planningから戻された例外日付(資材が必要だが使用可能でない日付)も表示されます。
詳細は、『Oracle Complex Maintenance, Repair, and Overhaul User's Guide』および『Oracle Demand Planning Implementation and User's Guide』を参照してください。