Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド リリース12 E06012-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章のトピックは、次のとおりです。
ここでは、ビジネス要件に最も適した計画タイプの選択に役立つ機能について説明します。サプライ・チェーン環境に適したグローバル・サプライ・チェーン計画か、または1つの組織の環境に適したサブセット計画を実行するように選択できます。また、在庫回転率、納期搬送および計画収益の最大化などのビジネス目的に基づいて、制約付き、制約なしまたは最適化済の計画区分を選択することも可能です。さらに、集計レベルを指定して様々な詳細レベルで計画を表示できます。
Oracle ASCPでは、単一の複数組織サプライ・チェーン計画内でサプライ・チェーン全体の計画オーダーを生成できます。次の図に、これをサプライ・チェーンのサンプルで示します。サプライ・チェーンのサンプルおよび部品構成表のサンプルも参照。
このサプライ・チェーンのサンプルでは、SF1とSF2は半組立施設、AF1は最終組立施設、DC1とDC2は物流センター、C1、C2、C3およびC4は顧客、S1、S2、S3およびS4は仕入先です。
サプライ・チェーン全体の単一計画の入力は、次のとおりです。
計画水平の各タイムバケットにおける、DC1のA01に対する需要数量(需要予測 + 実績受注)。これは、DC1の基準需要計画(MDS)から取得されます。
計画水平の各タイムバケットにおける、DC2のA01に対する需要数量。これはDC2のMDSから取得されます。
計画出力には、A01とその全構成部品および副構成要素に関する計画オーダーの数量、開始日および完了日が含まれます。
グローバル・サプライ・チェーン計画を実行するための前提条件は、次のとおりです。
計画対象となる各組織をソース・インスタンス上で設定する必要があります。
収集プログラムで、計画対象となる各組織の取引インスタンスからデータを収集するように指定する必要があります。
計画対象品目を、その品目を生産(または配分)できる各組織で使用可能にする必要があります。品目は、設定時に全組織または特定の組織でのみ使用可能にすることができます。
一括計画の対象となる各組織に、計画品目の工順または資源構成表、あるいはその両方が存在するか、または使用可能にする必要があります。
すべての関連組織で仕入先とソース・ルールを使用可能にする必要があります。
単一計画アプローチには、次の利点があります。
最小限の計画作業。生成する計画数が少ないほど、配置と保守を必要とする計画サーバー数が減少します。
データ整合性。単一計画機能を使用しない場合は、所要量をサプライ・チェーン内の上位で連続する各仕入先施設へと繰返し転送する必要があります。転送は、それぞれが通信エラーやデータ消失の機会を表します。
グローバル最適化。Oracle ASCPによりサプライ・チェーンの計画オーダーが一括して最適化されるため、各施設のパフォーマンス(計画収益などで測定)の得失を高度な方法で考慮できます。
最小限の通信遅滞。
サプライ・チェーンの最上位レベルで行われた意思決定の効果を、サプライ・チェーンの最下位レベルで即時に参照可能です。個別の施設計画を使用する場合は、施設で所要量を受け入れてから、その施設の仕入先に依存所要量が渡されるまでに、1回以上の計画実行期間の遅滞が生じます。さらに、上位施設と下位施設間の労働時間の違い(各施設のタイムゾーンが異なる場合など)が原因で、この遅滞がさらに大きくなるのが一般的です。また、上位施設と下位施設の計画サイクルが同期化されているとはかぎりません(顧客施設AF1では計画が月曜日に実行されるが、仕入先施設SF1では計画が日曜日に実行されるなど)。このため、通信遅滞がさらに長くなることさえあります。
計画の通信遅滞には、顧客需要の変化に対処するためのサプライ・チェーンの応答性が低下するという全体的な影響があります。
複数のサプライ・チェーン計画を使用できます。計画を初めて起動する前に、その名称を付ける必要があります。
新規計画を作成するには、別の計画から情報をコピーする方法もあります。この方法を使用するのは、次の場合です。
特定の計画を再実行する前に、その計画の実行結果を保存する場合
別の計画の最新の実行結果に新しい計画名を付けて使用を開始する場合
既存の計画と同じ計画オプションを指定して新規計画を作成する場合
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「名前」を選択します。
「サプライ・チェーン計画名」ウィンドウが表示されます。
「サプライ・チェーン計画名」ウィンドウ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
名称 | 計画名を定義します。 |
摘要 | 計画についての説明を定義します。 |
ATP | このチェック・ボックスを選択すると、この計画は可用性チェックに使用されます。計画が24 x 7 ATP計画として使用される場合、計画プロセスでは、当初の計画が正常に完了した後に、コピーした計画から新バージョンの計画に切り替わらない場合があります。プロファイル・オプション「MSC: ATP 24x7 計画実行中に許可された処理」および「MSC: ATP同期化停止時間(分)」の設定を検討してください。 |
生産 | このチェック・ボックスを選択すると、これは生産計画となります。計画オーダーは、リリース・タイム・フェンス内に自動的にリリースされます。 |
通知 | このチェック・ボックスを選択すると、計画に関する例外メッセージの通知が有効化されます。 |
計画タイプ | 有効な値は、「製造計画」、「生産計画」および「物流計画」です。この設定と「計画方法」品目属性の相互作用により、「計画品目」パラメータで指定した条件を通過した品目のサブセットのうち、どれが計画対象となるかが決定されます。詳細は、「計画タイプの選択」を参照してください。 |
作業内容を保存します。
「計画オプション」ウィンドウで計画オプションを選択します。
「計画オプション」ウィンドウ
計画オプションとパラメータの設定に進みます。
「計画のコピー」機能を使用して、既存計画のコピーを作成できます。
メモリー・ベース・プランナのフラット・ファイルが存在しないと、「計画のコピー」プロセスは「警告: 「計画のコピー」処理は正常に完了しました。 しかし、コピーできなかった補助データ・ファイルがあります。 このためオンライン・プランナを実行できません。 ナビゲータから計画を再起動してください。」という警告を戻して完了します。
「サプライ・チェーン計画名」ウィンドウで計画を選択し、「計画のコピー」をクリックして「計画のコピー」ウィンドウを開きます。
「計画のコピー」ウィンドウ
「計画名」および「計画摘要」フィールドに、新規計画の名称および摘要を入力します。
「計画名」フォームで新規計画を作成する場合と同様に、「ATP」、「生産」および「通知」の各チェック・ボックスを選択するか、選択を解除します。
「計画タイプ」はソース計画の計画タイプにデフォルト設定され、すべての計画情報をコピーする場合は変更できません。
計画オプションをコピーできるのは、ある計画から計画タイプの異なる別の計画にコピーする場合のみです。その場合は、「計画オプションのみコピー」を選択し、新規計画の計画タイプを選択します。
新規計画の「無効日」を入力します。
「OK」をクリックします。
作業内容を保存します。
サプライ・チェーン計画全体のMPP計画の外側で、サプライ・チェーンの一部を別に計画することが意味を持つ場合があります。
半組立工場SF1(図: サプライ・チェーンのサンプル)があり、M12(図: 部品構成表のサンプル)を生産しており、高額な資本設備があるとします。SF1はサプライ・チェーン全体の制約であるため、生産資源が稼働する毎分ごとに企業に収益がもたらされます。生産資源負荷率は、SF1の最も重要な目的です。ただし、サプライ・チェーン全体としては、製品のライフサイクルが短く、市場も変動しやすいため、在庫回転率が最も重要な目的になる場合があります。この状況では、2段階の計画プロセスを実行できます。
生産資源負荷率を目的とする組織SF1について、M11、M22、B31およびB21(SF1で必要な部分)の計画オーダーを生成するためのMRP
在庫回転率を目的とし、供給計画として前述のMRPを使用する組織DC1、DC2、AF1、SF1およびSF2について、A01、M12、B13、B23およびB21(SF2で必要な部分)の計画オーダーを生成するためのMPP
品目M11の副構成要素である品目B21(図: 部品構成表のサンプル)に、変動しやすい価格設定があるとします。グローバルMPPによりM11とその副構成要素(B21)について施設SF1で生成されるデフォルト計画オーダーを実装するかわりに、サプライ・チェーンを次のように計画できます。
A01、M12、B13、M22およびM11の計画オーダーを生成するための、組織DC1、DC2、AF1およびSF2のMPP計画を作成します。
このMPPを需要計画として組織SF1の基準生産計画(MPS)にロードします。M11の依存需要はA01の計画オーダーから導出されます。
MPSを実行します。
MPSでM11の計画オーダーを手動で調整します(B21に関してタイミングが重要な特別販促を利用するために、M11のオーダーを先にプルするなど)。
調整後のMPSを入力として使用し、組織SF1に関するMRPを実行し、M11構成部品と副構成要素(この場合はB21)の計画オーダーを作成します。
Oracle ASCPのワンステップ・サプライ・チェーン計画機能は、ASCPが企業全体のOracle Applications実装の一部としてインストールされていること、または各種Oracle Applicationsインスタンスやレガシー・システムからサプライ・チェーン間取引データをプルするための収集プログラムが存在することを前提としています。Oracle ASCPで計画オーダーの生成に使用されるネット・チェンジ・スナップショットを作成するには、サプライ・チェーン間データにアクセスできる必要があります。
これが該当しない場合があります。たとえば、サプライ・チェーン内の1つ以上の施設がレガシー・システム上で計画処理や取引処理を実行しており、そのシステムがまだなんらかの収集プログラムを介してOracle ASCPに統合されていない場合です。この状況では、前述のシナリオ2で使用したのと同じステップに従って、未統合の施設をグローバルMPP計画の外側で計画する必要があります。
サブセット計画には(グローバル、単一計画サプライ・チェーン計画とは異なり)、次の2つの主要な注意点があります。
グローバル最適化ではなくローカル最適化
サプライ・チェーンの相互依存性による計画の実現不可能性
最初の注意点は、個別施設を最適化する計画に、最適なグローバル・サプライ・チェーン計画との互換性がない場合があることです。「図: サプライ・チェーンのサンプル」に示した2つの物流センターDC1およびDC2を考えてみます。DC1の納期搬送を最大化する方法は、すべての生産をAF1からDC1に割り付けることです。これと同じロジックがDC2についても保持されます。サブセット計画では得られないグローバル最適化の解決策は、AF1の出力の一部をDC1とDC2の両方に割り付けることで実現します。
サプライ・チェーンの相互依存性を示す単純な例が、「図: サプライ・チェーンのサンプル」の仕入先S3です。この仕入先は、半組立施設SF1およびSF2の両方に品目B21を供給します。SF1およびSF2に対する個別計画の実行では、仕入先S3の共有生産能力を認識できず、B21に対するSF1とSF2の需要の組合せが多すぎる場合に、B21をSF1とSF2にどのように割り付けるのが最善の方法であるかを評価できません。このような状況では、SF1とSF2の個別計画は実現不可能ですが、計画担当に警告するための例外通知さえ生成されません。
通常、生産資源および資材生産能力は、グローバル・サプライ・チェーン計画環境で最も効率的に使用されます。この環境では、計画により生産所要量が複数の組織に配分されます。ただし、グローバル・サプライ・チェーン計画とサブセット計画のどちらを選択するかは、次のように多数の要素によって決まります。
計画対象となる組織の物理的な近接度: 計画対象となる組織が地理的に散在している場合、輸送原価の増大やリード・タイムの長期化により、通常、単一地域の需要を遠隔地にある単一の工場や物流センターから満たすのは困難になります。ただし、遠隔地にある工場からの需要充足に関連した原価は、計画でモデル化できるので注意してください。計画では、工場間の生産割付を最適化し、設定された目的を達成できます。たとえば、生産資源負荷の均衡化が複数組織計画の主目的であれば、計画では、その目的を達成するために複数の工場に生産が配分されます。
生産品目の共通性: 類似製品を複数の組織で生産している場合は、計画で資材と生産資源の可用性、資材原価および加工費などの要素を考慮して最適のサプライ・チェーン計画を作成できるため、グローバル・サプライ・チェーン計画が有益です。
供給ベースの共通性: 共通品目の生産と同様に、仕入先を共有する組織は、グローバル・サプライ・チェーン計画の最適な候補です。これは、各計画の生産要求に応じて、複数の工場に供給を最適に配分できるためです。グローバル・サプライ・チェーン計画では、最終顧客の需要を満たし、在庫を最小限にするために、仕入先生産能力が最も有効に活用するように保証されます。
工場間の連携: 工場間で生産調整が必要な場合は、グローバル・サプライ・チェーン計画を使用する必要があります。たとえば、工場Aが工場Bに半組立品を供給する場合は(工場Aが供給工場)、両方の工場を一括して計画する必要があります。
社内構造: 社内の組織構造も、使用する計画方法の主要な決定要因です。部門間に明確な境界がある場合、グローバル・サプライ・チェーン計画を実施するのは困難です。
次の表は、グローバル・サプライ・チェーン計画とサブセット計画のどちらを実行するかの決定時に考慮が必要な要素を示しています。
ファクタ | グローバル・サプライ・チェーン計画 | サブセット計画 |
---|---|---|
物理的な近接度 | 近隣 | 遠隔地 |
生産品目の共通性 | 高レベルの共通性 | 低レベルの共通性 |
供給ベースの共通性 | 高レベルの共通性 | 低レベルの共通性 |
工場間の連携 | 密接な連携 | 緩やかな連携 |
社内構造 | 集中型社内構造 | 分散型社内構造 |
Oracle Advanced Supply Chain Planningには、ハブ/スポーク計画中に全計画オーダーからの需要を使用するためのオプションが用意されています。計画を他の計画の需要計画として使用すると、計画エンジンではソース計画内の全計画オーダーが需要とみなされて部品構成表が展開され、下位レベル構成部品の需要が作成されます。
ハブ/スポーク計画で使用する複数計画アプローチでは、最上位レベルでサプライ・チェーン全体で計画してから、計画オーダーを全MRP計画品目の下位レベル製造計画にリリースできます。最上位レベルの計画には、最終品目またはクリティカル半組立品を含む最終品目のみと、通常は最終組立工場のみが含まれます。下位レベルの計画(MRP)は構成部品レベルで、最終組立工場と構成部品製造工場が含まれます。ハブ/スポーク計画は、このタイプのサブセット計画に一般に使用される用語です。
ハブ/スポーク計画を使用すると、小規模な品目サブセットに関する最上位レベルの計画を作成してリリースできます。また、ボトルネック生産資源に基づくクリティカル構成部品の認識も容易になります。
2計画プロセスによる複数計画設定では、最上位レベルの計画は常にMPSまたはMPPで、下位レベルの計画はMRPです。
MRPでは「計画なし」を除くどの計画方法でも全品目が計画されるため、MRPは下位レベル計画に最善の選択肢です。この方法では、誤った計画方法を選択したために品目が欠落するリスクが減少します。
注意: 品目属性を共同計画方法(「MRP/MPP計画」または「MPS/MPP計画」)の1つに設定すると、意図しない結果を生じる可能性があるため、このような値には設定しないでください。たとえば、MRP/MPPとしてマークされている品目がMPPに含まれていると、その品目はMRPで再計画されません。共同計画方法の設定を使用する場合は、テスト中に特に注意して意図した結果が得られることを確認する必要があります。
計画品目を2つのグループに分割して複数の計画グループをサポートする必要がある場合は、2計画プロセスを使用できます。たとえば、会社の生産計画担当が、最上位レベル品目と半組立品を計画する必要があるとします。購買担当とMRP計画担当は、生産計画担当からの承認済生産計画に基づいて、それぞれのMRP計画品目の需要を確認する必要があります。また、各計画の実行頻度も異なっています。生産が実施されるのは週に1度か2度ですが、MRPは毎晩実行されます。このようなシナリオでは、2計画プロセスを採用できます。
最上位レベルの計画(この例ではMPP)は、次のようになります。
MDS、需要予測および受注を含む独立需要があります。
MPP、MPS/MPP、MRP/MPP計画品目をすべて計画します。
クリティカル構成部品(クリティカル構成部品としてマークされたMRP計画品目)を計画します。
MPP、MPS/MPPまたはMRP/MPP品目に関するオーダーを、必要に応じて手動または自動的にリリースします。
計画担当は製造現場での必要性に応じてオーダーを手動でレビュー、調整およびリリースします。
計画オーダーと再計画は、MRPの起動後にMRPで参照可能です。したがって、製造現場で必要になるまで、計画担当がリリースする必要はありません。
下位レベルの計画(MRP)は、次のようになります。
MDS、需要予測および受注を含む、MRP計画品目の独立需要があります。
注意: MPPまたはMPS計画品目の独立需要をMRPに追加しないでください。MRPでは、この種の需要は再計画されません。
需要計画としてのMPPまたはMPSがあり、「プラント 間」チェック・ボックスの選択が解除されています。
これにより、MRP計画品目である構成部品を含んだすべてのMPPまたはMPS計画品目の独立需要と供給が、MRPに取り込まれます。
MRPでは計画オーダーを含むMPPまたはMPS供給から下位に展開され、MRP計画品目の需要が作成されます。
すべてのMRP品目と、MPPまたはMPS計画で計画されない他の計画品目が計画されます。
2つのMPP品目または2つのMPS品目の中間にある品目は、MRPによりMRP計画品目として指定され、MRPにより再計画されます。
中間品目には、多数の不整合が生じる可能性があります。この状況は意図しない結果を招く可能性があるため、中間品目を回避することをお薦めします。たとえば、中間品目に主部品構成表と代替部品構成表があると、MPPでは代替部品構成表が選択され、MRPでは主部品構成表が選択される場合があります。このため、2つの計画では中間品目の異なる構成部品が計画されます。中間品目の主構成部品と代替構成部品についても、同様の状況に直面する可能性があります。
中間品目の需要をMRPに追加すると、MRPのMPS部分に対する供給不足のため、MRPの一部の計画オーダーが計画水平からプッシュされます。したがって、中間品目の場合は、すべての需要をMPSに含める必要があります。
MRP制約オプションを選択した場合の効果は、次のとおりです。
生産能力制約の施行(ECC): MPPまたはMPSからの需要について、MRP内の計画オーダーを遅延させることができます。
需要納期の強制(EDD): MRP内の計画オーダーは、MPPまたはMPSからの需要について遅延しません。
MPPがMPP内で参照可能な目的、制約、ペギングおよび需要優先度に基づく計画供給および再計画に達すると、MRPではこれらの計画供給と再計画は変更されません。MRPには異なる目的、制約、ペギングおよび優先度があり、MPP計画供給を正確に再計画できるほど十分なデータがありません。
MRPでは、MPPまたはMPSの計画オーダーにより消し込まれた生産資源生産能力が考慮されます。生産資源がMPPとMRPの両方にある品目、またはMPSとMRPの両方にある品目に共有される場合、MPPまたはMPS品目により消し込まれた生産資源生産能力はMRPで考慮され、残りの生産資源生産能力のみがMRP計画品目に使用可能です。MPPまたはMPS生産資源使用量は、MRPでは再計算されません。
注意: Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、生産資源所要量の日付を使用します。したがって、需要または供給計画の週次バケットまたは期間バケットの途中で取り込まれるオーダーは、バケットの開始時ではなく、実際の計画日に宛先計画で使用できます。
「クリティカル構成部品」オプションを選択してMPS計画を実行した場合、計画エンジンによる計画対象は次のとおりです。
MPSおよびMPS/MPP計画品目。
MPSおよびMPS/MPP計画品目のクリティカル構成部品であるMRPおよびMPP計画品目。
生産資源所要量が制約として選択されている場合、計画はクリティカル構成部品の生産資源所要量で制約されます。
仕入先生産能力が制約として選択されている場合、計画はクリティカル構成部品の仕入先生産能力でも制約されます。
「購買リード・タイムの施行」オプションを選択すると、計画がクリティカル構成部品の購買リード・タイムでも制約される場合があります。
「計画オプション」の品目選択が「需要計画品目」に設定されている場合、需要計画内の品目のクリティカル構成部品でないMRP計画品目は含まれません。たとえば、品目CがMRP計画品目で、品目Xの唯一のクリティカル構成部品であるとします。品目XがMPSの計画品目でなければ、品目CもMPS計画品目ではありません。
クリティカル構成部品のパスまたはクリティカル構成部品と最終品目の間に含まれる全構成部品。
これは、他のMPSまたはMPP品目は、選択されたMPS計画品目と共通するクリティカル構成部品を持つため、MPSにプルされて計画されることを意味します。
たとえば、品目CがMRP計画品目で、品目Xおよび品目Yのクリティカル構成部品であるとします。品目XはMPSの需要計画に含まれています。品目Yはクリティカル構成部品である品目Cのパスに含まれているため、計画エンジンでは品目YがMPSで計画されます。
この場合、品目YはMPS計画品目ではなくクリティカル構成部品として処理されます。たとえば、品目Yの作業指示をMPSからリリースすることはできません。
「クリティカル構成部品を含む」オプションが選択されているMPPまたはMPS計画とボトルネック生産資源グループの場合は、次のように計画されます。
工順上にボトルネック生産資源のある品目は、クリティカル構成部品として計画されます。
ボトルネック生産資源グループの生産資源を使用する全MRP計画品目は、クリティカル構成部品として計画されます。
「計画オプション」で「クリティカル構成部品を含む」と「ボトルネック生産資源」を選択すると、ボトルネック生産資源グループ内の生産資源に基づくクリティカル構成部品が計画自体により判別されます。品目をクリティカル構成部品として個別にマークする必要はありません。
計画エンジンでは、所要量が次の方法で計算されます。
生産資源所要量の計画時には、計画はボトルネック生産資源の生産能力でのみ制約されます。
所要量を正しく相殺するために、制約でない生産資源の生産資源継続期間が計算されます。制約でない生産資源の生産資源負荷が計算され、生産資源過負荷例外が生成されます。過負荷状態のボトルネック生産資源は計画できません。
ボトルネック生産資源を考慮した生産計画または基準計画で計画されたMPPまたはMPS品目の供給はリリースできます。
「在庫」職責を選択します。
「品目」->「組織品目」->「MPS/MRP計画」タブにナビゲートします。
「クリティカル構成部品」チェック・ボックスを選択します。
品目属性が組織レベルとグローバル・レベルのどちらに設定されているかに応じて、全組織の「クリティカル構成部品」品目属性を組織レベルで設定するか、またはグローバルに設定します。
計画エンジンは、品目がクリティカル構成部品かどうかをボトルネック生産資源グループから推論することもできます。クリティカル構成部品はボトルネック生産資源グループ内の生産資源に基づいて選択されるため、品目をクリティカル構成部品としてマークしないように選択できます。
「計画オプション」->「メイン」タブにナビゲートします。
「クリティカル構成部品を含む」チェック・ボックスを選択します。
クリティカル構成部品を含むMPPまたはMPS計画がMRPに需要計画として使用される場合は、次のようになります。
クリティカル構成部品はMRPで計画されます。
MRP計画におけるクリティカル構成部品の供給納期は、次の理由でMPP計画における供給納期とは異なる場合があります。
MRP計画の制約オプションが異なるため
下位レベルに付加的制約があるために、クリティカル構成部品が納期よりも早期になるか、または遅延するため
クリティカル構成部品の搬送日に変更があっても、全MPS品目に関するMPSからの計画オーダー上の日付は変更されません。計画エンジンでは、これらのオーダーが常に確定として処理されます。
MPSにおけるクリティカル構成部品の計画オーダーは、MRPでは無視されます。
MRPにおけるクリティカル構成部品の計画オーダーは、リリースできます。
次のプロファイル・オプションを設定します。
MSC: 需要計画からの計画オーダーのリリースの許可
MSO: 収集開始時間の使用
詳細は、付録A「プロファイル・オプション」を参照してください。
クリティカル構成部品を定義します。
詳細は、「クリティカル構成部品を定義する手順」を参照してください。
MPPまたはMPSを最上位レベルの計画として定義します。
MPPまたはMPS計画を起動します。
生産資源に影響するハブ計画の結果を変更した場合は、スポーク計画に送る前に、ハブ計画に対してオンライン再計画またはバッチ再計画を実行します。
スポーク計画で、「計画オプション」->「組織」タブにナビゲートします。
最上位レベルの計画を、下位レベルの計画であるMRPの需要計画として選択します。
「プラント 間」チェック・ボックスの選択を解除します。
MRP計画を起動します。
「ワークベンチ」->「需要/供給」ウィンドウにナビゲートします。
MPP/MPS計画の需要計画から送られた需要または供給を確認します。
「需要/供給」ウィンドウ
MPSまたはMPPから送られた全需要/供給の「品目ソース計画: 自」チェック・ボックスが選択されています。
この項では、「プラント 間」計画オプションとハブ/スポーク計画の関連について、いくつか例をあげて説明します。
この項に示すいずれの例でも、いつでもMPPをMPSに変更して同じ結果を得ることができます。
単一組織でMPPとMRPを使用しているとします。MPPはMRPに対する需要計画で、「プラント 間」オプションは選択されていません。MRPでは、MPPまたはMPS計画供給は計画されません。
図「単一組織MPP」は、次のことを示しています。
MPP制約付き計画ルールは、次のようになります。
品目A、B、E、D、FおよびJは、MPPの計画対象です。
品目C、H、I、GおよびKは、MPPの計画対象ではなく、MPPでは参照できません。
MPPがMRPに対する需要計画の場合、MRP制約付き計画ルールは次のようになります。
品目A、B、E、DおよびJはMRP計画の対象ではありませんが、品目A、E、DおよびJの計画オーダーをMRPで参照可能です。
中間のMRP計画品目である品目Fは、MRPで再計画されます。
品目C、F、H、I、GおよびKの計画オーダー需要は、MRPで参照可能です。これらの品目はMRPでの計画対象です。
説明:
品目EはMRP/MPP計画対象であり、MPP計画品目と同様に処理されます。品目BがMRP/MPP計画対象で品目EがMPP計画対象の場合、どちらも他のMPP計画品目と同様に計画されるため、計画結果に違いはありません。
いずれかのMPP計画品目の独立需要がMRPに送られると、MRPには「未対応需要」として表示されます。MRPでは、MPPにより計画された品目に対する新規供給は作成されません。
中間品目Fの新規需要がMRPに送られると、MRPでの品目Fの需要合計がMPPでの品目Fの需要合計を超過します。したがって、MRPで検出された需要合計に対して構成部品品目Jが供給不足となります。MRPでは、品目Jの追加供給を計画できません。したがって、品目Fの一部の供給が計画水平の最後にプッシュされます。
単一組織でMPPとMRPを使用しているとします。MPPは、MRPに需要計画として送られ、「プラント 間」オプションは選択されていません。
図「クリティカル構成部品を含む単一組織MPP」は、次のことを示しています。
MPP計画品目は、1、A、D、KおよびMです。
品目GはMRP計画品目ですが、2つのMPP計画品目の中間にあるためMPPによりMPP計画品目として処理され、MRPにより再計画されます。
MRP計画品目はB、C、E、F、G、H、J、L、N、O、P、QおよびRです。
3つのMRP計画品目C、FおよびRはクリティカル構成部品としてマークされています。これらは、MPP計画の制約です。この3つの品目の計画オーダーは、MPPからMRPには渡されません。
品目BはMRP計画品目で、クリティカル構成部品ではありませんが、別のクリティカル構成部品の上位にあるためクリティカル構成部品として処理されます。品目Bの計画オーダーは、MPPからMRPには渡されません。
MPPには、すべてのMPP計画品目に関するリリース済供給と計画オーダー供給の両方が含まれています。下位にMRP計画品目があれば、これらは独立需要および供給としてMRPに渡されます。
MRPの「需要/供給」ビューには、次の情報が表示されます。
計画方法 | 品目 | 確定 | ソース計画: 自 | オーダー・タイプ | 遅延日数 | 数量/レート | 提示開始日 | 提示納期 | 需要充足日 | 希望入手日 | 処理 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MPP | 1 | Yes | 受注 | 1 | -1 | 2003年1月3日 | 2003年1月4日 | ||||
MPP | 1 | 確定 | Yes | MPP計画オーダー | 2003年1月4日 | 2003年1月4日 | 2003年1月3日 | 常になし | |||
MPP | A | Yes | 計画オーダー需要 | -1 | -1 | 2003年1月3日 | 2003年1月4日 | なし | |||
MPP | A | 確定 | Yes | MPP計画オーダー | -3 | 1 | 2003年1月2日 | 2003年1月4日 | 2003年1月3日 | 常になし | |
MRP | E | 計画オーダー需要 | -3 | -1 | 2003年1月2日 | 2003年1月5日 | なし | ||||
MRP | E | 計画オーダー | 1 | 2003年1月4日 | 2003年1月5日 | 2003年1月2日 | リリース | ||||
MRP | C | 計画オーダー需要 | 1 | -1 | 2003年1月2日 | 2003年1月1日 | なし | ||||
MRP | C | 計画オーダー | 1 | 2003年1月1日 | 2003年1月1日 | 2003年1月2日 | リリース | ||||
MPP | D | Yes | 計画オーダー需要 | -1 | -1 | 2003年1月1日 | 2003年1月2日 | なし | |||
MPP | D | 確定 | Yes | MPP計画オーダー | 0 | 1 | 2003年1月1日 | 2003年1月2日 | 2003年1月1日 | 常になし | |
MRP | H | 計画オーダー需要 | 0 | -1 | 2003年1月1日 | 2003年1月1日 | なし | ||||
H | 計画オーダー | 1 | 2003年1月1日 | 2003年1月1日 | 2003年1月1日 | リリース | |||||
MPP | K | 確定 | Yes | 計画オーダー需要 | 0 | -1 | 2002年12月20日 | 2002年12月20日 | なし | ||
MPP | K | 確定 | Yes | ショップ型製造オーダー | -36 | 1 | 2002年12月15日 | 2002年12月20日 | 2002年12月20日 | 常になし | |
MRP | L | ショップ型製造オーダー需要 | -36 | -1 | 2002年12月15日 | 2003年1月21日 | なし | ||||
MRP | L | 計画オーダー | 1 | 2003年1月21日 | 2003年1月21日 | 2002年12月15日 | リリース | ||||
MRP | N | ショップ型製造オーダー需要 | -1 | -1 | 2002年12月18日 | 2002年12月19日 | なし | ||||
MRP | N | 計画オーダー | 1 | 2002年12月19日 | 2002年12月19日 | 2002年12月18日 | リリース | ||||
MPP | M | Yes | 計画オーダー需要 | 0 | -1 | 2002年12月17日 | 2002年12月17日 | なし | |||
MPP | M | 確定 | Yes | 計画オーダー | 0 | 1 | 2002年12月15日 | 2002年12月17日 | 2002年12月17日 | 常になし | |
MRP | Q | 計画オーダー需要 | 0 | -1 | 2002年12月15日 | 2002年12月15日 | なし | ||||
MRP | Q | 計画オーダー | 1 | 2002年12月10日 | 2002年12月15日 | 2002年12月15日 | リリース |
説明:
MPP計画オーダーをMRPからリリースできるかどうかは、プロファイル・オプション「MSC: 需要計画からの計画オーダーのMRPリリースの許可」の値によって決まります。
品目1はMRPの「需要/供給」フォームにも表示されますが、ペギングは品目Aの供給で終了します。
遅延日数情報はMPPから取り込まれます。これは、需要に関してMPPで検出された算出値です。
オーダー番号はMPP計画名であるか、MPPの最終品目需要の場合、計画エンジにより最終品目需要に関してMPPで検出されたオーダー番号が表示されます。最終品目需要の顧客と顧客サイトをMPPで使用可能な場合は、この情報も最終品目需要のMRPに渡されます。
計画エンジンにより、MPPからMRPにオーダー開始日とすべての工程開始日が提供されます。「工程開始日」計画方法を選択している場合は、これによりMRP構成部品の納期が導出されます。
MPPからの計画オーダーの希望入手日は、常にMPP計画需要の提示納期です。
品目CはMRP計画品目で、クリティカル構成部品です。MRPでは計画オーダーが作成され、これらをMRPからリリースできます。MPPで品目Cに関して作成された計画オーダーは、MRPでは参照できません。
この例は、生産能力制約のために早期に計画された計画オーダーを示しています。
品目Kの供給は36日遅延します。サプライ・チェーンの部品構成表からは、品目Aの供給も遅延することが明らかです。ただし、品目AのMPP計画オーダー需要は、この遅延を反映するように変更されていません。MRPでは、遅延日数は次の上位レベルのMPP計画品目について示されますが、遅延日数がサプライ・チェーン部品構成表で上位レベルのMPP計画品目にプッシュされることはありません。
品目Kの供給が36日遅延するため、品目MのMPP計画オーダー日付は、品目Mがその日に必要でない場合にも変更されません。
MPP供給の遅延日数情報は、ペグされる下位レベルの供給に基づきます。
「ソース計画: 自」列が「Yes」になっている行は、需要行と供給行が需要計画(MPSまたはMPP)からのものであることを示します。
4つの組織D2、M2、S1およびM1に関するMPP計画があるとします。
図「複数組織MPP」は、4つの組織間で次の組織間移動が可能であることを示しています。
組織D2の品目AがM2から移動されます。
組織M2の品目LがM1から移動されます。
組織M2の品目EがM2から移動されます。
MPPには、品目1の需要計画が含まれます。MPPはMRPに需要計画として組織D2、M1、M2およびS2ごとに1回ずつ、4回送られます。
MPPでは次の品目が計画されます。
組織D2: 品目1およびA。
組織M2: 品目A、BおよびE。Bはクリティカル構成部品として計画されるのみです。
組織M1: 品目なし。
組織S1: 品目E、F、GおよびI。Iはクリティカル構成部品として計画されるのみです。
MPPは、需要計画としてMRPに送られます。「プラント 間」チェック・ボックスの選択状態に基づいて2つの結果を得ることができます。
MRPには、すべてのMPP計画品目のMPP計画供給が表示されます。MRPでは、次のことを確認できます。
組織D2: なし
組織M2
品目AのMPP計画製造オーダー
S1からの品目EのMPP計画転送オーダー
品目B、CおよびDのMRP計画オーダー
M1からの品目LのMRP計画転送オーダー
組織M1
MPPからはなし
品目L、MおよびNのMRP計画オーダー
組織S1
品目E、FおよびGのMPP計画オーダー
品目HおよびIのMRP計画オーダー
MRPでは、MPSまたはMPP需要計画の「プラント 間」チェック・ボックスが選択されています。MPPまたはMPSからの計画オーダーのうち、MRPに表示されるのはプラント間移動のみです。「プラント 間」オプションが選択された状態の需要計画を送る目的は、プラント間需要を取得してMRPで組織内の全供給を計画させることです。供給はすべてプラント間移動需要にペグされ、MRPに関しては確定とみなされます。プラント間移動需要の日時は変更されません。
Oracle Advanced Supply Chain Planningには基準計画機能が用意されており、製品ファミリ品目を使用して総計生産計画を実行できます。
製品ファミリ・レベルでの需要予測と計画を実行すると、生産資源負荷の問題を予想して解決でき、それ以降に適切な時点で適切なレベルの調達を勧告する上で役立ちます。
また、生産計画(生産資源制約に基づくレベル・ロードのため)と資材計画(調達を促すため)を個別のジョブ機能に分離する場合も、製品ファミリ品目を使用した総計生産計画を実行できます。
受注組立モデルは製品ファミリのメンバーにしないことをお薦めします。
Oracle Advanced Supply Chain Planningには、次の基準計画機能が用意されています。
MPS計画に含まれる製品ファミリ品目の計画オーダーは、通常、次の理由で確定計画オーダーです。
オーダーはレベル・ロード中に確定されます。
プロファイル・オプション「MSC: MPS自動確定計画オーダー」は「Yes」に設定されます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、定義済のタイム・フェンス内の確定計画オーダーを以降のバッチ再計画から排除できます。「MPSの消込」オプションを設定すると、次回の計画実行時には「MPSの消込」タイム・フェンス内の確定計画オーダーが自動的に削除されます。これにより、資材と生産資源の所要量が過大になるのを回避できます。
注意: 標準品目の場合、需要タイム・フェンス、計画オーダーのリリース処理およびWIP製造オーダーの収集処理により、計画オーダーが消し込まれてリリーフされます。ただし、製品ファミリ品目は実行に関して品目を指すのみで、リリースされることはありません。したがって、この種の品目は標準品目に使用されるメカニズムをたどりません。
製品ファミリ品目を定義します。
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の製品ファミリの作成に関する項を参照してください。
「在庫」職責を選択します。
「品目」->「組織品目」->「MPS/MRP計画」タブにナビゲートします。
「MPSの消込」オプションを次のいずれかに設定します。
なし: MPS品目供給のオーダー数量は消し込まれません。
納期超過: 供給納期を超過すると、MPS供給入力のオーダー数量が0(ゼロ)に消し込まれます。
需要タイム・フェンス: 供給が需要タイム・フェンス内にあると、MPS供給入力のオーダー数量が0(ゼロ)に消し込まれます。
計画タイム・フェンス: 供給が計画タイム・フェンス内にあると、MPS供給入力のオーダー数量が0(ゼロ)に消し込まれます。
MPSの消込には「納期超過」オプションを使用し、計画中に展開されて導出される品目については「需要タイム・フェンス」を有効化することをお薦めします。
「MPSの消込」オプションを設定します。
MPS品目の生産計画を実行します。
計画オーダーをレベル・ロードして確定します。
後日、生産計画を再実行します。
確定計画オーダーが「MPSの消込」タイム・フェンスに基づいて削除されていることを確認します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、計画中に次の導出依存需要が生産予測とみなされます。
製品ファミリ品目の一部であるメンバー品目
モデル品目の一部であるオプション区分およびオプション品目
計画エンジンでは、生産予測に需要タイム・フェンス管理が適用されます。これにより、メンバー品目、オプション区分およびオプション品目に関して確実に正しい需要データが得られます。
「在庫」職責を選択します。
「品目」->「組織品目」->「MPS/MRP計画」タブにナビゲートします。
「組織品目」ウィンドウ、「MPS/MRP計画」タブ
メンバー品目、オプション区分またはオプション品目の「予測管理」を「なし」に設定します。
計画エンジンでは、これらの品目の所要量が親予測または親需要に基づいて展開されます。
必要な場合は、メンバー品目の需要タイム・フェンスを定義して、需要タイム・フェンス管理を有効化します。
詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』のMPS/MRP計画属性グループに関する項を参照してください。
導出需要が生産予測として使用可能であることを確認します。
「需要タイム・フェンス」を有効化すると、計画エンジンではメンバー品目の需要タイム・フェンスが使用されます。
「水平プラン」ウィンドウにナビゲートして、依存需要を確認します。
水平プラン
製品ファミリのメンバー品目を複数の出荷事業所から出荷する必要がある場合、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは生産能力と現行の供給条件に基づいて出荷事業所に対する推奨が生成され、予測を特定の出荷事業所に配分できます。このオプションを使用すると、生産計画の製品ファミリ・レベルでソース元の内部組織を決定できます。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
「ソーシング」->「割当セット」にナビゲートします。
「ソース・ルール / 物流構成表割当」ウィンドウが表示されます。
製品ファミリ品目にソース・ルールを割当てます。
ソース・ルール割当の詳細は、『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』のソース・ルールと物流構成表の割当に関する項を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、手順3で定義した割当セットからのグローバル・ソース・ルールが使用され、グローバル予測ルールを使用して予測が配分されます。
グローバル予測の詳細は、第6章「サプライ・チェーン・モデル作成」のグローバル予測に関する項を参照してください。
通常望ましいのは、クリティカル構成部品の利用可能資材と主要ボトルネック生産資源の生産能力を考慮して、最終品目のみの基準計画を作成することです。特定の構成部品をクリティカル構成部品として指定し、特定の生産資源をボトルネック生産資源として指定すると、その構成部品が実際にはMRPで計画される場合にも、MPSまたはMPP計画に制約を適用できます。
「在庫」職責を選択します。
「品目」->「組織品目」->「MPS/MRP計画」タブにナビゲートします。
「クリティカル構成部品」チェック・ボックスを選択します。
計画エンジンでは、品目がクリティカル構成部品かどうかをボトルネック生産資源グループから推論できます。
詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』のMPS/MRP計画属性グループに関する項を参照してください。
「在庫」職責を選択します。
「生産資源グループ参照」フォームでボトルネック生産資源グループを定義します。
「部門生産資源」フォームで、ボトルネック生産資源グループを適切な部門生産資源に割当てます。
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』を参照してください。
「計画オプション」ウィンドウの「制約」タブでボトルネック生産資源グループを指定します。
ボトルネック生産資源グループを計画処理に使用すると、計画エンジンでは全生産資源が計画対象となりますが、ボトルネック生産資源グループに含まれる生産資源の計画処理は、グループに含まれない生産資源の計画処理とは異なります。
ボトルネック生産資源グループに含まれる生産資源の場合は、選択した制約計画オプションを参照して通常の詳細計画処理が実行されます。
ボトルネック生産資源グループに含まれない生産資源の場合は、アクティビティと工程が次のように計画処理されます。
必要な場合。
所要期間(生産資源使用/割当単位)ベース。
生産資源生産能力は考慮されません。処理により生産資源生産能力が過負荷になる場合は、「生産資源過負荷」例外メッセージが発行されます。
計画オプション「生産資源制約」は考慮されません。
計画オプションの設定と、その結果は次のとおりです。
「生産能力制約の施行」をオンにすると、計画エンジンでは、期間による供給遅延を計画処理して、「生産資源制約」例外メッセージを発行できます。
「需要納期の施行」をオンにすると、計画エンジンでは、計画期間開始日に達した時点および計画タイム・フェンスに達した時点で供給が完了するように、期間を短縮できます。期間が短縮されるため、割当単位が増加します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、メンバー品目の積上情報を含む製品ファミリ品目詳細を「水平プラン」ウィンドウに表示できます。
詳細は、第10章「プランナ・ワークベンチ」の製品ファミリおよびメンバー品目へのドリルダウンに関する項を参照してください。
ペギングにより、品目の供給情報を対応する最終需要詳細までトレースできます。
詳細は、第10章「プランナ・ワークベンチ」の予測および生産予測のペギングに関する項を参照してください。
Oracle ASCPでは、次の3タイプの計画を起動できます。
生産計画
製造計画
物流計画
各計画では、資材制約と生産資源制約を考慮しながら、独立需要と依存需要を満たす期間別の計画オーダーが作成されます。
計画タイプを選択することで、単一のグローバル・サプライ・チェーン計画から、サプライ・チェーンの各組織内の品目ごとに手動で調整した計画まで、どの程度のサブセット計画をサプライ・チェーンに対して実行するかを調整できます。
MPS計画では、次の機能がサポートされています。
生産資源の計画中に生産計画用の工順を選択できます。
工順を含む生産計画の場合は、「プランナ・ワークベンチ」でガント・チャートを表示できます。
そのためには、前述した3タイプの計画を、品目ごとに設定する「MRP計画タイプ」品目属性と併用する必要があります。この属性に有効な値は、次のとおりです。
MRP計画
MPS計画
MRP/MPP計画
MPS/MPP計画
MPP計画
また、「計画オプション」の「メイン」タブの「計画対象品目」では、計画エンジンにより特定の計画実行で計画する必要のある品目のタイプを指定します。選択肢は次のとおりです。
「全計画品目」
需要計画品目および全受注: 需要のある全品目と、対応する受注のある全品目が計画されます。
供給計画品目のみ
需要および供給計画品目
需要計画および製造部品
需要計画品目のみ: 需要のある品目のみが計画されます。計画オプション「受注対象」を選択すると(「組織」タブ)、各品目の受注のみが対象となります。
需要計画品目/製造部品/全受注
製造および物流マネージャの職責でサインオンします。
「ナビゲータ」ウィンドウで、「在庫」->「品目」->「マスター品目」を選択します。
製造および物流マネージャの職責でサインオンします。
「ナビゲータ」ウィンドウで、「在庫」->「品目」->「組織品目」を選択します。
各タイプの計画では、「MRP計画タイプ」属性の設定に応じて品目が計画対象となるか、または無視されます。ここでは、計画タイプ(「物流」、「生産」または「製造」)を「MRP計画タイプ」品目属性の値(「MRP計画」、「MPS計画」、「MPP計画」、「MRP/MPP計画」、「MPS/MPP計画」)と併用する基本的な方法に重点を置いて説明します。
サプライ・チェーンのサンプル(サプライ・チェーンのサンプル)とBOMのサンプル(部品構成表のサンプル)に適用される後述の計画では、サプライ・チェーン全体で同じ計画オーダーが生成されます。このことからもわかるように、様々な計画タイプ間には論理的な等価性があります。次の4つの図に示す部品構成表では、カッコ内の値は「MRP計画タイプ」品目属性の設定を示します。
部品構成表のサンプル
各タイプの計画の有効性は、サブセット計画の使用時に明らかになります。たとえば、サブセット計画M12とその構成部品および副構成要素すべてが使用されるとします。このようにする必要がある理由の一部は前述しました。
物流計画を実行して、M12の構成部品と副構成要素を除く全品目の計画オーダーを生成します(部品構成表のサンプル)。
この計画タイプと「MRP計画タイプ」品目属性値の組合せでは、A01、M11、B13、B21およびM12についてサプライ・チェーン全体の計画オーダーが作成され、M22、B23およびB31は省略されます。
この物流計画を生産計画実行に需要計画として使用します。これにより、計画オーダーM12が生成されます。
部品構成表のサンプル
必要に応じてM12のMPSを手動で変更します。
注意: Oracle ASCPでは、この手順を必要とする頻度が以前のリリースよりも低くなっています。これは、Oracle ASCPにより実行される有限生産能力計画では生産資源と資材の可用性が考慮され、したがってMPSを介して生産を手動で平滑化する必要性がほとんどなくなるためです。
生産計画を入力需要計画として使用し、製造計画を実行します。これにより、M12、M22、B23およびB31の計画オーダーが生成されます(部品構成表のサンプル)。
Oracle ASCPでは、次の計画生成オプションを使用できます。
制約なし
生産資源制約
資材制約
資材および生産資源制約
最適化済
これらのオプションを後述の表で確認する前に、次の主要な概念に注意してください。
Oracle ASCPでは、生産能力制約または需要納期の強制方法に優先度を設定できます。他の制約よりも優先される制約はハード制約で、優先度の低い方の制約はソフト制約です。制約タイプは1つのみ選択する必要があります。
「需要納期の施行」を選択(需要納期をハード制約として設定)すると、主生産資源が使用され、需要納期を満たすために生産能力にロードされます。また、追加の生産能力が必要な場合は、システムにより代替生産資源も評価されます。生産能力不足のために需要納期を満たせない場合、主生産資源が過負荷となります。最適化を選択している場合、代替生産資源を使用するか生産能力を過負荷にするかは、原価を考慮するかどうかに応じて異なります。生産能力が過負荷になると、Oracle ASCPにより例外メッセージが戻されます。
「生産能力制約の施行」を選択(生産能力制約をハード制約として設定)すると、需要を満たすために生産資源が上限までロードされます(必要な場合)。未充足需要は先日付にプッシュされます。この場合、Oracle ASCPにより遅延補充例外メッセージが戻されます。
Oracle ASCPでは、計画生成時に複数の最適化レベルを使用できます。次の表に、最適化レベルと各レベルが最も役立つ状況を示します。
次の表に、最適化レベルの範囲を示します。
最適化レベル | 範囲 |
---|---|
非最適化(制約なし、生産資源制約、資材制約、資材および生産資源制約) (計画水平全体に適用される「最適化済」オプションの選択を解除) | サプライ・チェーン計画全体の一時的なサブセットに適用できるローカル設定。これらは、単に計画のどの部分にどのタイプの制約(資材および生産資源)が適用されるかを示します。 計画のうち「生産資源制約」、「資材制約」および「資材および生産資源制約」の期間に対する計画オーダーが、高速ヒューリスティックを介して生成されます。 サプライ・チェーン計画のうち「制約なし」の期間に対する計画オーダーは、常に従来のMRPタイプのロジックを使用して生成されます。 |
最適化済 (計画水平全体に適用される「最適化済」オプションを選択) | サプライ・チェーン計画全体に適用されるグローバル設定。 計画のうち「生産資源制約」、「資材制約」および「資材および生産資源制約」の期間に対する計画オーダーが、線形プログラミング計画アルゴリズムを介して生成されます。このアルゴリズムでは、ユーザーにとって重要な目的が明示的に最適化されます。 |
ここでは、計画オプションの設定方法について説明します。計画オプションは、次のタブ・リージョンに表示されます。
メイン
総計
組織
制約
最適化
決定ルール
計画オプションにアクセスするには、次の2つの方法があります。
ナビゲータから直接アクセスします。
「計画名」フォームにアクセスし、計画を選択して「計画オプション」をクリックします。
「計画オプション」ウィンドウ、「メイン」タブ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
計画対象品目 | このパラメータと「サプライ・チェーン計画名」ウィンドウの「計画タイプ」フィールドにより、サプライ・チェーン計画で計画される品目が制御されます。サプライ・チェーン計画に取り入れる品目は、この両方のパラメータの条件を満たしている必要があります。詳細は、「計画タイプの選択」を参照してください。 |
割当セット | 割当セットでは、サプライ・チェーン内の資材フローに関するルールを定義する、ソース・ルールと物流構成表を保持します。 |
資材計画方法 | 計画方法として「工程開始日」または「オーダー開始日」を選択します。「工程開始日」を選択すると、資材は、必要とする工程の開始時に到着するように計画されます。「オーダー開始日」を選択すると、資材は、必要とするオーダーの開始時に到着するように計画されます。通常、「オーダー開始日」の方が「工程開始日」より早いため、この選択は2つのオプションのうち保守的な計画ロジックを表します。 |
需要優先度ルール | ASCPでは、詳細計画時に需要が1つずつ計画されます。ここで指定するルールは、詳細計画中に需要が考慮される順序、つまり、どの需要に有効な資材および生産資源生産能力が最初に割当てられるかを示します。「需要優先度ルール」を参照してください。 |
最終品目代替セット | 「決定ルール」タブ・リージョンで「最終品目代替の使用」を選択している場合は、代替セットを選択します。これらは、「最終品目代替の使用」で説明されている「計画詳細 - 代替」ウィンドウで定義されます。計画のオプションとして代替セットを選択すると、その計画について代替関係のセットを使用できます。これにより、可能な代替のシミュレーションを実行し、将来の可能な代替により指定されたパフォーマンス・インディケータを評価できます。 |
上書き | 計画オーダーを上書きします。詳細は、「上書きオプション」を参照してください。 |
計画単位 | このオプションを設定し、計画エンジンに対して次のことを指示します。 - 出荷または到着に関する受注明細の要求日、回答納期または計画日に基づく供給の計画。 - 受注明細の要求日、回答納期または計画日に基づく需要予測の消込。この計画オプションで選択した値と一致する需要予測日を指定する必要があります。たとえば、この計画オプションで「見込出荷日」を選択した場合は、需要予測日が見込出荷日に含まれていることを確認してください。 次のいずれかの受注明細日付を選択します。 - 計画出荷日 - 計画到着日 - 要求出荷日 - 要求到着日 - 見込出荷日 - 見込到着日 デフォルトは「計画出荷日」です。 需要予測消込の場合、計画エンジンでは次の日付が使用されます。
「需要優先度ルール」計画オプションを指定せず、デフォルトの需要優先度ルールを(「優先度ルールの定義」フォームで)指定していなければ、計画エンジンでは、この計画オプションの値が需要優先度ルールとして使用されます。 |
需要区分 | 生産計画を特定の需要区分に限定する場合に、その需要区分を入力します。このフィールドが有効なのは、生産計画/MPS計画の場合のみです。 |
需要タイム・フェンス管理 | 需要タイム・フェンス管理を実施するには、このオプションを選択します。 |
計画オーダー追加 | 現行の計画に新規の計画オーダーを追加します。詳細は、「上書きオプション」を参照してください。 |
計画タイム・フェンス管理 | 品目属性の計画タイム・フェンス管理を実施するには、このオプションを選択します。 |
作業指示をPIPに移動 | 計画在庫ポイントとして指定した品目についてのみ在庫が製造現場に確実に保持されるように、需要がない場合にも計画オーダーに対する供給を生成する場合は、このオプションを選択します。 |
キー・パフォーマンス・インディケータの表示 | 計画のキー・パフォーマンス・インディケータを計算する場合は、このオプションを選択します。 |
ロット・フォー・ロット | 各需要に対する供給を強制的に個別に作成するには、このオプションを選択します。これにより、複数の需要を満たす集約供給は作成されなくなります。 |
クリティカル構成部品を含む | このオプションを使用すると、計画エンジンにクリティカル構成部品の考慮および計画を指示できます。 計画タイプと計画品目タイプに応じて、計画エンジンでは、クリティカル構成部品を計画します。他の構成部品またはこれらの構成部品の他の部品については計画されません。 品目をクリティカル構成部品として示すには、品目属性に「クリティカル構成部品」を選択します。 |
予測を配置しない | 予測入力は計画用に存在しているため、計画エンジンでは予測入力を使用する必要があります。 |
予測を均等に配置 | 計画エンジンでは、稼働日カレンダからの日次バケットを超えて、総需要予測を均等に配置する必要があります。 |
予測バケット別の消込 | 予測消込処理では、日次バケット内を除き、需要予測および受注の検索は消込バケット外では行われません。 |
予測の展開 | この計画オプションを選択すると、消込処理中、次のような予測の展開を計画エンジンに指示できます。 - 製品ファミリ・メンバーの品目予測に対する製品ファミリ予測。 - 他のモデル、オプション区分および品目予測に対するモデル予測。 このオプションは、消込および発生予測管理が存在する予測に適用されます。 この計画オプションの選択を解除すると、計画が実行される前に、ソース・インスタンスまたはOracle Demand Planningでこの展開が行われます。 |
バックワード日数 | このパラメータを使用すると、指定した日数の範囲内であれば、予測需要が受注需要より早く発生する場合にも、受注需要で予測需要を消し込むことができます。これは、サプライ・チェーン計画の需要予測にのみ適用され、Oracle Demand Planningの予測シナリオには適用されません。詳細は、「予測消込日数」を参照してください。 |
フォワード日数 | このパラメータを使用すると、指定した日数の範囲内であれば、予測需要が受注需要より遅く発生する場合にも、受注需要で予測需要を消し込むことができます。これは、サプライ・チェーン計画の需要予測にのみ適用され、Oracle Demand Planningの予測シナリオには適用されません。詳細は、「予測消込日数」を参照してください。 |
ペギングを使用可 | ペギング情報を計算するには、このオプションを選択します(デフォルト)。Oracle ASCPでは、品目の供給情報は対応する最終需要の詳細まで追跡され、グラフ形式で表示できます。このフィールドはデフォルトで選択されます。 |
需要優先度別に供給をペグ | 「ペギングを使用可」を選択した場合は、計画エンジンに対して需要優先度ルールからの需要優先度順にペグするように指示するために、このオプションを選択します。 |
予約レベル | 「ペギングを使用可」を選択した場合は、予約レベルとして「計画グループ」、「プロジェクト」、「プロジェクト-タスク」または「なし」を選択します。 |
ハード・ペギング・レベル | 「ペギングを使用可」を選択した場合は、ハード・ペギング・レベルとして「プロジェクト」、「プロジェクト-タスク」または「なし」を選択します。 |
「計画オプション」ウィンドウ、「総計」タブ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
計画開始日 | 計画を実行したことがない場合、このフィールドには今日の日付が表示されます。計画を実行済みの場合は、前回の実行時の計画期間開始日が表示されます。 |
計画終了日 | 「バケット」に入力した値と所有組織のカレンダに基づいて計算された計画期間の終了日。 |
開始日 | 「バケット」に入力した値と所有組織のカレンダに基づいて計算された各バケットの開始日。「日」列の値が計画開始日です。 |
バケット | このバケット・タイプのバケット数。 週次バケットは、製造カレンダの週の開始日からのみ開始できます。日次範囲が週の開始日の前日に終了しない場合、計画エンジンによって終了日が次の週の開始日の前日まで延長されます。他の設定に関係なく、延長した日数は日次バケットで計画され、分バケットまたは時間バケットで計画されることはありません。 |
品目 | 計画を「品目」レベルで作成するか、「製品ファミリ」レベルで作成するかを選択します。最初のバケットで「品目」を選択した場合、他のバケットは「品目」または「製品ファミリ」のいずれかに設定できます。ただし、最初のバケットで「製品ファミリ」を選択すると、残りのバケットはデフォルトで「製品ファミリ」に設定されます。 |
生産資源 | 計画を「個別」レベルで作成するか、「総計」レベルで作成するかを選択します。最初のバケットで「個別」を選択した場合、他のバケットは「個別」または「総計」のいずれかに設定できます。ただし、最初のバケットで「総計」を選択すると、残りのバケットはデフォルトで「総計」に設定されます。 |
工順 | 計画を「工順」レベルで作成するか、「生産資源構成表」レベルで作成するかを選択します。いずれかのバケットで選択したレベルは、他のすべてのバケットにもデフォルトで割当てられます。 |
計画を実行すると、計画オーダー、推奨および生産資源所要量が生成されます。
計画期間は計画の実行時と同期化されます。したがって、計画オーダー、推奨および生産資源所要量の生成は、計画実行時から開始されます。
次のダイアグラムに、生産資源稼働率の計算方法を示します。生産資源所要量は期間t2現在で計算され、生産資源可用性は期間t1現在で計算されます。生産資源所要量の計算時点(t2)と生産資源可用性の計算時点(t1)には、ずれがあります。
「計画オプション」ウィンドウ、「組織」タブ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
グローバル需要計画 | この計画を使用するOracle Demand Planningシナリオの名称を選択します。組織を参照しない需要計画シナリオを選択できます(組織ディメンションを「全組織」に設定します)。 |
出荷先消込レベル | Oracle Demand Planningシナリオの予測消込レベルを選択します。グローバル需要予測処理では、この計画オプションと同じ「出荷先」値を持つ予測入力を消し込みます。 次のいずれかを選択できます。 - 顧客 - 顧客サイト - ゾーン - 顧客ゾーン - 需要区分 - 品目 値リストの選択項目は、シナリオの公開レベルに応じて異なります。 |
組織 | この計画の対象となる組織。 |
摘要 | 組織名。 |
仕掛残算入 | このオプションを選択すると、計画の需要/供給算入処理で、ショップ型製造オーダーと他の製造オーダーが供給として考慮されます。 |
在庫予約算入 | このオプションを選択すると、ソース取引システムに記録された予約と一致する受注に対する、手持供給のペギングが生成されます。 |
発注残算入 | このオプションを選択すると、計画の需要/供給算入処理で、発注、購買依頼、移動中出荷および他の非製造オーダーの計画受入が供給として考慮されます。このオプションは、「仕掛残算入」オプションが適用されないすべての計画受入に適用されます。 |
安全在庫の計画 | 選択すると、計画の需要/供給算入処理で、計画の安全在庫の需要と供給が考慮されます。 「安全在庫」を参照してください。 |
受注を含む | このチェック・ボックスを選択すると、選択した組織についてASCP内で「予測消込」が起動します。組織の需要計画が未消込の予測の場合は、このチェック・ボックスを選択します。組織の需要計画が基準需要計画形式の消込済予測と受注の場合は、このチェック・ボックスの選択を解除します。 |
生産資源構成表 | 値リストから生産資源構成表を選択します。 |
シミュレーション・セット | 値リストからシミュレーション・セットを選択します。シミュレーション・セットは、生産資源の基準可用性カレンダに対する調整セットであり、Oracle Bills of Materialの「部門生産資源」フォームを介して定義します。様々なシミュレーション・セットを定義して、各種の可用性シナリオをモデル化できます(たとえば、基準可用性カレンダに5日の工程を反映させ、シミュレーション・セット1に特定期間の稼働日6日の工程を反映させ、シミュレーション・セット2に特定期間の稼働日7日の工程を反映させることができます)。計画エンジンでは、選択したシミュレーション・セットが組織内のすべての生産資源に適用されます。 Oracle Enterprise Asset Managementでは、保守活動を計画して、装置の生産資源の停止を指定できる、保守作業指示を作成できます。Oracle Enterprise Asset Managementを使用している場合は、保守停止時間を計画エンジンに通知できます。Oracle Advanced Supply Chain Planningで停止を計画するには、Oracle Enterprise Asset Managementの「生産機材保守停止時間のロード」コンカレント・プロセスを実行します。 このプロセスでは、短縮時間に対する生産能力の変動として記録された停止時間を考慮した、シミュレーション・セットが作成されます。「計画オプション」ウィンドウの「組織」タブ・リージョンでシミュレーション・セットを指定できます。計画を実行すると、計画エンジンではこのシミュレーション・セットを使用して、生産資源のうち使用できる容量がどの程度減少するかが計算されます。この減少は、保守停止時間によって生じます。計画エンジンでは、使用できる容量の減少が考慮された後で、生産資源の生産活動が計画されます。「プランナ・ワークベンチ」では、生産資源の可用性と使用プロファイルにおける変更による影響を表示できます。 |
需要計画 | この計画を変動させる需要計画、需要予測および計画の名称を選択します。 |
出荷先消込レベル | 需要計画内のローカル予測の予測消込レベルを選択します。予測消込プロセスでは、この計画オプションと同じ「出荷先」値を持つ予測入力を消し込みます。 次のいずれかを選択できます。 - 顧客 - 顧客サイト - 需要区分 - 品目-組織 |
プラント 間 | このオプションを選択すると、計画エンジンでは組織間オーダーと組織間計画オーダーによる需要のみが使用されます。オフにすると、すべての計画オーダーによる需要が使用されます。 |
供給計画 | この計画に関連する供給計画の名称を選択します。 |
保管場所算入 | 「保管場所算入」ウィンドウをオープンします。 |
「計画オプション」ウィンドウ、「制約」タブ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
制約付き計画 | このオプションと「需要納期の施行」を選択すると、このタブ・リージョンの全フィールドが更新可能になり、すべての制約がデフォルトで「Yes」に設定されます。このオプションはデフォルトでは非選択になっています。すべての「生産資源制約」と「資材制約」を「No」に設定することはできません。「生産資源制約」のいずれかを「Yes」に設定した場合は、「生産資源所要量の計算」を非選択にできません。 |
需要納期の施行 | 需要納期をハード制約(つまり、資材と生産資源生産能力の制約が競合する場合に、かわりに適用される制約)にする場合は、このオプションを選択します。詳細は、「様々な計画タイプの制約の設定」を参照してください。 |
生産能力制約の施行 | 需要納期制約が競合する場合に、かわりに資材および生産資源の能力制約を適用する場合は、このオプションを選択します。詳細は、「様々な計画タイプの制約の設定」を参照してください。 |
開始日 | 各バケット・タイプの開始日が表示されます。 |
バケット | このバケット・タイプのバケット数が表示されます。 |
生産資源制約 | 生産資源制約を考慮する場合は「Yes」を選択します。「No」を選択すると、シミュレーション・セットに関係なく、計画エンジンでは、生産資源生産能力は無限であるとみなされます。 |
仕入先生産能力制約 | 仕入先生産能力制約を考慮する場合は「Yes」を選択します。 |
購買リード・タイム制約の施行 | 購買品目リード・タイム(品目属性または承認済仕入先リスト)によって計画を制約するように計画エンジンに指示する場合は、この計画オプションを選択します。 購買品目リード・タイムが原因で需要納期に遅れることがないように計画エンジンに指示する場合は、このオプションの選択を解除します。 詳細は、「購買リード・タイムの施行」を参照してください。 |
分バケット・サイズ (日) | 「日バケット・タイプ」の分バケット数を指定します。計画開始時間が00:00以外の場合、計画エンジンでは、計画オプション「分」の値が0(ゼロ)の場合でも、1日目の残りの時間が分数で計画されます。たとえば、1月1日の14:00に計画を開始した場合は、1月1日の14:00から1月2日の00:00までの時間が分数で計画されます。 |
時間バケット・サイズ (日) | 「日バケット・タイプ」の時間バケット数を指定します。 |
日バケット・サイズ (日) | 「日バケット・タイプ」の日バケット数を指定します。 |
生産資源所要量の計算 | このオプションを選択すると、プログラムで生産資源の負荷率が計算されます。制約なしの計画で選択すると、ロット基準の計画オーダーのリリースが可能になります。 |
計画生産資源 | 「全生産資源」または「ボトルネック生産資源」を選択します。Oracle Bills of Materialでボトルネック生産資源グループを定義しており、ボトルネック生産資源のみを詳細計画の対象にする場合は、「ボトルネック生産資源」を選択してボトルネック生産資源グループを入力します。 |
ボトルネック生産資源グループ | Oracle Bills of Materialでボトルネック生産資源グループを定義しており、ボトルネック生産資源のみを詳細計画の対象にする場合は、ここでグループ名を選択します。 |
ボトルネック生産資源グループを計画処理に使用すると、計画エンジンでは全生産資源が計画対象となりますが、ボトルネック生産資源グループに含まれる生産資源の計画処理は、グループに含まれない生産資源の計画処理とは異なります。
ボトルネック生産資源グループに含まれる生産資源の場合は、選択した制約計画オプションを参照して通常の詳細計画処理が実行されます。
ボトルネック生産資源グループに含まれない生産資源の場合は、アクティビティと工程が次のように計画処理されます。
必要な場合。
所要期間(生産資源使用/割当単位)ベース。
生産資源生産能力は考慮されません。処理により生産資源生産能力が過負荷になる場合は、「生産資源過負荷」例外メッセージが発行されます。
計画オプション「生産資源制約」は考慮されません。
計画オプションの設定と、その結果は次のとおりです。
「生産能力制約の施行」をオンにすると、計画エンジンでは、期間による供給遅延を計画処理して、「生産資源制約」例外メッセージを発行できます。
「需要納期の施行」をオンにすると、計画エンジンでは、計画期間開始日に達した時点および計画タイム・フェンスに達した時点で供給が完了するように、期間を短縮できます。期間が短縮されるため、割当単位が増加します。
「計画オプション」ウィンドウ、「最適化」タブ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
ペナルティ・ファクタは、次のような計画レベル値です。
ソース・インスタンスで組織と品目の値を設定して上書きできます。
プロファイル・オプションに設定されている値が上書きされます。
「計画オプション」ウィンドウ、「決定ルール」タブ
このタブ・リージョンは次のように使用できます。
制約なし計画: 使用できません。
制約付き計画: プロファイル・オプション「MSO: 決定ルールの使用可能」が「Yes」に設定されている場合のみ使用できます。
最適化済計画(「最適化」タブ・リージョンでは、「最適化」が選択されます): 常に使用できます。
このタブ・リージョンが使用できない制約なし計画および制約付き計画の購買品目では、このリージョンの「代替ソースの使用」パラメータの機能を複製できます。つまり、プロファイル・オプション「MSC: 拡張ソーシングの使用可能」を「Yes」に設定します。他の組織からの移動に対しては、この機能を複製できません。
このタブ・リージョンを使用可能にすると、計画エンジンでは、プロファイル・オプション「MSC: 拡張ソーシングの使用可能」が考慮されません。
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
最終品目代替の使用 | 選択すると、新規計画オーダーが作成される前に最終品目代替が使用されます。選択を解除すると、需要品目のみが使用されます。「メイン」タブ・リージョンに最終品目代替セットを入力します。 |
代替生産資源の使用 | 選択すると主要生産資源が使用され、代替生産資源は必要な場合にのみ使用されます。選択を解除すると、主要生産資源のみが使用されます。 |
代替構成部品の使用 | 選択すると主要構成部品が使用され、代替構成部品は必要な場合にのみ使用されます。選択を解除すると、主要構成部品のみが使用されます。 |
代替部品構成表/工順の使用 | 選択すると主要工順が使用され、代替工順は必要な場合にのみ使用されます。選択を解除すると、主要部品構成表および工順のみが使用されます。 |
代替ソースの使用 | 選択すると主要ソースが使用され、代替ソースは必要な場合にのみ使用されます。選択を解除すると、主要ソースのみが使用されます。計画エンジンでは、代替ソース(ランク2以上)は供給ソースとして使用されません。 |
ある組織の計画を別の組織の計画の需要(需要計画)として使用できます。
注意: ユーザーは、APS計画サーバーに予測を収集できます。オプションで、ASCP計画を実行するときに、受注によって予測を消し込むことができます。予測は、「計画オプション」ウィンドウの「組織」タブの「受注を含む」チェック・ボックスが選択されている場合に消し込まれます。複数レベルの受注組立品目では、収集以前のソース・インスタンスで予測展開が発生した場合、予測はすべてのレベルで消し込まれます。
「サプライ・チェーン計画」->「名称」と選択して、既存の計画をソースとして使用する組織の新規計画を作成します。
「サプライ・チェーン計画名」ウィンドウが表示されます。
「計画オプション」を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「組織」タブを選択します。
フォームの「需要計画」部分で、新規計画のソースとして使用する計画の名称を指定します。
「保管場所算入」をクリックします。
「保管場所算入」ウィンドウ
次の表に、各フィールドおよびオプションを示します。
オブジェクト | 説明 |
---|---|
名称 | 組織のすべての有効保管場所を表示します。 |
摘要 | 保管場所の摘要。 |
算入 | 計画実行に保管場所を算入する場合に選択します。 |
需要予測には次のタイプがあります。
ローカル: 出荷元組織が関連付けられている需要予測。需要予測の作成と管理は、ソース・インスタンス内の組織(この組織が出荷元組織になります)で行うか、組織を指定するOracle Demand Planningで行います。『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』の「需要予測」を参照してください。
グローバル: 需要予測に関連する事前指定された出荷元組織がない需要予測。需要予測の作成と管理は、Oracle Demand Planningで行います。「グローバル予測」を参照してください。
予測展開とは、親の需要予測から構成部品の需要予測を作成する処理です。この処理は次の状況で発生します。
製品ファミリの需要予測から、製品ファミリ・メンバー品目の需要予測への展開。計画エンジンは、展開された需要予測を独立需要とみなし、ペギングを使用して、その内容を製品ファミリの需要予測にリンクします。
モデルの需要予測から、他のモデル、オプション区分、オプション品目および展開品目の需要予測。「受注構成の予測展開」を参照してください。
予測展開を実行するには、製品ファミリおよびモデルの部品構成表に計画率を設定します。計画率とは、構成部品に帰属する親の需要予測の比率です。次に例を示します。
製品ファミリの部品構成表で、製品ファミリ・メンバー品目Aの計画率は30%、製品ファミリ・メンバー品目Bの計画率は50%、製品ファミリ・メンバー品目Cの計画率は20%です。
製品ファミリの予測入力の数量は1000です。
予測展開後の予測数量は、製品ファミリ・メンバー品目Aが300、製品ファミリ・メンバー品目Bが500、製品ファミリ・メンバー品目Cが200になります。
親の全構成部品の合計計画率は100%を超えることが可能です。
『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の部品構成表の作成に関する項を参照し、「構成部品詳細」タブの「計画率」フィールドを参照してください。
各構成部品への予測展開を制御するには、組織品目属性「予測管理」を次のように設定します。
消込: 計画エンジンによるこの構成部品への予測展開はありません。
消込および発生: 計画オプション「予測の展開」に応じて、計画エンジンによるモデルの予測展開が発生する場合があります。計画エンジンによる複数組織モデルの展開はありません。
なし: 計画オプション「予測の展開」に応じて、計画エンジンによる製品ファミリの予測展開が発生する場合があります。
次を使用して需要予測を展開できます。
ソース・インスタンス(ローカルのみ): 展開後は、展開された需要予測を計画サーバーに収集します。『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』の「予測展開」を参照してください。
Oracle Demand Planning(ローカルおよびグローバル): 展開後は、需要予測を計画実行の需要計画として使用します。
Oracle Advanced Supply Chain Planning(ローカルのみ): 計画実行時に展開できます。
ソース・インスタンスまたはOracle Demand Planningで展開した需要予測は、Oracle Advanced Supply Chain Planningで展開しないでください。
「需要計画システム管理者」職責を選択します。
「需要計画」にナビゲートします。
「従属需要の計算」を選択して、計画レベルで需要予測を展開します。
「シナリオ」タブを選択します。
「供給計画で消込」を選択して、Oracle Advanced Supply Chain Planningで消し込む必要がある需要計画シナリオを指定します。
「需要の展開に使用」を次のいずれかに設定します。
グローバル部品構成表: 予測展開の目的で、品目検証組織に指定された汎用の部品構成表を選択する場合
組織特定部品構成表: 予測展開の目的で、特定の組織の部品構成表を使用する場合
「シナリオ」->「出力レベル」を選択します。
組織ディメンションを「全組織」に設定して、需要計画を公開します。
計画オプション「予測の展開」を使用すると、需要予測を事前に展開できます。メンバーの品目属性が「予測管理消込」で導出する場合、この処理は、受注構成品目と製品ファミリ品目の両方に対して発生します。
Oracle Demand Planningを使用して需要予測を展開すると、Oracle Demand Planningでは、製品ファミリおよび製品ファミリ・メンバー品目について、製品ファミリの需要予測をOracle Advanced Supply Chain Panningに公開します。計画エンジンに需要予測の展開を指定しないでください。製品ファミリ・メンバー品目の需要が重複してカウントされるためです。
「予測管理」が「なし」の場合、Oracle Demand Planningでは、製品ファミリについてのみ、製品ファミリの需要予測をOracle Advanced Supply Chain Panningに公開します。計画エンジンは、計画オプション「予測の展開」を無視し、計画率と予測消込に基づいて、常に製品ファミリ品目に対してインライン予測展開を実行します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責を選択します。
「サプライ・チェーン計画」->「計画オプション」->「メイン」タブにナビゲートします。
「予測の展開」チェック・ボックスを選択します。
この項では、予測消込について説明します。
一般情報
消込オプション
インライン予測消込の使用
予測消込の表示
予測消込によって、同じ期間中に計画されている受注明細品目の数量分、予測入力数量が減少します。この機能は、需要の二重カウントを防止するために、予測と受注の両方を使用して計画を進める場合に使用します。
たとえば、次の表に品目1に対する予測と受注を示します。
オーダー・タイプ | 数量 | 日付 |
---|---|---|
予測 | 50 | 6月 1日 |
SO1(受注 1) | 10 | 6月 1日 |
SO2 | 25 | 6月 1日 |
次の表に、予測消込後の、品目1に対する予測と受注を示します。
オーダー・タイプ | 数量 | 日付 |
---|---|---|
予測 | 15 (50 - (10 + 25)) | 6月1日 |
SO1 | 10 | 6月 1日 |
SO2 | 25 | 6月 1日 |
消込日数を使用するのは、次の場合です。
受注明細の計画日と予測の入力日が正確に一致するとは限らない場合。
予測入力の数量で受注数量全体を補填できるとは限らない場合。
予測消込の動作は、次のとおりです。
消込対象の予測数量が、受注明細の計画日から遡及して稼働日ごとに検索されます。
この検索で受注明細数量全体を消し込めない場合は、消込対象の予測数量が、受注明細の計画日から稼働日ごとに順方向に検索されます。
この検索でも受注明細数量全体を消し込めない場合は、受注明細の計画日付で、超過消込(マイナス需要)入力が作成されます。
たとえば、次のダイアグラムに、消込日数が指定されていない日次予測を示します。日付12について数量25の受注明細を入力するとします。
日付12には予測がないため、予測消込処理では日付12の超過消込入力が作成され、予測は変化しません。
日次バケットを使用した予測消込
次のダイアグラムに、バックワード消込日数3日が指定されている日次予測を示します。日付12について数量25の受注明細を入力するとします。
この予測消込処理では、日付12(受注明細の計画日)から日付9(日付12 - バックワード消込日数3日)までの予測入力を消し込むことができます。次の処理が実行されます。
日付9における数量20の予測が、数量20消し込まれます。
日付12の超過消込入力が作成されます。
日次バケットを使用した予測消込
次のダイアグラムに、バックワード消込日数3日およびフォワード消込日数3日が指定されている日次予測を示します。日付5について数量25の受注明細を入力するとします。
この予測消込処理では、日付5(受注明細の計画日)から日付2(日付5 - バックワード消込日数3日)までの予測入力を消し込むことができます。日付2における数量20の予測が、数量20のみ消し込まれます。
また、この予測消込処理では、日付5(受注明細の計画日)から日付10(日付5 + フォワード消込日数3日 + 非稼働日2日)までの予測入力を消し込むことができます。次の処理が実行されます。
日付9における数量20の予測が、数量5消し込まれます。
日付9における予測入力には数量15が残ります。
日次バケットを使用した予測消込
需要予測には次のタイプがあります。
ローカル: 出荷元組織が関連付けられている需要予測。需要予測の作成と管理は、ソース・インスタンス内の組織(この組織が出荷元組織になります)で行うか、組織を指定するOracle Demand Planningで行います。『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』の「需要予測」を参照してください。
グローバル: 需要予測に関連する事前指定された出荷元組織がない需要予測。需要予測の作成と管理は、Oracle Demand Planningで行います。「グローバル予測」を参照してください。
次のいずれかのオプションに従って予測が消し込まれます。
ソース・インスタンス内(ローカルのみ): このオプションは、ソース・インスタンスでの予測消込結果を、計画処理での使用に関係なく表示する場合に使用します。
MDSロードのコンカレント・プロセス中に予測を消し込みます。消込済の予測をOracle Advanced Planning and Schedulingの計画で使用するには、これらの予測を収集します。
詳細は、『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』の予測消込の概要に関する項を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでの計画処理(ローカルおよびグローバル)中: このオプションは、予測消込結果を宛先インスタンス内で計画処理の結果として表示する場合に使用します。
未消込の予測を収集し、それを使用して計画を進めます。
関連項目:
グローバル予測(「グローバル予測消込」、「グローバル予測消込の設定」、「グローバル予測の消込」、「社内受注の予測消込」および「下位レベルの事前構成の消込」の各項)
どちらの場合も、予測消込の方法は同じです。
計画エンジンでは、Oracle Demand Planningの需要予測とソース・インスタンスの需要予測の両方に対するインライン予測消込を同じ計画処理で実行できます。
ソース・インスタンスの基準需要計画のかわりに、Oracle Demand Planningまたはソース・インスタンスの需要予測でサプライ・チェーン計画を進める場合は、計画プロセスによって予測が消し込まれます。
Oracle Demand Planningでは予測消込機能を指定できないため、需要予測セットと需要予測をOracle Demand Planningから宛先インスタンスに収集する場合は、これらの機能を使用できません。ただし、予測消込日数のバリエーションは使用できます。
これらの機能をOracle Demand Planningからの需要予測セットと需要予測で使用する手順は、次のとおりです。
これらの機能をソース・インスタンスの需要予測セットと需要予測に指定します。
ソースに対するOracle Demand Planningシナリオを需要予測セット/需要予測として公開します。
ソース・インスタンスの需要予測セットと需要予測を、宛先インスタンスに収集して計画を実行します。
詳細は、『Oracle Master Scheduling/MRPおよびOracle Supply Chain Planningユーザーズ・ガイド』の予測消込の概要に関する項を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningの計画処理で使用する全需要予測セットに、同じバックワード消込日数とフォワード消込日数が設定されている場合は、需要予測セットと需要予測をOracle Demand Planningから宛先インスタンスに収集して、Oracle Advanced Supply Chain Planning計画の実行時に、この機能を適用できます。
Oracle Advanced Supply Chain Planningの計画処理に使用する需要予測セットに、異なるバックワード消込日数とフォワード消込日数が必要な場合は、ソース・インスタンスの需要予測セットにそれらの日数を設定します。
需要予測セットには、次の消込レベルを指定できます。
品目レベル: 予測入力と受注明細の間で品目番号が一致すると、消込が発生します。
顧客レベル: 予測入力と受注明細の間で品目番号と顧客番号が一致すると、消込が発生します。
出荷先レベル: 予測入力と受注明細の間で品目番号、顧客番号および顧客出荷先所在地が一致すると、消込が発生します。
請求先レベル: 予測入力と受注明細の間で品目番号、顧客番号および顧客請求先所在地が一致すると、消込が発生します。
予定外引当許容率では、当初数量の需要予測のうち単一受注で消込可能な最大率を使用して、例外的な需要の影響を制御します。
たとえば、需要予測セットの予定外引当許容率が50%、予測数量が100、受注数量が70であるとします。この場合、需要予測から消し込むことができる受注は、50(予測入力100 * 予定外引当許容率0.5)のみです。
予測入力には需要区分を指定できます。予測入力の需要区分を指定しない場合、予測消込処理では、予測入力の組織の需要区分が使用されます。
受注明細には需要区分を指定できます。受注明細の需要区分を指定しない場合、予測消込処理では、受注明細の組織の倉庫の需要区分が使用されます。
需要区分別に消込を行うときに、需要区分のない需要予測がある場合は、プロファイル・オプション「MSC: 需要区分のない需要予測の消込」を設定します。
収集した受注はインライン予測消込の結果に影響を与えるため、収集する受注には注意が必要です。
納期超過受注の需要を収集するには、プロファイル・オプション「MSC: 受注オフセット日数」を設定します。このプロファイル・オプションによって、出荷済受注明細の収集を開始する日付から収集エンジンの実行日までの日数が指定されます。たとえば、このオプションを5に設定して収集を今日実行すると、収集エンジンでは5日前からの出荷済受注明細が収集されます。このオプションのデフォルトは99999です。
収集エンジンでは、このプロファイル・オプションの設定に関係なく一部出荷済または未出荷の受注が収集されます。
各構成部品に対する予測消込は、その組織の品目属性の予測管理を設定することで制御します。
消込: この品目の受注によって、同じ組織内にあるこの品目の予測が消し込まれます。
消込および発生: この品目の受注によって、同じ組織内にあるこの品目の予測が消し込まれます。このオプションは、品目に対して予測展開も行う場合に選択します。「予測展開」を参照してください。
なし: この品目の受注によって、この品目の予測は消し込まれません。
「計画オプション」ウィンドウで次のように設定します。
「組織」タブの「需要計画」リージョンで、適切な需要予測セットを指定します。
「組織」タブの「組織」リージョンで、「受注を含む」を選択します。
Oracle Demand Planningから直接収集した需要予測を使用する場合は、予測消込バックワード日数と予測消込フォワード日数を指定します。計画エンジンは、計画を進めるOracle Demand Planningの全需要予測に、このウィンドウを適用します。
このウィンドウをOracle Demand Planningの需要予測セットごとに指定する場合は、「予測消込機能」で説明した処理を使用してください。
予測消込処理はスナップショット・フェーズで発生します。計画の起動時には、「スナップショットの起動」(デフォルト)を選択してください。
品目に需要タイム・フェンスが設定されていない場合、計画エンジンは、計画期間全体で消込を実行し、グロスからネットへの展開では、計画期間全体でこの消込済の予測入力を使用します。
品目に需要タイム・フェンスが設定されている場合、計画エンジンは、プロファイル・オプション「MSC: 需要タイムフェンス内予測消込」を確認し、その値に応じて次の処理を実行します。
この値が「No」の場合、計画エンジンは、品目に需要タイム・フェンスを適用し、需要タイム・フェンス内の予測入力を削除し、フォワード消込日数の値が需要タイム・フェンス日数よりも大きい場合は、需要タイム・フェンスの範囲外で消込を実行します。需要タイム・フェンスの範囲外では、消込済の予測入力がグロスからネットへの展開に使用されます。
この値が「Yes」の場合、計画エンジンは、計画期間全体で消込を実行した後で、品目に需要タイム・フェンスを適用します。需要タイム・フェンスの範囲内の予測入力は削除され、需要タイム・フェンスの範囲外の予測入力がグロスからネットへの展開に使用されます。
前述の処理ごとに、計画エンジンは、実際の納期超過予測入力を処理します。ただし、その消込の表示では、日付0の予測バケットが確認されます。
次のダイアグラムに、需要タイム・フェンスが設定されている品目Aの消込シナリオを示します。
アンカー日と需要タイム・フェンス日付の間に納期がある100個の受注明細があります。
納期超過40個に対して1つの予測入力、アンカー日から需要タイム・フェンス日付までの60個に対して2つの予測入力、需要タイム・フェンスの範囲外に100個の予測入力があります。フォワード消込日数は、需要タイム・フェンスよりも多い日数を表します。
消込シナリオ
計画エンジンは、プロファイル・オプション「MSC: 需要タイムフェンス内予測消込」を確認し、その値に応じて次の処理を実行します。
この値が「No」の場合、計画エンジンは、納期遅延予測およびアンカー日から需要タイム・フェンス日付までの2つの予測入力を削除し、100個の受注を使用して、需要タイム・フェンス外にある100個の予測入力を消し込みます。
この消込済予測入力が、グロスからネットへの展開に使用されます。
次のダイアグラムに、前述の例を使用して、このプロファイル・オプションを「No」に設定した場合の結果を示します。
プロファイル・オプションの設定
この値が「Yes」の場合、計画エンジンは、100個の受注を使用して、納期超過の40個の予測入力を消し込み、アンカー日から需要タイム・フェンス日付までの60個の予測入力を消し込みます。
グロスからネットへの展開には、この2つの消込済予測入力は使用されません。アンカー日から需要タイム・フェンス日付までのもう1つの需要予測は消し込まれず、グロスからネットへの展開には使用されません。需要タイム・フェンスの範囲外の予測入力は消し込まれませんが、グロスからネットへの展開には使用されます。
次のダイアグラムに、前述の例を使用して、このプロファイル・オプションを「Yes」に設定した場合の結果を示します。
プロファイル・オプションの設定
予測消込は「プランナ・ワークベンチ」に表示します。
「プランナ・ワークベンチ」にナビゲートします。
計画名、組織および品目を選択します。
品目を右クリックし、「需要」または「需要/供給」を選択します。
受注明細で予測入力が消し込まれた品目を表示する場合は、需要予測オーダー・タイプのエントリを選択し、需要予測名を右クリックして「消込詳細」を選択します。
受注明細で消し込まれた予測入力を表示する場合は、オーダー・タイプ「受注」のエントリを選択し、受注名を右クリックして「消込詳細」を選択します。
たとえば、前述の例から、需要予測に関する消込詳細を表示するには、その需要予測を選択して右クリックし、表示されたリストから「消込詳細」を選択します。次の表に、表示される情報を示します。
予測数量 | 予測日 | 消込数量 | 受注日 | 受注番号 |
---|---|---|---|---|
50 | 6月 1日 | 10 | 6月 1日 | SO1 |
50 | 6月 1日 | 25 | 6月 1日 | SO2 |
前述の例から、受注1(SO1)で需要予測がどのように消し込まれているかを確認するには、受注1を選択して右クリックし、表示されたリストから「消込詳細」を選択します。次の表に、表示される情報を示します。
予測数量 | 予測日 | 消込数量 | 受注日 | 受注番号 |
---|---|---|---|---|
50 | 6月 1日 | 10 | 6月 1日 | SO1 |
供給の計画に対する出荷日、タイムスタンプおよび需要予測の期日の使用方法を計画エンジンに指定するには、次のプロファイル・オプションを使用します。
プロファイル・オプション「MSO: 受注に対するデフォルトの使用」を設定すると、受注にタイムスタンプを指定できます。たとえば、「1日の開始時間」という値を指定する場合は、すべての受注にタイムスタンプ00:00が設定されます。「日末」を指定した場合、計画エンジンでは、すべての受注期日が23:59とみなされます。このプロファイル・オプションの詳細は、「MSOプロファイル・オプション」を参照してください。
計画エンジンで需要予測期日を考慮する場合は、プロファイル・オプション「MSO: 予測のデフォルト・タイムスタンプ」を設定して時間を指定します。このプロファイル・オプションの詳細は、「MSOプロファイル・オプション」を参照してください。
プロファイル・オプション「MSO: 遅延需要例外許容範囲」を設定すると、遅延補充の許容範囲限度を指定できます。計画エンジンでは、許容範囲の限度を超した場合にのみ例外が発生します。たとえば、需要期日が火曜日の12:00に対して、許容範囲を1440分間と指定した場合、計画エンジンでは、水曜日の12:00まで例外は発生しません。このプロファイル・オプションの詳細は、「MSOプロファイル・オプション」を参照してください。
このタイムスタンプ動作は、「有効在庫数量」(ATP)または「Global Order Promising」(GOP)には適用できません。制約なしの計画では、最小計画バケット(日次バケット)が使用されるため、このプロファイル・オプションが00:00に計画されている供給の計画動作に影響を与えることはありません。
計画エンジンに対して、同一タイムバケット内(消込バケット内)にある受注のみで需要予測を消し込むように指示することができます。
各需要予測について、消込バケットと予測バケットの期間の長さは同じです。消込処理では、消込バケット内を後ろに移動し、次に前に移動して消し込みます。次のいずれかがこれ以上存在しなくなると、処理が終了します。
消込バケット内の未消込予測
消込バケット内で予測を消し込む受注
消込処理では、消込バケットの外部で予測および受注を検索しません(日次バケットを除く)。計画エンジンで日次バケットのバックワードおよびフォワード消込を使用しないようにする場合は、次のようにします。
Oracle Demand Planningによる需要予測の場合は、「計画オプション」フォームの「メイン」タブ・リージョンにナビゲートし、「バックワード日数」および「フォワード日数」をゼロに設定します。
Oracle Advanced Supply Chain Planningの場合は、「需要予測」フォームにナビゲートし、「バックワード日数」および「フォワード日数」をゼロに設定します。
この機能を使用するには、「計画オプション」フォームの「メイン」タブ・リージョンにナビゲートし、「予測バケット別の消込」を選択します。この機能を使用しない場合は、「バックワード/フォワード日数を使用した消込」を選択します。
たとえば、次の場合を考えてみます。
5月25日から5月31日、6月1日から6月7日、6月8日から6月14日、6月15日から6月21日および6月22日から6月28日の5週を範囲とする、数量がそれぞれ100の予測エントリを5つ含む需要予測1を入力します。
5月25日から5月31日の週を範囲とする、数量200の予測エントリが1つと、6月1日から6月28日を範囲とする、数量が1500の予測エントリを1つ含む需要予測2を入力します。
6月10日が納期の数量150の受注を受け取ります。
計画オプション「予測バケット別の消込」を選択します。
次の表に、需要予測1に対する予測消込の結果を示します。この受注により消し込まれるのは、6月8日から6月14日の週の予測エントリのみで、他の週次エントリは消し込まれません。計画エンジンでは、需要予測1から受注全体の数量を消し込むことができないため、6月10日が含まれるエントリを含む他の需要予測が検索されます。
データまたは計算 | 5月25日から5月31日 | 6月1日から6月7日 | 6月8日から6月14日 | 6月15日から6月21日 | 6月22日から6月28日 |
---|---|---|---|---|---|
需要予測 1の当初数量 | 100 | 100 | 100 | 100 | 100 |
受注数量 | 0 | 0 | 150 | 0 | 0 |
需要予測 1の消込数量 | 0 | 0 | 100 | 0 | 0 |
計画エンジンが、6月10日が含まれるエントリを含む需要予測2を検出します。次の表に、需要予測2に対する予測消込の結果を示します。この受注により消し込まれるのは、6月1日から6月28日の期間内の予測のみです。数量全体をこの期間から消し込めない場合、計画エンジンでは5月25日から5月31日の週の予測エントリからの消込は行いません。
データまたは計算 | 5月25日から5月31日 | 6月1日から6月28日 |
---|---|---|
需要予測2の当初数量 | 200 | 1500 |
受注残数量 | 0 | 50 |
需要予測1の数量 | 0 | 50 |
需要予測に適用されるバックワードおよびフォワード消込日数がプランナ・ワークベンチの「需要」ウィンドウに表示されます。「消込バックワード日数」フィールドおよび「消込フォワード日数」フィールドを参照してください。
Oracle Demand Planningの需要予測を総計(週、月または四半期)で作成し保守する場合は、次のことができます。
需要予測をOracle Advanced Supply Chain Planningで使用。
計画エンジンに対して、稼働日カレンダの日次バケット間でこの需要予測総計を均等に配置するように指示。
予測需要を日次バケットに計画することにより、将来の供給に関してより現実に即した見積りが作成されますが、総計による予測の方が正確な予測が可能な場合があります。
バケットの動作は、次のとおりです。
計画オプション「予測を均等に配置」を選択すると、計画エンジンでは、最初に予測バケットから計画バケットに予測が割り付けられます。
これらの予測の消込は、「予測バケット別の消込」フラグの設定に依存します。
「予測バケット別の消込」を選択すると、予測バケットに含まれる受注で消し込めるのは、そのバケット内の予測のみとなります。前または次の予測バケット内の予測を消し込むことはできません。
「予測バケット別の消込」の選択を解除すると、計画オプション「バックワード日数」および「フォワード日数」の設定に基づいて、受注により予測が消し込まれます。予測バケット内の受注により、前または次の予測バケット内の予測を消し込むことができます。
この機能を使用するには、次の情報を設定します。
Oracle Demand Planningでは、週次または期間の予測バケットのみを使用します。
Oracle Demand Planningから需要予測を公開する場合は、計画パラメータ「納期遅延予測を含む」を設定します。計画に含める納期遅延予測の日数を入力します。値を指定しない場合は、すべての納期遅延予測を含めることを示します。ゼロは納期遅延予測を含めないことを示します。この値は、受注組立モデルから導出される独立需要には適用されません。
Oracle Demand Planningから基準需要計画および受注を公開する場合は、Oracle Advanced Supply Chain Planningのプロファイル・オプション「MDS日数を含む」を設定します。
「計画オプション」フォームの「メイン」タブ・リージョンにナビゲートし、「予測を均等に配置」を選択します。
Oracle Inventory Optimizationでは、需要予測は常に計画バケットに配置されます。
予測配置の例
次のダイアグラムに、予測配置の例を示します。
3月13日、3月20日、3月27日、4月3日、4月10日および4月17日の各週に数量100の予測を入力しました。各週は木曜日に始まります。
計画バケットは、日次が5、週次が2、期間が1です。
稼働日は月曜日から金曜日までで、4月1日火曜日は祝日です。
計画パラメータ「納期遅延予測を含む」を0に設定し、計画オプション「予測を均等に配置」を選択します。
計画エンジンでは、3月13日と3月20日に始まる週のそれぞれ数量100の週次予測を、数量20の5つの日次予測に配置します。
計画エンジンでは、3月27日に始まる週の数量100の週次予測を、数量25の4つの日次予測に配置します。
計画エンジンでは、計画期間にマップされる予測は配置しません。
計画エンジンでは、3月10日、3月11日および3月12日の日次計画バケットには予測需要を計画しません。3月13日と3月14日の日次バケットに予測需要20を計画します。
計画エンジンでは、3月17日から3月23日の週次計画バケットに、予測需要100を計画します(20 + 20 + 20 + 20 + 20)。
計画エンジンでは、3月24日から3月30日の週次計画バケットに、予測需要110を計画します(20 + 20 + 20 + 25 + 25)。
計画エンジンでは、3月31日から5月4日の月次計画バケットに、予測需要350を計画します(25 + 25 + 100 +100 +100)。
予測配置の例
予測セットに予定外の割合を設定すると、計画エンジンでは予測を配置した後にその割合を予測に適用します。
Oracle Demand Planningからの予測エントリがOracle Advanced Supply Chain Planningでの非稼働日に当たった場合、計画エンジンでは予測エントリをその前の稼働日に配置します。
次の表に、この稼働日への予測の再計算の例を示します。Oracle Demand Planningには、6月8日に始まる15日間の日次予測があります。Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、製造カレンダの稼働日は月曜日から金曜日まで、計画対象期間は日次バケットの10稼働日、計画実行日は6月10日です。
日付 | Oracle Demand Planningの予測数量 | 再計算対象の予測数量 | Oracle Advanced Supply Chain Planningの予測数量 |
---|---|---|---|
6月8日(非稼働日) | 10 | 0 | - |
6月9日(非稼働日) | 10 | 0 | - |
6月10日 | 9 | 9 | 9 |
6月11日 | 13 | 13 | 13 |
6月12日 | 10 | 10 | 10 |
6月13日 | 7 | 7 | 17 |
6月14日 | 10 | 10 | 30 (10 + 10 + 10) |
6月15日(非稼働日) | 10 | 10 | - |
6月16日(非稼働日) | 10 | 10 | - |
6月17日 | 7 | 7 | 7 |
6月18日 | 13 | 13 | 13 |
6月19日 | 10 | 10 | 10 |
6月20日 | 10 | 10 | 10 |
6月21日 | 11 | 11 | 11 |
6月22日(非稼働日) | 10 | 10 | - |
端数処理管理下の品目の場合、計画エンジンでは配置予測数量を切り上げ、累積残数量を次のバケットに適用します。品目-組織の品目属性が使用されます。次の表に、品目属性「端数処理管理」が選択されている品目の数量36の週次予測を計画エンジンで配置する方法を示します。
次の表に、端数処理管理を伴う予測配置の例を示します。
計画エンジンでは、月曜日用の予測7.2を8に切り上げます。
月曜日の累積残数量を2つの数値の差異である-0.8(7.2 - 8)として計算します。
月曜日の予測の累積残数量を火曜日の日次予測数量に適用し、これを6.4(7.2 - 0.8)に調整します。
火曜日の予測の6.4を7に切り上げます。
データまたは計算 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
---|---|---|---|---|---|
端数処理前の日次予測 | 7.2 (36 / 5) | 7.2 (36 / 5) | 7.2 (36 / 5) | 7.2 (36 / 5) | 7.2 (36 / 5) |
端数処理前の日次予測 + 累積残数量 | 7.2 (7.2 + 0) | 6.4 (7.2 - 0.8) | 6.6 (7.2 - 0.6) | 6.8 (7.2 - 0.4) | 7 (7.2 - 0.2) |
端数処理後の日次予測 | 8 | 7 | 7 | 7 | 7 |
残数量 | -0.8 (7.2 - 8) | -0.6 (6.4 - 7) | -0.4 (6.6 - 7) | -0.2 (6.8 - 7) | 0 |
Oracle Demand Planningの予測数量に小数が含まれている場合、Oracle Advanced Supply Chain Planningの端数処理後の予測数量に小数が含まれていることがあります。
次のダイアグラムに、バックワードおよびフォワード消込日数を使用した予測配置の例を示します。この例では、次のことが想定されています。
この品目の予測には、週次バケットが使用されます。
計画バケットは、日次が10、週次が2です。
バックワード日数とフォワード日数は、両方とも3です。
予測配置プロセスでは、計画バケットに一致するように、週1および週2の週次予測数量を日次バケットに配置します。
予測消込では、受注により予測数量が次のように消し込まれます。
S1によるD1およびD2の消込
S2によるD3およびD4の消込
S3によるD5、D6、D7、D8の消込
S4よるD8およびD9の消込
S5よるD8、D9、D10の消込
S6による週2の消込
S7による週2の消込
D5の(バケット設定後の)需要合計は、「バックワード/フォワード日数を使用した消込」方法を使用した場合はゼロで、「予測バケット別の消込」方法を使用した場合は20です。
バックワードおよびフォワード消込日数を使用した予測配置
次のダイアグラムに、需要予測配置の計算処理を処理順に示します。
予測の配置
予測の消込
予測バケットの設定
需要タイム・フェンス
パラメータは、次のとおりです。
予測割付: 予測を均等に配置
予測消込: 予測バケット別の消込
需要タイム・フェンス: 2日
「納期遅延予測を含む」の日数: 6日
計画バケット: 5日、2週間
納期遅延バケットの処理は、次のとおりです。
D-5、D-4、D-1の受注をバケットD0へ
D-3、D-5の予測をバケットD0へ
需要予測配置の需要計算
Oracle Advanced Supply Chain Planningは、受注明細を表す需要についての次の情報を収集します。
当初オーダー品目: 顧客が要求した品目
オーダー品目: 顧客が発注した品目(記帳済品目)
オーダー品目と当初オーダー品目の関連は、次のように分類されます。
アップセル: 顧客に対して、顧客が購入を希望するものより機能的に優れた製品を提供するプロセス
クロスセル: 顧客に対して、顧客が購入を希望するものだけでなく、関連製品またはアクセサリも提供するプロセス
代替: 顧客に対して、顧客が購入を希望するものに類似した製品を提供するプロセス。これは通常、要求された製品が出荷できない場合に行われます。
予測消込中、Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、受注の記帳済品目が、顧客が当初要求した代替として顧客に提供されているものかどうかを確認します。代替として提供されている品目の場合、Oracle Advanced Supply Chain Planningは、当初品目の予測を消し込みます。受注の記帳済品目がアップセルまたはクロスセル品目の場合、記帳済品目の予測は消し込まれます。
この機能は、要求された製品が供給不足の場合に、同等の代替製品を提供するのに役立ちます。また、予測消込プロセスが、受注時に記録された当初およびオーダー品目の間の関連タイプに影響を受けるようになります。これにより、受注記帳履歴の正確なレコードを使用できるため、予測の精度が向上します。
次の表は、受注明細の関連タイプを示しています。計画エンジンは、この関連タイプを考慮して、受注明細を消し込む必要がある予測を識別します。
受注の関連タイプ | オーダー品目の予測で予測消込が実行されるかどうか | 当初オーダー品目の予測で予測消込が実行されるかどうか |
---|---|---|
アップセル | はい | いいえ |
クロスセル | はい | いいえ |
代替 | いいえ | はい |
「製造および物流マネージャ」職責を選択します。
「受注管理」->「受注, 返品」->「受注」にナビゲートします。
任意の受注明細を強調表示して、「関連品目」を選択して、可能性のあるすべてのアップセル、クロスセルおよび代替を表示します。表示されたオプションの1つを選択できます。
「関連品目」ウィンドウ
関連品目を選択すると、Oracle Order Managementによって、顧客が当初要求した品目が、受注明細の当初品目列にコピーされます。
「受注」ウィンドウ
受注明細に関連品目を入力します。
計画インスタンスにデータを収集します。
「需要プランナ」職責に変更します。
需要計画のデータ・ストリーム入力を選択します。
詳細は、「需要計画用データ・ストリームの作成」を参照してください。
需要計画を作成します。
詳細は、『Oracle Demand Planning Implementation and User's Guide』を参照してください。
Oracle Demand Planningには、入力データ・ストリームの選択によって、当初品目またはオーダー品目のいずれかに対して履歴を記録するオプションがあります。これは、これらの品目の予測プロセスに影響します。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」職責に変更します。
「計画オプション」->「組織」タブにナビゲートします。
「グローバル需要計画」リージョンまたは組織に固有の「需要計画」リージョンで、計画を駆動する需要計画シナリオを選択します。
計画を実行します。
「需要/供給」ウィンドウにナビゲートして、当初品目およびオーダー品目の情報を表示します。
「需要/供給」ウィンドウ
Oracle Advanced Supply Chain Planningの予測消込プロセスは、品目代替を実行したオーダーの存在に依存します。
受注明細を右クリックして、「消込詳細」を選択します。
「消込詳細」ウィンドウ
「消込詳細」ウィンドウには、「当初品目」と「最終品目」の両方が表示されます。
予測消込詳細は、予測がグローバル予測の場合、「水平プラン」ウィンドウでも表示できます。
需要計画を作成する場合、次のデータ・ストリームのいずれかを指定できます。
記帳履歴
記帳履歴 - 記帳済品目
出荷履歴
出荷履歴 - 出荷済品目
次の表は、計画エンジンが、受注の関連に基づいて当初品目またはオーダー品目の履歴を記録するかどうかを示しています。
入力データ・ストリーム | 受注の関連タイプ | オーダー品目で履歴が記録されるかどうか | 当初品目で履歴が記録されるかどうか |
---|---|---|---|
記帳履歴または出荷履歴 | アップセル | はい | いいえ |
クロスセル | はい | いいえ | |
代替 | いいえ | はい | |
記帳履歴 - 記帳済品目または出荷履歴 - 出荷済品目 | アップセル | はい | いいえ |
クロスセル | はい | いいえ | |
代替 | はい | いいえ |
受注時の関連タイプがアップセル、クロスセルまたは代替以外の場合、計画エンジンは、4つのすべての入力データ・ストリームのオーダー品目に対して履歴を記録します。
関連タイプがブランクで当初品目が指定されている場合、これらは、計画プロセスで品目代替を実行したオーダーです。計画エンジンは、このようなオーダーを代替関連タイプとして処理します。
注意: モデル品目の場合、計画率の計算機能は、2つの入力データ・ストリーム、記帳履歴 - 記帳済品目および出荷履歴 - 出荷済品目でのみ動作します。この機能を他の2つのデータ・ストリームと組み合せて使用すると、結果に不一致が生じることがあります。
計画処理を開始する際は、算入所要量を満たすように新しい計画オーダーと提示ライン型製造オーダーを生成します。MPP、MPSまたはMRPの計画オーダーは確定可能であり、計画処理では確定計画オーダーが上書きされないように設定できます。計画レベルの「上書き」および「追加」の各オプションを使用すると、計画処理における確定計画オーダーの処理方法を制限して、短期資材計画の安定化を図ることができます。
「計画オプション」フォームの「メイン」タブで「上書き」フィールドに「すべて」と入力すると、計画処理では現在の資材計画の全エントリ(計画および確定計画)が上書きされます。「上書き」フィールドに「なし」と入力すると、確定計画オーダーは上書きされなくなりますが、確定されていない提示計画オーダーは上書きされます。また、「上書き」フィールドで「計画タイム・フェンスの範囲外」を指定すると、タイム・フェンスの範囲外にある現在の計画の全エントリ(計画および確定計画)が上書きされ、計画タイム・フェンスの範囲内のエントリについては計画オーダーのみが上書きされます。計画タイム・フェンスの範囲内にある確定計画オーダーは上書きされません。計画タイム・フェンスは品目ごとに異なる場合があるため、計画処理では削除品目を選択する際、品目ごとに計画タイム・フェンスが確認されます。
「計画オプション」ウィンドウの「メイン」タブで「計画オーダーの追加」フィールドのチェックをオフにすると、計画処理では計画オーダーが現在の計画に追加されなくなります。追加の需要が発生しても、計画オーダー推奨は発行されません。かわりに、提示計画オーダーで満たされなかった需要に応じて、予測手持数量がマイナスになる場合があります。
「計画オーダーの追加」フィールドのチェックをオンにすると、追加の計画オーダーは現在の資材計画に含まれる最後のエントリの後に追加され、追加の需要を満たすことが可能になります。上書きと追加のオプションは、次のような組合せで使用します。
このオプションを使用すると、指定した計画名で新しい資材所要量計画を作成できます。以前の計画エントリと確定計画エントリはすべて削除され、新しい計画オーダーが再生成されます。この組合せは、計画を初めて実行する場合や新しい需要のソースをすべて計画に反映する場合に使用できます。たとえば、既存の資材計画で、ある品目に次のオーダーが設定されているとします。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月1日 | 100 | 計画済 |
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月15日 | 300 | 計画済 |
次のMDS計画は、上書きフィールドの「全入力」と計画オーダー追加フィールドの「Yes」で資材計画を作成するために使用されます。
計画日 | 数量 |
---|---|
2月2日 | 110 |
2月9日 | 220 |
2月16日 | 330 |
この結果、得られる資材計画では、計画オーダーについて次の提示が示されます。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月2日 | 110 | 計画済 |
2月9日 | 220 | 計画済 |
2月16日 | 330 | 計画済 |
計画処理では、常に計画オーダーが提示されます。プランナ・ワークベンチの「品目」ウィンドウを使用して、計画オーダーを確定ステータスに変更できます。
このオプションを使用すると、指定した計画名で資材所要量計画の拡張を作成できます。計画タイム・フェンスの範囲外にある計画オーダーおよび確定計画オーダーは削除され、計画タイム・フェンスの範囲内にある計画オーダーのエントリもすべて削除されます。新しい計画オーダーは、この計画タイム・フェンスより後の日付に作成(追加)されます。この場合、計画タイム・フェンスより後の日付に対して上書きが行われるため、新しい計画オーダーもその日付以降に追加されます。この組合せを使用すると、短期計画の安定性を図り、長期計画を需要の新しいソースに対応させることができます。
注意: 品目にタイム・フェンスの指定がなく、このオプションが選択された場合は、すべての計画オーダーおよび確定計画オーダーが上書きされます。
たとえば、既存のMRPで、ある品目に対して次のオーダーが設定されているとします。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月1日 | 100 | 計画済 |
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月15日 | 300 | 計画済 |
さらに次のMDSを使用して、「上書き」フィールドに「計画タイム・フェンス外」、「計画オーダー追加」フィールドに「Yes」を設定し、MRPを作成するとします。
:
計画日 | 数量 |
---|---|
2月2日 | 110 |
2月9日 | 220 |
2月16日 | 330 |
作成された資材計画には、計画オーダーに対して次のような提示があります。計画タイム・フェンスは2月5日とします。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月5日 | 110 | 計画済 |
2月9日 | 220 | 計画済 |
2月16日 | 330 | 計画済 |
2月1日のエントリは確定されていないため、MRP計画では上書きされます。確定されていると、上書きされません。MDSからの2月2日付け追加需要110は、計画タイム・フェンスの日付である2月5日に追加されています。また、2月8日のMRP確定計画オーダーは2月5日の計画タイム・フェンスの範囲外にあるため、削除されています。計画処理では、必ず計画オーダーが提示されます。計画オーダーのステータスを確定に変更するには、「プランナ・ワークベンチ」の「品目」ウィンドウを使用します。
既存の計画を上書きしないよう選択すると、計画処理では既存の確定計画オーダーは上書きされなくなりますが、提示計画オーダーはすべて削除されます。新しい計画オーダーは、計画タイム・フェンスより後の日付に作成(追加)されます。これは短期資材所要量計画のセクションを確定する処理と似ています。計画期間は、既存の確定計画オーダーを変更せずに延長できます。たとえば、既存のMRPで、ある品目に次の提示計画オーダーが設定されているとします。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月1日 | 100 | 計画済 |
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月15日 | 300 | 計画済 |
さらに次のMDSを使用して、「上書き」フィールドに「なし」、「計画オーダーの追加」フィールドに「Yes」を設定し、MRPを作成するとします。
計画日 | 数量 |
---|---|
2月2日 | 110 |
2月9日 | 220 |
2月16日 | 330 |
この結果、得られる資材計画では、計画オーダーについて次の提示が示されます。ここでは計画タイム・フェンスを2月5日としています。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月5日 | 110 | 計画済 |
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月9日 | 20 | 計画済 |
2月16日 | 330 | 計画済 |
上書きが「なし」に設定されているため、2月8日の確定オーダーはMRPに残っていますが、計画エントリは削除されます。MDSには追加の需要が存在していますが、計画タイム・フェンス(2月5日)より前の時点では計画オーダーは提示されません。2月2日のMDS需要110は、110に対する2月5日の新しい計画オーダーで満たされています。2月9日の需要220は、2月8日の確定MRP計画オーダーで一部が満たされています。したがって、このMDS需要220を満たすために、2月9日付けで20に対する追加の計画オーダーが提示されています。また、2月16日のMDSからの需要を満たすため、2月16日付で330に対する提示計画オーダーが作成されています。
この場合、計画処理では、既存の確定計画エントリは上書きされませんが、提示計画オーダーはすべて削除されます。また、追加の需要が計画の最後に追加されることもありません。かわりに、資材所要量計画が基準需要計画と一致しない箇所が報告されます。この問題は計画を手動で操作して解決します。これにより、資材計画担当にとっては最大限の管理が可能になります。たとえば、既存の資材計画に次のようなオーダーが設定されているとします。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月1日 | 100 | 計画済 |
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月15日 | 300 | 計画済 |
さらに次のMDSを使用して、「上書き」フィールドに「なし」、「計画オーダーの追加」フィールドに「No」を設定し、MRPを作成するとします。
計画日 | 数量 |
---|---|
2月2日 | 110 |
2月9日 | 220 |
2月16日 | 330 |
この結果、得られるMRPでは、計画オーダーについて次の提示が示されます。
計画日 | 数量 | 受注ステータス |
---|---|---|
2月8日 | 200 | MRP確定計画済 |
2月2日、2月9日および2月16日の追加需要に対しては何も計画されていません。これは、上書きを実行せず、計画オーダーの追加も行わないという設定では、確定計画オーダーが上書きされず、追加の需要を満たす新しい計画オーダーも作成されないためです。この場合、追加の需要を満たす計画オーダーが提示されないため、予測手持数量はマイナスになります。資材計画担当は、オンライン照会や例外メッセージのレポートを利用して資材不足を確認できます。
ASCPでは、次のフェーズで計画意志決定が順番に発生します。
代替の選択(工順、代替構成部品、内部ソース組織、仕入先)
注意: 代替のインテリジェントな選択は、決定ルールを使用できる制約付き計画、または最適化済計画でのみ発生します。決定ルールのない制約付き計画および制約なし計画では、主要な代替(主要工順など)のみが選択され、ソース・ルールで指定されているソーシング・ランクおよびソーシング率に必ず従います。
需要に対する供給のペギング(手持、計画受入および計画オーダーによる各供給)
生産資源に対する個別工程の詳細予定作成
注意: このフェーズは、「計画オプション」フォームの「制約」タブで「制約付き計画」チェック・ボックスが選択されている場合にのみ使用可能です。
詳細計画フェーズでは、計画オーダー供給にペグされている需要数量は、内部優先度の順で考慮されます。内部優先度の高い需要ほど、先に生産資源と資材生産能力を利用できます。内部優先度の低い需要で利用できるのは残存している生産資源と資材生産能力のみであるため、その需要が満たされる時期も遅れがちになります。
オラクル社では、基準需要計画と、需要予測および受注の両方を使用して計画を推進することをお薦めしません。このような計画では、それらのエンティティ全体について、計画エンジンが需要優先度を維持できません。
前述の内部優先度は、受注および基準需要計画エントリに添付できる外部優先度とは異なります。内部優先度は、「計画オプション」フォームの「メイン」タブで計画に添付した優先度ルールに基づき、その計画について生成されます。
「アドバンスト・サプライ・チェーン計画担当」の職責でサインオンします。
ナビゲータから「設定」->「優先度ルール」を選択します。
「優先度ルールの定義」ウィンドウが表示されます。
次の表に従って、このフォームの各フィールドに情報を入力します。
フィールド | 説明 |
---|---|
名称 | 優先度ルールの名前を入力します。サプライ・チェーン計画の計画オプションを定義するときはこの名前を参照します。 |
摘要 | 優先度ルールの摘要を入力します。この摘要は個別参照のためのもので、ASCPでは使用されません。 |
使用可能 | この優先度ルールをASCP計画に添付できるようにするには、このボックスを選択します。 |
デフォルト | この優先度ルールをASCP計画サーバーでデフォルトの優先度ルールにするには、このボックスを選択します。 |
基準名 | 有効な値は、「売上総利益」、「納期」、「要求日」、「受注およびMDSエントリ優先度」および「計画日」です。各需要を評価するための基準は、ASCPで需要に対する内部優先度が生成される際に選択します。たとえば、「受注およびMDSエントリ優先度」を選択すると、最も緊急度の高い外部優先度(受注明細またはMDS入力で指定)を持つ需要入力に、内部優先度1が与えられます。外部優先度で次に高い緊急度を持つ需要には内部優先度 2が与えられ、以下同様に続きます。複数の基準を選択した場合、各基準は1つ前の基準で同順位となった需要の評価に使用されます。スクリーンショットの例では、2つの受注需要がいずれも同じ優先度1を持つ場合、計画日(納期)が早いほうの受注に最も緊急度の高い内部優先度が割当てられます。複数の需要が、優先度ルールで指定されたすべての基準について同順位となる場合は、連続する内部優先度の値が任意に割当てられます。 |
基準の順序 | このフィールドは自動的に入力されます。前の手順で選択した順番で、1から始まる番号が基準に付けられます。 |
「計画オプション」フォームの「メイン」タブで、「需要優先度ルール」フィールドに優先度ルールの名前を入力します。詳細は、「「メイン」タブ・リージョン」を参照してください。
前述のスクリーンショットで表示される優先度ルールを使用すると、外部優先度で最も緊急度の高い需要が、期限内に満たされる可能性が高くなります。これは、これらの需要に対して、最も早く生産資源と資材生産能力が割り当てられるためです。
計画エンジンでは、階層を使用して優先度ルールを判断します。
計画の優先度ルール: 「計画オプション」フォーム>「メイン」タブ・リージョン
デフォルトの優先度ルール: 「優先度ルール」フォーム
計画日: 納期の順番で需要を優先順位付け
計画エンジンでは、ペギング処理中、確定および非確定供給が需要に割り当てられます。
選択する設定に応じた様々な方法で、計画エンジンによってペグされます。詳細は、「「需要/供給」ウィンドウ」の「ペギングの概要」を参照してください。
Oracle Advanced Supply Chain Planningでは、受注明細の要求日、納期または計画日に基づいて、供給の計画または予測の消込を実施できます。この機能は、搬送取引約定の履行および改善に役立ちます。
組織で満たす必要がある条件に応じて、次のいずれかの日付に基づいて計画できます。
要求日に対する計画: Oracle Global Order Promisingで最初に計画された日付と比較して、より積極的な一連の日付に従う場合。代替部品構成表(BOM)および工順、または代替施設が多数ある場合は、このオプションを使用できます。Oracle Global Order Promisingではこれらの代替が考慮されないため、このような状況では、堅実な計画日が提示されることがよくあります。この場合、Oracle Advanced Supply Chain Planningの制約付きの意思決定ルール・ベース計画、またはコスト最適化計画を使用すると、より適切な計画日を取得できます。
納期に対する計画: 顧客に通知した日付に従い、計画日の上書きを無視する場合。結果の需要充足日を需要計画日と比較すると、顧客への前回の通知以降に行われた手動による計画日の上書きを検証できます。
計画日に対する計画: Oracle Global Order Promisingによって提示された需要日に従い、手動による上書き日付を遵守する場合。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「計画オプション」を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。デフォルトで「メイン」タブが表示されます。
「計画単位」ボックスで、計画で考慮する受注明細の日付の種類を選択します。
計画出荷日(デフォルト)
計画到着日
要求出荷日
要求到着日
見込出荷日
見込到着日
「計画オプション」ウィンドウの詳細は、「計画オプションの設定」を参照してください。
注意: 「優先度ルールの定義」フォームで優先度ルールが指定されていない場合、計画エンジンでは、「計画オプション」ウィンドウの「計画単位」ボックスで指定された(またはデフォルトの)オプションに基づいて需要優先度ルールが考慮されます。
需要の到着日または出荷日が納期になるように考慮できます。計画エンジンでは、出荷日および到着日が次のように計算されます。
計画エンジンでは、受注明細に指定された日付に基づいて、計画出荷日または到着日が計算されます。計画到着日が受注明細で指定されている場合は、その計画到着日を移動時間でオフセットして計画出荷日が計算されます。
例:
計画到着日が日付11として指定され、移動時間が2日の場合、計画出荷日の計算結果は日付9となります。
計画エンジンでは、「顧客」->「受注管理」タブで指定した顧客レベルの属性「要求日タイプ」が考慮され、受注要求日または受注納期に対応する出荷日または到着日が計算されます。
要求日のタイプに従って、次のように処理されます。
到着: 出荷日は、到着日を移動時間でオフセットして計算されます。
例:
要求到着日が日付12で、移動時間が2日の場合、要求出荷日の計算結果は日付10となります。
出荷: 到着日は、出荷日に移動時間を加算して計算されます。
例:
要求出荷日が日付12で、移動時間が2日の場合、要求到着日の計算結果は日付14となります。
注意: 計画エンジンでは、出荷日と到着日の計算に、出荷、受入および運送業者のカレンダも考慮されます。カレンダの詳細は、「出荷、受入、運送業者および仕入先生産能力カレンダの設定」を参照してください。
Oracle ASCPでは、同じ計画内で異なる総計レベルを使用して計画できます。これにより、単一の統合計画内で詳細計画と長期計画を実行可能です。次のように複数の計画ディメンションに沿って柔軟な総計レベルが存在します。
時間
製品
生産資源/工順
ここでは、各ディメンションの総計レベル・オプションについて説明します。
Oracle ASCPでは、次の時間総計レベルを使用できます。
分
時間
日
週
期間
計画の計算に伴う演算処理を減少させ、計画出力の量を(わかりやすいように)減少させるために、タイムバケット・サイズは必要な詳細を取得できる範囲内で最小サイズにのみ設定する必要があります。
タイムバケット・サイズは、計画水平上で大きくするか、または一定レベルにとどめる必要があり、小さくすることはできません。
単一計画内で有効な時間総計レベルの例を次に示します。
分-時間-日-週-期間(「制約」タブで「制約付き計画」を選択)
日(「総計」タブ)
日-週(「総計」タブ)
時間-日-期間(「制約」タブで「制約付き計画」を選択。注意: 「週」時間総計レベルはスキップされます。)
分総計レベルと時間総計レベルの計画処理は計画と呼ばれ、「計画オプション」ウィンドウの「制約」タブで「制約付き計画」チェック・ボックスが選択されている場合にのみ有効化されます。
「期間」は「月」にデフォルト設定されます。
上位レベルのタイムバケットで発生するすべての下位レベル需要(週次タイムバケットの途中で発生する日次需要など)は、計画処理のために上位レベルのバケットの最終日に移動されます。これは、総計を通じて失われる情報です。
供給は、常に期間の最終日に到着するように計画されます。
オーダー・モディファイア「固定供給日数」を使用すると、計画エンジンでは、複数の需要日数をカバーする単一の供給が作成されます。制約ベースの計画中には、供給数量を需要日および数量に対して消し込めないように、計画エンジンにより需要日と供給日が移動される場合があります。消込を試みるには、計画オーダー需要に古い納期を使用することをお薦めします。
Oracle ASCPでは、次の製品総計レベルを使用できます。
品目
製品ファミリ
品目レベルでの計画では、資材および生産資源所要量が各最下位レベル構成部品に展開されます(構成部品の「MRP計画タイプ」品目属性が実行中の製造、資材または物流計画のタイプと一致している場合)。
製品ファミリ・レベルで計画する場合、資材または生産資源所要量は展開されません。製品ファミリの製造に必要な生産資源に関する情報は、製品ファミリの工順から取得されます。したがって、製品ファミリ・レベルで計画する場合、各製品ファミリの工順が定義されている必要があります。製品ファミリ・レベルでの計画時には、資材所要量は考慮されません。
Oracle ASCPで生産資源情報の総計レベルを指定するには、次の2つの方法があります。
生産資源総計レベル: 「個別」、「総計」
工順総計レベル: 「工順」、「生産資源構成表」(BOR)
注意: 「計画オプション」ウィンドウの「制約」タブで「制約付き計画」チェック・ボックスを選択しないかぎり、生産資源総計レベルによる影響はありません。
生産資源総計レベルには、「個別」または「総計」を使用できます。
個別: 計画中には、全品目の工順(品目総計レベルが「品目」に設定されている場合)または全製品ファミリの工順(品目総計レベルが「製品ファミリ」に設定されている場合)に示される全生産資源が考慮されます。
総計: 計画中には、総計生産資源として指定した生産資源のみが考慮されます。総計生産資源は、工順を定義する際に「工程生産資源」ボタンを使用してアクセスするウィンドウで指定します(「製造および物流マネージャ」職責を使用します。「ナビゲータ」ウィンドウで、「部品構成表」->「工順」->「工順」を選択します)。各工程生産資源の総計生産資源を指定できます(同じ生産資源でも別の生産資源でもかまいません)。総計生産資源として指定した生産資源は、個別生産資源として使用しないでください。計画エンジンでは計画されません。
工順総計レベルにも、同様の機能があります。
工順: 計画中には、全品目の工順(品目総計レベルが「品目」に設定されている場合)または全製品ファミリの工順(品目総計レベルが「製品ファミリ」に設定されている場合)に示されている全生産資源が考慮されます。これは、前述の「個別」生産資源総計レベルの場合と同じです。
生産資源構成表(BOR): 計画中には、品目の生産資源構成表(品目総計レベルが「品目」に設定されている場合)または製品ファミリの生産資源構成表(品目総計レベルが「製品ファミリ」に設定されている場合)に示されている生産資源のみが考慮されます。生産資源構成表は、品目または製品ファミリを、個別生産資源とその生産資源で各品目/製品ファミリについて発生する処理時間(使用量)に関連付けるリストです(生産資源構成表を定義するには、「製造および物流マネージャ」職責を使用します。「ナビゲータ」ウィンドウで、「生産能力計画」->「生産資源構成表」->「生産資源構成表」を選択します)。品目とその構成部品および副構成要素に関する工順からの生産資源使用量を合計することで、生産資源構成表での使用量を自動的に生成できます。また、生産資源構成表を手動で定義することもできます。この場合は、特定の重要生産資源のみを含め、重要生産資源ごとの使用数量を必要に応じて手動で調整できます。
工順総計レベル「生産資源構成表」を使用すると、Oracle ASCPでは、生産資源構成表が定義されている品目または製品ファミリについてのみ、計画中に生産資源所要量が生成されます。
工順総計レベル「生産資源構成表」を使用すると、生産資源構成表の生成に使用された工順からの工程連番情報が失われます。「生産資源構成表」総計レベルは、概略生産能力計画に週次バケットと期間バケットとともに使用することを意図しています。生産資源構成表を使用する場合、生産資源の順序や依存関係が考慮されないため制約ベースの計画はお薦めしません。同じ計画内では生産資源構成表総計に工順総計との互換性がなく、分および時間で計画する場合は生産資源構成表総計を使用できません。
生産資源総計(総計)と工順総計(BOR)の上位レベルには、どちらも計画中に考慮される生産資源数を制限する効果があります。
生産資源および工順総計レベルには、重複する効果があります。
生産資源総計レベルを「個別」に設定するか、工順総計レベルを「工順」に設定すると、計画中には品目(品目総計レベルが「品目」に設定されている場合)または製品ファミリ(品目総計レベルが「製品ファミリ」に設定されている場合)のすべての個別生産資源が考慮されます。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「制約」タブを選択します。
対象期間を日数、週数または期間数単位で入力します。
詳細情報が考慮される頻度が高く、要約情報が考慮される頻度が低くなるように、様々な期間バケットに異なる総計レベルを指定できます。
生産資源は、個別または総計として計画できます。個別生産資源計画を選択すると、個々の生産資源レベルへと計画が下方へ生成され、計画推奨時には各生産資源の使用可能生産能力が考慮されます。
総計生産資源計画を選択すると、品目に必要な生産資源グループに含まれるすべての生産資源の生産能力全体が考慮されます。たとえば、個々の生産資源が割当てられている部門の生産能力全体が使用されます。
詳細は、『Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイド』の生産資源の定義に関する項を参照してください。
資材の総計レベルは、3つの計画期間について個別に指定できます。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
「制約」タブを選択します。
対象期間を日数、週数または期間数単位で入力します。
詳細情報が考慮される頻度が高く、要約情報が考慮される頻度が低くなるように、様々な期間バケットに異なる総計レベルを指定できます。
製品は、品目レベルまたは製品ファミリ・レベルで計画できます。
品目を製品ファミリに適切に割当てていることと、部品構成表の設定時に計画率を指定していることを確認してください。
工順総計レベルは、3つの計画期間のそれぞれについて個別に指定できます。
ナビゲータから、「サプライ・チェーン計画」->「オプション」を選択します。
「計画オプション」ウィンドウが表示されます。
「制約」タブを選択します。
対象期間を日数、週数または期間数単位で入力します。
詳細情報が考慮される頻度が高く、要約情報が考慮される頻度が低くなるように、様々な期間バケットに異なる総計レベルを指定できます。
計画用に工順または生産資源構成表を選択できます。分、時間および日次バケットによる詳細計画の場合は、工順が使用されます。週次および月次バケットによる長期シミュレーションの場合は、工順または生産資源構成表を使用できます。工順と生産資源構成表を同一計画には使用できないことに注意してください。
工順レベルの総計を選択すると、計画では各生産資源の生産能力と、品目の生産時の生産資源の順序が考慮されます。生産資源構成表(BOR)レベルの総計を選択すると、品目の生産に必要な生産資源の所要量のみが考慮され、その順序や依存関係は考慮されません。
「生産資源構成表」総計レベルは、概略生産能力計画に週次バケットおよび期間バケットとともに使用することを意図しています。生産資源構成表を使用する場合、生産資源の順序や依存関係が考慮されないため制約ベースの計画はお薦めしません。同じ計画内では生産資源構成表総計に工順総計との互換性がなく、分および時間で計画する場合は生産資源構成表総計を使用できません。
「最適化済」オプションを介して計画を生成する場合、Oracle ASCPではサプライ・チェーン全体で計画オーダーの生成中に考慮対象となる目的を指定できます。
すべての目的は、ドル単位で表されます。
この項では、使用可能な目的について個別に説明し、複数の目的を組み合せることで、競合する目的相互の得失を取得する1つの目的機能にする方法を説明します。
計画は、次の表に示す目的に最適化できます。
目的機能 | 目的の達成方法 |
---|---|
在庫回転率の最大化 | 在庫保管費の最小化 |
計画収益の最大化 | 「計画収益 - 計画原価」の最大化 |
納期搬送の最大化 | 遅延需要のペナルティ原価の最小化 |
在庫回転率を最大化するには、在庫保管費を最小化します。在庫保管費は、全タイムバケット中の全品目について合算されます。在庫保管費の計算式は、次のとおりです。
在庫保管費 = (バケット当たりの平均在庫) * (保管費率) * (品目原価)
「計画収益目的」を選択すると、実際には最適化エンジンに対して全計画品目の動的原価積上を実行するように要求する効果があります。他のすべての最適化目的では標準原価が使用され、積上原価が動的に計算されることはありません。
マージン率目的の計算式は、次のとおりです。
マージン率 = (計画収益) - (計画原価)
計画収益 = [(受注明細価格) * (受注数量)] + [(品目定価) * 品目値引) * (予測数量)]
計画収益は、全タイムバケット内で独立需要のある全品目について計算されて合算されます。
計画原価 = 品目原価 + 輸送原価 + 在庫保管費
計画原価は、全タイムバケット内の全品目、生産資源および出荷方法について計算されて合算されます。
品目原価 = (生産資源原価 * 生産資源使用数量) + (購買品目原価 * 購買品目数量) + (プロセス原価 * プロセスを使用する数量)
輸送原価 = (輸送数量 * 品目重量 * 単位重量当たりの出荷原価) + (購買数量 * 品目重量 * 単位重量当たりの出荷原価)
在庫保管費 = バケット当たりの平均在庫 * 保管費率 * 品目原価
マージン率は、複数の原価の組合せであるという意味で最も多くの目的による総計です。
納期搬送目的の計算式は、次のとおりです。
納期搬送 = 遅延需要のペナルティ原価
納期搬送は、全タイムバケット内で独立需要のある全品目について計算されて合算されます。
遅延需要のペナルティ原価 = (遅延需要のペナルティ原価ファクタ($)/単位/日数 * 遅延日数 * 遅延需要数量) + (未充足需要のペナルティ原価ファクタ($)/単位/日数 * 遅延日数 * 未充足需要数量)
納期搬送では、遅延需要原価と未充足需要原価という2種類の原価が合計されます。未充足需要は、単なる大幅遅延需要です。特に、計画により生成される供給の需要納期が前倒/遅延許容日数を上回っている需要を表します。前倒/遅延許容日数はユーザー設定のプロファイル・オプションです。
遅延需要のペナルティ原価ファクタは、ユーザー指定の計画オプションです。
未充足需要のペナルティ原価ファクタはシステム提供の計画オプションで、遅延需要のペナルティ原価ファクタを1より大きい定数で乗算することで算出されます。このため、未充足(大幅遅延)需要の原価は遅延需要の原価よりも大きくなります。
Oracle ASCPでは、前述のように選択(重み付け)または選択解除できる目的の他に、選択内容が考慮される一連の暗黙的な(非表示の)目的が保守されます。これらの目的は、次のように各種ペナルティ原価のマイナス値として定義されます。
暗黙的な目的 =
-(遅延需要のペナルティ原価)
-(生産資源生産能力違反のペナルティ原価)
-(輸送能力違反のペナルティ原価)
-(資材生産能力違反のペナルティ原価)
-(安全在庫違反のペナルティ原価)
-(代替ソース使用のペナルティ原価)
-(代替工順使用のペナルティ原価)
-(代替生産資源使用のペナルティ原価)
-(代替品目使用のペナルティ原価)
-(保管費率)
暗黙的な目的を最大化すると、ペナルティ原価が最小化されます。
ペナルティ原価は、ペナルティ・ファクタと他のなんらかのパラメータ(定価、品目原価、生産資源原価または輸送原価など)の積です。例:
遅延需要のペナルティ原価 [$/単位/日] = (ペナルティ・ファクタ) * (定価)
ペナルティ・ファクタは、フレックスフィールド、計画オプションまたはプロファイル・オプションを使用して様々なレベルで設定できます。フレックスフィールドを使用すると、最も個別なレベルでペナルティ・ファクタを設定できます。たとえば、フレックスフィールドを使用して需要、品目または組織レベルで遅延需要のペナルティ・ファクタを設定できます。計画オプションとプロファイル・オプションを使用すると、それぞれ計画レベルとサイト・レベルで同じペナルティ・ファクタを設定できます。
計画エンジンでは、前述の目的が組み合されて次の目的機能となります。
総合目的 = w1 * (計画収益) + w2 * (納期搬送) + w3 * (在庫回転率) + 1.0 * (暗黙的な目的)の最大化
目的の重みw1からw3までは、0から1までの範囲に限定されています。目的の重みを0(ゼロ)に設定すると、Oracle ASCPではその目的が考慮されません。目的の重みを1に設定すると、その目的が最も重視されます。目的の重みw1からw3までは、個別に設定できます。
目的の重みw1からw3までは、通常、計画の決定における各目的の相対的な重要度を正確に示すわけではありません。前述した総合目的の定義からも明らかなように、特定の目的が総合目的の値に占める比率は目的の金額によっても異なります。目的の金額は目的の重みと金額の積で、計画の決定における各目的の相対的な重要度が反映されます。
相互に依存する目的には特に注意してください。一部の原価は複数の目的に含まれます。たとえば、在庫保管費は、計画収益目的と在庫回転率目的の両方に含まれます。したがって、計画収益に含まれる他の原価(品目原価、輸送原価)よりも大きい値で在庫保管費を意図的に重み付けする必要がある場合にのみ、この2つの目的を併用してください。
さらに微妙なのは遅延需要のペナルティ原価の場合で、これは納期搬送目的とユーザーには表示されない暗黙的な目的の両方に表示されます。したがって、計画エンジンでは、計画の決定時には納期搬送の重みに関係なく遅延需要原価が考慮されます。
暗黙的な目的と明示的な目的は、複数のファクタとルールの影響を受けます。以降の各表に、次のことを示します。
これらの目的と原価、価格、優先度ルールおよびソーシング・ランクの関係
様々な目的に基づいて最適化される計画の最小データ要件
Yesは原価/ファクタが目的に影響することを意味します。
原価-価格/目的 | 在庫回転率 | 納期搬送 | 計画収益 |
---|---|---|---|
生産資源原価 | No | No | Yes |
品目標準原価 | Yes | No | Yes |
保管費率 | Yes | No | Yes |
遅延需要のペナルティ・ファクタ | No | Yes | No |
定価と販売価格 | No | Yes | No |
輸送原価 | No | No | Yes |
ファクタ | 遅延需要のペナルティ原価 | 生産資源生産能力違反のペナルティ原価 | 輸送能力違反のペナルティ原価 | 資材生産能力違反のペナルティ原価 | 安全在庫違反のペナルティ原価 |
---|---|---|---|---|---|
生産資源原価 | No | Yes | No | No | No |
品目標準原価 | No | No | No | Yes | Yes |
保管費率 | No | No | No | No | No |
品目生産能力の超過のペナルティ・ファクタ | No | No | No | Yes | No |
生産資源生産能力の超過のペナルティ・ファクタ | No | Yes | No | No | No |
輸送能力の超過のペナルティ・ファクタ | No | No | Yes | No | No |
遅延需要のペナルティ・ファクタ | Yes | No | No | No | No |
定価と販売価格 | Yes | No | No | No | No |
輸送原価 | No | No | Yes | No | No |
ファクタ | 代替ソース使用のペナルティ原価 | 代替工順使用のペナルティ原価 | 代替生産資源使用のペナルティ原価 | 代替品目使用のペナルティ原価 | 暗黙的な保管費 |
---|---|---|---|---|---|
生産資源原価 | Yes | No | Yes | No | No |
品目標準原価 | Yes | Yes | No | Yes | Yes |
保管費率 | No | No | No | No | Yes |
ソーシング・ランク | Yes | No | No | No | No |
代替品目優先度 | No | No | No | Yes | No |
部品構成表/工順優先度 | No | Yes | No | No | No |
代替生産資源優先度 | No | No | Yes | No | No |
Oracle ASCPでは、制約なし計画(計画区分の選択を参照)を除くすべての最適化レベルで、なんらかのタイプの有限生産能力計画が実行されます。これは、以前のバージョンで実行されていた無限生産能力計画に比べてはるかに複雑な計算を伴います。したがって、計算への集中度が低くなるように計画上の問題を系統立てて整理するだけの価値はあります。
計画上の問題の計算に伴う負荷は、計画対象となる生産資源の数、品目数および需要数とともに増大します。
重要でない(制約とならない)生産資源を工順から外します。たとえば、セル生産方式によるシステムのセル全体を、生産資源グループのかわりに単一生産資源としてモデル化できます。
計画生産資源をボトルネック生産資源に設定し、重要な制約生産資源のみをボトルネック生産資源グループに含めます。
生産資源と工順の総計の使用を最大化します(「資材総計レベルの選択」を参照)。
品目-組織の組合せはそれぞれ個別品目としてカウントされるため、各品目をできるだけ少数の組織で有効化します。
計画オプションで(製品ファミリ・レベルに対する)品目総計の使用を最大化します。
「計画オプション」ウィンドウの「メイン」タブで、「計画対象品目」オプションを「全計画品目」以外の値に設定します。たとえば、「需要計画品目のみ」に設定します。
計画オプションで時間総計(より大きいタイムバケット)の使用を最大化します。これにより、より大きいタイムバケットで発生する複数の需要がタイムバケットの最後に発生する単一需要に縮小されます。
長期予測を、日のような短いタイムバケットのかわりに長いタイムバケット(週や期間など)で保守します。これにより、予測が計画プロセスへの入力のためにMDSにロードされた後の、MDS需要の数が減少します。
様々な目的に関する最適化済計画に必要なデータの大部分は、ERPシステムで使用可能です。次のようなデータがあります。
品目標準原価、定価、販売価格、値引
保管費率
生産資源原価
輸送原価
ソーシング・ランク
代替品目優先度
部品構成表/工順優先度
代替生産資源優先度
残りのデータは、最適化済計画の実装所要時間を短縮するためにプロファイル・オプション・レベルまたは計画レベルで設定できます。次のようなデータがあります。
品目生産能力の超過のペナルティ・ファクタ
生産資源生産能力の超過のペナルティ・ファクタ
輸送能力の超過のペナルティ・ファクタ
遅延需要のペナルティ・ファクタ
Oracle ASCPでは、これらのフィールドの一部のデフォルト値が考慮されます(「標準原価」の場合は0.01など)。最適化プロセスでは、これらのデフォルト値のみに基づいて有効な結果を生成することはできません。これらのフィールドの開始値を実装開始時にプロファイル・オプション・レベルで指定することをお薦めします。
Oracle ASCPによる最適化では、ソース・ルールまたは物流構成表(あるいはその両方)で指定された割付率は考慮されません。ソースは、ペナルティ原価と制約を考慮して生産能力、品目標準原価およびランクに基づいて決定されます。
品目Aは、それぞれランクが1および2の組織O1およびO2から調達されます。両方の組織での合計原価(品目原価とペナルティ原価の合計)が等しく、生産能力がO2でのみ使用可能であれば、この組織が品目Aのソースとして使用され、ランクは上書きされます。
品目Aは、それぞれランクが1および2の組織O1およびO2から調達されます。両方の組織での合計原価(品目原価とペナルティ原価の合計)が等しければ、ランク1の組織O1が品目Aを調達するために負荷済(または過負荷)となります。
品目Aは、それぞれランクが1および2の組織O1およびO2から調達されます。組織O1での合計原価(品目原価とペナルティ原価の合計)が組織O2よりも大きければ、ランク2の組織O2が品目Aを調達するために負荷済(または過負荷)となり、ランクが上書きされます。
不安定性は、需要の小規模変動により供給(計画オーダー・リリース)が大幅に変動する状態です。従来のMRPでは、計画の不安定性が原因で、工場では追加設定(および混乱や不満)に伴う時間の無駄が生じています。Oracle ASCPには単一のグローバル・サプライ・チェーン計画を生成する機能があり、この機能を使用すると、対象が取引先まで及ぶため(急速に変化する所要量への対処を目的とした、製造の継続的再計画に同様の緊急性を感じているとはかぎりません)、不安定性による影響が大きくなります。
次の例を考えてみます。最終品目Aのリード・タイムは1日で、オーダー・モディファイアの「固定発注期間」は3日です。最終品目Aには、リード・タイムが3日でオーダー・モディファイアが「ロット・フォー・ロット」の構成部品Bが1つ含まれています。次の2つの表に、AおよびBの初期計画オーダーを示します。
品目A | 現行 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
総所要量 | 0 | 10 | 10 | 10 | 10 | 50 |
計画受入 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プロジェクト在庫数量 | 15 | 5 | -5 | 0 | 0 | 0 |
算入所要量 | 0 | 0 | 5 | 10 | 10 | 50 |
計画オーダー納期 | 0 | 0 | 25 | 0 | 0 | 50 |
計画オーダー開始日 | 0 | 25 | 0 | 0 | 50 | 0 |
品目B | 現行 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
総所要量 | 0 | 25 | 0 | 0 | 50 | 0 |
計画受入 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プロジェクト在庫数量 | 25 | 0 | 0 | 0 | -50 | 0 |
算入所要量 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 0 |
計画オーダー納期 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 0 |
計画オーダー開始日 | 0 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ここでは、2日目にAの需要が5単位減少するとします。次の2つの表に、改訂後の計画オーダーを示します。
品目A | 現行 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
総所要量 | 0 | 0 | 70 | 0 | 0 | 0 |
計画受入 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プロジェクト在庫数量 | 25 | 25 | -50 | 0 | 0 | 0 |
算入所要量 | 0 | 0 | 50 | 0 | 0 | 0 |
計画オーダー納期 | 0 | 0 | 50 | 0 | 0 | 0 |
計画オーダー開始日 | 0 | 50* | 0 | 0 | 0 | 0 |
品目B | 現行 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
---|---|---|---|---|---|---|
総所要量 | 0 | 10 | 5 | 10 | 10 | 50 |
計画受入 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
プロジェクト在庫数量 | 15 | 5 | 0 | -10 | 0 | 0 |
算入所要量 | 0 | 0 | 0 | 10 | 10 | 50 |
計画オーダー納期 | 0 | 0 | 0 | 70 | 0 | 0 |
計画オーダー開始日 | 0 | 0 | 70 | 0 | 0 | 0 |
* 遅延開始
需要が減少したため、Aの計画オーダーが1日目の25と4日目の50から3日目の70に変更されることに注意してください。これは、作業時の不安定性の一例です。
その結果としてBの依存需要が変化するため、Bの計画オーダーは実現不可能となり、遅延開始となり、Aの需要が減少した後に開始されます。
前述のような計画の不安定性を軽減するために、いくつか処置を講じることができます。
最終品目のオーダー・モディファイアとして、「固定発注期間」を使用しないかわりに「固定ロット 乗数」または「固定発注数量」を使用します。最下位レベル品目についてのみ「固定発注期間」を保持します。
計画タイム・フェンスを使用します。計画タイム・フェンス日数xにより、計画オーダーは[計画開始日、計画開始日 + x]間隔で凍結されます。これにより、製造計画の短期的な中断がなくなります。
リリース・タイム・フェンスを使用します。リリース・タイム・フェンス日数xにより、計画オーダーは[計画開始日、計画開始日 + x]間隔で自動的に確定され、実行システムにリリースされます。以降の計画実行では、これらの計画オーダーは計画受入として処理され、オーダー・モディファイアを介した操作の対象外となります。これにより、計画の不安定性が軽減されます。
タイム・フェンスを使用すると、短期計画を凍結して不安定性を軽減できます。ただし、計画プロセスで需要変動に対処できる度合いも低下します。タイム・フェンスはできるかぎり小さい値に設定する必要があります。
ASCP計画の対象品目と除外品目を管理するには、相互に依存する3つの方法があります。
「サプライ・チェーン計画名」フォームで計画タイプを選択するとともに、「計画方法」品目属性を設定します。
「計画方法」品目属性は、次のいずれかに設定できます。
計画なし
MPS計画
MRP計画
MRP/MPP計画
MPS/MPP計画
MPP計画
「計画タイプ」は、次のいずれかに設定できます。
製造計画
生産計画
マスター計画
ASCP計画オプションで「クリティカル構成部品を含む」フラグを設定するとともに、クリティカル品目を設定します。
クリティカル品目を設定するには、次の2つの方法があります。
明示的: 対応する「クリティカル構成部品」品目属性をチェック
暗黙的: ASCP計画のボトルネック生産資源グループに生産資源を含んでいる工順(基本または代替)を使用
「計画オプション」フォームの「組織」タブで組織レベルの「受注を含む」フラグを設定するとともに、「計画対象品目」計画オプションの値を設定します。「計画対象品目」計画オプションに有効な値は、次のとおりです。
全計画品目
需要計画品目のみ
供給計画品目のみ
需要および供給計画品目
需要計画および製造部品
需要計画品目および全受注
需要計画品目/製造部品/全受注
次の表に、「計画対象品目」計画オプション、「計画タイプ」、「計画方法」品目属性、「クリティカル構成部品を含む」計画オプション、「クリティカル構成部品」品目属性および「受注を含む」計画オプションに基づいて計画される品目を示します。
「計画対象品目」計画オプション | 計画タイプ | 「クリティカル構成部品を含む」計画オプション | 計画される品目 |
全計画品目 | 製造計画 | 選択解除 | MRP計画コードが「計画なし」の品目を除く、計画対象組織の全品目。 |
全計画品目 | 製造計画 | 選択 |
注意: 主構成部品がクリティカル構成部品の場合、ASCPではクリティカルでない代替構成部品も選択されます。 主構成部品がクリティカル構成部品でない場合、代替構成部品がクリティカル構成部品であっても、代替構成部品は選択されません。 この動作は、「計画タイプ」および「計画対象品目」計画オプションの全バリエーションに該当します。 |
全計画品目 | 生産計画 | 選択解除 |
|
全計画品目 | 生産計画 | 選択 |
|
全計画品目 | マスター計画 | 選択解除 |
|
全計画品目 | マスター計画 | 選択 |
|
需要計画品目のみ | 製造計画 | 選択解除 |
注意: このオプション(「需要計画品目のみ」)を選択すると、関連する組織の「受注を含む」チェック・ボックスが選択されていても、需要計画にない品目/組織に関する受注は含まれません。 |
需要計画品目のみ | 製造計画 | 選択 |
|
需要計画品目のみ | 生産計画 | 選択解除 |
|
需要計画品目のみ | 生産計画 | 選択 |
|
需要計画品目のみ | マスター計画 | 選択解除 |
|
需要計画品目のみ | マスター計画 | 選択 |
|
供給計画品目のみ | 製造計画 | 選択解除 |
注意: このオプション(「供給計画品目のみ」)を選択すると、関連する組織の「受注を含む」チェック・ボックスが選択されていても、供給計画にない品目/組織に関する受注は含まれません。 |
供給計画品目のみ | 製造計画 | 選択 |
|
供給計画品目のみ | 生産計画 | 選択解除 |
|
供給計画品目のみ | 生産計画 | 選択 |
|
供給計画品目のみ | マスター計画 | 選択解除 |
|
供給計画品目のみ | マスター計画 | 選択 |
|
需要および供給計画品目 | 製造計画 | 選択解除 |
注意: このオプション(「需要および供給計画品目」)を選択すると、関連する組織の「受注を含む」チェック・ボックスが選択されていても、需要計画または供給計画にない品目/組織に関する受注は含まれません。 |
需要および供給計画品目 | 製造計画 | 選択 |
|
需要および供給計画品目 | 生産計画 | 選択解除 |
|
需要および供給計画品目 | 生産計画 | 選択 |
|
需要および供給計画品目 | マスター計画 | 選択解除 |
|
需要および供給計画品目 | マスター計画 | 選択 |
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需要計画および製造部品 | 製造計画 | 選択解除 |
注意: このオプション(「需要計画および製造部品」)を選択すると、関連する組織の「受注を含む」チェック・ボックスが選択されていても、需要計画にない品目/組織に関する受注は含まれません。 |
需要計画および製造部品 | 製造計画 | 選択 |
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需要計画および製造部品 | 生産計画 | 選択解除 |
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需要計画および製造部品 | 生産計画 | 選択 |
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需要計画および製造部品 | マスター計画 | 選択解除 |
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需要計画および製造部品 | マスター計画 | 選択 |
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「計画対象品目」計画オプション | 計画タイプ | 「クリティカル構成部品を含む」計画オプション | 「受注を含む」計画オプション(組織固有) | 計画される品目 |
需要計画品目および全受注 | 製造計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | 製造計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目および全受注 | 製造計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | 製造計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目および全受注 | 生産計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | 生産計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目および全受注 | 生産計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | 生産計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目および全受注 | マスター計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | マスター計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目および全受注 | マスター計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目および全受注 | マスター計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 製造計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 製造計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 製造計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 製造計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 生産計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 生産計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 生産計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | 生産計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | マスター計画 | 選択解除 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | マスター計画 | 選択解除 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | マスター計画 | 選択 | 選択解除 |
注意: 受注需要は無視され、計画には表示されません。 |
需要計画品目/製造部品/全受注 | マスター計画 | 選択 | 選択 |
注意: 受注需要は計画対象です。 |
組織M1およびM2に次の部品構成表と需要のある品目AおよびBを考えてみます。
「計画オプション」フォームの「組織」タブで、M1およびM2の「受注を含む」フラグが次のように設定されているとします。
組織 | 受注を含む |
M1 | Yes |
M2 | No |
品目Aについては、組織M1およびM2の両方に関する需要計画と受注があります。品目Bについては、組織M1およびM2に受注のみがあります。
ここでは、製造計画で計画される品目について、いくつかシナリオを示してから表に示します。
シナリオ1: 計画対象品目が「需要計画品目のみ」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されていない場合
この場合、ASCPでは組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。品目Aの全構成部品(A1、A2、A3およびA4)も両方の組織で計画されます。組織M1およびM2に受注のみがある品目Bは計画されません。
組織M1については、品目Aの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目Aの受注需要が無視されます。
シナリオ2: 計画対象品目が「需要計画品目のみ」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されている場合
この場合、ASCPでは組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。品目Aのクリティカル構成部品(A1、A3)のみと中間品目A2が、両方の組織で計画されます。組織M1およびM2に受注のみがある品目Bは計画されません。
組織M1については、品目Aの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目Aの受注需要が無視されます。
シナリオ3: 計画対象品目が「需要計画品目および全受注」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されていない場合
この場合、ASCPでは、組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。品目Aの全構成部品(A1、A2、A3およびA4)も、両方の組織で計画されます。さらに、組織M1およびM2に受注のある品目Bが計画されます。品目Bの全構成部品(B1、B2、B3およびB4)も、両方の組織で計画されます。
組織M1については、品目AおよびBの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目AおよびBの受注需要が無視されます。
シナリオ4: 計画対象品目が「需要計画品目および全受注」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されている場合
この場合、ASCPでは組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。品目Aのクリティカル構成部品(A1、A3)と中間品目A2のみが、両方の組織で計画されます。さらに、組織M1およびM2に受注のある品目Bが計画されます。品目Bのクリティカル構成部品(B3)と中間品目B2のみが、両方の組織で計画されます。
組織M1については、品目AおよびBの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目AおよびBの受注需要が無視されます。
品目 | 組織 | 計画対象品目を「需要計画品目のみ」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「No」に設定(シナリオ1) | 計画対象品目を「需要計画品目のみ」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「Yes」に設定(シナリオ2) | 計画対象品目を「需要計画品目および全受注」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「No」に設定(シナリオ3) | 計画対象品目を「需要計画品目および全受注」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「Yes」に設定(シナリオ4) |
A | M1 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A1 | M1 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A2 | M1 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A3 | M1 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A4 | M1 | Yes | No | Yes | No |
B | M1 | No | No | Yes | Yes |
B1 | M1 | No | No | Yes | No |
B2 | M1 | No | No | Yes | Yes |
B3 | M1 | No | No | Yes | Yes |
B4 | M1 | No | No | Yes | No |
A | M2 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A1 | M2 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A2 | M2 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A3 | M2 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A4 | M2 | Yes | No | Yes | No |
B | M2 | No | No | Yes | Yes |
B1 | M2 | No | No | Yes | No |
B2 | M2 | No | No | Yes | Yes |
B3 | M2 | No | No | Yes | Yes |
B4 | M2 | No | No | Yes | No |
この表は、品目AとBがMPS計画(またはMPS/MPP計画)品目で、その構成部品がMPS計画(またはMPS/MPP計画)品目でない場合に、生産計画で計画される品目を示しています。
シナリオ1: 計画対象品目が「需要計画品目のみ」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されていない場合
この場合、ASCPでは、組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。組織M1およびM2に受注のみのある品目Bは計画されません。
組織M1については、品目Aの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目Aの受注需要が無視されます。
シナリオ2: 計画対象品目が「需要計画品目のみ」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されている場合
この場合、ASCPでは組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。さらに、品目Aの全クリティカル構成部品(A1、A3)と中間品目A2が、両方の組織で計画されます。組織M1およびM2に受注のみがある品目Bは計画されません。
組織M1については、品目Aの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目Aの受注需要が無視されます。
シナリオ3: 計画対象品目が「需要計画品目および全受注」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されていない場合
この場合、ASCPでは、組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。さらに、組織M1およびM2に受注のある品目Bも計画されます。
組織M1については、品目AおよびBの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目AおよびBの受注需要が無視されます。
シナリオ4: 計画対象品目が「需要計画品目および全受注」で、「クリティカル構成部品を含む」が選択されている場合
この場合、ASCPでは組織M1およびM2に需要計画のある品目Aが計画されます。さらに、品目Aの全クリティカル構成部品(A1、A3)と中間品目A2が、両方の組織で計画されます。組織M1およびM2に受注のある品目Bも計画されます。品目Bのクリティカル構成部品(B3)と中間品目B2も、両方の組織で計画されます。
組織M1については、品目AおよびBの受注需要が計画されます。組織M2については、「受注を含む」フラグの選択が解除されているため、品目AおよびBの受注需要が無視されます。
品目 | 組織 | 計画対象品目を「需要計画品目のみ」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「No」に設定(シナリオ1) | 計画対象品目を「需要計画品目のみ」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「Yes」に設定(シナリオ2) | 計画対象品目を「需要計画品目および全受注」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「No」に設定(シナリオ3) | 計画対象品目を「需要計画品目および全受注」、「クリティカル構成部品を含む」オプションを「Yes」に設定(シナリオ4) |
A | M1 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A1 | M1 | No | Yes | No | Yes |
A2 | M1 | No | Yes | No | Yes |
A3 | M1 | No | Yes | No | Yes |
A4 | M1 | No | No | No | No |
B | M1 | No | No | Yes | Yes |
B1 | M1 | No | No | No | No |
B2 | M1 | No | No | No | Yes |
B3 | M1 | No | No | No | Yes |
B4 | M1 | No | No | No | No |
A | M2 | Yes | Yes | Yes | Yes |
A1 | M2 | No | Yes | No | Yes |
A2 | M2 | No | Yes | No | Yes |
A3 | M2 | No | Yes | No | Yes |
A4 | M2 | No | No | No | No |
B | M2 | No | No | Yes | Yes |
B1 | M2 | No | No | No | No |
B2 | M2 | No | No | No | Yes |
B3 | M2 | No | No | No | Yes |
B4 | M2 | No | No | No | No |