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Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド
リリース12.2
E51768-01
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アプリケーションDBAのレポート作成タスクおよびトラッキング・タスク

タイミング情報

この項のレポートを使用して、ジョブのタイミング統計を収集します。

要件

個々のシステムのパッチ適用セッションまたはメンテナンス・セッションの実行時間をモニターする方法は?

説明

AD AdministrationまたはAutoPatchを実行すると、パラレルなタスクを実行するセッションの処理に関するタイミング情報を自動的に取得します。

この情報はデータベース表に格納され、AD Job Timing Reportとしてアクセスできます。このレポートの内容には、OAMのTiming Reports機能またはコマンドラインからアクセスできます。

取得する情報は次のとおりです。

処理

AD Administrationとadopの両方のタイミング・セッション情報が単一の処理で収集され、Oracle Applications Managerに表示されます。

注意: このインタフェースおよびその内容の詳細は、このマニュアルの「パッチ適用」の項の「adop Timing Details」および「AD Administration Timing Details」を参照してください。

一般的なシステム・レポート

この項のレポートを使用して、一般的なシステム統計およびステータス情報を収集します。

インストール済構成情報

要件

UNDO情報、営業単位のリスト、NLS init.ora設定などの情報を表示する方法は?

説明

AD Configurationスクリプト(adutconf.sql)は、Oracle E-Business Suiteシステムの構成を報告するSQLスクリプトです。このレポート(adutconf.lst)は、トラブルシューティングや、使用しているインストールのステータスを単に文書化するためなどに使用できます。たとえば、このレポートには、UNDOセグメント、登録済の製品とスキーマ、報告通貨の設定、NLSデータベース初期化パラメータなどの情報が記載されています。

処理

  1. applmgrとしてログインし、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」の説明に従って環境を設定します。

  2. ご使用のプラットフォームのコマンドを使用してスクリプトを実行します。出力ファイルは、現在の作業ディレクトリ内にあるadutconf.lstに書き込まれます。

    UNIX

    $ cd $APPL_TOP/admin/<SID>/out
    $ sqlplus <APPS schema username>/<APPS schema password> \
    @$AD_TOP/sql/adutconf.sql

ファイルのバージョンおよび翻訳レベルの識別

要件

ファイルのバージョン情報を取得する必要があります。

説明

システムの情報を収集してOracleサポートに送信する場合などは、ファイルのバージョンおよび翻訳レベルを確認する必要があります。

処理

AD File Identification(adident)を実行して、ファイルのバージョンおよび翻訳レベルを取得します。

Oracle E-Business Suiteのレポート・ツール

Oracle E-Business Suiteを使用する場合にはパッチを適用し、システムを変更および拡張するメンテナンス・タスクを実行します。Oracle E-Business Suiteには、システム・ステータスに関する多数のレポートを作成できるツールが含まれています。たとえば、ファイルのバージョンおよび翻訳レベルに関するレポートを生成できます。また、完了したメンテナンス・セッションの数、各セッションのジョブ数、およびセッションと各ジョブの実行時間に関する統計が含まれるレポートを生成することもできます。

注意: Oracle E-Business Suiteのレポート機能の多くは、パッチの適用と関連があります。レポートの詳細は、このマニュアルの「パッチ適用」の項を参照してください。

レポート・ツールのカテゴリ

ここで紹介したADレポート・ユーティリティの詳細は、この項の後半で説明します。ユーティリティは、すべてコマンドラインから実行します。

AD Job Timing Report

このレポートは、AutoPatchおよびAD Administrationによって自動的に作成され、長時間実行処理を報告します。コマンドラインから手動で実行でき、ADユーティリティのセッションに関する要約情報を表示します。

AD Configuration Report

このレポートには、製品グループ情報、複数組織機能またはMRC機能がインストールされているかどうか、ベース言語とその他のインストール済言語など、Oracle E-Business Suiteのインストール済構成に関する情報が記載されています。

AD File Identification Report

このレポートは、Oracle E-Business Suiteファイルのバージョンおよび翻訳レベルを識別します。

AD Job Timing Report

AutoPatchまたはAD Administrationを実行すると、パラレル処理セッションの実行時間を示すAD Job Timing Report(adt<session_id>.lst)が自動的に生成され、セッションでワーカーが実行するジョブの処理内容に関する情報が表示されます。これらのレポートには、セッション全体のタイミング統計、セッション内のフェーズ(AD Administrationはジョブをフェーズごとにグループ化しません)、および個々のジョブに関するタイミング統計が含まれています。

AutoPatchまたはAD Administrationのセッション中は、必要なときにスクリプトを実行し、現在のセッションの進捗を表示するAD Job Timing Reportを作成できます。または、APPL_TOP/admin/<SID>/outディレクトリに移動すると、前のセッションのadt<session_id>.lstレポートを表示できます。

AutoPatchおよびAD Administrationのセッションの場合、adt<session_id>.lstレポートは、Oracle Applications ManagerからアクセスできるWebベースのTiming Reportsと非常によく似ています。

AD Job Timing Reportのインタフェース

ジョブ・タイミング統計は、Oracle Applications Managerの「Timing Reports」ページから表示できます。また、コマンドラインからAD AdministrationジョブのAD Job Timing Reportを実行することもできます。メニューや入力画面はありません。

AD Job Timing Reportの実行

  1. 環境を設定します。

    システムを定義した環境変数を適用するには、環境を設定します。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。基本のステップについては、このマニュアルの「環境の設定」を参照してください。

  2. AD Job Timing Reportを実行します。

    次のコマンドを使用してレポートを実行します。<session_id>は表示するタイミング統計のセッション、<output file>は統計が書き込まれるファイルの名前です。

    UNIX

    $ cd $APPL_TOP/admin/<SID>/out
    $ sqlplus <APPS username>/<APPS password> @$AD_TOP/admin/sql/adtimrpt.sql \
    <session id> <output file>

AD Configuration Report

AD Configurationユーティリティは、Oracle E-Business Suiteのインストール済構成に関する標準情報を報告するSQLスクリプトです。このタスクは、ご使用のインストールのステータスをデバッグまたは文書化するために実行します。AD Configurationを実行すると、次の内容を含むレポート・ファイル(adutconf.lst)が生成されます。

「AD Configuration Report」のインタフェース

AD Configurationを実行し、必要な情報はコマンドラインで指定します。メニューや入力画面はありません。

AD Configuration Reportの実行

  1. 環境を設定します。

    システムを定義した環境変数を適用するには、環境を設定します。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。基本のステップについては、このマニュアルの「環境の設定」を参照してください。

  2. AD Configuration Reportを実行します。

    次のコマンドを使用します。このレポート出力ファイルは、現在の作業ディレクトリ内のadutconf.lstに書き込まれます。

    UNIX

    $ cd $APPL_TOP/admin/<SID>/out
    $ sqlplus <APPS schema username>/<APPS schema password> \
    @$AD_TOP/sql/adutconf.sql

AD File Identification Report

AD File Identificationユーティリティは、Oracle E-Business Suiteファイルのバージョンおよび翻訳レベルを識別するレポートを作成します。Oracleサポート・サービスに渡すサイトの情報を収集する場合に役立ちます。

AD File Identification Reportのインタフェース

AD File Identificationを実行し、必要な情報はコマンドラインで指定します。メニューや入力画面はありません。

AD File Identificationの実行

このユーティリティは次のように実行します。

  1. 環境を設定します。

    システムを定義した環境変数を適用するには、環境を設定します。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。基本のステップについては、「環境の設定」を参照してください。

  2. AD File Identificationを実行します。

    次のコマンドを使用します。出力は画面に表示されます。

    UNIX

    $ adident Header <file 1> [ <file 2> <file 3> ... ]

AD Check Digest

AD Check Digestユーティリティは、ダウンロードしたパッチの整合性をチェックします。Oracle E-Business Suiteパッチごとに、MD5およびSHA-1のダイジェストが提供されています。MD5ダイジェストは、パッチを一意に識別する128ビットの文字列出力で、SHA-1は160ビットの文字列出力です。パッチのダイジェストは、My Oracle Supportの特定パッチのダウンロード・ページから表示できます。ダウンロードしたパッチの計算済ダイジェストが、My Oracle Supportの発行したダイジェストと一致するかどうかを確認するには、AD Check Digestを使用します。

AD Check Digestのインタフェース

AD Check Digestを実行し、必要な情報はコマンドラインで指定します。メニューや入力画面はありません。

パラメータ

AD Check Digestの実行には次のパラメータを使用します。

AD Check Digestのパラメータ
パラメータ 意味
-file パッチのファイル名とパス。このパラメータは必須です。
-md5パラメータおよび-sha1パラメータを指定せずに-fileパラメータを指定すると、AD Check DigestはそのパッチのMD5ダイジェストおよびSHA-1ダイジェストを計算します。
-md5 My Oracle Supportのパッチ・ダウンロード・ページからのMD5出力。
-md5パラメータを指定すると、AD Check Digestは指定されたMD5値を、そのパッチ・ファイルの計算済MD5ダイジェストと比較します。
-sha1 My Oracle Supportのパッチ・ダウンロード・ページからのSHA-1出力。
-sha1パラメータを指定すると、AD Check Digestは指定されたSHA-1値を、そのパッチ・ファイルの計算済SHA-1ダイジェストと比較します。

AD Check Digestの実行

このユーティリティは次のように実行します。

  1. 環境を設定します。

    システムを定義した環境変数を適用するには、環境を設定する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。基本のステップについては、このマニュアルの「環境の設定」を参照してください。

  2. AD Check Digestを実行します。

    次のコマンドを使用します。出力は画面に表示されます。

    UNIX

    $ adchkdig -file <File> [ -md5 <MD5_digest> -sha1 <SHA-1_digest> ]