Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド リリース12.2 E51768-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、Oracle E-Business Suite DBAとしての作業時に実行する必要がある様々な操作について説明します。タスクには、組織の要件に応じて頻繁に実行する必要があるタスクや、ほとんど実行しないまたは一度も実行しないタスクがあります。
また、多くのタスクの実行頻度は、ご使用のOracle E-Business Suiteシステムのライフ・サイクルを通じて変化します。たとえば、パッチはシステムの使用期間が終了するまで適用し続けることが多いですが、NLS言語の追加は具体的なビジネス・ニーズがある場合のみです。
このマニュアルのパッチ適用に関する部分、およびOracle E-Business Suite概要の第2章と第4章の説明のとおり、リリース12.2のすべてのパッチ適用は、Oracle E-Business Suiteシステムの稼働中および使用中に行われます。これに関わる重要な概念の1つに、デュアル・ファイル・システムの採用があります。このシステムでは、パッチが必要に応じてパッチ・ファイル・システムへ適用されている間、ユーザーが実行ファイル・システムに接続されます。関連するすべてのパッチが適用されると、現在のオンライン・パッチ適用サイクルの最後に2つのファイル・システムのIDが入れ替えられます。
12.2よりも前のOracle E-Business Suiteリリースでは1つのファイル・システムのみが使用されていたため、メンテナンス・アクティビティの実行開始場所に選択肢はありませんでした。リリース12.2のデュアル・ファイル・システムを使用するには、一方のファイル・システムに変更が加えられたときに自動的にそれを検出し、もう一方のファイル・システムに複製する、構成変更ディテクタを導入する必要があります。
ただし、テクノロジ・スタック・コンポーネントでは、更新を手動で行う必要がある場合があります。そのような場合は、どのファイル・システムの更新が必要であるかが問題となります。
その選択は、次のように行う必要があります。
パッチ適用サイクルがアクティブの場合は、パッチ・ファイル・システムに対して管理タスクを実行します。この管理操作は、パッチ適用サイクルの最後のカットオーバー・フェーズの一部として、他方のファイル・システムに伝播されます。このため、パッチ適用サイクル期間にパッチを適用し、通常のメンテナンス・アクティビティを実行できます。
重要: パッチ適用サイクルの実施中に、なんらかの理由で実行ファイル・システムに対して管理タスクを実行する必要がある場合は、その管理タスクを開始する前にパッチ適用サイクルを完了するか、サイクルを中断する必要があります。
パッチ適用サイクルがアクティブでない場合は、実行ファイル・システムに対して管理タスクを実行します。その後、adop fs_cloneコマンドを使用して、実行ファイル・システムをパッチ・ファイル・システムに複製します。
重要: メンテナンス・タスクが完了したら、実行ファイル・システムでfs_cloneをただちに手動実行することをお薦めします。実行が遅れた場合、このコマンドは次のパッチ適用サイクルの準備フェーズでadopによって自動的に実行されます(つまり、サイクルの実行に時間がかかる場合があります)。
この項では、Oracle E-Business Suiteのファイルのメンテナンス・タスクに関する情報について説明します。
製品ファイルの生成
要件
欠落している製品ファイルを生成する必要があります。
説明
すべてのOracle E-Business Suite製品には、フォーム、レポート、メッセージ、JAR(Javaアーカイブ)ファイルなどの生成済ファイルが含まれています。生成済ファイルが欠落しているとみられる場合は、AD Administrationを実行してください。たとえば、ユーザーが特定のGeneral Ledgerフォームを使用できない場合は、フォーム・ファイルを再生成すると、問題が解決することがあります。また、追加製品のライセンスを受けた後にも、ファイルを生成する必要があります。
注意: ファイルの生成時にシステムを停止する必要はありません。ただし、生成対象のファイル(例: Human Resourcesフォーム)にアクセスしているユーザーはログオフする必要があります。
処理
次のステップを実行してください。
生成が必要なファイル・タイプを特定します。
環境を設定してからコマンドラインでadadminと入力し、AD Administrationを起動します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
「AD Administration Main Menu」から、「Generate Applications Files menu」に移動し、次の基準に基づいて、生成するファイル・タイプのタスクを選択します。
フォームまたはレポート・ファイルを生成するオプションのいずれかを選択した場合は、選択したタイプの個々のファイル、ファイルのセットまたはすべてのファイルを選択できます。
「Generate product JAR files」オプションを使用すると、すべての製品のすべてのJARファイルを生成したり、古くなったJARファイルのみを生成できます。
重要: Oracle E-Business Suiteの新規インストールを実行する場合は、独自の署名を作成してから、強制的にすべてのJARファイルを再生成する必要があります。これにより、フォームの起動時に複数の署名が存在したときに発生するセキュリティ警告などが発生しなくなります。
「Generate message files」オプションを使用すると、すべての製品のすべてのメッセージ・ファイルが生成されます。
注意: 詳細は、「Applicationsファイルの生成」を参照してください。
このファイルが含まれているAPPL_TOPごとに、生成タスクを繰り返します(システムに複数のAPPL_TOPが存在する場合)。
AD Administrationのログ・ファイルで警告やエラーがないことを確認します。
新しいオフサイクル製品の追加
要件
最後のリリース更新パック後にリリースされた製品を追加する必要があります。
説明
2つのメンテナンス・リリースの間にリリースされた製品は、オフサイクル製品と呼ばれることがあります。このような新しい製品はOAM License Managerに表示されないため、AD Splicerを使用して各自の製品リストに追加する必要があります。このユーティリティは、システムが認識している既存製品のリストに製品を追加します。この処理を行うと、製品をアクティブとして登録し、AutoPatchなどのADメンテナンス・ユーティリティから使用できるように、製品を有効化できます。
製品を追加した後、AutoPatchを使用してすべての製品関連ファイルをインストールします。
注意: 詳細は、この章の「AD Splicer」を参照してください。
処理
次のステップを実行してください。
My Oracle Supportから最初の製品パッチをダウンロードします。
このパッチには、新しい製品の情報、製品の追加に必要なAD Splicer制御ファイル、および関連する製品ファイルが含まれています。
READMEファイルを確認します。
パッチ・トップ・ディレクトリにパッチをUnzipします。パッチのREADMEファイルには、製品のインストール方法に関する情報が記載されています。この処理の一部として実行する手動ステップが記載されている場合もあります。
重要: パッチの適用にはAutoPatchを使用しないでください。
前提条件パッチを適用します(ある場合)。
パッチのREADMEファイルにある前提条件パッチの手順に従います。
表領域を作成します(条件付き)。
先にRapid Install 11.5.10以上をシステムにインストールした場合は、このステップを省略します。
リリース11iの前バージョンからリリース11.5.10にシステムをアップグレードした場合は、OFA表領域モデルの使用を継続する選択を行っている場合があります。その場合は、各製品に対して2つの表領域を作成し、一方を製品の表に、もう一方を製品の索引に使用します。
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要の表領域管理に関する項を参照してください。
AD Splicer制御ファイルおよび製品構成ファイルをコピーします。
<prod>prod.txt、<prod>terr.txtおよびnewprods.txtをAPPL_TOP/adminにコピーします。
注意: 前のAD Splicerセッションのnewprods.txtがすでに存在する場合は、新しいnewprods.txtファイルをコピーする前に既存のファイルの名前を変更します。このファイルの編集が必要な場合は、この章の「AD Splicer」を参照してください。
オフサイクル製品を製品リストに追加します。
applmgrとしてログオンし、環境を設定して、AD Splicerを実行します。APPL_TOPおよびデータベースが変更されてから、OAM License Managerと同じ登録機能が実行されます。
UNIX:
$ cd $APPL_TOP/admin
$ adsplice
Windows:
C:\>cd %APPL_TOP%\admin
C:\>adsplice
Applicationsユーティリティでオフサイクル製品がアクティブかつ有効と認識されるように、APPL_TOPとデータベースの組合せごとにAD Splicerを実行します。
AD Configuration Report(adutconf.sql)を実行します。登録済製品のリストを確認し、データベースに製品が正しく追加されたことを検証します。
注意: 詳細は、このマニュアルの「AD Configuration Report」を参照してください。
新しい環境ファイル(UNIX)またはレジストリの環境サブキー(Windows)を使用して環境が設定されるように、ログアウトして再度ログインします。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
新しく追加したオフサイクル製品の<PROD>_TOPレジストリおよび環境変数が正しく設定されていることを確認します。
製品機能を導入するパッチをダウンロードして適用します。
AD Splicerを使用してこのパッチを適用する指示を記載したドキュメントには、次に適用する必要があるパッチの情報が記載されています。
スナップショット情報のメンテナンス
要件
スナップショットとは何ですか、また、それを使用する方法は?
説明
スナップショットは、ご使用のシステムの現在の状態を表示したものです。作成された後、一貫した表示を維持するために必要に応じて更新されます。スナップショットには、APPL_TOPスナップショットとグローバル・スナップショットの2種類があります。APPL_TOPスナップショットには、APPL_TOP内のファイルのパッチとバージョンがリストされます。グローバル・スナップショットには、Applicationsシステム全体(つまり、すべてのAPPL_TOP内)のファイルのパッチと最新バージョンがリストされます。
Patch Wizardは、グローバル・スナップショットを使用して、すでに適用されているパッチを判別します。AutoPatchは、APPL_TOPスナップショットを使用して、前提条件パッチが特定のAPPL_TOPに適用されているかどうかを判別します。
注意: 詳細は、「Applicationsファイルのメンテナンス」の「スナップショット情報のメンテナンス」を参照してください。
処理
スナップショットのメンテナンス・タスクのいずれかを実行する必要がある場合は、「Maintain Snapshot Information」サブメニューのオプションを選択します。
「Maintain Snapshot Information」メニューにアクセスします。
「AD Administration Main Menu」メニューから、「Maintain Applications Files」を選択します。次に、「Maintain Snapshot Information」を選択します。
「Maintain Snapshot Information」メニュー
オプションを選択します。
このメニューから次の操作ができます。
(システムに格納されている)スナップショットのリスト
現在表示スナップショットの更新(完全または部分のAPPL_TOPおよびグローバル)
名前指定スナップショットの作成(コピーして名前を指定する現状表示スナップショットの選択)
スナップショットのファイルへのエクスポート(テキスト・ファイルにエクスポートするスナップショットの選択)
スナップショットのファイルへのエクスポート(テキスト・ファイルにエクスポートするスナップショットの選択)
名前指定スナップショットの削除(削除対象のスナップショットの選択)
既存のスナップショット・タスク以外にも、APPL_TOP全体のすべてのファイルを同期化するかわりに、選択したファイルを同期化できます(部分スナップショット)。このオプションは、APPL_TOPにコピーしたファイルが数ファイルのみの場合に使用します。
「Update Current View Snapshot」オプションを選択します。
スナップショットのサブメニューから、次のいずれかのオプションを選択します。
「Maintain Current View Snapshot Information」メニュー
Update Complete APPL_TOP
これは、「Update Current View Snapshot」オプションの本来の機能です。APPL_TOP内のすべてのファイルを同期化します。
Update JAVA_TOP only
JAVA_TOP内のファイルのみを同期化します。プロンプトでは、ファイルがコピーされたJAVA_TOPサブディレクトリのパスを入力します。ファイルが複数のディレクトリにコピーされた場合は、[Enter]キーを押します。AD Administrationにより、JAVA_TOP全体がスキャンされ、現状表示およびグローバル表示のスナップショット内の情報が更新されます。
Update a <PRODUCT>_TOP
特定の<PRODUCT>_TOP内のファイルのみを同期化します。製品の略称を入力してから、プロンプトでサブディレクトリ情報を指定します。
<PRODUCT>_TOP内の単一サブディレクトリのパスを入力します。ファイルが<PRODUCT>_TOP内の複数のディレクトリにコピーされた場合は、[Enter]キーを押します。AD Administrationにより、<PRODUCT>_TOP全体がスキャンされ、現状表示およびグローバル表示のスナップショット内の情報が更新されます。
新規インストールのときは、Rapid Installによって基準となる現状スナップショットが自動的に作成されます。その後、AutoPatchを実行するたびに、情報がパッチ適用時点の最新のものになるように、新しい(更新された)スナップショットが自動的に作成されます。
ヒント: スナップショット情報は、AD Administrationタスクを使用して必要なときにいつでも更新できます。ただし、この処理には時間がかかる場合があります。
製品の実行可能プログラムの再リンク
要件
製品の実行可能プログラムを再リンクする方法は?
説明
実行可能プログラムとOracleサーバー製品のライブラリを再リンクすると、プログラムの正常な動作状態が維持されます。プログラムの再リンクが必要な場合は、AD Administrationの「Relink Applications programs」タスクを実行します。
注意: 詳細は、「Applicationsファイルのメンテナンス」の「Relink Applications programs」を参照してください。
処理
次のステップを実行してください。
AD Administrationを起動します。
環境を設定し、コマンドラインでadadminと入力します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
サービスを停止します。
コンカレント処理サーバー上のファイルを再リンクする場合は、コンカレント・マネージャを停止します。Formsノード上のファイルを再リンクする場合は、Formsサービスを停止します。
注意: 詳細は、この章の「アプリケーション層サービスの起動および停止」を参照してください。
プログラムを再リンクします。
「AD Administration Main Menu」から、「Maintain Applications Files」メニューに移動します。次に、「Relink Applications programs」タスクを選択します。製品ごとに、すべての実行可能プログラムをリンクするか、または特定の実行可能プログラムのみをリンクするかを選択します。
AD実行可能プログラムの再リンク
要件
AD実行可能プログラムを再リンクする方法は?
説明
AD Administrationは、AD実行可能プログラムの再リンクには使用できません。そのかわり、AD Relinkを実行します。このコマンドライン・ユーティリティを使用すると、いくつかのADユーティリティを1つのコマンドに再リンクできます。
AD Relinkにはforce=パラメータが必要です。このパラメータにデフォルト値はありません。依存ライブラリまたは依存オブジェクト・ファイルが現在の実行可能プログラムよりも新しい場合は、nを指定して実行可能プログラムを再リンクし、ライブラリまたはオブジェクト・ファイルのステータスに関係なく再リンクを行う場合はyを指定する必要があります。
オプションのコマンドライン引数として、backup_modeがあります。これは、実行可能プログラムをバックアップするかどうかを指定する場合に使用します。backup_modeには、次の3つの値を指定できます。
値 | 効果 |
---|---|
backup_mode=none | 実行可能プログラムをバックアップしません。 |
backup_mode=all | すべての実行可能プログラムをバックアップします。 |
backup_mode=file | adlinkbk.txtの指示に従ってファイルをバックアップします(デフォルト)。 |
処理
次のステップを実行してください。
applmgrとしてログオンし、環境を設定します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
Windowsユーザーは、%<APPL_TOP>%\relinkenv.cmdを実行する必要があります。実行はコマンド・ウィンドウから行います。%APPL_TOP%ディレクトリに移動してapps.shを実行し、必要な環境変数をすべて設定します。(このコマンドのドット間にはスペースを入れることに注意してください。)
C:\> . ./apps.sh
ファイルを再リンクします。
ご使用のオペレーティング・システムに対応するコマンドを使用して、AD Relinkを実行します。
UNIX:
$ adrelink.sh force={y | n} [<optional arguments>] <ad program name>
Windows:
%APPL_TOP%\binディレクトリに移動し、次の構文を使用して目的のファイルを再リンクします。
C:\> sh adrelink.sh force={y | n} [<optional arguments> <ad program name>
複数のADユーティリティを再リンクする場合は、コマンドラインに引用符で囲んでプログラムをリストし、それぞれをスペースで区切ります。たとえば、AD Controller(adctrl)およびAD Administration(adadmin)を再リンクするには、次のように入力します。
UNIX:
$ adrelink.sh force=y "ad adctrl" "ad adadmin"
Windows:
C:\> sh adrelink.sh force=y "ad adctrl.exe" "ad adadmin.exe"
バックアップ・ファイル(すべての実行可能プログラムの)を作成するには、次の構文を使用します。
UNIX:
$ adrelink.sh force=y backup_mode=all
ファイルの圧縮、アーカイブおよび削除
要件
安全に圧縮、アーカイブまたは削除できるOracle E-Business Suiteファイルはどれですか。
説明
ログ・ファイルや出力ファイル、アップグレード・ファイル、AutoPatchバックアップ・ファイルなど、いくつかのファイルは圧縮、アーカイブまたは削除が可能です。ただし、この処理は、使用可能なディスク容量を増やす方法が他にない場合にのみ実行することをお薦めします。
注意: ファイルを削除する前にバックアップを作成し、ファイルのリストアが必要になったときのために、バックアップをすぐ利用できる状態にしておくことをお薦めします。
処理
ご使用のオペレーティング・システム専用のコマンドを使用して、次のタスクを実行します。
業務要件に従って、次のファイルを圧縮、アーカイブまたは削除します。この3つのカテゴリは、クリーン・アップ目的で独立して処理できます。
ログ・ファイルおよび出力ファイル
ADユーティリティによって作成されたログ・ファイルおよび出力ファイルを圧縮、アーカイブまたは削除できます。これらのファイルは、$APPL_TOP/admin/<SID>/logおよび$APPL_TOP/admin/<SID>/outディレクトリ(UNIX)または%APPL_TOP%\admin\<SID>\logおよび%APPL_TOP%\admin\<SID>\outディレクトリ(Windows)に格納されています。<SID>は、現在のApplicationsシステムのデータベース・インスタンス名です。
注意: ログ・ファイルにはパスワードが含まれている場合があります。このような場合はファイルを安全な場所にバックアップしてください。ディレクトリは削除しないでください。
アップグレード・ファイル
アップグレードが完了して確認が済んだ後は、$APPL_TOP/admin/preupg(UNIX)または%APPL_TOP%\admin\preupg(Windows)に格納されているアップグレード・ファイルを圧縮、アーカイブまたは削除できます。
注意: <PROD>_TOP/adminの下にあるファイルは削除しないでください。これらのファイルはAutoPatchやAD AdministrationなどのADユーティリティが使用します。
AutoPatchのバックアップ・ファイル
AutoPatchの実行後は、パッチ・トップ・サブディレクトリにバックアップされている古いファイルを圧縮、アーカイブまたは削除できます。
注意: バックアップ・ファイルを削除する前に、パッチが正しく適用され、パッチで適用された機能が完全にテストされていることを確認してください。
NLS言語の追加
要件
既存システムにさらに言語を追加する必要があります。
説明
インストールまたはアップグレード後のリリース12.2システムには、いつでも新しい言語を追加できます。
注意: 詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント252422.1の「Requesting Translation Synchronization Patches」を参照してください。
処理
次のステップを実行してください。
Oracle Applications ManagerでLicense Managerに移動し、ベース言語を有効化するか、ベース言語を新しいベース言語に変更します。
AD Administrationから「Maintain Multi-lingual Tables」を実行します(「AD Administration Main Menu」>「Maintain Applications Database Entities menu」)。
言語のインストールを完了するには、現在のリリース・レベルについてOracle E-Business Suite NLSリリース・ノートを参照してください。リリース・レベルに適した言語インストール方法を選択してください。
要件
使用しているNLS言語ソフトウェアが、最新のUSパッチ・レベルにより最新の状態になっていることを確認する必要があります。
説明
ご使用のOracle E-Business Suiteシステムに英語(アメリカ)以外のアクティブな言語がある場合は、Translation Synchronization Patchユーティリティを使用して、言語を最新のUS Applicationsパッチ・レベルまで引き上げることができます。あるいは、適用済のすべてのUSパッチのNLSバージョンを個別にダウンロードして、システムに適用することもできます。AD Merge Patchを使用して単一のパッチを作成してから、AutoPatchを使用してパッチを適用します。
処理
次のステップを実行してください。
Translation Synchronizationユーティリティの使用方法の詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント252422.1の「Requesting Translation Synchronization Patches」の指示に従ってください。
要件
USパッチの翻訳更新以外に翻訳更新があるかどうかを確認する必要があります。
説明
USパッチに関連していないため、Translation Synchronization Patchをリクエストしたときに受け取る更新内容には含まれていませんが、ご使用の翻訳済ソフトウェアを拡張する更新が存在する場合があります。このような更新は、Translation Synchronization Patchユーティリティを使用して、ファイル・マニフェスト要求フォームの「Get Latest Translations」チェック・ボックスを選択するとリクエストできます。
注意: 詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント252422.1の「Requesting Translation Synchronization Patches」を参照してください。
処理
次のステップを実行してください。
Translation Synchronization Patchユーティリティ(adgennls.pl)を実行します。
My Oracle Supportで提供されるフォームを使用して、マニフェストを作成します。マニフェストを発行するときは、「Get Latest Translations」チェック・ボックス・オプションをクリックして、NLSパッチ・レベルをUSパッチ・レベルに同期化するために必要なNLSパッチ以外に、最初のリリース12 NLS以降で使用可能な翻訳更新を取得します。
使用可能になったことが通知されたら、リクエストしたすべての言語のTranslation Synchronization Patch(TSP)を適用します。
要件
言語を無効化する必要があります。
説明
言語の無効化はサポートされていません。言語を有効化したら、NLSシステム内のすべての言語をメンテナンスする必要があります。
処理
なし。
この項では、データベースのメンテナンスおよびシステム・リソースの効率的な管理に使用できる情報を示します。
システム・リソースの効率的な使用
要件
最適化統計を最新の状態に保つ方法は?
説明
最適化とは、SQL文を実行する最も効率的な方法を選択する処理です。Oracle E-Business Suiteリリース12では、コストベース最適化を使用します。各リソースを使用するときのコストを分析することで、システムのパフォーマンスを最適な状態に調整しておくことができます。オプティマイザは、実際の表統計を使用して最も効率的なアクセス・パスと結合方法を決定し、SQL文を実行します。
これらの統計は、「スキーマ統計の収集」コンカレント・プログラムを実行すると収集されます。このプログラムはアップグレード後、およびそれ以降は定期的に実行し、パフォーマンスの低下を防ぐことが重要です(1か月に1回をお薦めします)。インスタンスの統計が有効になる期間は、ある期間中に実行されたDMLの量によって異なります。完全に静的な表の場合は、表の寿命までに1回実行すれば十分です。常時完全に再ロードされる表の場合は、「スキーマ統計の収集」を頻繁に実行する必要があります。Demand PlanningまたはAdvanced Planning and Schedulingのデータ・プル時にロードされる表がよい例です。また、OE/OM表も定期的に更新されます。
ヒント: すべての統計を収集する頻度および特定製品の統計のみを収集するための最適な頻度は、使用率に基づいて識別します。
処理
次のステップを実行してください。
システム管理者職責でOracle E-Business Suiteにログインします。
「要求の発行」ウィンドウにナビゲートします(「要求」>「実行」)。
「スキーマ統計の収集」プログラムを発行します。
すべてのOracle E-Business Suiteスキーマ(FND_PRODUCT_INSTALLATIONS表内にエントリがある)の統計を収集するには、スキーマ名をALLに設定します。このプロシージャは、索引レベル統計および表レベル統計のほかに、FND_HISTOGRAM_COLS表にリストされているすべての列の列レベル・ヒストグラム統計も収集します。
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite構成ガイドのOracle E-Business Suiteでのコストベース最適化に関する項を参照してください。
APPSスキーマの検証
要件
APPSスキーマの整合性を検証する方法は?
説明
AD Administrationでは、APPSスキーマに対して、望ましくはないが致命的な問題は発生しない特定の状態を確認するSQLスクリプト(advrfapp.sql)を実行できます。「Validate APPS Schema」タスクで実行されるのは、このスクリプトです。
このタスクはいつでも実行できますが、次の場合に実行すると最も効果的です。
アップグレードの直後
複数組織への変換前
エクスポートまたはインポート(移行)の実行後
APPSスキーマのカスタム開発の一部として
処理
ご使用のオペレーティング・システム専用のコマンドを使用して、次のタスクを実行します。
AD Administrationを起動します。
環境を設定し、コマンドラインでadadminと入力します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
「Maintain Applications Database Entities」メニューから、「Validate APPS schema」タスクを選択します。出力ファイル(<APPSスキーマ名>.lst)を調べて無効なデータベース・オブジェクトの有無を確認します。このファイルは、$APPL_TOP/admin/<SID>/out(UNIX)または%APPL_TOP%\admin\<SID>\out(Windows)に格納されています。
注意: 詳細は、この章の「Validate APPS Schema」を参照してください。
UNIX:
$ cd $APPL_TOP/admin<SID>/out
$ sqlplus <SYSTEM username>/<SYSTEM password> \
@$AD_TOP/admin/sql/advrfapp.sql \
<APPS schema name> <AOL schema name>
Windows:
%APPL_TOP%\binディレクトリに移動し、次の構文を使用して目的のファイルを再リンクします。
C:\> cd %APPL_TOP%\admin\<SID>out
C:\> sqlplus <SYSTEM username>/<SYSTEM password> @%AD_TOP%\admin\sql\advrfapp.sql <APPS schema name> <AOL schema name>
なんらかの問題がある場合は、それを解決します。
<APPSスキーマ名>.lstファイルは、次の3つのセクションに分かれています。
修正必須の問題(APPSスキーマ以外)
修正必須の問題(APPSスキーマ固有)
対処が望ましい問題(APPSスキーマ固有)
ファイルの各セクションには、リストされている問題を解決するための手順が記載されています。
権限付与およびシノニムの再作成
要件
APPSスキーマ内の権限付与およびシノニムを再作成する方法は?
説明
データベース・オブジェクトをメンテナンスするには、APPSスキーマで欠落している権限付与およびシノニムを確認する必要があります。AD Administrationメニューを使用すると、APPSスキーマを検証し、欠落している権限付与およびシノニムを再作成するタスクを実行できます。
注意: 詳細は、この章の「Recreate grants and synonyms for APPS schema」を参照してください。
処理
次のステップを実行してください。
AD Administrationを起動します。
環境を設定し、コマンドラインでadadminと入力します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
「AD Administration Main Menu」から、「Maintain Applications Database Entities」メニューに移動します。「Recreate grants and synonyms for APPS schema」タスクを選択します。
無効なオブジェクトのコンパイル
要件
無効なオブジェクトをコンパイルする必要があるのはいつですか。
説明
Oracle Databaseは、オブジェクトが初めて使用されるとき、およびパッチの適用中に無効なデータベース・オブジェクトを自動的にコンパイルします。この処理には時間がかかる場合があるため、オブジェクトを初めて使用する前の、システムの使用率が低いときにコンパイルしておく必要があります。
無効なオブジェクトはAD Administrationでコンパイルします。このタスクは、次のような状況ではより効果的です。
カスタム・パッケージをAPPSスキーマに移動し、コンパイルが必要な場合
APPSスキーマ内のパッケージを変更するパッチを適用した場合
APPSスキーマを検証したところ無効なオブジェクトが識別された場合
処理
ご使用のオペレーティング・システム専用のコマンドを使用して、次のタスクを実行します。
AD Administrationを起動します。
環境を設定し、コマンドラインでadadminと入力します。
注意: 詳細は、「ADユーティリティの実行」の「環境の設定」を参照してください。
Applicationsスキーマをコンパイルします。
「AD Administration Main Menu」から、「Compile/Reload Database Entities」メニューに移動します。「Compile APPS schema」タスクを選択します。
パッケージとファンクションに対する領域の事前割当て
要件
システム・グローバル領域(SGA)にパッケージとファンクションに対する十分な領域があることを確認する方法は?
説明
SGA領域が断片化している場合、特定のパッケージまたはファンクションには領域が不足する可能性があります。パッケージ、ファンクションおよびシーケンスを確保すると、SGA共有プール内の領域を事前割当てできます。この手順で説明するスクリプトはテンプレートとして機能し、独自のカスタム確保スクリプトを作成するために使用できます。
重要: これらのスクリプトは、パッケージまたはシーケンスにパッチを適用している場合(パッチのREADMEファイルにはこのように記載されています)、またはパッチの適用やカスタマイズによりオブジェクトが無効化された後の任意の時点で実行します。
ADXGNPIN.sqlスクリプトはAPPSスキーマ内のパッケージおよびファンクションを確保しますが、ADXGNPNS.sqlは基本製品スキーマ内のシーケンスを確保します。どちらのスクリプトも、スキーマの名前を引数として受け取り、すべてのスキーマを示す場合は%を受け取ります。ADXGNPIN.sqlは、別のSQLファイル(ADXSPPIN.sql)を生成して起動します。ADXGNPNS.sqlは、ADXSPPNS.sqlを生成して実行します。
処理
ご使用のオペレーティング・システム専用のコマンドを使用して、次のタスクを実行します。
データベース・サーバーのORACLE_HOMEにappsutil/adminディレクトリを作成します(まだ存在しない場合)。
管理サーバーのAD_TOP/sqlディレクトリからこのディレクトリに、ADXGNPIN.sqlおよびADXGNPNS.sqlをコピーします。
データベース・サーバーのORACLE_HOMEを示すように環境を設定します。
データベース・サーバー上で、ステップ1で作成したディレクトリに移動し、SQL*PlusからADXGNPIN.sqlおよびADXGNPNS.sqlを実行します。
$ sqlplus <SYS username>/<SYS password>@ADXGNPIN.sql \
<APPS schema name>
$ sqlplus <SYS username>/<SYS password>@ADXGNPNS.sql \
<Base product schema name>
共有プール内にあるオブジェクトの表示
要件
共有プールに格納されているオブジェクトのリストを表示するには、どうすればよいですか。
説明
ADXCKPIN.sqlスクリプトを実行すると、SGA共有プールに格納されているオブジェクトを問い合せできます。このスクリプトは、SGAに含まれているオブジェクト、およびそのオブジェクトが消費するサイズを表示します。出力ファイルはADXCKPIN.lstです。
処理
次のコマンドを実行します。
$ cd $APPL_TOP/admin<SID>/out
$ sqlplus <SYSTEM username>/<SYSTEM password> \
@%AD_TOP%\sql\ADXCKPIN.sql
特に明記しないかぎり、このマニュアルに記載されているメンテナンス・タスクは対話型で実行されます。つまり、ユーザーの操作が必要であり、これは主に要求に対して応答するという形で行われます。ただし、AD AdministrationおよびAD Controllerの特定のタスクはスケジュールが可能で、これらのユーティリティを非対話型で実行すると、ユーザーの操作がほとんどない、またはまったくない状態でタスクを実行できます。タスクの実行ごとに要求に応答するかわりに、ユーザーの操作なしでタスクを完了するために必要な情報が記載されたファイルを指定します。この場合は、要求に応答するために処理をモニターする必要はありません。このとき使用するファイルをデフォルト・ファイルと呼びます。
非対話型メンテナンスのスケジュール
要件
非対話型でメンテナンス・タスクをスケジュール設定して実行する方法は?
説明および処理
非対話型タスクを設定するには、デフォルト・ファイルの作成が必要です。デフォルト・ファイル(adalldefaults.txt)は、AutoConfigが実行されるたびに自動的に作成されます。このファイルは、カスタマイズしたデフォルト・ファイルを作成するときのテンプレートとして使用できます。
重要: 現在、デフォルト・ファイルの作成方法にはAutoConfigの実行をお薦めしますが、前のリリースではadadminが使用されていました。
デフォルト・ファイルを作成してカスタマイズしたら、コマンドラインから関連するメンテナンス・ユーティリティを起動し、デフォルト・ファイル名、ログ・ファイル名およびパラレル・ワーカーの数を指定します。
異なるAD Administrationコマンドの実行に、同じデフォルト・ファイルを使用できます。1つのファイルの中に、複数のメニュー・オプションのすべての選択肢を含めることができます。デフォルト・ファイルで実行するタスクを選択するには、ユーティリティの起動コマンドにmenu_option=<メニューの選択肢>を追加します。これにより、デフォルト・ファイルに最初に格納されたメニュー固有のキーストローク情報が上書きされ、任意のAD Administrationメニュー項目に対してデフォルト・ファイルを使用できるようになります。また、今後のリリースでメニュー項目の番号や場所が変更されても、デフォルト・ファイル用のメニュー・オプションが常に有効となります。
注意: 詳細は、「非対話型処理の準備」を参照してください。
異常終了したセッションの再起動
要件
非対話型AD Administrationセッションが異常終了しました。再起動する方法は?
説明
異常終了した非対話型セッションを再起動するには、restart=yesパラメータを使用してAD Administrationを起動します。
処理
ご使用のオペレーティング・システム専用のコマンドを使用して、次のタスクを実行します。
セッションが異常終了した理由を特定して、問題を解決します。
コマンドラインからAD Administrationを実行します。
最初の非対話型セッションの起動に使用したパラメータと同じパラメータおよびrestart=yesパラメータを使用します。次に例を示します。
UNIX:
$ adadmin defaultsfile=$APPL_TOP/admin/testdb1/adadmindef.txt \
logfile=adadmin_noninteractive.log workers=5 interactive=n \
restart=y menu_option=CHECK_DUAL
Windows:
C:\> adadmin defaultsfile=%APPL_TOP%\admin\testdb1\adadmindef.txt logfile=adadmin_noninteractive.log workers=5 interactive=n restart=y menu_option=CHECK_DUAL
AD Administrationによりタスクが実行されます。前の(異常終了した)セッションの継続は求められません。
要件
複数ノード・システム全体にタスクを分散するには、どうすればよいですか。
説明
分散ADは、対応するワーカー・プロセスを複数のアプリケーション層ノードに割り当て、パッチの適用(およびその他のタスク)に必要な時間を削減するために使用できる、特別なパラレル処理機能です。AD AdministrationおよびAutoPatch(adop)は1つのノードで実行され、そのノードおよびシステム内の他のノード上で実行されているワーカーに指示を出します。
注意: 分散ADを使用するには、共有アプリケーション層ファイル・システムが設定されている必要があります。
処理
ワーカーの分散は、次のように指定します。
workers=<total number of workers> localworkers=<number of workers on primary node>
この指定について、次の2つの例で説明します。
例1 - 2ノード・システム間での合計8つのワーカーの分散
最初に、主ノードに3つのワーカー、副ノードに5つのワーカーを保持するadopセッションを実行するコマンドを入力します。
$ adop phase=apply input_file=myinput.txt
ファイルmyinput.txtには次の行を記載する必要があります。
workers=8
localworkers=3
distributed=y引数を使用して、ワーカーを実行する各副ノードでAD Controllerセッションを起動します。
$ adctrl distributed=y
副ノードでワーカー4から8を起動するには、AD Controllerのプロンプトに対して4-8と入力します。
Enter the worker range: 4-8
注意: ワーカーは、1-4や5-8などの連番で指定する必要があります。あるノードではワーカー1、3、5および7を起動し、別のノードではワーカー2、4、6および8を起動するようなことはできません。
例2 - 3ノード・システム間での合計12のワーカーの分散
最初に、主ノードに4つのワーカー、副ノードに8つのワーカーを保持するadopセッションを実行するコマンドを入力します。
$ adop phase=apply input_file=myinput.txt workers=12 localworkers=4
ファイルmyinput.txtには次の行を記載する必要があります。
workers=12
localworkers=4
ワーカー5から8の実行を指定して、副ノードでAD Controllerセッションを起動します。
$ adctrl distributed=y
Enter the worker range: 5-8
注意: 前の例と同様、ワーカーは1-4や5-8などの連番で指定する必要があります。
最後に、最後の4つのワーカー(9から12)の実行を指定して、3番目のノードでAD Controllerを起動します。
$ adctrl distributed=y
Enter the worker range: 9-12
特定のスクリプトまたはユーティリティを実行する場合は、アプリケーション層サービス(サーバー)・プロセスを手動で停止するよう指示される場合があります。この項では、これらのプロセスの起動および停止に関する情報について説明します。
注意: この項のスクリプトには、システム固有の情報が含まれている場合があります。Rapid Installのデフォルト値を変更する場合は、スクリプトの再実行前にこれらを編集する必要がある場合があります。
アプリケーション層サービスの起動および停止
要件
アプリケーション層サービスを起動および停止するする方法は?
説明
Rapid Installでサービスやサーバー・プロセスを設定および構成すると、各プロセスの制御スクリプトが$INST_TOP/admin/scriptsディレクトリに格納されます。
特定のメンテナンス手順では、1つ以上のサービスまたはサーバーを手動で停止し、手順の完了後にそれらを再起動する必要があります。コマンドラインでstop引数またはstart引数とともに適切なスクリプトを実行すると、1つのサーバープロセス、複数のプロセスまたはすべてのプロセスを停止(または起動)できます。次の表に、重要なスクリプトを示します。
処理
ニーズに合うプロシージャを選択します。
1つのアプリケーション層サービス・プロセスを起動または停止するには(UNIX)
次の形式のコマンドを使用します。
<process script name> [stop | start]
ヒント: 多くの関連スクリプトには、このほかにもstatusなどのオプションが用意されています。スクリプト名のみを入力すると、使用可能なオプションのリストが表示されます。
端末ウィンドウを開きます。
たとえば、コンカレント処理サーバーを停止するには、stopオプションを指定してadcmctl.shスクリプトを実行します。
% adcmctl.sh stop
You are running adcmctl.sh version 120.19
Enter the APPS username: <APPS username>
Enter the APPS password: <APPS password>
1つのアプリケーション層サービス・プロセスを起動または停止するには(Windows)
Windowsでは、対応するプロセス制御スクリプト(コマンド・ファイル)を使用するか、「コントロール パネル」の「サービス」から、サービスを起動または停止できます。
プロセス・スクリプトの使用
コマンド・ウィンドウを開きます。
たとえば、コンカレント処理サーバーを停止するには、stopオプションを指定してadcmctl.cmdスクリプトを実行します。
C:\> adcmctl.cmd stop
You are running adcmctl.cmd version 120.19
Enter the APPS username: <APPS username>
Enter the APPS password: <APPS password>
「コントロール パネル」の「サービス」の使用
「スタート」>「管理ツール」に移動して、「サービス」をクリックします。
「サービス」ウィンドウで、関連するサービスを選択します。
必要に応じて「開始」または「停止」をクリックします。
すべてのアプリケーション層サービス・プロセスを起動するには(UNIX)
次の形式のコマンドを使用します。
<process script name> [stop | start]
端末ウィンドウを開きます。
コマンドを入力します。
$ adstrtal.sh
You are running adstrtal.sh version 120.24
Enter the APPS username: <APPS username>
Enter the APPS password: <APPS password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
よりセキュリティの高い方法は次のとおりです。この方法では、APPS資格証明を指定する必要がありません。
$ adstrtal.sh -secureapps
You are running adstrtal.sh version 120.24
Enter the Applications username: <Concurrent Manager operator username>
Enter the Applications password: <Concurrent Manager operator password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
すべてのアプリケーション層サービス・プロセスを起動するには(Windows)
次の形式のコマンドを使用します。
<process script name> [stop | start]
コマンド・ウィンドウを開きます。
コマンドを入力します。
$ adstrtal.cmd
You are running adstrtal.cmd version 120.24
Enter the Applications username: <APPS username>
Enter the Applications password: <APPS password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
よりセキュリティの高い方法は次のとおりです。この方法では、APPS資格証明を指定する必要がありません。
$ adstrtal.cmd -secureapps
You are running adstrtal.cmd version 120.24
Enter the Applications username: <Concurrent Manager operator username>
Enter the Applications password: <Concurrent Manager operator password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
すべてのアプリケーション層サービス・プロセスを停止するには(UNIX)
次の形式のコマンドを使用します。
<process script name> [stop | start]
端末ウィンドウを開きます。
コマンドを入力します。
$ adstpall.sh
You are running adstpall.sh version 120.24
Enter the Applications username: <APPS username>
Enter the Applications password: <APPS password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
よりセキュリティの高い方法は次のとおりです。この方法では、APPS資格証明を指定する必要がありません。
$ adstpall.sh -secureapps
You are running adstpall.sh version 120.24
Enter the Applications username: <Concurrent Manager operator username>
Enter the Applications password: <Concurrent Manager operator password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
すべてのアプリケーション層サービス・プロセスを停止するには(Windows)
次の形式のコマンドを使用します。
<process script name> [stop | start]
コマンド・ウィンドウを開きます。
コマンドを入力します。
$ adstpall.cmd
You are running adstpall.cmd version 120.24
Enter the Applications username: <APPS username>
Enter the Applications password: <APPS password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
別の方法を次に示します。この方法では、APPSパスワードを一切必要としません。
$ adstpall.cmd -secureapps
You are running adstpall.cmd version 120.24
Enter the Applications username: <Concurrent Manager operator username>
Enter the Applications password: <Concurrent Manager operator password>
Enter the WebLogic Server password: <WLS password>
データベース層サービスの起動および停止
要件
Oracle Net Servicesリスナーを手動で起動または停止する方法は?
説明
Rapid Installでインストール時にサーバー・プロセスを設定および構成すると、Net Servicesリスナー・プロセスのスクリプトがOracle 11gデータベース・サーバーの$ORACLE_HOME/appsutil/scripts/<CONTEXT_NAME>ディレクトリに格納されます。データベースのNet Servicesリスナー・プロセスを起動または停止するには、このスクリプトを使用します。
処理
Net Servicesリスナーを起動または停止するには(UNIX)
端末ウィンドウを開きます。
データベース・サーバーにoracleユーザーとしてログインし、$ORACLE_HOME/appsutil/scripts/<CONTEXT_NAME>ディレクトリにナビゲートします。
次の形式のコマンドを入力します。
$ addlnctl.sh [start|stop] <listener_name>
ヒント: 多くの関連スクリプトにはstatusオプションが用意されており、多くの場面で有効です。
たとえば、PRODリスナーを起動するには、次のコマンドを入力します。
$ addlnctl.sh start PROD
注意: 詳細は、『Oracle Net Services管理者ガイド』を参照してください。
Net Servicesリスナーを起動または停止するには(Windows)
oracleユーザーとしてコマンド・ウィンドウを開き、%ORACLE_HOME%\appsutil\scripts\<CONTEXT_NAME>ディレクトリにナビゲートします。
次の形式のコマンドを入力します。
C:\> addlnctl.cmd [start|stop] <listener_name>
たとえば、PRODリスナーを起動するには、次のコマンドを入力します。
C:\> addlnctl.cmd start PROD
注意: 詳細は、『Oracle Net Services管理者ガイド』を参照してください。
要件
Oracle Databaseを手動で起動または停止する方法は?
説明
Rapid Installでインストール時にサーバー・プロセスを設定および構成すると、データベース・プロセスのスクリプトがOracle 11gデータベース・サーバーの$ORACLE_HOME/appsutil/scripts/<CONTEXT_NAME>ディレクトリに作成されます。データベース層のデータベースを起動または停止するには、このスクリプトを使用します。
処理
Oracle Databaseを起動または停止するには(UNIX)
データベース・サーバーにoracleユーザーとしてログインします。
端末ウィンドウを開き、$ORACLE_HOME/appsutil/scripts/<CONTEXT_NAME>ディレクトリにナビゲートします。
次の形式のコマンドを入力します。
$ addbctl.sh [start|stop] {immediate|abort|normal}
ヒント: 多くの関連スクリプトにはstatusオプションが用意されており、多くの場面で有効です。
たとえば、normalオプションを使用してデータベースを停止するには、次のコマンドを入力します。
$ addbctl.sh stop normal
Oracle Databaseを起動または停止するには(Windows)
データベース・サーバーにoracleユーザーとしてログインします。
コマンド・ウィンドウを開き、%ORACLE_HOME%\appsutil\scripts\<CONTEXT_NAME>ディレクトリにナビゲートします。
次の形式のコマンドを入力します。
C:\> addlnctl.cmd [start|stop] <listener_name>
たとえば、PRODリスナーを起動するには、次のコマンドを入力します。
たとえば、normalオプションを使用してデータベースを停止するには、次のコマンドを入力します。
C:\> addbctl.cmd stop normal
Oracle E-Business Suiteシステムのインストールとアップグレードから、構成パラメータの更新、データベースとファイル・システムのメンテナンスとパッチの適用、システム・レポートの生成などの各種操作を実行するには、Oracle E-Business Suiteのシステム・メンテナンス・ユーティリティを使用します。
このマニュアルでは、これらのユーティリティをアクセス方法と使用方法に基づいて分類しています。コマンドライン経由のもの、またはWebベース・インタフェース経由のものがあります。
通常、Applications DBA(AD)ユーティリティと呼ばれるツールは、コマンドラインから起動して実行します。これらのツールは、パッチの適用やマージなど、各種のシステム・メンテナンス・タスクを実行する処理を開始します。ツールの実行時には、メンテナンス・タスクの実行に必要なシステム固有のパラメータを入力するよう求められます。また、多くのユーティリティによって、ジョブの時間やファイル・バージョンなどの情報が記録されたレポートが生成されます。
ADユーティリティのインタフェース、操作、入力およびレポートの形式は類似しています。また、その多くが引数、フラグおよびオプションを受け入れる機能を共通に持っているため、それらを使用して実行される処理を調整できます。ユーティリティを起動するときは、コマンドラインで引数を追加します。たとえば、パッチの適用時にAutoPatchがパラレルに実行する必要があるワーカー数を指定するには、AutoPatchの起動時にコマンドラインでワーカー・プロセスの数を入力します。この章の後半では、よく使用されるコマンドラインの引数とフラグのリスト、およびそれらの使用方法の簡単な説明を示します。
次の表に、コマンドラインのメンテナンス・ユーティリティを示します。このマニュアルでは、その操作について詳しく説明します。また、Rapid Installの詳細は、『Oracle E-Business Suiteインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法』を参照してください。
Oracle E-Business Suiteリリース12.2でオンライン・パッチ適用を利用すると、AD AdministrationおよびAD Splicerの操作が行われることを意味しています。具体的には、これらのユーティリティをオンライン・パッチ適用サイクルで実行し、ファイル・システムを変更するタスクを行うと、次のオンライン・パッチ適用サイクルの準備フェーズにfs_cloneがトリガーされます。つまり、実行ファイル・システムがパッチ・ファイル・システムに複製(コピー)されます。
このようなタスクには、次のものがあります。
GEN_MESSAGES
GEN_FORMS
GEN_REPORTS
GEN_JARS
RELINK
COPY_FILES
CONVERT_CHARSET
CMP_INVALID
CMP_MENU
CMP_FLEXFIELDS
重要: AD AdministrationおよびAD Splicerは、パッチ・エディションがない場合にのみ実行エディションから起動できます。パッチ・エディションが存在する場合にこれらのユーティリティのいずれかを実行エディションから実行しようとすると、エラーが表示されます。つまり、ユーティリティを実行する前に、環境をパッチ・ファイル・システムに設定するか、パッチ・エディションが存在しない場合は、環境を実行ファイル・システムに設定してください。
Oracle E-Business Suiteのメンテナンス・アクティビティに対するオンライン・パッチ適用の影響の詳細は、このマニュアルの「メンテナンス・タスクのための適切なファイル・システムの選択」を参照してください。
Oracle Applications Manager(OAM)は、システム管理者がシステム・ステータスのモニター、サービスの管理、システム構成の確認、Oracle Workflowの管理、適用済パッチの表示、システム使用率の測定などを実行できるWebベースのインタフェースを提供しています。Oracle E-Business Suiteシステムの状態の概要が簡潔に表示され、システム構成の管理、パッチ履歴の確認、システムを最新に維持するパッチの決定、追加製品と言語の登録、その他のメンテナンス・アクティビティなどのタスクについて、ユーティリティに対するゲートウェイとして機能します。
次の表に、Webベースのメンテナンス・ユーティリティを示します。その操作の詳細は、このマニュアルの第2部および『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』を参照してください。
ADユーティリティおよびOAMユーティリティのどちらもヘルプ機能が用意されています。
ADコマンドライン・ユーティリティでは、help=yを追加してユーティリティ名を入力すると、引数のリストを要求できます。たとえば、AD Administrationのヘルプにアクセスするには、次のコマンドを入力します。
adadmin help=y
ユーティリティの動作の調整に使用できる引数とオプション、およびその機能の簡単な説明を示します。AD Administrationのコマンドライン・ヘルプの例は、次のとおりです。
usage: adadmin [help=y]
adadmin
[printdebug=y|n][localworkers=<localworkers>]
[flags=hidepw|trace]
adadmin Non-Interactive mode
[defaultsfile=<$APPL_TOP/admin/SID/defaultsfile>]
[logfile=<logfile>][interactive=y|n]
[workers=workers>][menu_option=ASK_NAME>][restart=y|n]
パラメータの内容は、次のとおりです。
基本オプション:localworkers = ローカル・マシンで実行するワーカーの数。分散ADで使用します。
flags = ADユーティリティに渡される汎用フラグ。AD Administrationで使用可能な値はhidepwおよびtraceです。
defaultsfile = デフォルトのファイル名。$APPL_TOP/admin/SID/ディレクトリに格納されます。
menu_option = AD Administrationメニューをスキップし、コマンドラインで指定されたタスクを実行します。有効な値は次のとおりです。
RELINK Relink Applications programs
GEN_MESSAGES Generate message files
GEN_FORMS Generate form files
GEN_REPORTS Generate reports files
GEN_JARS Generate product JAR files
VALIDATE_APPS Validate APPS schema
CMP_INVALID Compile APPS schema
CMP_MENU Compile menu information
CREATE_GRANTS Recreate grants and synonyms for APPS schema
CMP_FLEXFIELDS Compile flexfield data in AOL tables
MAINTAIN_MLS Maintain multi-lingual tables
CHECK_DUAL Check DUAL table
RELOAD_JARS Reload JAR files to database
COPY_FILES Copy files to destinations
CHECK_FILES Check for missing files
LIST_SNAPSHOTS List snapshots
UPDATE_CURRENT_VIEW Update current view snapshot
CREATE_SNAPSHOT Create named snapshot
EXPORT_SNAPSHOT Export snapshot to file
IMPORT_SNAPSHOT Import snapshot from file
DELETE_SNAPSHOT Delete named snapshot(s)
CONVERT_CHARSET Convert character set
SCAN_APPLTOP Scan the APPLTOP for exceptions
SCAN_CUSTOM_DIR Scan a CUSTOM directory for exceptions
OAMヘルプは、任意のOracle Applications Manager画面の右上のセクションで、「Help」リンクをクリックすると表示されます。
OAMサイト・マップおよび「Help」リンク
たとえば、OAMサイト・マップでは、「Site Map」ページの機能を説明するページ固有のヘルプが表示されます。
OAMサイト・マップの「Help」ページ
個々のヘルプ・トピックには、トピック項目、手順およびページの説明が含まれています。ユーティリティおよびこのマニュアルで説明する機能に関するヘルプでは、ナビゲータ・パス、フィールド定義およびこのページの使用に関する一般情報が提供されます。
ADメンテナンス・ユーティリティは、コマンドラインからOracle E-Business Suite固有のメンテナンス・タスクおよびレポート作成タスクを実行するために開発されました。たとえば、すべてのタイプのパッチをシステムに適用するにはAD Online Patching(adop)を使用し、定型的なメンテナンス・タスクを実行するにはAD Administrationを使用します。
ただし、それぞれのユーティリティには専用の機能がありますが、これらは互いに補完するよう設計されているため、多くのユーティリティで同様の操作を採用しています。この項では、ADユーティリティに共通の操作の概要について説明します。その後の章では、各ユーティリティの機能を詳しく説明します。
多くのADユーティリティでは、タスク処理の実行時に、類似した機能および操作を使用しています。たとえば、ほとんどのユーティリティがシステム固有プロセスの値の収集にプロンプトを使用し、すべてのユーティリティが処理を記録するためにログ・ファイルを自動的に作成します。
多くのADユーティリティでは、プロンプトによってタスクの完了に必要な情報を入力するように求められます。通常、プロンプトには、必要とする情報の説明が含まれていて、デフォルトの応答が存在する場合もあります(大カッコ内)。デフォルト値を受け入れる場合は、単に[Enter]キーを押します。
次に例を示します。
The ORACLE username specified below for Application Object Library
uniquely identifies your existing product group: APPLSYS
Enter the ORACLE password of Application Object Library [APPS] :
Press [Return] to accept the default value, or type a new value
after the colon and press [Return]. Read the prompts carefully
to make sure you supply the correct information.
ADユーティリティは、デフォルトで、対話型で処理タスクを実行します。つまり、システム固有情報が必要になった時点でその情報の入力が求められるため、ユーザーはプロンプトに応答するために操作が終わるまで待機している必要があります。
AD Administration、adopおよびAD Controllerでは、いくつかのファイル・システム・タスクおよびデータベース・タスクを非対話型で実行できます。必要な情報をデフォルト・ファイルに格納しておくと、ユーティリティは入力を求めるかわりにこのファイルから情報を読み込みます。非対話型処理は、ユーザーの操作をほとんど必要としない、またはまったく必要としない定型タスクのスケジュールに役立ちます。
注意: 詳細は、このマニュアルの「非対話型でのメンテナンスの実行」を参照してください。また、この章の「パラレル・プロセスのモニターおよび制御」も参照してください。
AD Online Patching、AD AdministrationまたはAD Splicerを非対話型モードで実行する場合は、必要に応じてstdin=yオプションを使用し、標準入力でパスワードの入力を求めることができます。デフォルトでは、入力要求なしでパスワードを指定します。
すべてのADユーティリティは、その処理および発生したすべてのエラーをログ・ファイルに記録します。多くのユーティリティは、次のような表示によって、処理セッションを記録するログ・ファイルの名前を入力するよう求めます。
<utility name> records your <utility name> session in a text file you specify.
Enter your <<utility name> log file name or press [Return] to accept the
default name shown in brackets.
Filename [<utility name>.log] :
デフォルトのファイル名は<ユーティリティ名>.logです。たとえば、AD Administrationの場合、デフォルトのログ・ファイルはadadmin.logです。
AD Administrationのログ・ファイルは、次の場所に格納されています。
UNIX:
$APPL_TOP/admin/<SID>/log
Windows:
%APPL_TOP%\admin\<SID>\log
再起動ファイルには、完了した処理に関する情報が記録されています。このファイルは、$APPL_TOP/admin/<SID>/restart(UNIX)または%APPL_TOP%\admin\<SID>\restart(Windows)に格納されています。
ユーティリティが処理中にエラーで停止した場合、またはAD Controller(パラレル処理の場合)を使用して、処理タスクの実行中にワーカーを停止する場合は、ユーティリティを再起動できます。再起動を行う場合、ユーティリティは再起動ファイルを検索し、以前のセッションがあるかどうかを確認します。ファイルが存在する場合は、処理を中断した場所から続行するか、新しい処理を開始するかの入力が求められます。続行を選択すると、再起動ファイルが読み込まれ、処理の中断場所を確認してその点から処理が続行されます。
注意: Oracleサポート・サービスから特に指示がないかぎり、マネージャまたはワーカーの再起動ファイルは変更または削除しないでください。
デフォルトでは、ADユーティリティは処理が完了すると再起動ファイルを削除しますが、拡張子が.bak、.bk2または.bk3の場合はバックアップ・バージョンを残します。
警告: 再起動ファイルには、ご使用のOracle E-Business Suite製品のパスワードが記録されます。再起動ファイル($APPL_TOP/admin/<SID>/restartに格納)へのアクセスはすべて制限しておく必要があります。options=nohidepwを指定してユーティリティを実行している場合は、ログ・ファイルのHIDEPWという接頭辞の付いた行にもパスワードが記録されている可能性があります。
ほとんどのADユーティリティは、メンテナンス・タスクの処理時に、各種構成ファイルおよび環境ファイルに格納されているシステム・パラメータにアクセスする必要があります。たとえば、Oracle Application ServerのORACLE_HOMEやOracle Database(RDBMS)のORACLE_HOMEの場所を認識する必要があります。
構成ファイルおよび環境ファイルは、インストール時またはアップグレード時にAutoConfigによって生成されます。通常は、これらのファイル内の情報を手動で更新したり、メンテナンスする必要はありません。これらのファイルはAutoConfigを実行すると更新されます。
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要のAutoConfigに関する項を参照してください。また、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1380535.1の「Using AutoConfig to Manage System Configurations in Release 12.2」も参照してください。
次の表に、ADコマンドライン・ユーティリティでよく使用される構成ファイルおよび環境ファイルを示します。これらのファイルはOAM Webベース・ユーティリティで使用される場合もあります。
注意: <CONTEXT_NAME>のデフォルト値は<SID>_<hostname>です。
次の構成ファイルおよび環境ファイルもほとんどのADユーティリティが使用しますが、AutoConfigでは作成されません。
警告: これらのAutoConfig管理ファイルは手動で更新しないでください。
AD Administrationおよびadopのいくつかの機能を使用するには、その機能のバージョン番号がファイル・システムとデータベースの両方で同じである必要があります。場合によっては、これらの機能バージョンが一致しないことがあります。たとえば、パッチの実行が正常に完了しなかった場合、ファイル・システムは更新されていますが、データベースは更新されていないことがあります。その場合は、ファイル・システムのバージョンとデータベースのバージョンが異なる可能性があります。
AD Administrationまたはadopを起動すると、情報マトリックスが画面上でスクロールします。これは、CHECKFILE、PREREQ、CONCURRENT_SESSIONS、PATCH_HIST_IN_DB、PATCH_TIMINGおよびSCHEMA_SWAPの各機能のステータス(Active=<YesまたはNo>)およびバージョン番号を示しています。
このマトリックスは情報の表示のみが目的です。機能のバージョンが一致しているかぎり、対応は必要ありません。一致していない場合は、OAM Applied Patchesユーティリティを使用すると、正しく適用されているパッチを特定し、そのバージョン・レベルを確認できます。
一部のADユーティリティは、単一の機能を実行するように設計されています。たとえば、AD Relinkを実行するのは、実行可能プログラムをサーバー製品のライブラリと再リンクする場合のみです。これらのユーティリティではメニューまたは入力画面を使用しません。すべてのユーザー相互作用は、コマンドラインからプロンプトの形式で行われます。
ただし、その他のユーティリティには複数の機能があり、メニューまたは入力画面に表示されます。たとえば、AD Administrationを実行したときに表示される最初の画面はメイン・メニューです。
AD Administration Main Menu
この画面で、サブメニューのいずれかを選択してから、次の画面で実行する処理を選択します。
注意: ADユーティリティは、オンライン・パッチ適用サイクルの進行中に実行できます。必要な追加ステップは、環境をパッチ・エディションに設定することだけです。パッチ・サイクルの進行中(つまり、パッチ・エディションが存在するとき)に実行エディションからユーティリティを実行しようとすると、エラーが発生します。
ADユーティリティの操作方法は、ユーティリティの起動コマンドに修飾子を追加することで指定できます。修飾子は、引数、フラグまたはオプションの形式で指定できます。ユーティリティが実行する処理は、この修飾子によって調整されます。
コマンドライン引数、フラグおよびオプションはtoken=valueの形式とし、tokenは修飾子の名前です。引数と値は両方とも小文字で入力する必要があります(token部分はユーティリティで自動的に小文字に変換されますが、value部分は変換できません)。
次に例を示します。
$ adadmin LOGFILE=TEST.LOG
トークン(「LOGFILE」)は小文字に変換されますが、値(TEST.LOG)はユーティリティによって認識されません。このコマンドの正しい入力方法は、次のとおりです。
$ adadmin logfile=test.log
単一のコマンドラインに複数のtoken=value引数を入力するには、次のadadminコマンドのように、複数の引数を空白スペースで区切ります。
$ adadmin printdebug=y flags=hidepw
複数の値を1つのトークンに含める場合もあります。この場合は、複数の値をカンマで区切ります。次に例を示します。
$ adadmin flags=nohidepw,trace
カンマ区切りのリストには空白スペースを含めないでください。たとえば、次のコマンドは無効ではありませんが、エラーが発生します。
$ adadmin flags=nohidepw, trace
引数によっては、特定のユーティリティのみで使用されるものもあります。たとえば、adopでは、このユーティリティ専用のコマンドライン引数およびオプションを多数使用します。これについては、このマニュアルの「パッチ適用」の項にリストと説明があります。
その他のコマンドライン引数は、複数のユーティリティから使用されます。次の表にその引数を示します。
help | 説明 |
---|---|
使用対象 | すべてのADユーティリティ |
目的 | 使用可能なコマンドライン・オプションの概要を表示します。 |
値 | yまたはn |
デフォルト | n |
例 | adadmin help=y |
interactive | 説明 |
---|---|
使用対象 | AD Administration、adop、AD Controller |
目的 | ADユーティリティに対して、対話型または非対話型のいずれで実行するかを指示します。 |
値 | yまたはn |
デフォルト | y。この場合、ユーティリティは対話型で実行されます。 |
例 | adadmin interactive=n |
printdebug | 説明 |
---|---|
使用対象 | すべてのADユーティリティ |
目的 | ADプログラムに対して、追加デバッグ情報の表示を指示します。追加デバッグ情報はかなりの量になる場合があります。 |
値 | yまたはn |
デフォルト | n |
例 | adadmin printdebug=y |
wait_on_failed_job | 説明 |
---|---|
使用対象 | AD Administration、adop |
目的 | ユーティリティに対して、ジョブが異常終了した場合は非対話型セッションでユーザー入力を待機するよう指示します。 |
値 | yまたはn |
デフォルト | n |
例 | adadmin wait_on_failed_job=yes |
flags=引数は、すべてのADユーティリティで使用され、いくつかの汎用フラグのうちの1つをユーティリティに渡します。このフラグは、1つ入力するか、カンマで区切られたフラグのリストを入力します。デフォルト値はなしです。
注意: 多くのADユーティリティは、リストされている追加引数を受け入れます。ただし、これらはOracleサポートから明示的に指示された場合にのみ使用する必要があります。
重要: Oracle E-Business Suiteリリース12.2などのオンライン・パッチ適用環境では、パッチ・エディションがない場合(にかぎり)、AD AdministrationやAD SplicerなどのADユーティリティを実行エディションから起動できます。パッチ・エディションが存在する場合にユーティリティのいずれかを実行エディションから実行しようとすると、エラーが表示されます。
ADユーティリティを実行するには、環境を設定してシステム構成パラメータを定義します。たとえば、ユーティリティでApplications ORACLE_HOMEへのディレクトリ・パスが必要となる場合があります。このパラメータ(およびその他のパラメータ)により、システム環境が構成されます。
重要: Windowsユーザーは、環境を設定する前にWindowsサービスも構成する必要があります。
ユーティリティに適切な環境を指定したら、ユーティリティ名を入力してユーティリティを起動します。
注意: 詳細は、この章の「構成ファイルおよび環境ファイル」を参照してください。
環境の設定
Oracle E-Business Suite環境を設定するには、次のステップを実行します。プラットフォーム固有の追加ステップについては、該当するインストレーションおよびアップグレード・ノートを参照してください。
重要: リリース12.2には、実行とパッチの2つのファイル・システムがあることに注意してください。環境は、その両方で正しく設定する必要があります。
現在のAPPL_TOPおよびデータベースの環境ファイル(UNIX)またはコマンド・ファイル(Windows)を実行します。
UNIX:
通常、環境ファイルはAPPS<CONTEXT_NAME>.envで、APPL_TOPの下にあります。Bourne、KornまたはBashシェルから、次のコマンドを入力します。
$ . APPS<CONTEXT_NAME>.env
Windows:
Windowsエクスプローラ、または「スタート」メニューの「ファイル名を指定して実行」を使用して、次のコマンドを入力します。
%APPL_TOP%\envshell.cmd
これにより、Oracle E-Business Suiteに必要な環境設定が行われたコマンド・ウィンドウが作成されます。以降のすべてのコマンドは、このウィンドウで実行する必要があります。
環境になんらかの変更を加えた場合は、次のコマンドを入力して、正しく設定されていることを確認します。
UNIX:
$ echo $TWO_TASK
$ echo $ORACLE_HOME
$ echo $PATH
Windows:
C:\> echo %LOCAL%
C:\> echo %ORACLE_HOME%
C:\> echo %PATH%
C:\> echo %APPL_CONFIG%
UNIXでは、ORACLE_HOMEが適切なデータベース・ディレクトリに設定され、TWO_TASKまたはLOCALが適切なデータベースを示している必要があります。Windowsでは、APPL_CONFIGが<CONTEXT_NAME>に設定されている必要があります。
十分な一時ディスク領域があることを確認します。
$APPLTMPおよび$APPLPTMP(UNIX)または%APPLTMP%および%APPLPTMP%(Windows)で指定された一時ディレクトリが、50MB以上である必要があります。また、オペレーティング・システムのデフォルト一時ディレクトリにも領域が必要です。通常、このディレクトリは/tmpか/usr/tmp(UNIX)またはC:\temp(Windows)です。
ADユーティリティを実行し、Oracle E-Business Suite製品のファイルを再リンクまたは更新するか、Oracle E-Business Suiteのデータベース・オブジェクトを変更する場合は、コンカレント・マネージャ、Webサーバーのリスナー、Formsサーバーのリスナー(関連するサーバーを含むノード上にファイルがある場合)を停止します。たとえば、コンカレント処理サーバーを含むノード上にファイルがある場合は、コンカレント・マネージャを停止します。
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suiteシステム・セットアップ・ガイドのコンカレント・マネージャの管理に関する項を参照してください。
Windowsサービスの構成
WindowsプラットフォームでADユーティリティを実行する場合は、まずすべてのFormsサービス、Webリスナー・サービスおよびコンカレント・マネージャ・サービスを停止する必要があります。さらに、データベースおよびデータベースのリスナーが実行されていることを確認する必要があります。
サービスのステータスを表示および変更するステップは、次のとおりです。
「スタート」>「設定」>「コントロール パネル」を選択し、「サービス」をダブルクリックします。
該当するサービス名を選択し、必要に応じて「停止」または「開始」をクリックします。次の表に、ADユーティリティの実行時に必要なサービスおよびステータスを示します。
サービス・タイプ | サービス名 | ステータス |
---|---|---|
コンカレント・マネージャ・サービス | OracleConcMgr<CONTEXTNAME> | 停止 |
データベース・サービス | OracleService<SID> | 開始 |
データベース・リスナー | Oracle<SID>_<DB_VERS>RDBMSTNSListener<SID> | 開始 |
ユーティリティの起動
ADユーティリティを起動するには、コマンドラインでユーティリティの実行可能ファイル名を入力します。たとえば、AD Administrationを起動するには、次のコマンドを入力します。
$ adadmin
注意: AD実行可能プログラムのリストの詳細は、この章の「コマンドラインのユーティリティ」を参照してください。
ユーティリティの終了または停止
メニュー式のユーティリティは、処理タスクが完了するとメイン・メニューに戻ります。ユーザーは、ここで別の処理を選択するか、「Exit」を選択します。AD Administrationはその一例です。ユーティリティには、メニュー形式を採用していないものもあります。その場合は、処理が完了するとユーティリティが自動的に終了します。adop、AD Merge Patchおよびファイル文字セット変換のFile Character Set Converterがその例です。
処理タスクを開始する前であれば、任意のプロンプトでabortを入力してユーティリティを停止できます。このコマンドは、プロンプトが画面に表示されている場合にのみ、プロンプトを表示するユーティリティに対して使用できます。
場合によっては、処理を開始したユーティリティは、その処理が完了する前に終了することがあります(エラーにより)。あるいは、パラレル処理セッション中に、ワーカーを停止して処理を停止する場合があります。
注意: ワーカーの停止および再起動の詳細は、このマニュアルの「Applications DBA操作のトラブルシューティング」の章を参照してください。
ユーティリティの再起動
ユーティリティを再起動するには、コマンドラインで実行可能プログラム名を入力します。再起動を行うと、新しいログ・ファイルの名前を入力するか、中断したセッションのログ・ファイルを指定するよう求められます。前のセッションのログ・ファイルを再利用した場合は、ファイルの最後にメッセージ「Start of <ユーティリティ名> session」が追加され、継続セッションで生成されたメッセージが追加されます。
次のいずれかを実行するよう求められます。
Continue Session(デフォルト)
ユーティリティは、再起動ファイルで前のセッションの進捗を確認し、最後のセッションが停止した時点から処理を開始します。
Start New Session
前のセッションを続行しないと選択した場合、ユーティリティはその選択の確認を求めます。処理は最初から開始されます。
停止した処理がパラレルに実行されていた場合は、FND_INSTALL_PROCESSES表が存在することがあります。この表が存在するときは、この表を削除するかどうかの確認を求められます。このメッセージは、既存のADセッションをユーザーに認識させるための警告として使用できます。別のセッションまたは別のノードで他のユーティリティが実行されているかどうかを確認してください。現在実行中のADユーティリティが必要ない場合は、FND_INSTALL_PROCESSES表を削除して、起動した新しいADセッションを続行できます。
注意: 詳細は、この章の「再起動ファイル」を参照してください。
通常、パラレル処理は次の目的でAD AdministrationおよびAutoPatchにより使用されます。
無効なオブジェクトのコンパイル
データベース・ドライバのタスク(SQLスクリプトなど)の実行
様々な種類のファイル(フォーム、レポート、メッセージ・ファイルなど)の生成
ワーカーは、マネージャによって割り当てられた処理タスクを完了します。ユーティリティ自体は、実行するタスクのリストを確認して実行の優先度を設定します。また、タスクを実行するワーカーの数を入力するよう求めます。たとえば、AutoPatchはデータベース・ドライバを適用する場合、データベース・タスクのリストを作成し、そのタスクを実行するために同時に実行するワーカーの数を指定するよう求めます。
ワーカー・プロセスは、adworkerプログラムのインスタンスです。このプログラムはマネージャ・プロセスのみがコールでき、スタンドアロンでは実行できません。
マネージャは、各ワーカーに一意のIDを割り当て、FND_INSTALL_PROCESSES表に各ワーカーを表す行を挿入します。この表は、ジョブ情報のステージング領域およびワーカーとの通信手段として機能するように作成されます。通信は、CONTROL_CODEおよびSTATUSの2つの列を使用して実現されます。
マネージャは、ジョブ・リストの一部を使用して表を更新します。1つのワーカーにつき1つのジョブです。たとえば、5つのワーカーが存在する場合、この表には5つのジョブが保持されています(処理全体では100以上のジョブが関与してる場合でも)。マネージャはワーカーを起動し、CONTROL_CODE列およびSTATUS列を使用してタスクを割り当てます。この2つの列を継続的にポーリングし、ワーカーによる更新を確認します。ワーカーが割当てタスクを終了すると、マネージャはリスト内の次のタスクで各行を更新し、ワーカーに別のメッセージを残します。
すべてのジョブが完了すると、マネージャはワーカーに停止の指示を出し、FND_INSTALL_PROCESSES表を削除します(すべてのワーカーが実際に停止したことを確認した後)。
各ワーカーはSTATUS列を更新し、進捗に関するレポートをマネージャに示します。ジョブが完了すると、マネージャはキュー内の次のジョブで表を更新し、CONTROL_CODE列およびSTATUS列を更新して、ワーカーに処理の開始を指示します。障害が発生した場合、ワーカーは障害のステータスをレポートします。
特定のタスクでは、一部のワーカー・プロセスは実際に処理を行う他の子プロセスを作成します。作成された子プロセスは、作成元のワーカーにステータス・コードを戻します。ワーカーはそのコードを解釈して、ジョブが正常に完了したかどうかを判定します。子プロセスの例には、SQL*PlusやFNDLOADがあります。
ジョブが初めて異常終了した場合、マネージャは自動的にそのジョブを遅延し、ワーカーに新しいジョブを割り当てます。遅延ジョブが2回目の実行時に異常終了した場合、ジョブの実行時間合計が10分未満の場合にかぎり、マネージャはそのジョブを再度遅延します。遅延ジョブが3回目に異常終了すると(または実行が2回目のジョブの実行時間合計が10分以上の場合)、ジョブは異常終了ステータスのまま、ワーカーは待機します。この時点では、異常終了の原因を解決してからジョブを再起動する必要があります。
注意: 詳細は、この章の「対話型でのAD Controllerの実行」を参照してください。
遅延ジョブ機能では、AD_DEFERRED_JOBS表を使用します。この表は、FND_INSTALL_PROCESSES表が作成されると作成され、FND_INSTALL_PROCESSES表が削除されると削除されます。
ADユーティリティでは、ワーカーのデフォルト数がデータベース・サーバーのCPU数の2倍に設定されています。ワーカー数は、CPU数の2倍から4倍を選択することをお薦めします。たとえば、データベース・サーバーに4つのCPUがある場合は、8から16の範囲でワーカーの数を選択します。
ADユーティリティは、データベースでサポートできるワーカーの最大数を計算します(最大999)。データベースでサポートできるワーカー数よりも大きい数は入力できません。
注意: リリース12.2では、実行時にADユーティリティが実行されます。そのため、ワーカー数の計算時には、使用可能なDBプロセスの数も考慮されます。高アクティビティが想定される期間にDBプロセスの要件を見積もると、DBプロセスの実数を超えるADワーカーの数は制限される可能性があります。
ジョブをパラレルに処理するユーティリティは、<ユーティリティ名>.logファイルに記録された情報のほかにも、エラーの詳細をワーカーのログ・ファイルに書き込みます。adwork<番号>.logファイル(adwork001.log、adwork002.logなど)の場所は、UNIXの場合は$APPL_TOP/admin/<SID>/logディレクトリ(<SID>はORACLE_SID変数またはTWO_TASK変数の値)、Windowsの場合は%APPL_TOP%\admin\<SID>\log(<SID>はORACLE_SIDまたはLOCALの値)です。
AutoPatchまたはAD Administrationによって実行されるコンカレント要求は、独自のログ・ファイルを作成します。
注意: 詳細は、『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』のログ・ファイル名および出力ファイル名に関する項を参照してください。
再起動ファイルは、処理が停止した時点から処理を再開するときに使用します。ワーカーは、それぞれがadworkxxx.rf9という再起動ファイルを保持することもできます。これらのファイルは、$APPL_TOP/admin/<SID>/restart(UNIX)または%APPL_TOP%\admin\<SID>\restart(Windows)に格納されます。ワーカーは、マネージャからジョブを割り当てられると再起動ファイルを作成し、ジョブが終了するとファイルを削除します。
注意: Oracleサポートから明示的に指示がないかぎり、マネージャまたはワーカーの再起動ファイルを変更または削除しないでください。
このマニュアルのトラブルシューティングに関する章では、ユーティリティ実行時の様々なエラー状況およびその解決方法について説明します。
索引作成時の停止時間を短縮するため、ADユーティリティのparallel_index_threshold引数はデフォルト値の20,000に設定されています。つまり、表に格納されているブロック数が20,000より少ない場合、ADユーティリティはパラレル・ワーカーとシリアルDMLを使用して索引を作成します(以前のリリースと同様)。表に格納されているブロック数が20,000より多い場合は、1つのワーカーのみとパラレルDMLを使用して索引が作成されます。ADユーティリティのコマンドラインでparallel_index_threshold引数を指定すると、このしきい値を調整できます。
パラレル処理を利用するADセッションは、ユーザーの操作なしで完了するように実行できます。ただし、完了済ジョブの数、またはなんらかの理由でジョブが停止したかどうかを確認すると役立つ場合がよくあります。AD Controllerは、AD AdministrationワーカーまたはAutoPatchワーカーのステータスの確認や、その処理の制御に使用できるユーティリティです。AD Controllerは、対話型または非対話型での実行が可能です。実行は専用のウィンドウで行う必要がありますが、AD AdministrationまたはAutoPatchと同じウィンドウである必要はありません。
注意: 詳細は、この章の「対話型処理および非対話型処理」を参照してください。
「AD Controller」メイン・メニューでは、ワーカー・ステータスの表示、ワーカーの再起動またはマネージャへのコマンドの発行を行うオプションを選択します。
AD Controllerにアクセスするステップは、次のとおりです。
applmgrとしてログインし、この章の「環境の設定」の説明に従って環境を設定します。
重要: AD Controller(adctrl)は、パッチ・エディションのファイル・システムからのみ実行できます。実行エディションから実行しようとすると、エラーが発生します。FILE_EDITION環境変数の値を確認すると、現在のエディションを識別できます。
adctrlコマンドを使用して、AD Controllerを起動します。このときは次の操作を求められます。
APPL_TOPの値の確認。
AD Controllerログ・ファイルの指定(デフォルトはadctrl.log)。AD Controllerログ・ファイルは、現在の作業ディレクトリに作成されます。
Oracle Application Object Libraryのユーザー名とパスワードの指定。
メイン・メニューからオプションを選択します。
プロンプトに応答するとメイン・メニューが表示されます。
AD Controller Menu
番号を入力してオプションを選択します。[Enter]キーを押すと、いつでも「AD Controller」メイン・メニューに戻ります。
注意: 各メニュー・オプションの使用方法は、このマニュアルの「Applications DBA操作のトラブルシューティング」を参照してください。
デフォルト・ファイルを作成すると、AD Controllerをユーザーの操作なしで実行できます。このファイルには、対話型のプロンプトで指定した情報が格納されており、以降でこの情報を利用すると、ユーザーの操作なしでAD Controllerを実行できます。デフォルト・ファイルの作成および非対話型でのAD Controllerの実行は、AD Administrationでもほぼ同様に行われます。
注意: 詳細は、このマニュアルの「非対話型メンテナンスのスケジュール」を参照してください。
AD Administrationと同様、AD Controllerの各種コマンドの実行にも同じデフォルト・ファイルを使用できます。1つのファイルの中に、複数のメニュー・オプションのすべての選択肢を含めることができます。デフォルト・ファイルで実行するタスクを選択するには、ユーティリティの起動コマンドにmenu_option=<メニューの選択肢>を追加します。これにより、デフォルト・ファイルに最初に格納されたメニュー固有のキーストローク情報が上書きされ、AD Controllerの任意のメニュー項目に対してデフォルト・ファイルを使用できるようになります。また、今後のリリースでメニュー項目の番号や場所が変更されても、デフォルト・ファイル用のメニュー・オプションが常に有効となります。
次の表に、使用可能なオプションを示します。
注意: AD Administrationを実行するためのメニュー・オプションについては、このマニュアルの「非対話型処理の準備」の項を参照してください。
次に、AD Controllerを非対話型で実行し、ワーカー・ステータスを表示する例を示します。
$ adctrl interactive=n defaults_file=$APPL_TOP/admin/prod/ctrldefs.txt \
logfile=adctr.log menu_option=SHOW_STATUS
コマンドラインでSHOW_STATUS以外のメニュー・オプションを使用する場合は、worker_range=<範囲>オプションも使用する必要があります。詳細は、AD Controllerのコマンドライン・ヘルプを参照してください。
ADでは、パラレル処理で採用されている既存のマネージャ-ワーカー・ジョブ・システムを使用して、分散ADが組み込まれます。このパラレル処理機能を使用すると、同じADセッション内のワーカーを複数のアプリケーション層サーバー上で起動し、使用可能なすべてのリソースを利用できます。ADワーカーはファイル・システム・オブジェクトやデータベース・オブジェクトを作成および更新するため、1箇所の集中管理された場所でファイルが作成されるように、分散ADは共有アプリケーション層ファイル・システムを使用しているシステム上のみで使用する必要があります。
主ノードでAD AdministrationまたはAutoPatchのいずれかを実行するときは、共有アプリケーション層ファイル・システム環境内のいずれかのノードからAD Controllerセッションを起動し、ローカル・ワーカーまたは非ローカル・ワーカーの両方を使用してAD Controllerの標準操作を実行します。
注意: 詳細は、このマニュアルの「分散ADによる処理の分散」を参照してください。
システムをインストールした後は、そのシステムが順調に稼働するよう特定のメンテナンス・タスクを実行する必要があります。たとえば、フォーム・ファイルの生成、スナップショット情報のメンテナンス、実行可能プログラムの再リンク、APPSスキーマのコンパイルや検証などのタスクがあります。一部の定型的なタスクについては、定期的に実行する必要があります。それ以外の非定型的なタスクの実行頻度は、通常は高くありません。
メンテナンス・タスクは、AD Administrationを使用してコマンドラインから実行します。このユーティリティを起動すると、通常は実行するアクティビティの種類ごとにタスクがグループ化され、メニュー形式で表示されます。たとえば、Applicationsデータベース・エントリのコンパイルおよび再ロードに関連するタスクは、同じメニューにグループ化されています。
この章では、AD Administrationのメンテナンス・タスクのほか、AD実行可能プログラムの再リンクに使用するコマンドライン・ユーティリティのAD Relinkについても説明します。
重要: ADユーティリティの実行可能プログラムは、AD Administrationを使用しても再リンクできません。
AD Administrationは、Oracle E-Business Suiteシステムに必要なメンテナンス・タスクのほとんどを管理します。現在、AD Administrationのメイン・メニューでは、メンテナンス・タスクが種類ごとにグループ化されています。
コマンドラインからAD Administrationを起動すると、ユーティリティで必要なシステム固有の基本情報を入力するよう求められます。たとえば、処理やエラー・メッセージが記録されるログ・ファイルの名前を指定する必要があります。
注意: 詳細は、この章の「プロンプト」を参照してください。
これらのプロンプトに応答すると、AD Administrationのメイン・メニューが表示されます。これは、様々なサブメニューに対するゲートウェイとして使用でき、ここから個々のメンテナンス・タスクを選択します。たとえば、「Generate Applications Files」メニューでは、メッセージ・ファイル、フォーム・ファイル、レポート・ファイルまたは製品JARファイルを生成するタスクを実行できます。また、これらのサブメニュー・タスクでも、タスク固有の情報を収集するためのプロンプトに応答する必要があります。たとえば、あるタスクでは、そのタスクに関連するジョブの処理に使用するワーカーの数を入力する必要があります。
注意: 詳細は、この章の「タスクのパラレル処理」を参照してください。
AD Administrationのプロンプトに応答する場合は、ユーティリティを対話型で実行します。ただし、AD AdministrationはAutoPatchおよびAD Controllerと同様、非対話型で実行することもできます。このときは、ユーザーの操作なしで特定のメンテナンス・タスクを実行する場合に必要な情報が格納されている、作成済のデフォルト・ファイルを指定します。
注意: 詳細は、この章の「対話型処理および非対話型処理」を参照してください。
AD Administrationでは、第1章で説明した基本的なプロンプトのほかに、サブメニュー・タスクのいずれかに固有の追加情報が必要となることがあり、その場合は追加のプロンプトが表示されます。たとえば、「Generate Applications Files」メニューから「Generate Product JAR files」タスクを実行する場合は、次のようなプロンプトが表示されます。
Do you wish to force generation of all jar files? [No]:
タスク固有のプロンプトについては、各タスクの説明でより詳しく説明します。
コマンドライン・プロンプトの説明では、AD Administrationが非対話型で実行されていることを前提としています。標準的なプロンプトに応答し、ADのメイン・メニューおよびサブメニューから選択した、特定のタスクに必要なプロンプトにも応答します。また、プロンプトに応答するかわりに、デフォルト・ファイルに格納された情報を使用して、タスクを非対話型で実行することもできます。
注意: 詳細は、このマニュアルの「対話型処理および非対話型処理」を参照してください。
各種AD Administrationタスクの実行に、同じデフォルト・ファイルを使用できます。1つのファイルの中に、複数のメニュー・オプションのすべての選択肢を含めることができます。デフォルト・ファイルで実行するタスクを選択するには、ユーティリティの起動コマンドにmenu_option=<メニューの選択肢>を追加します。これにより、デフォルト・ファイルに最初に格納されたメニュー固有のキーストローク情報が上書きされ、AD Administrationの任意のメニュー項目に対してデフォルト・ファイルを使用できるようになります。また、今後のリリースでメニュー項目の番号や場所が変更されても、デフォルト・ファイル用のメニュー・オプションが常に有効となります。
menu_option値 | AD Administrationの対応するメニュー選択肢 |
---|---|
GEN_MESSAGES | Generate message files |
GEN_FORMS | Generate form files |
GEN_REPORTS | Generate reports files |
GEN_JARS | Generate product JAR files |
RELINK | Relink Applications programs |
COPY_FILES | Copy files to destinations |
CONVERT_CHARSET | Convert character set |
SCAN_APPLTOP | Scan the APPL_TOP for exceptions |
SCAN_CUSTOM_DIR | Scan a CUSTOM directory for exceptions |
LIST_SNAPSHOT | List snapshots |
UPDATE_CURRENT_VIEW | Update current view snapshot |
CREATE_SNAPSHOT | Create named snapshot |
EXPORT_SNAPSHOT | Export snapshot to file |
IMPORT_SNAPSHOT | Import snapshot from file |
DELETE_SNAPSHOT | Delete named snapshot |
CHECK_FILES | Check for missing files |
CMP_INVALID | Compile APPS schema |
CMP_MENU | Compile menu information |
CMP_FLEXFIELDS | Compile flexfield data in AOL tables |
RELOAD_JARS | Reload JAR files to database |
VALIDATE_APPS | Validate APPS schema |
CREATE_GRANTS | Recreate grants and synonyms for APPS schema |
MAINTAIN_MLS | Maintain multi-lingual tables |
CHECK_DUAL | Check DUAL table |
AD Administrationはコマンドラインから起動します。ただし、メンテナンス・タスクはすべて「AD Administration Main Menu」から開始します。この項では、このユーティリティの実行に使用するいくつかの共通機能について説明します。
AD Administrationを起動してプロンプトに応答すると、「AD Administration Main Menu」が表示されます。
AD Administration Main Menu
このメニューには、個々のメンテナンス・タスクをグループ化したサブメニューが表示されます。サブメニューを選択するには、プロンプトのメニュー番号を入力してください。AD Administrationを終了する場合は[Enter]キーを押します。
システム構成に応じて、ここに表示されているオプション名と番号とは少し異なる表示がAD Administrationのサブメニューに表示される場合があります。
「AD Administration Main Menu」を表示して、サブメニューおよびメンテナンス・タスクにアクセスするには、この項のステップを実行します。
環境を設定します。
システムを定義した環境変数を適用するには、環境を設定する必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。準備ステップについては、このマニュアルの「環境の設定」を参照してください。
任意のディレクトリから、次のコマンドを使用してAD Administrationを起動します。
$ adadmin
ユーティリティが起動して最初のプロンプトが表示されます。
プロンプトに応答します。
AD Administrationのプロンプトで要求された情報を指定します。オプション固有のプロンプトについては、そのオプションのところで説明します。
プロンプトにすべて応答すると、「Main Menu」が表示されます。
メンテナンス・タスクを選択します。
「Main Menu」でサブメニューを選択します。表示されるサブメニューおよびオプションについては、次の項の「Generate Applications Files」以降で詳しく説明します。
AD Administrationを終了します。
「Main Menu」から、画面のプロンプトでオプション6(「Exit AD Administration」)を選択するとAD Administrationを終了できます。また、コマンドラインでabortと入力すると、任意のプロンプトでユーティリティの終了を選択できます。abortコマンドの使用後にADユーティリティを再起動する方法の詳細は、このマニュアルの「再起動ファイル」を参照してください。
ご使用のApplicationsのライフ・サイクルで、Applicationsファイルの生成が必要になる場合があります。「Generate Applications Files」メニューから、関連するタスクにアクセスしてください。
「Generate Applications Files」メニュー
システムのユーザーがメッセージ、フォームまたはレポートへのアクセスが困難な場合は、関連するファイルを生成するとこの問題を解決できることがあります。あるいは、製品の機能を追加または変更するパッチを適用する場合は、パッチ適用の停止時間中に、生成されたドライバを実行するかわりに、パッチの適用後に関連するファイルを生成することがあります。「Generate Files」タスクは、必要に応じて任意のサーバー上で実行できます。
ファイルの生成時にシステムを停止する必要はありません。ただし、生成対象のファイル(例: Human Resourcesフォーム)にアクセスしているユーザーはログオフする必要があります。
Oracle E-Business Suiteでは、ファイルを使用してメッセージを表示します。このタスクでは、Oracle Application Object Libraryの表からバイナリ・メッセージ・ファイル(拡張子.msb)を生成します。
注意: このタスクは、パッチのREADMEファイルで、またはOracleサポート・サービスから指示された場合にのみ実行します。
これらのアクティビティには、実行方法に多くの共通点があります。
Generate form files
バイナリ・フォーム定義ファイル(拡張子.fmb)から、実行可能なOracle Formsファイル(拡張子.fmx)を生成します。この定義ファイルはAU_TOPの下に格納されています。また、実行可能ファイルは各製品のディレクトリの下に格納されます。
Generate report files
前述の点を除き、プロンプトおよび動作は同じように行われます。
ワーカーの数を入力するよう要求し、選択した製品の選択したオブジェクトをパラレルに生成します。
現在のキャラクタ・セット(NLS_LANG)を表示し、このキャラクタ・セットでフォーム・オブジェクトまたはレポート・オブジェクトを生成するかどうかを確認します。
Oracle Forms PL/SQLライブラリ・ファイル、メニュー・ファイルおよび実行可能ファイル(Formsファイルのみ)を生成するかどうかを確認します。
フォーム・オブジェクトまたはレポート・オブジェクトに関連する製品を入力するよう求めます。
選択した各製品に固有のフォーム・オブジェクトまたはレポート・オブジェクトを生成するかどうかを確認します。
現在インストールされている言語セットを表示し、これらの言語でフォーム・ファイルまたはレポート・ファイルを生成するかどうかを確認します。
生成するすべてのオブジェクトのリストを作成します。
生成されたオブジェクトのリストを表示します(固有のオブジェクトまたはすべてのオブジェクト)。
Javaアーカイブ(JAR)・ファイルは、Oracle Developerテクノロジ・スタックをアップグレードするたびに、またはOracleサポート・サービスから指示された場合に生成します。このタスクはJARファイルを署名し(Webサーバー上にある場合)、さらに次の処理を実行します。
JAVA_TOPに製品JARファイルを生成し、それらをAPPL_TOPにコピーします。
APPL_TOPおよびJAVA_TOPの下に、その他のJava関連ファイルを生成します。
APPL_TOPおよびJAVA_TOPの下に、Javaライブラリ(appsborg.zipとappsborg2.zip)を再作成します。
このタスクを実行すると、次のプロンプトが表示されます。
Do you wish to force generation of all jar files? [No]
「No」を選択すると、欠落しているJARファイルまたは古くなったJARファイルのみが生成されます。「Yes」を選択すると、すべてのJARファイルが生成されます(より時間がかかります)。
警告またはエラーのリスト、および正常に生成されなかったオブジェクトが表示され、そのまま続行するかどうかの確認を求められた場合は、ログ・ファイルを確認し、問題を調べる必要があるかどうかを判断します。続行せずにセッションを後で再起動する場合、AD Administrationは正常に生成されなかったファイルの再生成のみを試みます。
Applicationsファイルを最新の状態に維持するには、特定のメンテナンス・タスクを行う必要があります。たとえば、集中管理された場所に製品ファイルをコピーしたり、APPL_TOP内のファイルを別のキャラクタ・セットに変換することなどが考えられます。このようなタスクは、「Maintain Applications Files」メニューにグループ化されています。
「Maintaining Applications Files」メニュー
このメニューからタスクを選択すると、任意のタスクを実行できます。
Oracle Databaseで機能するように、Oracle E-Business Suiteの実行可能プログラムをOracleサーバー・ライブラリと再リンクします。製品ごとに、すべての実行可能プログラムをリンクするか、特定の実行可能プログラムのみをリンクするかを選択できます。
デフォルトでは、デバッグ情報なしで再リンクします。debugオプションは、Oracleサポート・サービスから要求があった場合にのみ使用してください。
重要: AD Administrationは、AD製品自体の実行可能プログラムをリンクする目的には使用できません。この場合はAD Relinkを使用する必要があります。この章の「AD実行可能プログラムの再リンク」を参照してください。
各製品の領域から、Applications以外のプログラムから容易に参照できる集中管理された場所にファイルをコピーします。このオプションは、宛先ファイルのバージョンがソース・ファイルのバージョンと同じか、ソース・ファイルのバージョンよりも大きくなるように、リビジョンに基づくコピー・ロジックを使用します。
Oracleサポート・サービスから指示されないかぎり、forceオプションを使用して既存ファイルを上書きしないことをお薦めします。このオプションを指定してファイルをコピーすると、すべてのJARファイルが更新され、各クライアントがこれらのファイルをすべて再度ダウンロードするため、実行時のパフォーマンスが低下します。
次の表に、ファイル・タイプおよびそれぞれのファイルの宛先を示します。
ファイル | コピー先(UNIX) | コピー先(Windows) |
---|---|---|
Javaファイル | $JAVA_TOP | %JAVA_TOP% |
HTMLファイル | $OAH_TOP | %OAH_TOP% |
メディア・ファイル | $OAM_TOP | %OAM_TOP% |
この変数のディレクトリは、adovars.envファイル(UNIX)またはadovars.cmdファイル(Windows)で指定されています。
このオプションをレポート・ファイルのコピーに使用する場合、デフォルトの宛先はAU_TOPの下です。
APPL_TOP内のファイルを別のキャラクタ・セットに変換する準備を行い、変換を実行します。
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要のグローバリゼーション・サポートに関する項を参照してください。
このオプションを選択すると、AD Administrationに別のサブメニューが表示されます。このサブメニューには、変換用にファイルをスキャンするためのオプションが用意されています。このスキャンによって例外(不完全な(損失の大きい)変換のあるファイル)が検索されるため、キャラクタ・セットを実際に変換する前に問題の可能性を修正できます。次のいずれかのスキャン・オプションを選択します。
ヒント: APPL_TOPキャラクタ・セットを変換する前に、データベース・キャラクタ・セットの互換性を必ず検証してください。
次のようなオプションがあります。
Scan the APPL_TOP for exceptions
APPL_TOPをスキャンして、admin\<SID>\outディレクトリに3つのファイルを作成します。
ファイル | 内容 |
---|---|
admanifest_excp.lst | 変換ロスが大きいため、変換されないファイルがリストされています。 |
admanifest.lst | 変換可能なファイルがリストされています。 |
admanifest_lossy.lst | 変換ロスが大きいファイルがリストされています。各行に詳細が記載されています。 |
admanifest_excp.lstにリストされているファイルを確認します。キャラクタ・セットを変換する前に、変換ロスが大きいと報告されているファイルを修正します。admanifest_excp.lstにエントリがなくなるまで、このタスクを繰り返します。詳細を確認する必要がある場合は、admanifest_lossy.lstを参照します。
Scan a CUSTOM directory for exceptions
最初のタスクと同じ情報を収集しますが、APPL_TOPディレクトリではなくカスタムのApplicationsディレクトリをスキャンします。
注意: このオプションを使用すると、adaminで追加ファイル(.rdf、.doc、.zipなど)がadmanifest_excp.lstの例外としてリストされる可能性があります。これは、CUSTOMディレクトリはユーザーが変更できるため、adadminでファイルの変換に成功したかどうかを確認するためにファイル拡張子が十分ではないことが原因です。逆に、$APPL_TOPの下にあるファイルはユーザーが変更できないため、そのファイル拡張子はファイルの変換に成功したかどうかを確認する指標として間違いありません。
Convert character set
このタスクは、admanifest_excp.lstにエントリがない場合にのみ実行します。スキャン・オプションを実行したときに作成されたマニフェスト・ファイル(admanifest.lst)の入力が求められます。
このユーティリティは、製品のソース・ファイルおよびAPPL_TOP/adminにあるソース・ファイルをバックアップします。<PROD>_TOPディレクトリ内の製品ファイルは、<prod>_ s_<char_set>.zipの形式で保存されます。APPL_TOP/adminディレクトリ内のadminソース・ファイルは、admin_s_<char_set>.zipの形式で保存されます。
スナップショットには、APPL_TOPスナップショットとグローバル・スナップショットの2種類があります。APPL_TOPスナップショットには、APPL_TOP内のファイルのパッチとバージョンがリストされます。グローバル・スナップショットには、Applicationsシステム全体(つまり、すべてのAPPL_TOP内)のファイルのパッチと最新バージョンがリストされます。
APPL_TOPスナップショットおよびグローバル・スナップショットは、現状表示スナップショットまたは名前指定表示スナップショットのいずれかです。現状表示スナップショットは、作成された後、一貫した表示を維持するために適切な時期に更新されます。部分表示スナップショットを使用すると、現在表示から選択されたファイルのみを同期化できます。名前指定表示スナップショットは、現状表示スナップショットの特定の時期のコピー(必ずしも最新の現状表示スナップショットではありません)で、更新されません。
Patch Wizardは、グローバル現状表示スナップショットに含まれる情報を使用して、すでに適用されているパッチを判別します。AutoPatchは、APPL_TOP現状表示スナップショットを使用して、すべての前提条件パッチがそのAPPL_TOPに適用されているかどうかを判別します。スナップショット情報は、AD_SNAPSHOTS、AD_SNAPSHOT_FILESおよびAD_SNAPSHOT_BUGFIXESの各表に格納されます。
新規インストールのときは、Rapid Installによって基準となる現状スナップショットが作成されます。AutoPatchを実行するたびに、情報がパッチ適用時点の最新のものになるように、新しい(更新された)スナップショットが自動的に作成されます。
スナップショット情報のメンテナンスは、「Maintain Applications Files」メニューから「Maintain Snapshot Information」を選択した後、必要なオプションを選択して実行します。
「Maintain Snapshot Information」メイン・メニュー
これらのオプションを使用すると、次のことを実行できます。
システムに格納されているスナップショットのリスト
現在表示スナップショットの更新(完全または部分のAPPL_TOPおよびグローバル)
名前指定スナップショットの作成(コピーして名前を指定する現状表示スナップショットの選択)
スナップショットのファイルへのエクスポート(テキスト・ファイルにエクスポートするスナップショットの選択)
テキスト・ファイルからのスナップショットのインポート(テキスト・ファイルからインポートするスナップショットの選択)
名前指定スナップショットの削除
現在表示スナップショットをメンテナンスする場合は、APPL_TOP全体のすべてのファイルを同期化するかわりに、選択したファイルを同期化(して部分スナップショットをメンテナンス)できます。このオプションは、APPL_TOPにコピーしたファイルが数ファイルのみの場合に使用します。
「Maintain Snapshot Information」メニューから、「Update Current View Snapshot」オプションを選択します。
「Maintain Current View Snapshot Information」メニュー
「Maintain Current View Snapshot Information」メニューから、次のいずれかのオプションを選択します。
Update Complete APPL_TOP
これは、「Update Current View Snapshot」オプションの本来の機能です。APPL_TOP内のすべてのファイルを同期化します。
Update JAVA_TOP only
JAVA_TOP内のファイルのみを同期化します。プロンプトでは、ファイルがコピーされたJAVA_TOPサブディレクトリのパスを入力します。ファイルが複数のディレクトリにコピーされた場合は、[Enter]キーを押します。AD Administrationにより、JAVA_TOP全体がスキャンされ、現状表示およびグローバル表示のスナップショット内の情報が更新されます。
Update a <PRODUCT>_TOP
特定の<PRODUCT>_TOP内のファイルのみを同期化します。製品の略称を入力してから、プロンプトでサブディレクトリ情報を指定します。
<PRODUCT>_TOP内の単一サブディレクトリのパスを入力します。ファイルが<PRODUCT>_TOP内の複数のディレクトリにコピーされた場合は、[Enter]キーを押します。AD Administrationにより、<PRODUCT>_TOP全体がスキャンされ、現状表示およびグローバル表示のスナップショット内の情報が更新されます。
現在の構成のOracle E-Business Suiteを実行するために必要なすべてのファイルが、現在のAPPL_TOP内にあることを確認します。このタスクは、APPL_TOP内に欠落しているファイルがあると考えられる場合に選択します。
データベース・エンティティは、Oracle E-Business Suiteに関係するデータベース内のデータベース・オブジェクトまたはデータのことです。エンティティを管理するためのタスクは、「AD Administration Main Menu」で2つのオプションにグループ化されており、1つはエンティティのコンパイルまたは再ロード用、もう1つはその整合性の検証用です。
データベース・エンティティをコンパイルまたは再ロードするには、「AD Administration Main Menu」から「Compile/Reload Applications Database Entities」メニュー・オプションを選択します。
「Compile/Reload Applications Database Entities」メニュー
このメニューのタスクは、データベース・オブジェクトをコンパイルまたは再ロードする必要がある場合に必ず実行します。たとえば、新しいメニュー・エントリをアップロードしたときや、フレックスフィールドの設定を変更するパッチを適用したときなどです。これらのタスクは、コアADテクノロジのディレクトリが配置されているノード上でのみ実行します。
パラレル・ワーカーを作成し、APPSスキーマ内の無効なデータベース・オブジェクトをコンパイルします。
注意: 詳細は、この章の「無効なオブジェクトのコンパイル」を参照してください。
メニュー・データ構造をコンパイルします。このタスクは、メニュー・エントリをFND_MENU_ENTRIES表にアップロードした後、またはMenusフォームから発行されたセキュリティのコンパイル・コンカレント要求が、なんらかの理由で失敗した場合に選択します。
AD Administrationでは、すべてのメニューのコンパイルを強制するかどうかを確認します。デフォルト(「No」)を選択した場合は、変更されたメニューのみがコンパイルされます。「Yes」を入力した場合は、すべてのメニューがコンパイルされます。通常、すべてのメニューのコンパイルは必要ありません。
Oracle Application Object Library(FND)表のフレックスフィールド・データ構造をコンパイルします。このタスクは、フレックスフィールドの設定を変更するパッチを適用した場合に選択します。通常、このステップを実行するタイミングはパッチに示されています。
フレックスフィールドを初めて使用すると、データが自動的にコンパイルされます。そのため、通常このタスクを実行する必要はありません。ただし、ある特定のタイミングでフレックスフィールドをコンパイルすることで、実行時に発生する可能性のあるパフォーマンスの問題を軽減できます。たとえば、フレックスフィールドは、最初に使用されたときに自動的にコンパイルするのではなく、システム使用率が低いとわかっているときにコンパイルできます。
該当するすべてのOracle E-Business Suite JARファイルをデータベースに再ロードします。このタスクは、Oracle E-Business SuiteのすべてのJavaクラスがデータベースから削除された場合に選択します。たとえば、データベースが破損したためにデータベースのJava仮想マシン(JVM)が再ロードされた場合などです。
システムを通常利用していると、ユーザー・エラーや不適切なパッチの適用などにより、データベースの整合性が損なわれる可能性があります。データベース・エンティティの整合性は、定期的なメンテナンス手順として検証するか、システムの動作からデータベース・エンティティに破損の兆候がみられる場合に検証することをお薦めします。
これらのメンテナンス・タスクを実行するには、「AD Administration Main Menu」から「Maintain Applications Database Entities」メニュー・オプションを選択します。
「Maintain Applications Database Entities」メニュー
このメニューのタスクには、データベース・エンティティに関する問題や潜在的な問題を報告したり、その問題を実際に解決するものがあります。
APPSスキーマの整合性を検証します。これは、問題および潜在的な問題を必要な処理ごとにグループ化してリストする、<APPSスキーマ名>.lstという名前のレポートを生成します。
修正必須の問題(APPSスキーマ以外)
修正必須の問題(APPSスキーマ固有)
対処が望ましい問題(APPSスキーマ固有)
このレポートは、UNIXの場合は$APPL_TOP/admin/<SID>/out(<SID>はORACLE_SID変数またはTWO_TASK変数の値)、Windowsの場合は%APPL_TOP%\admin\<SID>\out(<SID>はLOCAL変数の値)に格納されています。ファイルの各セクションには、リストされた問題を解決するための手順が記載されています。ほとんどの問題は、無効なデータベース・オブジェクトをコンパイルするか、権限付与およびシノニムを再作成すると解決できます。
このタスクは、Oracle E-Business Suiteパブリック・スキーマ(APPLSYSPUB)の権限付与およびシノニムの再作成、SYSTEMからAPPSまでのパッケージに対する権限付与の再作成、およびパラレル・ワーカーの作成による、基本スキーマ内のシーケンスと表をAPPSスキーマにリンクする権限付与およびシノニムを再作成します。
このタスクは通常、「Validate APPS schema」タスクから、欠落している権限付与およびシノニムに関する問題が報告された場合に実行します。
このタスクは、言語を追加した後に実行します。ワーカーの数を入力するよう求めた後、すべての多言語表を更新します。
Oracle E-Business Suite製品によっては、DUAL表へのアクセスが必要なものもあります。この表はSYSスキーマに存在し、格納されている行は1行のみです。このタスクでは、この表と1行の存在を確認します。
重要: DUAL表が存在しない場合、または格納されている行が1行のみでない場合、この表にアクセスするOracle E-Business Suite製品は正しく動作しません。
AD Relinkは、必要に応じてAD実行可能プログラムをOracleサーバー製品のライブラリと再リンクし、Oracle Databaseで実行可能プログラムの正常な機能状態を維持する場合に使用します。
注意: AD実行可能プログラムは、AD Relinkを使用した場合にのみ再リンクできます。これは、「AD Administration Maintain Applications Files」メニューの「Relink Applications Executables」タスクを使用して再リンクする他製品の実行可能プログラムとは大きく異なります。
再リンク処理を細かく制御するために、いくつものオプションが用意されています。たとえば、複数のAD実行可能プログラムを1回の操作で再リンクできます。
ログ・ファイル
AD Relinkを実行すると、エラーおよびメッセージを記録するログ・ファイル(adrelink.log)が作成されます。AD Relinkでは、最後に実行された再リンク処理の情報を、このファイルの最後に追加します。このファイルは、APPL_TOP/admin/logに格納されています。AD Relinkの使用中にエラーが発生した場合、または再リンクが正常に行われたかが不明な場合は、このファイルで解決が必要な問題を確認してください。
AD AdministrationセッションまたはAutoPatchセッションで発生した再リンクのエラーは、各ユーティリティの基本ログ・ファイルに記録されます。「ログ・ファイル」を参照してください。
新しいログ・ファイルはAD Relinkが実行されるたびに作成されます。ディスク領域をリカバリするため、または単に整理を実施するために、必要なくなったadrelink.logファイルは削除できます(再リンク操作が正常に完了したことを確認できた場合など)。
コマンドライン引数
次の表に示すコマンドライン引数を指定すると、AD Relinkの動作を変更または調整できます。
force | 説明 |
---|---|
目的 | 再リンクする実行可能プログラムを指定します。 |
値 |
|
デフォルト | なし(yまたはnを入力する必要があります) |
例 | adrelink force=n |
backup_mode | 説明 |
---|---|
目的 | 実行可能プログラムをバックアップするかどうかを指定します。 |
値 |
|
デフォルト | backup_mode=file |
例 | adrelink force=n backup_mode=all |
注意: これらのコマンドライン引数は、AD Relinkユーティリティのみで使用できます。
Oracle E-Business Suiteの実行に不可欠なファイルは、APPL_TOP/adminに格納されているadlinkbk.txtファイルにリストされています。backup_mode=file引数を使用すると、AD Relinkはこれらのファイルのみをバックアップします。
AD Relinkのインタフェース
AD Relinkはコマンドラインから実行します。メニューや入力画面は使用しません。
AD Relinkの実行
AD Relinkは次のように実行します。
環境を設定します。
環境を設定して、システムを定義する構成パラメータの位置を示す必要があります。このタスクは、多くのADユーティリティで共通です。基本的なステップについては、このマニュアルの「環境の設定」を参照してください。
ファイルを再リンクします。
ご使用のオペレーティング・システムに対応するコマンドを使用して、AD Relinkを実行します。
UNIX
S adrelink.sh force=n "ad <executable name>"
Windows
C:\> sh adrelink.sh force=n "ad <executable name>"
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