Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド リリース12.2 E51768-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle E-Business Suiteデータベース管理者(DBA)は、Oracle E-Business Suiteシステム管理者とOracle Database管理者の作業を兼務します。
Oracle E-Business Suiteのインストールでは、多くのスキーマ(ORACLEスキーマとも呼ばれます)がデータベース内に存在します。これらのスキーマを作成する必要はありませんが、デフォルト・パスワードを変更する必要があります。
これらのスキーマのソースは様々で、次のようなタイプがあります。
Oracle E-Business Suiteで使用されているかどうかにかかわらず、すべてのOracle Databaseに存在するスキーマ(例: SYS、SYSTEM)
Oracle E-Business Suiteの共有コンポーネントで使用される小規模なスキーマのセット(例: APPLSYSPUB、APPLSYS、APPS)
Oracle E-Business Suiteの個別の製品で提供される大規模なスキーマのセット(例: ABM、AHL、...、ZSA、ZX)
オプションのデータベース機能またはサード・パーティ製品に属するスキーマのセットで、次の3つのサブタイプに分類されるスキーマのセット
Oracle E-Business Suiteで使用され、パッチが適用されるスキーマのセット(例: CTXSYS)
Oracle E-Business Suiteで使用されるが、RDBMSでのみパッチが適用されるスキーマのセット(例: MDSYS、ORDSYS)
Oracle E-Business Suiteで使用されないスキーマのセット(例: SCOTT)
どのような場合でも、Oracle E-Business Suiteで提供されたすべてのスキーマは、特定のOracle E-Business Suiteユーザーには関連付けられません。
すべてのタイプのスキーマは、Oracle E-Business Suiteの実行操作中に使用され、2、3および4.1のタイプのスキーマは初回インストール時およびパッチ適用時にアクセスされます。
スキーマ・パスワードの場合、Oracle E-Business Suiteは主に次の3つのスキーマ・パスワードに関連があります。
APPLSYSPUB(GATEWAYユーザーとも呼ばれます)のパスワード。デフォルト・パスワードは「PUB」です。
APPLSYSおよびAPPS(FNDNAMとも呼ばれます)間で共有されるパスワード。デフォルト・パスワードは「APPS」です。
すべての製品固有の基本スキーマ(タイプ3)のパスワード。これらのスキーマのデフォルト・パスワードはスキーマ名と同一です。
重要: インストール時にこれらのパスワードを変更する必要があります。
Oracle DatabaseのスキーマとパスワードによってOracle Databaseに接続される一方、アプリケーション・ユーザー名とパスワードによりOracle E-Business Suiteにアクセスされることに注意してください。
インストール・プロセスによって、Oracle E-Business SuiteのORACLEスキーマが自動的に登録されるため、必要とする追加のORACLEスキーマを、「Oracleユーザー」ウィンドウを使用して登録するのみで済みます。
次のような場合は、Oracle E-Business SuiteにORACLEスキーマを登録する必要があります。
Oracle Application Object Libraryを使用してカスタム・アプリケーションを作成する場合
Oracle E-Business Suite製品に追加のORACLEスキーマを関連付ける場合
重要: ORACLEスキーマを登録する前に、まずデータベース管理者がORACLEデータベースに接続するORACLEスキーマを作成する必要があります。次に、「Oracleユーザー」ウィンドウを使用して、ORACLEスキーマを登録してください。
Oracle Application Object Libraryをアップグレードするたびに、Oracle Application Object Libraryを使用して作成されたカスタム・アプリケーションに関連付けられている、ORACLEスキーマも再登録する必要があります。
データベース・セッション開始時または再初期化時に実行する、カスタム初期化SQLコードを追加できます。このコードはプロファイル・オプションを使用して指定します。
このコードは、セッション開始時のグローバル変数、プロファイルおよびclient_infoの内容を初期化するとすぐに、FND_GLOBAL.INITIALIZEおよびAPPS_INITIALIZEによって実行されます。
プロファイル・オプション「初期化SQL文 - カスタム」を使用すると、オプティマイザ設定など、サイト固有の初期化コードを追加できます。このプロファイル値は、各データベース・セッションの開始時に1回実行される有効なSQL文、または複数の文に対するPL/SQLブロックであることが必要です。
このプロファイル・オプションは、システム管理者が任意のレベルで設定でき、顧客が使用するために確保されています。
このプロファイル・オプションはOracle E-Business Suiteにより使用されます。このプロファイル・オプションと値の設定は、シード・データとして配布され、変更できません。
関連トピック
Oracle E-Business Suiteおよびコスト・ベース最適化
Oracle E-Business Suite DBAの職務の概要
Oracle8iのデータベース・リソース・マネージャは、データベース・ユーザーおよびアプリケーション間のリソースの割当と管理に使用されます。
リソース・コンシューマ・グループとリソース計画によって、様々なユーザー間で処理リソースを分配する方法が指定されます。リソース・コンシューマ・グループでは、類似したリソース使用要件を持つ、一連のユーザーが定義されます。リソース計画全体を通して、様々なリソース・コンシューマ・グループ間のリソース配分方法が指定されます。
Oracle E-Business Suiteを使用すると、システム管理者は個々のOracle E-Business Suiteユーザーをリソース・コンシューマ・グループに割り当てることができます。さらに、コンカレント・プログラムとコンカレント・マネージャをリソース・コンシューマ・グループに割り当てることができます。
注意: これらのリソース・コンシューマ・グループはCPUリソースにのみ適用されます。
詳細は、Oracleデータベースのドキュメントを参照してください。
システム管理者は、特定のユーザーに対してユーザー・プロファイル・オプション「FND: リソース・コンシューマ・グループ」の値を設定し、ユーザーをリソース・コンシューマ・グループに割り当てることができます。ユーザーはこのプロファイル・オプションを参照できますが、更新できません。
システム管理者は、「コンカレント・プログラムの定義」フォームの「パラメータ」ウィンドウで、コンカレント・プログラムをリソース・コンシューマ・グループに割り当てることができます。『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』の「コンカレント・プログラムのパラメータ」ウィンドウに関する項を参照してください。
システム管理者は、「コンカレント・マネージャの定義」フォームで、コンカレント・マネージャをリソース・コンシューマ・グループに割り当てることができます。『Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド』の「コンカレント・マネージャ」ウィンドウに関する項を参照してください。
衝突は、単一のセッションに関連付けられているリソース・コンシューマ・グループ間で発生する場合があります。たとえば、あるリソース・コンシューマ・グループに割り当てられているコンカレント・マネージャが、別のグループに割り当てられているコンカレント・プログラムを実行する場合があります。同様の状況は、ユーザーが、そのユーザーとは異なるリソース・コンシューマ・グループを持つ取引マネージャで管理されている取引を実行する場合に発生します。このような衝突を解決するため、Oracle E-Business Suiteでは階層が使用されます。
コンカレント・プログラムの場合、システムにより、そのプログラムにリソース・コンシューマ・グループが割り当てられているかどうかがまずチェックされ、割り当てられている場合はそのグループが使用されます。割り当てられていない場合は、システムにより、プログラムを実行するコンカレント・マネージャがチェックされ、そのリソース・コンシューマ・グループが使用されます。コンカレント・マネージャがリソース・コンシューマ・グループに割り当てられていない場合は、システムにより、デフォルト・グループ「Default_Consumer_Group」が使用されます。
取引プログラムを実行する取引マネージャの場合、システムにより、プログラムに割り当てられているリソース・コンシューマ・グループが再度チェックされ(ある場合)、割り当てられていない場合は、取引マネージャがチェックされます。取引マネージャにリソース・コンシューマ・グループが割り当てられていない場合は、システムにより、取引を開始したセッションを所有するユーザーのプロファイル・オプション値がチェックされます。リソース・コンシューマ・グループが定義されていない場合は、システムにより、デフォルトのリソース・コンシューマ・グループが使用されます。
フォームを実行しているユーザーの場合、システムにより、そのユーザーのプロファイル・オプション値が最初にチェックされ、定義されている場合はその値が使用されます。定義されていない場合は、デフォルトのリソース・コンシューマ・グループが使用されます。
Oracle E-Business Suiteでは、Oracle E-Business Suiteスキーマのパスワードを設定するために、FNDCPASSおよびAFPASSWDという2つのコマンドライン・ユーティリティを提供しています。これらのユーティリティは、Oracle E-Business Suiteの表に登録されたパスワードおよびデータベース内のスキーマ・パスワードを変更します。また、このユーティリティを使用して、ユーザー・パスワードを変更することもできます。
次のようないくつかの重要考慮事項が適用されます。
Oracle E-Business Suiteシステムは、スキーマ・パスワードを変更する前に停止する必要があります。
Oracle E-Business Suiteユーザーのパスワードの変更中は、該当するユーザーはログインしないでください。
FND_USER表およびFND_ORACLE_USERID表は、パスワードの変更前にバックアップしないでください。
Oracle 11gデータベースを使用するOracle E-Business Suiteリリースは、オプションで大文字小文字を区別するデータベース・パスワードを有効にでき、大文字小文字が混在した状態で使用できます。この機能を使用する方法については、この項の後で説明します。
FNDCPASSユーティリティを使用すると、各種のパスワードを変更できます。
このコマンドを使用して、Oracle E-Business Suiteの共有コンポーネントで使用されているスキーマのパスワードを変更します。
FNDCPASS <logon> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> SYSTEM \
<username> <new_password>
このコマンドは次の引数とともに使用します。SYSTEMトークンを指定した場合、FNDCPASSでは、その次の引数がAPPLSYSのユーザー名と新規パスワードであるとみなされます。
変数 | 説明 |
---|---|
logon | Oracleユーザー名
注意: Oracleユーザー名のみを指定すると、システムからパスワードの入力を求められます。または、<ユーザー名>/<パスワード>のペアを指定することもできます。 |
system/password | システムDBAアカウントのユーザー名とパスワード |
username | APPLSYSユーザー名(「applsys」など) |
new_password | 新規パスワード |
このコマンドは、次のように実行されます。
APPLSYSを検証します。
Oracle E-Business Suiteのパスワードを再登録します。
APPLSYSおよびすべてのAPPSパスワード(複数APPSスキーマ・インストールの場合)を同じパスワードに変更します。
FND_ORACLE_USERID表内で「E」、「U」、「D」のいずれかの権限レベルに設定されている項目は、すべて同じパスワードである必要があるため、FNDCPASSでAPPLSYSのパスワードに加えてこれらのパスワードも同時に更新されます。たとえば、APPLSYSパスワードが変更されると、APPSパスワードも更新されます。
前述のORACLEユーザー用のORACLEパスワードを変更するため、ALTER USERが実行されます。
たとえば、次のコマンドでは、APPLSYSのパスワードを「WELCOME」に変更します。
FNDCPASS <APPS username> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> SYSTEM APPLSYS WELCOME
FNDCPASSを使用してAPPLSYSパスワードを変更する場合は、次の処理も常に実行する必要があります。
重要: これらのステップは、実行ファイル・システムで行う必要があります。
$INST_TOP/admin/scripts/adstpall.shスクリプトを使用して、アプリケーション層サービスを停止します。
前の項の説明に従って、APPLSYSパスワードを変更します。
$INST_TOP/admin/scripts/adadminsrvctl.shスクリプトを使用して、AdminServerを起動します。他のアプリケーション層サービスは起動しないでください。
WLSデータソース内のappsパスワードを次のように変更します。
WLS管理コンソールにログインします。
「チェンジ・センター」で「ロックして編集」をクリックします。
「ドメイン構造」ツリーで、「サービス」を展開して「データ・ソース」を選択します。
「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページで、「EBSDataSource」を選択します。
「EBSDataSourceの設定」ページで、「接続プール」タブを選択します。
「パスワード」フィールドに新しいパスワードを入力します。
「パスワードの確認」フィールドに新しいパスワードを入力します。
「保存」をクリックします。
「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」をクリックします。
$INST_TOP/admin/scripts/adstrtal.shスクリプトを使用して、すべてのアプリケーション層サービスを起動します。
WLSデータストアの変更を次のように確認します。
WLS管理コンソールにログインします。
「ドメイン構造」ツリーで、「サービス」を展開して「データ・ソース」を選択します。
「JDBCデータ・ソースのサマリー」ページで、「EBSDataSource」を選択します。
「EBSDataSourceの設定」ページで、「監視」>「テスト」を選択します。
「oacore_server1」を選択します。
「データ・ソースのテスト」をクリックします。
メッセージ「サーバーoacore_server1のEBSDataSourceのテストは成功しました。」を検索します。
重要: ステップ4、5および6は、APPLSYSパスワードを変更する場合にのみ適用されます。製品のスキーマまたはSYSTEMスキーマのパスワードを変更する場合には適用されません。
パスワード変更後の次の準備フェーズでは、パッチ・ファイル・システム上のWLSデータソースが新しいAPPSパスワードで同期化されるように、adopによってEBSドメイン構成が起動されます。
このコマンドを使用して、Oracle E-Business Suiteの個別の製品により提供されるスキーマのパスワードを変更します。
FNDCPASS <logon> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> ORACLE \
<username> <new_password>
このコマンドは次の引数とともに使用します。ORACLEトークンを指定した場合、FNDCPASSでは、その次の引数がORACLEのユーザー名と新規パスワードであるとみなされます。
変数 | 説明 |
---|---|
logon | Oracleユーザー名
注意: Oracleユーザー名のみを指定すると、システムからパスワードの入力を求められます。または、<ユーザー名>/<パスワード>のペアを指定することもできます。 |
<SYSTEM username>/<SYSTEM password> | システムDBAアカウントのユーザー名とパスワード |
username | Oracleユーザー名(「GL」など) |
new_password | 新規パスワード |
たとえば、次のコマンドでは、GLユーザーのパスワードを「GL1」に変更します。
FNDCPASS <APPS username> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> ORACLE GL GL1
注意: 前述の例では、システムからAPPSパスワードの入力を求められます。
このコマンドを使用してOracle Application製品により提供されるすべてのスキーマのパスワードを変更します。
FNDCPASS <logon> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> ALLORACLE \
<new_password>
このコマンドは次の引数とともに使用します。ALLORACLEトークンを指定すると、FNDCPASSでは、その次の引数が新規パスワードであるとみなされます。
変数 | 説明 |
---|---|
logon | Oracleユーザー名
注意: Oracleユーザー名のみを指定すると、システムからパスワードの入力を求められます。または、<ユーザー名>/<パスワード>のペアを指定することもできます。 |
<SYSTEM username>/<SYSTEM password> | システムDBAアカウントのユーザー名とパスワード |
new_password | 新規パスワード |
たとえば、次のコマンドでは、すべてのORACLEのスキーマ・パスワードを「WELCOME」に変更します。
FNDCPASS <APPS username> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> ALLORACLE WELCOME
注意: 前述の例では、システムからAPPSパスワードの入力を求められます。
このコマンドを使用して、個別のOracle E-Business Suiteユーザーのパスワードを変更できます。
FNDCPASS <logon> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> USER \
<username> <new_password>
このコマンドは、次の引数とともに使用します。USERトークンを指定した場合、FNDCPASSでは、その次の引数がOracle E-Business Suiteのユーザー名と新規パスワードであるとみなされます。
変数 | 説明 |
---|---|
logon | Oracleユーザー名
注意: Oracleユーザー名のみを指定すると、システムからパスワードの入力を求められます。または、<ユーザー名>/<パスワード>のペアを指定することもできます。 |
<SYSTEM username>/<SYSTEM password> | システムDBAアカウントのユーザー名とパスワード |
username | Oracle E-Business Suiteユーザー名(VISIONなど) |
new_password | 新規パスワード |
たとえば、ユーザーVISIONのパスワードを「WELCOME」に変更する場合は、次のコマンドを使用します。
FNDCPASS <APPS username> 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> USER VISION WELCOME
注意: 前述の例では、システムからAPPSパスワードの入力を求められます。
コマンドラインでAPPSユーザー・パスワードが指定されなかった場合、FNDCPASSでは、このパスワードの入力を求めます。
コマンドラインでAPPSパスワードを指定した場合の例を次に示します。
FNDCPASS APPS/APPS 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> USER operations welcome
同じコマンドで、APPSパスワードを指定しないこともできます。その例を次に示します。
FNDCPASS APPS 0 Y <SYSTEM username>/<SYSTEM password> USER operations welcome
ORACLE Password:
ここでは、コマンドラインでAPPSパスワードが指定されていませんが、かわりにパスワードの入力を求められています。
次に、FNDCPASSユーティリティを使用してパスワードを変更する例を示します。この例の<username>はOracleスキーマ名です。
FNDCPASS <APPS username>/<APPS password> 0 Y \
<SYSTEM username>/<SYSTEM password> \
ORACLE <username> <new_password>
APPLSYSおよびAPPSのパスワードを変更するのは特殊なケースです。この場合は、コマンド$INST_TOP/admin/scripts/adstpall.shを使用して、すべてのアプリケーション層サービスを最初に停止する必要があります。このコマンドでは、ORACLEをSYSTEMで置換します。SYSTEMモードによってAPPLSYSパスワードおよびAPPSパスワードが変更されるため、これらのパスワードが同期化されます。
注意: FNDCPASSでは、SYSTEMの後にくる次の引数をAPPLSYSユーザー名とする必要があります。
FNDCPASS <APPS username>/<APPS password> 0 Y \
<SYSTEM username>/<SYSTEM password>
SYSTEM APPLSYS <new_password>
次に、APPSパスワードとして<new_password>を使用してAutoConfig(adautocfg.sh)を実行し、最後にコマンド$INST_TOP/admin/scripts/adstrtal.shを使用してアプリケーション層サービスを再起動する必要があります。
ヒント: 問題解決の支援には、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1306938.1の「FNDCPASS Troubleshooting Guide For Login and Changing Applications Passwords」を参照してください。
AFPASSWDはFNDCPASSの拡張バージョンで、次の機能が含まれています。
AFPASSWDでは、現在の操作に必要なパスワードの入力のみが求められるため、アプリケーション管理者とデータベース管理者の職務を分離できます。また、Oracle Database Vaultとの相互運用性も向上します。一方、現在のFNDCPASSユーティリティでは、APPSとSYSTEMのユーザー名および対応するパスワードを指定する必要であるため、アプリケーション管理者とデータベース管理者の職務が分離されません。
AFPASSWDを使用してパスワードを変更する場合、ユーザーは、確認のため新しいパスワードを2回入力するよう求められます。
FNDCPASSは引き続きOracle E-Business Suiteに同梱されているため、ユーザーは各自の判断でAFPASSWDユーティリティに移行できます。
重要: パスワード・ハッシング方式を移行する場合は、FNDCPASSユーティリティを使用する必要があります。詳細は、My Oracle Supportドキュメント457166.1の「FNDCPASS Utility New Feature: Enhance Security With Non-Reversible Hash Password」を参照してください。
AFPASSWDコマンドは、関連するコマンドライン・オプションとともに使用して、必要な処理を実行します。
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-f <FNDUSER>]
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-o <DBUSER>]
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-a]
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-l <ORACLEUSER> [<TRUE>] | [<FALSE>]]
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-L [<TRUE>] | [<FALSE>]]
AFPASSWD [-c <APPSUSER>[@<TWO_TASK>]] [-s] <APPLSYS>
これらのオプションには、次の機能があります。
-c {APPSUSER}[@{TWO_TASK}]: 使用する接続文字列、Applicationsユーザー、および必要に応じてTWO_TASKの値を使用します。このオプションは、他のオプションと組み合せて使用できます。指定しなかった場合は、その環境のデフォルト値が使用されます。
注意: パスワードは入力を求められます。接続文字列では指定しません。
-f {FNDUSER}: Applicationsユーザーのパスワードを変更します。スペースを含むユーザー名は二重引用符で囲む必要があります(例: "JOHN SMITH")。
-o {DBUSER}: Oracle E-Business Suiteデータベース・ユーザーのパスワードを変更します。
注意: これは、FND_ORACLE_USERID表にリストされているユーザーにのみ適用されます。一般のデータベース・ユーザーには適用されません。
-a: FNDCPASSのALLORACLEモードの動作と同様、すべてのOracle(ALLORACLE)パスワードを同じパスワードに変更します(APPS、APPLSYSおよびAPPLSYSPUBのパスワードを除く)。
-l: 個々の{ORACLE_USER}ユーザーをロックします(必要なスキーマを除く)。{TRUE} = LOCK、{FALSE} = UNLOCKです。
-L: すべてのOracle(ALLORACLE)ユーザーをロックします(必要なスキーマを除く)。{TRUE} = LOCK、{FALSE} = UNLOCKです。
-s {APPLSYS}: APPLSYSユーザーおよびAPPSユーザーのパスワードを変更します。このためには、すべての層においてAutoConfigの実行が必要です。
-h: ヘルプを表示します。
増加の一途をたどり、必須であることも多い複雑なパスワードの要件を満たすことができるように、Oracle E-Business Suiteでは現在、Oracle Database 11gの大文字小文字を区別するパスワードの使用をサポートしています。これは、パスワードの入力が大文字か小文字かに関係なく、すべてのデータベース・パスワードを大文字で格納し検証する従来のOracle Application Libraryの動作とは対称的です。
大文字小文字を区別するデータベース・パスワードは、Oracle 11gデータベースを使用するすべてのOracle E-Businessリリースで使用できます。大文字小文字の混在を使用すると、より安全なアプリケーション・スキーマ・パスワードを指定できます。
次のような2つの状況が考えられます。
大文字小文字の区別の無効化(デフォルト): 新しいデータベース・アカウントまたは変更されたデータベース・アカウントのパスワードの場合は、最初に指定された大文字小文字の区別でパスワードがOracleに自動的に記録され、ユーザー情報を保持するデータ・ディクショナリ表にハッシュ値として格納されます。ただし、大文字小文字混在機能が明示的に有効化されないかぎり、新しいデータベース・アカウントまたは変更されたデータベース・アカウントのパスワードは大文字小文字が区別されない状態のままです。
大文字小文字の区別の有効化: この機能を有効化すると、Oracle 11gへのアップグレード以降に作成または変更されたデータベース・パスワードは、最初に指定されたとおりの大文字小文字の区別で入力する必要があります。Oracle 11gデータベースで変更されていないデータベース・パスワードのみ、大文字小文字が区別されない状態のままです。データベースには、大文字小文字混在機能が有効であるかどうかに関係なく、Oracle 11gで作成または変更された、大文字小文字を区別するバージョンのパスワードが格納されます。このため、大文字小文字を区別するバージョンのパスワードは、機能の有効化後すぐに使用できるようになります。
Oracle E-Business Suiteデータベース・パスワードの大文字小文字を区別する機能は、新しいまたは変更されたOracle E-Business Suiteユーザー・パスワードの格納方法を指定する場合のSIGNON_PASSWORD_CASEプロファイルの使用方法とよく似ています。
大文字小文字の区別は、Oracle 11gデータベース初期化パラメータSEC_CASE_SENSITIVE_LOGONの設定によって制御されます。Oracle E-Business SuiteデータベースのデフォルトはFALSEで、このとき、新規、既存(11gより前)および変更されたデータベース・パスワードはすべて大文字小文字が区別されない状態です。
大文字小文字を区別する機能は、次のように有効化します。
Oracle 11gデータベース初期化パラメータSEC_CASE_SENSITIVE_LOGONをTRUEに設定します。
注意: Oracle E-Business SuiteデータベースのデフォルトはFALSEで、このとき、新規、既存(11gより前)および変更されたデータベース・パスワードは大文字小文字が区別されない状態です。
データベースを停止して再起動します。これにより、新規および変更されたデータベース・パスワードの大文字小文字が区別されるようになります。入力時に保存されたパスワードの大文字小文字の区別が使用されます。
次の重要な点に注意してください。
前述のとおり、既存(11gより前)のデータベース・パスワードは、変更されるまで大文字小文字を区別しない状態のままです。変更後に大文字小文字が区別されるようになります。
大文字小文字の区別を有効化する前に変更された11gパスワードは、変換後に大文字小文字が区別されるようになります。ただし、このパスワードの格納方法は大文字であるため、これらは大文字で入力されている必要があります。この中にはAPPLSYSパスワードとAPPSパスワードが含まれます。
変換後は、FNDCPASSまたはAFPASSWDを実行して、APPLSYSパスワードとAPPSパスワードおよびその他のすべてのOracle E-Business Suiteデータベース・パスワードを変更することをお薦めします。これにより、データベース・パスワードが所定の大文字小文字の区別で格納されるようになります。
警告: 変換後に初めてFNDCPASSまたはAFPASSWDを実行して大文字小文字を区別するパスワードを使用する場合は、大文字でAPPSパスワードを入力する必要があります。それ以外の場合は接続試行に失敗します。試行に3回失敗すると、11gデータベースのユーザー・プロファイルのデフォルト動作に従って、APPSアカウントがロックされます。
APPSパスワードが変更されると、パスワード入力時の大文字小文字の区別がそのパスワードの大文字小文字の区別となります(再度変更されないかぎり)。ハードコードされたAPPSパスワード(スクリプト内などの)を変換すると、大文字小文字を区別する新しいパスワードに更新されるまでパスワードが機能しなくなります。
パスワードの大文字小文字の区別を有効化した後、DBAはSYSやSYSTEMなどの管理アカウントのパスワードをただちに変更する必要があります。また、場合により、パスワード管理ポリシー(プロファイル)を使用して、システム管理者がOracle E-Business Suiteデータベース・パスワードを適切な期間内に変更することを徹底する必要があります。
なんらかの理由により、パスワードの大文字小文字の区別をもう一度無効にする必要がある場合は、SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON = FALSEを設定し、データベースを停止および再起動すると実現できます。
警告: この場合は、すべてのOracle E-Business Suiteデータベース・パスワード(FND_ORACLE_USERID表に格納されている)をリセットする必要があります。リセットしなかった場合は、データベース認証に失敗します。このため、パスワードの大文字小文字の区別の無効化はお薦めしません。
次の点に注意してください。
AFPASSWDまたはFNDCPASSのいずれかを使用して、すべてのリリース12.xシステムでAPPLSYSPUBパスワードを変更することをお薦めします。パスワードの変更後は、AutoConfigを実行してすべてのアプリケーション層ファイルを同期化する必要があります。
重要: APPLSYSPUBパスワードは大文字小文字を区別するパスワードの標準化の例外で、常に大文字とする必要があります。これは、大文字小文字を区別するパスワードがご使用のOracle 11gデータベースで有効化されている場合にも該当します(SEC_CASE_SENSITIVE_LOGON=true)。
詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント403537.1の「Secure Configuration Guide for Oracle E-Business Suite Release 12」を参照してください。
現在、特殊文字またはマルチバイト・キャラクタを含むパスワードはOracle E-Business Suiteでサポートされていません。
このウィンドウを使用してORACLEユーザー名をOracle E-Business Suiteに登録します。ORACLEユーザー名によって、Oracle Databaseへアクセス権が付与されます。
ORACLEユーザー名を登録する前に、アプリケーションの要件と一致するORACLEユーザー名を作成します(この機能は通常、データベース管理者が実行します)。ORACLEユーザー名には、セッションの作成権限を含める必要があります。
ORACLEユーザー名はインストール・プロセスに常に登録されるため、Oracle Application Object Libraryを使用してカスタム・アプリケーションを作成しないかぎり、ORACLEユーザー名を登録する必要はありません。また、追加のORACLEユーザー名をOracle E-Business Suiteに関連付ける場合もこの必要はありません。
ORACLEユーザー名を「制限付き」ORACLEユーザー名として登録する場合、Oracle Application Object Library表に対する読取り専用権限を設定するコンカレント要求を発行します。「使用可の」ORACLEユーザー名には、これらの表に対するすべての権限があります。「使用不可の」ORACLEユーザー名には、これらの表に対する権限はありません。
未登録のORACLEユーザー名を使用可能にする場合、または登録済のORACLEユーザー名を使用不可にする場合は、ユーザーは、メニューおよびフレックスフィールドなどのOracle Application Object Libraryの機能を使用できません。
パスワードの変更以外は、インストール・プロセスによって登録されているORACLEユーザー名の登録内容を変更しないでください。
既存のORACLEパスワードに対する変更内容を登録する場合は、Oracle E-Business Suiteでパスワードの変更を登録した後すぐに、データベースでパスワードを変更してください。Oracle E-Business Suiteでパスワードの変更を登録し、それらをデータベースに実装するまでは、このORACLEユーザー名を使用する職責をデータベースに接続できません。
パスワードは、Oracleデータベースのマニュアルで説明されている、パスワードの作成に関するガイドラインに従って作成する必要があります。パスワードに文字以外の値を使用する場合、データベースでパスワードを変更するときは、引用符を使用してそのパスワードを囲む必要がある場合があることに注意してください。
注意: 「Oracleユーザー」ウィンドウではなく、FNDCPASSを使用してパスワードを変更してください。
警告: Oracle Application Object Library表を含む、applsys ORACLEユーザー名に対するパスワードを変更する場合、他のORACLEユーザー名に対するパスワードは同時に変更しないでください。
パスワードの変更および保存後はすぐにOracle E-Business Suiteからログアウトし、データベースでapplsysのパスワードを変更し、その後再びサインオンして他の処理を実行する必要があります。また、applsysのパスワードの変更中、他のユーザーがOracle E-Business Suiteにログインしていないことを確認する必要もあります。
重要: APPSアカウントのパスワードの場合、applsysパスワードは、APPSアカウント(APPS、APPS2、APPS3)のパスワードと同じである必要があります。統一パスワードにより、様々な会計帳簿が正しく動作するようになります。
このブロックには次の情報が表示されます。
ORACLEユーザー名のパスワードを入力します。パスワードは表示されません。既存のORACLEパスワードに対する変更内容を登録している場合は、Oracle E-Business Suiteでパスワードの変更を登録した後すぐに、データベースでパスワードを変更します。
Oracle E-Business Suiteでパスワードの変更を登録し、それをデータベースで実装するまでは、このORACLEユーザー名を使用する職責をデータベースに接続できません。
警告: Oracle Application Object Library表を含む、applsys ORACLEユーザー名に対するパスワードを変更する場合、他のORACLEユーザー名に対するパスワードは同時に変更しないでください。
パスワードの変更および保存後はすぐにOracle E-Business Suiteからログアウトし、データベースでapplsysのパスワードを変更し、その後再びサインオンして他の処理を実行する必要があります。また、applsysのパスワードの変更中、他のユーザーがOracle E-Business Suiteにログインしていないことを確認する必要もあります。
FNDCPASSの使用は、パスワードを変更する場合に優先される方法です。FNDCPASSにより、パスワードのすべてのインスタンスが自動的に更新されることに注意してください。
このORACLEユーザー名に付与する、Oracle Application Object Libraryデータベース表に対する権限のタイプを入力します。Oracle Application Object Library表には、メニュー、ヘルプ・テキストおよびフレックスフィールドなど、Oracle Application Object Libraryの機能に関する情報が含まれます。これらの表に対するアクセス権がない場合、これらの機能は使用できません。
このフィールドのデフォルト値は「使用可能」です。
使用可能: 使用可のORACLEユーザー名には、Oracle Application Object Libraryデータベース表に対する完全な権限(挿入、問合せ、更新および削除)が付与されています。
制限付き: 制限付きのORACLEユーザー名には、Oracle Application Object Libraryデータベース表に対する問合せ権限のみが付与されています。このORACLEユーザー名では、Oracle Application Object Libraryのデータを表示できますが、情報の挿入、更新または削除はできません。
禁止: 使用不可のORACLEユーザー名には、Oracle Application Object Libraryデータベース表に対する権限は付与されていません。このORACLEユーザー名では、Oracle Application Object Libraryの情報を挿入、問合せ、更新または削除できず、Oracle Application Object Libraryの機能を使用できません。
インストール時に構成されるORACLEユーザー名に関連付けられた2つの追加権限タイプが表示されます。ただし、これらの権限タイプは、値リストから選択できません。
パブリック: インストール・プロセスにより、ORACLEユーザー名は「パブリック」権限とともに登録されており、すべてのユーザーはアプリケーション・サインオン・セキュリティフォームにアクセスできます。このフォームでは、有効なOracle E-Business Suiteユーザー名とパスワードを入力する必要があります。
APPLSYS: インストール・プロセスにより、Oracle Application Object LibraryのORACLEユーザー名が「APPLSYS」権限とともに登録されています。
ORACLEユーザー名に関連付けられているインストール・グループの値を入力します。インストール・グループの番号は、連続した整数である必要があります。この場合、1は最初の会計帳簿(または製品インストールの最初のセット)を表し、2は2番目の会計帳簿、3は3番目の会計帳簿のように続きます。インストール・グループ番号0(ゼロ)は、単一のインストールのみを必要とする製品を表します。
重要: インストール・プロセスは、カスタム・アプリケーション用のORACLEユーザー名(「スキーマ」とも呼ばれます)には影響しないため、この値は参照専門であり、現在は使用されていません。
付属のOracle E-Business Suiteからカスタム・コードおよびカスタム・データ(あるいは、そのいずれか)を分離するためにカスタム・アプリケーションを作成している場合にのみ、このウィンドウを使用します。
カスタム・アプリケーションを定義するときに、いくつかの情報をOracle E-Business Suiteに提供します。アプリケーション名、アプリケーション短縮名、アプリケーション・ベースパスおよびアプリケーションの説明をOracle Application Object Libraryに登録する必要があります。Oracle Application Object Libraryではこの情報を使用し、職責およびフォームなどのアプリケーション・オブジェクトをそのアプリケーションに属しているものとして識別します。こうしてカスタム・アプリケーションを識別することで、Oracle E-Business Suiteでは、アップグレード時にアプリケーション・オブジェクトおよびカスタマイズ内容を保持できます。アプリケーション・ベースパスによって、カスタム・アプリケーションと関連付けられているファイルの検索場所がOracle Application Object Libraryに通知されます。
カスタム・アプリケーションを使用して、カスタム・メニュー、コンカレント・プログラム、カスタム職責およびその他多数のカスタム・コンポーネントの名称を設定できます。一部のオブジェクトでは、名称のアプリケーション部分のみで、Oracle E-Business Suite間での一意性が確保されます。その他のコンポーネントでは、選択したアプリケーションがカスタム・オブジェクトの機能に影響します。
カスタム・アプリケーションを作成する場合: アプリケーションのベースパスに変換される環境変数を定義します(使用しているオペレーティング・システムのOracle E-Business Suite概要を参照してください)。
カスタム・アプリケーションを作成する場合: アプリケーションのディレクトリ構造を設定します(使用しているオペレーティング・システムのOracle E-Business Suite概要を参照してください)。
このウィンドウをOracle Alertと併用して使用する場合: Oracle Alertが常駐しているデータベース以外のデータベースにアプリケーションが常駐している場合は、データベース・リンクを作成する必要があります。
カスタム・アプリケーションを登録するときは、Oracleでこのアプリケーションを参照するときに必ず識別に使用する情報を提供します。アプリケーション短縮名は変更できますが、変更すると、アプリケーション短縮名をハードコーディングしているアプリケーション・コードが変更される場合があります。たとえば、アプリケーション名がハードコーディングされているメニューを介してプログラムの引数を渡す場合、これらも更新する必要があります。
重要: 開発していないアプリケーションの名称の変更は、その結果を保証できないため、行わないでください。アプリケーション名に対してハードコーディングされたリファレンスがアプリケーション内に含まれている可能性があるため、Oracle E-Business Suiteのアプリケーションの名称は変更しないでください。
このユーザー・フレンドリな名称は、アプリケーション・ユーザーが参照するリストに表示されます。
Oracle E-Business Suiteでは、アプリケーション短縮名を内部キーとして使用します。たとえばフォーム、メニュー、コンカレント・プログラムおよびその他のアプリケーション・コンポーネントを識別する場合に使用します。名称がユーザーに表示されるのに対し、短縮名は非表示のフィールドに格納されます。
短縮名にはスペースを含めないでください。アプリケーション短縮名を使用するのは、フォームからコンカレント・プロセスを要求する場合、およびメニューからサブルーチンを起動する場合です。
ヒント: 短縮名は50文字まで指定できますが、アプリケーション保守、および短縮名を使用するルーチンのコールを簡易化するため、4文字または5文字のみを使用することをお薦めします。カスタム・アプリケーションの短縮名が、今後追加されるOracle E-Business Suiteの短縮名と競合するリスクを防ぐため、カスタム・アプリケーションの短縮名はXXで開始することをお薦めします。
アプリケーションのディレクトリ・ツリーの最上位ディレクトリを表す環境変数の名称を入力します。Oracle E-Business Suiteでは、ベースパスの下にある特定ディレクトリで、アプリケーションのファイルおよびスクリプトを検索します。
通常、別々のアプリケーションが同じディレクトリに書き込まないようにするため、アプリケーションのベースパスを一意にする必要があります。
ただし、カスタム職責、メニューおよびその他のデータ・コンポーネントの名称設定にのみ使用されるカスタム・アプリケーションは定義できます。この場合、アプリケーションと同じフォームを使用するOracleアプリケーションのベースパスを使用できます。たとえば、Custom_GLアプリケーションを定義する場合、カスタム・アプリケーションのGL_TOPベースパスを使用できます。ただし、この場合、ディレクトリ構造内でカスタム・フォームおよびレポートなどのカスタム・コンポーネントは作成しないでください。これは、保守およびアップグレードの際に分離することが困難であるためです。
参照: Oracle E-Business Suite概要
ネットワーク・テスト・フォームを使用すれば、Formsアプリケーションのネットワークの待ち時間と帯域幅をモニターしたり、またはアプリケーション内からの応答時間の比較に使用するベースラインの作成に利用できます。この情報により、異なる場所間または同一の場所の異なる時間でそれぞれ比較できます。フォームには、1つ以上のOracle Formsの往復の実行にかかる時間および使用されるスループットが表示されます。
フォームに表示される待ち時間は、物理ネットワーク(すべての周辺機器を含む)をトラバースするために必要な往復時間と、パケットを処理する場合のFormsオーバーヘッドの組合せを表します。ネットワーク・テスト・フォームは、実際のFormsユーザーのネットワーク待ち時間および帯域幅をより正確に測定するために設計されています。そのため結果は、ping、tracerouteまたは他のネットワーク診断コマンドにより返される時間と一致しない可能性があることに注意してください。
ネットワーク待ち時間をテストするために、パケットのショート・シーケンスが、クライアント・アプリケーションからアプリケーション・サーバー、データベース・サーバーの順に送信され、再度クライアントに戻されます。送信するシーケンスの数(繰返し)および各繰返しのセットを送信する回数(試行)を指定する必要があります。デフォルトでは、各100個の繰返しにつき5回の試行が設定されています。平均待ち時間は、1回の試行でのすべての往復時間の合計時間を繰返しの数で割った結果です。
帯域幅テスト(またはより正確に言えば、スループット・テスト)では、データ転送速度が検査され、クライアント、アプリケーション・サーバーおよびデータベース・サーバー間でネットワークにより転送された1秒当たりのバイト数が表示されます。
「テストの実行」ボタンをクリックして、テストを実行します。
実行する各テストの条件を示すノートを指定できます。
あるテスト結果が、他の試行と大幅に異なる場合は、その情報を破棄してください。
以前のテスト結果をデータベースからパージするには、「旧テスト・データの消去」ボタンを使用します。
待ち時間テストとスループット・テストの結果は、両方とも「結果」ブロックに表示されます。
「待ち時間結果」には、PCクライアントからサーバーへの1回の往復に対する最小、平均および最大の往復時間が表示されます。
「帯域幅」ウィンドウには、スループット結果が表示され、最小、平均および最大のデータ・レートが1秒当たりのバイト数で表示されます。
比較用に、サンプル・データ・フィールドには、カリフォルニア州Redwood ShoresのOracle本社で完了したテスト結果が表示されます。
特定のユーザーまたは職責のいずれかにデフォルト・フォルダ定義を割り当てて、フォルダを管理します。フォルダ定義の管理では、新規所有者にフォルダ定義を割り当て、公開(すべてのユーザーがアクセス可能)にする必要があるフォルダ定義を決定し、フォルダの自動問合せの動作を設定します。
「フォルダの検索」ウィンドウでは、フォルダまたはフォルダ割当の検索方法に応じて、様々なタスクを実行できます。
制限モードでは、ユーザーまたは職責にデフォルト・フォルダを割り当て、ユーザーの実行時にすべてのフォルダ機能を無効にできます。これにより、たとえばユーザーが特定のフィールドを参照できないようにしたり、問い合せできるレコードを制御できます。この動作は、「動作モード」ポップリストの値により制御され、その値はフォルダを割り当てる時に設定されます。
これらのステップを実行する前に、デフォルト・フォルダを設定する必要があります。
フォルダを職責に割り当てるステップは、次のとおりです。
「フォルダの検索」ウィンドウにナビゲートします。「職責別デフォルト・フォルダ割当」を使用して、デフォルト・フォルダを割り当てる職責を表示します。
職責ごとにデフォルト・フォルダを割り当てることができます。この職責のユーザーがこのフォルダ・ブロックにナビゲートすると、ユーザー・レベルのデフォルトで上書きされていないかぎり、ここで指定したデフォルト・フォルダが表示されます。
「フォルダ」フィールドから、デフォルト・フォルダ名を入力します。フォルダが属するフォルダ・セットの名称が自動的に入力されます。
フォルダ名がわからない場合は、最初にフォルダ・セットを入力し、そのセットに属するフォルダを表示します。
フォルダ・セットのデフォルト・フォルダ定義を保存した後は、そのフォルダ・セットは値リストに表示されなくなります。
フォルダ・セット: すべてのフォルダ・セットが特定のフォルダ・ブロックに関連付けられ、ユーザーまたは職責で、各フォルダ・セット内の1つのデフォルト・フォルダを持つことができます。フォルダ・セット名は通常、ブロックに表示されるレコードを説明します。一部のブロックには、複数のフォルダ・セットが関連付けられる場合があります。
フォルダをユーザーに割り当てるステップは、次のとおりです。
「フォルダの検索」ウィンドウにナビゲートします。「ユーザー別デフォルト・フォルダ割当」を使用して、適格ユーザーのリストを表示します。
職責ごとにデフォルト・フォルダを割り当てることができます。ユーザーがこのフォルダ・ブロックにナビゲートすると、指定するデフォルト・フォルダが表示されます。
「フォルダ」フィールドから、デフォルト・フォルダ名を入力します。フォルダが属するフォルダ・セットの名称が自動的に入力されます。
フォルダ名がわからない場合は、最初にフォルダ・セットを入力し、そのセットに属するフォルダを表示します。
フォルダ・セットのデフォルト・フォルダ定義を保存した後は、そのフォルダ・セットは値リストに表示されなくなります。
フォルダ・セット: すべてのフォルダ・セットが特定のフォルダ・ブロックに関連付けられ、ユーザーまたは職責で、各フォルダ・セット内の1つのデフォルト・フォルダを持つことができます。フォルダ・セット名は通常、ブロックに表示されるレコードを説明します。一部のブロックには、複数のフォルダ・セットが関連付けられる場合があります。
ソース・タイプ: 「ユーザー」または「職責」のいずれか。このウィンドウで入力されるレコードでは、「ユーザー」ソース・タイプが使用されます。現在のユーザーの職責のいずれかにデフォルト・フォルダが定義されている場合は、ソース・タイプ「職責」でデフォルト・フォルダがリストされます。
ユーザーのデフォルトにより、職責のデフォルトが上書きされます。このウィンドウでは、職責のデフォルト・フォルダを削除できません。
職責: このデフォルト・フォルダ定義を使用する職責。
フォルダの所有権を割り当てるステップは、次のとおりです。
「フォルダの検索」ウィンドウにナビゲートします。「フォルダ」を使用して、フォルダに関する一般情報を表示します。
所有権の変更が必要なフォルダを選択します。
「所有者の変更」を選択し、選択したフォルダの新規所有者を入力するか、または「所有者」フィールドの値を変更して、単一のフォルダの所有者を変更します。
フォルダ・セット: すべてのフォルダ・セットが特定のフォルダ・ブロックに関連付けられ、ユーザーまたは職責で、各フォルダ・セット内の1つのデフォルト・フォルダを持つことができます。フォルダ・セット名は通常、ブロックに表示されるレコードを説明します。一部のブロックには、複数のフォルダ・セットが関連付けられる場合があります。
パブリック: このフォルダ定義が公開であるかどうか、つまり、所有者以外のユーザーが使用できるかどうかを指定します。このフィールドを使用して、フォルダ定義を一般的に使用可能にするかどうかを決定します。
ユーザーのデフォルト: このフォルダ定義が、ユーザーまたは職責によってデフォルトとして使用されるかどうかを指定します。デフォルト定義である場合は、「デフォルト・アサイメント」を使用して、デフォルト・フォルダ定義の対象であるユーザーおよび職責を表示できます。
デフォルト・アサイメント: このフォルダ定義をデフォルトとして使用するユーザーおよび職責。
フォルダ定義を削除するステップは、次のとおりです。
「フォルダの検索」ウィンドウにナビゲートします。「フォルダ」を使用して、フォルダに関する一般情報を表示します。
複数のフォルダを問い合せた場合は、削除するフォルダを選択します。
フォルダを削除します。フォルダを削除すると、そのフォルダに対するユーザーおよび職責のデフォルト・アサイメントとともにフォルダ定義が削除されます。
次のステップを使用して、制限モードでフォルダを作成し、割り当てます。制限モードでフォルダを開くと、すべてのフォルダ機能が無効になります。
フォルダ・フォームを実行し、フォルダ・ブロックにナビゲートします。
必要に応じて、フィールドを非表示または表示に設定します。フォルダ・ブロックが制限モードでデフォルト・フォルダとしてユーザーまたは職責に割り当てられた後は、このフォルダ・ブロックのユーザーまたは職責は非表示のフィールドにアクセスできないので、十分注意して適切なフィールドを選択してください。
フォルダを保存します。
デフォルト・フォルダとして、フォルダを職責またはユーザーに割り当てます。
新規の「動作モード」ポップリストの値を「フィールドおよびフォルダ機能の制限」に設定します。
デフォルト・フォルダには、動作モードの次の値のうち1つが含まれます。
制限なし - エンド・ユーザーはすべてのフォルダ機能を実行できます。
フィールドおよびフォルダ機能の制限 - エンド・ユーザーはすべてのフォルダ機能を実行できません。これは、制限モードです。
制限モードでの実行例を次に示します。
デフォルトの制限付きフォルダ・フォームを開くと、すべてのフォルダ機能は無効になります。たとえば、他のフォルダを開けなかったり、フィールドの移動またはサイズ変更ができなくなります。
フォルダ・ブロック内では、デフォルトの制限付きフォルダのロード後は、そのブロックが他のフォルダのオブジェクトをサポートする場合でもすべてのフォルダ機能が無効になります。
デフォルト・フォルダが「動作モード」の「フィールドおよびフォルダ機能の制限」でユーザーまたは職責に割り当てられた後は、そのフォルダが「パブリック」として定義されている場合でも、すべてのユーザーが開くことができるフォルダのリストに表示されなくなります。
このデフォルト・フォルダを変更するには、最初に自分自身にデフォルト・フォルダを割り当てる必要があります。次に、フォルダ・フォームを実行してフォルダ・ブロックにナビゲートし、デフォルト・フォルダをロードします。その後、変更してフォルダを保存できます。「動作モード」が制限されていても、ユーザー自身がフォルダの所有者になったためフォルダ機能は継続して実行可能です。
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