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Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイド
リリース12.2
E51768-01
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Oracle Fusion Middlewareログ・ファイルの管理

ログ・ファイルの収集および管理

この章では、E-Business Suiteリリース12.2のOracle Fusion Middleware 11gコンポーネントをデバッグするための技術およびオプションについて説明します。内容は次のとおりです。

この章では、特別なデバッグを有効にし、発生する可能性がある様々な問題のデバッグに必要なログ・ファイルの収集を自動化するためのステップを示します。

重要: ロギング・レベルを高めていた場合は、必要なデバッグ情報の収集後、元に戻してください。特に本番システムでは詳細ロギングを長時間有効化したままにしないことをお薦めします。

低いデバッグ・レベルでのログ・ファイルの収集

すでに発生したか、または容易に再現できない問題に対してサービス要求を作成する場合は、この項に従ってください。これまで説明した手順では追加のデバッグ情報が収集されるのではなく、単に、現在構成されているすべてのデバッグ・レベルのログ・ファイルが収集されます。

問題によっては、ここで収集されたデバッグ情報では十分でないことがあります。そのような場合には、「高いデバッグ・レベルでのログ・ファイルの収集」のステップに従ってください。

Oracle Process ManagerおよびOracle HTTP Serverのログ・ファイル

OPMNサービスおよびOHSサービスのログ・ファイルを収集するには、アプリケーション層ファイル・システムの所有者として次のコマンドを実行します。

$ zip -r /tmp/`uname -n`_`date +%m%d%y.%H%M`_OPMN_OHS.zip \
$IAS_ORACLE_HOME/instances/*/diagnostics/logs/OHS/EBS_web_component/*log* \
$IAS_ORACLE_HOME/instances/*/diagnostics/logs/OPMN/opmn/*

これで、サーバー名、日付および時刻を含めた名前で/tmpディレクトリにzipファイルが作成されます。たとえば、server.customer.com_080712.1405_OPMN_OHS.zipです。(ここで、日付はMMDDYY形式で指定されます。)サービス要求をサポートするために、/tmpディレクトリからこれらのファイルを収集し、要求にアップロードすることもできます。

Oracle WebLogic Serverのログ・ファイル

ノード・マネージャ、管理サーバー、forms、oacore、oafmサービスなどOracle Fusion Middlewareコンポーネントのログ・ファイルを収集するには、アプリケーション層ファイル・システムの所有者として次のコマンドを実行します。

$ zip -r /tmp/`uname -n`_`date +%m%d%y.%H%M`_FMW.zip \
$IAS_ORACLE_HOME/../wlserver_10.3/common/nodemanager \
$EBS_DOMAIN_HOME/servers/oa*/logs/* \
$EBS_DOMAIN_HOME/servers/forms*/logs/* \
$EBS_DOMAIN_HOME/servers/AdminServer/logs/* \
$EBS_DOMAIN_HOME/sysman/log/*

これで、サーバー名、日付および時刻を含めた名前で/tmpディレクトリにzipファイルが作成されます。たとえば、server.customer.com_080712.1405_OPMN_OHS.zipです。(ここで、日付はMMDDYY形式で指定されます。)サービス要求をサポートするために、/tmpディレクトリからこれらのファイルを収集し、要求にアップロードすることもできます。

高いデバッグ・レベルでのログ・ファイルの収集

問題の解決には追加のデバッグ情報が必要になることがあり、この項ではその情報の取得に必要な高いロギング・レベルを有効にする方法について説明します。この項を参照するように、Oracleサポートから指示がある場合があります。次のステップに従って適切なコンポーネントのデバッグを有効にし、問題を再現して、収集したログ・ファイルをオラクル社に送信する(通常)準備を整えます。

注意: 一般的に、この方法でログ・レベルを高くした場合のパフォーマンスへの影響は最小限となります(最大で5%の低下)。

Oracle Process Manager

opmnのデバッグを有効にするには、テキスト・エディタ(viなど)でファイル$IAS_ORACLE_HOME/instances/<instance>/config/OPMN/opmn/opmn.xmlを開き、次の行を変更します。

<debug comp="" rotation-size="1500000"/>

次のように変更します。

<debug comp="ons[all];pm[all]" rotation-size="1500000"/>

変更内容を保存し、エディタを終了します。

また、次のコマンドを発行して、現行セッションのopmnロギング・レベルを高めることもできます。

$IAS_ORACLE_HOME/instances/<yourinstance>/bin/opmnctl set target=debug comp="ons[all];pm[all]"

これで、opmnプロセスの下で実行されているすべてのコンポーネントのデバッグが有効になります。ただし、多くの場合、このことは実際的ではありません。

Oracle HTTP Serverのアクセス・ロギング

OHSロギング・レベルを調整するには、http://server.domain:wls_admin_port/emでEnterprise Managerコンソールにアクセスし、weblogicとしてパスワードwelcome1でログインします。

「Web層」メニューを展開し、「EBS_web_component」を右クリックし、「管理」>「ログ構成」を選択します。ここでログ・レベルを設定することもできます。'Trace:32'に設定してください。

ノード・マネージャ

ノード・マネージャのログ・レベルを調整するには、テキスト・エディタ(viなど)でファイル$IAS_ORACLE_HOME/../wlserver_10.3/common/nodemanager/nodemanager.propertiesを開き、次の行を追加します。

adjust LogLevel=INFO to LogLevel=FINEST

ロギングの開始および停止

ログ・レベルの開始/停止を調整するには、http://server.domain:wls_admin_port/emでEnterprise Managerコンソールにアクセスし、weblogicとしてパスワードwelcome1でログインします。

「WebLogicドメイン」を展開し、「EBS_domain_X」を展開します。「AdminServer」を右クリックし、「ログ」>「ログ構成」を選択します。ここでロギング・レベルを設定することもできます。'Trace:32'に設定してください。

Oracle WebLogic Serverのロギング

第1部: ロギング・レベルの有効化

  1. Oracle WebLogic Serverロギング・レベルを調整するには、http://server.domain:wls_admin_port/emでEnterprise Managerコンソールにアクセスし、weblogicとしてパスワードwelcome1でログインします。

  2. 「環境」>「サーバー」を展開します。

  3. デバッグを有効にするサーバーを選択します。通常、これがoacoreサーバーになります。

    注意: クラスタに複数のサーバーが定義されている場合は、各サーバーのデバッグを個別に有効にする必要があります。問題が発生している管理対象サーバーのロギングのみを有効にしてください。

  4. 「ロギング」タブを選択し、「詳細」リンクを選択し、重要度レベルを「トレース」に変更します。

  5. 標準出力およびドメイン・ログ・ブロードキャスタの重要度レベルを「デバッグ」に変更します。

  6. この同じ構成ページに、保持するファイルの数の制限設定値が表示されます。この値を大きくすることが必要になる場合があります。そうしないと、ログ・ファイルのローテーションが増えて追加のロギングが発生し、ログ・ファイルが上書きされる可能性があるためです。

第2部: デバッグ領域の有効化

前述の第1部からの続き:

  1. 「デバッグ」タブを選択し、「WebLogic」セクションを展開します。

  2. デバッグを有効にするサーブレット・グループを選択します。

    コンポーネント デバッグを有効にするタイミング
    サーブレット 一般的な問題が発生しているとき
    JDBC JDBC接続の問題が発生しているとき
    Classloader サービスの開始時にクラスが存在しないなど、クラス・ロードに関する問題が発生しているとき
  3. 「有効化」を選択して、これらのコンポーネントのデバッグを有効化します。

アプリケーション層サービスの再起動およびログ・ファイルの消去

これで、$ADMIN_SCRIPTS_HOMEにあるスクリプトを使用してアプリケーション層サービスを再起動する準備が整いました。

この段階で、既存のログ・ファイルを消去することをお薦めします。新しいログ・ファイル・セットを使用すると、問題の特定が容易になります。これは特に、ログの規模が大きくなってデバッグが困難になる場合がある本番システムに当てはまります。

ログ・ファイルは、アプリケーション層サービスが停止している間に消去してください。これは、手動または次のスクリプトを使用して行うことができます。

ログ・ファイルの内容を自動的に消去するためのスクリプト

環境を特定し、アプリケーション層サービスが停止していることを(前述のとおり)確認し、applmgrユーザーとして次のスクリプトを実行します。

for files in $IAS_ORACLE_HOME/instances/*/diagnostics/logs/OPMN/opmn $EBS_DOMAIN_HOME/sysman/log
do
for file in `ls $files/*`
do
echo "Clearing file: " $file
cat /dev/null > $file
done
done
for files in $IAS_ORACLE_HOME/instances/*/diagnostics/logs/OHS/EBS_web_component $EBS_DOMAIN_HOME/servers/*/logs $IAS_ORACLE_HOME/../wlserver_10.3/common/nodemanager
do
for file in `ls $files/*log* $files/*out*| grep -v lck`
do
echo "Clearing file: " $file
cat /dev/null > $file
done
done

ヒント: 変更を加えないでログ・ファイルを特定するには、先頭に#文字を配置してcat /dev/null > $file行をコメント行にします。提案された変更を使用する場合は、#を削除し、スクリプトを再実行します。

ロギング定義、ローテーション、場所および管理の詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント1366187.1の「Oracle Applications E-Business Suite 12.2 Fusion Middleware Log Files: Locate,View, and Control」を参照してください。

問題の再現およびログ・ファイルのアップロード

これで、問題を再現し、サービス要求へのアップロードなどに備えてログ・ファイルを収集する準備が整いました。