Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド リリース12.2 E51769-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
概要
Oracle E-Business Suiteのリリース12.2には、ユーザー設定タイムゾーン・サポートと呼ばれる機能が標準で含まれています。既存のE-Business Suiteのほとんどの実装では、すべてのユーザーが企業タイムゾーンでシステムと対話します。このタイムゾーンは通常、実装する企業の本社が属し、データベースの実行に使用されるタイムゾーンのことです。このため、リモート・ユーザーは自分の場所と本社の場所の時差に注意する必要があります。
ユーザー設定タイムゾーン機能を使用すると、ユーザーはローカル・タイムゾーンを日時フィールドの表示と入力の両方に指定できます。
ユーザーは、希望する(ローカル)タイムゾーンで日時フィールドを表示し、このタイムゾーンで日時を入力できます。
時間コンポーネントのない日付フィールドの場合、この機能による影響はありません。
データベース内のデータは引き続き標準の企業タイムゾーンで保存されます。
この章では、ユーザー設定タイムゾーン機能の機能、制限および実装の詳細について説明します。
定義
サーバー・タイムゾーン/企業タイムゾーン: サーバー・タイムゾーンと企業タイムゾーンは、この章において同じ概念を説明するために使用されます。どちらもユーザーのサイトで設定する主タイムゾーンを表し、通常は本社または主業務のタイムゾーン(法的エンティティの主タイムゾーン)に対応しています。この値は「サーバー・タイムゾーン」というサイト・レベルのプロファイルで設定します。これは、サーバー・タイムゾーンのデータベース・レベルの設定と一致している必要があります。
重要: データベースのタイムゾーンは、いったん設定し、データを入力した後は変更しないことをお薦めします。
クライアント・タイムゾーン/ユーザー・タイムゾーン: クライアント・タイムゾーンとユーザー・タイムゾーンは、この章において同じ概念を説明するシノニムとして使用されます。どちらもユーザーが営業を行っているタイムゾーン(通常は、ユーザーの物理的な所在地のタイムゾーン)を表します。
ロケーション・ベース・タイムゾーン: ロケーション・ベース・タイムゾーンは、コンテキスト上のロケーションのタイムゾーンを表します。ロケーション・ベース・タイムゾーンの使用は製品固有であるため、この章では扱いません。
概念的に、日付フィールドには次の2つのタイプがあります。
時間コンポーネントを含む日付。–特定の日の具体的な時点を示すために使用します
時間コンポーネントを含まない日付。–特定の日を示すために使用しますが、具体的にその日のどの時点かは指定しません
時間コンポーネントを含む日付フィールドは任意のタイムゾーンで表示可能なため、エンド・ユーザーにとってもっとも意味のあるタイムゾーンで表示できます。通常、ユーザーは自分の(ローカル)タイムゾーンで日付を表示します。ユーザー設定タイムゾーン機能を有効にすると、時間を含む日付フィールドは、ユーザーが表示用に設定したタイムゾーンに変換されます。
時間コンポーネントを含まない日付フィールドを異なるタイムゾーンで表示することはできません。これは、特定の時間を含まない日付については意味のある変換ができないためです。このような日付は、1つのタイムゾーンに関連して入力され、そのタイムゾーンの日として表示されることになります。それが表示されている場所(場合によっては、タイムゾーンも異なります)は関係ありません。Oracle E-Business Suiteでは通常、時間コンポーネントを含まない日付は企業の本社に関連する日(企業日)を表すという定義に基づいて企業タイムゾーンを使用します。
このルールには例外があります。たとえば、時間コンポーネントを含まない日付がANSI日付として、表示される場所のタイムゾーンとは無関係に日付を表す場合があります。このような場合、1月1日に開始される福利厚生は、利用可能な場所であれば世界のどこにいてもその日に開始されます。つまり、その日が1月1日のタイムゾーンにいるすべてのユーザーに適用されることになります。
時間コンポーネントを含まない日付の多くは、財務期間へのポインタを表します。これらの日付は、取引が発生した正確な時刻ではなく、その取引が計上される財務期間を示すようになっています。これは、実装する企業の視点から財務上のバケットに分類するものです。たとえば、買掛/未払金請求書または売掛/未収金請求書に記載される請求日は、だれが見るかに左右されることはありません。だれが見るかにかかわらず、その日(つまり、その期間)の請求書として分類されます。これらの財務会計日付は通常、デフォルトで設定されるか、実際の取引日から導出されるため、取引日をユーザー設定タイムゾーンに変換して表示する場合でも、財務会計日付は変換されません。
他のグローバリゼーション関連トピックとの関連でタイムゾーンを検討するには、Oracle E-Business Suiteの概要のグローバリゼーション・サポートに関する項を参照してください。
この項では、様々なOracle E-Business Suiteコンポーネントおよび製品でユーザー設定タイムゾーンを使用する上での考慮事項について検討します。
まず、ユーザー設定タイムゾーンが対話型および非対話型のユーザー・インタフェース・コンポーネントに与える影響を検証します。次に、様々なOracle E-Business Suite製品でユーザー設定タイムゾーンを使用する際に考慮すべき点を概説します。
Oracle FormsベースUIは、ユーザー・プロファイルの「クライアント・タイムゾーン」に基づいてユーザー設定タイムゾーンを導出します。このプロファイル・オプションは、個別の要件を満たすようにユーザー毎に設定できます。
HTMLベースUIは、作業環境の「タイムゾーン」に基づいてユーザー設定タイムゾーンを導出します。このプロファイル・オプションは、個別の要件を満たすようにユーザー毎に設定できます。
ユーザー設定タイムゾーンの自動変換が有効な場合、フォーム・ベースおよびHTMLベースのユーザー・インタフェースは、次のサブセクションに説明するような動作になります。
Oracle Formsコンポーネントの動作は次のとおりです。
カレンダ値リストには、その日付フィールドと関連付けられたタイムゾーンの名前(ユーザー設定タイムゾーンが設定されている場合はそのタイムゾーン、またはユーザーがタイムゾーンの設定をしていない場合は企業タイムゾーン)が表示されます。
タイムゾーンの変換ボタンを使用すると、日付と時間の値を、関心のある任意のタイムゾーンに変換して表示できます。この組込みのタイムゾーン計算機能は、自分のタイムゾーン以外のタイムゾーンで特定の日付と時間を時折見る必要があるユーザーに役立ちます。また、選択した特定のタイムゾーンで日時を入力できるほか、カレンダ値リストを閉じると、表示用にフィールドに関連付けられたタイムゾーンに値が変換されます。
検索ウィンドウの日付フィールドに検索条件を入力する場合、検索する日付が時間コンポーネントを含むのか含まないのかを確認する必要があります。時間コンポーネントを含まない日付は、標準の企業タイムゾーンを使用して検索されます。時間コンポーネントを含む日付は、ユーザー設定タイムゾーンを使用して検索されます。
時間を含む日付フィールドの問合せを実行する場合、特定の時間とともに日付を入力すると、希望したタイムゾーンでその特定の日時の取引を取得できます。ただし、値の一部のみを入力した場合は、時間コンポーネントがないものとして問合せが実行され、その部分的な値に一致する企業タイムゾーンのレコードが返されます。
時間を含まない日付フィールドの問合せでは、前のリリースと同様に、引き続き企業タイムゾーンの日付と一致するレコードが返されます。
コンカレント要求ウィンドウまたは「標準レポート発行」フォームは、ユーザー設定タイムゾーンで動作します。ジョブ・キューには、要求された日時がユーザーのローカル・タイムゾーンに従って表示されます(他のタイムゾーンにいるユーザーが発行したジョブを含みます)。たとえば、あるジョブの実行がニューヨーク時間(GMT-5)の午後12時30分にスケジュールされている場合、ロサンゼルス(GMT-8)にいるユーザーがキューを見ると、そのジョブはロサンゼルス時間(GMT-8)の午前9時30分にスケジュール済と表示されます。
ただし、コンカレント・レポート出力(レポート、ログ・ファイルおよび出力ファイル)では常に、標準の企業レポート・タイムゾーンが使用されます。
Formsの「レコード履歴」の値(WHO列)は時間を含む日付ですが、常に企業タイムゾーンで表示されます。
Oracle HTMLベースUIコンポーネントの動作は次のとおりです。
日付ピッカーを使用すると、特定の日付を選択できますが、時間コンポーネントは選択できません。時間を含む日付が選択されると、別途指定されている場合を除き、通常は時間コンポーネントは現在の時間にデフォルトで設定されます。時間を含む日付は、クライアント・タイムゾーンと関連付けて表示されます。
別途指定されている場合を除き、日付と時間に基づく検索ではクライアント・タイムゾーンが使用されるため、必ず時間コンポーネントを指定する必要があります。空白のままにした場合、デフォルト時間(通常は00:00:00)が追加されます。
別途指定されている場合を除き、日付のみに基づく検索では、企業タイムゾーンが使用されます。
「値セット」が日時データ型で定義されている場合、キーおよび付加フレックスフィールドでは、ユーザー設定タイムゾーン変換が適用されます。タイムゾーン・サポートを有効にする前に、カスタムの「フレックスフィールド値セット」の定義を確認する必要があります。ユーザー設定タイムゾーン変換が特定のフレックスフィールド・セグメントに対して適切でないと考えられる場合は、使用する値セットまたは値セットのデータ型の変更を検討してください。
注意: Oracleから提供された日時値セットとフレックスフィールド・セグメントは変更できません。
コンカレント・プログラム・パラメータ定義はフレックスフィールドに基づいています。プロセスおよびレポートの発行フォームでは、すべての日時パラメータでユーザー設定タイムゾーンが適用されます。
ユーザー設定タイムゾーンの自動変換が有効な場合、非対話型のユーザー・インタフェースは、次のサブセクションに説明するような動作になります。
Oracle E-Business Suiteインタフェース表にロードする日付または時間を含む日付はすべて、ロードする前に標準の企業タイムゾーンに変換する必要があります。
Oracle E-Business Suite公開PL/SQLまたはJava APIとやり取りされる日付および時間を含む日付はすべて、別途指定がある場合を除き、標準の企業タイムゾーンであるとみなされます。目立った例外はHCM (HRMS) APIで、HCM (HRMS)の日付は取引のローカル・タイムゾーンを示します。
任意のアドホック・レポート作成ツールを使用してOracle E-Business Suiteスキーマから表示する日付および時間を含む日付はすべて、標準の企業レポート・タイムゾーンとみなされる必要があります。例外はHCM (HRMS)日付で、この日付は取引のローカル・タイムゾーンで示されます。
別途指定されている場合を除き、Oracle ReportsおよびOracle XML Publisherレポートでは、日付および時間を含む日付は企業タイムゾーンで表示されます。
Oracle E-Business Suite実装間で(または別のシステムからOracleシステムに)データを移動する場合、ソース・システムのタイムゾーンとOracle E-Business Suiteスキーマのタイムゾーン(標準の企業タイムゾーン)を比較する必要があります。タイムゾーンが異なる場合、Oracle E-Business Suiteにインポートする前に、すべての時間を含む日付フィールドに適切な変換を適用する必要があります。
WebADIを使用してダウンロードされる日付および日時の値はすべて企業タイムゾーンで示されます。
EDIゲートウェイは、Oracle E-Business Suiteの標準の企業タイムゾーンを認識します。一部の取引では、宛先システムで日付が正しく解釈されるようにタイムゾーン識別子が取引データ自体にバンドルされます。同様に、インバウンド取引では、タイムゾーンが日付フィールドで指定されている場合、データをOracle E-Business Suiteに挿入する前に、EDIゲートウェイで日付が標準の企業タイムゾーンに変換されます。特定の取引の詳細は、EDIゲートウェイのドキュメントを参照してください。
Service製品では、取引固有のタイムゾーンとユーザー設定タイムゾーンを組み合せて日付と時間を表示します。ユーザー設定タイムゾーン機能を有効にすると、サービス・エージェントは設定したタイムゾーンで日付を表示できます。また、サービス要求の主要担当者のタイムゾーンで現在時刻を表示することもできます。この情報は、リモート・タイムゾーンにいる顧客と関連付けるためにも使用できます。
フィールド・サービス技術者は、顧客サイトでの修理用に材料を要求するときや、入手すべき材料または現場に出荷すべき材料の可用性を確認するときに、ユーザー設定タイムゾーンを選択し、そのタイムゾーンでシステムと対話することもできます。
サービス設定の一部として、次の実装タスクを考慮してください。
カバレッジ・テンプレートの定義
顧客の定義
カレンダ、シフトおよびシフト割当の定義
リソースの定義およびリソースのカレンダへの割当
これらの詳細を次に記載します。
カバレッジ・テンプレートを使用すると、カバレッジ時間を複数のタイムゾーンで指定できます。コール・センターの場所のタイムゾーンをカバレッジ・テンプレートのタイムゾーンとして使用します。
たとえば、東部標準時間で09:00から17:00まで、中央ヨーロッパ時間で08:00から16:00までというように、それぞれのタイムゾーンでカバレッジを提供できます。応答時間および解決時間に関するサービス・レベルも個別に指定できます。これにより、それぞれ別々のタイムゾーンで営業する複数のコール・センターのモデリングが可能になります。
特定のタイムゾーン・カバレッジをデフォルトのタイムゾーン・カバレッジとして定義し、その他すべてのタイムゾーンに適用することもできます。これにより、特定のタイムゾーンで営業し、そのタイムゾーンで指定される時間に電話を受ける単一のコール・センターをモデリングできます。24x7カバレッジを提供する場合は、任意のタイムゾーンを使用して単一のカバレッジを定義できます。
顧客および担当者の住所を定義する際は、事業所のタイムゾーンを必ず指定する必要があります。
「シフトの定義」フォームを使用して、カレンダ、シフトおよびシフト割当を定義します。シフトはタイムゾーンに無関係なため、タイムゾーンを超えて再使用できます。たとえば、ニューヨークの技術者が東部標準時で09:00から17:00まで勤務し、サンフランシスコの技術者が太平洋標準時で09:00から17:00まで勤務する場合、カレンダを1つ、シフトを1セットのみ定義します。
フィールド・サービス技術者のリソースを定義する際は、「サービス」タブで主タイムゾーンを指定してから対応するシフトにリソースを割り当てると、技術者のタイムゾーンでシフト・パターンが適用されます。
シフトは、タイムゾーンのコンテキストとは関係なく定義されます。シフトがそのシフトを使用するリソースに割り当てられた場合にかぎり、該当するタイムゾーンのコンテキストが適用されます。したがって、シフトの定義はユーザー設定タイムゾーン機能の可用性に左右されません。
タスクにタイムゾーンが選択されていない場合、すべての時間は企業タイムゾーンで表示されます。タスクにタイムゾーンが選択されていて、ユーザー設定タイムゾーンのサポートが有効になっている場合、時間は選択したタイムゾーンで表示されます。
部品構成表(BOM)カレンダは施設間で共有できますが、シフト定義は常に企業タイムゾーンを使用して定義されます。したがって、シフト定義はユーザー設定タイムゾーン機能の可用性に影響されません。
製造施設が存在する場所のタイムゾーンそれぞれに対して1つのカレンダが必要です。同じタイムゾーンにある施設は同じシフト形態を共有できます。異なるタイムゾーンにある施設は独自のシフト定義が必要です。
Complex Maintenance and Repair Operations (CMRO)(CMRO)のユーザーは、企業タイムゾーンで運用することをお薦めします。
会計期間の開始日と終了日は、企業タイムゾーンで保存および表示されます。企業時間が「在庫会計期間」フォームで指定された予定クローズ日をすぎると、ユーザーは会計期間をクローズできるようになります。
すべての期間プロセッサ(原価プロセッサ、取得原価プロセッサ、取得原価調整プロセッサ、配賦原価プロセッサ、反復期間平均原価プロセッサ)では、日付フィールドを企業時間で入力する必要があります。
在庫位置は、企業タイムゾーンで作成および表示されます。
消費通知文書を作成するために、「消費通知の作成」コンカレント・プログラムでは、取引日に基づいて消費取引を集計する際に企業タイムゾーンを使用します。
ライン型製造ラインの「開始」および「停止」時間フィールド(時間のみのフィールド)は、企業タイムゾーンで入力および表示する必要があります。
WIPライン・フォームでは、フロー製造ラインの「開始」および「停止」時間フィールドは、企業タイムゾーンで入力および表示する必要があります。
「カンバン計画」フォームおよび「グラフィカル・カンバン・ワークベンチ」フォームでは、すべての日時を企業タイムゾーンで入力および表示する必要があります。計画出力(予測、MDSおよびMPS)は、企業タイムゾーンに分類されます。カンバン・サイズとカード数は、計画からの需要に基づいて計算されます。したがって、計画との一貫性を保つために、カンバン計画では企業タイムゾーンで計算および表示されます。
「混合モデル・マップ・ワークベンチ」フォームでは、すべての日時を企業タイムゾーンで入力および表示する必要があります。計画出力(予測、MDSおよびMPS)は、企業タイムゾーンに分類されます。リソースと処理中のカンバン・サイズは、計画からの需要に基づいて計算されます。したがって、計画との一貫性を保つために、混合モデル・マップ・ワークベンチでは企業タイムゾーンで計算および表示されます。
リリース・ルールを定義する場合、ユーザーは予定出荷日と要求日を使用してピック・リリースのローリング・ウィンドウを定義できます。ユーザー設定タイムゾーンが有効になっている場合は、このタイムゾーンがリリース・ルールにも適用されます。ユーザー設定タイムゾーンが有効になったユーザーが企業タイムゾーンで定義されたリリース・ルールを使用すると、計画出荷日と要求日はそのユーザーのユーザー設定タイムゾーンに変換されます。
たとえば、あるユーザーが出荷予定日の時間を企業タイムゾーンで午前9時と設定してリリース・ルールを定義した場合、同じルールを別のユーザーが使用すると、出荷予定日の時間は2番目のユーザーのユーザー設定タイムゾーンの午前9時に変換されます。したがって、異なるタイムゾーンにいる複数のユーザー間で同じリリース・ルールを使用する際は、タイムゾーンの影響を受ける可能性がある点に注意する必要があります。
ヒストグラム、管理チャート、パレート図および時系列チャートでは、常に企業タイムゾーンを使用して、軸ラベルの日付と時間の品質収集要素が表示されます。
ユーザー定義算式で、サーバーから日付と時間の要素を使用した場合の値は企業タイムゾーンになりますが、フォーム・フィールド自体から日付と時間の要素を使用した場合の値はユーザー設定タイムゾーン(設定されている場合)になります。
サプライ・チェーン計画パッケージの製品には、Advanced Supply Chain Planning、Demand Planning、Global Order Promising、Inventory Optimization、Collaborative Planning、Transportation Planning、Manufacturing Scheduling、Material Requirements Planningなどが含まれます。これらの製品のうち、日付/時間フィールドがユーザー設定タイムゾーンで表示されるのはManufacturing Schedulingのみです。その他すべての製品において、日付/時間フィールドは企業タイムゾーンのみで表示されます。
計画製品では、受注、発注およびWIP製造オーダーなどのビジネス文書が表示されますが、これらはすべて受注管理、購買、工程管理などの実行モジュールから収集したものです。これらの実行モジュールではビジネス文書をユーザー設定タイムゾーンで表示できますが、計画ユーザー・インタフェース内では、これらの文書の日付/時間フィールドは企業タイムゾーンのみで表示されます。データがERPサーバーから計画サーバーに収集されるとき、あるいは計画サーバーからERPサーバーにリリースされるときも、日付/時間の変換は行われません。
一部のアドバンスド・プランニング製品では、供給、需要および生産資源能力のデータが、日次、週次および期間別のバケットに分類されたビューとして表示されます。これらのデータのビューは常に企業タイムゾーンで表示されます。
Global Order Promising製品はOracle Order Managementと統合されています。ユーザーは受注管理内で受注の要求日を入力できます。受注管理内でユーザー設定タイムゾーンを使用して入力された日付は、オーダー納期処理(受注の納期)の可用性チェックを実行する際に企業タイムゾーンに変換されます。オーダー納期処理の結果は、受注管理画面で表示される際に再度ユーザー設定タイムゾーンに変換されます。
MRPの日付フィールドにはタイム・スタンプが含まれないため、ユーザー設定タイムゾーン機能の使用可否はMRPに関係しません。MRPでは、完了日を企業タイムゾーンの1日の終わりとして示します。企業タイムゾーンの深夜0時が製造工場の勤務シフトの途中に当たる場合は、ジョブが予定日よりも前か後に完了する場合があります。製造現場管理(OSFM)については、OSFMとMRPは統合されていないため、このことは問題となりません。
Transportation Planningモジュールでは、場所固有のタイムゾーンがサポートされます。提供される取引固有のタイムゾーン・サポートの詳細は、Transportation Planningユーザー・ガイドを参照してください。
拡張スケジューラUIはユーザー設定タイムゾーン・モードで動作しますが、すべてのインシデント・サイトが同じタイムゾーンに位置している場合のみお薦めします。異なるタイムゾーンにあるインシデント・サイトに対してスケジューリングを行う場合は、インシデント・ベース・タイムゾーン・サポートを設定する必要があります。
範囲開始日は1日(企業タイムゾーン)の始まりにペグされ、範囲終了日は1日(企業タイムゾーン)の終わりにペグされます。
このワークベンチではすべての日付がユーザー設定タイムゾーンで表示されますが、水平需要ウィンドウおよび水平予定ウィンドウの日付は例外で、これらは常に企業タイムゾーンで表示されます。
CUMワークベンチのCUM開始日は常に企業タイムゾーンで表示されます。
範囲開始日は1日(企業タイムゾーン)の始まりにペグされ、範囲終了日は1日(企業タイムゾーン)の終わりにペグされます。
OPM Financialsでは、次のプロセスがユーザー設定タイムゾーンでスケジュールされます。
原価積上プロセス
OPM会計プリプロセッサ
実際原価プロセス
原価更新プロセス
OPM会計プリプロセッサの開始日および終了日は企業タイムゾーンで保存および表示されます。
Oracle Supply Chain Trading Connectorでは、メッセージ用のタイムゾーン・サポートが提供されます。RosettaNetの仕様では、メッセージの時間はグリニッジ標準時(GMT)で、ISO 8601フォーマットを使用して指定し、すべてのPIPがGMTであることが必要です。ただし、XMLゲートウェイで、この時間は取引先システムで指定された時間に変換されません。また、ユーザーの場所とインスタンスの場所が異なると、ウィンドウ時間とデータベース時間に相違が生じる可能性があります。したがって、CLNではシステムで受信した時間から表示されるウィンドウ時間への変換がサポートされます。また、メッセージのデフォルト時間も用意されています。
OAGなどの他の標準は、メッセージ時間をGMTのオフセットとして指定します。たとえば、GMTが午後12時の場合、OAGでは時間をGMT-9として示します。タイムゾーンが標準によって規定されていない場合は、デフォルトの時間をお薦めします。
Oracle E-Recordsは企業タイムゾーンで動作し、すべての取引はこのタイムゾーンで記録および表示されます。プロファイル・オプションの「EDR: サーバー・タイム・ゾーン」は企業タイムゾーンに設定する必要があります。この値を設定しないと、イベントが何も呼び出されず、すべての電子レコードでそのタイムゾーンがnull値になるというエラーが発生します。
Oracle Financialsでは、ほとんどの日付は単に取引を財務期間に分類するために使用されます。多くの場合、これらの日付は実際の取引の日付と時間から導出されますが、実際の時刻ではなく、財務期間へのポインタとして機能するのみです。このような日付フィールドで変換は発生しません。したがって、ユーザー設定タイムゾーンを使用しても、財務文書やGL取引の表示方法や処理方法に影響はありません。
財務日付と同様に、通貨換算レートの有効日も、財務期間内の日(または日のセット)をポイントし、その日(または日のセット)に分類された取引に使用する換算レートを定義するためにのみ使用されます。換算レートの有効日に日付の変換は発生しません。したがって、ユーザー設定タイムゾーンを使用しても効果はありません。
出荷日や購買受入日など、取引の日付と時間が補助元帳取引で取得される場合、その日時はユーザー設定タイムゾーンで表示されます。これらの取引がFinancialsで扱われると、多くの場合、企業タイムゾーンを使用する取引日が会計日の取得に使用されます。会計日も、ユーザー設定タイムゾーンではなく企業タイムゾーンで表示されます。これらの日付は、取引が転記される期間を示すもので、取引が発生した実際の日付を示すものではありません。
財務文書から補助元帳取引にドリルダウンする際は、補助勘定元帳の取引日の一部はユーザー設定タイムゾーンで表示されるのに対して、会計日は企業タイムゾーンを使用し、そのように表示されることに留意する必要があります。
Oracle Human Resourcesでは、デートトラック機能を持つすべてのオブジェクト(福利厚生プラン、要素タイプなど)で、日付は時間コンポーネントを含まず、グローバルに使用されます。これは、たとえば福利厚生プランに関連付けられた日付がその福利厚生プランが使用される場所のタイムゾーンを使用することを意味します。したがって、1月1日に開始するように設定された福利厚生プランは、世界のどこで使用されても、この日付に開始されます。
Oracle Human Resources製品で、日付と関連時間を別個のフィールドに入力する場合、これらの日付と時間はユーザー設定タイムゾーン・サポートが有効になっていても影響を受けません。ユーザー設定タイムゾーン・サポートは、同じフィールド内に時間コンポーネントを含む日付のみに影響を与えます。これらの日付と時間には、入力が行われたローカル・タイムゾーンまたはコンテキストに固有の場所のタイムゾーンを使用します。たとえば、応募者面接の開始時間と終了時間は、面接の場所に基づきます。
次の各項では、人事管理に固有の時間と日付の動作について説明します。
この項では、ユーザー設定タイムゾーン・サポートが実装されている場合に影響を受ける、人事管理に固有の機能について説明します。
セルフサービス従業員ディレクトリの従業員詳細ページに、就業者の事業所の現地時間が表示されます。
「サーバー・タイムゾーン」プロファイル・オプションには、サーバー・タイムゾーンに対応するタイムゾーンを設定する必要があります。従業員詳細ページに、就業者の事業所に対応する正しい現地時間が表示されるようになります。
他のウィンドウやページでユーザー設定タイムゾーン・サポートの有効化を許可せずにこの機能を使用するには、次の手順を実行してください。
「クライアント・タイムゾーン」プロファイル・オプションをユーザー・レベルで設定できないようにします。プロファイル・オプションの詳細は、Oracle E-Business Suite開発者ガイドおよびOracle E-Business Suiteセキュリティ・ガイドを参照してください。
「パーソナライズ・フレームワーク」機能を使用して、作業環境ページから「タイムゾーン」フィールドを削除します。
iRecruitmentでアプリケーションのステータスを変更する場合、変更の正確な日付と時間がユーザー設定タイムゾーンでシステムに記録されます。ただし、遡及ステータス変更が行われた場合、その日付と時間は標準の企業タイムゾーンにおける1日の始まり(午前0時)に設定されます。
「応募ステータス履歴」を表示する際に、各ステータス変更に関して記録された日付と時間は、iRecruitmentでユーザー設定タイムゾーンに変換されます。
日付のみを使用する収集の開始と終了のパラメータについては、日付が標準の企業タイムゾーンで表示されます。これらのプロセスでは、企業タイムゾーンに従って、指定した開始日の始まりから指定した終了日の始まりまでデータが収集されます。
これらのパラメータは、ユーザー設定タイムゾーン・サポートの影響は受けません。
日付と時間を表示するパラメータについては、時間がユーザー設定タイムゾーンで表示されます。この時間は、サーバーのプログラムを保存して実行する前に、標準の企業タイムゾーンに変換されます。
状況によって、ユーザー設定タイムゾーンの使用が予期せぬ結果を招く場合があります。たとえば、サーバーが太平洋タイムゾーンにあり、ユーザーがロンドン(8時間先)で「収集:至」に2013年1月3日午前7時という値を入力した場合、この値は太平洋タイムゾーンで2013年1月2日午後11時を表します。この相違により、コンカレント・プログラムでは、予定していた1月3日の始まりまではなく、1月2日の始まりまでデータが収集されることになります。
次の機能は、ユーザー設定タイムゾーン・サポートを実装しても影響を受けません。この項では、ユーザー設定タイムゾーン・サポートが有効か否かにかかわらず、人事管理製品において日付と時間がどのように動作するかを説明します。
ユーザー・プロファイルの「デートトラック: ログイン日 (YYYY/MM/DD)」が設定されていない場合、「有効日」は、ユーザーがHRMSアプリケーションにログインした時点の日付に標準の企業タイムゾーンでデフォルトで設定されます。
セキュリティ権限を持つユーザーの場合は、「有効日の変更」ウィンドウを使用して「有効日」を変更できます。標準の企業タイムゾーンとは異なる日付になる可能性があるタイムゾーンでアプリケーションが使用されている場合、「有効日」を変更する必要が生じる場合があります。
デートトラックの有効な開始日と終了日はすべて、時間コンポーネントを含みません。したがって、適用可能なタイムゾーン調整はありません。
従業員が「タイムカード入力」ウィンドウおよび「時間記録担当者」ウィンドウに開始時間と終了時間を入力する場合、これらの時間はその従業員が実際に勤務した事業所のローカル・タイムゾーンになります。したがって、タイムカードを確認するマネージャは、タイムカードに表示されている時間が勤務場所の現地時間であると想定できます。これは、就業者のアサイメント事業所とは異なる場合があります。たとえば、通常はロサンゼルスで勤務する就業者が、ニューヨークに招集される場合などが考えられます。したがって、アサイメント事業所から離れて勤務する就業者も考慮するために、「タイムカード入力」および「時間記録担当者」ではアサイメント事業所のタイムゾーンは使用しません。この動作は、ユーザー設定タイムゾーン・サポートが有効になっている場合の動作(ユーザーが設定したタイムゾーンで時間を表示する)に反するものです。
セルフサービス・タイムカード入力画面で夏時間調整を正確に計算するには、アプリケーション・サーバーのタイムゾーンを、ユーザー・タイムゾーンと同様の夏時間調整を含むタイムゾーンに設定する必要があります。
シフト形態を作成する際に開始日および終了日は指定しません。これにより、1つのシフト形態を任意の事業所の日付に適用できます。勤務シフト形態が従業員に割り当てられると、日付がシフトに関連付けられます。次に、シフトの開始時間および終了時間がその従業員がシフト勤務を行う場所のタイムゾーンに適用されます。
必要に応じて、事業所を特定のタイムゾーンに関連付けることができます。事業所に対してタイムゾーンを設定すると、一部のウィンドウにタイムゾーンが表示されます。これらのウィンドウに表示される時間は、事業所のタイムゾーンを使用します。
次のウィンドウでは、それぞれ説明するように、ユーザー設定タイムゾーンではなくコンテキスト固有のタイムゾーンで日付と時間が表示されます。
「従業員レビュー」ウィンドウには「タイムゾーン」フィールドがあります。従業員レビュー用に事業所を選択すると、「タイムゾーン」フィールドにその事業所に関連付けられたタイムゾーンが表示されます。レビューの開始時間および終了時間は、自分のいる場所やユーザー設定タイムゾーンにかかわらず、事業所のタイムゾーンで表示されます。
開始時間および終了時間は面接場所のタイムゾーンで表示されます。
ウィンドウには、イベントの開始時間と終了時間がイベントの場所とともに表示されます。イベントの時間はイベントの場所のタイムゾーンで表示されます。
このウィンドウには、プロジェクトの開始日と開始時間および終了日と終了時間、ならびに実際の開始日と開始時間および終了日と終了時間が表示されます。これらの日付と時間は、その従業員が勤務するタイムゾーンで表示されます。
このウィンドウには、事故およびレポートの日付と時間が、その事故とレポートの場所のタイムゾーンで表示されます。
通常勤務の開始時間と終了時間は多くのウィンドウに表示されます。次のようなウィンドウが含まれます。
応募
職階摘要
組織(勤務日情報として)
従業員アサイメント(標準条件)
これらは時間のみの値であるため、その時間が使用されるコンテキストによってタイムゾーンが決まります。たとえば、ニューヨークの従業員とロサンゼルスの従業員が同じポジションを得る場合があります。そのポジションの開始時間が午前9時となっている場合、ニューヨークの就業者にとってはニューヨーク時間の午前9時、ロサンゼルスの就業者にとってはロサンゼルス時間の午前9時を意味します。これらのウィンドウでは、ユーザー設定タイムゾーン・サポートが有効になっている場合でも、ユーザー設定タイムゾーンで時間は表示されません。
「承認管理」ユーザー・インタフェースでは、時間コンポーネントを含む日付はすべて標準の企業タイムゾーンで表示されます。「タイムゾーン」プロファイルがどのように設定されていても影響は受けません。
先日付ルールが作成または更新された場合はいつでも、標準の企業タイムゾーンの1日の始まり(午前0時)から有効になります。したがって、先日付ルールは、各タイムゾーンでいつ午前0時になるかに関係なく、すべてのタイムゾーンで同じ時点で有効になります。
先日付ではないルールを作成または更新した場合、ルールはタイムゾーンにかかわらず、即座に有効になります。その後のすべての取引(全世界)は、取引のタイムゾーンにかかわりなく、ルールが作成または更新された時点から影響を受けます。
Learning Managementは、特定の日付と時間に対してクラスおよびイベントを編成します。次の「Learning Management」ウィンドウおよびページには、ユーザー設定タイムゾーンではなく、イベントの場所に基づいて日付と時間の情報が表示されます。
イベント企画
一時的なイベント
リソース登録(「その他の詳細」タブ)
「セッション」ウィンドウ(PUI)
セッション・ページ(OAF)
次の「Learning Management」ウィンドウにも、日付と時間の情報が表示されます。
自己ペース・クラス
予定クラス
これらのウィンドウの日付と時間は、クラスのタイムゾーンに基づいて表示されます。学習管理者が、クラスを作成する際にクラスのタイムゾーンを入力します。
Oracle iStoreでは、企業タイムゾーンのみで日付/時間が表示されます。ユーザーのサイトでユーザー設定タイムゾーン機能が有効になっていても、iStore UIには企業タイムゾーンのコンテキストが表示されます。詳細は、My Oracle Supportナレッジ・ドキュメント403414.1『Oracle iStore Documentation Resources, Release 12』を参照してください。
ユーザー設定タイムゾーン・サポートをすでに有効化しているE-Business Suiteのお客様が11.5.10 CU2以上のリリースからアップグレードする場合、アップグレードの考慮事項はありません。アップグレードは透過的で、関連する機能に変更はありません。
ユーザー設定タイムゾーン機能が有効化されていないか使用されていないリリースからリリース12.2にアップグレードするE-Business Suiteのお客様の場合、ユーザー設定タイムゾーン・サポートを有効にする際に、既存のタイムゾーンの慣例を考慮する必要があります。
リリース11.5.10 (CU2)より前では、次のいずれかの方法でタイムゾーンの差異に対応可能でした。
標準の企業タイムゾーンでデータを入力(Oracle推奨)。
この場合の選択肢は次のとおりです。
ユーザー設定タイムゾーン機能を有効にしますが、ユーザーが引き続き(アップグレード前と同様に)標準の企業タイムゾーンで作業できるようにします。
ユーザー設定タイムゾーン機能を有効にして希望するタイムゾーンを設定し、このタイムゾーンでシステムと対話を始めます。ユーザー・レベルでのタイムゾーン設定を行わないと、引き続き標準の企業タイムゾーンが使用される結果になります。
ローカル・タイムゾーンでデータを入力し、異なるタイムゾーンで開始した取引のデータを比較した際に問題が生じた場合は、カスタムのソリューションを使用して解決。
この場合、ユーザー設定タイムゾーン機能を有効にすると、不必要な日時の変換が発生し、現地の日付と時間がユーザー設定タイムゾーンに変換される場合があります。これは、時間を含む日付がすべて企業タイムゾーンで保存されているとシステムが認識するためです。
詳細は、『Oracle E-Business Suiteリリース11iから12.2へのアップグレード・ガイド』を参照してください。
この項では、ユーザー設定タイムゾーン機能の実装に関する技術的な考慮事項について説明します。
ユーザー設定タイムゾーン・サポートが正常に機能するために、次のすべての要件を満たす必要があります。
データベース・サーバーのオペレーティング・システム・タイムゾーン設定を標準の企業タイムゾーンに設定します。
タイムゾーン・ファイルとしてtimezone.datではなくtimezlrg.datを使用するようにデータベースを構成します。
データベースは標準の企業タイムゾーンで開始します。
各アプリケーション層JVM (Java仮想マシン)を標準の企業タイムゾーンで開始します。このためには、アプリケーション層のオペレーティング・システムのタイムゾーンが標準の企業タイムゾーンと一致するように設定する必要があります。
プロファイル「サーバー・タイムゾーン」(SERVER_TIMEZONE_ID)をサイト・レベルで設定し、データベースと同じ標準の企業タイムゾーンに設定します。
プロファイル「クライアント・タイムゾーン」(CLIENT_TIMEZONE_ID)をユーザー・レベルで設定します。これはOracle FormsベースのUIに適用されます。
作業環境「タイムゾーン」をユーザー・レベルで設定します。これはHTMLベースのUIに適用されます。
プロファイル「タイムゾーン変換の有効化」(ENABLE_TIMEZONE_CONVERSIONS)をサイト・レベルで「Yes」(または「Y」)に設定します。
プロファイル「コンカレント: 複数タイム・ゾーン」(CONC_MULTI_TZ)をサイト・レベルで「No」(または「N」)に設定します。
環境変数FORMS_APPSLIBSを「フォーム」層で設定します。
フォームを「パーソナル・ホームページ」または「ナビゲータ」ポートレットから起動します。
これらの要件の詳細は次のとおりです。
データベースはtimezlrg.datファイルを使用して開始する必要があります。このファイルには、Oracle E-Business Suite内で使用されるタイムゾーン定義が含まれています。UNIX環境では次のようなコマンドを使用します。
setenv ORA_TZFILE $ORACLE_HOME/oracore/zoneinfo/timezlrg.dat
このコマンドはデータベースを開始する前に実行してください。
また、データベースを標準の企業タイムゾーンで開始する必要もあります。UNIX環境でこの設定を行うには、次のようなコマンドを実行してください。
setenv TZ <Timezone Code> [For example, ‘America/Los_Angeles’]
設定を検証するには、次のコマンドをSQL*Plusで実行します。
select to_char(SYSDATE, ‘DD-MON-RRRR HH24:MI:SS’)
from dual;
企業タイムゾーンで返された日付と時間が正しいことを確認できます。
プロファイル・オプション「サーバー・タイムゾーン」(SERVER_TIMEZONE_ID)をサイト・レベルで標準の企業タイムゾーン(サーバーが実行するように設定されているタイムゾーン)に設定します。
注意: このプロファイル・オプションは、いったん設定した後は変更しないでください。既存のデータは更新されません。
ユーザーは希望するタイムゾーンをユーザー・レベルで指定できます。これは、HTMLベース・アプリケーションでは「タイムゾーン」作業環境を、フォーム・ベース・アプリケーションでは「クライアント・タイムゾーン」プロファイル・オプションをそれぞれ設定することによって行います。大部分のプロファイル・オプションと同様に、変更を有効にするにはいったんログアウトしてから再度ログインする必要があります。設定したタイムゾーンは必要に応じて何回でも変更できます。
プロファイル・オプション「タイムゾーン変換の有効化」(ENABLE_TIMEZONE_CONVERSIONS)には、サイト・レベルで「No」というデフォルト値が設定されています。これにより、アプリケーションでは引き続きすべての日付が企業タイムゾーンで表示されます。この値を「Yes」に設定すると、時間を含むすべての日付フィールドがユーザー設定タイムゾーンに自動的に変換されるようになります。
重要: ユーザーにこの変更を通知しないと、引き続き現地時間ではなく企業時間(またはその逆)で運用していると誤解し、データの誤入力や誤解釈を招く可能性があります。
既存のプロファイル「コンカレント: 複数タイム・ゾーン」(CONC_MULTI_TZ)の動作に注意してください。これはバッチ処理を行うための古い機能です。このプロファイルを「Yes」に設定すると、「要求の発行」画面の「開始予定日」に表示されるデフォルト値がSYSDATE-1に変わります。新しいユーザー設定タイムゾーン機能を有効にするとこのプロファイルは不要になるため、値を「No」にする必要があります。
この環境変数はOracle E-Business Suite環境でOracle Formsの様々な側面を制御しているため、インストール時の設定のままにしておく必要があります。
タイムゾーン機能は、Oracle E-Business Suite内のOracle Formsベースのユーザー・インタフェースにおいて、ユーザーが「パーソナル・ホームページ」または「ナビゲータ」ポートレットからログインした場合にのみ使用できます。Formsを直接起動する方法(ブラウザのアドレス行にURLを入力するなど)は、ブートストラップ目的でのみサポートされています。これを行うと、タイムゾーン機能のほか、言語設定や日付書式などのその他の機能も有効になりません。