ヘッダーをスキップ

Oracle Rapid Planningインプリメンテーションおよびユーザー・ガイド
リリース12.2
E57804-01
Go to Table of Contents
目次
Go to previous page
前へ
Go to next page
次へ

実装: 計画定義およびモデル化

ステップ6: 計画定義およびモデル化

無制約計画と制約付き計画のいずれを使用するか、および計画オプションを設定するかどうかを決定する必要があります。

職責およびメニュー

ラピッド・プランニング計画担当のシード済職責は、サプライ・チェーン・シミュレーション・プランナです。

次のメニューが表示されます。

無制約計画と制約付き計画

無制約または制約付きのサプライ・チェーン計画を実行できます。

無制約計画

無制約計画は次のとおりです。

無制約計画は次の場合に使用します。

プランニング・ソルバーによる無制約計画の計画方法の詳細は、次のトピックを参照してください。

制約付き計画

制約付き計画は次のとおりです。

制約付き計画は、計画で次を実行する場合に使用します。

プランニング・ソルバーによる制約付き計画の計画方法の詳細は、次のトピックを参照してください。

計画対象品目

このトピックは、無制約計画と制約付き計画に適用されます。

次の2つの計画オプションにより、計画に含める品目が決まります。

計画品目タイプ: プランニング・エンジンが特定の計画実行で計画する品目のサブセットを指定します。

ラピッド・プランニング計画では、次のようになります。

計画品目: プランニング・エンジンが特定の計画実行で計画する品目のタイプを指定します。

品目リストの規模が最も大きくなるのは、次のように選択した計画の場合です。

一般的なプランニング・ソルバーの機能

このトピックは、無制約計画と制約付き計画に適用されます。

品目-組織の計画タイム・フェンスに従います。

プロファイル・オプション「MSO: タイムフェンス内の作業指示/工程の確定」については、デフォルト設定の「Yes」が常に使用されます。

需要タイム・フェンスとリリース・タイム・フェンスに従います。

供給の確定フラグに従います。

計画オーダーの場合、代替部品構成表/工順、代替生産資源、代替仕入先、代替ソース組織,、代替構成部品および最終品目代替は選択されません。

代替を使用する計画受入の場合、代替の選択内容は変更されません。

オーダー・モディファイアに従います。

これらの概念の定義は、『Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド』を参照してください。

リード・タイム

リード・タイムの概要

リード・タイムとは、オーダーの必要性を認識してから商品を在庫に受け入れるまでの時間範囲の各部分のことです。

このトピックでは、計画プロセスで計画に使用するリード・タイムについて確認していきます。 また、コンカレント処理、プロファイル・オプション、計画オプション、およびリード・タイムの計算に影響を与える計画パラメータについても説明します。

リード・タイムの設定

計画プロセスが次のソース・システム・フォームで使用するリード・タイム値を設定します。

計画プロセスでは、Oracle Inventoryの保管場所リード・タイムは使用されません。 これらの値は、Oracle Inventoryの「Min-Max計画」プロセス用です。

リード・タイム品目属性

このトピックでは、リード・タイム品目属性について説明します。 これらは次のように定義します。

詳細は、『Oracle Inventoryユーザーズ・ガイド』を参照してください。

リード・タイム品目属性の定義

次のリード・タイム品目属性を入力できます。

リード・タイムおよびオーダー日

リード・タイムによって、品目の計画オーダーと計画受入に関連する日付が定義されます。

リード・タイム品目属性およびリード・タイム計算コンカレント処理

Oracle Bills of Materialの次のコンカレント処理を実行すると、ユーザーが手動で設定した可能性のあるリード・タイム値を更新できます。

これらのコンカレント処理では、リード・タイム品目属性の次のフィールドが更新されます。

小数のリード・タイム値は1日未満の時間数を意味し、リード・タイムを24時間で除算した結果です。

詳細は、Oracle Bills of Materialユーザーズ・ガイドを参照してください。

安全リード・タイム

安全リード・タイムは、製造品目および購買品目の通常のリード・タイムに加算されるリード・タイムです。 これは、次の目的で、供給にペグされている需要納期より前に供給を計画するように、計画プロセスに指示するために使用します。

安全リード・タイムは、保護時間または安全時間と呼ばれる場合もあります。

また、一時的な安全在庫レベルを使用して、供給にペグされている需要より早く供給を完了することもできます。 『Oracle Advanced Supply Chain Planningインプリメンテーションおよびユーザーズ・ガイド』の安全在庫に関する項を参照してください。 次の場合は、一時的な安全在庫ではなく安全在庫リード・タイムを使用します。

安全在庫リード・タイムは、次のとおりです。

安全リード・タイムを設定する方法は、次のとおりです。

プランニング・エンジンによって安全リード・タイムの対象となる供給が計画される場合は、次のようになります。

この例では、安全リード・タイムの対象となる品目の計画情報の分析方法を示します。

本文の説明内容に関するイメージ

この例は、同じ需要位置ですが、非一時的/一時的安全在庫計画を使用する計画情報を示しています。 図中のSSは安全在庫、PABは予定使用可能残高を表します。

本文の説明内容に関するイメージ

安全リード・タイムを使用する場合は、次のようになります。

リード・タイム品目属性に関する注意

前処理、処理、後処理、固定および可変を品目情報に表示することもできます。

プランニング・エンジンでは、累積製造および累積合計の値は使用されません。 これらの値は、品目属性「計画タイム・フェンス」など、リード・タイムを入力する際に値リストに表示されます。

合計リード・タイムは品目属性ではありません。 これは、無制約計画でオーダーのオーダー日を判断するために、計画プロセスによって計算されます。 次のとおりです。

製造リード・タイムの計算コンカレント処理では、処理に対して、計画プロセスで合計リード・タイムに使用する計算と同様の一般的な計算が使用されます。 製造リード・タイムの計算コンカレント処理では、品目属性「リード・タイム・ロット・サイズ」を使用して品目属性「処理」が計算されます。 計画プロセスでは、実際のオーダー数量を使用して、特定の計画オーダーまたは計画受入の処理時間が計算されます。

この図は、合計リード・タイム、累積製造および累積合計の相対的な使用を示しています。

累積リード・タイム属性の計算

本文の説明内容に関するイメージ

計算される供給日

すべての計画タイプに対して、計画プロセスでは、供給がペグされている需要の需要納期に基づいて計画オーダーおよび計画受入が計画されます。 次の日付が計算されます。

旧納期、旧納入予定日および当初希望入手日は、計画受入のためのソース・システムでの当初日付です。

これらの日付は、供給情報および需要情報に表示できます。

計画オーダー需要納期の計算

計画プロセスでは、計画オーダー需要納期の計算で実際の所要日とリード・タイムが考慮されます。 これによって、より正確なリード・タイム・オフセットが計画期間バケット総計に提供されます。

期間や週などの期間バケット総計レベルでの計画が可能になります。 この結果、総供給/需要の不整合を簡単に識別でき、機材や労働力の調達、ソーシングなどに関連する戦略的な意思決定を、不要な詳細を生成せずに実行できます。

計画プロセスでは、リード・タイムに関連した実際の所要日に基づいて、依存需要の計画オーダー需要納期が計算されます。 リード・タイム値に基づいて計算された所要日は、その後の計算のために保存されます。

次に、すべての日付が期間バケットの終了に調整されます。 調整後の依存需要展開の最初の実行で、より正確な日付を取得できます。

構成部品BおよびCを含む組立品Aがある組織を考えてみます。

組立品

本文の説明内容に関するイメージ

各組立品の構成部品BとCの数量は1です。

組立品Aのリード・タイム = 4

半組立品Bのリード・タイム = 3

構成部品Cのリード・タイム = 4

組織は週次の計画バケットに従い、稼働日は月曜日から金曜日です。

オーダー数量1が品目Aに対して2月28日(金)に発行されます。

計画プロセスによって、次の計画オーダー需要が生成されます。

計画オーダー需要納期の計算

本文の説明内容に関するイメージ

説明:

製造供給の日付計算

計画プロセスでは、他の方法が指定されていないかぎり、製造供給の日付の計算に製造カレンダの稼働日が使用されます。

希望入手日: 次の上位レベルの組立のために資材が出荷されるか在庫に存在している必要がある日付。 供給がペグされている需要の最早納期。

提示納期: 無制約または制約付き - 需要納期の施行計画では、これは希望入手日と同じです。 制約付き - 生産能力制約の施行計画では、これは供給の計画済使用可能日です。 供給が制約付きの場合、計画プロセスによってその制約から計画が先送りされます。

提示納入予定日: 需要納期。 納入予定日とは、すべての製造現場工程が完了する日です。

提示出荷日: 空白

提示開始日: 提示納期 - 生産期間。 製造現場工程を開始する必要がある日。

リード・タイム・オフセットは稼働日カレンダの稼働日にのみ開始します。 次に例を示します。

生産期間:

提示オーダー日: 計画オーダー開始日 - 前処理。 オーダーを発行する必要がある日付です。 計画受入の場合、このフィールドには計画受入が作成された日付が表示されます。

この図は、製造供給に対する日付計算を示しています。

製造供給に対する日付計算

本文の説明内容に関するイメージ

製造供給構成部品の日付計算

計画プロセスでは、計画オプション「資材計画方法」の設定に従って、製造供給オーダーの構成部品納期が計算されます。

値が「オーダー開始日」の場合、構成部品納期は供給開始日となります。

値が「工程開始日」の場合は、次のようになります。

購買供給のリード・タイムと承認済仕入先リスト

購買供給の品目に承認済仕入先リストがある場合、計画プロセスで次のように使用されます。

承認済仕入先リストの計画属性は品目情報に表示できます。

購買供給の日付計算

計画プロセスでは、他の方法が指定されていないかぎり、購買供給の日付の計算に受入組織のカレンダの稼働日が使用されます。

希望入手日: 需要を充足するために資材が必要な日付。

提示納期:

提示納入予定日:

提示出荷日: 納入予定日 - 生産期間

生産期間:

提示開始日: 出荷日

提示オーダー日: 開始日 - 前処理。 計画受入の場合、このフィールドには計画受入が作成された日付が表示されます。 収集された情報の場合は、発注の作成日です。 計画プロセスによって、組織の製造カレンダを使用してこの日付が計算されます。

この図は、購買供給に対する計算を示しています。

購買供給の日付計算

本文の説明内容に関するイメージ

転送供給の日付計算

計画プロセスでは、転送供給の日付の計算に受入組織のカレンダおよび出荷組織のカレンダの稼働日が使用されます。

希望入手日(受入組織のカレンダ): 需要を充足するために資材が必要な日付。

需要納期(受入組織のカレンダ):

提示納入日(受入組織のカレンダ): 納期 - 後処理

提示出荷日(出荷組織のカレンダ):

提示開始日(出荷組織のカレンダ):

提示オーダー日(受入組織のカレンダ):

計画受入の場合、このフィールドには計画受入が作成された日付が表示されます。

この図は、無制約計画での転送供給に関する日付計算を示しています。 計画プロセスでは、ソース組織と搬送先組織に対して生産期間が個別に計算されるため、計画内の日付は、この図に表示されているように正確に整列していない可能性があります。 資材がこれらのリード・タイムの範囲内で計画されている場合、計画担当はこの要約されたメッセージに対して必要な対応を判断できます。

転送供給(無制約計画)の日付計算

本文の説明内容に関するイメージ

この図は、制約付き計画において、出荷組織の希望入手日と需要納期が、出荷組織の計画オーダーの出荷日と同じである必要があることを示しています。

転送供給(制約付き計画)の日付計算

本文の説明内容に関するイメージ

供給計画

このトピックは、無制約計画にのみ適用されます。 制約付き計画の場合は、「デフォルト・オーダー・サイズと計画作業単位」を参照してください。

生産資源および供給

プランニング・ソルバーによって、生産資源および仕入先生産能力を超過にします。

生産資源超過を最小限にするために、生産資源が早期に計画されることはありません。

製造オーダー納期を満たすために必要な場合は、期間に基づいて生産資源が前倒しで計画されます。

前倒し計画時に、計画実行日に達すると、すべての早期生産資源が計画実行日で計画されます。

生産資源生産能力超過、仕入先生産能力超過およびリード・タイム違反に対しては、例外メッセージが発行されます。

生産資源所要量が計算される場合は、例外メッセージ「資材不足によるリスクあり受注/需要予測」および「生産資源不足によるリスクあり受注/需要予測」が発行されます。

圧縮日数

圧縮は、プランニング・エンジンによって、供給オーダーの需要を充足するために最小処理時間より短い時間で供給オーダーを完了する必要があることが検出された場合に発生します。 プランニング・エンジンでそのリード・タイムに従ってオーダーが計画される場合は、開始が過去(計画範囲開始日より前)になります。 圧縮日数は、計画プロセスによって、開始日と納期の間の時間を短縮するように提示される日数です。

製造オーダー

製造品目のWIP製造オーダーおよび計画オーダーの計画と再計画では、プランニング・ソルバーによって製造オーダーの最初のいくつかの工程が圧縮されます。 工程開始日と終了日は計画実行日です。

圧縮は、前処理リード・タイムで開始します。 プランニング・ソルバーによって、生産資源期間を使用して残りの工程を完了するのに十分なリード・タイムが確保できるまで、後続の各工程が期間なしに圧縮されます。

購買オーダーおよび転送オーダー

購買品目の発注、購買依頼および計画オーダーの計画と再計画では、プランニング・ソルバーによって、リード・タイムを使用してオーダーを完了するのに十分なリード・タイムが確保できるまで、前処理リード・タイム、次に処理リード・タイム、その次に後処理リード・タイムの順に圧縮されます。

デフォルト・オーダー・サイズと計画作業単位

このトピックは、制約付き計画にのみ適用されます。 無制約計画の場合は、「供給計画」を参照してください。

デフォルト・オーダー・サイズでは、生産資源使用量の計画および生産の両方が効率的になる管理可能な製造オーダー・サイズが作成されます。

オーダー・サイズが小さすぎると製造現場が非効率になり、オーダー・サイズが大きすぎると計画が困難になるため、需要に対する供給が遅延する可能性があり、通常は大量の未消込の生産資源生産能力が残ります。

デフォルト・オーダー・サイズを使用するには、計画作業単位(数時間、1シフト、1日、またはこれより大きい期間バケット)を指定します。

計画作業単位

計画作業単位は、時間で指定する品目-組織属性です。

Oracle Rapid Planningでは、計画作業単位を使用してオーダー・サイズが決まります。 オーダー・サイズは、計画作業単位時間内に生産できるユニット数です。

次に例を示します。

プランニング・ソルバーでは、制約付き計画に対して計画作業単位が使用され、無制約計画に対してはリード・タイムが使用されます。 計画作業単位を使用して計画オーダーのリード・タイムを修正することにより、実行可能な日次計画を迅速に作成できます。

計画作業単位サイズ

計画作業単位オーダー・サイズは、計画作業単位時間内に生産できる品目のユニット数です。 プランニング・ソルバーでは、主工順および代替工順ごとに計画作業単位を工順リード・タイムで除算して計算されます。 端数処理管理を使用している場合、計画作業単位オーダー・サイズは切り上げるように計算されます。

ユーザーが計画作業単位を定義していない場合、Oracle Rapid Planningでは資材および生産資源の可用性に基づいて、1日に生産可能なオーダー・サイズ数量が使用されます。

生産資源と計画作業単位

プランニング・ソルバーでは次のように処理されます。

生産資源と計画作業単位: 計画作業単位の適用

プランニング・ソルバーでは、生産資源所要量が製造オーダー終了時間から前倒しで計画されます。

リード・タイムでカバーされる時間内に生産資源が使用可能な場合、プランニング・ソルバーでは、工程ごとに工程リード・タイムが使用されます。 たとえば、リード・タイムが10時間で、1日当り8時間のシフトの場合、リード・タイムは2日間にまたがります。 生産資源所要量が10時間で1つの割当ユニットを使用する場合、各日の生産資源生産能力所要量は2時間から8時間の間になります。 固定リード・タイムは、1ユニットを製造するために必要な時間です。

プランニング・ソルバーで工程を早い日に移動する必要がある場合は、その日の生産資源所要量を反映して計画されます。 次に例を示します。

生産資源と計画作業単位: 生産資源所要量の分割

次に、プランニング・ソルバーで、日次バケット間で生産資源所要量が分割される方法を説明します。

次に例を示します。

生産資源と計画作業単位: 生産資源可用性の消込

次の例では、プランニング・ソルバーで、日次バケットを使用して生産資源を消し込む方法を説明します。

生産資源可用性:

工順:

リード・タイム = 0.5時間[0.25 + 0.25]

計画作業単位 = 16時間

計画作業単位オーダー・サイズ = 32 [16 / 0.5]、16時間で32ユニット生産可能

計画オーダー数量が1から32ユニットの場合は、合計リード・タイム = 16時間

需要

次の図に、プランニング・ソルバーによるこれらの計画オーダーの計画を示します。

本文の説明内容に関するイメージ

数量32の計画オーダーについては、プランニング・ソルバーで同じ日に複数の工程を計画できます。

数量32の計画オーダーについては、プランニング・ソルバーで連続した異なる日に複数の工程を計画できます。

数量32の計画オーダーについては、プランニング・ソルバーで連続しない異なる日に複数の工程を計画できます。

数量4の計画オーダーについては、プランニング・ソルバーで同じ日に複数の工程を計画できます。

オーダー・モディファイア

計画作業単位サイズとオーダー・モディファイアの間に競合がある場合、プランニング・ソルバーでは次のルールを使用して計画オーダー・サイズが決まります。

重要な計画オプション

「計画オプション」を参照してください。

基本の計画処理

「計画」リージョンで計画を選択すると、その情報を表示できます。

この表は、各計画のライフ・サイクルを示しています。

処理計画の状態
計画の作成作成
計画の起動正常に起動
計画のロードメモリーにロード、更新に使用可能
計画のクローズクローズ、メモリーになし
計画の保存メモリーからデータベースに保存
計画の削除メモリーおよびデータベースから計画を削除

「基本計画オプション」を参照してください。