Oracle E-Business Suite Desktop Integration Framework開発者ガイド リリース12.2 部品番号: E60826-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章では、次のトピックについて説明します。
Oracle Web Applications Desktop Integratorでは、Oracle E-Business Suiteの機能をデスクトップに提供し、使い慣れたMicrosoft Excel、WordおよびProjectアプリケーションを使用してOracle E-Business Suiteのタスクを実行できます。 Oracle Web Applications Desktop Integratorでは、インテグレータと呼ばれるメタデータのセットを使用して、特定のOracle E-Business Suiteタスクとデスクトップ・アプリケーションの統合に必要なすべての情報をカプセル化します。 いくつかのOracle E-Business Suiteアプリケーションでは、それらの機能を実現するためにシード・インテグレータを提供します。 Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkを使用することで、ユーザーのニーズに合せた追加タスクに対してカスタム・インテグレータを定義できます。
シード・インテグレータによってカバーされていない標準的なOracle E-Business Suiteアプリケーションでのタスク
インスタンス向けに開発されたカスタム・アプリケーションでのタスク
インテグレータを定義することで、ユーザーによる次の操作を可能にします。
データ入力用のアプリケーション固有フィールドが含まれるデスクトップに、スプレッドシートなどの書式設定済文書を作成します。
データベースまたはテキスト・ファイルからデスクトップ文書にデータをインポートします。
所有アプリケーションのビジネス・ルールを適用しながらデスクトップ・アプリケーション内のデータを操作します。
デスクトップ文書からOracle E-Business Suiteにデータをアップロードします。
アップロード中のデータを検証し、アップロード・プロセス中に検証結果に関する即時フィードバックを受け取ります。
Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkが提供するグラフィカル・ユーザー・インタフェースにおいて、開発者は基礎となるOracle Web Applications Desktop Integratorの表およびAPIを直接操作することなく、インテグレータおよび関連するすべてのサポート・オブジェクトを定義できます。 Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkは、このユーザー・インタフェースにより、開発時間の短縮、開発者の生産性の向上および定義したインテグレータの保守性の強化を実現しています。
Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkアーキテクチャ
Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkのユーザー・インタフェースにより、開発者は、必要に応じて関連するOracle E-Business Suiteアプリケーションの設計情報にアクセスし、カスタム・インテグレータの作成に必要なすべてのメタデータを定義できます。 インテグレータ・メタデータは、シード・インテグレータのメタデータとともに、Oracle Web Applications Desktop Integratorメタデータ・リポジトリに保存されます。
ユーザーがOracle E-Business Suiteおよびデスクトップ文書の間でデータをダウンロードまたはアップロードする場合、Oracle Web Applications Desktop Integratorのランタイム・インテグレータ・サービスは、リポジトリに保存されたメタデータを使用して、関連するOracle E-Business Suiteアプリケーションにおいて指定のタスクを実行します。
インテグレータは、特定のOracle E-Business Suiteタスクをデスクトップ・アプリケーションと統合するために必要な情報をすべてカプセル化したメタデータのセットです。
Oracle E-Business Suiteからデスクトップ文書へのデータのダウンロードのみ実行し、データのアップロードは実行しないインテグレータを定義できます。 この文書はOracle E-Business Suiteデータのレポートとなり、デスクトップ・アプリケーションに表示できます。 このタイプのインテグレータは、レポーティングのみのインテグレータと呼ばれます。
また、デスクトップ文書を作成した後でその文書からOracle E-Business Suiteにデータをアップロードするインテグレータを定義できます。 インテグレータでは、次のいずれかの方法で文書を作成できます。
Oracle E-Business Suiteアプリケーションのビジネス・ルールに従ってレイアウトおよび書式設定されているがデータを含まない空の文書を作成します。 ユーザーはすべてのデータを文書に手動で入力する必要があります。
テキスト・ファイルからデータが初期入力されている文書を作成します。 ユーザーは、デスクトップ・アプリケーションのデータをOracle E-Business Suiteにアップロードする前に操作できます。
SQL問合せまたはJavaクラスによりOracle E-Business Suiteからダウンロードされたデータが初期入力されている文書を作成します。 ユーザーは、デスクトップ・アプリケーションのデータをOracle E-Business Suiteに再度アップロードする前に操作できます。
インテグレータ定義のプロセス・フロー
Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkが提供するウィザード・インタフェースにより、インテグレータを定義するための主なステップを順を追って実行できます。 インテグレータ定義ウィザードで、次のタスクを実行できます。
インテグレータの基本プロパティを定義します。
インテグレータのインタフェースを定義します。 インタフェースとは、インテグレータによりデスクトップ文書からOracle E-Business Suiteにデータをアップロードする方法を決定するメタデータのセットです。 インタフェース属性は、インタフェース内の単一データ列を定義します。
レポーティングのみのインテグレータに対してインタフェースを定義する必要はありません。
インテグレータの内容を定義します。 内容とは、インテグレータが作成するデスクトップ文書への入力に使用するデータを決定するメタデータのセットです。 内容列は、内容の中に単一データ列を定義します。 次の内容タイプを定義できます。
テキスト・ファイル - テキスト・ファイルのデータをデスクトップ文書に入力します。
SQL問合せ - Oracle E-Business Suiteアプリケーション表から選択するSQL問合せからのデータをデスクトップ文書に入力します。
Java - Oracle E-Business Suiteアプリケーション表からJavaクラスにより返されたデータをデスクトップ文書に入力します。
レポーティングのみのインテグレータには、少なくとも1つのSQL問合せまたはJavaコンテンツを必ず定義する必要があります。 インテグレータで最初に空の文書を作成する場合は、インテグレータの内容を定義する必要はありません。
インテグレータのアップローダを定義します。 アップローダとは、ユーザーがデスクトップ文書からOracle E-Business Suiteにデータをアップロードする際に「アップロード・パラメータ」ウィンドウで使用できるオプションを決定する、メタデータのセットです。
レポーティングのみのインテグレータに対してアップローダを定義する必要はありません。
インテグレータのインポータを定義します。 インポータとは、Oracle Web Applications Desktop Integratorがアップロード済データをOracle E-Business Suiteインタフェース表からベース・アプリケーション表に移動する方法を決定する、メタデータのセットです。 デスクトップ文書からインタフェース表にデータをアップロードした後で、自動的にインポート・プロセスを起動する場合、インポータを定義します。 インポータにより、次のいずれかのタイプのインポート・プロセスを起動できます。
非同期コンカレント要求
同期コンカレント要求
PL/SQL API
レポーティングのみのインテグレータに対してインポータを定義する必要はありません。
Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkは、インテグレータで使用するコンポーネントを管理および作成できるユーザー・インタフェースも提供します。 コンポーネントとは、文書内のフィールドについて値リストを提供するメタデータのセットです。
さらに、Oracle E-Business Suite Desktop Integration Frameworkは、インテグレータのパラメータを定義できるユーザー・インタフェースを提供します。
注意: リリース12.2で導入されたオンライン・パッチ機能とともにカスタマイズが適切に処理されるようにするには、『Deploying Customizations in Oracle E-Business Suite Release 12.2』(My Oracle Support Document 1577661.1)の手順を実行してください。
ウィザードで主なインテグレータ定義を実行した後、オプションにより、インテグレータで使用するレイアウトおよびマッピングを定義することもできます。 レイアウトとは、デスクトップ文書に表示されるフィールドと、それらのフィールドの表示方法および書式設定を決定する、メタデータのセットです。 マッピングとは、内容列を対応するインタフェース属性にリンクするメタデータのセットです。 ユーザーが定義済インテグレータで使用するためのレイアウトおよびマッピングを作成できます。 ユーザーに付与されたアクセス権によっては、ユーザー自身がレイアウトおよびマッピングを定義することもできます。 参照: 『Oracle Web Applications Desktop Integratorインプリメンテーションおよび管理ガイド』
Copyright © 2009, 2014, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved.