Oracle E-Business Suiteアップグレード・ガイド リリース12.0および12.1から12.2 部品番号E87020-01 | 目次 | 前 | 次 |
この章では、次のトピックについて説明します。
第1章の「ビジネスへの影響と機能変更」に記載されている情報をまだ確認していない場合は、開始する前に確認してください。付録に、システム停止時間の短縮とデータ移行の検証に役立つ情報が記載されているため、DBAとアプリケーション担当者がそのタスクの内容をよく理解しておくことが特に重要です。
これらの一般的なタスクはすべてのシステムに関係します。この章で説明する製品固有のタスクに進む前に完了する必要があります。この項で説明するステップは、既存のシステムの稼働中に実行できます。
データベース、Oracle E-Business Suiteおよびカスタマイズのバックアップ(推奨)
Oracle E-Business Suiteデータベースのコールド・バックアップを作成します。アップグレード・プロセス中に問題が発生した場合は、バックアップを使用してデータベースをリストアできます。
注意: データベースの停止にはNORMALオプションを使用します。IMMEDIATEまたはABORTオプションを使用すると、データベースをバックアップからリストアできない場合があります。
データベース・ファイルのみでなく、APPL_TOP、製品カスタマイズおよびカスタマイズしたヘルプ・ファイル(HTML形式)もバックアップします。
注意: アップグレード・プロセスでは、カスタマイズは保存されません。アップグレード後にカスタマイズを再適用できるように、カスタマイズしたファイルをすべてコピーして安全な場所に保管する必要があります。
カスタマイズに関するアップグレード計画の準備(条件付き)
システムをビジネス用にカスタマイズしている場合があります。カスタム・データベース・オブジェクトをアップグレードする前に、次の重要な考慮事項を確認してください。
Oracle E-Business Suite開発者ガイドには、カスタム・データベース・オブジェクトのアップグレードに関連するネーミング標準および問題に関する広範な指示が記載されています。アップグレードを開始する前に、この情報をよく理解してください。
テスト・アップグレードを数回実行し、カスタム・データベース・オブジェクトに対する影響を追跡します。
Oracleオブジェクト名と競合しないように、作成したアプリケーション接頭辞を使用してカスタム・データベース・オブジェクトの名称を変更します。
注意: アップグレード前にカスタム・データベース・オブジェクトに対する影響をテストしないと、機能が失われることがあります。
システムのカスタマイズによっては、必要に応じて次のタスクも実行する必要があります。
CUSTOM.pllのバックアップ・コピーを作成して、CUSTOMライブラリを保持します。このコピーを後からアップグレード・プロセスで使用して、CUSTOMライブラリをリリース12.2に移行できます。
Oracle Forms 6iでフォームをカスタマイズした場合は、アップグレード後にOracle Forms 10iにアップグレードします。
カスタム・スキーマ内のイベント・アラート・トリガーの削除(条件付き)
カスタム・スキーマ内のすべてのイベント・アラート・データベース・トリガーを削除するには、$ALR_TOP/patch/115/sqlにあるalrdtrig.sqlスクリプトを実行します。アップグレード完了後に、トリガーを再作成します。
新旧の表領域のサイズ確認(必須)
十分な表領域を割り当てる必要があります。ガイドラインは、Oracle E-Business Suite Release 12.2: Upgrade Sizing and Best Practices(文書ID: 1597531.1)を参照してください。
既存のオブジェクトから新規表領域モデルへの移行(推奨)
Oracle E-Business Suiteリリース12環境には、新規Oracle Applications表領域モデル(OATM)が含まれています。このモデルは製品提携ではなくデータベース・オブジェクト・タイプに基づいているため、管理が簡素化され、必要な表領域とオペレーティング・システム・ファイル数が大幅に減少します。
以前に環境をリリース11iからリリース12にアップグレードしている場合、アップグレード・プロセスによってすべての新規製品に対して表領域が作成され、新規表領域モデル用にデータベースが構成され、新規オブジェクトが作成されます。ただし、既存のオブジェクトは自動移行されていません。この移行をまだ行っていない場合は、表領域移行ユーティリティを使用してすぐに実行することを強くお薦めします。このユーティリティでは、オンライン・パッチを有効化した後の使用についてはサポートされていないため、環境がリリース12.2にアップグレードされた後に移行を実行することはできません。OATMにすぐに移行しない場合は、表領域を個別に管理し続ける必要があります。詳細は、Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイド, リリース12.2を参照してください。
E-Business Suite環境をリリース12.0.4からリリース12.0.6にアップグレードしている場合は、アプリケーション層への最新のパッチとして次のADパッチを適用する必要があります。
パッチ11939659:R12.AD.A
重要: E-Business Suiteリリース12.0.4またはリリース12.0.6環境に適用するパッチが他にもある場合は、それらのパッチを完了してからADパッチ11939659:R12.AD.Aを適用する必要があります。
Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイ
Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイにより、サービスの生成、配置および起動が可能になります。この製品の機能を使用する場合は、Oracle E-Business Suite Integrated SOA Gatewayのインストール, リリース12.2 (文書ID: 1943221.1)に記載されているステップを実行してください。
さらに、リリース12.2では、サービスをOracle E-Business Suiteリリース12.1.Xからリリース12.2にアップグレードできるISG診断およびデザイナ・スクリプトが提供されます。
注意: Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイは、Oracle SOA SuiteおよびOracle E-Business Suite Adapter for SOAPベースのWebサービスに対して製品依存性があります。RESTベースのWebサービスには、この依存性はありません。Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイで提供されるRESTベースのWebサービスのみを使用する計画である場合は、Oracle SOA Suiteのインストールは不要です。
Oracle XML Gateway
リリース12.2では、Oracle XML GatewayのWebサービスは、Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイ・サービス・プロバイダを介して有効化され、統合リポジトリから参照できます。Oracle XML Gateway Webサービス機能の以前のリリースまたはOracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイが利用されている場合は、リリース12.2にアップグレードする前に最初にOracle SOA Suiteをインストールしてください。
注意: Oracle XML Gateway Webサービス機能はOracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイに対して依存性があります。Oracle E-Business Suiteの統合SOAゲートウェイ・リリース12.2は、Oracle SOA SuiteおよびOracle Adapter for Oracle Applications (非公式にOracle E-Business Suiteアダプタとも呼ばれます)に対して製品依存性があります。Oracle E-Business Suite Integrated SOA Gatewayのインストール, リリース12.2 (文書ID: 1943221.1)を参照してください。
Oracle Application Object Library
GUESTアカウントが有効かつアクティブであり、GUESTアカウントのfnd_user USER_IDの値が6に設定されていることを確認してください。
これらのタスクは、Customer Relationship Management製品を使用している場合にのみ完了してください。
Channel Revenue Management
これらのタスクはChannel Revenue Managementを使用している場合に実行します。
ChRM表からのすべてのGLインタフェース・データを処理します。
適用対象: リリース12.0.4、12.0.6、12.1.1および12.1.2
コンカレント・プログラム「GLへ転送」を実行して、すべての達成割戻および要求インタフェース・データをChRMインタフェース表からGeneral Ledgerに転送します。リリース12.2へのアップグレード後、これらのインタフェース表は廃止され、補助元帳アーキテクチャの移行関連インタフェース表に置き換えられます。
これらのタスクは、システムで有効になっているFinancialsおよびProcurement製品に対してのみ完了してください。
Advanced Collections
このタスクは、Oracle Advanced Collectionsと戦略を使用している場合にのみ実行してください。
戦略ワークフローのチェック
適用対象: リリース12.0および12.1レベル。
R12.0.Xからアップグレードする場合は診断スクリプト・パッチ13027498:R12.IEX.A、12.1.Xからアップグレードする場合は13027498:R12.IEX.Bを適用します。このパッチには、回収戦略ワークフローのスクリプトが含まれています。
「回収エージェント」職責からユーザー名SYSADMINを使用して、次の項目タイプに対してスケジュールされている「ワークフロー・バックグラウンド・プロセス」コンカレント・プログラム要求をすべて停止します。
IEXSTRY - IEX: 回収戦略ワークフロー
IEXSTFFM - IEX: 戦略資料送付メーラー
IEXSTRCM - IEX:戦略カスタム・ワークフロー
スクリプト$IEX_TOP/patch/115/sql/iexswowf.sqlを実行し、ワークフローなしで実行している戦略を確認して消去します。このスクリプトには、監査表およびログ用に、FNDユーザー名と職責の2つのパラメータが必要です。たとえば、次を使用してこのスクリプトを実行できます。
ユーザー名: SYSADMIN
職責: 回収エージェント
スクリプト$IEX_TOP/patch/115/sql/iexstorg.sqlを実行し、IEX_STRATEGIES表内のOrg_ID列を更新し、営業単位別に戦略を操作します。このスクリプトを実行するためのパラメータはありません。
Subledger Accounting
このタスクは、Oracle Subledger Accountingを使用している場合にみ実行してください。
EBRを有効化する前に以前の「会計の作成」プロセスからの拡張キューをクリーン・アップします。
適用対象: リリース12.0および12.1レベル。
リリース12.0.xからアップグレードする場合はパッチ13420532:R12.XLA.A、リリース12.1.xからアップグレードする場合はパッチ13420532:R12.XLA.Bを適用して、以前の「会計の作成」プログラムのプロセスによって作成された一時拡張キューをクリーン・アップします。完了済の「会計の作成」プロセスの保留拡張キューは、アップグレードに関する問題は起きませんが、EBR用にクリーン・アップする必要があります。
注意: アップグレード前のシステムがオンラインである間は、このアップグレード前のステップを実行できます。
シード済API/行ハンドラにマップされたカスタム・データベース・オブジェクトはすべて、LONG/LONG RAWからCLOBに変更する必要があります。
LONGおよびLONG RAWデータ型は、リリース8iのデータベース・グループによって廃止になり、CLOBデータ型に置き換えられています。LONGおよびLONG RAWは、下位互換性のみを目的として有効なデータ型として保持されており、多くの制限があります。リリース8i以降の多くのデータベース機能はLONGおよびLONG RAWデータ型をサポートしておらず、新しいテクノロジへのアップグレードの妨げとなります。特に、オンライン・パッチの場合、LONGおよびLONG RAW列はデータベース・トリガーで参照できません。つまり、オンライン・パッチではクロス・エディション・トリガーを使用してデータがアップグレードされるため、LONGおよびLONG RAW列はこのソリューションを使用してパッチを適用することはできません。RUNエディションのシード・データに対する変更は、PATCHエディションに伝播できません。これは、クロス・エディション・トリガーを使用して同期化されるためです。このため、データベース・オブジェクト/Oracle Forms/JAVAページ/PRO C/APIプログラムはすべて、以前に使用していたLONGおよびLONG RAWデータ型からCLOB型を使用するように変更されています。
しかし、Oracleでは、LONG/LONG RAWデータ型とLOBデータ型間の暗黙的な変換を用意しています。ただし、この変換には1つの制限があります。LOBの最大サイズはデータベース・ブロック・サイズに応じて128 TBであり、LONGの最大サイズは2 GBです。2 GBを超えるデータがCLOBデータ型からLONG/LONG RAWデータ型に割り当てられると、VALUE_ERROR例外が発生します。シード・データベース・オブジェクト/Oracle Forms/JAVAページ/PRO Cコード/APIはすべて、CLOBデータ型を使用するよう変更されており、より多くの記憶領域を提供します。古いLONG/LONG RAWデータ型を使用し続ける記憶領域の少ない古いカスタム・プログラムにこれらの新しい大きな値が渡されると、例外エラーが発生します。
この拡張は、ユーザー・フック・プリプロセッサ、ビジネス・イベント・プリプロセッサおよびData Pumpプリプロセッサの機能に影響します。LONGパラメータを含み、シード済API/行ハンドラにマップされたプロシージャ/UDFを識別するには、次のスクリプトを使用することをお薦めします。
SELECT
package_name
,object_name
,argument_name
,data_type
FROM all_arguments
WHERE (package_name,object_name) IN
(
SELECT
call_package
,call_procedure
FROM hr_api_hook_calls
)
AND data_type = 'LONG';
すべてのデータベース・オブジェクトが識別されたら、データ型をCLOBに変更してください(Oracle E-Business Suite開発者ガイドを参照)。
この項のタスクは、Oracle Supply Chain Management製品を使用している場合にのみ必須です。
Install Base
Oracle Install Baseを使用している場合は、これらのタスクを実行します。
ユーザー定義導入ベース取引サブタイプが破損しているかどうかの確認
適用対象: リリース12.1
リリース12.1からアップグレードしている場合は、ユーザー定義導入ベース取引サブタイプが破損していないかどうかを確認します。追加の導入ベース取引サブタイプまたはユーザー定義導入ベース取引サブタイプに対する変更がみつかった場合は、リリース12.2にアップグレードする前にそれらを修正する必要があります。手順は、Generic Datafix For Installed Base Transaction SubTypes Data Corruption Caused by csitxnst.ldt(文書ID: 1681308.1)を参照してください。
Order Management
Oracle Order Managementを使用している場合に、これらのタスクを実行します。
NULL化可能保留エンティティIDの確認
適用対象: リリース12.1
リリース12.1からアップグレードしている場合は、NULL化可能保留エンティティIDを確認し、それをNOT NULLに修正する必要があります。パッチ14191792:R12.ONT.Bのreadmeに記載されている指示に正確に従ってください。
Product Hub
Oracle Product Hubを使用している場合に、これらのタスクを実行します。
「梱包階層」構成タイプの使用
適用対象: リリース12.0
リリース12.0の「梱包階層」構成タイプを使用していた場合、アップグレード・プロセスではこの構成タイプの優先梱包構成のみが移行されることに注意してください。複数の梱包構成を定義してあり、これらすべてを移行する場合は、これらを他の構成タイプに転送することによってシステムに格納することを検討してください。この時点で、これらは梱包ではなく標準構成タイプとして処理されます。
品目のユーザー定義属性データのバックアップ
適用対象: リリース12.0
リリース12.2では、品目のユーザー定義属性を格納するデータ・モデルに対して大幅な変更が用意されています。これらの変更を自動的に管理するためにアップグレード・スクリプトが用意されています。ただし、アップグレード中にこれらのスクリプトが失敗した場合、データが失われる可能性があります。アップグレードを進める前に次の表をバックアップすることをお薦めします。
EGO_MTL_SY_ITEMS_EXT_B
EGO_MTL_SY_ITEMS_EXT_TL
アップグレードが完了し、品目の事前アップグレードUDAデータを機能的に検証した後、バックアップを破棄できます。これは、リリース12.0からリリース12.2にアップグレードしている場合にのみ必須です。
重複レコードの確認
適用対象: リリース12.0および12.1
次の問合せを実行し、出力を検証します。
SELECT COUNT(1)
FROM SYS.ALL_IND_COLUMNS
WHERE INDEX_NAME = 'EGO_MTL_SY_ITEMS_EXT_B_U2'
AND COLUMN_NAME = 'UNIQUE_VALUE'
AND INDEX_OWNER = 'EGO';
前述の問合せの出力として'0'が返された場合、次のステップを実行します。
ego_mtl_sy_items_ext_b表のバックアップを作成します。
ノートID: 953449.1を参照し、「ソリューション - データ修正」の項の「識別スクリプト」列に示されているスクリプトを実行して、重複レコードを識別します。
重複レコードがある場合は、適切なベース・バージョンの「ソリューション - データ修正」の項の「修正」列に示されているスクリプトを実行して、重複レコードを削除します。
注意: リリース12.2にアップグレードする前に重複レコードを消去する必要があります。重複レコードの消去に関するヘルプが必要な場合は、Oracle Supportに連絡してください。
オープン新規品目要求(NIR)の管理
適用対象: リリース12.0
リリース12.0と12.2では新規品目要求(NIR)が大幅に変更されているため、アップグレード前に既存のすべてのNIRをクローズする必要があります。たとえば、NIRを「実施済」または「却下済」に変更してクローズします。これは、リリース12.0からリリース12.2にアップグレードしている場合にのみ必須です。
SYS、修正済オブジェクトおよびディクショナリ統計の収集(必須)
すべてのステップを'SYSDBA'ユーザーとして実行します。
SYSスキーマ統計の収集:
begin
dbms_stats.gather_schema_stats(
'SYS',
options=>'GATHER STALE',
estimate_percent =>
DBMS_STATS.AUTO_SAMPLE_SIZE,
method_opt => 'FOR ALL COLUMNS SIZE AUTO',
cascade => TRUE);
end;
/
修正済オブジェクトおよびディクショナリ統計
これらは、事前アップグレード環境で以前に収集、修正され、最新のものになっている必要があります。
exec dbms_stats.gather_fixed_objects_stats;
exec dbms_stats.gather_dictionary_stats;
追加情報: Oracle E-Business Suite リリース12.2.nのアップグレードによる停止時間を最小化するためのベスト・プラクティスを参照してください。
適用対象: リリース12.0および12.1
スキーマ統計はFND_STATSプロセスにより収集されます。このプロセスを実行するには「スキーマ統計の収集」コンカレント・プログラムを実行します。
注意: 通常の操作中は、コスト・ベース・オプティマイザによって最適なSQL実行計画が生成できるように、スキーマ統計を定期的に収集する必要があります。アップグレードの準備中、統計の収集は、アップグレードに伴う停止時間を開始する前に実行する最終タスクの1つとする必要があります。これにより、最新の統計が得られるようになります。
リリース12のAPPL_TOPから、次のステップを実行します。
システム管理者としてOracle E-Business Suiteにログインします。
「要求の発行」ウィンドウ(「要求」>「実行」)にナビゲートします。
「スキーマ統計の収集」プログラムを発行します。
または、次のプロシージャを手動で実行します。
FND_STATS.GATHER_SCHEMA_STATISTICS('ALL', 10, :parallel_degree, 'NOBACKUP', NULL, 'LASTRUN', 'GATHER AUTO', 10, 'N');
この場合、parallel_degreeは、使用インスタンスのデータベース初期化(init.ora)パラメータparallel_max_serversの値に設定されます。
FND_STATS.GATHER_SCHEMA_STATISTICSのパラメータは、次のとおりです。
FND_STATS.GATHER_SCHEMA_STATISTICS (<schema name>, <estimate percent>, <degree of parallelism>, <backup flag>, <restart request ID, if applicable>, <history mode>, <gather options>, <modifications threshold>, <invalidate dependent cursors>);
「スキーマ統計の収集」コンカレント・プログラムおよびFND_STATS.GATHER_SCHEMA_STATISTICSプロシージャの詳細は、Oracle E-Business Suiteメンテナンス・ガイドを参照してください。
スキーマ名を「ALL」に設定して、すべてのOracle E-Business Suiteスキーマ(FND_PRODUCT_INSTALLATIONS表にエントリを持つ)に関する統計を収集します。このプログラムでは、索引および表レベルの統計のみでなく、FND_HISTOGRAM_COLS表にリストされるすべての列に対する列レベルのヒストグラム統計も収集されます。
注意: GATHER AUTOオプションを使用することをお薦めします。このオプションを使用すると、以前に統計が収集されていないオブジェクトや、前回の実行以降に行が大幅に変更されたオブジェクトに関する統計が収集されます。デフォルトは10%です。
データベースのサイズおよび変更回数に応じて、スキーマ統計の収集には時間がかかる場合があります。GATHER AUTOオプションを使用する場合、増分アプローチが使用されるため、全体的な処理時間を短縮できます。
すべてのスキーマを対象として10%のスキーマ統計を収集してから特定のスキーマまたは表に対してより高い率で再収集する場合、パフォーマンスの低下を回避するために、最初にこのアプローチを続行する必要があります。パフォーマンス・テスト・フェーズ中にこのプロセスを確認してください。
事前アップグレード・ステップが完了したら、GATHER AUTOオプションおよびDBMS_STATS.AUTO_SAMPLE_SIZE機能(Oracle Database 11gR1以降で使用可能)の使用を検討してください。AUTOサンプル・サイズ機能では、データ・スキューが考慮されるため、より高いパーセントでスキーマ統計を収集せずに済む場合があります。また、多くの場合は、10-20パーセントで手動アプローチを使用する場合と同じ時間がかかります。「統計の収集」コンカレント・プログラムを起動する場合、estimate_percentパラメータは空白のままにすることをお薦めします。estimate_percentパラメータのデフォルト値は自動的に選択されます。値を指定すると、指定した率で統計が収集されます。データベース・バージョンが11g以降である場合、このパラメータのデフォルト値はdbms_stats.auto_sample_sizeです。(以前のリリースでは10%に設定されていました。)
注意: 詳細は、Oracle E-Business Suite概要の問合せの最適化を参照してください。
既存のORACLE HOMEの使用オプションを使用してアップグレード・モードでRapid Installを実行する予定の場合、次のようにデータベースORACLE_HOME/appsutilにJREをインストールする必要があります。
最新のJRE 7アップデートをダウンロードします。最適な安定性、パフォーマンス、拡張性およびOSベンダーのサポートを得るには、Oracle E-Business Suiteデータベース層で入手可能な最新のJREアップデートを使用します。JREのダウンロード場所は、http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlです。
注意: Java SE Development Kit (JDK)はダウンロードしないでください。プラットフォーム固有のJREおよびインストールに関する追加情報をダウンロードするには、Using JDK 7.0 Latest Update with Oracle E-Business Suite Release 12.2(文書ID 1530033.1)を参照してください。
Oracle E-Business Suiteリリース12.2のデータベース初期化パラメータに記載されている指示に従い、必要に応じてinit.oraパラメータを再設定してください。
適用対象: すべての12.0および12.1リリース
Rapid Installウィザードを使用してファイル・システムを配置し、リリース12.2のOracle E-Business Suiteシステム用の新しいテクノロジ・スタックをインストールします。このウィザードでは、構成パラメータが収集され、アプリケーション・ファイル・システムの構成ファイル(config.txt)に格納されます。Rapid Installを実行すると、これらの値を使用してファイル・システム構造とテクノロジ・スタック・コンポーネントが構成に応じて配置されます。実行時には、システムを記述する全パラメータを含むコンテキスト・ファイル(<CONTEXT_NAME>.xml)が作成されます。このコンテキスト・ファイルは、AutoConfigによって作成および管理されます。AutoConfigは、Oracle E-Business Suite環境の構成管理タスクを簡素化および標準化するツールです。リリース12.2のフレッシュ・インストールには、AutoConfigは標準(および必須)構成管理ツールとして含まれています。
注意: AutoConfigの詳細は、Oracle E-Business Suiteセットアップ・ガイドを参照してください。AutoConfigに必要な該当するステップをすべて完了してください。
新規システム用の環境を準備するには、Oracle E-Business Suiteインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法の第1章に記載されている指示に従ってください。ポート指定、既存および新規データベース・ノードの摘要(マウント・ポイントなど)、ユーザー名とパスワード、製品ライセンス・タイプ、国際化設定と言語設定、システムの他のノードのマウント・ポイントなど、システムに関する基本情報を指定するよう求められます。
注意: ステージ領域として、ネットワーク・アタッチト・ストレージ・デバイス(NFSにマウントされたディスク・ボリュームなど)を使用できます。ただし、インストールの失敗またはパフォーマンスに関する問題を回避するために、正しいマウント・オプションを使用する必要があります。My Oracle Support Knowledge Document 359515.1のMount Options for Oracle Files When Used With NAS Devices、およびドキュメント1375769.1のSharing The Application Tier File System in Oracle E-Business Suite Release 12.2を参照してください。
コマンドラインに「rapidwiz」と入力してRapid Installを起動します。「Welcome」画面に、このリリースのOracle E-Business Suiteに同梱されている、またはサポートされているコンポーネントが表示されます。「Next」をクリックします。
「Wizard Operation」画面で、「Upgrade to Oracle E-Business Suite Release 12.2」を選択します。「Next」をクリックします。
「Select Upgrade Action」画面で、「Create Upgrade File System」を選択します。
関連する画面フローで、新しい環境の設定に必要なパラメータを入力します。次に、Rapid Installを実行します。
注意: Oracle E-Businessインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法には、新規インストールとアップグレードの両方におけるRapid Installの実行方法の完全な指示が記載されています。アップグレードの実行に固有の情報は、第3章に記載されています。
「構成」オプションを使用してRapid Installを実行し、R12.2のアップグレード・パッチ適用後の構成を完了します。
重要: アップグレード・モードでRapid Installを完了した後、DB層の<CONTEXT_FILE>で、DBFがある適切なデータ・ファイルの場所をコンテキスト変数s_dbhome1、s_dbhome2、s_dbhome3、s_dbhome4、s_archive_destの値が指し示しているとともに、s_baseが適切な場所を指し示していることを確認してください。そうでない場合は、DB層の<CONTEXT_FILE>を更新してください。
重要: APPSユーザー・パスワードがデフォルトではない場合、rapidwizをサイレント・モードで使用してアップグレード・ファイル・システムを配置することはできません。
PL/SQLベースのコンカレント要求のためのAPPLPTMPとUTL_FILE_DIRの値の同期化(必須)
コンカレント処理(CP)では、utl_fileパッケージを使用して出力およびログ・ファイルを作成するPL/SQLが(データベース内で)実行される場合があります。すべてのCPノード上で、$APPLPTMP環境変数が、データベースのinit.oraのUTL_FILE_DIRパラメータにリストされた最初のディレクトリに設定されていることを確認してください。RACデータベースを使用している場合、$APPLPTMP環境変数はすべてのRACノードで参照可能な共有ファイル・システム上のディレクトリを指す必要があります。これにより、CPではPL/SQLにより作成された出力およびログ・ファイルを確実に検出できます。
適用対象: すべての12.0および12.1リリース
Oracle E-Business Suiteデータベースのコールド・バックアップを作成します。アップグレード・プロセス中に問題が発生した場合は、このバックアップを使用してデータベースをアップグレード開始前と同じ状態にリストアできます。
注意: データベースの停止にはNORMALオプションを使用してください。IMMEDIATEまたはABORTオプションを使用すると、データベースをバックアップからリストアできない場合があります。
Oracle 11gリリース2 (11.2.0.4)以降へのデータベースの移行またはアップグレード(必須)
適用対象: すべての12.0および12.1リリース
まだ実行していない場合、アップグレードに伴う停止時間の前に、すぐに本番データベースを11gリリース2 (11.2.0.4)以降にアップグレードできます。Oracle E-Business Suiteリリース12.2へのアップグレードのデータベース準備ガイドライン(文書ID: 1349240.1)に記載されている指示に従ってください。
注意: 10gまたは9iから11gR2または12cR1にアップグレードしている場合は、パラメータsec_case_sensitive_logonを次のように設定する必要があります。
リリース12.0以降をベースとした環境では、11204と12cの両方について、sec_case_sensitive_logonをFALSEに設定する必要があります。さらに、12cでは、sqlnet_ifile.oraにSQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVER = 8が指定されている必要があります。
リリース12.1以降をベースとした環境(11204と12cの両方)では、これをTRUEまたはFALSEのいずれに設定するかを選択できます。trueの場合は、追加のパッチ12964564を適用して、Patch 12964564:R12.FND.B - Enabling the Oracle Database 11g Case-Sensitive Password Feature for Oracle E-Business Suite Release 12.1.1+(文書ID: 1581584.1)に記載されている指示に従う必要があります。
さらに、12cでは、このパラメータの値がTrueまたはFalseのいずれであるかに応じて、SQLNET.ALLOWED_LOGON_VERSION_SERVERのsqlnet_ifile.oraの値が次のように変更されます。
FALSEの場合、値 = 8
TRUEの場合、値= 10
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