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Oracle Applications概要
リリース12
E05390-02
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ネットワーク・トポロジ

概要

大企業は、グローバルなITインフラストラクチャを実装する方向に動いており、ネットワーク・トポロジの選択は、これまで以上に重要になります。この項では、パフォーマンスに影響を与える可能性のある最も重要な戦略的要素について説明します。

戦略

ワールドワイドな巨大組織は、一般的に、大容量のリンクが地域ハブに、中容量接続が地域ハブから地方のオフィスにつながった「ハブ&スポーク」ネットワークを利用します。地域ハブの場所は、組織のニーズ、回線業者の可用性、価格、およびネットワーク待ち時間を基に決定される必要があります。ルートおよびホップは、実用に即していると同時に短く効率的である必要があります。Oracle E-Business Suiteのネットワーク設計は、多数のユーザーのニーズを基準にする必要があります。サテライト・ユーザーなどは通常、少数です。

注意: ロード・バランスにおける異なるネットワーク・レイヤーの影響については、OracleMetaLinkのNote 380489.1の「Using Load-Balancers with Oracle E-Business Suite Release 12」を参照してください。

待ち時間

待ち時間は、パケットがソースから目的地に移動するための時間であり、ネットワークの効率性を決定する主要要因です。Oracle E-Business Suiteは通常、平均300ミリ秒までの待ち時間ではきわめて正常に機能し、500ミリ秒までの待ち時間では許容可能なパフォーマンスを提供します。待ち時間が許容の限界の場合には、起動時などのフォームのロード時間が問題になる可能性があります。このような場合には、より新しいHTMLベースのOracle Applications(Formsを使用しない)が、従来のFormsベースのOracle Applicationsよりもパフォーマンスがよい場合があります。

サテライト・リンク

Oracle E-Business Suiteでは、サテライト・リンクが使用できます。これは単に別のネットワーク・タイプと考えられており、遠隔地にいるユーザーには唯一の選択肢になる場合があります。しかし一般的には、これは、地上でのサービスの使用が不可能な場合にのみ採用する必要があります。

サテライト・リンクを使用する場合、ネットワーク・スペシャリストがネットワーク・スタックを検査し、チューニングして、確実にデバイスのタイムアウト設定などが最適設定されるようにする必要があります。目的は、許容可能な応答時間を維持しながら、信頼できる運転を実現することです。

ワイヤレスLAN

一部の組織にとって、ワイヤレス・テクノロジへの関心は高まり、有用なものになっています。しかし、配置する際には、注意深く計画する必要があります。ワイヤレスを使用した際のセキュリティ面の他にも、いくつかの技術的な考慮事項があります。Oracle E-Business Suiteの場合、最も重要な問題は、接続の安定性です。ワイヤレスLANの使用中に、ドロップアウト(一時的なサービスの喪失)を経験するのは、まれなことではありません。これは、最新のファームウェア改訂を使用していないことや、同じ周波数を使用するコードレス電話などのデバイスから干渉を受けることが原因で起こる場合があります。

ワイヤレスLANは、有用であるかぎり、単に別のネットワーク・トポロジとして考えられ、サポートされるわけでもされないわけでもありません。したがって、Oracle E-Business SuiteのPCをワイヤレスLANで実行するのは可能です。ただし、問題発生時には、問題が通常のネットワーク・リンクを介した場合にも起こるのか、すなわち、原因がOracle E-Business Suiteにあるのか、それともネットワークにあるのかが判別可能であることが望まれます。ワイヤレスLAN環境では、ネットワークが中断した際に(構成パラメータを介して)再接続を試行するように設計されているForms Listener Servletアーキテクチャの使用が有用な場合があります。