Oracle Applicationsインストレーション・ガイド: Rapid Installの使用方法 リリース12 E05068-02 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
Oracle Applicationsリリース11iからリリース12にアップグレードする際に、アップグレード前およびアップグレード後の両方の処理にRapid Installが使用されます。この章では、アップグレードの概略と、Rapid Installに依存するアップグレード・ステップの詳細について説明します。
この章の構成は、次のとおりです。
システムのアップグレードの一環として、Rapid Installウィザードで構成パラメータを入力し、Rapid Installをアップグレード前のタスクの1つとして実行します。Rapid Installでは、入力したパラメータによってファイル・システムが作成され、新規テクノロジ・スタックがインストールされます。また、アップグレード前のタスクの1つとして、既存のデータベースをOracle10gリリース2に移行またはアップグレードする必要があります。
アップグレード前のタスクを完了した後、AutoPatchを実行して、データベースを最新のリリース・レベルに更新するアップグレード・ドライバを適用します。データベース・アップグレードを完了した後、Rapid Installを再度実行してサーバーおよびサービスを構成し、起動します。
注意: この章の指示は、Oracle Applicationsリリース11iからのアップグレードにのみ適用されます。それより前のリリースを使用している場合は、リリース12にアップグレードする前にリリース11iにアップグレードする必要があります。
通常、関連マニュアルの説明に従って、次のタスクを実行する必要があります。
『Oracle Applicationsリリース・ノート』、『Oracle Applications NLSリリース・ノート』、『Oracle Applications Installation Update Notes』、『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』およびこのマニュアルなど、現行リリースに関連するすべてのマニュアルを読み、内容を理解します。これらのマニュアルはすべて、Oracle Applications Documentation LibraryまたはOracleMetaLinkから入手できます。
『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』の付録に記載されている機能の変更点情報と、停止時間の短縮とアップグレード後のデータの検証に関する提案を検討します。
『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』に記載されているアップグレード前のステップを完了します。
指示されている場合は、この章の説明に従ってRapid Installを実行し、「Create Upgrade File System」オプションを使用します。Rapid Installでは、新しいアプリケーション・ファイル・システムおよびRDBMS用の新しいORACLE_HOMEが作成され、その他のテクノロジ・スタック・コンポーネントがインストールされます。
『Oracle Applications Upgrade Guide』に記載されているアップグレード前のタスクを完了した後、第3章の指示に従って必須のアップグレード前パッチを適用し、アップグレード・ドライバを実行して製品をアップグレードします。
『Oracle Applications Upgrade Guide』に記載されているアップグレード後の指示に従います。指示されている場合は、この章に戻って再度Rapid Installを実行し、サーバー・プロセスを構成して起動します。
『Oracle Applications Upgrade Guide』に記載されている残りのタスクを完了します。
『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』で指示されている場合は、後述のようにRapid Installを実行します。概要に続いて、マルチノード・アップグレードの詳細および例が記載されています。
構成の設定
前の項で説明したように、Rapid Installではアップグレード時に2つの機能が実行されます。この項では、2つのうち1つ目の機能について説明します。この機能では、Rapid Installで新しいファイル・システムの作成および新規テクノロジ・スタックのインストールに必要となる構成値を指定します。
注意: 『Oracle Applications概要』の「アプリケーション・ファイル・システム」を参照してください。
「スタート・ガイド」の「インストール前のステップ」の指示に従います。その後、次のタスクを実行します。
コマンド・プロンプトにrapidwizと入力してウィザードを起動します。「Welcome」画面が表示されます。
この画面には、このリリースのOracle Applicationsに含まれる、またはこれによってサポートされるコンポーネントが表示されます。すべてのコンポーネントを表示するには、スクロールバーを使用します。
アップグレードの場合は、Rapid InstallによりOracle10g リリース2(10.2.0.2)RDBMSのORACLE_HOMEがデータベースなしでインストールされます。このOracleホームを使用して、既存のデータベースをOracle10g リリース2にアップグレードまたは移行できます。
この画面は参照用です。処理は必要ありません。「Next」をクリックして続行します。
ウィザード操作の選択
「Select Wizard Operation」画面を使用して、Rapid Installで実行する処理を指定します。新規インストールおよびアップグレードのどちらもこの画面から開始します。選択した処理に基づき、Rapid Installウィザードは該当する画面フローに進みます。
可能な処理は次のとおりです。
Install Oracle Applications Release 12
この処理では、新規の完全に構成されたシステムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。Rapid Installウィザードで入力して構成ファイル(conf_<SID>.txt)に保存したシステム固有の構成パラメータから、構成が導出されます。
注意: 新規インストールについては、「標準インストール」のステップを参照してください。
Use Express Install
この処理では、完全に構成されたシングルユーザー/シングルマシン・システムが、フレッシュ・データベースまたはVision Demoデータベースとともに設定されます。データベースのタイプと名前、最上位インストール・ディレクトリおよびポート設定の増分など、いくつかの基本パラメータを指定します。残りのディレクトリおよびマウント・ポイントは、Rapid Installによりデフォルト値を使用して指定されます。
注意: このオプションについては、「標準インストール」の「簡易インストール」のステップを参照してください。
Upgrade to Oracle Applications Release 12
このオプションを選択すると、アプリケーション製品を現行バージョンのOracle Applicationsにアップグレードすることが指定されます。ウィザードの画面フローでは2つの方法が示されます。ファイル・システムを作成して新規テクノロジ・スタックをインストールする方法と、サーバーを構成してサービスを開始する方法です。
以降のステップでは、システムをアップグレードするための情報をウィザードに入力します。「Upgrade to Oracle Applications Release 12」を選択します。次に、「Next」をクリックして続行します。
Oracle Configuration Managerオプションの選択
Oracle Configuration Manager(OCM)は、Oracle製品のサポートを容易にするように設計されたオプション・コンポーネントです。OCMの初期画面は、Rapid Installの実行中に表示されます。「Accept」をクリックしてOCMの配置に進むか、「Decline」をクリックしてOCMの配置を拒否する必要があります。
重要: Oracle Configuration Managerを使用することをお薦めしますが、必須ではありません。「Decline」を選択した場合は、単にRapid Installが続行されます。
OCMにより、OracleおよびOracleを実行中のマシンの主要な統計が継続的に記録されます。Configuration Managerにより収集されたデータは、セキュアHTTPSを介してOracleサポートに送信され、Oracleサポートはデータに基づいてOracleインスタンスの更新後のビューを保守できます。
OCMは最小限のCPUリソースを消費する軽量エージェントであり、インストール済コンポーネントおよび構成情報の自動検出をサポートしているため、サポート関連事項の解決所要時間が短縮され、事前の問題回避が容易になります。
注意: OCMの詳細は、OracleMetaLinkにログオンし、「Oracle Configuration Manager」タブと「Download Collector」を順番に選択し、「Before Getting Started」という見出しの下のリンクを参照してください。
Oracle推奨オプションである「Accept」を選択すると、OCM画面が表示されます。
この画面で、顧客サポート識別子(CSI)、OracleMetaLinkアカウントの詳細および国名を入力するように要求されます。必要に応じて、Oracle Configuration Manager用にプロキシ・サーバーを使用可能にできます。このオプションを選択した場合は、使用するサーバー名とポート番号を指定する必要があります。
アップグレード・オプションの選択
「Select Upgrade Action」画面では、アップグレード・システム用のアップグレード・ファイル・システムを作成するか、またはアップグレード・インスタンスを構成するかを選択します。
アップグレードに関連する処理は、独立したRapid Installセッションで次のように実行されます。
Create Upgrade File System
『Oracle Applications Upgrade Guide』でアップグレード前のステップとしてRapid Installを実行するように要求されている場合は、このオプションを選択します。このオプションに関連するウィザードの画面フローでは、システムの構成パラメータが収集され、これらのパラメータがアプリケーション・データベースに格納されます。Rapid Installを実行すると、AutoConfigにより、ユーザーの構成にあわせたファイル・システム構造およびテクノロジ・スタック・コンポーネントの作成にこれらの値が使用されます。また、Rapid Installを実行すると、ユーザーのシステムを詳細に指定するすべてのパラメータが含まれるコンテキスト・ファイル(<CONTEXT_NAME>.xml)が作成されます。このコンテキスト・ファイルはAutoConfigによって作成および管理されます。
Configure Upgraded Release 12 Instance
『Oracle Applications Upgrade Guide』でアップグレード後のタスクとしてRapid Installを実行するように要求されている場合は、このオプションを選択します。関連する画面フローでは、Rapid Installを最初に実行したときにAutoConfigにより作成されたコンテキスト・ファイル(<CONTEXT_NAME>.xml)の名前を指定します。今回は、AutoConfigにより、サーバーの構成およびサービスの起動にコンテキスト・ファイル内の値が使用されます。
「Create Upgrade File System」を選択し、「Next」をクリックします。
グローバル・システム設定の指定
「Global System Settings」画面で、ポート・プールと個別ポート値(必要な場合)を選択して、システムに必要なポート使用を指定します。
選択後、「Next」をクリックして続行します。
データベース・ノード構成の指定
「Database Node Configuration」画面で、既存のデータベースの詳細を指定します。
「Database SID」フィールドに、Rapid Installで既存のデータベースの識別に使用する名前を入力します。この名前は英数字で8文字以内で、1文字目には数字を使用できず、空白を含めることもできません。Rapid Installにより、この名前がネット・サービス構成およびinit.oraファイルに記録されます。
有効なドメイン名を入力します。この値をホスト(マシン)名と組み合せることで、完全修飾ドメイン名(FQDN)となる必要があります。たとえば、ホスト名がapps1でドメイン名がcompany.comであれば、FQDNはapps1.company.comとなります。
必要な詳細をすべて入力した後、「Next」をクリックして続行します。
「Review Application User Information」画面に、ウィザードによってアプリケーション・ユーザー用に割り当てられたユーザー名およびデフォルトのパスワードが表示されます。
重要: 続行する前に、既存のシステムの実際のパスワードを記録してください。
スクリーンショットのように、ユーザー名とそれぞれのデフォルト・パスワードは、「APPS Username」(APPS)、「APPS Password」(APPS)、「GWYUID Username」(APPLSYSPUB)、「GWYUID Password」(PUB)、「Guest Username」(GUEST)および「Guest Password」(ORACLE)です。
テキスト・フィールドに入力することで、この画面のすべてのパスワードを既存のシステムのパスワードにあわせて変更します。ウィザードにより、この情報が構成ファイルに格納されます。
警告: この情報を正確に記録しないと、アップグレードに失敗する可能性があります。
「Next」をクリックして続行します。
「Select Internationalization Settings」画面には、NLS機能を必要とするシステムの設定が表示されます。
選択した言語により、ベース言語、地域およびキャラクタ・セットなど、システムで必要なその他のNLS関連構成パラメータに使用可能なオプションが決定されます。
「Available Languages」ボックスで言語をダブルクリックして「Selected Languages」ボックスに移動するか、または言語を強調表示して右矢印(>)をクリックします。「Selected Languages」ボックスで言語を強調表示し、左矢印(<)をクリックすると、その言語は削除されます。1回の処理ですべての言語を選択するか、または選択を解除するには、二重矢印(>>または<<)を使用します。
注意: 「Selected Languages」ボックスからアメリカ英語を削除することはできません。
言語のインストールを完了するには、場合によって追加タスクを実行する必要があります。詳細は、『Oracle Applications NLSリリース・ノート』を参照してください。最初のインストールまたはアップグレードの後いつでも、追加言語を登録できます。『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド - 構成』の言語の登録に関する項を参照してください。
この画面には、次の段落で説明するRapid Installのデフォルトが表示されます。
「Selected Languages」: 既存のシステムに他のアクティブな言語がある場合は、デフォルトを変更し、既存データベースのキャラクタ・セットを反映する言語を追加できます。
「Default Territory」: このフィールドは「AMERICA」に設定されており、アップグレード時も変更できません。システム管理者は、必要に応じてアップグレード後にこの値を変更できます。
「Database character set」および「APPL_TOP character set」: 「Select Additional Languages」画面で指定したアクティブな言語と互換性のある共通キャラクタ・セットにデフォルト設定されます。既存のシステム内のキャラクタ・セットでない場合、ドロップダウン・リストから正しいキャラクタ・セットを選択します。
「IANA character set」: Internet Assigned Numbers Authorityキャラクタ・セットは、Webサーバーで使用される、インターネットで割り当てられる標準キャラクタ・セットです。詳細は、http://www.iana.org/assignments/character-setsを参照してください。
必要に応じてこの値を変更し、既存のシステムで使用されているキャラクタ・セットを指定します。「Next」をクリックして続行します。
主アプリケーション・ノード情報の入力
これまでに、RDBMSの最上位ディレクトリおよびマウント・ポイントを指定しました。ここで、主アプリケーション・ノードに関連付けられた最上位ディレクトリおよびサブディレクトリを指定する必要があります。
デフォルト・ディレクトリでは、Rapid Installを実行中のオペレーティング・システムの構文が使用されています。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力できます。
一部のフィールドはオペレーティング・システムに依存します。たとえば、「UNIX Toolkit directory」および「Visual Studio directory」は、Windows固有です。Windowsプラットフォームを使用している場合は、「UNIX Toolkit directory」フィールドにMKS(またはCygwin)ツールの場所を入力し、「Visual Studio directory」フィールドにVisual C/C++の実行可能ファイルとDLLの場所を入力します。UNIXシステムを使用している場合は、「Apps OS User」(アプリケーション・ノード・ファイル・システムおよびテクノロジ・スタックを所有するアカウント)および「Apps OS Group」(「Apps OS User」が属するグループ)の情報を入力します。
「Base directory」は、アプリケーション・ノードのマウント・ポイントを導出する際にRapid Installで使用される最上位ディレクトリです。デフォルトを受け入れるか、新しい値を入力できます。「Browse」をクリックして新しいパスにナビゲートし、必要なディレクトリをダブルクリックして選択します。
「Instance directory」(リリース12の新機能)には、実行時に生成されるファイル、ログ・ファイルおよび構成ファイルなど、インスタンス固有のファイルが格納されます。このフィールドではローカル・ディレクトリを指定できます(アクセスが高速になります)。共有ディレクトリになくてもかまいません。
「Edit Services」ボタンをクリックすると、このアプリケーション・ノードで有効化するサービスを選択できます。「Edit Paths」ボタンをクリックするとウィンドウがオープンし、1つ以上のアプリケーション・ノード・パスについて新しい値を指定できます。
グローバル設定の確認
Rapid Installでは、修飾ドメイン名の識別、およびシステムでサービスとリスナーの接続に使用されるポート設定の導出に、「Global Settings」画面で指定した値が使用されます。
「Add Server」ボタンをクリックし、追加する他のアプリケーション・ノードの詳細を入力し、入力完了後に「Next」をクリックします。
インストール前テスト結果の検討
構成ファイルに記述された構成の検証が開始されます。「Pre-Install Checks」画面に実行済のテストが表示され、それぞれに成否を示すマークが付けられます。
Rapid Installで検証されるパラメータは次のとおりです。
各テストの結果は、アイコンで示されます。次の3つのタイプがあります。
チェック・マーク
テスト結果に問題はありません。マークをクリックすると、実行されたテストの詳細が表示されます。
感嘆符(!)
構成の再検討が必要です。「!」をクリックすると、システム・テストの評価に関する情報を取得できます。問題を解決せずに先に進むと、警告が表示されます。
xマーク
xマークの付いた問題はすべて、インストールを続行する前に必ず解決する必要があります。「x」をクリックすると、エラー内容が表示されます。設定画面に入力した値を修正することで問題を解決できる場合は、「Back」をクリックして適切な画面まで戻り、値を再入力します。テストの中には、オペレーティング・システムでの解決が必要なものがあります。このケースでは、場合により、問題を修正した後でRapid Installウィザードを再度実行する必要があります。
注意: 「標準インストール」の「インストールの再開」を参照してください。
解決を要する問題がない場合は、「Next」をクリックして続行します。
Rapid Installでは、インストール・プロセスで実行される処理が表示されます。リストの内容は、選択したインストール内容に応じて異なります。
「Next」をクリックして続行します。警告画面が表示され、インストールを開始する準備ができたかどうか確認するよう要求されます。「Yes」をクリックして続行します。
Rapid Installにより、アプリケーション層用の新規ファイル・システムとデータベース用の10g リリース2のORACLE_HOMEが作成されます。
インストール進行状況のモニター
進捗バーのチェック
インストール中に、Rapid Installにメインの進捗バーと個々の進捗バーが表示されます。メインの進捗バーにはインストール全体の完了パーセントが表示されます。個々の進捗バーには各ステップの進行状況が表示されます。
重要: 画面上からすべての進捗バーが消えるまで、インストールは完了しません。
インストール後チェックの確認
処理が完了すると、Rapid Installに「Post-Install Checks」画面が表示されます。
テストが成功しない場合、画面に表示されたエラーを確認します。必要に応じて、「Back」ボタンをクリックして適切な画面に戻り、修正します。次に、「Retry」ボタンをクリックします。
エラーがない場合、「Next」をクリックします。表示された「Finish」画面では、インストール済のコンポーネントが表示され、アップグレードを完了するために実行する必要があるステップが示されます。この画面の情報を確認し、「Finish」をクリックしてRapid Installを終了します。
アップグレードの再開(必要な場合のみ)
インストール・プロセスが完了前に終了した場合は、問題を解決した後で再開して続行できます。
rapidwizコマンドに-restartを追加して、Rapid Installウィザードをコマンドラインから実行します。
Rapid Installの初期画面が表示されたときに開始時と同じ操作を選択し、「Next」をクリックします。
Rapid Installにより構成がアプリケーション・データベースおよびconf_<SID>.txtファイルに格納されているため、「Load Configuration」画面で「Load configuration file」を選択します。2度目はウィザード画面に入力する必要はありません。
アップグレード・タスクの続行
『Oracle Applications Upgrade Guide』に戻り、システムのマシンごとに残りのアップグレード前タスク、アップグレード・タスクおよびアップグレード後タスクを実行します。Rapid Installを実行してサーバー・プロセスを構成および起動するように指示された場合は、次の項の指示に従います。
マルチノード・アップグレード手順
複数のアプリケーション・ノードを含むリリース11iのシステム(Batch Processing ServicesとWeb Servicesが異なるサーバー上にある場合など)をアップグレードする場合、最初のサーバーのデータベース・ノードとアプリケーション・ノードに関する情報を入力してから、「Node Information」画面で「Add Server」ボタンをクリックして残りのノードを追加する必要があります。
次の例に、3ノード・システムのアップグレードと各サーバーで実行中のサービスを示します。
サーバーA: データベース・ノード: なし
サーバーB: 主アプリケーション・ノード: Batch Processing Services
サーバーC: 追加アプリケーション・ノード: Root Service Group、Web Entry Point Services、Web Application Services, Other Service Group
サーバーA(データベース・ノード)でRapid Installを実行し、「Upgrade File System」オプションを選択します。
サーバーAの必須情報を入力します。
主アプリケーション・ノード(サーバーB)の必須情報を入力します。 このノードは異なるマシンにあるため、ホスト名を適切に変更する必要があります。
「Edit Services」ボタンをクリックして、サーバーBの必須サービスを有効化します。この例では、「Batch Processing Services」のみを有効化する必要があります。
「Node Information」画面で、「Add Server」ボタンをクリックしてアプリケーション・ノードをもう1つ追加します。
追加アプリケーション・ノードであるサーバーCの情報を入力します。
「Edit Services」ボタンをクリックして、サーバーCの必須サービスを有効化します。この例では、「Root Service Group」、「Web Entry Point Services」、「Web Application Services」および「Other Service Group」を有効化する必要があります。
Rapid Installの続行
サーバーAのファイル・システムとして、データベース10g リリース2のORACLE_HOMEが作成されます。この時点では、このサーバーにアプリケーション・コンポーネントはインストールされません。
FTPを使用して、<10g ORACLE_HOME>/appsutil/conf_<SID>.txt構成ファイルを各アプリケーション・ノード(サーバーBおよびサーバーC)にコピーします。
次のように入力してサーバーBでRapid Installを実行します。
rapidwiz -silent -config <configuration file>
たとえば、次のようになります。
rapidwiz -silent -config /u01/PROD/conf_PROD.txt
サーバーBのファイル・システムには、Application Server 10.1.2、Application Server 10.1.3、APPL_TOP、COMMON_TOPおよびINST_TOPの最上位ディレクトリが格納されます。
次のように入力してサーバーCでRapidwizを実行します。
rapidwiz -silent -config <configuration file>
たとえば、次のようになります。
rapidwiz -silent -config /u01/PROD/conf_PROD.txt
サーバーCのファイル・システムには、Application Server 10.1.2、Application Server 10.1.3、APPL_TOP、COMMON_TOPおよびINST_TOPの最上位ディレクトリが格納されます。
2ノード・システム(データベース・ノードと単一アプリケーション・ノード)をアップグレードするには、ステップ5、6、7および11を省略して同様の手順を実行します。
ヒント: なんらかの理由でconf_<SID>.txtが使用できなくなった場合は、追加アプリケーション・ノードでRapid Installを再実行し、サーバーA、BおよびCについて異なるホスト名を入力できます。
ここでRapid Installを実行し、すべてのサーバー・プロセスを構成して起動します。
既存のインスタンスの構成
Rapid Installを以前実行した場合は、ウィザード画面に入力したシステム変数が構成ファイル(config.txt)に保存した特定の値と置き換えられ、インスタンス固有のコンテキストが作成および格納されています。この項では、Rapid Installがアプリケーション・コンテキスト・ファイルを指すように設定するため、Rapid Installではこのファイルの値を使用してシステムの構成プロセスを完了できます。
最初に、データベースおよびネット・サービス・リスナーが起動していることを確認します。次に、「Rapid Installウィザードの起動」の指示に従ってRapid Installを起動します。
「Select Wizard Operation」画面で、「Upgrade to Oracle Applications Release 12」オプションを選択し、アップグレードの実行を指定します。「Select Upgrade Action」画面が表示されます。
この画面で、「Configure Upgraded Release 12 Instance」を選択し、アップグレード・データベースのサーバーを構成および起動することを指定します。
コンテキスト・ファイルの名前および位置の指定
Rapid Installを以前実行した場合は、ウィザード画面に入力したシステム変数が構成ファイル(config.txt)に保存した特定の値と置き換えられ、システムが構成されています。この情報は、アプリケーション・コンテキスト・ファイル<CONTEXT_NAME>.xmlとして格納されています。
注意: 『Oracle Applications概要』のAutoConfigに関する項を参照してください。
Rapid Installがアプリケーション・コンテキスト・ファイルを指すよう設定するため、ディレクトリ・パスを入力します。コンテキスト・ファイルは、<APPL_TOP>/admin/<CONTEXT_NAME>.xmlに置かれています。ボックスにパスを直接入力するか、「Browse」をクリックし、ディレクトリのパスを強調表示します。
「Next」をクリックして続行します。
構成プロセスの開始
セキュリティ上の理由により、APPSパスワードはコンテキスト・ファイルに保存されていないため、「Review Application User Information」画面に、APPSパスワードの再入力を求めるプロンプトが表示されます。詳細は、「ユーザー名およびパスワード情報の確認」を参照してください。「Next」をクリックします。
Rapid Installにより、構成および起動されるコンポーネントおよびプロセスが通知されます。「Next」をクリックして続行します。すぐにインストールを開始するかどうかを確認するプロンプトに対して、「Yes」をクリックします。
サーバー・プロセスの制御スクリプトが作成されて、コンカレント・マネージャなどのサーバー・プロセスがすべて起動します。このプロセスが完了すると、ステップが完了したことを示す画面が表示されます。「Finish」をクリックしてRapid Installを終了します。アップグレードのこのフェーズは完了です。
次に、アップグレード後の必須タスクを実行する必要があります。
この章のステップを完了した後、『Oracle Applicationsリリース11iから12へのアップグレード・ガイド』に戻って残りのステップを完了します。
このマニュアルに戻って「終了タスク」を参照し、アップグレード・システムに適用する処理をすべて実行します。