Oracle Learning Managementユーザー・ガイド リリース12 E06052-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
テスト・ビルダーを使用すると、テストをコース内のトピックまたは独立したコースとして作成および管理できます。テストは学習者の業績、知識およびスキルを測定する手段です。テストは採点できる場合とできない場合があります。テストに合格点を指定して採点すると、採点結果に基づいて学習者の合否が決まります。採点しないテストはアンケート機能を提供できます。
注意: テスト・ビルダーは、アプリケーションに統合されており、アプリケーションの「オンライン学習」オプションが有効な場合は、すべての管理ユーザーが使用できます。ライセンスまたは個別のソフトウェアは必要ありません。
テストの構築プロセスは、次に示すタスク・サイクルに従います。
テスト構築プロセス
テスト・ビルダーを効果的に使用するには、次の主要な概念を理解していることが必要です。
テストを作成して提供しようとする前に、最初に関連タスクを理解してください。
問題バンクは、問題と返答のリポジトリです。問題バンクは、複数のテストで問題を管理して再利用する場合に便利です。テストを作成するには、最低1つの問題バンクが存在している必要があります。
問題バンクを作成して必要な問題を追加したら、テストを作成してテスト・プロパティを定義します。
テストは、1つ以上の問題バンクから取り出した問題を含むテスト・セクションから構成されます。テスト・セクションを作成して、問題バンクから取り出した問題を編成します。テストには、最低1つのテスト・セクションと最低1つの問題が含まれている必要があります。
テストの組立ての異なる段階で、問題をプレビューできます。テストの提供は、テストの組立てプロセスの最終手順です。テストは、コース内のトピックとして、または個別のコースとして提供できます。
テスト・ビルダーには、テストまたは個々の問題に対する学習者の業績およびテスト結果を分析できる多くの統計画面が用意されています。
問題バンクに多数の問題(たとえば、特定科目の関連問題すべて)を作成し、それらの問題を多数のテストで再利用できます。
IMS QTI(Question and Test Interoperability)仕様に準拠しているテストをインポートできます。フォルダ・レベルまたはテスト・レベルでインポート機能を使用して、テストをインポートします。
関連項目: テストのインポートとエクスポート
テスト・ビルダーでは、「穴埋め式(テキストで返答)」、「穴埋め式(数値で返答)」、「正誤選択方式」、「選択方式(正解は1つ)」、「選択方式(正解は複数)」の5つの問題タイプをサポートしています。
テストの作成または編集時に「HTMLのレンダリング」を選択した場合は、すべてのテキスト・フィールドでHTMLコードがサポートされます。
試行されていない問題のみを削除できます。学習者がテストで試行した問題は、学習履歴と業績レコードに必要となるため削除できなくなります。問題が今後のテストに適用できなくなった場合は、今後のテストでその問題を管理者が選択できないように無効化できます。
コース全体に提供されるコンテンツ体系に1つ以上のテストを組み込むことができます。これによって、コースの進行状況にあわせて学習者の知識をテストします。
あるいは、テストを個別のコースにすることもできます。
別のオンライン学習オブジェクトのプレーヤ前提条件となるテストを定義し、そのテストに合格するまで、学習者がコースの後続セクションまたは別のコースを試行できないようにすることができます。
テストに時間制限を指定し(時間制限のあるテスト)、学習者がテストを完了する必要がある時間数を制限し、制限時間が近づいたときに学習者に警告できます。
テスト作成時の最初のタスクは、問題バンクと問題の存在を確認することです。存在しない場合は作成します。問題が存在し、問題バンクが公開されている場合は、必要な問題を追加してテストを作成できます。最後に、テストがコース内の1つのトピックではなく、独立した講義である場合は、学習者がアクセスできるように講義を作成する必要があります。テストの作成準備時に、次のことを考慮してください。
必要な問題がすでに存在しているか。存在していない場合は、既存または新規の問題バンクに問題を作成します。
テストはコース内のトピックか、独立したコースか。この配置によって、コンテンツ階層内のどこに新規テスト・オブジェクトを作成するかが決まります。
テストは問題バンクのすべてまたは大部分の問題を使用する単純な1セクションのテストであるか。1セクションのテストの場合は、問題バンクからクイック・テストを作成し、テスト・プロパティを変更します。1セクションのテストでない場合は、テスト・オブジェクトを明示的に作成します。
学習者がテストを起動するたびに、すべての学習者に指定した同じ問題を提供するのではなく、問題バンクから問題をランダムに提供するのか。ランダムに提供する場合は、テストを独自に作成します。クイック・テスト方法は使用できません。この方法では、すべての問題をバンクから明示的に使用してテストを作成するためです。クイック・テスト方法では、実行時に特定数の問題をバンクから動的に抽出するルールベース・テストのオプションをサポートしていません。
問題バンクは、フォルダ内に作成します。問題バンクがすぐにテストに使用できる状態の場合は、問題バンクを公開します。公開後は、問題バンクを使用してテストを作成したり、「クイック・テスト」オプションを選択してバンク内のすべての問題に基づいてテストを作成できます。
問題バンクは、それぞれが問題テキスト(問題の基本部分やヒント)、可能な返答およびフィードバック(ある場合)を含む複数の問題から構成されます。フィードバックは通常、テスト受講者にその返答が正解だったかどうかを知らせるもので、学習ヒントを組み込むことができます。
問題の作成時に、選択方式または正誤選択方式など、問題のタイプを決定します。問題の作成後は、タイプを変更できません。これは返答形式が問題タイプに依存しているためです。選択方式の場合は例外で、「選択方式(正解は1つ)」から「選択方式(正解は複数)」に変更できます。
返答は問題に対する可能な回答です。各問題には、問題タイプに基づいた次のような返答セットがあります。
正誤選択方式: 2つの値「正」と「誤」は編集できません。「正」か「誤」のいずれか正しい返答値を選択します。
穴埋め式(テキストで返答)、穴埋め式(数値で返答): 1つ以上の正しい返答を入力します。テキストの返答では大/小文字が区別されます。したがって、いずれも正しい場合は、大文字と小文字の両方で正解を入力します。
選択方式(正解は1つ): 2つ以上の返答値を入力します。ここで入力した返答値の中から学習者は1つの正解を選択する必要があります。
選択方式(正解は複数): 3つ以上の返答値を入力します。ここで入力した返答値の中から学習者は2つ以上の正解を選択する必要があります。複数のチェック・ボックスを選択して正解である返答値を識別します。学習者がその問題に割り振られた得点を獲得するには、正解の返答値をすべて選択することが必要です。
1つ以上のテストで問題を使用した場合および学習者がそのテストをすでに受けている場合は、問題バンクからその問題を削除できません。同様に、問題がすでにテストで使用されている場合、および学習者が1人でも問題に回答している場合は、返答値を削除できません。問題に無効のマークを付けて今後のテストでその問題を使用できないようにすることはできますが、これにより以前に作成済のテストおよび既存の業績レコードは影響を受けません。
テストが問題バンクのすべてまたは大部分の問題を使用する場合、クイック・テストを作成します。クイック・テストにはデフォルト・プロパティが使用され、問題バンクから事前に選択された問題すべてを保持する1つのテスト・セクションが含まれています。スコア・オプションと合格点を設定したり、問題を追加または削除するなど、テストを編集してプロパティを変更できます。
注意: ルールベースのテストは、「クイック・テスト」オプションを使用して作成できません。ルールベースのテストでは、問題バンクからランダムに抽出された多数の問題が学習者に対して表示されます。
問題バンクを作成して必要な問題を追加したら、テストを作成してテスト・プロパティを定義します。
各テスト・セクションで、追加する問題を正確に選択できます(「事前選択」)。または、問題数を入力し、学習者がテストを起動すると、ランダムに選択された問題が抽出されるように設定できます(「ルールベース」)。デフォルトは「事前選択」です。
複数のセクションを常に同じ順序で表示するか、あるいは学習者がテストを起動するたびにランダムな順序で表示するかを選択できます。セクション内の問題の順序に関する同様のオプションもあります。ただし、複数のセクションにわたって問題をランダム化することはできません。
以前にテストを提出せずに終了またはログ・アウトした学習者がテストを再開する場合は、「再開可能」チェック・ボックスを選択します。学習者には最後にテストを終了したページが表示されます。テストの制限時間が終了している場合は、テストの提出のみを許可するページが表示されます。学習者がテストを再開するたびに、再開可能インストラクションが表示されます。
スコア・オプションには、「得点率」と「項目の総スコア」があります。テストがルールベース(実行時に問題をランダムに抽出)の場合は、一部の問題の得点が他の問題の得点と異なると、項目の総スコアが変化するので注意してください。
得点率または総スコアのオプションを選択した場合は、テストの合格最低水準を示す合格点を設定できます。たとえば、「得点率」オプションを使用して、合格水準75パーセントを示す合格点を75と入力します。また、「項目の総スコア」オプションを使用して、学習者がテストに合格するためには最低12点を獲得する必要があることを示す合格点を12と入力します。
テストに合格点を設定した場合は、採点結果に基づいて学習者の合否が決まります。合格点を定義しない場合、得点は計算されますが合否は評価されず、学習者のテスト試行に対して完了のマークが付けられます。
デフォルトで、フィードバックはテストの終わりに提供されます。フィードバック・タイプを「各ページの後」に変更して、フィードバックを頻繁に表示できます。次のフィードバック・オプションを定義できます。
テストの問題にフィードバックを定義せず、その問題がセクションまたはテストのフィードバックを継承(および表示)するように設定する場合は、「問題はフィードバックを継承」を選択します。
学習者によるフィードバックのレビュー時に正解を表示できないようにする場合は、「フィードバック中に正解を表示」の選択を解除します。このオプションは学習者に追試を受けるように薦める場合に便利です(デフォルトでは選択されています)。
学習者の返答に対して異なるフィードバックを表示する場合は、「正解のフィードバック」および「不正解のフィードバック」にテキストを入力します。
テストの最後に学習者にメッセージを表示するには、「テスト・フィードバックの送信」を入力します。
テストの起動を禁止する前に、学習者がテストを試行できる最大回数を制限できます。また、試行と試行の間に経過する必要がある最小時間(日数)を指定できます。
学習者がテストを完了するために許可される時間を制限するには、テストの「期間」プロパティに値を入力します。「制限時間」の値を指定する場合は、期間に関する追加フィールドを必要に応じて設定できます。たとえば、制限時間が30分の場合は、「残り時間の警告」を有効にし、終了の5分前に警告を表示できます。つまり、警告はテストを始めて25分後に表示されます。
注意: タイマーは、学習者のクライアント上ではなく、サーバー上にあります。したがって、このメッセージが更新されるのは、ブラウザ・ページをリフレッシュした場合のみです。学習者が同じページを表示したままの場合、警告は更新されません。
テストには、最低1つのテスト・セクションと最低1つの問題が含まれている必要があります。テスト・セクションを作成して、問題バンクから取り出した問題を編成します。テストに複数のセクションが含まれている場合、テストで問題を学習者に表示する順序を指定できます。ただし、セクションの順序を決定できるのは、テスト・プロパティの「セクションの順序」フィールドで「固定」オプションを選択している場合のみです。テスト・プロパティの「セクションの順序」フィールドで「ランダム」オプションを選択している場合は、学習者が試行するたびに、テストは異なる順序でセクションを表示します。
学習者に対してテストを使用可能にし、学習者が1人でもテストを受けた後は、テスト・セクション(またはテスト)を削除できません。削除すると、本番システムでの学習者の業績とテスト統計に影響を与えるためです。1つのセクションが無効になったが、テスト自体がまだ有効な場合は、そのセクションを削除せずに無効にします。テスト全体を学習者に対して使用できないようにするには、テストを未公開にします。テストを未公開にした場合、過去の業績およびテスト統計の情報はシステムに残ります。
アプリケーションには、複数の異なる画面に「プレビュー」オプションがあり、問題バンクでの問題の作成時またはテスト作成時の異なる段階で、問題を次のようにプレビューできます。
問題バンク: 特定バンクの問題すべてをプレビューする場合は、問題バンクの表リストで「プレビュー」をクリックします。
問題の管理: 個別の問題をプレビューする場合は、バンク内の問題の表リストで「プレビュー」をクリックします。
テスト・セクション: テスト内の特定セクションの問題をプレビューする場合は、テスト・セクションの表リストで「プレビュー」をクリックします。
テスト・プロパティ: テスト内の問題すべてをプレビューする場合は「プレビュー」をクリックします。
テストは、次の2つの方法で学習者に提供します。
コース内のトピック: コンテンツ・ツリーのオンライン・コースの構造内でテストを作成します。学習者は、「コース詳細」ページの「概要」から直接、あるいはコースの起動後に、プレーヤの「アウトライン」からテストにアクセスします。コースには複数のテストを格納できます(複数のテストが1つの学習オブジェクト内でグループ化されている場合)。
個別のコース: コンテンツ・ツリーのフォルダ内の最上位レベル・オブジェクトとしてテストを作成します。このテストは個別の再生可能オブジェクトになります。次に、カタログ内に講義を作成します。学習者がコースを起動すると、テストがプレーヤに表示されます。個別のコースは通常1つのテストのみで構成されています。
学習者がテストを再生しているときに、テストの制限時間を変更できます。たとえば、テスト中に学習者のハードウェアに問題が発生した場合は、「時間の変更」オプションを使用して、テストの制限時間を削除するか、追加時間を割り当てます。このオプションは、次の場合のみ使用できます。
制限時間のあるテストで、再開可能と定義されている場合。制限時間のあるテストは、テストの作成時に「期間」プロパティを設定することで作成できます。関連項目: 時間制限のあるテストの作成
テストが、コース内に含まれるテスト・トピックでなく、個別の講義である場合。
学習者が、該当の講義の下位にあるクラスに登録している場合。「時間の変更」オプションが適用されるのは、個々の学習者に対してのみです。
学習者が現在テストを再生している場合。学習者が開始していないテスト、または学習者が提出済のテストの制限時間は変更できません。
統計は、特定のテストまたは問題に対する学習者の業績を分析するために使用できます。統計が作成されるのは最低1人の学習者がそのテストまたは問題を試行した後のみです。
各テストの「テスト統計」ページには、選択したテストについて学習者のスコアの要約が表示されます。統計を使用して全体的な業績と個々の試行結果の両方を分析します。ページには、最初に表形式の要約結果が表示されます。各要約にはグラフを表示するオプションが用意されています。
要約統計セクションには、次の項目があります。
スコア要約: 学習者すべての業績レコードが要約されます。学習者ごとに業績レコードが1つあり、学習者の試行が要約されています。業績レコードには、第1回合格試行のスコアまたは第1回不合格試行のスコアが表示されます。学習者が次にそのテストに合格すると、業績レコードは不合格から合格(合格スコアを含む)に更新されます。ただし、学習者が次にそのテストに不合格になっても、合格から不合格に更新されることはありません。業績レコードは学習者のスコアが向上しても変更されません。学習者が次の試行で合格スコア70を獲得した場合も、学習者の業績レコードには合格スコア60が表示される場合があります。
「ユーザー・スコア要約」グラフには、特定の業績スコアを獲得したユーザーの数が表示されます。
学習者要約: テストを起動した学習者の合計数および業績レコード(学習者1人当り1レコード)の合計数が要約されます。要約では、業績レコードは次のいずれかにグループ化されます。
合格: 学習者はテストを完了し、合格点以上を獲得しました。
不合格: 学習者はテストを完了しましたが、合格点を獲得できませんでした。
完了: 学習者はテストを完了しましたが、テストに合格点が設定されていないか、またはスコア・オプションが「採点なし」に指定されています。
未完了: 学習者はテストを開始しましたが、テストを提出せずにプレーヤを終了しました。
表を使用すると、各学習者の詳細な統計にドリルダウンできます。全学習者を表示するには、「学習者合計」の数をクリックします。テストに合格した学習者のみを表示するには、「合格」の数をクリックします。ドリルダウン表には、各学習者に1つの業績レコードが表示されます。個々の学習者名をクリックすると、その学習者の試行すべてが表示されます。個々の試行には学習者の業績レコードのスコアより高いスコアが表示される場合があります。これは、業績レコードには第1回合格のスコアのみが保存されるためです。
「ユーザー試行スコア要約」グラフには、個々の試行番号に対するスコアが表示されます。試行は、試行日を示す色で区別されています。
表で特定の試行番号をクリックすると、テストの各問題に対する学習者の個々の試行詳細が表示されます。
「学習者パフォーマンス・ステータス」グラフには、「合格」、「不合格」、「完了」または「未完了」の業績レコードが比率で表示されます。
試行要約: 業績レコードのみでなく、全学習者の試行レコードすべてが要約されます。
「月次試行要約」グラフには、各月の試行回数が表示されます。
問題要約: すべての試行で学習者すべてに表示された問題の合計数が要約されます。
各問題バンクの「問題統計」ページには、複数のテスト全体にわたる問題ごとに、学習者の業績の要約が表示されます。統計は表形式とグラフ形式の両方で表示されます。グラフには「正解」、「不正解」、「スキップ」の合計が問題に対する試行合計回数の比率で表示されます。