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Oracle Manufacturing: 有償支給(日本, 韓国, 台湾)ユーザーズ・ガイド
リリース12
E05615-01
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概要

この章では、次の内容について説明します。

Oracle Manufacturingの概要: 有償支給

有償支給は、日本、韓国、台湾における外部委託製造慣行をサポートする一般的な商慣行です。

有償支給ビジネス慣行には通常、3種類の関係者が関与します。

OEMは支給品をMPに出荷し、その結果としてMPから完成した組立品を受け入れます。MPはOEMに支給品に対する支払は行わず、OEMはMPに追加額を支払います。この慣行を日本と韓国では支給と呼びます。MPには追加額のみが支払われます。

次の図は、簡単な品目外注ビジネス・プロセスを示しています。

本文の説明内容に関するイメージ

上の図は、支給品BとCから生産される組立品Aを示しています。OEMはRMSから支給品BとCを購入し、組立品Aの生産をMPに外注します。さらに、次のようになります。

  1. OEMはRMSに支給品BとCを発注し、支給品を受け入れます。

  2. OEMはMPに品目外注品Aの品目外注オーダーを出し、支給品BとCを生産用にMPに出荷します。これらの支給品は、計画と追跡のために品目外注オーダーにハード・ペグされます。

  3. OEMは、資材が組立品Aの製造に消費されるまで資材を所有します(MPは支給品に対する支払を行いません)。

  4. MPは支給品BとCから組立品Aを生産し、組立品をOEMに返送します。OEMは組立品Aを受け入れ、支給品BとCが組立品Aの形でMPから返送されたとみなします。

  5. 組立品の購買価格には支給品の販売価格と追加額が含まれます。OEMは買掛/未払金と売掛/未収金をネッティングして、追加額$5をMPに支払います。

OEMとMPを在庫組織として定義します。MPはシミュレーション組織で、計画目的および在庫追跡目的に使用されます。上の図に示すビジネス・プロセスでは、OEMはMPから品目外注品を購入し、支給品をMPに出荷しています。このため、MPは仕入先と顧客の両方として定義されます。OEMは支給品をMPに供給するため、OEMは仕入先として定義します。

OEMは標準発注または包括購買リリースを使用して、MPから品目外注品を購入します。品目外注品の調達に使用する標準発注と包括購買リリースは、有償支給アプリケーションでは品目外注オーダーと呼ばれます。

連動マネージャは支給品をMPに出荷するための支給品補充発注と支給品補充受注を作成するコンカレント・プログラムで、組立品を製造する品目外注オーダーへの支給品補充発注と支給品補充受注の確定割当も行います。支給品の自動受入はMP組織に出荷された支給品を受け入れるコンカレント・プログラムで、MP組織で支給品在庫が増加します。連動マネージャは、MP組織で支給品消費をシミュレートするためのショップ型製造オーダーも作成します。OEMが品目外注オーダーに対して品目外注品を受け入れると、受入取引コンカレント・プログラムはOEMで品目外注オーダー受入を受け取って、MPでショップ型製造オーダーを完了します。また支給品在庫がバックフラッシュされます。MP組織のシミュレーションは、在庫の計画と追跡に役立ちます。

有償支給では、OEMは支給品を出荷しますが、支給品の所有権は、支給品をMPから組立品として買い戻すまでOEMが保持します。MPから組立品を受け入れる際、OEMは出荷済受注の売掛/未収金額と受入済品目外注品の買掛/未払金額をネッティングし、残高(追加額)をMPに支払います。MPがOEMに支払を行うことはありません。この方法をサポートするために、組立品の購買価格は支給品販売価格と追加額の合計として設定されており、追加額は売掛/未収金額と買掛/未払金額のネッティング後に支払われます。このプロセスでは、支給品売上は仮想売上です。このため、売掛/未収金、COGS、収益などの会計仕訳は別の勘定科目で追跡されます。組立品の購買価格は実勢価格ではないため、購買価格差異も別の勘定科目で追跡されます。

有償支給の主な機能

有償支給には次のような機能があります。