Oracle Product Information Managementインプリメンテーション・ガイド リリース12 E05616-01 | ![]() 目次 | ![]() 前へ | ![]() 次へ |
この章には次の項があります。
非構造化データをOracle E-Business Suite(EBS)の様々なビジネス・オブジェクトまたはエンティティに添付できます。たとえば、PDF形式の製品データ・シート(非構造化データ)を品目(ビジネス・オブジェクト)に添付します。次の表に、オブジェクトと非構造化データのその他の例を示します。
オブジェクトの例 | 非構造化データのタイプ |
---|---|
変更オーダーまたは変更要求などの変更オブジェクト | ワープロ文書、スプレッドシート、ビデオ、イメージおよびWebページなどのファイル |
プロジェクト | フォルダ |
プロジェクト・タスク | テキスト |
構造 | URL |
1つ以上のコンテンツ管理リポジトリに非構造化データを格納し、リポジトリと統合するようにEBSを設定します。次のテクノロジのいずれかを使用して、EBSをリポジトリと統合します。
WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning) - HTTPプロトコルの一連の拡張。ユーザーは、リモートWebサーバー上のファイルを共同で管理できます。詳細は、www.webdav.orgを参照してください。
Webサービス - XMLメッセージを使用して起動されたサービスを提供することで、2つの異なるシステムが相互に対話できます。詳細は、World Wide Web ConsortiumのWebサイト(www.w3.org)を参照してください。
次のコンテンツ管理リポジトリは、3つのEBSアプリケーション(Oracle Projects、Oracle Internal Controls ManagerおよびOracle Product Lifecycle Management)での使用が認定されています。
WebDAVを使用するOracle Filesリリース9.0.3および9.04は、EBSリリース11i10での使用が認定されています。
WebDAVを使用するOracle Content Servicesリリース10.1.2は、EBSリリース11i10での使用が認定されています。
WebDAVまたはWebサービスを使用するOracle Content DB(Oracle Database内のモジュール)は、EBSリリース12以上での使用が認定されています。
ヒント: WebサービスとOracle Internet Directory(OID)バージョン10.1.2フェーズ2以上を組み合せて使用すると、ユーザーはEBSとOracle Content DBの両方に1回のみサインオン(シングル・サインオン)できます。WebDAVを使用する場合は、EBSとOracle Content DBに個別にサインオンする必要があります。
シングル・サインオン・フレームワークにより、企業に共通する様々なアプリケーションでユーザー認証サービスを共有できます。オラクル社の企業全体のシングル・サインオンを使用すると、ユーザーはログオン、つまり自分自身を1回認証するだけで済みます。このID検証は、ユーザー・セッションの期間中、およびシングル・サインオン・フレームワークに参加しているすべてのアプリケーションで有効です。ログアウトすると、すべてのアプリケーションでセッションが終了します。
OIDはオラクル社のLightweight Directory Access Protocol(LDAP)です。LDAPは、情報ディレクトリにアクセスするための一連のプロトコルです。LDAPは、国際標準化機構(ISO)またはInternational Telecommunication Union(ITU)X.500標準内に含まれる標準に基づいていますが、大幅に簡素化されています。X.500とは異なり、LDAPはTCP/IPをサポートしています。TCP/IPはどんなタイプのインターネット・アクセスにも必要です。LDAPは単純なバージョンのX.500であるため、X.500-liteとよばれることもあります。
理論上、EBSは、WebDAVに対応したOracle以外のすべてのコンテンツ管理リポジトリ(Documentumなど)と統合できますが、前述のOracle Applicationsのコンテンツ管理リポジトリでのみ認定されています。
Webサービスを使用してOracle Content DBをEBSと統合することで、最も強力なコンテンツ管理機能を利用できます。次の表に、WebDAVとWebサービスを使用する場合に利用できる機能の例を示します。
機能 | WebDAVでの使用 | Webサービスでの使用 |
---|---|---|
コンテンツ・リポジトリ内のフォルダに新しいファイルをアップロードし、EBSオブジェクトにファイルを添付する。 | Yes | Yes |
コンテンツ・リポジトリ内の既存のファイルまたはフォルダをEBSオブジェクトに添付する。 | Yes | Yes |
添付されたコンテンツ・リポジトリ・ファイルのコンテンツをEBSからレンダリングする。 | Yes | Yes |
EBSオブジェクトからファイルまたはフォルダの添付を解除する。 | Yes | Yes |
「添付箇所」機能を使用して、コンテンツ・リポジトリ・ファイルまたはフォルダが添付されているすべてのEBSオブジェクトを検索する。 | Yes | Yes |
EBS内のコンテンツ・リポジトリ・フォルダを参照する。 | No | Yes |
EBSとコンテンツ・リポジトリ間のシングル・サインオン統合。 | No | Yes |
コンテンツ・リポジトリ内にある特定バージョンのファイルをEBSオブジェクトに添付する。 | No | Yes |
コンテンツ・リポジトリ内にある特定バージョンのファイルについて、EBSからレビューまたは承認を発行する。 | No | Yes |
コンテンツ・リポジトリ内のファイルについてEBSにバージョン履歴を表示する。 | No | Yes |
EBS内からコンテンツ・リポジトリ内のファイルまたはフォルダを作成または削除する。 | No | Yes |
EBS内からコンテンツ・リポジトリ内のファイルまたはフォルダを移動またはコピーする。 | No | Yes |
EBS内からコンテンツ・リポジトリ内のファイルをチェックインまたはチェックアウトする。 | No | Yes |
EBS内からコンテンツ・リポジトリに格納されたファイル内のコンテンツを検索する。 | No | Yes |
EBS内からのコンテンツ・リポジトリ・フォルダ上にあるEBSユーザーへのアクセス権を付与または取り消す。 | No | Yes |
関連項目
『Oracle Product Lifecycle Management User's Guide』または『Oracle Product Information Management Data Librarian User's Guide』のE-Business Suiteの添付に関する項
『Oracle Product Lifecycle Management User's Guide』の文書管理とコラボレーションに関する項
Oracle Content Database(DB)をリポジトリとして使用してファイルを格納することをお薦めします。次のサービスのいずれかを使用して、Oracle Content DBをEBSと統合できます。
WebDAV
Webサービス
Webサービスを使用する場合は、Oracle Content DBはOracle Internet Directory(OID)からシングル・サインオン・ユーザーIDとパスワードを取得します。したがって、EBSにサインオンすると、Oracle Content DBに個別にサインオンする必要はありません。WebDAVを使用する場合は、Oracle Content DBとOracle EBSに個別にサインオンする必要があります。Webサービス・プロトコルを使用することをお薦めします。
Webサービスでシングル・サインオンを有効にするには、次の処理を行う必要があります。
スタンドアロン・サーバーにOIDをインストールします。
EBSとContent DBを同じOIDで登録します。
既存のEBSユーザーをOIDにエクスポートします。
OIDの設定の詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。サード・パーティのID管理システムとOIDとの間に統合が正しく設定されているかぎり、パスワード・リポジトリとして、サード・パーティのID管理システム(MicrosoftのActive Directoryなど)を使用することもできます。この統合の詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』を参照してください。
ヒント: Content DBをリポジトリとして使用する場合、システム管理者は、コンカレント・プログラム「WebDAVからWebサービス・リポジトリへの移行」を実行することで、既存のWebDAVファイルをWebサービス・ファイルに変換できます。コンカレント・プログラムで指定したユーザー名には、関連するすべてのファイルをバージョン管理するのに十分な権限が必要です。まずシミュレーション・モードでコンカレント・プログラムを実行し、指定したユーザー名に十分な権限があることを確認します。
次の手順は、Oracle Content DB以外のリポジトリの設定にも適用されますが、オラクル社で認定しているのは、「Oracle E-Business Suiteアプリケーションとコンテンツ管理リポジトリの統合」に記載されているOracle Applicationsのコンテンツ管理リポジトリの使用のみです。
前提条件
リポジトリを設定する手順
「リポジトリ設定」ページに移動します。
既存のリポジトリを選択し、「更新」をクリックします。
リポジトリが存在しない場合は、「行の追加」をクリックします。
「リポジトリの更新」ページで、「別の行の追加」をクリックします。
次のフィールドにデータを入力します。
短縮名 - リポジトリの短縮名。
名称 - リポジトリの付加名。
摘要 - オプション。リポジトリの摘要です。
統合モード - WebDAVまたはWebサービスを選択します。
サービスURL - リポジトリ・インスタンスのWebサービス・サーブレットを指すURL。
たとえば、http(s)://<host>:<port>/content/wsのように指定します。正しいURLは、コンテンツ・リポジトリ・インストレーション・ガイド(『Oracle Content Databaseインストレーション・ガイド』など)を参照してください。
WebDAV接続URL - コンテンツ・リポジトリ・インスタンスのDAVサーブレットを指すURL。
たとえば、http(s)://<host>:<port>/content/davまたはhttp(s)://<host>:<port>/filesのように指定します。正しいURLは、コンテンツ・リポジトリ・インストレーション・ガイド(『Oracle Content Databaseインストレーション・ガイド』など)を参照してください。
順序 - 複数のリポジトリがある場合は、ユーザーが選択するときにリポジトリを表示する順序を決定します。
認証パス - リポジトリがSSLに対応している場合、このフィールドには、EBS中間層に格納されているリポジトリ・デジタル証明書の場所が表示されます。証明書へのアクセスと読取りが可能になっている必要があります。
「適用」をクリックします。
リポジトリ接続をテストする手順
「リポジトリ設定」ページで、リポジトリを選択し、「テスト接続」をクリックします。
「リポジトリの確認」ページで、リポジトリのユーザーIDとパスワードを入力し、「テスト」をクリックします。
リポジトリのユーザーIDとパスワードが正しく、リポジトリが使用可能な場合、リポジトリとの接続が成功したことを通知するメッセージが表示されます。
リポジトリを削除する手順
リポジトリを削除する前に、EBSオブジェクトからリポジトリに格納されているすべての添付を解除する必要があります。
「リポジトリ設定」ページで、削除するリポジトリを選択します。
「削除」をクリックします。
これにより、EBSからリポジトリ定義が削除されます。インストール済のリポジトリ・インスタンスはそのままです。
関連項目
Oracle E-Business Suiteアプリケーションとコンテンツ管理リポジトリの統合
『Oracle Product Lifecycle Management User's Guide』または『Oracle Product Information Management Data Librarian User's Guide』のE-Business Suiteの添付に関する項
『Oracle Product Lifecycle Management User's Guide』の文書管理とコラボレーションに関する項