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Oracle Workflow管理者ガイド
リリース12
E05663-01
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Oracle Workflowローダー

この章では、ワークフロー・オブジェクト定義に対するアクセス保護と、これらの定義をデータベースとフラット・ファイルの間でロードする方法について説明します。

この章の内容は、次のとおりです。

Oracle Workflowのアクセス保護の概要

アクセス保護は、シード・データの提供者によって作成されたワークフロー・シード・データが、シード・データの使用者によって変更されないようにする機能です。シード・データの提供者とは、他の組織(シード・データの使用者)がワークフロー・プロセスの定義やカスタマイズに使用するシード・データを作成する組織を指します。Oracle Workflowでは、シード・データは次のいずれかを指します。

たとえば、Oracle Workflow開発チームは、標準項目タイプというシード・データの提供者です。標準項目タイプには、カスタム・ワークフロー・プロセスに組み込むことができる標準アクティビティが含まれます。組織の本社にある開発チームが、標準項目タイプのアクティビティを参照する、カスタム・ワークフロー・プロセスの定義を作成することがあります。この場合は、本社のチームが標準項目タイプのシード・データの使用者となります。

本社のチームが、作成したカスタム・ワークフロー定義を他の地域のオフィスのチームに展開するとします。本社のチームは、シード・データの提供者として次のように規定する可能性があります。

本社チームは、Oracle Workflowのアクセス保護機能を使用して、両方の要件を満たすことができます。アクセス保護を使用すると、シード・データの提供者は、あるデータを読取り専用として保護し、他のデータのカスタマイズを許可できます。また、シード・データのアップグレート中にアクセス保護を使用すると、シード・データ提供者は保護されている既存のシード・データを新バージョンで上書きし、一方でカスタマイズ可能なシード・データに追加されたカスタマイズは保存できます。

Oracle Workflowはデータベースに格納されるすべてのワークフロー・オブジェクト定義に保護とカスタマイズのレベルを割り当て、Oracle Workflowの各ユーザーに特定のアクセス・レベルで操作するように要求します。アクセス保護機能は保護、カスタマイズおよびアクセスの各レベルの組合せで構成され、ユーザーが特定のワークフロー・オブジェクトを変更できるかどうかを決定します。3つのすべての場合に、レベルは0から1000の数値で、シード・データの提供者と使用者としての異なる組織間の関連を示します。

Oracle Workflowでは、次の範囲のレベルを想定しています。

変数 説明
0-9 Oracle Workflow
10-19 Oracle Application Object Library
20-99 Oracle Applicationsの開発
100-999 顧客の組織。この範囲の解釈方法は、ユーザーが定義できます。たとえば、100が本社を示し、101が地方のオフィスを示す、などです。
1000 制限なし

アクセス・レベル

Oracle Workflowの各ユーザーは、前述のレベルの範囲に従って特定のアクセス・レベルでシステムを操作します。この場合、Oracle Workflowのユーザーとは、Oracle Workflow Builderまたはファイルからデータベースへワークフロー・プロセス定義をロードするワークフロー定義ローダーのプログラムを操作するユーザーを示します。作業時のレベルは作成するシード・データの保護レベルに影響するため、シード・データ提供者は、常に一貫して同じアクセス・レベルでOracle Workflow Builderを操作する必要があります。

アクセス・レベルを表示するには、次の方法があります。

保護レベル

Oracle Workflow Builderでワークフロー・オブジェクトを作成するときに、そのオブジェクトを特定のレベルで保護するかどうかを選択できます。オブジェクトの保護レベルは、他のユーザーがアクセス・レベルに基づいてオブジェクトを変更できるかどうかを制御するのに役立ちます。オブジェクトを変更できるのは、そのオブジェクトの保護レベル以下のアクセス・レベルを持つユーザーだけです。

注意: オブジェクトを変更できるアクセス・レベルの範囲は、オブジェクトのカスタマイズ・レベルによってさらに制限できます。

オブジェクトの保護レベルを設定するには、そのオブジェクトのプロパティ画面の「アクセス」タブを表示し、「このアクセス・レベルでロック」チェック・ボックスを選択または選択を解除します。オブジェクトに設定する保護レベルは、「このアクセス・レベルでロック」チェック・ボックスの設定と自分の現行のアクセス・レベルによって異なります。

カスタマイズ・レベル

オブジェクトを変更してデータベースまたはファイルに保存すると、保護レベルのワークフロー・オブジェクトのみでなく、すべてのワークフロー・オブジェクトにカスタマイズ・レベルが記録されます。オブジェクトのカスタマイズ・レベルは、他のユーザーがアクセス・レベルに基づいてオブジェクトを変更できるかどうかを制御するのに役立ちます。オブジェクトを変更できるのは、そのオブジェクトのカスタマイズ・レベル以上のアクセス・レベルを持つユーザーだけです。

注意: オブジェクトを変更できるアクセス・レベルの範囲は、オブジェクトの保護レベルによってさらに制限できます。

カスタマイズ・レベルの設定により、シード・データのアップグレード中に、すでにカスタマイズされているカスタマイズ可能オブジェクトが上書きされることを防止できます。これは、アップグレード時には、カスタマイズされたオブジェクトのカスタマイズ・レベルよりも低いアクセス・レベルで処理を行うワークフロー定義ローダーが常に使用されるためです。

オブジェクトのカスタマイズ・レベルを設定するには、そのオブジェクトのプロパティ画面の「アクセス」タブを表示し、「カスタマイズを保持」チェック・ボックスを選択または選択を解除します。オブジェクトに設定するカスタマイズ・レベルは、「カスタマイズを保持」チェック・ボックスの設定と自分の現行のアクセス・レベルによって異なります。

アクセス制御のための保護レベルとカスタマイズ・レベルの組合せ

保護レベルとカスタマイズ・レベルを組み合せた設定で、オブジェクトへのアクセスを制御します。許可するアクセスのタイプを指定するときは、次の4つの方法のいずれかで、オブジェクトに対して「カスタマイズを保持」と「このアクセス・レベルでロック」のチェック・ボックスを設定できます。

次の表に、「カスタマイズを保持」と「このアクセス・レベルでロック」の設定によって、どのアクセス・レベルでオブジェクトにアクセスできるかをまとめます。

カスタマイズ・レベルと保護レベルの組合せに基づくオブジェクトへのアクセス
カスタマイズを保持 このアクセス・レベルでロック オブジェクトに適用されるアクセス・レベル
オフ オフ オブジェクトはどのアクセス・レベルでも更新できます。
オン オフ オブジェクトは、現行のアクセス・レベル以上のアクセス・レベルでのみ更新できます。
オフ オン オブジェクトは、現行のアクセス・レベル以下のアクセス・レベルでのみ更新できます。
オン オン オブジェクトは、現行のアクセス・レベルと同じアクセス・レベルでのみ更新できます。

Oracle Workflowの保護レベルとアクセス・レベルは、特定のワークフロー・オブジェクトの変更に関して、それが不可能であるか、または許可されたアクセス・レベルでこのツールにアクセスするユーザーのみが可能であるかを示します。この機能は、ワークフロー・オブジェクトの安全性確保やソース管理のための手段ではありません。

重要: Oracle Workflowのほとんどのワークフロー・オブジェクトは、保護レベルが0に設定されています。これは、そのオブジェクトが、アクセス・レベル0で操作するOracle Workflowチームによってのみ、変更可能であることを示します。自分のアクセス・レベルを0に変更してデータを変更しようとして、特にOracle Workflowでシード・データがアップグレードされたことにより、もともと保護されていたデータに対して行う変更が上書きされる可能性がある場合は、カスタマイズはサポートされなくなります。

『Oracle Workflow開発者ガイド』のオブジェクトのアクセス・レベルの設定に関する項を参照してください。

デフォルトのアクセス・レベルの設定

Oracle Workflow BuilderをWindowsのPCにインストールする場合は、Oracle Universal Installerにより、インストール先のPCとオペレーティング・システムに対してグローバルなデフォルトのアクセス・レベルが割り当てられます。Oracle Workflow Builderのインストール後は、PC上の個々のユーザーに各自のアクセス・レベルを新しい設定に変更させることができます。これにより、そのPCに対して設定されたデフォルトのアクセス・レベルが上書きされます。ユーザーがアクセス・レベルを定義しなければ、Oracle Workflow BuilderではPCのデフォルトのアクセス・レベルの値が使用されます。このアクセス・レベルは、Microsoft Windowsのレジストリに保存されます。

Oracle Workflow Builderとワークフロー・シード・データを組織の他の部署のユーザーに展開し、提供したシード・データをそれらのユーザーが変更しないようにするには、Oracle Workflow Builderでそのデータの保護レベルよりも高いアクセス・レベルで処理を実行するようにできます。たとえば、シード・データ提供者としてアクセス・レベル100で処理を実行し、作成したシード・データがレベル100で保護されている場合は、ユーザーまたはシード・データ使用者のデフォルトのアクセス・レベルを101以上に設定する必要があります。

Oracle Workflow Builderでユーザーのアクセス・レベルを設定するには、「ヘルプ」メニューから「Oracle Workflow Builderのバージョン情報」を選択します。「Oracle Workflow Builderのバージョン情報」ウィンドウで、「アクセス・レベル」フィールドを自分のシード・データ保護レベルより大きい数値に変更し、「OK」を選択します。

また、regeditなどのレジストリ・エディタで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\Workflow\Levelの10進値を編集することで、Microsoft Windowsのレジストリでアクセス・レベルを直接設定できます。

ワークフロー定義ローダーのプログラムの場合は、環境変数WF_ACCESS_LEVELを定義し、適切なオペレーティング・システム・コマンドで値を設定することで、プログラムがプロセス定義をファイルにダウンロードするときに動作するデフォルトのアクセス・レベルを設定します。

注意: 自分のアクセス・レベルを変更することも可能ですが、Oracle Workflowでは、もともと99以下のレベルで保護されていたシード・データのカスタマイズはサポートされません。自分のアクセス・レベルを許可されていないレベルに変更して、保護されているデータを変更することは、絶対にしないでください。

ビジネス・イベント・システム・データのアクセス保護

Oracle Workflowでは、アップグレード時にOracleシード・データを保護してカスタマイズの設定を保持するために、ビジネス・イベントおよびイベント・サブスクリプションの定義に対するアクセス保護も提供します。ビジネス・イベント・システムでは、アクセス保護は各イベントおよびサブスクリプションに割り当てられたカスタマイズ・レベルに基づきます。カスタマイズ・レベルは、イベントやサブスクリプションの定義を誰が更新できるかを決定します。

イベントまたはサブスクリプションは、次のいずれかのカスタマイズ・レベルを保持できます。

Oracle Applicationsのシード・データのアップグレード中に、ワークフローXMLローダーは標準アップロード・モードでビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義をロードし、カスタマイズ・レベルに従ってカスタマイズ・データを保持します。「ワークフローXMLローダーの使用」を参照してください。

関連項目

『Oracle Workflow開発者ガイド』のイベントに関する項

『Oracle Workflow開発者ガイド』のイベント・サブスクリプションに関する項

ワークフロー定義ローダーの使用

Oracle Workflow Builderで「ファイル」メニューの「保存」または「開く」オプションを使用するかわりに、ワークフロー定義ローダーというプログラムを使用してデータベースやフラット・ファイルからプロセス定義をロードしたり保存できます。

データベースをアップグレードする前に、ワークフロー定義ローダーを使用してユーザーのプロセス定義をフラット・ファイルに保存し、バックアップを作成できます。データベースのアップグレードが完了した後、保存した定義を再ロードする必要がある場合は、ローダー・プログラムを使用して定義をデータベースにアップロードしなおすことができます。ローダー・プログラムを使用して、新バージョンのプロセス定義でデータベースをアップグレードしたり、プロセス定義を他のデータベースに移動できます。

プロセス定義をアップロードまたはアップグレードすると、ワークフロー定義ローダーにより自動的にプロセス定義が検証され、特定のプロセス設計ルールに従っていることが確認されます。ここでは、Oracle Workflow Builderの検証機能と同じ検証が行われます。『Oracle Workflow開発者ガイド』のプロセス定義の検証に関する項を参照してください。

ワークフロー定義ローダーをコンカレント・プログラムとして実行します。

注意: データベースの既存の定義上にワークフロー定義をアップロードまたはアップグレードすると、アップロード/アップグレード定義のオブジェクトの表示名が、ターゲット・データベース内の異なるオブジェクトにすでに使用されている場合があります。この場合、ワークフロー定義ローダーでは、ターゲット・データベース内で競合している表示名の先頭にアットマーク(@)を追加することで、この表示名の競合が自動的に解決されます。その後、アップロード/アップグレード定義がそのまま適用され、警告メッセージが生成されます。

ワークフロー定義ローダーの実行

  1. Oracle Applicationsの「要求の発行」フォームに移動し、「ワークフロー定義ローダー」コンカレント・プログラムを発行します。 Oracle ApplicationsとOracle Workflowをインストールして設定するときに、システム管理者はこのコンカレント・プログラムを実行する職責の要求セキュリティ・グループに追加する必要があります。『Oracle Applicationsシステム管理者ガイド』のコンカレント・プログラムおよびコンカレント要求の概要に関する項を参照してください。

  2. 「ワークフロー定義ローダー」コンカレント・プログラムを要求として発行します。『Oracle Applicationsユーザーズ・ガイド』のレポートおよびプログラムの実行に関する項を参照してください。

  3. 「パラメータ」ウィンドウで次のパラメータの値を入力します。

    変数 説明
    モード
    • 「Download」を指定すると、プロセス定義はデータベースからフラット・ファイルにダウンロードされます。

    • 「Upgrade」を指定すると、シード・データのアップグレードが入力ファイルからデータベースに適用されます。ワークフロー定義ローダーではファイル作成者(シード・データ提供者)のアクセス・レベルが使用されるため、そのアップグレード・ファイルのアクセス・レベル以上のレベルで保護されているオブジェクトが上書きされます。データベースのカスタマイズ可能なシード・データに加えられたカスタマイズも、すべて保存されます。

    • 「Upload」を指定すると、プロセス定義がフラット・ファイルからデータベースにロードされます。アップロード・モードは、ワークフロー・プロセスの開発者に役立ちます。このモードでは、開発者は定義をデータベースに保存でき、既存のオブジェクトを不注意にカスタマイズしたために、プロセス定義の一部の要素をアップロードできなくなるかどうかを気にする必要がありません。ワークフロー定義ローダーは、入力ファイルで定義されたアクセス・レベルを使用してファイルからプロセス定義をアップロードします。このとき、そのファイルのアクセス・レベル以上のレベルで保護されているデータベース内のオブジェクトが上書きされます。

    • 「Force」を指定すると、オブジェクトの保護レベルに関係なく、入力ファイルのプロセス定義がデータベースに強制的にアップロードされます。データベースに格納されているプロセス全体が上書きされるため、ファイル内のプロセス定義が正しいことを確認しておく必要があります。「強制」モードは、既存の信頼できるファイル・バックアップを基にして、データベース内のデータ整合性の問題を解決するときに使用します。

    ファイル プロセス定義のダウンロード先またはアップグレード元、アップロード元となるファイルのフルパス名を指定します。
    項目タイプ 「Mode」を「Download」に設定した場合は、「List」ボタンを使用して、ダウンロードするプロセス定義の項目タイプを選択します。

    注意: 「要求の発行」フォームから「ワークフロー定義ローダー」を発行してプロセス定義をファイルにダウンロードする場合は、項目タイプを一度に1つずつダウンロードするようにしか指定できません。同時に複数またはすべての項目タイプをダウンロードする場合は、ワークフロー定義ローダーのコンカレント・プログラムをコマンドラインから発行する必要があります。詳細は、後述のステップ6を参照してください。

  4. 「OK」を選択して「パラメータ」ウィンドウを閉じます。

  5. この要求の印刷オプションと実行オプションを変更してから、「発行」を選択して要求を発行します。

  6. 「要求の発行」フォームを使用せずに、次のコマンドを入力し、「ワークフロー定義ローダー」コンカレント・プログラムをコマンドラインから実行することもできます。

    apps/pwdは、APPSスキーマのユーザー名とパスワードに、file.wftは、ワークフロー・プロセス定義ファイルのファイル仕様に、ITEMTYPE1、ITEMTYPE2、...ITEMTYPENは、ダウンロードする1つ以上の項目タイプにそれぞれ置き換えます。また、ITEMTYPE1を'*'に置き換えると、すべての項目タイプを同時にダウンロードできます(アスタリスクは必ず一重引用符で囲みます)。

    ファイル仕様は次のように指定します。

    @<application_short_name>:[<dir>/.../]file.ext
    

    または

    <native path>
    

関連項目

Oracle Workflowのアクセス保護の概要

ワークフローXMLローダーの使用

コマンド・ライン・ユーティリティであるワークフローXMLローダーを使用すると、データベースとフラット・ファイルとの間でビジネス・イベント・システムのオブジェクトのXML定義をアップロードおよびダウンロードできます。データベースからビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義をダウンロードすると、Oracle WorkflowによってXMLファイルとして保存されます。データベースにオブジェクト定義をアップロードすると、Oracle Workflowによってオブジェクト定義がソースXMLファイルからデータベース内のビジネス・イベント・システム表にロードされます。必要に応じて、新しい定義が作成されたり、既存の定義が更新されます。

ビジネス・イベント・システムのオブジェクトのXML定義は、次の文書タイプ定義(Document Type Definition: DTD)に従って構成されます。

ワークフローXMLローダーでアップロードまたはダウンロードされたXMLファイルには、ワークフロー・オブジェクトXML定義であることを示す拡張子.wfxが付いています。

ビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義は、標準ダウンロード・モードまたは完全ダウンロード・モードでダウンロードできます。

標準ダウンロード・モードでは、ビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義にあるシステム固有のデータが次のトークンに置き換えられます。トークンの先頭には、#が付きます。

ローダーでは、これらのシステム固有の値をトークンに変換することにより、テンプレート定義を作成します。このテンプレート定義を使用して、類似したオブジェクトを他のシステムで作成できます。トークンが含まれているオブジェクト定義をデータベースにアップロードすると、Oracle Workflowによってそれらのトークンがシステムに適した値に置き換えられます。

注意: ワークフローXMLローダーは、標準ダウンロード・モードでサブスクリプションのグローバル一意識別子をトークンに置き換えるため、かわりにサブスクライブ・システム、ソース・タイプ、トリガー・イベント、ソース・エージェント、所有者名および所有者タグの一意の組合せで各サブスクリプションを識別する必要があります。

ただし、ダウンロードしたビジネス・イベント・システム・オブジェクト定義の移植性を保証するために、ワークフローXMLローダーでは、イベントはダウンロード・モードに関係なく常にイベント名で識別されます。 イベントのグローバル一意識別子がコピーされることはありません。 かわりに、ワークフローXMLローダーではトークン#NEWを使用してイベント定義内のイベントのグローバル一意識別子が置き換えられます。 さらに、イベント名を使用して、イベント・グループ・メンバー定義内のイベント・グループとイベント・グループ・メンバーが表され、イベント・サブスクリプション定義内のトリガー・イベントが表されます。 イベントが別のデータベースにアップロードされると、そのデータベース内でイベント用に新規グローバル一意IDが生成されますが、イベントと関連オブジェクトの照合にはイベント定義内のイベント名が使用されます。

ビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義は、標準アップロード・モードまたは強制アップロード・モードでアップロードできます。

ビジネス・イベント・システム・データのアクセス保護」および『Oracle Workflow開発者ガイド』のビジネス・イベントの管理に関する項を参照してください。

データベースからのビジネス・イベント・システムのXML定義のダウンロード

ビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義をデータベースからフラットXMLファイルにダウンロードするには、oracle.apps.fnd.wf.WFXLoadに対してJavaを実行することでワークフローXMLローダーを実行します。Java Runtime Environment、ワークフローJARファイルが格納されているディレクトリ、Oracle JDBC実装および次のワークフローJARファイルを指しているCLASSPATHを指定する必要があります。

注意: ワークフローJARファイルは、通常は$JAVA_TOP/oracle/apps/fnd/jarディレクトリに格納されています。

たとえば、UNIXでは、次のコマンドを使用してワークフローXMLローダーを実行します。

java -classpath "$<JREPATH>/rt.jar:$<Workflow_JAR_file_directory>:
$<Workflow_JAR_file_directory>/wfjava.jar:
$<Workflow_JAR_file_directory>/wfapi.jar:
$<Workflow_JAR_file_directory>/fndctx.jar:
$<ORACLE_HOME>/jdbc/lib/classes111.zip:"
oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad -d[e] <user> <password>
<connect_string> <protocol> <lang> <output_file> <object> <key>
OWNER_TAG <owner_tag>

Windowsでは、次のコマンドを使用します。

java -classpath ";<JREPATH>\rt.jar;<Workflow_JAR_file_directory>;
<Workflow_JAR_file_directory>\wfjava.jar;
<Workflow_JAR_file_directory>\wfapi.jar;
<Workflow_JAR_file_directory>\fndctx.jar;
<ORACLE_HOME>\jdbc\lib\classes111.zip;"
oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad -d[e] <user> <password>
<connect_string> <protocol> <lang> <output_file> <object> <key>
OWNER_TAG <owner_tag>

ワークフローXMLローダーを実行するときは、-dオプションまたは-deオプションを使用して、適切なダウンロード・モードを指定します。

また、ダウンロード・コマンド内の次の変数がパラメータに置き換えられます。

注意: プログラムの出力でより詳細なデバッグ情報を表示する場合は、-dまたは-deオプションの前にDebugMode引数を指定すると、デバッグ・モードでワークフローXMLローダーを実行できます。たとえば、次のコマンドを使用します。

java -classpath <classpath> oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad
DebugMode -d[e] <user> <password> <connect_string>
<protocol> <lang> <output_file> <object> <key>
OWNER_TAG <owner_tag>

データベースへのビジネス・イベント・システムのXML定義のアップロード

ビジネス・イベント・システムのオブジェクト定義をXMLファイルからデータベースにアップロードするには、oracle.apps.fnd.wf.WFXLoadに対してJavaを実行することで、ワークフローXMLローダーを実行します。Java Runtime Environment、ワークフローJARファイルが格納されているディレクトリ、Oracle JDBC実装および次のワークフローJARファイルを指しているCLASSPATHを指定する必要があります。

注意: ワークフローJARファイルは、通常は$JAVA_TOP/oracle/apps/fnd/jarディレクトリに格納されています。

たとえば、UNIXでは、次のコマンドを使用してワークフローXMLローダーを実行します。

java -classpath "$<JREPATH>/rt.jar:$<Workflow_JAR_file_directory>:
$<Workflow_JAR_file_directory>/wfjava.jar:
$<Workflow_JAR_file_directory>/wfapi.jar:
$<Workflow_JAR_file_directory>/fndctx.jar:
$<ORACLE_HOME>/jdbc/lib/classes111.zip:"
oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad -u[f] <user> <password>
<connect_string> <protocol> <lang> <source_file>

Windowsでは、次のコマンドを使用します。

java -classpath ";<JREPATH>\rt.jar;<Workflow_JAR_file_directory>;
<Workflow_JAR_file_directory>\wfjava.jar;
<Workflow_JAR_file_directory>\wfapi.jar;
<Workflow_JAR_file_directory>\fndctx.jar;
<ORACLE_HOME>\jdbc\lib\classes111.zip;"
oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad -u[f] <user> <password>
<connect_string> <protocol> <lang> <source_file>

ワークフローXMLローダーを実行するときは、-uオプションまたは-ufオプションを使用して、適切なアップロード・モードを指定します。

また、次の変数をパラメータに置き換えます。

アップロードする各サブスクリプションの定義には、フェーズ番号、所有者名および所有者タグを含める必要があります。ワークフローXMLローダーは、この情報がないサブスクリプション定義を含むソース・ファイルをアップロードできません。

完全モードでダウンロードされたサブスクリプション定義がソース・ファイルに含まれている場合、サブスクリプションは、そのグローバル一意識別子に従ってビジネス・イベント・システム表にロードされます。 ただし、トークンを使用して標準モードでサブスクリプション定義をダウンロードした場合、各サブスクリプションは、かわりにサブスクリプション・システム、ソース・タイプ、トリガー・イベント、ソース・エージェント、所有者名および所有者タグの一意の組合せで識別されます。

注意: プログラムの出力でより詳細なデバッグ情報を表示する場合は、-uオプションの前にDebugMode引数を指定すると、デバッグ・モードでワークフローXMLローダーを実行できます。たとえば、次のコマンドを使用します。

java -classpath <classpath> oracle.apps.fnd.wf.WFXLoad
DebugMode -u[f] <user> <password> <connect_string>
<protocol> <lang> <source_file>