この付録では、JD Edwards EnterpriseOneアプリケーションの正確な監視のために提供されるサポートについて詳しく説明します。このサポートの対象となるのは、有効なApplication Management Suite for JD Edwards EnterpriseOneライセンスを所有している場合に限られることに注意してください。詳細は、オラクル社の担当者に問い合せてください。
このバージョンで提供される監視のサポートは、JD Edwards Toolsバージョン8.97および8.98とJD Edwardsアプリケーション・バージョン8.12.に基づくJD Edwardsインストールに対して検証されています。ただし、このToolsバージョンで実行するJD Edwardsアプリケーション・バージョン8.11および9.0にも対応しています。
多くの場合、JD Edwardsソフトウェアは標準以外のポート(800など)を使用するように構成されます。JD Edwardsインストールが実行しているポートを確認するには、ログインURLを調べてください。これは次の形式になっています。
http(s)://hostname:portnumber/jde/...
portnumberが定義済ポートの1つとして構成されていることを確認します(HTTPまたはHTTPS)。また、HTTPSポートが指定される場合は、WebサーバーのSSL秘密鍵のコピーをコレクタ・システムにインポートするようにしてください。
JD Edwardsベースのアプリケーションのスイート定義を作成できます。作成方法は、サポートされている他のOracle Enterpriseアーキテクチャの場合と同じです。スイートを作成する手順は、6.5項「スイートの使用」に記載されています。
ご使用の環境でRUEIがJD Edwardsのビジネス・ロジックを正しく変換できるようにする手順は、次のとおりです。
create_JDE_info.shスクリプトをJD Edwardsサーバーのホーム・ディレクトリにコピーします。これはRUEIシステムの/var/opt/ruei/processor/local/download/JDEディレクトリにあります。
JD Edwardsサーバーで任意のユーザーとしてcreate_JDE_info.shスクリプトを実行します。脚注1このスクリプトは、環境で識別されたページIDにIDを割り当てます。create_JDE_info.shスクリプトは次の必須パラメータを指定して実行してください。
create_JDE_info.sh connect-string
connect-stringは、JD Edwardsデータベースへのスクリプトのアクセスを許可するために使用する文字列です。スクリプトはスキーマを読み取り、現在のディレクトリに.txtファイルを生成します。次に例を示します。
create_JDE_info.sh "sys/oracle@dliild-jde:1522 as sysdba" create_JDE_info.sh "sys/oracle@JDE as sysdba"
接続文字列はデータベースに対して「sys as sysdba」として認証される必要があることに注意してください。スクリプトは、使用される様々な表の正しいスキーマを検出しようとするためです。
スクリプトを実行すると、実行したディレクトリにいくつかの.txtファイルが作成されます。関連するすべての.txtファイルは、.zipファイルにまとめて格納されます。RUEIレポータ・システムへのファイルのアップロードに使用できる場所に、この.zipファイルをコピーします。
「Configuration」→「Applications」→「Suites」の順に選択して、前に定義したスイートを選択します。
生成された.zipファイルを含む.zipファイルの名前を指定します。.txtファイルを手動で作成する場合は、.zipファイルに含まれるものと同じ構成にする必要があります。空の定義を防ぐため、空の.txtファイルが含まれる場合はアップロードできません。次に、「Upload」をクリックします。
JD Edwardsスイート・インスタンスを作成すると、JD Edwards環境用の事前定義済Cookieが自動的に作成されます。これは、JSESSIONIDという名前のカスタムCookieとして実装されます。多くの場合、このCookieはご使用のJD Edwards環境に適しています。ただし、環境の構成によってはこのCookieを変更する必要があります。また、RUEIによって、完了したセッションのユーザーを監視および追跡するには、Cookieのパスを「/」に設定する必要があります。
Cookie構成の確認
Cookieの構成を確認する手順は、次のとおりです。
ブラウザですべてのCookieを消去します。
JD Edwardsアプリケーションに(再)ログインします。
JD Edwardsでいくつかのページを表示します。
ログアウトします。
少なくとも10分間待機します。
RUEIレポータ環境を開きます。
「Browse data」を選択し、「All sessions」グループを開いて「Session diagnostics」を選択します。記録されたセッション(ユーザーID別または時間別)を探します。アプリケーションについてフィルタリングできます。
セッションを開いて、次の点を確認します。
ログイン以外のページ・ビューがレポートされていること。これで、セッションIDがログイン後に保存されていることが確認されます。
少なくともある程度のJD Edwardsアプリケーション・アクティビティが記録されていること。
すべてのヒットが同じCookieに関連していない場合(これらは匿名ページとしてレポートされる)、問題がある場所を調べて、適切な方法で解決することをお薦めします。たとえば、Cookieのドメインまたはパスのオプションを調べます。
JD Edwardsの実装およびJD Edwardsのインスタンスはホスト名で識別できます。一般的に、JD Edwardsスイートにアクセスする方法は2つあります。ホスト名のみを使用する方法、または完全修飾ホスト名(ドメインを含む)を使用する方法です。通常はドメインのみを指定してください。
表N-2に、アプリケーションのディメンションがRUEIでどのようにレポートされるかを示します。
表N-1 JD Edwardsスイート定義のマッピング
| ディメンション・レベル | 内容 |
|---|---|
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Application.name |
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Application. page-group |
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Application.page-name |
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構造の各要素の意味は、次のとおりです。
application codeは、ユーザーによって使用されるJD Edwardsアプリケーションのコードです。たとえば、「sales order entry」のアプリケーション・コードはp4210です。formnameは、使用されるJD Edwardsフォームの名前です。たとえば、フォームW01012bの名前は「work with addresses」です。
application nameは、ユーザーによって使用されるJD Edwardsアプリケーションの名前です。たとえば、p4210のアプリケーション名は「sales order entry」です。
product codeは、JD Edwardsのアプリケーションまたはフォームで使用されるJD Edwards製品のコードです。たとえば、address bookアプリケーション(p01012)は、製品コードが01のJD Edwards製品「addressbook」に含まれます。JD Edwardsでは、製品コードはシステム・コードと呼ばれることもあります。
product nameは、JD Edwardsのアプリケーションまたはフォームで使用されるJD Edwards製品の名前です。たとえば、address bookアプリケーション(p01012)は、製品コードが01のJD Edwards製品「addressbook」に含まれます。
図N-1に、JD EdwardsアプリケーションのRUEIでのレポートの例を示します。
JD EdwardsベースのアプリケーションについてRUEIで収集およびレポートされるデータの品質を保証するために、レポートされる詳細を検証することを強くお薦めします。定義済スイートについて検出される関連ページの数に特に注意する必要があります。
「Browse data」→「All pages」グループ→「Applications」サブグループの順に選択します。ページ・ビューやヒットなど個々のディメンションにおいて、ページ・ビューがいくつかのアプリケーションについてレポートされているのを確認できます。ディメンションのスイート名は、カッコ内に表示されます。例を図N-2に示します。
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注意: 「unique pages identified」カウンタと「Last page identified」インジケータ(図6-46を参照)は無効になっています。同じく、手動ページ・ネーミング機能も使用できません |
表N-2に示すJD Edwards固有のデータ・アイテムがRUEIでレポートされます。
表N-2 ディメンション
| 項目 | 説明 |
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JD Edwards suite/Code |
構成定義で定義されたJD Edwardsスイートのコード。このデータを使用して、監視対象の様々なJD Edwardsスイートを区別することができます。 |
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JD Edwards suite/Name |
構成定義で定義されたJD Edwardsスイートの名前。このデータを使用して、監視対象の様々なJD Edwardsスイートを区別することができます。 |
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JD Edwards form/ID |
使用されるJD EdwardsフォームのID。JD Edwardsのフォーム名は、フォーム・コード(W...)とJD Edwardsデータベース構成に基づきます。これにより、セッション中に監視される様々なフォームを区別することができます。 |
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JD Edwards form/Name |
使用されるJD Edwardsフォームの名前。JD Edwardsのフォーム名は、フォーム・コード(W...)とJD Edwardsデータベース構成に基づきます。これにより、セッション中に監視される様々なフォームを区別することができます。 |
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JD Edwards action/ID |
フォームまたはアプリケーションでユーザーがアクションを実行します。これらのアクションが監視され、ここでレポートされます。(JD Edwardsのほとんどのアクションはエンコーディングされていることに注意してください)。 |
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JD Edwards action/Name |
フォームまたはアプリケーションでユーザーがアクションを実行します。これらのアクションが監視され、ここでレポートされます。(JD Edwardsのほとんどのアクションはエンコーディングされていることに注意してください)。 |
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JD Edwards application/ID |
使用されるJD EdwardsアプリケーションのID。JD Edwardsのアプリケーション名は、アプリケーション・コード(P...)とJDEデータベース構成に基づきます。これにより、セッション中に監視される様々なアプリケーションを区別することができます。 |
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JD Edwards application/Name |
使用されるJD Edwardsアプリケーションの名前。JD Edwardsのアプリケーション名は、アプリケーション・コード(P...)とJDEデータベース構成に基づきます。これにより、セッション中に監視される様々なアプリケーションを区別することができます。 |
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JD Edwards application version/ID |
使用されるJD Edwardsアプリケーション・バージョンのID。 |
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JD Edwards application version/Name |
使用されるJD Edwardsアプリケーション・バージョンのID。 |
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JD Edwards environment/Name |
ユーザーがJD Edwardsにログインしたときに選択した環境。 |
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JD Edwards product/Code |
使用されるJD Edwards製品のコード。JD Edwardsアプリケーションは、ここに示される製品の一部です。JD Edwards製品は、システム・コードすなわち製品コードで参照されることがあります。 |
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JD Edwards product/Name |
使用されるJD Edwards製品の名前。JD Edwardsアプリケーションは、ここに示される製品の一部です。JD Edwards製品は、システム・コードすなわち製品コードで参照されることがあります。 |
現在、Oracle Real User Experience Insight JD Edwardsアクセラレータは、JD Edwardsのすべての機能には対応していません。特に次の制約事項がすでに判明しています。
レポートは、最後にアクティブになった部分に基づいて行われます。したがって、1人のエンド・ユーザーが複数のブラウザ・ウィンドウで同時に参照しているとき、レポートされるページ名に間違った情報が含まれることがあります。
現在、create_JDE_info.shスクリプトはUNIX JD Edwardsサーバーでしか実行できません。
create_JDE_info.shスクリプトを実行するときに無効な接続文字列が指定されていても、エラーがすぐにはレポートされません。[Enter]を数回押すとエラーがレポートされます。
ユーザーが複数のアプリケーションを同時に開始すると、起動されたアプリケーションの1つについて、アプリケーション起動ページのロード時間とサーバー時間の記録が正しくない場合があります。
脚注
脚注1:このスクリプトは、本番環境と同じであれば検収環境でも実行できます。