ユーザーがOracle Application Expressにログインすると、作業領域と呼ばれる共有の作業領域にログインします。作業領域は、複数のユーザーが同一のOracle Application Expressインストール内でプライベートなオブジェクト、データ、アプリケーションを維持したまま作業できる仮想プライベート・データベースです。各作業領域には、一意の数値IDおよび名前が含まれます。
作業領域に変更を加えるためには、作業領域管理者は変更リクエストをインスタンス管理者に送信します。変更リクエストの承認または新しい作業領域の割当てを行うことができるのはインスタンス管理者のみです。
トピック:
インスタンス管理者が新しいスキーマを使用して作業領域を新規に作成する場合、新しい表領域およびデータファイルがそのスキーマに作成されます。Oracle Managed Filesが有効な場合、新しい表領域のデータファイルは、Oracle Managed Filesにより管理されます。
Oracle Managed Filesを使用すると、Oracleデータベースの管理が簡単になり、データベースを構成するオペレーティング・システム・ファイルをデータベース管理者(DBA)が直接管理する必要がなくなります。DBAは、Oracle Managed Filesを使用して、ファイル名ではなくデータベース・オブジェクトごとに操作を指定します。新しい表領域のデータファイルには、Oracle Managed Filesの表記規則に従って名前が付けられます。また、それらのファイルの配置は、データベース初期化パラメータDB_CREATE_FILE_DEST
によって決定されます。
Oracle Managed Filesを有効にしていない場合は、Oracle Application Expressがインストールされた表領域の最初のデータファイルと同じディレクトリにデータファイルが作成されます。
参照: Oracle Database管理者ガイドのOracle Managed Filesの使用 |
インスタンス管理者は、特定のOracle Application Expressインスタンスでの作業領域の割当て(または作成)プロセスの動作方法を決定できます。
「手動」割当てモードでは、インスタンス管理者が新しい作業領域を作成し、作業領域管理者にログイン情報を通知します。「リクエスト」または電子メールの検証割当てモードでは、ユーザーがセルフ・サービス方式で作業領域を直接リクエストします。この方法では、ユーザーはログイン・ページ上のリンクを使用してリクエスト・フォームにアクセスします。作業領域リクエストが承認されると、該当するログイン情報が電子メールで自動的にユーザーに送信されます。
割当てモードを指定するには、次のステップを実行します。
Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。
「インスタンスの管理」をクリックします。
「インスタンスの設定」で、「インスタンスの設定」をクリックします。
「セルフ・サービス」で、割当てステータスを選択します。
手動: インスタンス管理者が新しい作業領域を手動で作成し、作業領域管理者にログイン情報を通知します。
リクエスト: ユーザーがセルフ・サービス方式で直接作業領域をリクエストします。このオプションを選択することにより、ログイン・ページにユーザーが作業領域をリクエストできるリンクが表示されます。ユーザーが作業領域をリクエストすると、各リクエストは承認用のキューに送信されます。リクエストが承認されると、ユーザーにログイン資格証明(作業領域名、ユーザーIDおよびパスワード)を含む電子メールが送信されます。
電子メールの検証: 「リクエスト」とほぼ同じですが、各ユーザーは検証リンクを含んだ電子メールを最初に受信します。このリンクをクリックすると、ユーザーの電子メール・アドレスが検証されてからリクエストが処理されます。その後にログイン資格証明(作業領域名、ユーザーIDおよびパスワード)を含む電子メールが送信されます。
「電子メールの検証」を選択すると、作業領域の割当てを無効にしたり、ユーザーにメッセージを送信できます。
「電子メール・プロビジョニング」セクションを見つけます。
「電子メール・プロビジョニング」から、「無効」を選択します。
「メッセージ」フィールドに、電子メール割当てを無効にした理由を示すメッセージを入力します。
前のステップで「リクエスト」または「電子メールの検証」を選択した場合は、「開発サービスURL」にURLを入力します(オプション)。
入力した値は、リクエスト承認時の電子メールで使用されます。この設定によって、サービスのURLが定義されます。この設定を行わなかった場合、このURLはご使用の環境から導出されます。
「変更の適用」をクリックします。
注意: ログイン・ページのリンクを使用してユーザーが作業領域をリクエストできるようにするには、前のステップで説明した「リクエスト」または「電子メールの検証」の割当てステータスを選択する必要があります。割当てステータスが「手動」に設定されている場合、ログイン・ページにリンクが表示されません。 |
インスタンス管理者は、フル開発環境またはランタイム環境のいずれかで手動で作業領域をプロビジョニングできます。
トピック:
インスタンス管理者は、ワークスペースの作成ウィザードを実行して、作業領域を手動で割り当てることができます。
作業領域を手動で作成するには、次のステップを実行します。
Oracle Application Express管理サービスへログインします。「Oracle Application Express管理サービスへのログイン」を参照してください。
「作業領域の管理」をクリックします。
「ワークスペース・アクション」で、「ワークスペースの作成」をクリックします。
作業領域の作成ウィザードが表示されます。
「ワークスペースの指定」では、次の情報を入力します。
ワークスペース名: 一意のワークスペース名を入力します。
ワークスペースID: 「ワークスペースID」を空のままにすると、新しい作業領域IDが自動的に生成されます。作業領域IDは、100000よりも大きい正の整数である必要があります。
ワークスペースの説明: 作業領域の説明を入力します。
「次へ」をクリックします。
「作業領域の指定」で、作業領域名および説明を入力し、「次へ」をクリックします。
「スキーマの指定」で、既存のスキーマを再利用するか、新しく作成するかを指定します。
既存のスキーマを使用する場合
「既存のスキーマを再利用」で、「はい」を選択します。
リストからスキーマを選択します。
「次へ」をクリックします。
新しいスキーマを作成する場合
「既存のスキーマを再利用」で、「いいえ」を選択します。
スキーマの名前とパスワードを入力します。
領域割当てを指定します。
「次へ」をクリックします。
「管理者の指定」で、作業領域管理者の情報を入力して、「次へ」をクリックします。
選択内容を確認して、「ワークスペースの作成」をクリックします。
ランタイム環境に作業領域を追加するには、次のステップを実行します。
SQL*Plusを起動して、SYS
としてOracle Application Expressがインストールされているデータベースに接続します。次に例を示します。
Windowsの場合:
SYSTEM_DRIVE:\ sqlplus /nolog
connect sys as sysdba
UNIXおよびLinuxの場合:
$ sqlplus /nolog connect sys as sysdba
プロンプトが表示されたら、適切なパスワードを入力します。
次の文を実行します。
ALTER SESSION SET CURRENT_SCHEMA = APEX_040000
次の文を実行します。
BEGIN APEX_INSTANCE_ADMIN.ADD_WORKSPACE(WORKSPACE_ID,WORKSPACE_NAME, SCHEMA_NAME, SCHEMA_LIST) END;
各要素の意味は次のとおりです。
WORKSPACE_ID
は、作業領域のIDです。NULL
の場合は、自動的に割り当てられます。
WORKSPACE_NAME
は、作業領域の名前です。
SCHEMA_NAME
は、作業領域に関連付けるプライマリ・スキーマの名前です。
SCHEMA_LIST
は、コロン区切りのリストで、作業領域に関連付ける追加スキーマを示します。