この章では、Oracle JRockit Mission Controlの新機能および改善事項について説明します。
この章では、以下のトピックについて説明します。
Oracle JRockit Mission Control 4.1リリースの新機能および改善事項は、次のとおりです。
Oracle JRockit Mission Control 4.1はJava SE 7で使用できます。また、Oracle JRockit Mission Controlは、Hotspot JDK 1.6以上でローカル管理を開始できます。ただし、JRockit Mission Controlのツールのほとんどは、JRockit JVMに接続して使用する必要があります。
Java SE 7 JVMのモニターにJRockit Mission Control 4.1.x Clientを使用している場合、管理コンソールの機能の一部が利用できなくなることに注意してください。
Oracle JRockit Mission Control Client 4.1は、新しいプラットフォームで動作します。Mac OS X、Solaris x86およびSolaris SPARCでは、Oracle JRockit Mission Controlはテクノロジ・プレビューとして使用可能です。テクノロジ・プレビューはEclipseプラグインとして使用可能です。このプラグインのインストール方法の詳細は、Eclipseの更新サイト(http://download.oracle.com/technology/products/missioncontrol/updatesites/base/4.1.0/eclipse/
)を参照してください。
Oracle JRockit Mission Control 4.1 Clientは、Eclipse 3.7以上で動作するように構築されています。
Oracle JRockit Mission Control 4.1以降、WindowsでのOracle JRockit Mission ControlがバンドルされたOracle JRockit JDKのインストーラでは、JRockitフライト・レコーダ(.jfr
)ファイルが、マシンにインストールされている最上位のJRockit Mission Control Clientバージョンに関連付けられます。次のコマンドを実行すると、拡張子が.jfr
のファイルはデフォルトでJRockit Mission Control Client内に開きます。
product_install_dir\bin\jrmc.exe -open recording.jfr
更新サイトでRockit Mission Control用のDTraceプラグインを入手できるようになりました。
スタンドアロン・バージョンのJRockit Mission Control用のプラグインをインストールするには、JRockit Mission Control Clientの「ヘルプ」メニューからプラグインのインストールを選択します。Eclipse用のDTraceプラグインをインストールするには、まずJRockit Mission ControlのEclipseプラグイン・バージョンをインストールし、続いてJRockit Mission Control試験的更新サイトからDTraceプラグインをインストールします。
JRockit Mission Controlには、DTraceイベントを定義するためのドメイン固有言語(DSL)が用意されています。このDSLは、DScript構文を拡張してデータを自己記述型にします。デフォルトの.deスクリプトでは、HotSpotおよびオペレーティング・システムからのデータを記録するためのプローブが提供されます。このため、データを簡単にJRockit Mission Controlイベント・モデルに取り込むことができます。EclipseでJRockit Mission Controlを実行する場合、DSLによってエディタに構文強調表示などの機能が提供されます。
DTrace記録ウィザードでは、.deファイル内で宣言されているパラメータを構成したり、プローブ・セットを有効化および無効化することができます。
DTraceプラグインに付属のDTrace Analysis GUIでは、JRockitフライト・レコーダ・コンポーネントおよびGUIエディタが使用されます。
JRockit Mission Control 4.1 Clientの管理コンソールの新機能および改善事項は、次のとおりです。
Eclipse環境でのファイル・リソース操作が改善されました。
チャートのズーム・イン機能が改善されました。
デッドロックに対してデフォルトのトリガー・ルールが使用可能です。
更新サイトでCoherenceプラグインを入手できます。
2つの新しいタブ(「サーバー情報」と「ネイティブ・メモリー」)が導入されました。
「概要」タブと「スレッド」タブが、HotSpot JVMをサポートするように拡張されました。
JRockitフライト・レコーダの新機能および改善事項は、次のとおりです。
「スレッド」グラフにスレッド遷移情報が表示されます。
「スレッド」グラフの選択機能とズーム・イン機能が改善されました。
「スレッド」グラフで長いスレッド名は切り捨てられ、重要な情報のみが表示されます。
新しい操作セット・アクションにより、同じ時間に同じスレッド内で発生したすべてのイベントが、一連の選択済イベントとして操作セットに追加されます。
パーサーのパフォーマンスおよびメモリー占有領域が最適化されました。
JRockit Mission Controlの組込みGUIエディタが改善されました。
JRockitメモリー・リーク・ディテクタの新機能および改善事項は、次のとおりです。
randomインスタンスおよびそのタイプのクラス・ローダーを選択するためのコンテキスト・メニュー・オプションが導入されました。
インスタンスの表示を改善するための拡張ポイントが使用可能になりました。
「傾向分析」表に、インスタンス数およびメモリー増加率を示す列が追加されました。これらの列はリセットできます。
インスタンス・ビューから直接インスタンス制限を拡大するためのオプションが導入されています。
ツールバーに、グラフ表示とツリー表示を切り替えるためのトグル・スイッチが導入されています。
JRockit Mission Control 4.0リリースの新機能および改善事項は、次のとおりです。
Oracle JRockit Mission Controlの更新サイトでは、Eclipse 3.5が必要になりました。
JRockitフライト・レコーダは、パフォーマンス監視およびプロファイリング・ツールで、システム・クラッシュなどの壊滅的な障害が発生しても、常に診断情報を提供します。基本的に、JFRでは診断データおよびプロファイリング・データが循環バッファに書き込まれ、これらのデータをいつでもオンデマンドで利用できます。それはいわば「タイム・マシン」のようなもので、時間の流れを遡り、イベントが起こるに至るまでの診断データを収集できます。循環バッファには、JVMやアプリケーション・イベントなどのデータが格納されます。
In JRockit Mission Control 4.0クライアントで、Oracle JRockit JVMのフライト・レコーダ対応バージョン(バージョンR28.0以降)を実行しているユーザーは、フライト・レコーダにより、パフォーマンス・データを論理的なタスク・ベースのグループにまとめた一連のタブで、JVMの記録、現在の記録の設定、およびランタイム・パラメータを表示できます。これらのタブのデータは、一式のダイアル、チャートおよび表によって表示されます。各タブの最上部に、レポート範囲を縮小または拡大できる、レンジ・ナビゲータと呼ばれるスライディング・ウィンドウがあります。たとえば、特定の期間に複数のイベントが集中している場合は、レンジ・ナビゲータを調節してそれらのイベントだけを含め、タブ・コンポーネントにそれらのイベントのデータだけを表示することができます。
フライト記録は、フライト記録ウィザードを使用して簡単に作成できます。ウィザードでは、レポートするイベント情報の種類を定義するテンプレートを使用して記録を作成できます。ウィザードを使用する際に、使用するテンプレート、記録の期間、および記録を保存するファイルの名前を指定します。このウィザードは、既存テンプレートの変更、変更したテンプレートを後で使用するために保存、別のサーバーからのテンプレートのインポートおよび使用など、高度なタスクにも使用できます。
フライト・レコーダは、旧バージョンのJRockit Mission ControlでのJRockit Runtime Analyzerに取ってかわるものです。
JRockitメモリー・リーク・ディテクタが更新されました。更新の内容は以下のとおりです。
JRockit Mission Control 3.1以前のメモリー・リーク・ディテクタのバージョンは、基本的にSwingアプリケーションでした。これはすべてのプラットフォームでJ2SE 1.4のサポートを可能にするために必要でした。Oracle JRockit JDK R28.0のコンポーネント、JRockit Mission Control 4.0クライアントでは、J2SE 1.4のサポートを終了し、グラフィカル・ユーザー・インタフェースにSWT/JFaceのコンポーネントを使用できるようになりました。これによる最も重要な変化は、メモリー・リーク・ディテクタのGUIが、他のJRockit Mission Controlプラグインと同じルック・アンド・フィールになったことです。
すべてのインスタンスで、ガベージ・コレクション・ルートへの最短パスを自動的に展開して、複数のレベルの参照を一度に遡ることができます。たとえば、大きなフレームワークを使用する場合、前のバージョンのJRockit Mission Controlでは、参照をたどってルートに戻る必要がありました。深さが通常の参照よりも深く、分岐要素が多い場合(つまり、インスタンスの変数または参照が多い場合)、これは非常に非効率的であり、多くの場合は混乱が生じるプロセスでした。最新のリリースでは、ハイライトしたノード上のコンテキスト・メニューで 「ルートまで展開」 を選択するだけで、ガベージ・コレクション・ルートまで展開できます。
メモリー・リーク・ディテクタの旧バージョンでは、特定のタイプのすべてのインスタンスを検索するのは困難でした。最新バージョンでは、タイプがどこかに存在する限り、コンテキスト・メニューで「すべてのインスタンスをリスト」を選択できます。インスタンスは、メモリー・リーク・ディテクタGUIの左側のパネルの「インスタンス」表に表示されます。
メモリー・リークをクラス・ローダーに基づいて調査できるようになりました。前のバージョンでは、特定のクラス名が実際の型の数にかかわらず(それぞれ異なるクラス・ローダーによりロード)、、すべてがひとまとめにされ、1つの型として表示されていました。最新バージョンでは、ビューごとに、このモードと切り替えて、ロードされたすべてのクラスを(各クラスをロードしたクラス・ローダーも含めて)実際に表示できます。
JRockit Mission Control Clientでは、オペレーティング・システムで高コントラスト・モードを有効または無効にすると、メッセージ・ボックスが表示されてMission Controlの再起動を要求されます。
JRockit Mission Control 4.0.0のRCP/スタンドアロン・バージョンで、製品の概要を簡単に示す「ようこそ」ページが表示されます。
このバージョンのJRockit Mission Control Clientでは、自動スケール機能が改善されました。
グラフの自動スケールが改善され、グラフに表示される値のみに基づいています。
管理コンソールで、グラフにゼロ・レベルを常に表示した状態で、自動スケールを使用できるようになりました。
コンテキスト・メニューから表の列をソートできるようになりました(以前と同様、列ヘッダーをクリックしてもソートできます)。
グラフの値が1つのみのデータ系列の表示が改善されました。折れ線グラフで単一値はXでマークされ、オプションとして、折れ線グラフおよび充てんグラフを推定してデータ系列の両側の「欠けている」データをマークできます。
新しいアクセシビリティ・オプション、 ボタンのラベルの表示 により、ツール・ヒントの説明のみであったボタンおよびアイコンにテキスト・ラベルを表示できます。