用途
insertvol
コマンドは、テープ・ライブラリ内の指定の挿入先にボリュームを手動で挿入したことをOracle Secure Backupに通知し、挿入したボリュームのプロパティを指定する場合に使用します。Oracle Secure Backupにより、インベントリが、指定した情報で更新されます。
前提条件
insertvol
コマンドを使用するには、デバイスの管理およびデバイスの状態変更(manage devices and change device state)権を備えている必要があります。
使用方法
insertvol
コマンドを受け取るライブラリに正常に機能する有効なバーコードがある場合、vol-spec
またはunlabeled
オプションを指定することはできません。かわりに、挿入されるボリューム上のバーコードが読み取られて、これを使用してボリューム・データベース内での検索が試みられます。
データベース内で一致するレコードが見つかれば、そのレコードがターゲットの記憶域要素に関連付けられます。データベース内でバーコードが見つからなければ、スクラッチ・レコードが作成され、関連付けられたボリュームはunknown
とマークされます。
構文1
次の構文は、不明かまたはラベルがないボリュームやクリーニング・テープを挿入したことを指定する場合に使用します。
insertvol::=
insertvol [ --library/-L libraryname | --drive/-D drivename ] { unknown | unlabeled | clean --uses/-u n --maxuses/-m n } se-range
意味1
1つ以上のボリュームを挿入するテープ・ライブラリの名前を指定します。
--library
または--drive
を指定しない場合は、libraryまたはdrive変数の値が使用されます。テープ・ライブラリとテープ・ドライブのいずれの設定も取得できない場合は、警告が発行されます。
1つ以上のボリュームを挿入するテープ・ライブラリにあるテープ・ドライブの名前を指定します。
--library
または--drive
を指定しない場合は、libraryまたはdrive変数の値が使用されます。テープ・ライブラリとテープ・ドライブのいずれの設定も取得できない場合は、警告が発行されます。
挿入するボリュームのフォーマットが不明であることを示します。
挿入するボリュームにラベルがないかまたはそのボリュームが新しいボリュームであることを示します。
insertvol
コマンドを受け取るライブラリに正常に機能する有効なバーコード・リーダーがある場合、unlabeled
オプションを使用することはできません。
挿入するボリュームがクリーニング・テープであることを示します。このオプションは、--uses
や--maxuses
オプションと組み合せて指定する必要があります。
クリーニング・テープの使用された回数を指定します。
クリーニング・テープを使用できる最大回数を指定します。クリーニング・テープの残りの使用回数は、--maxuses
から--uses
を差し引いた差です。
ボリュームを挿入する記憶域要素の範囲を指定します。insertvol
コマンドの実行前のターゲットの記憶域要素のインベントリ状態は、空である必要があります。lsvol
コマンドを実行することで、記憶域要素が空であることを確認できます。
se-range
プレースホルダの詳細は、「se-range」を参照してください。
構文2
次の構文は、既知かまたはラベル付きのボリュームを挿入したことを指定する場合に使用します。
insertvol::=
insertvol [ --library/-L libraryname | --drive/-D drivename ] [ vol-spec ] se-spec
意味2
挿入するボリュームのボリュームIDまたはバーコードを指定します。
insertvol
コマンドを受け取るライブラリに正常に機能する有効なバーコード・リーダーがある場合、このオプションを使用することはできません。
ボリュームを挿入した記憶域要素を指定します。insertvol
コマンドの実行前のターゲットの記憶域要素のインベントリ状態は、空である必要があります。lsvol
コマンドを実行することで、記憶域要素が空であることを確認できます。
次のイベントの順序は必須です。
ターゲットの記憶域要素が現在空ではない場合、extractvol
またはmovevol
を使用して空にします。
lsvol
コマンドで、記憶域要素が空であると認識されることを確認します。確認されない場合は、inventory
コマンドを実行します。
ボリュームを手動で挿入します。
この手順は必須です。insertvol
コマンドは、挿入されるボリュームからバーコードを読み取る必要があり、それにはinsertvol
コマンドの実行前にボリュームが存在する必要があるためです。
insertvolコマンドを即時実行します。
例
例2-40 Oracle Secure Backupへの手動によるボリューム挿入の通知
この例では、テープ・ライブラリlib1
の記憶域要素2にクリーニング・テープを挿入したことをOracle Secure Backupに通知します。サンプル出力はページに収まるようにあらかじめ折り返されています。
ob> lsvol --library lib1 --long Inventory of library lib1: in mte: vacant in 1: volume VOL000001, barcode ADE201, oid 102, 48359360 kb remaining in 2: vacant in 3: volume RMAN-DEFAULT-000002, barcode ADE202, oid 112, 47773408 kb remaining, content manages reuse in 4: vacant in iee1: vacant in iee2: vacant in iee3: vacant in dte: vacant ob> insertvol --library lib1 clean --uses 0 --maxuses 3 2 ob> lsvol --library lib1 --long Inventory of library lib1: in mte: vacant in 1: volume VOL000001, barcode ADE201, oid 102, 48359360 kb remaining in 2: barcode ADE203, cleaning tape: 0 uses, 3 remaining in 3: volume RMAN-DEFAULT-000002, barcode ADE202, oid 112, 47773408 kb remaining, content manages reuse in 4: vacant in iee1: vacant in iee2: vacant in iee3: vacant in dte: vacant