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Oracle Secure Backupリファレンス
リリース10.3
B56062-01
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mkmf

用途

mkmfコマンドは、新しいメディア・ファミリを作成する場合に使用します。メディア・ファミリはバックアップ・ボリュームの名前付き分類です。メディア・ファミリを使用することで、作成時期の異なるボリュームに同じ特性を持たせることができます。たとえば、保存期間が6か月のバックアップ用メディア・ファミリを作成できます。このファミリを後続のbackupコマンドに対して指定すると、作成されるすべてのボリュームの保存期間が6か月になります。

メディア・ファミリには、コンテンツ管理の有効期限ポリシー(デフォルト)または時間管理の有効期限ポリシーを指定します。これらのポリシー・タイプは相互排他的です。コンテンツ管理されたポリシーでは、ボリュームに記録されたすべてのバックアップ・ピースが削除済とマークされた時点でのみ、そのボリュームが期限切れとなります。時間管理されたポリシーでは、有効期限に達するとボリュームが期限切れになります。有効期限はボリューム作成時間--writewindow時間と--retain時間を合算して算出されます。


関連項目:

関連コマンドについては、「メディア・ファミリ用コマンド」を参照してください。

前提条件

mkmfコマンドを使用するには、管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration)権を備えている必要があります。

構文

mkmf::=

mkmf [ --writewindow/-w duration ] [ --retain/-r duration ]
[ [ --vidunique/-u ] |
  [ --vidfile/-F vid-pathname ] |
  [ --viddefault/-d ] |
  [ --vidfamily/-f media-family-name ] ]
[ [ --inputcomment/-i |
  [ --comment/-c comment ] ]
[ --contentmanaged/-C ] [ --append/-a ] [ --noappend/-A ]
[ --rotationpolicy/-R policyname ]
[ --duplicationpolicy/-D policyname ]
[ --acsscratchid/-d acsscratch_id ]
media-family-name...

意味

--writewindow/-w duration

メディア・ファミリの書込み可能期間を指定します。durationプレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。デフォルトはdisabledです。つまり、ボリューム有効期限の計算時に書込みウィンドウは考慮されません。

書込みウィンドウは、更新(通常、バックアップ・イメージを最後に追加)のためにボリューム・セットがオープンのままである期間です。ファミリのすべてのボリュームは、同一のボリューム・セットの一部とみなされます。書込みウィンドウは、最初のファイルがセットの最初のボリュームに書き込まれたときに開始され、指定した期間が経過すると終了します。書込みウィンドウが終了すると、Oracle Secure Backupは次のいずれかの条件が満たされるまでボリューム・セットへの追加更新を許可しません。

  • 期限切れになる。

  • 再ラベル付けされる。

  • 再利用される。

  • ラベル付けを解除される。

  • 強制的に上書きされる。

Oracle Secure Backupがこのボリューム・セットをバックアップ操作用に使用し続けるのは、書込みウィンドウが終了するまでです。

foreverまたはdisableddurationとして選択すると、数値は入力できません。たとえば、書込みウィンドウを14daysに設定する、またはforeverを指定してボリューム・セットを無期限に更新可能にすることなどができます。メディア・ファミリのメンバーであるボリューム・セットはすべて、同じ期間の間、更新のためにオープンのままです。

このオプションは、自動テープ複製に使用されるメディア・ファミリには作用しません。

--retain/-r duration

ボリューム・セットのボリュームを保存する時間の長さである保存期間を指定します。このオプションを指定した場合、このメディア・ファミリはコンテンツ管理ではなく時間管理になります。durationプレースホルダの詳細は、「duration」を参照してください。

ボリューム有効期限は、ボリュームが期限切れになる日時です。この時間は、バックアップ・イメージ・ファイル番号1をボリュームに書き込んだ時間に、書込みウィンドウ期間(--writewindow)が指定されている場合は書込みウィンドウ期間を加算し、さらにボリュームの保存期間(--retain)を加算して算出します。

保存期間として指定した期間が終了するまでは、このメディア・ファミリのメンバーであるボリュームの上書きは不可能になります。1つのボリュームがfullになり、Oracle Secure Backupが次のボリュームに継続してバックアップを実行する場合は、ボリューム・セットの各ボリュームに同じ保存時間が割り当てられます。

時間管理されたボリュームにはRecovery Manager(RMAN)バックアップを行うことができます。したがって、時間管理の有効期限ポリシーのボリュームには、ファイルシステム・バックアップ・ピースとRMANバックアップ・ピースが混在できます。


注意:

RMANバックアップを時間管理ボリュームに対して行う場合は、RMANリポジトリでバックアップ・ピースが使用可能になっている場合でも、ボリュームが期限切れになり、再利用される可能性があります。この場合は、RMANでCROSSCHECKコマンドを使用し、矛盾を解消する必要があります。

メディア・ファミリを時間管理からコンテンツ管理に変更するには、chmfコマンドで--contentmanagedを指定します。

自動テープ複製に使用されるメディア・ファミリには、関連付けられたオリジナル・ボリュームと同じ有効期限ポリシーが必要です。オリジナル・ボリュームに時間管理の有効期限ポリシーが指定されている場合、複製ボリュームも時間管理である必要があります。

--vidunique/-u

このメディア・ファミリに一意のボリュームIDを作成します。ボリュームIDは、文字列media-family-name-000001から始まり、その後使用されるたびにボリューム順序番号が1ずつ加算されます。たとえば、MYVOLUME-000001MYVOLUMEメディア・ファミリの1番目のボリュームに対するボリュームIDになり、MYVOLUME-000002は2番目のボリュームに対するIDになります。以降も同様にIDが作成されます。

--vidfile/-F vid-pathname

作成するメディア・ファミリのボリューム順序ファイルの名前を指定します。相対ファイル名または絶対ファイル名を指定します。相対ファイル名の場合、ファイルは管理サーバーの管理ディレクトリに作成されます。

このファイルは、Oracle Secure Backupによって自動作成されないため、手動で作成する必要があります。--vidfileオプションを選択した場合は、テキスト・エディタを使用してvid-接頭辞をカスタマイズします。メディア・ファミリに割り当てる最初のボリュームIDを、たとえばMYVOLUME-000001のように1行のテキストとして入力します。


注意:

--vidfileオプションを指定するには、ボリュームIDファイルを作成しておく必要があります。

--viddefault/-d

システム・デフォルトを指定します。すなわち、メディア・ファミリが割り当てられていない場合、Oracle Secure Backupは同じボリュームID順序を使用します。デフォルトの最初のボリュームIDはVOL000001であり、以降使用されるボリュームには、1ずつ加算されたボリュームIDが設定されます。

--vidfamily/-f media-family-name

media-family-nameによって指定されるメディア・ファミリに使用されたのと同じボリュームIDの順序を使用します。

--inputcomment/-i

メディア・ファミリに対するコメントの入力(オプション)を可能にします。mkmf --inputcommentを実行すると、コメントの入力を要求するプロンプトが表示されます。コメントを終了するには、その行にピリオド(.)を付けます。

--comment/-c comment

メディア・ファミリに関して保存する情報を指定します。commentに空白を含める場合は、テキストを引用符で囲みます。

--contentmanaged/-C

このメディア・ファミリのボリュームを時間管理しないでコンテンツ管理するように指定します。この有効期限ポリシーを使用するボリュームは、RMANバックアップを対象としています。ファイルシステム・バックアップをコンテンツ管理されたボリュームに書き込むことはできません。

コンテンツ管理されたボリュームは、すべてのバックアップ・イメージ・セクションが削除済にマークされた場合には上書きできます。バックアップ・ピースはRMANまたはobtoolのrmpieceコマンドを使用して削除できます。コンテンツ管理ボリューム・セットのボリュームは、同じセットの他のボリュームが期限切れになる前に期限切れになる場合があります。

メディア・ファミリをコンテンツ管理から時間管理に変更するには、chmfコマンドで--retainを指定します。

自動テープ複製に使用されるメディア・ファミリには、関連付けられたオリジナル・ボリュームと同じ有効期限ポリシーが必要です。オリジナル・ボリュームにコンテンツ管理の有効期限ポリシーが指定されている場合、複製ボリュームもコンテンツ管理である必要があります。

--append/-a

追加バックアップ・イメージをメディア・ファミリのボリュームに追加できることを指定します(デフォルト)。このオプションは、自動テープ複製に使用されるメディア・ファミリには作用しません。

ボリュームが有効であり、テープが残っている場合でも、メディア・ファミリの最新のボリューム順序番号よりも番号の小さいボリュームには書き込まれません。バックアップでは必ず、メディア・ファミリの最新のボリュームの最後に追加しようとします。このボリュームがいっぱいの場合は、別のボリュームに書き込まれます。

--noappend/-A

追加バックアップ・イメージをメディア・ファミリのボリュームに追加できないよう指定します。このオプションを指定すると、1つのボリューム・セットには1つのバックアップ・イメージのみが含まれるようになります。これは全体バックアップを実行し、そのテープを使用して元のファイルシステムを再作成する場合に有効です。

--rotationpolicy/-R

メディア・ファミリに対するローテーション・ポリシーを指定します。

このオプションは、自動テープ複製に使用されるメディア・ファミリには作用しません。

ローテーション・ポリシーを消去するには、ポリシー名に空の文字列("")を指定します。

--duplicationpolicy/-D

メディア・ファミリに対する複製ポリシーを指定します。

複製ポリシーを消去するには、ポリシー名に空の文字列("")を指定します。

--acsscratchid/-d acsscratch_id

ACSLSライブラリの場合、ボリュームを取得するスクラッチ・プールIDを定義します。ACSLS以外のライブラリの場合、このオプションは影響しません。ボリュームのラベル付けが解除されている場合、ラベル付けが解除されたときに属していたメディア・ファミリによって定義されているスクラッチ・プールIDに戻されます。

media-family-name

作成するメディア・ファミリの名前を指定します。メディア・ファミリ名は大/小文字が区別され、英数字で始める必要があります。使用できるのは文字、数字、ダッシュ、アンダースコアおよびピリオドのみです(空白は不可)。最大31文字までです。

例2-87 時間管理メディア・ファミリの作成

この例では、time-man-familyという名前の時間管理されたメディア・ファミリを作成します。ボリューム・セットのボリュームは7日間更新可能です。保存期間は28日間であるため、メディア・ファミリのボリュームはOracle Secure Backupによる最初の書込みから35日後に期限切れになります。

ob> mkmf --vidunique --writewindow 7days --retain 28days time-man-family

例2-88 コンテンツ管理メディア・ファミリの作成

この例では、content-man-familyという名前のコンテンツ管理されたメディア・ファミリを作成します。書込みウィンドウにforeverが指定されているため、このファミリのボリュームは無期限に更新可能です。ボリュームが期限切れになるのは、RMANでボリューム上のすべてのバックアップ・ピースのステータスがDELETEDになったときです。

ob> mkmf --vidunique --writewindow forever content-man-family