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Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド |
Oracle RAC 用サポート のインストールプロセスの概要
Oracle Solaris Cluster フレームワークの要件
Oracle Clusterware のストレージ管理の要件
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイル用のストレージ管理の要件
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルにローカルディスクの使用
Oracle バイナリファイルと Oracle 構成ファイルに共有ファイルシステムの使用
SPARC: Oracle コンポーネントのプロセッサアーキテクチャーの要件
Oracle RAC 用サポート での Oracle Data Guard の使用
Oracle Solaris Cluster 3.3 ソフトウェアでの Oracle Real Application Clusters Guard オプションの使用
Oracle Solaris Cluster コマンドの使用に関する制限
グローバルクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する
Oracle RAC 用サポート パッケージをインストールする
6. Oracle RAC 用サポート のトラブルシューティング
Oracle Solaris Cluster ノードを準備すると、オペレーティングシステムの構成が変更され、Oracle RAC を Oracle Solaris Cluster ノードで実行できるようになります。 Oracle Solaris Cluster ノードやディスクの準備では、次の作業を行います。
NIS ネームサービスをバイパスする
データベース管理者 (DBA) グループと DBA ユーザーアカウントを作成する
Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する
![]() | 注意 - これらの作業は、Oracle RAC 用サポート を実行できるすべてのノードで行います。 これらの作業をすべてのノードで実行しないと、Oracle のインストールは完了しません。 Oracle のインストールが不完全であると、Oracle RAC 用サポート は起動中に失敗します。 |
Oracle RAC をゾーンクラスタで実行できるようにするには、さらに次の作業を行う必要があります。
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの必要な特権を設定する
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの論理ホスト名リソースを構成する
この節には次の情報が含まれます。
Oracle Solaris Cluster ノードを準備する前に、Oracle RAC のすべてのプリインストールタスクが完了していることを確認します。 詳細は、Oracle RAC のドキュメントを参照してください。
NIS ネームサービスをバイパスすると、Oracle RAC 用サポート データサービスがクラスタノードのパブリックネットワークの障害から保護されます。 クラスタノードのパブリックネットワークに障害が発生すると、NIS ネームサービスが使用不能になる場合があります。 Oracle RAC 用サポート が NIS ネームサービスを参照したときにネームサービスが使用不能だと、Oracle RAC 用サポート データサービスは失敗する場合があります。
NIS ネームサービスをバイパスすると、Oracle RAC 用サポート データサービスは、ユーザー識別子 (ID) を設定するときに NIS ネームサービスを参照しません。 Oracle RAC 用サポート データサービスは、データベースを起動または停止するときにこのユーザー ID を設定します。
passwd: files [NOTFOUND=return] nis [TRYAGAIN=0] publickey: files [NOTFOUND=return] nis [TRYAGAIN=0] project: files [NOTFOUND=return] nis [TRYAGAIN=0] group: files [NOTFOUND=return] nis [TRYAGAIN=0]
/etc/nsswitch.conf ファイルについては、nsswitch.conf(4) のマニュアルページを参照してください。
「DBA グループと DBA ユーザーアカウントを作成する」に進みます。
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアで Oracle RAC をインストールした場合、通常、DBA グループには dba という名前が付けられます。 通常、このグループには、root ユーザーと oracle ユーザーが含まれます。
注 - ここで説明するユーザーとグループの構成は、Oracle のドキュメントに記載された Oracle RAC のスタンドアロンインストールの構成とは異なります。 Oracle RAC のスタンドアロンインストールでは、oinstall という名前の一次 DBA グループと dba という名前の二次グループを使用します。 一部のアプリケーションでは、oper という名前の二次グループも必要になります。 詳細は、Oracle のドキュメントを参照してください。
この作業は各クラスタノードで実行します。
# echo 'group-name:*:group-id:user-list' >> /etc/group
エントリを追加するグループの名前を指定します。 通常、このグループには dba という名前が付けられます。
システム内のグループの一意の数値 ID (GID) を指定します。
グループに含めるユーザー名をコンマで区切って指定します。 必要なすべての DBA ユーザーの名前をこのリストに含める必要があります。 通常、このグループには、root ユーザーと oracle ユーザーが含まれます。
Oracle RAC 用サポート を実行できるそれぞれのノードで、エントリが同じであることを確認してください。
ネットワーク情報サービス (NIS) や NIS+ などのネットワークネームサービスにネームサービスエントリを作成すれば、データサービスクライアントからこの情報を使用できるようになります。 また、ローカルの /etc ファイルにエントリを作成し、ネットワークネームサービスに依存しないようにすることもできます。
root ユーザーのホームディレクトリを作成する必要はありません。
ホームディレクトリを作成する対象の潜在的ユーザーごとに、次のコマンドを入力します。
# mkdir -p user-home
作成するホームディレクトリのフルパスを指定します。
root ユーザーを追加する必要はありません。
各ユーザーを追加するには、useradd(1M) コマンドを使用します。 ユーザーをシステムに追加すると、ユーザーのエントリが次のファイルに追加されます。
/etc/passwd
/etc/shadow
# useradd -u user-id -g group-name -d user-home \ [ -s user-shell] user-name
システム内のユーザーの一意の数値 ID (UID) を指定します。
ユーザーが属するユーザーグループの名前を指定します。 手順 2 で定義した DBA グループを指定する必要があります。
ユーザーのホームディレクトリのフルパスを指定します。 手順 3 でユーザー用に作成したホームディレクトリを指定する必要があります。
必要に応じて、ユーザーのログイン時にユーザーのシェルとして使用するプログラムのフルパス名を指定します。 -s オプションを省略すると、デフォルトで /bin/sh プログラムが使用されます。 -s オプションを指定する場合は、user-shell に有効な実行可能ファイルを指定する必要があります。
追加するユーザーのユーザー名を指定します。 手順 2 で定義した DBA グループの潜在的ユーザーの名前を指定する必要があります。
Oracle RAC 用サポート を実行できるそれぞれのノードで、各ユーザーが同じであることを確認してください。
各ユーザーのパスワードを設定するには、passwd(1) コマンドを使用します。
# password user-name
パスワードを設定する対象のユーザーのユーザー名を指定します。 手順 4 で追加した DBA グループのユーザーの名前を指定する必要があります。
passwd コマンドから、パスワードを入力するように求められます。
passwd コマンドから、パスワードをもう一度入力するように求められます。
所有者: ホームディレクトリを作成した対象のユーザー
グループ: 手順 2 で定義した DBA グループ
所有権を変更するホームディレクトリごとに、次のコマンドを入力します。
# chown user-name:group-name user-home
作成するデブディレクトリごとに、次のコマンドを入力します。
# mkdir /var/opt/user-name
/var/opt ディレクトリのサブディレクトリを作成する対象のユーザーのユーザー名を指定します。 手順 4 で追加した DBA グループのユーザーの名前を指定する必要があります。
所有者: ディレクトリを作成した対象のユーザー
グループ: 手順 2 で定義した DBA グループ
所有権を変更するディレクトリごとに、次のコマンドを入力します。
# chown user-name:group-name /var/opt/user-name
例 1-1 DBA グループと DBA ユーザーアカウントの作成
この例では、DBA グループ dba を作成し、そのグループに root ユーザーと oracle ユーザーを含めるための一連のコマンドを示します。
作成する dba グループと oracle ユーザーの情報を次に示します。
dba グループの GID は 520 です。
oracle ユーザーのホームディレクトリは /Oracle-home です。
oracle ユーザーの UID は 120 です。
oracle ユーザーのログインシェルは Korn シェルです。
# echo 'dba:*:520:root,oracle' >> /etc/group # mkdir /Oracle-home # useradd -u 120 -g dba -d /Oracle-home -s /bin/ksh oracle # passwd oracle New Password:oracle Re-enter new Password:oracle passwd: password successfully changed for oracle # chown oracle:dba /Oracle-home # mkdir /var/opt/oracle # chown oracle:dba /var/opt/oracle
次のマニュアルページを参照してください。
「グローバルクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する」に進みます。
Oracle RAC ソフトウェアが正常に動作するためには、すべてのクラスタノードに十分な共有メモリーがなければなりません。 この作業は各クラスタノードで実行します。
これらのパラメータは、クラスタで使用できるリソースに基づいて設定する必要があります。 ただし、各パラメータには、Oracle RAC ソフトウェアがその構成要件に従って共有メモリーセグメントを作成できるだけの十分な値を指定する必要があります。 各パラメータの必要な最小値については、Oracle のドキュメントを参照してください。
/etc/system ファイルで構成するエントリの例を次に示します。
*SHARED MEMORY/ORACLE set shmsys:shminfo_shmmax=4294967295
![]() | 注意 - 再起動する前に、既存のボリュームマネージャーソフトウェアのインストールが完了していることを確認する必要があります。 ボリュームマネージャーソフトウェアのインストールが不完全であると、パニックが発生します。 VxVM を使用する場合は、ソフトウェアがインストールされていること、および VxVM クラスタ機能のライセンスが有効であることも確認してください。 その状態でないと、再起動時にパニックが発生します。 インストール時にノードでパニックが発生した場合の回復方法については、「Oracle RAC 用サポート の初期化中のノードパニック」を参照してください。 |
詳しい手順については、『Oracle Solaris Cluster システム管理』の「クラスタ内の 1 つのノードの停止と起動」を参照してください。
「Oracle RAC 用サポート パッケージのインストール」に進みます。
ゾーンクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成するには、次の手順を実行します。
グローバルクラスタで共有メモリーを構成する詳しい手順については、「グローバルクラスタで Oracle RAC ソフトウェアの共有メモリーを構成する」を参照してください。
注 - これらの手順を実行しても、ゾーンクラスタの実際の共有メモリーの制御には影響しません。 これらの手順を実行する目的は、Oracle dbca ユーティリティーでデータベースメモリーの割り当てを設定できるようにすることです。 RAC データベースの作成に Oracle dbca ユーティリティーを使用しない場合は、ゾーンクラスタでのこれらの手順を省略してかまいません。
#clzonecluster configure zcname clzonecluster:zcname> add capped-memory clzonecluster:cz1-2n:capped-memory> set physical=memsize clzonecluster:cz1-2n:capped-memory> set swap=memsize clzonecluster:cz1-2n:capped-memory> set locked=memsize clzonecluster:cz1-2n:capped-memory> end clzonecluster:cz1-2n>commit
物理メモリーのサイズを指定します。
スワップメモリーのサイズを指定します。
メモリーをロックするように Oracle RAC データベースプロセスで要求できる共有メモリーセグメントのサイズの制限を指定します。
注 - capped-memory プロパティーの locked 属性に加え、max-shm-memory プロパティーを使用して共有メモリーセグメントの制限をゾーンクラスタで直接構成することもできます。 Solaris のマニュアルページ zonecfg(1M) も参照してください。
#clzonecluster reboot zcname
注 - capped-memory プロパティーの属性を設定する手順は、ゾーンクラスタの作成の一環として実行できます。 ゾーンクラスタの作成の一環として capped-memory プロパティーの属性を設定した場合、メモリー関連のプロパティーは、最初にゾーンクラスタを起動したときにすぐに有効になります。 『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタを作成する」を参照してください。
ゾーンクラスタの構成で Oracle RAC を実行できるようにするには、必要な特権を設定する必要があります。 必要な特権は、clzonecluster コマンドを使用して limitpriv プロパティーを設定することで、ゾーンクラスタの構成に含めることができます。 Oracle RAC を実行するためにゾーンクラスタで必要な特権を設定するには、次の手順を実行します。
# clzonecluster configure zcname clzonecluster:zcname>set limitpriv ="default,proc_priocntl,proc_clock_highres" clzonecluster:zcname>commit
# clzonecluster reboot zcname
注 - limitpriv プロパティーを設定する手順は、ゾーンクラスタの作成の一環として実行できます。 ゾーンクラスタの作成については、『Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール』の「ゾーンクラスタを作成する」を参照してください。
Oracle RAC 9i の構成の論理ホスト名リソースや、Oracle RAC 10g および 11g の構成の Oracle Clusterware 仮想 IP アドレスをゾーンクラスタでサポートするには、clzonecluster コマンドを使用して、特定のゾーンクラスタ内のそれらのリソースで使用されるフェイルオーバー対応のホスト名または IP アドレスを構成します。
Oracle RAC 10g または 11 g のゾーンクラスタの構成で仮想 IP アドレスを構成するには、次の手順を実行します。
# clzonecluster configure zcname clzonecluster:zcname>add net clzonecluster:zcname:net>set address=racnode1-vip clzonecluster:zcname:net>end clzonecluster:zcname>add net clzonecluster:zcname:net>set address=racnode2-vip clzonecluster:zcname:net>end clzonecluster:zcname>commit
# clzonecluster reboot zcname