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Oracle® Coherence開発者ガイド
リリース3.6.1
B61368-02
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35 JMX Reporter

Coherenceには、JMXのレポート作成機能(Reporter)が用意されています。Reporterのすぐに利用可能なレポートは、管理者および開発者が容量管理や問題のトラブルシューティングを行う際に役立ちます。カスタム・レポートも作成できます。


注意:

アーカイブおよび削除処理について計画を立ててください。Reporterでは大量の情報が作成されるため、Reporterを起動する前に、結果をアーカイブしたり削除したりする計画を立てておく必要があります。

基本構成

基本的な内容でReporterを有効にするには、システム・プロパティを設定する必要があります。

例35-1は、管理ノードのプロパティを示しています。

例35-1 Reporterの管理ノードのシステム・プロパティ

-Dtangosol.coherence.management.report.autostart=true
-Dtangosol.coherence.management=all
-Dcom.sun.management.jmxremote

例35-2は、管理対象ノードのプロパティを示しています。

例35-2 Reporterの管理対象ノードのシステム・プロパティ

-Dtangosol.coherence.management.remote=true

基本構成では、クラスタ内のすべてのノードについてJMXの統計を記録する、単一のReporterノードが作成されます。ログ・ファイルはアプリケーションの作業ディレクトリに配置されます。

管理

JMX Reporterは、Coherenceドメイン配下のMBeanで管理されます。このReporter MBeanによって、Reporterのステータスおよびパフォーマンスに関する情報が提供されます。またMBeanには、サービスを起動および停止したり、必要に応じてレポートを実行したりする機能も用意されています。

図35-1は、Reporter MBeanで使用可能な属性を示しています。MBeanの表示にはJConsoleを使用しています。

図35-1 Reporterの属性(JConsole)

この図については本文で説明しています。

図35-2は、Reporter MBeanで実行できる操作を示しています。Reporterの属性の詳細は、javadocのReporterの項を参照してください。

図35-2 Reporterの操作(JConsole)

この図については本文で説明しています。

データ分析

Reporterにより、1時間ごとに7つのファイルが作成されます。各ファイル名には、レポートの実行された日付と時刻がYYYYMMDDHH形式で接頭辞として付加されます。これにより、不要な情報の特定やパージが容易になります。生成されるファイルについて、表35-1で説明します。

表35-1 Reporterで生成されるファイル名

ファイル名 説明

YYYYMMDDHH-memory-status.txt

各ノードに関するメモリーおよびガベージ・コレクションの情報が含まれます。

YYYYMMDDHH-network-health.txt

グリッド全体におけるパブリッシャの成功率および受信側の成功率が含まれます。

YYYYMMDDHH-network-health-detail.txt

各ノードにおけるパブリッシャの成功率および受信側の成功率が含まれます。

YYYYMMDDHH-node.txt

グリッドのメンバーであったノードのリストが含まれます。

YYYYMMDDHH-service.txt

各サービスのリクエストおよびタスク情報が含まれます。

YYYYMMDDHH-proxy.txt

グリッド内の各プロキシ・ノードに関する使用状況が含まれます。

YYYYMMDDHH-cache-usage.txt

各キャッシュの使用(put、getなど)の統計が含まれます。


各ファイルに含まれるデータの詳細は、第38章「Reporterの内容の分析」を参照してください。Coherence*Webに固有のレポートについては、『Oracle Coherence Oracle Coherence*Webユーザーズ・ガイド』のパフォーマンス・レポートの実行に関する項を参照してください。

高度な構成

カスタム・レポートの作成

  1. カスタム・レポート構成ファイルを作成します。第36章「カスタム・レポートの作成方法」を参照してください。

  2. レポートを実行するレポート・バッチを更新します。第37章「レポート・バッチの変更方法」を参照してください。

  3. 必要に応じて実行します。第39章「オンデマンドでレポートを実行する方法」を参照してください。

分散構成でのReporterの実行

分散構成の使用は、グリッドの安定性に問題がある場合のみお薦めします。この構成では、分散配置されたReporterが個別に実行されるため、実行時刻が一定にはなりません。そのため、グリッド・レベルの分析は非常に困難になりますが、ノードがグリッドに参加または離脱している間のノード・レベルの分析は可能です。

分散モードで実行する場合は、Reporterを一元管理しながら各ノードでローカルのJMXの統計を記録できます。この構成を有効にするには、次のシステム・プロパティを設定します。

管理ノードの場合:

例35-3 分散モードにおけるReporterの管理ノードのシステム・プロパティ

-Dtangosol.coherence.management.report.autostart=false
-Dtangosol.coherence.management.report.distributed=true
-Dtangosol.coherence.management=all
-Dcom.sun.management.jmxremote

管理対象ノードの場合:

例35-4 分散モードにおけるReporterの管理対象ノードのシステム・プロパティ

-Dtangosol.coherence.management.report.autostart=true
-Dtangosol.coherence.management.report.distributed=true
-Dtangosol.coherence.management=local-only
-Dtangosol.coherence.management.remote=true