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Oracle Fusion Middleware Oracle B2Bユーザーズ・ガイド
11g リリース1(11.1.1.4.0)
B61381-02
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B Fusion Middleware ControlでのB2B構成プロパティの設定

Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して、Oracle B2Bインタフェースの「構成」タブで設定されないプロパティに対するB2B構成プロパティを設定します(第16章「B2Bシステム・パラメータの構成」を参照)。B2Bプロパティはconfigmbeanutilユーティリティを使用して設定することもできます。

ここでは、次の項目について説明します。

B.1 Fusion Middleware Controlで設定するプロパティ

次のプロパティは、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlで設定できます。プロパティの設定方法は、『Oracle Fusion Middleware Oracle SOA SuiteおよびOracle Business Process Management Suite管理者ガイド』を参照してください。


注意:

B2Bプロパティを変更する場合は、SOAサーバーの再起動が必要です。

表B-1 Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware ControlでのOracle B2Bプロパティ

プロパティ 説明
b2b.addebMSHeaders

ACTION、SERVICE、SERVICE TYPE、CPAID、FROMROLEおよびTOROLEの受信ebMSメッセージの詳細を、AQのACTION_NAMEヘッダーに追加するために使用します。

デフォルトでは、ACTIONのみがACTION_NAMEの一部として渡されます。

b2b.attachments.dir

添付のディレクトリの場所を指定するには、このプロパティを設定します。

このプロパティを有効にすると、ユーザーはすべての添付が書き込まれるディレクトリを指定できます。

このプロパティを変更した場合、新しい値を有効にするにはサーバーを再起動する必要があります。

b2b.certificatevalidation

このプロパティは、ebMSで受信した証明書の検証を有効または無効にするために使用します。たとえば、証明書の期限が切れている場合は通常であればエラーがスローされますが、このプロパティをfalseに設定した場合は、検証エラーはスローされずに証明書が許可されます。デフォルト値はtrueであり、Oracle B2Bはデフォルトで証明書を検証します。

b2b.checkDuplicate

重複メッセージをチェックするには、このプロパティをtrueに設定します。

このプロパティをfalseに設定すると、受信ビジネス・メッセージの重複チェックは実行されません。

デフォルトで、Oracle B2Bでは、受信メッセージのビジネス・メッセージIDに基づいて重複メッセージがチェックされます。

b2b.deploy.validation

デプロイメント時の検証を無効にするには、このプロパティをfalseに設定します。

多数のアグリーメントをデプロイするとき、データが確実に有効である場合に便利です。

b2b.docPluginList

このプロパティを使用すると、プロパティで指定されている順序に従ってドキュメント・プラグインがロードされます。次に例を示します。

b2b.docPluginList=Custom,EDI_X12,EDI_EDIFACT,HL7,RosettaNet

これにより、ドキュメント・プラグインが指定した順序でロードされます。このプロパティに値を指定しないと、システム(protocol.xml)からすべてのドキュメント・プラグインがロードされます。

b2b.edi.enablePreprocess

このプロパティをtrueに設定すると、データの前処理が行われ、末尾のCRLF(改行文字)およびファイル内に存在する可能性のある不要なCRLFが削除されます。

デフォルト値はfalseです。

このプロパティを変更した場合、新しい値を有効にするにはサーバーを再起動する必要があります。

b2b.edi.identifyToTP

TPを受信メッセージに存在するTP情報から識別するには、このプロパティを使用します。

このプロパティは、インバウンド・メッセージ処理に使用されます。trueに設定すると、受信メッセージに存在するTP情報からtoTPが識別されます。デフォルト値はfalseです。

b2b.edi.ignoreValidation

EDIエンベロープ検証を無効にして、EDIメッセージの交換検証エラーを無視するには、このプロパティでカンマ区切りのエンベロープ・ヘッダーを設定します。

次に例を示します。

b2b.edi.ignoreValidation=InterchangeSenderID, InterchangeReceiverID 

または、値ALLを使用すると、エンベロープ・ヘッダー検証全体が無効になります。

注意: このフラグを追加または更新する場合、サーバーの再起動は必要ありません。ただし、フラグを削除する場合は、変更を有効にするためにサーバーを再起動する必要があります。

b2b.encoding

このプロパティを使用すると、デフォルトのUTF-8以外のエンコーディングを指定できます。

b2b.errorsCumulativeReported

報告されるエラーが累積かどうかを指定するには、このプロパティをtrueまたはfalseに設定します。

このプロパティをtrue(デフォルト)に設定すると、累積の形式でエラーが報告されます。

falseに設定すると、エラー・テキストとエラー説明のフィールドは連結されず、説明は新規行で始まります。

このプロパティは、EDIバッチ処理のエラー・メッセージに最も有効です。

b2b.fa.inbound.validation
b2b.fa.outbound.validation

これらのプロパティは、インバウンドおよびアウトバウンドのFA検証を制御するために使用します。

アウトバウンドFA検証を無効にするには、b2b.fa.outbound.validationプロパティをfalseに設定します。デフォルト値はtrueです。

インバウンドFA検証を無効にするには、b2b.fa.inbound.validationプロパティをfalseに設定します。デフォルト値はtrueです。

b2b.FACorrelatedByInterchangeId

同じ管理番号が同じ取引パートナ間で使用されている場合、インバウンドFAとアウトバウンドFAを正しく相関付けるには、このプロパティをtrueに設定します。

デフォルトでは、同じ管理番号が同じ取引パートナ間で使用されている場合、Oracle B2Bでは、インバウンドFAとアウトバウンドFAが正しく相関付けられません。このプロパティをtrueに設定すると、インバウンド・メッセージとアウトバウンド・メッセージの両方に対する管理番号+ (交換送信者ID + 交換受信者ID)に基づいて相関付けられます。

b2b.FailedMessagesDirectory

b2b.jmsRedeliveryLimitに達したときに、ファイル・システムに書き込まれる失敗したアプリケーション・メッセージの場所を変更するには、このプロパティを設定します。このプロパティを別のフォルダに設定することで、場所をデフォルトから別の場所に変更できます。

b2b.HAInstance

HA環境でFile、FTPまたは電子メール・トランスポートを有効にするには、このプロパティをtrueに設定します。

デフォルト値はfalseです。

b2b.hl7.ignoreValidation

hl7エンベロープ検証を無効にするには、このプロパティに対してカンマ区切りのエンベロープ・ヘッダーを設定できます。

次に例を示します。

b2b.hl7.ignoreValidation = MessageReceivingFacility, MessageSendingApp

または、ALLに設定すると、エンベロープ・ヘッダー検証全体が無効になります。

b2b.inboundThreadCount

b2b.inboundThreadSleepTime

b2b.outboundThreadCount

b2b.outboundThreadSleepTime

b2b.defaultThreadCount

b2b.defaultThreadSleepTime

スレッド数とスレッド・スリープ時間を設定して、メッセージ処理を向上させるには、これらのプロパティを設定します。

b2b.inboundThreadCountおよびb2b.outboundThreadCountの推奨値は、使用しているシステムによって異なります。2GBのコンピュータの場合は、3〜5に設定することをお薦めします。

Oracle B2Bがシングル・スレッド・モード(デフォルト)で実行している場合、ブロックされたアウトバウンドHTTPメッセージにより、Oracle B2Bでの以降のメッセージの処理が失敗する場合があります。HTTP配信のデフォルトのタイムアウトは60秒であり、タイムアウトによってメッセージがエラーになり、処理がブロック解除される可能性があります。処理の遅延を避けるには、スレッド数プロパティb2b.outboundThreadCountを3または4スレッドに増やすことをお薦めします。

b2b.inboundThreadSleepTimeおよびb2b.inboundThreadSleepTimeプロパティを設定すると、メッセージ処理後にスレッドがスリープ状態になります。10〜1000(ミリ秒)に設定することをお薦めします。

b2b.jmsRedeliveryLimit

このプロパティを設定することで、JMSキューからのメッセージ読取りの再試行制限を変更できます。Oracle B2Bは、このプロパティで指定した回数だけメッセージの読取りを再試行します。デフォルトの再試行制限は5回です。

制限回数を超えると、メッセージとヘッダーの内容が、ファイル・システムに書き込まれます(デフォルトの場所は/tmpフォルダ)。また、Oracle B2BはJMS - B2B_IN_QUEUEに例外メッセージを送信し、エラーを報告して、保存されたメッセージの場所を示します。

b2b.FailedMessagesDirectoryを設定することで、失敗したメッセージの場所を指定できます。

b2b.listening.channel.restart.wait

Oracle B2Bはリスニング・チャネルに対して複数のファイル監視スレッドを作成することがあります。このプロパティを使用して長い間隔を設定すると、初期化時のスレッドの競合状態を回避するのに役立ちます。

b2b.MaxTimeinAquiredState

再起動後に自動スタック・ハンドラがメッセージの処理を再開しない問題を回避するには、このプロパティを設定します。

b2b.MaxTimeinAquiredStateプロパティの時間単位の値は分で、デフォルト値は30です。

b2b.mdsCache cache_size

メタデータ・サービス(MDS)のインスタンス・キャッシュ・サイズを設定するには、このプロパティを設定します。

xmxとmdsCacheの値の比率は5:1にすることをお薦めします。たとえば、xmxサイズが1024の場合、mdsCacheは200MBで管理します。

b2b.OutboundDispatchInterval

ディスパッチの各サイクル間の遅延を制御するには、このプロパティを使用します。このプロパティを設定して、順序付けされたメッセージのディスパッチ間の待機時間を指定します(ミリ秒単位)。

有効にした場合、このプロパティはディスパッチの各サイクル間の遅延を制御します。このプロパティは、メッセージ順序付け機能および取引パートナ停止時間スケジュール機能と組み合せて使用できます。

自動スタック・ハンドラを使用すると、Oracle B2Bは失敗したアウトバウンド・メッセージを順番に再試行します。配信のエンドポイントに達すると、シーケンスのすべてのメッセージが配信対象になり、エンドポイントでのメッセージ配信が過負荷状態になる可能性があります。負荷を軽減するには、このプロパティを使用して、メッセージのディスパッチの間隔をミリ秒単位で設定します。

b2b.outboundOneErrorAllError

エラーに対するフラグ付け方法を指定するには、このプロパティをtrueまたはfalseに設定します。

アウトバウンド・メッセージの場合、b2b.outboundOneErrorAllErrorをtrueまたはfalseに設定できます。デフォルトはfalseです。このプロパティをtrueに設定すると、アウトバウンド・メッセージについては、エラーのメッセージが1つの場合でも、すべてのアウトバウンド・バッチ・メッセージがエラー状態に設定されます。バッチ処理したいずれのメッセージも取引パートナに送信されません。

b2b.outboundOneErrorAllErrorプロパティを使用する場合、インバウンド・メッセージは、b2b.outboundOneErrorAllErrorがfalseに設定されている場合と同様に動作します。つまり、インバウンド・メッセージの処理中にエラーが発生した場合、そのメッセージにのみエラーのフラグが付けられ、他のメッセージにはエラーのフラグは付けられません。すべてのメッセージに失敗のフラグを付けるオプションはありません。

b2b.payloadObfuscation

ペイロードの不明瞭化を有効にするには、このプロパティをtrueに設定します。

詳細は、第1.4.1項「ペイロードの不明瞭化」を参照してください。

b2b.rowLockingForCorrelation

行レベルのロックを有効にするには、このプロパティをtrueに設定します。

Oracle B2BがEDI FAメッセージとAS2 MDNメッセージ(確認メッセージ)を同時に受信すると、競合状態が発生し、(FAは正常に処理されても)アウトバウンドEDIメッセージがMSG_WAIT_FA状態のままになる可能性があります。

この行レベルのロック・パラメータを使用すると、相関付けられたFAメッセージと確認メッセージが同時に処理される場合に、元のEDIメッセージに順番にアクセスできます。この結果、Oracle B2Bによって元のメッセージが更新される際の競合条件が回避されます。

b2b.setDynamicNameSpace

Oracle B2B 10gバージョンのEDI ecsおよびxsdファイルを使用するには、このプロパティをtrueに設定します。

Oracle B2B 10gで使用されていたEDI ecsおよびxsdファイルをOracle B2B 11gで使用する場合は、XEngineによって、変換後のxmlに対する動的ネームスペースが生成される場合があります。次に例を示します。

xmlns="NS_31CA8D0F33324F95A0BF15D85539C27E20060518215520"

EDIメッセージに対する動的ネームスペース生成を無効にするには、このプロパティをfalseに設定します。


B.2 configmbeanutilユーティリティの使用

configmbeanutilユーティリティを使用してプロパティを設定することもできます。

configmbeanutilユーティリティを使用する手順は、次のとおりです。

  1. MW_HOME環境変数を、Fusion Middlewareインストール・ディレクトリを指すように設定します。次に例を示します。

    setenv MW_HOME /scratch/$user/fmwhome
    

    注意:

    Fusion Middlewareディレクトリにアクセスするには、ホスト、ポート、ユーザーおよびパスワードの情報が含まれているmbeanプロパティ・ファイル(mbeanutil.properties)を指定する必要があります。次に例を示します。
    host=myfmw.com
    port=7001
    user=weblogic
    password=mypwd 
    

  2. JAVA_HOME環境変数を設定します。次に例を示します。

    setenv JAVA_HOME ${MW_HOME}/jdk160_14_R27.6.4-18
    
  3. Java binディレクトリをPATH環境変数に追加します。次に例を示します。

    setenv PATH ${JAVA_HOME}/bin:${PATH}
    

例B-1例B-2例B-3および例B-4に、このユーティリティの使用方法を示します。

例B-1 コンソールへの全プロパティの出力

java -cp $MW_HOME/AS11gR1SOA/soa/modules/oracle.soa.b2b_11.1.1/b2b.jar:$MW_HOME/
wlserver_10.3/server/lib/wljmxclient.jar:$MW_HOME/modules/
glassfish.jaxb_1.2.0.0_2-1-7.jar oracle.tip.b2b.utility.ConfigMBeanUtility

例B-2 プロパティの追加

java -cp $MW_HOME/AS11gR1SOA/soa/modules/oracle.soa.b2b_11.1.1/b2b.jar:$MW_HOME/
wlserver_10.3/server/lib/wljmxclient.jar:$MW_HOME/modules/
glassfish.jaxb_1.2.0.0_2-1-7.jar oracle.tip.b2b.utility.ConfigMBeanUtility add b2b.test cool ok

例B-3 プロパティの更新

java -cp $MW_HOME/AS11gR1SOA/soa/modules/oracle.soa.b2b_11.1.1/b2b.jar:$MW_HOME/
wlserver_10.3/server/lib/wljmxclient.jar:$MW_HOME/modules/
glassfish.jaxb_1.2.0.0_2-1-7.jar oracle.tip.b2b.utility.ConfigMBeanUtility 
update b2b.test thru

例B-4 プロパティの削除

java -cp $MW_HOME/AS11gR1SOA/soa/modules/oracle.soa.b2b_11.1.1/b2b.jar:$MW_HOME/
wlserver_10.3/server/lib/wljmxclient.jar:$MW_HOME/modules/
glassfish.jaxb_1.2.0.0_2-1-7.jar oracle.tip.b2b.utility.ConfigMBeanUtility 
remove b2b.test