アイテムのバージョニングによって、Oracleデータベース内でアイテムの複数のバージョンが共存できます。この機能は、あるドキュメントについてバージョンの変更を追跡する場合、または必要に応じて前のバージョンに戻す場合に役立ちます。
この項では、アイテムについてのバージョン制御の使用について説明します。内容は次のとおりです。
OracleAS Portaには、ページ・グループおよび個々のページに対するアイテムのバージョン制御の設定があります。さらに、アイテムのバージョニングは、翻訳に関連します。詳細は、5.5.2項「ページ・グループに対するアイテム・バージョニングのレベルの設定」、7.1項「ページ・グループ、ページおよびテンプレートに対するアイテム・バージョニングの有効化」および19.3.2項「翻訳とアイテムのバージョニング」を参照してください。
注意: カスタム・アイテム・タイプの場合、「バージョン番号」属性を使用して、バージョニングに使用する採番方法を手動で指定できます。「バージョン番号」属性にデフォルト値を指定する場合、定数値(2 など)を使用しないでください。たとえば、1つのアイテムは同じページで2つのバージョン2を持てないため、「バージョン番号」フィールドに静的なデフォルト値を指定すると、エラーになります。かわりに、一意の値を返すデフォルト・ファンクションを作成し、そのファンクションを1つのプロシージャでコールすることを検討してください。アイテム・タイプに対するプロシージャ・コールの追加の詳細は、5.2.2.2.3項「アイテム・タイプへのプロシージャ・コールの追加」を参照してください。 |
ページ上のアイテムに対してバージョン制御が有効になっている場合は、大部分のアイテムに対してバージョン制御の設定を変更できます。ただし、ステータスが「保留中」または「下書き」のいずれかのアイテムは例外です。これらのアイテムには、バージョン制御の設定がありません。
アイテムのバージョン制御の設定を変更するには、次の手順を実行します。
Oracle Portalにログインします。
バージョニング・レベルを設定するアイテムを含むページに移動します。
「ページ・グループ」ポートレットからページを検索する方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。
ページ上部の「編集」リンクをクリックします。
ページが編集モードで開きます。
該当するアイテムの横の「アイテムの編集」アイコンをクリックします(図14-35)。
「アイテムのバージョン制御」ラジオ・グループで、このアイテムに適用するアイテムのバージョン制御オプションを選択します。
シンプル
アイテムを新規バージョンとして追加するが、現行バージョンにはしない
アイテムを新規かつ現行バージョンとして追加
現行のバージョンの上書き
最初の2つのオプションでは、Oracle Portalに、アイテムの旧バージョンの記録が保持されます。
監査
アイテムを新規バージョンとして追加するが、現行バージョンにはしない
アイテムを新規かつ現行バージョンとして追加
これら2つのオプションでは、Oracle Portalに、アイテムの旧バージョンのレコードが保持されます。
「OK」をクリックします。
注意: ページ・グループまたはページのデフォルト言語以外のビュー(翻訳済ビュー)での作業中、「シンプル」または「監査」のバージョニングが有効の場合、およびデフォルト言語ビューにアイテムのより新しいバージョンがある場合、アイテムのバージョン制御オプションは変わります。詳細は、19.3.3項「翻訳可能属性のコピー」を参照してください。 |
アイテムの複数のバージョンを保持していると、ユーザーに表示するバージョンを変更できます。
アイテムの現行バージョンを変更するには、次の手順を実行します。
Oracle Portalにログインします。
バージョニングを設定する対象のアイテムがあるページに移動します。
「ページ・グループ」ポートレットからページを検索する方法は、8.1項「Oracle Portalでのページの検索」を参照してください。
ページ上部の「編集」リンクをクリックします。
ページが編集モードで開きます。
該当するアイテムの横の「操作」アイコンをクリックします(図14-36)。
「バージョン」リンクをクリックします。
現行アクティブ・バージョンとして使用するバージョンを選択し、「OK」をクリックします。
これで、選択したバージョンのアイテムがユーザーに表示されます。その他のバージョンはすべてデータベース内に保持され、現行バージョンとしての選択対象となります。
カスタム・アイテム・タイプを使用すると、Portalに追加するアイテムのバージョンについて、独自のバージョン採番方法を設定できます。ユーザーは、アイテムを更新するたびに、会社のバージョン採番方法に従って次のバージョンを手動で入力し、そのアイテムを新バージョンとして保存できます。
アイテムを新バージョンとして保存するときに、ユーザーが「バージョン番号」属性の値を指定しないと、Oracle Portalでは、アルゴリズムceil() + 1
を使用して自動的に新しい値を割り当てます。((ceilはceiling(上限)の略で、小数部に続く次に使用可能な整数です。)
たとえば、最後のバージョンが3だった場合、次のバージョンとして4が自動的に割り当てられます。しかし、最後のバージョンが3.1だった場合には、次のバージョンとして5が自動的に割り当てられます。これは、数値3.1の上限は4で、4 + 1 = 5となるからです。
他のタイプの文字ではなく、必ず数値を使用してください。さらに、使用できる小数点は1つです。バージョンのシリーズを1、2、3または1.1、1.2、1.3のように設定することはできますが、1.1.1または1aにはできません。
独自のバージョン採番方法を使用するには、次の手順を実行します。
カスタム・アイテム・タイプを作成します。
カスタム・アイテム・タイプの作成方法については、第5章「コンテンツ追加の準備」を参照してください。
「バージョン番号」属性を、アイテム・タイプに追加します。
「バージョン番号」属性が追加ウィザードと編集ウィザードに表示されていることを確認してください。
新しいアイテム・タイプが許可されるようにページ・グループを構成します。
ページ・グループでアイテム・タイプを使用できるようにする方法については、5.2.2.3項「アイテム・タイプのページ・グループでの使用」を参照してください。
そのページに対してアイテム・バージョニングを有効にします。
ページに対するアイテム・バージョニングの有効化については、第7章「ページ情報の定義と表示」を参照してください。
ページに新しいカスタム・タイプのアイテムを追加します。
アイテムの追加ウィザードには、このアイテムの基礎であるカスタム・アイテム・タイプに追加した「バージョン番号」属性が含まれます。
ページへのアイテム追加の詳細は、14.2項「ページへのアイテムの追加」を参照してください。
「バージョン番号」属性に数値を指定します。
この値にはアラビア数字(1、2、3など)を指定する必要があり、小数点は1つ含めることができます。
アイテム追加を終了します。
ユーザーがアイテムを更新すると、「バージョン番号」属性が「アイテムの編集」ウィザードに表示されます。ユーザーは設定された採番方法に従って適切な増分値を入力し、アイテムを新しいバージョンとして保存できます。
アイテムのバージョニングを使用していて、常にイメージの現行バージョンを表示する場合は、そのイメージがアイテムそのものであるかアイテムに関連付けられた属性であるかに関係なく、イメージの内部名ではなく永続URLを使用してください。永続URLは、常にイメージの最新バージョンを取得します。したがって、イメージの内部名(たとえば、1645.GIF
)を入力するかわりに、次のように入力します。
/portal/page/<DAD>/<GUID>
これは、永続URLの相対URL形式です。値を入れると、次のようになります。
/portal/page/mydad/A47D41ECA23648A9E030007F0100118A
ホストまたはドメイン名が変わるか、コンテンツが別のサイトにエクスポートされる場合、参照の整合性を維持するために、常に相対URLを使用します。
アイテムの永続URLは、アイテムを含むリージョンで「プロパティ・シート」属性を表示することにより取得できます。「プロパティ・シート」属性がリージョンに表示されたら、アイテムの横の「プロパティ・シート」アイコン(図14-37)をクリックし、使用する永続URLの部分をコピーします。永続URLがヘッダーの「アイテムリンク」の横に表示されます。リージョン属性の表示の詳細は、10.2.9項「リージョンに表示される属性の変更」を参照してください。
「プロパティ・シート」アイコンをクリックしたときに表示されるプロパティ・シートは、イメージを右クリックし、ポップアップ・メニューから「プロパティ」を選択したときに表示されるメニューと異なります。イメージの永続URLを取得するには、常に「プロパティ・シート」アイコンをクリックしてください。