Oracle Fail Safe Managerでは、「計画的なフェイルオーバー」と呼ばれるプロセスを使用して、クラスタ内のノード間で作業負荷のバランスを簡単に調整できます。「計画的なフェイルオーバー」を使用して、クラスタの初期設定を調整したり、クラスタ環境が変化した場合に設定を調整します。
3つのグループ、「Sales」、「Marketing」および「Customers」を作成します。「Sales」と「Marketing」を1つのノード(この例ではNTCLU-151)に作成し、「Customers」はもう一方のノード(この例ではNTCLU-152)に作成します。
各グループに対するフェイルバックを有効にし、各グループの現行ノードを「優先所有者ノード」リストの最上部に設定します。グループの作成の詳細は、第3章を参照してください。この例では、仮想アドレスを新規グループに追加しないでください。
次の図はクラスタの最初の構成を表しています。
最近NTCLU-152にCPUを追加したと想定します。これにより、ノードNTCLU-152の方が「Sales」および「Marketing」グループの負荷をより効率よく処理できるようになり、NTCLU-151は「Customers」グループを処理した方がよい状況になったとします。ユーザーへのサービスの中断を最小限に押さえながら、グループを新しいより強力なシステムに移動できます。
NTCLU-152の方が強固なシステムであるため、まず最初に「Sales」および「Marketing」グループをNTCLU-152に移動します。
「Sales」グループをNTCLU-151からNTCLU-152に移動するには、「Sales」グループを右クリックして「別のノードに移動」を選択します。(実際のノード名は異なる場合があります。)
グループの移動ウィンドウに移動操作の進行状況が表示されます。移動が完了したら、クラスタワイド操作の状態ウィンドウで「はい」をクリックし、グループの移動ウィンドウで「閉じる」をクリックします。
「Marketing」グループをNTCLU-151からNTCLU-152に移動するには、「Marketing」グループを右クリックして「別のノードに移動」を選択します。
「Customers」グループをNTCLU-152からNTCLU-151に移動するには、「Customers」グループを右クリックして「別のノードに移動」を選択します。
「優先所有者ノード」リストを確認します。ツリー・ビューから「Sales」グループを選択し、「ノード」タブをクリックします。このページのデータは、NTCLU-151が優先所有者ノードであることを示しています。ただし、構成を配置しなおしたため、NTCLU-152を優先所有者ノードにします。現在の設定では、NTCLU-152で障害が発生し「Sales」グループがNTCLU-151にフェイルオーバーする場合、「優先ノード」リストでは「Sales」グループをNTCLU-151に置くことを示しています。NTCLU-152がオンラインになっても、フェイルバックは発生しません。
NTCLU-152がリストの最初になり、NTCLU-151が2番目になるように、「優先ノード」リストを配置しなおします。「使用可能ノード」リストから「NTCLU-152」を選択して右矢印ボタンをクリックした後、「優先ノード」リストから「NTCLU-152」を選択して上矢印ボタンをクリックします。「優先ノード」リストでは、NTCLU-152がリストの最初になり、NTCLU-151が2番目になります。
この処理を「Customers」および「Marketing」についても繰り返し、両方のノードが稼働しているときに各グループを置くノードが、それぞれの「優先ノード」リストの最初になるようにします。