Oracle Tuxedoシステムのインストール

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Oracle Tuxedoのサイレント・インストール

以下の項では、サイレント・インストールを使用してWindowsおよびUNIXシステムにOracle Tuxedoをインストールする方法について説明します。

 


サイレント・インストールとは

サイレント・インストールでは、インストール前に作成しておいたテキスト・ファイルから構成の設定を読み取ります。インストール中にユーザーが操作を行う必要はありません。サイレント・インストールは、WindowsシステムとUNIXシステムのいずれでも利用できます。

サイレント・インストールは、インストールの構成を一度設定した上で、その構成を使用して数多くのマシンにインストールを繰り返す方法です。

注意: サイレント・インストールを使用することは、ライセンス契約への同意を意味します。ソフトウェア・ライセンス契約を目にすることもなく、契約条件を受け入れる方法も提示されません。

 


はじめに

Oracle WebLogic EnterpriseまたはOracle Tuxedo 9.1以前のソフトウェアからアップグレードする場合は、「Oracle Tuxedoシステムの11gリリース1(11.1.1.2.0)へのアップグレード」で説明されている手順に従ってください。その後、この項に戻ってOracle Tuxedoのインストールを続行します。

WindowsシステムでOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)を旧バージョンのTuxedoと一緒に使用する場合は、「Oracleインストール・プログラム」を参照してください。

 


サイレント・インストールの主な操作

サイレント・インストール・プロセスでは次の2つの操作を行います。

  1. インストールに使用するOracleホーム・ディレクトリ、製品ディレクトリ、およびインストール・セットなどの構成情報が格納されたテンプレート・ファイルを作成します。
  2. 手順の詳細は、「テンプレート・ファイルの作成」を参照してください。「Windowsテンプレート・ファイル」「UNIXテンプレート・ファイル」には、テンプレート・ファイルの2つのサンプルがあります。

  3. テンプレート・ファイルで指定した値を使用してインストール・プロセスを起動します。
  4. 手順の詳細は、「Windowsシステム上でのサイレント・インストール・プロセスの起動」および「UNIXシステム上でのサイレント・インストール・プロセスの起動」を参照してください。

 


テンプレート・ファイルの作成

サイレント・インストールで使用するテンプレートを作成するには、次の手順に従います。

  1. プラットフォーム固有のテンプレート・ファイルを表示します。次のテンプレートを使用できます。
  2. テンプレート・ファイルの内容をコピーして、installer.propertiesという名前のテキスト・ファイルに保存します。
  3. installer.propertiesファイルで、次の表に示したキーワードの値を変更して必要な構成を作成します。

表4-1に、installer.propertiesを示します。

表4-1 installer.propertiesファイル
キーワード
入力する値
INSTALLER_UI=
(UNIX and Windows)
インストール・モード。デフォルトはsilentです。この値を変更しないでください。
ORACLEHOME=
(UNIX and Windows)
Oracleホーム・ディレクトリのフルパス名。Oracleホーム・ディレクトリの詳細は、「Oracleホーム・ディレクトリ」を参照してください。
USER_INSTALL_DIR=
(UNIX and Windows)
製品ディレクトリのフルパス名。
警告: Windowsシステムで旧バージョンのTuxedoとTuxedo 11gリリース1 (11.1.1.2.0)を一緒に実行するには、各バージョンの製品ディレクトリに異なる名前を付ける必要があります。
INSTALL_SAMPLES
「yes」を指定すると、Tuxedo 11gR1サンプルがインストールされます。
「no」を指定すると、インストールされません。
LDAP_HOSTNAME=
(UNIX & Windows)
Lightweight Directory Access Protocol (LDAP)サーバーの完全修飾ドメイン名(たとえばpcwiz.mydomain.com)。表末の注意を参照してください。
LDAP_PORTID=
(UNIX & Windows)
ローカル・マシンがLDAPサーバーとの通信に使用するポート番号(たとえば389)。*表末の注意を参照してください。
TLISTEN_PORT
(Windows)
ローカル・マシンがTLISTENサーバーとの通信に使用するポート番号(たとえば1357)。
LDAP_BASE_OBJECT=
(Unix & Windows)
LDAPサーバーで検索するための基本オブジェクトの固有名(たとえばo=beasys.com)。表末の注意を参照してください。
LDAP_FILTER_FILE=
(Unix & Windows)
マシン上のLDAPフィルタ・ファイルのフルパス名(C:\oracle\tuxedo11gR1\udataobj\security\
bea_ldap_filter.dat
など)。表末の注意を参照してください。
TLISTEN_PASSWORD=
(Unix & Windows)
指定するtlistenパスワード。パスワードは、長さが80文字以内のクリア・テキスト形式の英数字からなる文字列でなければなりません。Oracle Tuxedo管理コンソールにログインする場合には、このパスワードの入力を求められます。
CHOSEN_INSTALL_SET=
選択したインストール・セット。この値は、以下のいずれかに設定する必要があります。
注意: 大文字と小文字を区別しなければ有効にならず、次に示したとおりに指定しないとインストールが正しく行われません。無効なオプションを使用すると、インストールが正しく行われません。
注意: インストール・セット名の後にスペースを入れないでください。インストール・セット名の後にスペースが存在する場合、デフォルト・モードのFull Installが使用されます。
  • Full (フル・インストール)
  • Server (サーバーのみのインストール)
  • Client (フル・クライアント・インストール)
  • ATMI (ATMIクライアントのみのインストール)
  • CORBA (CORBAクライアントのみのインストール)
  • Jolt (Joltクライアントのみのインストール)
  • DNET (Tuxedo .NETワークステーション・クライアントのみのインストール(Windowsプラットフォームのみ))
サイレント・モード・インストールでは、インストール・セットのカスタマイズはできません。各インストール・セットの詳細は、「インストール・セット」を参照してください。

注意: LDAP_HOSTNAMELDAP_PORTIDLDAP_BASE_OBJECTLDAP_FILTER_FILEキーワードは省略可能です。
注意: これらのキーワードとその値は、Secure Sockets Layer (SSL)暗号化を使用する場合にのみ指定します。それ以外の場合には、行の先頭にハッシュ記号(#)を付けてこれらの行をコメント文にします。
注意: TLISTEN_PORTおよびTLISTEN_PASSWORDキーワードは省略可能です。
注意: これらのキーワードとその値は、Server (サーバーのみのインストール)を選択する場合にのみ指定します。

テンプレート・ファイルでは、コメント行の先頭にハッシュ記号(#)を付けます。インストーラ・プログラムは、ハッシュ記号で始まる行を読み取りません。

 


Windowsシステム上でのサイレント・インストール・プロセスの起動

ソフトウェアのサイレント・インストールには、標準インストールと同じくらいの時間がかかります。サイレント・インストールでは、インストールが開始されたことを示すインストール・プログラムの初期ウィンドウが表示されます。

Windowsシステム上でサイレント・インストール・プロセスを起動するには、次の手順に従います。

  1. 「Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)プラットフォーム・データ・シート」で説明するハードウェアおよびソフトウェア要件を満たすWindowsシステムを選びます。
  2. Windows XPシステムは、Oracle Tuxedoクライアント・コンポーネントのみをサポートしています。

  3. AdministratorまたはAdministratorグループのメンバーとしてWindowsシステムにログインします。
  4. WindowsシステムにOracle Tuxedoサーバー・コンポーネントをインストールするには管理者権限が必要です。Oracle Tuxedoクライアント・コンポーネントのみをインストールする場合には管理者権限は不要です。

  5. Oracle Tuxedoのインストールに必要な空き容量があることを確認します。
  6. ディスク容量の要件については、「Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)プラットフォーム・データ・シート」を参照してください。重要なディスク領域の割当ての情報については、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割当て」を参照してください。

  7. Oracle TuxedoをOracleのWebサイトからダウンロードしてインストールする場合は、次の手順に従います。
    1. コマンドライン・シェルを開きます。
    2. http://www.oracle.com/technology/software/index.htmlにアクセスし、使用しているプラットフォームに対応したOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)インストール・ファイルをダウンロードします。
    3. インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動し、次のコマンドを入力してインストール・プログラムを起動します。
    4. prompt> filename.exe -f path\installer.properties

      filenameはOracle Tuxedoインストーラ・ファイルの名前を表し、pathinstaller.propertiesファイルのフルパスまたは相対パス名を表します。

      注意: installer.propertiesという名前のファイルがインストーラ(tuxedo81_win.exeなど)と同じディレクトリに存在する場合、サイレント・モードではこのファイルが自動的に指定されます。しかし、installer.propertiesが異なるディレクトリに存在する場合は、-fコマンドライン・オプションを使用してこのファイルを指定する必要があります。たとえば、filename.exe -f path\installer.propertiesと指定します。
  8. ソフトウェアが正常にインストールされたことを確認するには、「インストール後の作業の実行」を参照してください。
  9. Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)のインストールが終了したら、システムに再ログインします。

 


UNIXシステム上でのサイレント・インストール・プロセスの起動

ソフトウェアのサイレント・インストールには、標準インストールと同じくらいの時間がかかります。サイレント・インストールでは、起動メッセージに続いて、インストールが開始されたことを示す「Installing . . .」というメッセージが表示されます。

UNIXシステム上でサイレント・インストール・プロセスを起動するには、次の手順に従います。

  1. 「Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)プラットフォーム・データ・シート」で説明するハードウェアおよびソフトウェア要件を満たすUNIXシステムを選びます。
  2. Oracle Tuxedo管理者としてUNIXシステムにログインします。
  3. Oracle Tuxedoのインストールに必要な空き容量があることを確認します。
  4. ディスク容量の要件については、「Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)プラットフォーム・データ・シート」を参照してください。重要なディスク領域の割当ての情報については、「ファイルおよびデータベースの管理とディスク領域の割当て」を参照してください。

  5. Oracle TuxedoをOracleのWebサイトからダウンロードしてインストールします。
    1. http://www.oracle.com/technology/software/index.htmlにアクセスし、使用しているプラットフォームに対応したOracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)インストール・ファイルをダウンロードします。
    2. インストーラをダウンロードしたディレクトリに移動し、次のコマンドを入力してインストール・プログラムを起動します。
    3. prompt> sh filename.bin -f path/installer.properties

      filenameはOracle Tuxedoインストーラ・ファイルの名前を表し、pathinstaller.propertiesファイルのフルパスまたは相対パス名を表します。

      注意: installer.propertiesという名前のファイルがインストーラ(tuxedo81_sol.binなど)と同じディレクトリに存在する場合、サイレント・モードではこのファイルが自動的に指定されます。しかし、installer.propertiesが異なるディレクトリに存在する場合は、-fコマンドライン・オプションを使用してこのファイルを指定する必要があります。たとえば、filename.exe -f path/installer.propertiesと指定します。
  6. ソフトウェアが正常にインストールされたことを確認するには、「インストール後の作業の実行」を参照してください。

 


Windowsテンプレート・ファイル

リスト4-1のWindowsテンプレート・ファイルのサンプル(installer.properties)は、Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)のサイレント・インストール用です。

リスト4-1 Windows installer.propertiesテンプレート・ファイル
INSTALLER_UI=silent
### Locale ###
USER_LOCALE=en
### Oracle Home Directory ###
### NOTE: backslashes must be escaped. ###
ORACLEHOME=c:\\oracle\\tuxedo11gR1
### Product Installation Directory ###
USER_INSTALL_DIR=c:\\oracle\\tuxedo11gR1
### LDAP Service Name ###
LDAP_HOSTNAME=pcwiz.mydomain.com
### LDAP PortID ###
LDAP_PORTID=389
### LDAP BaseObject ###
LDAP_BASE_OBJECT="o=beasys.com"
### LDAP Filter File Location ###
LDAP_FILTER_FILE=c:\\oracle\\tuxedo11gR1\\udataobj\\security\\
bea_ldap_filter.dat
### Default Listen Port, User Can Run ###
### Oracle Tuxedo 11gR1 Administration in ###
### Control Panel to Change to Another Port ###
TLISTEN_PORT=1357
### Tlisten Password ###
TLISTEN_PASSWORD=luckluck
### TLISTEN ENCRYPTION###
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_2=0
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_1=1
SSL_PNAME=test1
SSL_PLOC=test1.pem
SSL_PPASS=passwd
min_crypt_bits_1=0
min_crypt_bits_2=1
min_crypt_bits_3=0
min_crypt_bits_4=0
max_crypt_bits_1=0
max_crypt_bits_2=0
max_crypt_bits_3=1
max_crypt_bits_4=0
### Valid Install Sets, select one:###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Full###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Server###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Client###
### CHOSEN_INSTALL_SET=ATMI###
### CHOSEN_INSTALL_SET=CORBA###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Jolt###
### CHOSEN_INSTALL_SET=DNET###
### NOTE: Spaces should not be included after the install set name. ###
### If there are spaces after the install set name, the installation ###
### process uses the default mode Full Install. ###
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
### Install Samples Y/N###
INSTALL_SAMPLES=Yes
注意: ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_1=1: 「1」の場合、tlistenはSSLをサポートします。
ENCRYPT_CHOICE_BOOLEAN_2=1: 「1」の場合、tlistenはLLEをサポートします。
0の場合、SSL/LLEはサポートされません。
どちらかの暗号化方法(SSLまたはLLE)を1に設定する場合、もう一方を0に設定する必要があります。
注意: min_crypt_bits_1: 「1」の場合、最小暗号化ビット0が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_2: 「1」の場合、最小暗号化ビット56が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_3: 「1」の場合、最小暗号化ビット128が設定されます。「0」の場合は設定されません。
min_crypt_bits_4: 「1」の場合、最小暗号化ビット256が設定されます。「0」の場合は設定されません。
いずれかの暗号化方法を1に設定して、他の暗号化方法を0に設定する必要があります。
注意: max_crypt_bits_1: 「1」の場合、最大暗号化ビット0が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_2: 「1」の場合、最大暗号化ビット56が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_3: 「1」の場合、最大暗号化ビット128が設定されます。「0」の場合は設定されません。
max_crypt_bits_4: 「1」の場合、最大暗号化ビット256が設定されます。「0」の場合は設定されません。
いずれかの暗号化方法を1に設定して、他の暗号化方法を0に設定する必要があります。
注意: SSL_PNAME = セキュリティ・プリンシパルの名前
注意: SSL_PLOC = セキュリティ・プリンシパルの場所
注意: SSL_PPASS = セキュリティ・プリンシパルのパスワード

 


UNIXテンプレート・ファイル

リスト4-2のUNIXテンプレート・ファイルのサンプル(installer.properties)は、Oracle Tuxedo 11gリリース1(11.1.1.2.0)のサイレント・インストール用です。

リスト4-2 UNIX installer.propertiesテンプレート・ファイル
INSTALLER_UI=silent
### Locale ###
USER_LOCALE=en
### Installation Mode ###
### Input New Install ###
INSTALL_MODE=New Install
### Oracle Home Directory ###
ORACLEHOME=/home/user/oracle/tuxedo11gR1
### Product Installation Directory ###
USER_INSTALL_DIR=/home/user/oracle/tuxedo11gR1
### LDAP Service Name ###
LDAP_HOSTNAME=pcwiz.mydomain.com
### LDAP PortID ###
LDAP_PORTID=389
### LDAP BaseObject ###
LDAP_BASE_OBJECT="o=beasys.com"
### LDAP Filter File Location ###
LDAP_FILTER_FILE=/home/user/oracle/tuxedo11gR1/udataobj/security/
bea_ldap_filter.dat
### Tlisten Password ###
TLISTEN_PASSWORD=luckluck
### Valid Install Sets, select one:###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Full###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Server###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Client###
### CHOSEN_INSTALL_SET=ATMI###
### CHOSEN_INSTALL_SET=CORBA###
### CHOSEN_INSTALL_SET=Jolt###
### NOTE: Spaces should not be included after the install set name. ###
### If there are spaces after the install set name, the installation ###
### process uses the default mode Full Install. ###
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
CHOSEN_INSTALL_SET=Full Install
### Install Samples Y/N###
INSTALL_SAMPLES=Yes

 


次のステップ

インストール後の作業については、以下の項を参照してください。

Oracle Tuxedoソフトウェアを構成して、ソフトウェアが正しくインストールされていることを確認する場合、あるいはOracle Tuxedoソフトウェアをアンインストールする場合には、「インストール後の作業の実行」を参照してください。


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