Gatewayユーザー・ガイド

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Oracle TMA TCP Gatewayの構成

Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCP Gateway(以後TMA TCP Gatewayと呼ぶ)を実行する前に、次の構成ファイルを構成する必要があります。

このドキュメントでは、TMA TCP Gatewayを構成する次の手順について説明します。

 


Oracle TuxedoのUBBCONFIGファイルの更新

他のTuxedoサーバーと同様に、ローカル・リージョン用のUBBCONFIGファイルにTMA TCP Gatewayのエントリを追加して、TMA TCP Gatewayのサーバー・グループを作成する必要があります。具体的には、次のレコードを追加する必要があります。

UBBCONFIGファイルの詳細は、Oracle Tuxedo管理者ガイドを参照してください。ゲートウェイ固有のUBBCONFIGファイルの詳細は、「GROUPSセクションの更新によるサーバー・グループの作成」および「SERVERSセクションの更新」の項を参照してください。

注意: アスタリスク(*)で始まる行は、仕様セクションの先頭を表します。このような行は必ず、*の直後にセクション名が続きます。アスタリスクは、セクション名を指定するときに必要です。

GROUPSセクションの更新によるサーバー・グループの作成

TMA TCP Gatewayのサーバー・グループを作成するには、Oracle TuxedoのUBBCONFIGファイルのGROUPSセクションに次の項目を追加する必要があります。

構文

構成ファイルのエントリの構文は次のとおりです。

リスト5-1 UBBCONFIGファイルのGROUPSセクションの構文
groupname LMID=logical_machine_identifier
GROUPNO=group_number

変数の定義は次のとおりです。

変数
説明
groupname
TMA TCP Gatewayのサーバー・グループ用に選択した名前を指定します。
logical_machine_identifier
TMA TCP Gatewayがインストールされているシステムの論理マシン識別子を指定します。
group_number
TMA TCP Gatewayのサーバー・グループに割り当てる番号を指定します。

サーバー・グループを作成するUBBCONFIGエントリの例を次に示します。

リスト5-2 サーバー・グループの作成
NODE2GATE   LMID=NODE2
GROUPNO=1

SERVERSセクションの更新

この項では、Oracle Tuxedoの構成にTMA TCP Gatewayサーバーを指定する方法について説明します。

TMA TCP Gateway製品では、Oracle TuxedoのUBBCONFIG構成ファイルのSERVERSセクションに、リストする必要があるゲートウェイを指定できます。

TMA TCP Gatewayのサーバー・グループごとに1つずつゲートウェイを指定できます。また、ドメイン管理サーバーのエントリ(DMADM)とゲートウェイ管理サーバーのエントリ(GWADM)も必要です。

構文

構成ファイルの各エントリの構文は次のとおりです。

リスト5-3 UBBCONFIGファイルのSERVERセクションの構文
DMADM      SVRGRP=groupname SRVID=integer
GWADM SVRGRP=groupname SRVID=integer
GWIDOMAIN SVRGRP=groupname SRVID=integer
CLOPT="-A -- -r"

次の表に各部分の構文を説明します。

部分
説明
GWIDOMAIN
TMA TCP Gatewayの名前を指定します。
DMADM
Oracle Tuxedoに付属のドメイン管理サーバーの名前を指定します。
GWADM
Oracle Tuxedoに付属のゲートウェイ管理サーバーの名前を指定します。
groupname
TMA TCP Gatewayのサーバー・グループ用に選択した名前を指定します。これは目的のサーバーに関連付けるグループです。
short
TMA TCP Gatewayサーバーに割り当てる番号を指定します。
CLOPT="-A -- -r"
-Aは、TMA TCP Gatewayを起動する際の初期化に使用するコマンド・ライン・オプション文字列を示します。これは、Oracle Tuxedoサーバー・プロセスのデフォルトになります。
2つのダッシュ記号の後の-rは、サーバーが標準のエラー・ファイルに実行サービスのログを記録することを示します。txrptコマンドを使用して、このログを解析できます。このオプションを使用する場合は、ULOGDEG変数をyに設定しないようにしてください。

Oracle Tuxedoサーバーとそれに関連する構成パラメータの詳細は、Oracle Tuxedo管理者ガイドを参照してください。

リクエスト記録オプションの使用方法

-rコマンド・ライン・オプションの出力をtxrptコマンドが処理できなくてはなりません。txrptコマンドは、Oracle Tuxedoサーバーの標準エラー出力を解析し、サーバーのサービス処理時間を要約します。レポートには、各サービスがディスパッチされた回数と、所定の時間内に各サービスがリクエストを処理した時間の平均が出力されます。txrptの入力元は、標準入力か、または入力としてリダイレクトされた標準エラー・ファイルです。

注意: 統計情報の収集処理にはオーバーヘッドが発生します。このオプションは慎重に選んで使用するようにしてください。
注意: -rオプションはサーバーには適用されますが、ゲートウェイであるGWIDOMAINには適用されません。

その他のサーバー構成オプション

他のTuxedoサーバーと同様に、Oracle Tuxedoシステム・サーバーの一部の起動オプションをTMA TCP Gatewayサーバーにも使用できます。起動オプションはCLOPTパラメータ(CLOPTの二本線ダッシュ区切り文字の前)で指定する必要があります。

注意: TMA TCP Gatewayはその初期化ファイルにリストされているサービスを動的に公開するため、-sオプションを使用してサービスを公開しないようにしてください。

これらの起動オプションとその他の起動オプションの詳細は、Oracle Tuxedo管理者ガイドのservopts(5)を参照してください。

 


GWICONFIGファイルのパラメータの指定

GWICONFIGファイルは、システム管理者がTMA TCP Gatewayの構成に使用するメカニズムです。ゲートウェイがどのファイルを使用するかは、環境変数GWICONFIGによって決定されます。構成ファイルは、構造面でも構成面でもTuxedoトランザクション・マネージャのUBBCONFIGファイルに似ています。したがって、管理者にOracle Tuxedoの経験があれば、各種のトレーニングを受けなくても、TMA TCP Gatewayを構成できます。

注意: GWICONFIGは一般的な名称です。TuxedoのUBBCONFIGファイルやDMCONFIGファイルと同様に、別のファイル名を選択してもかまいません。GWICONFIGファイルの名前をGWICONFIG環境変数に指定するようにしてください。また、アプリケーションのディレクトリにGWICONFIGファイルを保存する必要があります。

GWICONFIGファイルは次の必須セクションに分かれています。

表5-1 GWICONFIGファイルの必須セクション
セクション
説明
GLOBAL
すべてのTMA TCP Gatewayに関する全般的な特性を何点か記述します。
NATIVE
すべてのネイティブ・システムを記述します。同じ構成ファイル内にあるゲートウェイをそれぞれ区別できるように、ゲートウェイ名(GWI_GWNAME環境変数に指定されている名前)を使用します。
FOREIGN
すべての外部システムを記述します。
LOCAL_SERVICES
TMA TCP Gatewayを介してOracle Tuxedoドメインにアクセス可能なローカル・サービスを記述します。各ローカル・サービスは、NATIVEパラメータに基づいて、ネイティブ・システムにリンクされます。TMA TCP Gatewayは、それぞれのローカル・サービスに相当するネイティブ・システムのTCPのポート番号とIPアドレスを使用して、TCPのリスニングのエンドポイントを確立します。
REMOTE_SERVICES
Oracle Tuxedoドメインからアクセス可能なリモート・サービスを記述します。各リモート・サービスは外部システム上のTCPサービスを表します。FOREIGNパラメータは、リモート・サービスごとの外部システムの名前を定義します。TMA TCP Gatewayは外部システムのTCPポート番号とIPアドレスを使用して、リモートのTCPサービスに接続します。

警告: GWICONFIGファイル内には、リスト5-4に示す順序で必須セクションが存在していなくてはなりません。各セクションの名前にはアスタリスク(*)が付いている必要があります。
リスト5-4 GWICONFIGファイルのサンプル
*GLOBAL
NWDEVICE="/dev/tcp"
CONNECT_TIME=20
OUTREQ_TIME=20
LATENCY=-2
SECURE=N
MULTIPLEX=2
DFLTWRAP="TPS"
DFLTTYPE="MVS"
*NATIVE
LOCAL IPADDR="//beasun2"
TCP_PORT=9002
IDLE_TIME=20

*FOREIGN
RIGHTY WRAP="TPS"
TYPE="MVS"
IPADDR="//beasun2"
TCP_PORT=9004
MULTIPLEX=2
IDLE_TIME=30
RMTACCT="zeke"
PASSWORD="maple"

MIKE WRAP="TPS"
TYPE="MVS"
IPADDR="//dalvs3"
TCP_PORT=9001
MULTIPLEX=6

*LOCAL_SERVICES
TUXTOUPPER

ECHO

*REMOTE_SERVICES
TUXTOLOWER
OUTREQ_TIME=20

BEASVR07
OUTRECTYPE="VIEW:weird"

TST1V
注意: GWCONFIGファイルの変更は、以前のリリースのTMA TCPからアップグレードする際に行うようにしてください。アップグレードに関する具体的な情報は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for TCPリリース・ノート』を参照してください。

GWICONFIGファイルのGLOBALセクションの定義

次からの項で、GWICONFIGファイルのGLOBALセクションに関連するパラメータについて説明します。これらのパラメータは、ゲートウェイの全般的な特性を示します。

GWICONFIGファイルのGLOBALセクションのフォーマットを次のコード・リストに示します。

リスト5-5 GWICONFIGファイルのGLOBALセクションの構文
[ # A comment (from "#" to end of line)]

*GLOBAL
[ NWDEVICE=TCP_device ]
[ CONNECT_TIME=n]
[ IDLE_TIME=n]
[ OUTREQ_TIME=n]
[ LATENCY=n|1 ]
[ SECURE=Y|N ]
[ MULTIPLEX=n|1 ]
[ DFLTWRAP=wrapper name ]
[ DFLTTYPE=translation type ]

次の表に、GLOBALセクションに設定するパラメータを示します。

表5-2 GLOBALセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
NWDEVICE="TCP_device"
省略可能
"/dev/tcp"
リモート・ゲートウェイとの通信に使用するネットワーク・デバイスを指定します。
CONNECT_TIME=n
省略可能
タイムアウトなし
接続が確立されるまでゲートウェイが待機する秒数を指定します。
IDLE_TIME=n
省略可能
アイドル・タイムアウトなし
タイムアウトするまで接続がアイドルであることを許可する秒数を指定します。
OUTREQ_TIME=n
省略可能
なし
リクエストが外部のゲートウェイに送信されるときのデフォルトのタイムアウト値を秒数で指定します。
LATENCY=n
省略可能
1
Tuxedoクライアント・リクエストがリモート・ゲートウェイに送信されるときのタイムアウト値から差し引く秒数を指定します。これにより、リモート・ゲートウェイがローカル・ゲートウェイのタイムアウトを検出する確率が高くなります。
SECURE=Y | N
省略可能
N
TMA TCP Gatewayがローカル・サービスとリモート・サービスにユーザー情報を渡すかどうかを指定します。
SECURE=Yを指定すると、TMA TCP Gatewayはリモート・サービスにユーザー情報を渡し、appkeyを使用してリモートのユーザー情報をローカル・サービスに適用します。
SECURE=Nを指定すると、TMA TCP Gatewayはリモート・サービスにユーザー情報を渡さず、appkeyを使用してリモートのユーザー情報をローカル・サービスに適用することはしません。
SECURE=Nを指定し、Tuxedoドメインの設定ではUBBCONFIGファイルにSECURITY=ACLが指定されている場合は、ACLには問題がなくても、ローカル・サービスに対するリクエストが失敗することがあります。
MULTIPLEX=n
省略可能
1
ローカル・ゲートウェイで扱うことができる、接続当たりの未処理リクエストの最大数を指定します。
DFLTWRAP=wrapper name
省略可能
TPS
FOREIGNセクションの指定がないマシン、またはFOREIGNセクションにWRAPパラメータの指定がないマシンに対して、メッセージのラップとラップ解除を行う際のデフォルトとして使用するラップ用ライブラリの名前を指定します。該当するラッパー・オブジェクトWRAP<wrapper name>が存在していなければなりません。ほとんどの場合はラッパー名にTPSを使用します。データ領域のセキュリティを使用する場合は、TPSDを指定します。データ領域セキュリティの詳細は、「Oracle TMA TCP Gatewayのセキュリティの設定」を参照してください。
DFLTTYPE=system type
省略可能
DFLTYPE=MVS
メッセージ・バッファのエンコード先とデコード先にする外部システムのデフォルト・タイプを指定します。FOREIGNセクションにTYPEを指定すると、そのTYPE定義がこのデフォルト値をオーバーライドします。通常のCからCOBOLへのエンコードの場合は、DFLTYPE="MVSC"を指定してCOBOLデータのエンコードを有効にします。
DFLTYPEの値であるMVSとMVSCの詳細は、「Oracle TMA TCP Gatewayのデータ・マッピングに関する構成」を参照してください。

GWICONFIGファイルのNATIVEセクションの定義

次の項から、GWICONFIGファイルのNATIVEセクションに関連するパラメータについて説明します。これらのパラメータはローカル・システム固有のパラメータです。同じ構成ファイルに複数のネイティブ・システムを指定できるため、複数のゲートウェイ・プロセスが同じ構成ファイルにアクセスできます。これにより、接続サービスが一元化されます。ゲートウェイ・プロセスとネイティブ・システムのエントリとの関連付けは、GWINAME環境変数を使用して行います。

GWICONFIGファイルのNATIVEセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-6 GWICONFIGファイルのNATIVEセクションの構文
[ # A comment (from "#" to end of line)]
*NATIVE
<GATEWAY_NAME>
[ IPADDR=ip_address ]
[ TCP_PORT=port number ]
[ IDLE_TIME=n]
[ MULTIPLEX=n]
[ POLL_TIME=n]
[ MAXCONNECT=n]

次の表に、NATIVEセクションに指定する各ローカル・システムを示します。

表5-3 NATIVEセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
<GATEWAY_NAME>
必須
なし
このパラメータは、GWINAME環境変数に渡されるゲートウェイ識別子を表現する1~78文字の英数字文字列です。
GATEWAY_NAMEパラメータは、DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_DOMAINSセクションのエントリと一致する必要があります。
IPADDR=ip_address
省略可能
ローカル・ホスト・マシンのIPアドレス
ローカル・システムのIPアドレスを指定します。IPADDRに指定できるフォーマットは、0xaaaaaaaaという16進数形式、//#.#.#.#というドット区切りの10進数形式、および//ホスト[.ドメイン名]というDNS形式です。
TCP_PORT=port number
省略可能
なし
サービスのリスニングに使用するローカルのポート番号を指定します。ローカル・サービスを公開しない場合は、このパラメータはオプションです。TCP_PORTを指定しない場合、リスナーのポートは作成されません。
IDLE_TIME=n
省略可能
アイドル時間の値なし
接続のアイドル状態がどのくらい続いたら切断するかの時間を秒数で指定します。
MULTIPLEX=n
省略可能
1
ローカル・ゲートウェイで扱うことができる、接続当たりの未処理リクエストの数を指定します。
POLL_TIME=n
省略可能
250,000
マイクロ秒
Tuxedoメッセージのポーリングに使用するポーリング・タイムアウト(マイクロ秒)を指定します。このパラメータの値の範囲は100,000~10,000,000です。
MAXCONNECT=n
省略可能
最大値なし
リモート・ホストからゲートウェイへの接続の数を指定します。リモート・システムが、このパラメータの指定よりも多い数の接続を確立しようとすると、そのリモート・システムは切断されます。

GWICONFIGファイルのFOREIGNセクションの定義

GWICONFIGファイルのFOREIGNセクションで、外部システムに関するパラメータを集中的に記述します。

GWICONFIGファイルのFOREIGNセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-7 GWICONFIGファイルのFOREIGNセクションの構文
[ # A comment (from "#" to end of line)]
*FOREIGN
<SYSTEM_NAME>
IPADDR=ip_address
[TYPE=system_type]
[WRAP=wrapper name]
[TCP_PORT=port number]
[MULTIPLEX=n sessions]
[IDLE_TIME=n seconds]
[RMTACCT=”userid”]
[PASSWORD=”password”]
[CICS=Y | N]
[CICSHAND=<name>]
[MAXCONNECT=n]
[CONNSYNC=Y|N]
[CONNECT_TIME=n]
[CICSDATA="string"]

次の表に、FOREIGNセクションで指定する外部システムごとに設定するパラメータを示します。

次の表に、FOREIGNセクションに指定するパラメータを示します。

表5-4 FOREIGNセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
<SYSTEM_NAME>
必須
なし
このパラメータは、外部システムの名前を表現する1~78文字の英数字文字列です。
SYSTEM_NAMEパラメータは、DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_DOMAINSセクションのエントリと一致する必要があります。
IPADDR=ip_address
必須
なし
リモート・システムのIPアドレスを指定します。IPADDRに指定できるフォーマットは、0xaaaaaaaaという16進数形式、//#.#.#.#というドット区切りの10進数形式、および//ホスト[.ドメイン名]というDNS形式です。
TYPE=system type
省略可能
"MVS"
Tuxedoバッファ(アプリケーションのデータ)のエンコード先とデコード先にする外部システムのタイプを指定します。TYPE値にMVSやMVSCを指定すると、CからCOBOLへのエンコードまたはCOBOLデータのエンコードがサポートされます。TYPEを指定しない場合は、GLOBALセクションのDFLTYPEの値が使用されます。
TYPEの値であるMVSとMVSCの詳細は、「Oracle TMA TCP Gatewayのデータ・マッピングに関する構成」を参照してください。
WRAP=wrapper name
省略可能
"TPS"
このホストに対するメッセージのラップとラップ解除に使用するラップ用のエントリの名前を指定します。該当するラッパー・オブジェクトwrap<wrapper name>が存在していなくてはなりません。ほとんどの場合は、ラッパーの名前にTPSを使用します。
データ領域セキュリティを使用する場合は、TPSDを指定します。データ領域セキュリティの詳細は、「Oracle TMA TCP Gatewayのセキュリティの設定」を参照してください。
FOREIGNセクションにWRAPを指定しない場合は、GLOBALセクションのDFLTWRAPの値が使用されます。
TCP_PORT=port number
省略可能
ポート番号なし
外部ゲートウェイのポート番号を指定します。この外部システムのリモート・サービスを定義していない場合は、このパラメータはオプションです。
MULTIPLEX=n(接続当たりのセッション数)
省略可能
接続当たり1セッション
ローカル・ゲートウェイで扱うことができる、接続当たりのセッション最大数を指定します。
IDLE_TIME=n
省略可能
アイドル・タイムアウトなし
接続のアイドル状態がどのくらい続いたら切断するかの時間を秒数で指定します。
CICS=Y | N
省略可能
不可
TMA TCP for CICSゲートウェイとの連携に使用するIBM TCP/IPリスナーに制御情報を送信するかどうかを指定します。
CICS=Yを指定しても、IBM TCP/IPを使用しないか、リモート・ゲートウェイがTMA TCP for CICSでなければ、トランザクションは正しく処理しません。
CICSHAND=<name>
省略可能
BEAH
TMA TCP for CICSとの連携に使用するIBM TCP/IPリスナーに渡すハンドラ・トランザクションの名前を指定します。
RMTACCT="userid"
省略可能
" "
外部システム上のゲートウェイ・レベルのセキュリティに使用するユーザーIDを指定します。
PASSWORD="password"
省略可能
" "
外部システム上のゲートウェイ・レベルのセキュリティに使用するユーザーIDとペアのパスワードを指定します。
MAXCONNECT=n
省略可能
制限なし
指定ホストとの接続の最大数を指定します。
CONNSYNC=Y|N
省略可能
N
指定ホストとの間でゲートウェイが複数の接続を同時に確立できるかどうかを指定します。
CONNECT_TIME=n
省略可能
GLOBALセクションの値
ゲートウェイが接続を確立するまで待機する秒数を指定します。このパラメータを指定しない場合は、GLOBALセクションのCONNECT_TIMEの値が使用されます。
CICSDATA="string"
省略可能
" "
TMA TCP for CICSゲートウェイとの連携に使用するIBM TCP/IPリスナーに渡す文字列を指定します。

GWICONFIGファイルのLOCAL_SERVICESセクションの定義

GWICONFIGファイルのLOCAL_SERVICESセクションには、DMCONFIGファイルに指定されている各ローカル・サービスのパラメータを指定します。各サービスのエントリ名は、DM_LOCAL_SERVICESセクションのサービスのリモート名と一致していなければなりません。

GWICONFIGファイルのLOCAL_SERVICESセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-8 GWICONFIGファイルのLOCAL_SERVICESセクションの構文
[ # A comment (from "#" to end of line)]
*LOCAL_SERVICES
<SERVICE_NAME>
[INRECTYPE=”foreign_incoming_buffer_type”]
[OUTRECTYPE=”foreign_outgoing_buffer_type”]
[SECURE=Y | N]
[CONV=Y | N]

次の項では、LOCAL_SERVICESセクションに指定するサービスごとのパラメータ設定について説明します。

表5-5 LOCAL_SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
<SERVICE_NAME>
必須
なし
このパラメータは、ローカル・サービス名(DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_SERVICESセクションのサービス名の値と同じもの)を表現する1~78文字の英数字文字列です。
INRECTYPE="foreign_incoming_buffer_type"
省略可能
なし
リモート・クライアントへの応答の外部バッファ・タイプを指定します。INRECTYPEを指定しない場合は、デフォルトがタイプなしになります。この場合、バッファのタイプは変更されません。
OUTRECTYPE="foreign_outgoing_buffer_type"
省略可能
INRECTYPEの値と同じ
リモート・クライアントからのリクエストの外部バッファ・タイプを指定します。OUTRECTYPEを指定しない場合、デフォルトはINRECTYPEの値と同じになります。
SECURE=Y | N
省略可能
N
TMA TCP Gatewayがリモートのユーザー情報をローカル・サービスに適用するかどうかを指定します。
SECURE=Yを指定する場合、TMA TCP Gatewayは、appkeyを使用して、リモートのユーザー情報をローカル・サービスに適用します。
SECURE=Nを指定する場合、TMA TCP Gatewayはappkeyを使用してリモートのユーザー情報をローカル・サービスに適用することをしません。
SECURE=Nを指定し、Tuxedoドメインの設定ではUBBCONFIGファイルにSECURITY=ACLが指定されている場合は、ACLには問題がなくても、ローカルのTuxedoサービスに対するリクエストが失敗することがあります。
CONV=Y | N
省略可能
N
サービスを会話型にするかどうかを指定します。会話モードは現在サポートされていないため、Yを指定するとエラー・メッセージが戻され、ゲートウェイは起動しません。

GWICONFIGファイルのREMOTE_SERVICESセクションの定義

GWICONFIGファイルのREMOTE_SERVICESセクションには、DMCONFIGファイルに指定されている各リモート・サービスのパラメータを指定します。各サービスのエントリ名は、DM_REMOTE_SERVICESセクションのサービスのリモート名と一致していなければなりません。

GWICONFIGファイルのREMOTE_SERVICEセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-9 GWICONFIGファイルのREMOTE_SERVICESセクションの構文
[ # A comment (from "#" to end of line)]
*REMOTE_SERVICES
<SERVICE_NAME>
[INRECTYPE=”foreign_outgoing_buffer_type”]
[OUTRECTYPE=”foreign_incoming_buffer_type”]
[OUTREQ_TIME=n]
[SECURE=Y | N]
[CONV=Y | N]

次の表に、REMOTE_SERVICESセクションに指定するサービスごとのパラメータ設定について説明します。

表5-6 REMOTE_SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
<SERVICE_NAME>
必須
 
このパラメータは、ローカル・サービス名(DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_SERVICESセクションのRNAME値と同じもの)を表現する1~78文字の英数字文字列です。RNAMEを指定しない場合、この名前はTuxedoサービス名と同じになります。
INRECTYPE="foreign_outgoing_buffer_type"
省略可能
なし
リモート・サーバーへのリクエストの外部バッファ・タイプを指定します。INRECTYPEを指定しない場合は、デフォルトがタイプなしになります。この場合、バッファのタイプは変更されます。
OUTRECTYPE="foreign_incoming_buffer_type"
省略可能
OUTBUFTYPE値と同じ
リモート・サーバーからの応答の外部バッファ・タイプを指定します。OUTRECTYPEを指定しない場合は、デフォルトがタイプなしになります。この場合、バッファのタイプは変更されません。
OUTREQ_TIME=n
省略可能
GLOBALセクションの値
このサービスにリクエストを送信するときのタイムアウト値(秒)を指定します。このパラメータを指定しない場合は、GLOBALセクションのOUTREQ_TIMEの値が使用されます。このセクションにもGLOBALセクションにもOUTREQ_TIMEの指定がない場合は、エラー・メッセージが出力されます。
SECURE=Y | N
省略可能
N
TMA TCP Gatewayがリモート・サービスにローカルのユーザー情報を渡すかどうかを指定します。
SECURE=Yを指定する場合、TMA TCP Gatewayはリモート・サービスにユーザー情報を渡します。
SECURE=Nを指定する場合、TMA TCP Gatewayはリモート・サービスにユーザー情報を渡しません。
CONV=Y | N
省略可能
N
サービスを会話型にするかどうかを指定します。会話モードは現在サポートされていないため、Yを指定するとエラー・メッセージが戻され、ゲートウェイは起動しません。

 


DMCONFIGファイルでのドメイン構成の定義

ドメイン構成ファイルは(DMCONFIG)は仕様セクションで構成されます。アスタリスク(*)で始まる行は、仕様セクションの開始を表します。このような行では必ず、*の直後にセクションの名前が続きます。セクション名を指定するときにアスタリスクが必要です。指定可能なセクション名は、DM_LOCAL_DOMAINSDM_REMOTE_DOMAINSDM_LOCAL_SERVICESDM_REMOTE_SERVICESDM_ROUTINGおよびDM_ACCESS_CONTROLです。

注意: DM_LOCAL_DOMAINSセクションはDM_REMOTE_DOMAINSの前になければなりません。

これより、新しいゲートウェイ構成を定義するDMCONFIGファイルの具体的なセクションごとに重要なパラメータについて説明します。

DM_LOCAL_DOMAINSセクション

このセクションは、ローカル・ドメインと、それに関連付けるゲートウェイ・グループを指定します。セクションにはゲートウェイ・グループ(ローカル・ドメイン)ごとのエントリが必要です。各エントリには、そのグループで実行するドメインのゲートウェイ・プロセスに必要なパラメータを指定します。

DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_DOMAINSセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-10 DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_DOMAINSセクションの構文
LDOM   required parameters  [optional parameters] 

LDOMは各ローカル・ドメインの名前付けに使用するidentifierの値であり、同じ構成の中で一意でなくてはなりません。DM_LOCAL_SERVICESセクションに記述する場合、LDOMはローカル・サービスが特定のゲートウェイ・グループに接続する際の識別子になります。

次の表に、DM_LOCAL_SERVICESセクションに設定するパラメータを示します。

表5-7 DM_LOCAL_SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
GWGRP = identifier
必須
なし
このローカル・ドメインを表現するゲートウェイ・サーバー・グループの名前(TUXCONFIGファイルに指定されている名前)を指定します。DOMAINIDとゲートウェイ・サーバー・グループの名前は、1対1の関係でなくてはなりません。つまり、それぞれのGWGRPには、それに対応する一意のDOMAINIDが必要です。
TYPE = identifier
必須
なし
ローカル・ドメインをクラスにグループ化するために使用します。TYPETDOMAINやその他のドメイン・ゲートウェイ・タイプに設定できます。TDOMAINという値は、このローカル・ドメインが別のTuxedoシステムまたはTuxedoドメインのみと通信できることを示します。TMA TCP Gatewayと連携して使用する場合は、TYPE=IDOMAINを指定します。.ドメイン・タイプは$TUXDIR/udataobj/DMTYPEファイルに定義する必要があります。
DOMAINID = string
必須
なし
ローカル・ドメインの識別に使用します。DOMAINIDはローカル・ドメインとリモート・ドメインの両方含めて一意でなければなりません。stringの値は、一連の文字(BA.CENTRAL01"など)か、または"0x"で始まる16進数("0x0002FF98C0000B9D6"など)です。DOMAINIDの長さは32オクテット以下にする必要があります。値が文字列の場合は、31文字以下にする必要があります。
AUDITLOG = string
省略可能
なし
このローカル・ドメインの監査ログ・ファイルの名前を指定します。監査ログ機能はdmadminコマンドによってアクティブ化されると、このローカル・ドメイン内のすべての操作を記録します。監査ログ機能がアクティブになっているときに、このパラメータを指定しない場合は、$APPDIR環境変数か、またはTUXCONFIGファイルのMACHINESセクションのAPPDIRキーワードに指定されたディレクトリに、DMmmddyy.LOG(mm=月、dd=日、yy=年)というファイルが作成されます。
BLOCKTIME = numeric
省略可能
TUXCONFIGファイルに指定されたBLOCKTIMEパラメータの値
呼出しの中断を許可する最大待ち時間を指定します。値はTUXCONFIGファイルに指定されているSCANUNITパラメータとの積になります。SCANUNIT * BLOCKTIMEの値はSCANUNIT以上、32,768秒未満にならなくてはなりません。
タイムアウトが発生すれば、その影響を受けたリクエストは必ず失敗します。TUXCONFIG内でトランザクションに対して指定されたタイムアウトは、リクエストがトランザクションから発行されるごとに毎回使用されます。
CODEPAGE = table-identifier
省略可能
なし
DMCONFIGファイルに指定されていないリモート・ホストと連携するためのマッピングを指定します。CODEPAGEは、ローカルのTuxedoアプリケーションとリモートのメインフレーム・アプリケーションとの間で、ASCIIとEBCDICの相互変換を行う際の変換表を指定します。table-identifierには変換表を収容するファイルを記述します。ファイル($TUXDIR/udatajobj/codepageディレクトリ内にあり)の名前の一部は、変換時に使用されるコード・ページ番号です。このパラメータには、DMCONFIGファイルに指定されていないリモート・ホストと連携するためのマッピングを指定します。
たとえば、CODEPAGE=00819x00297と指定すると、ASCII CP-00819文字とフランス語版EBCDIC CP-00297文字との間で相互に変換するための変換表が使用されます。変換表は変更できます。文字をすべて掲載した一覧は、「コード・ページ変換表」を参照してください。
DMTLOGDEV = string
省略可能
なし
このマシンのドメイン・トランザクション・ログ(DMTLOG)を格納するTuxedoファイル・システムを指定します。DMTLOGは、TuxedoシステムのVTOC表としてデバイスに格納されています。このパラメータを指定しない場合、ドメイン・ゲートウェイ・グループはリクエストをトランザクション・モードで処理できません。同じマシン上で実行するローカル・ドメインは、同じDMTLOGDEVファイル・システムを共有できますが、ローカル・ドメインごとに、DMTLOGNAMEキーワードの指定に従って名前を付けた個別のログ(DMTLOGDEVの表)を作成する必要があります。
DMTLOGNAME = identifier
省略可能
DMTLOG"
このドメインのドメイン・トランザクション・ログの名前を指定します。この名前は、複数のローカル・ドメインで同じDMTLOGDEVを使用する場合、一意でなければなりません。名前は、30文字以内にする必要があります。
DMTLOGSIZE = numeric
省略可能
100ページ
このマシンのドメイン・トランザクション・ログのサイズをページ数単位で指定します。0より大きく、Tuxedoファイル・システム上の空き領域より小さい値を指定します。指定しない場合、デフォルトは100ページです。
MAXDATALEN = numeric
省略可能
なし
このローカル・ドメインによって公開されたすべてのサービスとの間で送受信できる最大データ量(バイト単位)を指定します。このパラメータを指定しない場合は制限がなくなります。
MAXRDOM = numeric
省略可能
なし
ゲートウェイごとに許可する接続(ドメインのタイプがOSITPである場合はダイアログ)の最大数を指定します。このパラメータを指定しない場合は、制限はなくなります。
MAXRDTRAN = numeric
省略可能
16
トランザクションに含めることのできるドメインの最大数を指定します。0より大きく、32,768未満の値を指定します。指定しない場合、デフォルト値は16です。
MAXTRAN = numeric
省略可能
MAXGTTの値
このローカル・ドメイン上で同時に実行できるグローバル・トランザクションの最大数を指定します。0以上で、TUXCONFIGファイルに定義されているMAXGTTパラメータ以下の値を指定します。これを指定しない場合は、デフォルトのMAXGTTが指定されます。
MAXSENDLEN = numeric
省略可能
なし
このローカル・ホストとの間で送受信するメッセージの最大長(バイト)を指定します。このパラメータを設定する場合は、送受信されるメッセージはすべて、MAXSENDLENバイト以下のパケットに分解されます。このパラメータを指定しない場合は、制限はなくなります。

DM_REMOTE_DOMAINSセクション

このセクションは認識されるリモート・ドメインとその特性のセットを指定します。

DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_DOMAINSセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-11 DMCONFIGDM_REMOTE_DOMAINSセクションの構文
RDOM   required parameters [optional parameters]

RDOMは、この構成の中で認識されているリモート・ドメインをそれぞれ識別するために使用するidentifier値であり、構成の中で一意でなくてはなりません。

次の表に、DM_REMOTE_DOMAINSセクションに設定するパラメータを示します。

表5-8 DM_REMOTE_DOMAINSセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
TYPE = identifier
必須
なし
リモート・ドメインをクラスにグループ化するために使用します。TYPETDOMAINやその他のドメイン・ゲートウェイ・タイプに設定できます。TDOMAINという値は、このリモート・ドメインが別のTuxedoシステムまたはTuxedoドメインのみと通信できることを示します。OSITPという値は、このリモート・ドメインがOSI-TPプロトコルを介して他のTPドメインと通信することを示します。TMA TCP Gatewayと連携する場合は、TYPE=IDOMAINを指定します。
DOMAINID = string
必須
なし
リモート・ドメインの識別に使用します。DOMAINIDの長さは32オクテット以下にする必要があります。値が文字列の場合は、31文字以下にする必要があります。DOMAINIDはリモート・ドメイン間で一意でなければなりません。stringの値は、一連の文字か、または"0x"で始まる16進数です。
CODEPAGE = table-identifier
省略可能
なし
ローカルのTuxedoアプリケーションとリモートのメインフレーム・アプリケーションとの間でASCIIとEBCDICの相互変換を行う際の変換表の指定に使用します。table-identifierは、変換表を収容しているファイルを示します。ファイル($TUXDIR/udatajobj/codepageディレクトリ内にあり)の名前の一部は、変換の際に使用されるコード・ページ番号です。
たとえば、CODEPAGE=00819x00297と指定すると、ASCII CP-00819文字とフランス語版EBCDIC CP-00297文字との間で相互に変換するための変換表が使用されます。変換表は変更できます。文字をすべて掲載した一覧は、「コード・ページ変換表」を参照してください。

DM_ACCESS_CONTROLセクション

このセクションは、DMCONFIGファイルのオプションのセクションであり、ローカル・ドメインによって使用されるアクセス制御リストを示します。

DMCONFIGファイルのDM_ACCESS_CONTROLセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-12 DMCONFIGDM_ACCESS_CONTROLセクションの構文
ACL_NAME   required parameters

ACL_NAMEは固有のアクセス制御リストの識別に使用する名前(identifier)です。名前の長さは15文字以下にする必要があります。

表5-9 DM_ACCESS_CONTROLセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
ACLIST = identifier [,identifier]
必須
なし
ACLISTには1つ以上のリモート・ドメイン名(RDOM)をカンマで区切って指定します。ワイルドカード文字(*)を使用する場合は、DM_REMOTE_DOMAINSセクションで定義したすべてのリモート・ドメインがローカル・ドメインにアクセスできます。

DM_LOCAL_SERVICESセクション

このセクションには、各ローカル・ドメインから外部に公開するサービスに関する情報を指定します。このセクションはオプションであり、指定しない場合は、DM_LOCAL_DOMAINSセクションに定義されているすべてローカル・ドメインが、TuxedoシステムまたはTuxedoドメインのアプリケーションが実行しているすべてのサービスに対するリクエストを受け付けます。このセクションを定義する場合は、リモート・ドメインからリクエスト可能なローカル・サービスのグループの限定に使用するようにしてください。

DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_SERVICESセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-13 DMCONFIGファイルのDM_LOCAL_SERVICESセクションの構文
service    [optional parameters] 

serviceは、外部に公開するサービスのローカル名(identifier)で、名前の長さが15文字以内に制限されています。

この名前は、ローカルのTuxedoシステムまたはTuxedoドメインのアプリケーションと連携して動作する1つ以上のサーバーで決められている名前に相当します。外部に公開するサービスは、TUXCONFIGファイルのSERVICESセクションのエントリに指定されているサービスのデフォルトのプロパティや固有のプロパティを引き継ぎます。これらのパラメータとしては、LOADPRIOAUTOTRANROUTINGBUFTYPETRANTIMEなどがあります。

表5-10 DM_LOCAL_SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
ACL = identifier
省略可能
なし
リモート・ドメインからこのサービスに対して発行されるリクエストをローカル・ドメインが制限するために使用するアクセス制御リスト(ACL)の名前を指定します。ACLの名前はDM_ACCESS_CONTROLセクションに定義します。このパラメータを指定しない場合は、このサービスにリクエストが発行されたときにアクセス制御は実行されません。
LDOM = identifier
省略可能
なし
このサービスを外部に公開するローカル・ドメインを識別する名前を指定します。このキーワードを指定しない場合は、DM_LOCAL_DOMAINSセクションに定義されているすべてのローカル・ドメインが、このローカル・サービスに対するリクエストを受け付けます。
RNAME = string
省略可能
GWICONFIGのサービス名
リモート・ドメインに公開する名前を指定します。リモート・ドメインは、このサービスに対するリクエストにこの名前を使用します。このパラメータを指定しない場合は、ローカル・サービス名が任意のリモート・ドメインによって使用される名前であるものとして扱われます。TMA TCPの場合は、GWICONFIG内のサービス名と一致する必要があります。
INBUFTYPE=
"type:subtype | FML:servicename"
省略可能
なし
ローカル・サービスからの応答に適用するTuxedoのバッファ・タイプを指定します。
代替のデータ・マッピング製品を使用するには、バッファ・タイプにFMLを指定し(実際に渡されるTuxedoのバッファ・タイプに関係せずに指定)、サブタイプにエンコード用のサービス名を指定します。ゲートウェイはエンコードを行わないため、DMCONFIGファイルのFMLバッファ・タイプを指定すると、代替のデータ・マッピングのみを使用するという意味になります。Tuxedoサーバーと代替のデータ・マッピング製品には、実際のTuxedoのバッファ・タイプを構成する必要があります。
OUTBUFTYPE=
"type:subtype | FML:servicename"
省略可能
なし
ローカル・サービスに対するリクエストに適用するTuxedoのバッファ・タイプを指定します。
代替のデータ・マッピング製品を使用するには、バッファ・タイプにFMLを指定し(実際に渡されるTuxedoのバッファ・タイプに関係せずに指定)、サブタイプにデコード用のサービス名を指定します。ゲートウェイはデコードを行わないため、DMCONFIGファイルのFMLバッファ・タイプを指定すると、代替のデータ・マッピングのみを使用するという意味になります。Tuxedoサーバーと代替のデータ・マッピング製品には、実際のTuxedoのバッファ・タイプを構成する必要があります。

DM_REMOTE_SERVICESセクション

このセクションには、リモート・ドメイン上のアクセス可能なサービスに関する情報を指定します。

DMCONFIGファイルのDM_REMOTE_SERVICESセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-14 DMCONFIGDM_REMOTE_SERVICESセクションの構文
service    [optional parameters]

serviceは、ローカルのTuxedoシステムまたはTuxedoドメインのアプリケーションが特定のリモート・サービスにアクセスする際に使用する名前(identifier)です。リモート・サービスは特定のリモート・ドメインに関連付けられます。

表5-11 DM_REMOTE_SERVICESセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
CONV = {Y | N}
省略可能
N
リモート・サービスが会話型サービスかどうかを指定します。リモート・サービスが会話型サービスであることを指定するには、Yを使用します。リモート・サービスが会話型サービスではないことを指定するには、Nを使用します。
LDOM = identifier
省略可能
なし
このリモート・サービスにリクエストをルーティングするローカル・ドメインの名前を指定します。ローカル・ドメインに関連付けられているゲートウェイ・グループは、TuxedoシステムおよびTuxedoドメインの掲示板にserviceを公開します。このパラメータを指定しない場合は、どのローカル・ドメインでも、このリモート・サービスに対するリクエストの受付けが可能です。サービス・リクエストの宛先は、同じタイプのリモート・ドメイン(RDOMキーワードについては次の定義を参照)に設定されます。
RDOM = identifier
省略可能
なし
このサービスを実際に実行するリモート・ドメインの名前を指定します。このパラメータを指定せず、ルーティング基準(ROUTINGキーワードについては次の定義を参照)を指定しない場合、ローカル・ドメインは、タイプが一致するいずれかのリモート・ドメインがこのサービスを受け付けるものとして扱い、既知のドメイン(すでに接続が確立されているドメイン)またはDM_REMOTE_DOMAINSセクションのリモート・ドメインを選択します。
RNAME = string
省略可能
GWICONFIGのサービス名
リモート・ドメインが実際のサービス名として認識する名前を指定します。このパラメータを指定しない場合、リモート・サービス名は、serviceに指定されている名前と同じになります。TMA TCPの場合、この名前はGWICONFIGファイルのサービス名と一致する必要があります。
ROUTING = identifier
省略可能
なし
複数のリモート・ドメインが同じサービスを提供している場合に、このオプションのパラメータを指定すると、ローカル・ドメインはデータ依存型ルーティングを実行できます。identifierは、このデータ依存型ルーティングに使用するルーティング基準の名前になります。指定しない場合は、このサービスではデータ依存型ルーティングは行われません。identifierは15文字以内でなければなりません。サービス名が同じでRDOMパラメータの指定が異なるエントリが複数ある場合、ROUTINGパラメータはどのエントリでも同じでなければなりません。
TRANTIME = integer
省略可能
30秒
関連するサービスに対するトランザクションを自動的に開始するまでのデフォルトのタイムアウト値を秒単位で指定します。値は0以上、2147483648未満でなければなりません。値を0にすると、マシンの最大タイムアウト値が設定されます。
INBUFTYPE="type:
subtype
| FML:
servicename"
省略可能
なし
ローカル・クライアントからのリクエストに適用するTuxedoのバッファ・タイプを指定します。
代替のデータ・マッピング製品を使用するには、バッファ・タイプにFMLを指定し(実際に渡されるTuxedoのバッファ・タイプに関係せずに指定)、サブタイプにエンコード用のサービス名を指定します。ゲートウェイはエンコードを行わないため、DMCONFIGファイルのFMLバッファ・タイプを指定すると、代替のデータ・マッピングのみを使用するという意味になります。Tuxedoアプリケーションと代替のデータ・マッピング製品には、実際のTuxedoのバッファ・タイプを構成する必要があります。
OUTBUFTYPE="type:
subtype
| FML:servicename"
省略可能
なし
ローカル・クライアントに対する応答に適用するTuxedoのバッファ・タイプを指定します。
代替のデータ・マッピング製品を使用するには、バッファ・タイプにFMLを指定し(実際に渡されるTuxedoのバッファ・タイプに関係せずに指定)、サブタイプにデコード用のサービス名を指定します。ゲートウェイはデコードを行わないため、DMCONFIGファイルのFMLバッファ・タイプを指定すると、代替のデータ・マッピングのみを使用するという意味になります。Tuxedoアプリケーションと代替のデータ・マッピング製品には、実際のTuxedoのバッファ・タイプを構成する必要があります。

DM_ROUTINGセクション

このセクションはDMCONFIGファイルにおけるオプションのセクションであり、型付きバッファであるFMLVIEWX_C_TYPEおよびX_COMMONを使用したサービス・リクエストのデータ依存型ルーティングに関する情報を提供します。

DMCONFIGファイルのDM_ROUTINGセクションのフォーマットは、次のコード・リストに示すとおりです。

リスト5-15 DMCONFIGファイルのDM_ROUTINGセクションの構文
CRITERION_NAME    required parameters 

CRITERION_NAMEは、サービス・エントリに指定したルーティング・エントリの名前(identifier)です。CRITERION_NAMEは15文字以内にする必要があります。

表5-12 DM_ROUTINGセクションのパラメータ
パラメータ
必須/省略可能
デフォルト値
説明
FIELD = identifier
必須
なし
ルーティング・フィールドの名前を指定します。30文字以内にする必要があります。このフィールドは、FMLフィールド表(FMLバッファの場合)またはFMLビュー表(VIEWX_C_TYPEまたはX_COMMONバッファの場合)における識別用のフィールド名として扱われます。FLDTBLDIR環境変数とFIELDTBLS環境変数に基づいてFMLフィールド表の場所が判断され、VIEWDIR環境変数とVIEWFILES環境変数に基づいてFMLビュー表の場所が判断されます。
RANGES = string
必須
なし
ルーティング・フィールドの範囲と関連付けられたリモート・ドメイン名(RDOM)を指定します。stringは二重引用符で囲む必要があります。stringは範囲/RDOMのペアをカンマで区切って順番に並べたフォーマットにします。
範囲は、単一の値(符号付き数値または一重引用符で囲んだ文字列)、または、''lower - upper''(lowerとupperはともに符号付き数値または一重引用符で囲んだ文字列)形式で表します。''lower''には、''upper''以下の値を設定します。文字列値に一重引用符を埋め込む(たとえばO'Brien)には、一重引用符の前にバックスラッシュを2つ挿入し、'O\\'Brien'とします。
関連するFIELDのデータ型の最小値を示すために、値MINを使用できます。文字列と配列の場合はNULL文字列、文字フィールドの場合は0です。数値の場合はフィールドに格納できる最小値です。
関連するFIELDのデータ型の最大値を示すために、値MAXを使用できます。文字列と配列の場合は、8進数値の255文字の無制限文字列です。文字フィールドの場合は、単一の8進数値の255文字を指定です。数値の場合は、数値としてフィールドに格納できる最大値です。
     
したがって、''MIN - -5''とすると、-5以下のすべての数値が該当し、''6 - MAX''とすると6以上のすべての数値が該当します。範囲のかわりにメタ文字の''*''(ワイルドカード)を指定すると、そのエントリ内にある、それまでのどの範囲指定にも入らない値であることを表します。各エントリでは1つのワイルドカードによる範囲指定のみが可能であり、*は最後に指定し、続けて範囲を指定すると無視されます。
ルーティング・フィールドには、FMLでサポートされている任意のデータ型を指定できます。数値のルーティング・フィールドには数値による範囲値、文字列のルーティング・フィールドには文字列による範囲値を指定します。
文字列、配列および文字のフィールド型に使用する文字列による範囲値は一重引用符で囲む必要があり、その前に符号を付けることはできません。short型とlong型の整数値は数字の文字列であり、正負の符号を数字の前に付けることができます。浮動小数点は、Cコンパイラまたはatof():で受け付けられるフォーマットで指定する必要があり、オプションの符号、数字の文字列(必要に応じて小数点を追加)、オプションのeまたはEとそれに続くオプションの符号またはスペース、整数という順番で指定します。
フィールドの値が範囲の中に入っている場合、関連付けられているRDOM値はリクエストのルーティング先のリモート・ドメインを示します。RDOMの値を''*''にすると、ゲートウェイ・グループに基づいて認識可能な任意のリモート・ドメインをリクエストの宛先にすることができます。
範囲/RDOMペアでは、範囲とRDOMの間を'':''で区切ります。
BUFTYPE = ~type1[:subtype1[,subtype2 . . . ]][;type2[:subtype3[, . . . ]]] . . .~
必須
なし
このルーティング・エントリを適用できるデータ・バッファのタイプとサブタイプのリストです。タイプは、FMLVIEWX_C_TYPEまたはX_COMMONです。タイプがFMLの場合にはサブタイプを指定しなくてもかまいませんが、それ以外のタイプにはサブタイプが必要です(ただし''*''は使用不可)。タイプとサブタイプのペアのうち、重複するものは同じルーティング基準名として指定できません。タイプとサブタイプのペアが一意である場合、複数のルーティング・エントリは同じ基準名を持つことができます。
1つのルーティング・エントリに対して複数のバッファ・タイプを指定する場合は、各バッファ・タイプのルーティング・フィールドのデータ型が同じでなければなりません。
フィールド値が設定されていないか(FMLバッファの場合)、または特定の範囲と一致しておらず、ワイルドカードの範囲が指定されていない場合、リモート・サービスの実行をリクエストしたアプリケーション・プロセスに対してエラーが戻されます。

DMCONFIGファイルの例

リスト5-16は、DMCONFIGファイルのサンプルであり、TMA TCP Gateway製品を実行する前にこのファイルを設定する必要があります。代替のデータ・マッピング用ツールを使用するDMCONFIGファイルのサンプルについては、「Oracle TMA TCP Gatewayのデータ・マッピングに関する構成」の項を参照してください。

リスト5-16 DMCONFIGファイルのサンプル
#
# Copyright (c) 2008 Oracle Systems, Inc
# All Rights Reserved
#
# THIS IS UNPUBLISHED PROPRIETARY SOURCE CODE OF
# Oracle Systems, Inc.
# The copyright notice above does not evidence any
# actual or intended publication of such source code.
#
#
*DM_LOCAL_DOMAINS
LOCAL GWGRP=GROUP
TYPE=IDOMAIN
DOMAINID="LOCAL"

#
*DM_REMOTE_DOMAINS
REMOTE TYPE=IDOMAIN
DOMAINID="REMOTE"

#
*DM_LOCAL_SERVICES
ECHOX RNAME="ZECHOSV4"
TOLOWER RNAME="TUXTOLOWER"
INBUFTYPE=string
OUTBUFTYPE=string

#
*DM_REMOTE_SERVICES
TOUPPER RDOM=REMOTE
LDOM=LOCAL
RNAME="TUXTOUPPER"


ECHOFAR RDOM=REMOTE
LDOM=LOCAL
RNAME="BEASVR07"
INBUFTYPE="VIEW:myview"
OUTBUFTYPE="FML"

NORMAL RDOM=REMOTE
LDOM=LOCAL
RNAME="TST1V"

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