Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceインストレーション・ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63027-01 |
|
![]() 前 |
![]() 次 |
Oracle Business Intelligenceは、簡素なシングル・ユーザー向けデプロイメントから数千人の同時ユーザーに対応できる高度なセキュリティと可用性を備えたデプロイメントまで、多彩な目的にあわせたインストールが可能です。そのインストーラの機能は、最も多用されるデプロイメントのシナリオを合理的、容易に達成できることを目的としています。
Oracle Business Intelligenceの実際のデプロイメントは、関連する製品が持つデプロイメント上の数々の考慮事項によって異なります。次の各トピックでは、これらのデプロイメントのオプションについて説明します。
この章では、Oracle Business Intelligenceのインストールで一般的なシナリオについて説明します。ここでは、事前にOracle Business IntelligenceがインストールされていないシステムにOracle Business Intelligenceのソフトウェアを新規にコピーするプロセスを狭義にインストールと定義します。パッチの適用とアップグレードのプロセスは、インストールのプロセスから切り離して考えます。
次の表では、プロセスのタイプごとにその定義と例を簡単に説明し、詳細の参照先をあげています。
プロセスのタイプ | 定義 | 例 | 詳細の参照先 |
---|---|---|---|
インストール | 事前にソフトウェアがインストールされていないシステムに新しいソフトウェアをコピーするプロセス。 | Oracle Business Intelligence 11.1.1.5の新規インスタンスのインストール | この本を参照してください |
パッチの適用 | 既存のインスタンスに少数のファイルをコピーするプロセス(インプレース・インストールともいいます)。パッチはOracle製品の特定のバージョンに関連していることが普通で、その製品の特定のマイナー・バージョンから同製品の新しいマイナー・バージョンへの更新を実行します。パッチ・セットとは、同時に適用することを目的とした複数のパッチを単独のパッチにまとめたものです。 | Oracle Business Intelligence 11.1.1.3のインスタンスへのOracle Business Intelligence 11.1.1.5パッチ・セットのコピー | Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイドの、特にパッチ・セットのインストール・プロセスのサマリーに関する項 |
更新 | 以前のメジャー・バージョンから新しいメジャー・バージョンへの移動 | Oracle Business Intelligence 10gからOracle Business Intelligence 11gへのアップグレード | Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionアップグレード・ガイド |
Oracle Business Intelligence PublisherやOracle Real-Time DecisionsなどのすべてのOracle Business Intelligence製品に適用できるインストールのシナリオは、主に次の4種類です。
注意: コンピュータにOracle Business Intelligence 11gをインストールした後、そのコンピュータにOracle Business Intelligence 10g.などの旧バージョンのOracle Business Intelligenceをインストールしないようにします。その目的がOracle Business Intelligence 10gからOracle Business Intelligence 11gへのアップグレードであっても、このような処理はお薦めできず、またサポートもされていません。 |
デモンストレーション、評価または概念実証のシナリオは、デモンストレーションと評価の目的でOracle Business Intelligenceを簡易的にインストールするユーザーや組織向けです。このインストールのシナリオでは、1台のコンピュータ上でOracle Business Intelligenceの簡易インストールを実行します。
このシナリオを開始する前に、使用するシステムがOracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。続いて、RCUを実行して、Metadata Services (MDS)とBusiness Intelligence Platform (BIPLATFORM)スキーマを作成します。
シングル・ユーザー・デプロイメントのシナリオは、既存機能のカスタマイズ、新規機能の構築または独立しているカスタム・アプリケーションの統合を目的としてOracle Business Intelligenceをインストールする個別の開発者向けです。このシナリオでは、1台のコンピュータ上でOracle Business Intelligenceの簡易インストールを実行します。
このシナリオを開始する前に、使用するシステムがOracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。続いて、RCUを実行して、Metadata Services (MDS)とBusiness Intelligence Platform (BIPLATFORM)スキーマを作成します。
ホストされている開発と本番向けのデプロイメントのシナリオは、セキュアなクラスタ化環境にOracle Business Intelligenceをインストールする複数ユーザー(多くの場合は開発者)の組織向けです。このシナリオでは、複数のコンピュータ上で1つのスケールアウトしたインスタンスをサポートするのか、または1台のコンピュータ上で複数のスタンドアロンのインスタンスをサポートするのかで、実行するタスクが異なります。
スケールアウトした1つのインスタンスを複数のコンピュータにインストールするには、1台のコンピュータで新規BIシステムオプションを指定してエンタープライズ・インストールを実行します。続いて別のコンピュータでエンタープライズ・インストールを実行しますが、今度はBIシステムのスケールアウトオプションを指定します。Oracle Business Intelligenceシステムをスケールアウトするコンピュータごとに、このBIシステムのスケールアウトを指定したエンタープライズ・インストールを実行します。
このシナリオを開始する前に、使用するシステムがOracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。続いて、RCUを実行して、Metadata Services (MDS)とBusiness Intelligence Platform (BIPLATFORM)スキーマを作成します。
複数のスタンドアロンのインスタンスを1台のコンピュータにインストールするには、次のいずれかの方法を使用します。
目的のコンピュータ上で簡易インストールまたはエンタープライズ・インストール(新規BIシステムオプションを指定)を複数回実行します。各Oracle Business Intelligenceインスタンスは、そのコンピュータ上にある別々のMiddlewareホームにインストールするようにします。
まず、Oracle WebLogic Serverをインストールし、続いてOracle Business Intelligenceのソフトウェアのみのインストールを実行します。その後、コンフィギュレーション・アシスタントを複数回(インスタンスごとに1回)使用して、同一の(共有している)Middlewareホームで各インスタンスを構成します。
簡易インストールまたはエンタープライズ・インストールを複数回実行する方法に比べると、この方法には2つの大きな利点があります。1つは、Oracle Business Intelligenceの各インスタンス、具体的にいうと各ドメインは、Middlewareホームに格納されたバイナリ・ファイルを共有するので、必要とするディスク領域が少ないことです。もう1つは、共有しているMiddlewareホームですべてのドメインに対して同時にパッチを適用できることです。
注意: 2番目の方法で説明したように、複数のOracle Business Intelligenceインスタンスは、同一のMiddlewareホームでバイナリ・ファイルを共有していますが、管理サーバーや管理対象サーバーなどのランタイム・コンポーネントは共有していません。それぞれのOracle Business Intelligenceインスタンスでは、それが存在するMiddlewareホームが独立したものか共有しているものかに関係なく、専用のランタイム・コンポーネントを設定し、使用します。 |
これらのシナリオを開始する前に次を実行します。
使用するシステムがOracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。続いて、RCUを実行して、Metadata Services (MDS)とBusiness Intelligence Platform (BIPLATFORM)スキーマを作成します。
ポート管理の方針を決定します。Oracle Business Intelligence 11g インストーラでインスタンスごとにポートを自動的に割り当てることができるほか、カスタムのポート構成ファイル(.ini)で独自にポートを割り当てることもできます。自動的に割り当てる方法を使用する場合は、インストールしたいずれかのインスタンスですべてのプロセスを実行していることを確認した上で、以降のインスタンスをインストールします。これにより、未使用のポートをOracle Business Intelligence 11g インストーラで自動的に識別し、割り当てることができます。カスタムのポート構成ファイルを使用して独自にポートを割り当てるには、4.2.8項「Oracle Business Intelligenceのカスタム・ポート値の設定」を参照してください。
最高レベルの可用性とセキュリティを目指すエンタープライズ・デプロイメントのシナリオは、分散ネットワークにわたる高度なセキュリティとパフォーマンスを備えたOracle Business Intelligenceのインストールを必要とする複数ユーザーの組織向けです。
このシナリオでOracle Business Intelligenceをインストールするには、それぞれのニーズに応じて次のいずれかの方法を使用します。
新規BIシステムオプションを指定したエンタープライズ・インストールを1台のコンピュータで実行します。続いて、別のコンピュータでエンタープライズ・インストールを実行しますが、今度はBIシステムのスケールアウトオプションを指定します。Oracle Business Intelligenceシステムをスケールアウトするコンピュータごとに、このBIシステムのスケールアウトを指定したエンタープライズ・インストールを実行します。
必要な台数の複数のコンピュータで、まずOracle WebLogic Serverをインストールし、続いてOracle Business Intelligenceのソフトウェアのみのインストールを実行します。その後、コンフィギュレーション・アシスタントの使用などにより、システムを構成します。
これらのどのシナリオでも、それを開始する前に、使用するシステムがOracle Fusion Middleware、Oracle Business Intelligenceおよびリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)のインストール要件を満足していることを確認します。続いて、RCUを実行して、Metadata Services (MDS)とBusiness Intelligence Platform (BIPLATFORM)スキーマを作成します。
最高レベルの可用性とセキュリティを目指すエンタープライズ・デプロイメントは、最も複雑なシナリオであり、Oracle Fusion MiddlewareとOracle Business Intelligenceがサポートするデプロイメントのオプションを十分に理解して実行する必要があります。このシナリオに取り組む前に、次のガイドを参照しておくことを強くお薦めします。
Oracle Fusion Middlewareインストレーション・プランニング・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle WebLogic Serverインストレーション・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド