Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイド 11g リリース1 (11.1.1) B63028-01 |
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この序章では、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition 11g リリース1 (11.1.1)におけるメタデータ・リポジトリ機能の変更点について説明します。以前のリリースからOracle BI EEにアップグレードする場合は、機能、ツールおよび手順が大幅に異なるので、次の情報をよくお読みください。
この序章には、次のトピックが含まれています。
この項の項目は次のとおりです。
新機能
Oracle BI EE 11g リリース1 (11.1.1.5)におけるメタデータ・リポジトリの新機能は、次のとおりです。
Oracle OLAPデータ・ソースへのアクセス
Oracle BI EEでは、データ・ソースとしてOracle OLAPがサポートされるようになりました。詳細は、「Oracle OLAPデータ・ソースでの作業」を参照してください。
TimesTenデータ・ソースへのアクセス
Oracle BI EEでは、データ・ソースとしてOracle TimesTen In-Memory Databaseがサポートされるようになりました。詳細は、「Oracle TimesTen In-Memory Databaseデータ・ソースの設定」を参照してください。
ネイティブ接続を使用してSAP/BWデータ・ソースに接続可能
SAP BWネイティブ接続オプションを使用して、BAPI経由でSAP/BWデータ・ソースに接続できるようになりました。詳細は、「SAP/BWデータ・ソースの設定」を参照してください。
新しい図表機能
このリリースでは、物理図およびビジネス・モデル図の機能が強化され、外観が向上しているほか、表オブジェクト内の列を図に表示できるようになりました。また、自動レイアウト、マーキー・ズーム、ズームして合せるなどの図表オプションが新しく追加されています。詳細は、「物理図およびビジネス・モデル図の使用」を参照してください。
リポジトリ内のメタデータ・オブジェクトを検証するための検証ユーティリティ
Oracle BI EEには、メタデータ・オブジェクトを検証するための検証ユーティリティが追加されています。詳細は、「validaterpdユーティリティを使用したリポジトリの整合性チェック」を参照してください。
Oracle BI EE 11g リリース1 (11.1.1.5)にアップグレードする際には、アップグレードに関する次の考慮事項に注意してください。
物理図およびビジネス・モデル図内の結合は、結合の「1」側を指す矢印で表されます。以前のリリースでは、結合の「多」側に山形模様が付いた直線が使用されていました。
たとえば、以前のリリースでは、結合は図中で次のように表されていました。
この結合は、11g リリース1 (11.1.1.5)では、次のように表されます。
物理モデルおよびビジネス・モデルのダイアグラムで結合を作成する場合、まず結合の「多」の方を選択してから「一」の方を選択するようになりました。以前のリリースでは、ダイアグラムで最初に結合の「一」の方を選択して結合が作成されていました。
この新しい(多対一の)動作は、前の箇条書きで説明されている新しい結合の矢印の方向と一致します。
整合性チェック・マネージャでは、同じ接続プールが問合せと初期化ブロックの両方に使用されている場合、警告を発行するようになりました。この構成はお薦めしません。そのかわりに、初期化ブロックに専用の接続プールを作成します。そうしないと、問合せのパフォーマンスが低下したり、認証の初期化ブロックを実行できずにユーザー・ログインがハングする可能性があります。これらの警告は、次のように表示されます。
[39062] Initialization Block 'Authorization' uses Connection Pool '"My_DB". "My_CP"' which is used for report queries. This may impact query performance.
Oracle BI EE 11gへのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』を参照してください。
この項の項目は次のとおりです。
新機能
Oracle BI EE 11g リリース1 (11.1.1.3)におけるメタデータ・リポジトリの新機能は、次のとおりです。
新しいSampleApp.rpdデモ・リポジトリ
このリリースのOracle BI EEには、SampleApp.rpdという新しいデモ・リポジトリが用意されています。このリポジトリでは、様々なタイプのオブジェクトのモデリングに関するベスト・プラクティス情報が提供されます。
SampleAppLite.rpdというSampleApp.rpdの基本バージョンは、「簡易インストール」オプションを選択した場合にデフォルト・リポジトリとして自動的にインストールされます。さらに多くのサンプルや機能が格納されたSampleApp.rpdの完全バージョンは、Oracle Technology Networkで入手できます。詳細は、「SampleApp.rpdデモ・リポジトリについて」を参照してください。
プレゼンテーション・レイヤー内の階層オブジェクト
プレゼンテーション・レイヤーでプレゼンテーション階層およびプレゼンテーション・レベルを定義できるようになりました。これらのオブジェクトによって、Oracle BIアンサーで多次元モデルを明示的に公開できるほか、ユーザーは階層ベースの問合せを作成できます。プレゼンテーション階層によって、メンバーの選択、カスタム・メンバー・グループ、非対称型問合せなどの分析機能が提供されます。詳細は、「プレゼンテーション階層とプレゼンテーション・レベルでの作業」を参照してください。
非バランス型(不規則)およびスキップレベル階層のサポート
Oracle BI EEでは、非バランス型およびスキップレベル階層がサポートされるようになりました。非バランス型(不規則)階層は、リーフ(子を持たないメンバー)の深さが必ずしも同じでない階層です。スキップレベル階層は、特定の祖先レベルについて値を持たないメンバーがある階層です。詳細は、「レベル・ベース階層について」を参照してください。
親子階層のサポート
Oracle BI EEでは、親子階層がサポートされるようになりました。親子階層(値階層とも呼ばれます)には、すべて同じタイプのメンバーが含まれます。たとえば、組織図には明確な親子階層がありますが、すべてのメンバーが従業員です。詳細は、「親子階層のディメンションの作成と管理」を参照してください。
論理スターおよびスノーフレーク向けのサブジェクト・エリアの作成
ビジネス・モデル内の各論理スターまたは論理スノーフレークについてサブジェクト・エリア(以前はプレゼンテーション・カタログと呼ばれていました)を1つずつ自動的に作成できます。詳細は、「論理的なスターとスノーフレークに基づくサブジェクト・エリアの自動作成」を参照してください。
複数通貨のサポート
Oracle BI EEユーザーが分析およびダッシュボードで通貨列の表示に使用する通貨を選択できるように、論理列を構成できます。詳細は、「複数通貨サポートのための論理列の構成」を参照してください。
XMLパッチ・ファイルの生成と適用
リポジトリに加えられた変更のみを格納したXMLパッチ・ファイルを生成できるようになりました。その後、このパッチをリポジトリの古い(元の)バージョンに適用することで、新しいバージョンを作成できます。これは開発-本番シナリオに非常に役立つほか、Oracle BIアプリケーションのユーザーがリポジトリをアップグレードする際にも使用できます。詳細は、「パッチ・マージの実行」を参照してください。
サポートされているOracle BIサーバー・オペレーティング・システムで、Oracle BIサーバーXMLユーティリティを使用して、Oracle BIリポジトリ・メタデータのXMLベースの汎用表現を作成することもできます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』のOracle BIサーバーXML APIに関する項を参照してください。
マルチユーザー開発およびリポジトリ・ライフサイクル管理の強化
マルチユーザー開発およびリポジトリ・ライフサイクル管理の強化された機能および新機能の概要は、次のとおりです。
MUDプロジェクトに、サブジェクト・エリア(以前はプレゼンテーション・カタログと呼ばれていました)が明示的に含まれるようになりました。オブジェクトのセキュリティ権限によって、チェックアウトされたリポジトリに含まれるプレゼンテーション・オブジェクトが影響を受けることがなくなりました。
リポジトリ・マージ・ウィザードでオプションを選択するか、MUDオプション・ファイルでオプションを設定することで、マージ中に自動的に整合性をチェックし、等化することができます。
リポジトリ・マージ・ウィザードの強化された統合によって、シングル・ステップでリポジトリを入力できます。リポジトリを1つずつ選択し、ロードされるまで待つ必要がなくなりました。
コマンドライン・ユーティリティextractprojectsを使用して、すべてのプラットフォームでオブジェクトを抽出できるようになりました。
双方向マージ機能(共通の親を持たない完全マージ)を使用すると、別個のリポジトリをより簡単に統合できます。
メタデータ・リポジトリ・ファイルの暗号化
強力な暗号化アルゴリズムを使用してリポジトリの内容を暗号化するリポジトリ・パスワードがリポジトリで使用されるようになりました。この機能によって、接続プール・オブジェクト内のデータ・ソースの資格証明など、リポジトリ・メタデータの安全性が確保されます。詳細は、「リポジトリ・パスワードの変更」を参照してください。
メタデータ・リポジトリ・ファイルの圧縮
ストレージ要件を軽減するために、リポジトリが圧縮形式で保存されるようになりました。そのため、このリリースでは、開いているRPDファイルや保存したRPDファイルのサイズが、以前のリリースのRPDファイルと比べて大幅に小さくなっています。複数のリポジトリの使用と保存の詳細は、「マルチユーザー開発環境について」を参照してください。
埋込みデータベース関数
ユーザーおよび管理者は、Oracle BIアンサーからデータベース関数を直接コールするか、メタデータ・リポジトリ内で論理列(論理表ソース内)を使用して、リクエストを作成できます。これらの関数を使用すると、基礎となるデータベースでカスタムで記述された関数やプロシージャにアクセスできます。サポートされている関数には、EVALUATE
、EVALUATE_AGGR
、EVALUATE_PREDICATE
などがあります。詳細は、「データベース関数」を参照してください。
さらに、Essbaseユーザーには、評価関数が非常に役立ちます。詳細は、「固有のEssbase関数を活用するEVALUATE_AGGREGATEとEVALUATEの使用例」を参照してください。
時系列計算およびレベル・ベース・メジャー用のSQL関数
次の新規SQL関数および改訂されたSQL関数を使用して、ユーザーは時系列計算およびレベル・ベース・メジャーを作成できます。
PERIODROLLING
は、現在の時間から数えてx単位時間前に始まり、y単位時間後に終わる期間のメジャーの集計を算出する新しい関数です。
AGGREGATE AT
は、指定されたレベルに基づいて列を集計する新しい関数です。
AGO
は、現在の時間から指定された期間までさかのぼって集計値を算出する時系列集計関数です。このリリースでは、time_level
引数はオプションです。その他にも構文が変更されています。この関数は、以前のリリースではPERIODAGO
と呼ばれていました。
TODATE
は、指定された期間の始まりから現在表示されている時間までのメジャー属性を集計する時系列集計関数です。このリリースでは、この関数の構文が変更されています。この関数は、以前のリリースではPERIODTODATE
と呼ばれていました。
これらの関数の詳細は、「集計関数」を参照してください。時系列関数AGO
、TODATE
およびPERIODROLLING
の使用については、「時系列データのモデル化」も参照してください。
SELECT_PHYSICALのサポート
SELECT_PHYSICAL
文には、メタデータ・リポジトリの物理レイヤー内のオブジェクトに直接問い合せたり、ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーまたはプレゼンテーション・レイヤーに対する問合せ内にそのような文をネストするための機能があります。詳細は、「SELECT_PHYSICALの構文と使用上の注意」を参照してください。
計算済メンバーのサポート
計算済メンバーは、実行時にメジャー値が計算されるユーザー定義のディメンション・メンバーです。計算済メンバーは、同じディメンションの他のメンバーを参照する式を使用してディメンション内で定義できます。詳細は、「計算済メンバー」を参照してください。
Essbaseデータ・ソースへのアクセス
Oracle BI EEでは、データ・ソースとしてEssbaseがサポートされるようになりました。詳細は、「Essbaseデータ・ソースでの作業」を参照してください。
Hyperion Financial Managementデータ・ソースへのアクセス
Oracle BI EEでは、データ・ソースとしてHyperion Financial Managementがサポートされるようになりました。詳細は、「Hyperion Financial Managementデータ・ソースでの作業」を参照してください。
ADFビジネス・コンポーネント・データ・ソースへのアクセス
Oracle BI EEでは、データ・ソースとしてADFビジネス・コンポーネントを使用できるようになりました。この機能を使用すると、ユーザーは、ADFフレームワークに基づいて作成されたアプリケーションと業務レポートを統合できます。詳細は、「ADFビジネス・コンポーネント・データ・ソースの使用」を参照してください。
ODBCを介したOracle RPASデータ・ソースへのアクセス
Oracle BIサーバーは、RPAS ODBCドライバを使用してOracle Retail Predictive Application Server (RPAS)データ・ソースにアクセスできるようになりました。詳細は、「Oracle RPASデータ・ソースの設定」を参照してください。
OCIを介してOracle Databaseに接続可能
管理者は、Oracle Databaseから物理オブジェクトをインポートする際にネイティブなOracle Call Interface (OCI)を使用できるようになりました。OCIを使用する方がODBC接続を使用するよりも高速なので、管理者は、Oracle Databaseからのインポート時またはOracle Databaseへの接続の設定時には必ずOCIを使用する必要があります。詳細は、「Oracle Databaseデータ・ソースの設定」を参照してください。
XMLAオブジェクトのドラッグ・アンド・ドロップのサポート
XMLAオブジェクトを(XMLAデータベースまたはキューブ表全体を同時に、または1つずつ)論理レイヤーにドラッグ・アンド・ドロップして、一貫性のあるビジネス・モデルを自動的に作成できるようになりました。詳細は、「ビジネス・モデルとマッピング・レイヤーの作成」および「マルチディメンション・データ・ソースに対するビジネス・モデル・オブジェクトの自動作成」を参照してください。
Oracle Business Intelligenceでのスタンバイ・データベースの使用のサポート
Oracle BI EEでスタンバイ・データベースを使用できるようになりました。スタンバイ・データベースは主に、高可用性およびフェイルオーバー機能でプライマリ・データベースのバックアップとして使用されます。詳細は、「Oracle Business Intelligenceでのスタンバイ・データベースの使用」を参照してください。
パフォーマンスを向上させるために、Oracle BI EEでは、集計が保持される場合にリレーショナル表で索引および統計が作成されるようになりました。集計の永続性の詳細は、第12章を参照してください。
不要なリポジトリ・オブジェクトを削除するための削除ユーティリティ
Oracle BI EEには、リポジトリから不要なオブジェクトを削除するための削除ユーティリティが追加されています。このユーティリティは特に、付属しているOracle BIアプリケーション・リポジトリに含まれるオブジェクトのサブセットのみを使用する必要があるOracle BIアプリケーションのユーザーに便利です。詳細は、付録E「リポジトリからの不要オブジェクトの削除」を参照してください。
セッション変数初期化ブロックの遅延実行が可能
セッションのログオン時間を短縮し、リソースを節約するために、管理者は、関連するセッション変数がセッション内で実際に使用されるまで、選択したセッション変数初期化ブロックの実行を遅らせることができます。詳細は、「初期化ブロックの作成」を参照してください。
管理ツールの使いやすさの向上
このリリースのOracle BI EEでは、管理ツールの多くの画面、ウィザード、およびユーザー・インタフェースのその他の部分が更新され、簡素化されています。更新されたウィザードには、新規リポジトリの作成ウィザード、集計の永続性ウィザード、マージ・ウィザードなどがあります。このリリースでは、式ビルダーと整合性チェッカーの使いやすさも向上しています。
その他の変更点としては、アイコンの更新と改善、結合を作成する際のプロセス・フローの簡素化、「リポジトリの問合せ」機能の向上、リポジトリ・オブジェクトを追加する方法の簡素化などがあります。また、メニュー・オブジェクトへのキーボード・アクセス、ダイアログ・ナビゲーション、および物理図とビジネス・モデル図のナビゲーションを可能にするショートカットも追加されています。
Oracle BI EE 11g リリース1 (11.1.1.3)にアップグレードする際には、アップグレードに関する次の考慮事項に注意してください。
このリリースのOracle BI EEで作業する前に、リポジトリ・ファイルを以前のリリースからアップグレードしておく必要があります。リポジトリを以前のリリースからアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』を参照してください。
公開されたデフォルト・リポジトリを含め、リポジトリの開発に影響する多くの構成設定がFusion Middleware Controlで集中管理されるようになりました。これらの構成設定をNQSConfig.INIで手動で変更することはできなくなりました。詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』を参照してください。
セキュリティ関連の次の変更点に注意してください。
リポジトリの内容を暗号化するために使用されるリポジトリ固有のパスワードがリポジトリで使用されるようになりました。Fusion Middleware Controlでリポジトリを公開すると、リポジトリ・パスワードが外部資格証明ストアに保存され、Oracle BIサーバーはそのパスワードを取得してリポジトリをロードできます。詳細は、「リポジトリ・パスワードの変更」を参照してください。
空白のリポジトリ・パスワードを使用することはできません。
グループは、リポジトリ内にオブジェクトとして存在しなくなりました。かわりに、ユーザーが属するアプリケーション・ロールに基づいたデータ・アクセス・セキュリティを実装します。
アプリケーション・ロールは外部ポリシー・ストアで管理されます。アプリケーション・ロール・オブジェクトはリポジトリ内に存在しますが、これらのオブジェクトは、外部で管理されるロールへのポインタ(参照)です。
ユーザーは外部認証プロバイダで管理され、リポジトリでは管理されなくなりました。ユーザー・オブジェクトはリポジトリ内に存在しますが、これらのオブジェクトは、外部で管理されるユーザーへのポインタ(参照)です。
これらの変更点およびセキュリティ関連のその他の変更点については、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionセキュリティ・ガイド 』を参照してください。追加情報については、第13章「リポジトリ・オブジェクトへのデータ・アクセス・セキュリティの適用」を参照してください。
Oracle BIサーバーのデフォルトODBC DSN内の接続パラメータはFusion Middleware Controlで集中管理されるようになり、手動では変更できません。
さらに、Oracle BI EEは、デフォルトでクラスタ構成でデプロイされるようになりました。そのため、デフォルトでは、Oracle BIサーバーのデフォルトODBC DSNは、Oracle BIサーバーではなくCluster Controllerを指します。
Oracle BIサーバーのODBC DSNの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionインテグレーターズ・ガイド』の他のクライアントとOracle Business Intelligenceとの統合に関する項を参照してください。
このリリースのOracle BI EEには、実行中のシステムについて次のような依存性が追加されています。
インストール時に指定したリレーショナル・データベースが実行されている必要があります。このデータベースには、Repository作成ユーティリティ(RCU)を使用してロードされた、必要なOracle BI EEスキーマが格納されている必要があります。
Oracle WebLogic Serverが実行されている必要があります。
オンライン・モードで管理ツールを使用してOracle BIサーバーを再起動することができなくなりました。かわりに、Fusion Middleware ControlとOracle WebLogic Server管理コンソールを使用して、Oracle BIサーバーおよびその他のシステム・プロセスを再起動できます。
また、BIシステム管理APIを使用して、Oracle BI EEをプログラムで起動および停止することもできます。この機能は特に、クラスタ内のOracle BIサーバーの再起動を自動的にローリングして、リポジトリのアップグレード時にエンドユーザーの停止時間をなくすうえで役立ちます。
詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド』のOracle Business Intelligenceの起動と停止およびOracle BI Systems Management APIを使用したOracle Business Intelligenceの起動と停止に関する項を参照してください。
Oracle BIサーバーのコマンドライン・ユーティリティを実行する前に、bi-init.cmd (UNIXの場合はbi-init.sh)を実行して、Oracleインスタンスに対して初期化されたコマンド・プロンプトまたはシェル・ウィンドウを起動しておく必要があります。詳細は、「Oracleインスタンスに初期化したシェル・ウィンドウを起動するためのbi-initの実行」を参照してください。
Oracle Databaseデータ・ソースの接続プールでネット・サービス名を使用するには、Oracle BIサーバーがそのエントリを特定できるように、Oracle BI EE環境の次の場所でtnsnames.oraファイルを設定する必要があります。
ORACLE_HOME/network/admin
リポジトリ・ファイルをダブルクリックして管理ツールを開くことができなくなりました。表示される管理ツール・ウィンドウはOracleインスタンスに対して初期化されず、後でセッション中にエラーが発生します。かわりに、常に「スタート」メニューを使用して管理ツールを開くか、bi-init.cmdを使用してコマンド・ラインから管理ツールを起動してください。詳細は、「管理ツールを開く」を参照してください。
プレゼンテーション・レイヤーのプレゼンテーション・カタログはサブジェクト・エリアと呼ばれるようになりました。
静的リポジトリ変数には、定数値であるデフォルト・イニシャライザが必要になりました。詳細は、「リポジトリ変数について」を参照してください。
以前のリリースのOracle Business Intelligenceでライトバック機能を構成していた場合、ライトバックを有効にする各論理列について「書込み可能」オプションを明示的に選択する必要があります。詳細は、「列でのライトバックの有効化」を参照してください。
ブリッジ表は、リポジトリ・モデリング手法を使用して特定されるようになりました。以前のリリースにあった「論理表」ダイアログの「ブリッジ表」オプションでは特定されなくなりました。リポジトリをチェックして、ブリッジ表が適切にモデリングされていることを確認してください。詳細は、「ブリッジ表のモデリング」を参照してください。
ある結果を返すために使用されていた一部の問合せが、別の結果を返すようになっています。この動作が発生するのは、問合せに使用する論理表ソースの決定が非常に規則正しくなっているのに対して、以前のリリースではその決定が無作為であったためです。この動作を修正するには、モデリングを調べて調整してください。
以前のリリースでは、同じ論理表の2つの論理表ソースが同じ物理表にマップされて、両方の論理表ソースが1つの問合せで使用され、両方の論理表ソースにWHERE句フィルタがある場合、一方の論理表ソースのフィルタのみが適用され、他方のWHERE句フィルタは無視されていました。
現在のリリースでは、この状況で、両方の論理表ソースのWHERE句フィルタが問合せに適用されます。通常、この動作によって適切な結果が生成されます。この点に関するエラーが発生した場合、エラーを修正するには、物理表の別名を使用して、同じ物理表が別のレベルの同じ論理表にマップされないようにします。
リポジトリの整合性を確保するために、整合性チェック・マネージャによって新たな検証ルールが追加適用されるようになりました。さらに、前回のリリースで適用された一部のルールが、整合性チェックの実行時に表示されることもあります。次の表にこれらのルールをまとめます。
検証ルールの例 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
[14031] 論理表FACT_TABLE_NAMEのソースの索引フィルタは、複数のディメンションを参照します。 | エラー | 特定の論理表に複数のディメンションを参照するWHERE句フィルタを含む論理表ソースがあります。複数のディメンションを含むWHERE句は無効です。 |
[38126] 'Logical Table' '"Technology - WFA"."Fact WFA WO "'の名前の先頭または末尾にスペースがあります。 | エラー | オブジェクト名の先頭または末尾にスペースがあります。
リポジトリ・オブジェクトの名前の先頭または末尾にスペースを使用できなくなりました。オブジェクト名の先頭および末尾にスペースが使用されていると、問合せやレポートの問題が発生する場合があります。 |
[38012] 論理列DIM_Start_Date.YEAR_QUARTER_NBRには物理データ型のマッピングがなく、派生列でもありません。
[38001] 論理列DIM_Start_Date.YEAR_QUARTER_NBRに物理データ・ソースのマッピングが含まれていません。 |
エラー | 無効になっている論理表ソースにマップされた論理列は、整合性エラーとして報告されます。このような論理表ソースのマッピングは無効で、問合せの失敗の原因となるためです。
両方の特定の検証ルールは、同じ問題に関連しています。 |
[39028] データベース'MyDB'の機能がデフォルトと一致しません。この結果、問合せ問題が発生する可能性があります。 | 警告 | 一部のデータベース機能のデフォルトは、Oracle BI EEのこのリリースで変更されました。機能セットに特定のカスタマイズがなければ、データベース機能を新しいデフォルトにリセットすることをお薦めします。 |
[39003] 列DIM_Offer_End_Date.CREATE_DTの機能依存結合が見つかりません。 | 警告 | この警告は、特定の列がいずれのレベルにも関連付けられていないことを示しています。この場合、その列はデフォルトで、親ディメンションの最下位レベルに関連付けられます。この警告では、デフォルトの動作が不適切な場合に向けて、この問題についてリポジトリ開発者に注意を喚起しています。 |
[39009] 論理ファクト表MY_FACTに、Dimension: Hier - Timeソースと適切な詳細レベルで結合していない集計ソースMY_FACT.YRLY_SUMが含まれています。
[39055] ファクト表"HR"."FACT - HC Budget"は論理ディメンション"HR"."DIM - HR EmployeeDim"の表と結合していません。これにより、プロジェクトの抽出時に問題が発生します。 [39059] 論理ディメンション表MY_DIMのレベルDailyに、上位レベルのファクト・ソースMY_FACT_SUM.MTHLY_SUMと結合するソースMY_DIM_DAILYがあります |
警告 | このファクト論理表ソースにこのディメンションで設定された集計のマス目がありますが、このディメンションの論理表ソースに接続する有効な物理結合が見つかりませんでした。
これは、結合が存在しないか、存在しているが高レベルのファクト・ソースと低レベル次元ソースを接続しているため、不正であることを意味します。このような結合は、実行すると問合せの回答でダブル・カウントが発生する可能性があるため不正になり、Oracle BI Serverによって無視されます。 たとえば、「Select year, yearlySales」という問合せについて考えます。monthTable表とyearlySales表との間にyearIdでの結合が存在していても、この結合により結果が12の倍数(各年の月数)に増加するため、これは使用できません。 これらすべての特定の検証ルールは、同じ問題に関連しています。 |
[39054] ファクト表"Sales - STAR"."Fact - STAR Statistics"は論理ディメンション表"Sales - STAR"."Dim - Plan"と結合していません。これによりプロジェクトの抽出時に問題が発生します。 | 警告 | この警告は、ファクト表の論理表ソースの集計コンテンツ・フィルタ「Group by Level」が、そのファクト表に結合されていない論理ディメンション表を参照していることを意味します。ファクト表がextract/MUDプロセスで抽出されない場合、結合されていないディメンションは抽出されません。その場合、抽出される論理表ソースの集計コンテンツは、元の論理表ソースと同じにはなりません。 |
[39057] 論理表ソース""HR"."Dim - Schedule"."SCH_DEFN""には、列マッピングまたは式で使用されていない物理表がマップされています。 | 警告 | この警告は、特定の論理表ソースにマッピングで使用されていない無関係の表が追加されていることを示しています。この状況でエラーが発生することはありません。 |
整合性チェック時に、無効なオブジェクトが削除されるようになりました。この動作によって、論理表ソースおよび論理列の式やフィルタが削除されることがあります。ビジネス・モデルとマッピング・レイヤー・オブジェクトの参照を適切に考慮せずに、物理レイヤーでオブジェクトが削除された場合、無効な参照が発生する可能性があります。
10.1.3.2より前のバージョンのOracle BI EEからリポジトリをアップグレードする場合にプロジェクトがどのようにアップグレードされるかについては、「リポジトリ・アップグレード時の古いプロジェクトの変換について」を参照してください。
環境変数OBIS_Essbase_CustomGroup_Generation: Essbaseでカスタム・グループ構文の使用をカスタマイズするために以前のリリースで使用されていました。これは、PERF_CUSTOM_GROUP_GENERATION_MODEという新しいデータベース機能に置き換えられました。このデータベース機能は、Essbaseやその他の多次元ソースでのカスタム・グループ構文の生成方法に影響します。有効な値のセットは、環境変数と同じです(0 - 2)。
環境変数OBIS_Essbase_NonEmptyTuples_Generation.Database.Catalog.CubeTable: 大きな問合せセットで問題を解決するために以前のリリースで使用されていました。これは、PERF_PREFER_SUPPRESS_EMPTY_TUPLESという新しいデータベース機能に置き換えられました。このデータベース機能で、空のセル値を持つ空のタプルを削除するかどうかを制御します。このデータベース機能によって、最終結果セットでnullの抑制の動作が変更されることはありません。
Oracle BI EE 11gへのアップグレードの詳細は、『Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイド』を参照してください。