Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド 11g リリース1(11.1.1) B63029-01 |
|
前 |
次 |
パッチの適用では、小さなファイルの集まりを既存のシステムにコピーする処理を行います。通常、パッチはOracle製品の特定のバージョンに関連付けられており、製品の1つのマイナー・バージョンから同じ製品のより新しいバージョンへの(たとえば、バージョン11.1.1.2.0からバージョン11.1.1.3.0などへの)更新が実行されます。パッチ・セットとは、一度に適用することを意図して構成された一連のパッチを含む単一パッチです。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
この章の内容は次のとおりです。
Oracle Business Intelligenceプラットフォームのパッチは、DLL、JAR、EXEなどの拡張子を持つバイナリ・ファイルに適用されます。
Oracle Business Intelligenceプラットフォームのパッチは、次のものには適用されません。
構成ファイル
パッチの一部として構成の更新が必要な場合は、パッチ付属のREADME.txtファイルでその詳細を説明しています。この説明に従って、構成を手動で更新する必要があります。カスタマの構成ファイルとパッチを適用した構成ファイルを自動的にマージするメカニズムはありません。
スキーマ・ベースのメタデータ
データベース・スキーマ(スケジューラ、使用状況統計、イベント・ポーリング、リポジトリ・ファイルおよびOracle BI Presentation Catalogのスキーマを含む)に格納されている非デザインタイム・メタデータにはパッチは適用されません。
アプリケーションのコンテキストで配布されるその他のプラットフォーム・メタデータ(リポジトリ・ファイルやOracle BI Presentation Catalogファイルなど)にはパッチが適用されますが、これはプラットフォーム・パッチの一部としてではなく、アプリケーション・パッチの一部として適用されます。
一般に、1台以上のコンピュータに分散する既存のOracle BI EE本番システムに対して、1つ以上の不具合の修正を含むパッチを適用します。不具合の修正は、Oracle WebLogic Serverの内部にデプロイされたシステム・コンポーネントおよびJavaコンポーネントに影響を及ぼす場合があります。パッチには、サーバーの新しい実行可能ファイルや、更新された、または新しいJavaクラス・ファイルが含まれることがあります。
Oracle BI EEプラットフォームへのパッチの適用(およびロールバック)には、Oracle OPatchユーティリティを使用します。パッチは、第23.2.2項「プラットフォームへのパッチの適用」で説明している手順で、Oracleサポート・サービスからダウンロードします。
Oracle Fusion Middlewareでのパッチの適用の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
この項の構成は、次のとおりです。
Oracle BI EEプラットフォームへのパッチの適用時には次の条件が適用されます。
Oracle BI EE 11g リリース1(11.1.1)がインストールされていることが必要です。これより前のバージョンの場合はこの11g リリースにアップグレードしておく必要があります。
パッチの適用前にOracle Business Intelligenceを停止し、すべてのコンポーネントへのパッチの適用が正常に終了した後に再起動する必要があります。
パッチが既存のJavaコンポーネントに影響する場合や、新しいJavaコンポーネントを含む場合は、パッチの適用後にそれらのコンポーネントを再びデプロイする必要があります。
複数のコンピュータに分散する特定のOracle Business Intelligenceシステムに関連するすべてのOracleホームにパッチを適用する必要があります。Oracle BI EEの各コンポーネントが同じバージョンになるようにパッチを適用する必要があります。各Oracleホームのパッチ・バージョンを1つずつ確認する必要があります。詳細は、第23.4項「現在のパッチ・レベルの判定」を参照してください。
パッチを適用するには、次の各項で説明するすべてのタスクを実行します。
パッチをダウンロードするには:
次のURLにあるOracleサポート・サービスのWebサイトでパッチ(OPatchパッケージ)を探します。
パッチIDは不具合番号またはサービス・リクエスト番号に対応しており、この番号はOracleサポート・サービスが割り当てます。
ローカル・ネットワークにパッチをダウンロードします。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
詳細は、第4.1項「Oracle Business Intelligenceの起動および停止について」を参照してください。
各Oracleホームにパッチを適用するには:
コマンド・ウィンドウを表示し、OPatch実行可能ファイルがある場所へ移動します。
OPatchユーティリティは、ORACLE_HOME/ORACLE_INSTANCE/OPatchディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\ORACLE_INSTANCE\OPatchディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にあります。
たとえば、Windowsの場合は次のようなディレクトリです。
D:\OBI11g\Oracle_BI1\OPatch
次のコマンド構文を使用してOPatchユーティリティを実行します。
opatch apply -id <patch_id> -oh <oracle_home>
たとえば、次のようなコマンドを使用します。
opatch apply -id 123456 -oh D:\OBI11g
OPatchコマンドのオプションの詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。
OPatchによって次のタスクが実行されます。
パッチ番号、作成日、修正された不具合、およびパッチ適用時の更新内容の詳細が表示されます。
置換されるバイナリ・ファイルのバックアップ・コピーが作成されます。
Oracleホームの適切な場所に新しいバイナリ・ファイルがコピーされます。
パッチがOracleホームに正しく適用されたことがレポートされます。
前述のステップを繰り返して、他のOracleホームに対してもOPatchユーティリティを実行します。
パッチの適用、OPatchの要件、前提条件チェック、およびユーティリティの実行オプションの詳細は、次を参照してください。
Oracle Fusion Middlewareパッチ・ガイド
パッチ・アップデートとともにダウンロードされたREADME.txtファイル
詳細は、第4.1項「Oracle Business Intelligenceの起動および停止について」を参照してください。
パッチにJ2EEアプリケーションが含まれている場合は、パッチの適用前にそのアプリケーションが実行されていたOracle WebLogic Serverインスタンスにそのアプリケーションを再デプロイする必要があります。
パッチを適用したJ2EEアプリケーションを再デプロイするには:
Oracle WebLogic Server管理コンソールを表示します。
詳細は、第2.3項「Oracle WebLogic Server管理コンソールによるOracle Business Intelligence Javaコンポーネントの集中管理」を参照してください。
管理コンソールのチェンジ・センターで、「ロックして編集」をクリックしてJ2EEアプリケーションの再デプロイを実行できるようにします。
管理コンソールの左ペインで、「デプロイメント」を選択します。
右ペインで、パッチを適用した、再デプロイ対象のJ2EEアプリケーションの横にあるボックスを選択します。
この情報はパッチ自体に付属して提供されます。OPatchでは、影響を受けたJARファイルのリストが表示されます。README.txtファイルでは、この手動による再デプロイ・ステップも含めて、パッチ適用後に実行する必要があるステップについて説明しています。
「更新」をクリックします。
「アプリケーション更新アシスタント」で、「終了」をクリックします。
これらの変更を有効にするために、管理コンソールの「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」をクリックします。
すべての変更がただちに有効になるわけではありません。一部の変更については、システムを再起動する必要があります。
詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソールのヘルプ・システムを参照してください。
パッチ適用タスク(および適用後の必要なタスク)の完了後は、次の条件が適用されます。
システム・コンポーネント・サーバーにパッチが適用され、サーバーが再起動され、すべての機能が運用可能になっていること。
変更された項目のバックアップ・バージョンがOracleホーム・ディレクトリに格納され、ロールバックが必要になったときに利用できる状態になっていること。
パッチの履歴、アーカイブおよびログが更新されていること。
パッチの競合が発生した場合は、プロセスを停止し、Oracleサポート・サービスまで連絡してください。
OPatchは、それぞれのOracleホームに適用された各パッチのメタデータを維持し、パッチ適用時の置換内容のコピーを保存しています。そのため、パッチ全体をロールバックできます。
注意: ロールバック後、Oracle BI EEのプラットフォーム・パッチがもう適用されていないことを確認するために、ロールバックの適用前に、パッチ・レベルを確定し、ロールバック後に再びパッチ・レベルの確定を行う必要があります。詳細は、第23.4項「現在のパッチ・レベルの判定」を参照してください。 |
パッチを適用するには、次の各項で説明するすべてのタスクを実行します。
詳細は、第4.1項「Oracle Business Intelligenceの起動および停止について」を参照してください。
Oracleホームごとに、元に戻すパッチのIDと-rollbackオプションを指定してOPatchを起動します。
-rollbackオプションを指定してOPatchを起動するには:
コマンド・ウィンドウを表示し、OPatch実行可能ファイルがある場所へ移動します。
OPatchユーティリティは、ORACLE_HOME/ORACLE_INSTANCE/OPatchディレクトリ(UNIXオペレーティング・システムの場合)またはORACLE_HOME\ORACLE_INSTANCE\OPatchディレクトリ(Windowsオペレーティング・システムの場合)にあります。
たとえば、Windowsの場合は次のようなディレクトリです。
D:\OBI11g\Oracle_BI1\OPatch
次のコマンド構文を使用して、-rollbackオプションを指定したOPatchユーティリティを実行します。
opatch rollback -id <patch_id> -oh <oracle_home>
たとえば、次のようなコマンドを使用します。
opatch rollback -id 123456 -oh D:\OBI11g\Oracle_BI1\OPatch
パッチのロールバック、OPatchの要件、およびユーティリティの実行オプションの詳細は、次を参照してください。
Oracle Fusion Middlewareパッチ・ガイド
パッチ・アップデートとともにダウンロードされたREADME.txtファイル
詳細は、第4.1項「Oracle Business Intelligenceの起動および停止について」を参照してください。
パッチにJ2EEアプリケーションが含まれていた場合は、パッチのロールバック前にそのアプリケーションが実行されていたOracle WebLogic Serverインスタンスにそのアプリケーションを再デプロイする必要があります。
パッチを適用したJ2EEアプリケーションを再デプロイするには:
Oracle WebLogic Server管理コンソールを表示します。
詳細は、第2.3項「Oracle WebLogic Server管理コンソールによるOracle Business Intelligence Javaコンポーネントの集中管理」を参照してください。
管理コンソールのチェンジ・センターで、「ロックして編集」をクリックしてJ2EEアプリケーションの再デプロイを実行できるようにします。
管理コンソールの左ペインで、「デプロイメント」を選択します。
右ペインで、再デプロイ対象のJ2EEアプリケーションの横にあるボックスを選択します。
「更新」をクリックします。
「アプリケーション更新アシスタント」で、「終了」をクリックします。
これらの変更を有効にするために、管理コンソールの「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」をクリックします。
すべての変更がただちに有効になるわけではありません。システムの再起動が必要なものもあります。
詳細は、Oracle WebLogic Server管理コンソールのヘルプ・システムを参照してください。
ロールバックが完了すると、直前のパッチの適用によって更新されたバイナリ・ファイルとJARファイルが元の状態に戻ります。
Oracle BI EEを正しく機能させるためには、OPatchと同じバージョンになるように各Oracleホームにパッチを適用する必要があります。システム内の任意のOracleホームの現在のパッチ・バージョンを調べるには、OPatchのlsinventoryユーティリティを使用します。またこのユーティリティでは、特定のOracleホームのすべてのパッチのリストを対応するIDとともに取得することもできます。
現在のパッチ・レベルを調べるには:
コマンド・ウィンドウを表示し、OPatch実行可能ファイルがある場所へ移動します。
ORACLE_HOME\ORACLE_INSTANCE\OPatch
例:
D:\OBI11g\Oracle_BI1\OPatch
次のコマンド構文を使用して、lsinventoryユーティリティを実行します。
<Path_to_OPatch>/opatch lsinventory [-all] [-detail] [-patch] [-oh (Oracleホームの場所)]
例:
opatch lsinventory -patch -detail
lsinventoryのオプションの詳細は、ORACLE_HOME\ORACLE_INSTANCE\OPatch\docsディレクトリにあるユーザー・ガイドを参照してください。
Oracleホームごとに前述のステップを繰り返して、他のOracleホームに対してもlsinventoryユーティリティを実行します。
詳細は、『Oracle Fusion Middlewareパッチ適用ガイド』を参照してください。