| Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisher管理者および開発者ガイド リリース11g(11.1.1) 部品番号: B63037-01 | 目次 | 前 | 次 |
この章では、次のトピックについて説明します。
BI Publisherカタログ・ユーティリティによって、管理者とレポート開発者は、すべてのBI Publisherレポートが格納されているカタログからレポート・オブジェクト関連のファイルをエクスポートしたり、それらを異なるカタログにインポートしたりできます。このツールを使用すると、サード・パーティのツールをソース制御として使用して、または特定のレポート・セットを開発環境から品質保証環境や本番環境へ移動する必要がある場合に、BI Publisherレポートを管理できます。カタログ・ユーティリティは、レポート・オブジェクトの翻訳を管理するために使用することもできます。
BI Publisherカタログ・ユーティリティを使用して、次のタスクを実行できます。
カタログからのBI Publisherレポートのエクスポート
カタログへのBI Publisherレポートのインポート
翻訳可能文字列の抽出と翻訳ファイル(XLIFF)の生成
レポート・オブジェクトレベル権限設定を含むsecurity.xmlファイルの生成
カタログ・ユーティリティは、BI Publisherレポート・アーティファクトをある環境から別の環境へ移動する際に使用します。たとえば、カタログ・ユーティリティを使用して、レポートを開発環境から品質保証環境へ移動できます。このプロセスが次の図に示されています。

少数のオブジェクトをダウンロードまたはアップロードする必要がある場合、BI Publisherカタログのダウンロード機能を使用して、アーカイブ・ファイルにマルチコンポーネント・オブジェクト(レポートなど)をバンドルしてダウンロードできます。その後、アップロード機能を使用して、カタログ内の別の場所へデータをアンアーカイブします。この機能の詳細は、Oracle Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Publisherユーザーズ・ガイドのカタログ・オブジェクトのダウンロードとアップロードに関する項を参照してください。
注意: ファイル・システム内のBI Publisherファイルは手動で編集しないでください。
BI Publisherは、メタデータ・ファイルを使用してカタログ・オブジェクトに関する情報を保持しています。ファイル・システム内のオブジェクトを手動で編集すると、メタデータ・ファイルが破損することがあります。メタデータ・ファイルが破損した場合は、破損したファイルを削除し、BI Publisherを再起動してそのファイルを復元します。
次に表に、オブジェクトをカタログからエクスポートしたときに含まれるファイルをリストします。
| オブジェクト | ファイル |
|---|---|
| レポート 例: Balance+Letter.xdo |
|
| データ・モデル 例: myDataModel.xdm |
|
| サブテンプレート 例: mysubtempate.xsb |
|
| スタイル・テンプレート 例: myStyleTemplate.xss |
|
BI Publisherカタログ・ユーティリティは次の場所にインストールされます。
ORACLE_HOME/clients/bipublisher
カタログ・ユーティリティを実行する環境で、次の手順を実行します。
次の環境変数を設定します。
| 変数 | 値 |
|---|---|
| path | ($HOME/BIPCatalogUtil/bin $path) |
| BIP_LIB_DIR | $HOME/BIPCatalogUtil/lib |
| BIP_CLIENT_CONFIG | $HOME/BIPCatalogUtil/config |
| JAVA_HOME | $HOME/java/jdk1.6.0_18 |
次の例は、Cシェルの環境変数の設定を示しています。
% set path = ($HOME/BIPCatalogUtil/bin $path)
% setenv BIP_LIB_DIR $HOME/BIPCatalogUtil/lib
% setenv BIP_CLIENT_CONFIG $HOME/BIPCatalogUtil/config
% setenv JAVA_HOME $HOME/java/jdk1.6.0_18
xmlp-client-config.xmlを編集します。この構成ファイルは、BIPCatalogUtil/configディレクトリの下にあります。
BI PublisherインスタンスのURL(bipurl)、およびエクスポート元またはインポート先のBI Publisherインスタンスのユーザー名とパスワードを指定します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE properties SYSTEM "http://java.sun.com/dtd/properties.dtd">
<properties>
<comment>BIP Server Information</comment>
<entry key="bipurl">http://sta00XXX.us.oracle.com:14001/xmlpserver/</entry>
<entry key="username">OPERATIONS</entry>
<entry key="password">welcome</entry>
</properties>
この情報を構成ファイルに格納しない場合は、インポート/エクスポート時に、コマンド・ラインでbipurl、ユーザー名およびパスワードをパラメータとして設定し、xmlp-client-config.xmlに定義された値を上書きすることもできます。
エクスポート・コマンドを使用して、単一のレポート・オブジェクト、または指定したフォルダ内の一連のBI Publisherレポート・オブジェクトをエクスポートできます。2つのエクスポート・コマンドがあります。
-export: このコマンドを使用して、単一のレポート・オブジェクトをエクスポートできます。
-exportfolder: このコマンドを使用して、フォルダとその内容をエクスポートできます。
次に、-exportコマンドと-exportfolderコマンドでサポートされるパラメータのリストを示します。
| パラメータ | 使用されるコマンド | サンプル | 説明 |
|---|---|---|---|
| catalogpath | -export -exportfolder | /Samples/Financials/Balance+Letter.xdo | カタログ内のオブジェクトへのパス。名前にスペースがある場合は、かわりに+記号を使用する。 |
| target | -export | /tmp/Financials/BalanceLetter | 抽出したレポート・オブジェクトを配置するエクスポート先ディレクトリ。 |
| basedir | -exportfolder | /home/bipub/samples | 抽出されたレポート・オブジェクトのサブフォルダを配置するベース・ディレクトリ。存在する場合は、データ・モデルは{basedir}/datamodelsに、レポートは{basedir}/reportsに、スタイルとサブテンプレートは{basedir}/templateに保存される。 |
| extract | -export -exportfolder | true/false | デフォルトはfalseで、ユーティリティは、.xdo、.rtf、.cfgなどの関連ファイルをすべて含むzip形式でサポート・オブジェクトをエクスポートする。 値がtrueに設定されると、ユーティリティはレポート・オブジェクト関連のファイルを指定されたターゲット・フォルダにエクスポートする。 |
| subfolders | -exportfolder | true/false | フォルダをcatalogpathパラメータとして指定した場合は、このsubfoldersパラメータを使用して、すべてのサブフォルダの内容をダウンロードするかどうかを制御できる。 trueに指定した場合は、すべてのサブフォルダ内のすべてのレポート・オブジェクトがダウンロードされる。 falseに指定した場合は、サブフォルダの内容はダウンロードされない。 |
| overwrite | -export -exportfolder | true/false | trueに指定すると、ターゲット・エリア内に既存のオブジェクトが上書きされる。 |
次の例は、ユーティリティを使用してレポート・オブジェクトをエクスポートする方法を示しています。
次の例では、レポート・オブジェクトをzip形式でエクスポートしています。zipファイルには、.xdo、.rtf、.cfgなどのすべてのレポート・オブジェクト関連のファイルが含まれます。レポートをアーカイブ形式で抽出するには、ターゲットに対して.xdoz拡張子を使用します。データ・モデルをエクスポートするには、.xdmz拡張子を使用します。
$ BIPCatalogUtil.sh -export catalogpath=/Samples/Financials/Balance+Letter.xdo target=/home/bipub/reports/BalanceLetter.xdoz extract=false
次の例では、レポート・オブジェクト関連のファイルを/home/bipub/reports/BalanceLetterディレクトリに抽出しています。既存のファイルは上書きされます。
$ BIPCatalogUtil.sh -export catalogpath=/Samples/Financials/Balance+Letter.xdo target=/home/bipub/reports/BalanceLetter extract=true overwrite=true
次の例では、カタログ内の/Samplesフォルダとそのサブフォルダの下のすべてのレポート・オブジェクトを抽出しています。データ・モデルは{basedir}/datamodelsに保存されます。レポートは{basedir}/reportsに保存されます。スタイルとサブテンプレートは{basedir}/templatesに保存されます。
$ BIPCatalogUtil.sh -exportfolder catalogpath=/Samples basedir=/home/bipub/samples subfolders=true extract=true overwrite=true
importコマンドを使用して、単一のBI Publisherレポート・オブジェクトまたは指定したフォルダの下の一連のパブリッシャ・レポート・オブジェクトをインポートできます。次に、importコマンドでサポートされるパラメータのリストを示します。
| パラメータ | サンプル | 説明 |
|---|---|---|
| catalogpath | /Samples/Financials/Balance+Letter.xdo | デフォルトの情報を上書きする場合のみ、レポート・オブジェクトのインポート先にするカタログ・パスを指定する。このパラメータを指定しない場合、レポート・オブジェクトは本来のエクスポート元と同じ場所にインポートされる。 |
| source | /tmp/Financials/BalanceLetter | レポート・オブジェクトが置かれているディレクトリ。このパラメータは、単一のレポートをインポートするときに使用する。 |
| basedir | /home/bipub/samples | インポートする複数のレポートまたはデータ・モデルを含むディレクトリ。このパラメータは、一連のレポートまたはデータ・モデルをインポートするときに指定する。 |
| overwrite | true/false | trueに指定すると、ターゲット・エリア内に既存のオブジェクトが上書きされる。 |
通常、レポート・オブジェクトは本来のエクスポート元にインポートされます。ユーティリティを使用してレポート・オブジェクトをエクスポートする場合は、カタログ・パス情報を含むメタファイル(.meta)が生成されます。ユーティリティは、この情報を使用して、元の場所にレポート・オブジェクトをインポートします。ただし、オブジェクトを異なる場所にインポートする場合は、catalogpathパラメータを指定することで、元のカタログ・パスの場所を上書きできます。
次の例は、ユーティリティを使用してレポート・オブジェクトをエクスポートする方法を示しています。
次の例では、レポートをメタファイル(.meta)に保存されたカタログ・パスにインポートしています。既存のレポートは上書きされます。
$ BIPCatalogUtil.sh -import source=/tmp/Financials/BalanceLetter overwrite=true
次の例では、レポートをカタログ内の新しい場所へインポートしています。
$ BIPCatalogUtil.sh -import source=/home/bipub/reports/BalanceLetter catalogpath=/Production/Financials/Balance+Letter+Report.xdo
次の例では、圧縮されたレポート・オブジェクトをカタログ内の元の場所へインポートしています。
$ BIPCatalogUtil.sh -import source=/home/bipub/reports/BalanceLetter.xdoz overwrite=true
次の例では、ベース・ディレクトリ(basedir)の下のすべてのレポートをカタログ内の元の場所へインポートします。
$ BIPCatalogUtil.sh -import basedir=/Users/bipub subfolders=true overwrite=true
カタログ・ユーティリティは、特定のファイルの翻訳可能なXLIFFファイルを生成するための-xliffコマンドをサポートしています。
ソース・ファイルは、レポート定義ファイル(.xdo)、RTFテンプレート・ファイル(.rtf)またはBI Publisherレイアウト・テンプレート・ファイル(.xpt)のいずれかになります。ソースが.xdoファイルの場合は、生成されたXLIFFファイルに、レポート定義インタフェースからユーザーが入力したすべての文字列が含まれます。例: 説明、レイアウト名、パラメータ名。
| パラメータ | サンプル | 説明 |
|---|---|---|
| source | /Samples/Financials/Balance+Letter.xdo | XLIFFファイルを生成するレポートまたはテンプレート・ファイル(RTFまたはXPT)へのパス |
| target | /home/bipub/reports/Balance+Letter/Balance+Letter.xlf | 生成された.xlfドキュメントの保存場所 |
| basedir | /home/bipub/reports/Balance+Letter/ | 生成された.xlfファイルを配置するディレクトリ |
次の例では、単一のレポート定義ファイルのXLIFFファイルを生成しています。
$ BIPCatalogUtil.sh -xliff source=/home/bipub/reports/Balance+Letter/Balance+Letter.xdo target=/home/bipub/reports/Balance+Letter/Balance+Letter.xlf
XLIFFをベース・ディレクトリに保存するには:
$ BIPCatalogUtil.sh -xliff source=/home/bipub/reports/Balance/Balance+Letter.xdo basedir=/home/bipub/reports/Balance+Letter/
次の例では、単一のRTFテンプレート・ファイルのXLIFFファイルを生成しています。
$ BIPCatalogUtil.sh -xliff source=/home/bipub/reports/Balance+Letter/Balance+Letter+Template.rtf target=/home/bipub/reports/Balance+Letter/Balance+Letter+Template.xlf
XLIFFをベース・ディレクトリに保存するには:
$ BIPCatalogUtil.sh -xliff source=/home/bipub/reports/Balance/Balance+Letter+Template.rtf basedir=/home/bipub/reports/Balance+Letter/
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