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Oracle® Fusion Middleware Oracle Identity Managementエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
11gリリース1(11.1.1.5)
B61378-02
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8 Oracle Directory Integration PlatformとODSMでのドメインの拡張

Oracle Directory Integration Platformは、ご使用のアプリケーションやディレクトリ(サード・パーティのLDAPディレクトリなど)とOracle Internet Directoryとの統合を可能にするするJava EEアプリケーションです。

Oracle Directory Integration Platformには、他のエンタープライズ・リポジトリとの同期ソリューションのデプロイを可能とするサービスとインタフェースが含まれています。Oracle Internet Directoryとサード・パーティのメタディレクトリ・ソリューションとの相互運用性を実現するためにも使用できます。

Oracle Directory Services Managerは、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Virtual Directoryのインスタンスの管理用に統一されたグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)です。Oracle Directory Services Managerでは、ディレクトリ構造の構成、ディレクトリ内のオブジェクトの定義、ユーザー、グループおよびその他のエントリの追加と構成ができます。

この章では、Oracle Directory Integration Platform(DIP)とOracle Directory Services Manager(ODSM)をインストールして構成する方法について説明します。

Oracle Directory Integration Platformはオプションの製品です。この製品が環境に必要でない場合は、構成しないでください。

この章の内容は次のとおりです。

8.1 Oracle Directory Integration PlatformとODSMでのOracle WebLogicドメインの拡張

アプリケーション層は、Oracle Directory Integration Platform、Oracle Directory Services ManagerおよびOracle Access Managerの各インスタンスをホストする複数のコンピュータで構成されます。完全な構成では、アプリケーション層コンピュータのインスタンス間でリクエストがバランスされ、パフォーマンスに優れたフォルト・トレラントなアプリケーション環境が構築されます。


注意:

Oracle Directory Integration Platformは、クォーツを使用してデータベースのジョブとスケジュールを管理します。クラスタの様々なOracle Directory Integration Platformノードでクォーツ・ジョブを実行するためには、クラスタ・ノード上のシステム・クロックを同期化することをお薦めします。


次の手順に従って、IDMHOST1にOracle Directory Integration PlatformとOracle Directory Services Managerをインストールし、これらを構成します。

  1. システム、パッチ、カーネルなどの要件が満たされていることを確認します。それらの一覧は、使用しているプラットフォームおよびバージョンに対応するOracle Fusion Middlewareのドキュメント・ライブラリの『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』に記載されています。

  2. インスタンス・ホームや管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを共有記憶域にプロビジョニングする場合、第2.4項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」の説明に従って、適切な共有記憶域ボリュームがIDMHOST1にマウントされていることを確認します。

  3. 使用しているオペレーティング・システムに対して次のコマンドを発行して、ポート7006がコンピュータ上の他のサービスに使用されていないことを確認します。ポートが使用されていない場合は、コマンドから出力は返されません。

    UNIX:

    netstat -an | grep "7006"
    

    ポートが使用されている(コマンドからポートを識別する出力が返された)場合は、ポートを解放する必要があります。

    UNIX:

    /etc/servicesファイル内の7006ポートのエントリを削除し、第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従ってサービスを再起動するか、コンピュータを再起動します。

  4. インスタンス・ホームや管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを共有記憶域にプロビジョニングする場合、第2.4項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」の説明に従って、適切な共有記憶域ボリュームがIDMHOST1にマウントされていることを確認します。

  5. Disk1/stage/Responseディレクトリから一時ディレクトリにstaticports.iniファイルをコピーします。

  6. 一時ディレクトリにコピーしたstaticports.iniファイルを編集し、次のカスタム・ポートを割り当てます。

    ポート

    ODSMサーバーのポート番号

    7006


  7. IDMHOST1のIDM_ORACLE_HOME/binディレクトリの下にあるconfig.shスクリプトを実行して、Oracle Identity Management 11gコンフィギュレーション・アシスタントを起動します。次に例を示します。

    /u01/app/oracle/product/fmw/idm/bin/config.sh
    
  8. 「ようこそ」画面で、「次へ」をクリックします。

  9. 「ドメインの選択」画面で既存ドメインの拡張を選択し、ドメインの詳細を入力します。

    • ホスト名: ADMINVHN.mycompany.com

    • ポート: 7001

    • ユーザー名: weblogic

    • ユーザー・パスワード: user password

    次へ」をクリックします。

  10. ダイアログ・ボックスに次のメッセージが表示されます。

    The selected domain is not a valid Identity Management domain or the installer
    cannot determine if it is a valid domain. If you created the domain using the
    Identity Management installer, you can ignore this message and continue. If
    you did not create the domain using the Identity Management installer, refer
    to the Identity Management documentation for information on how to verify the
    domain is valid.
    

    はい」をクリックして、続行します。

    この警告は無視してかまいません。

  11. 「インストール場所の指定」画面で、次の各値を指定します(「Oracle Middlewareホームの場所」フィールドおよび「Oracleホーム・ディレクトリ」フィールドは事前に入力されています)。第6.1項「IDMHOST1でのADMINVHNの有効化」でIDMHOST1に以前インストールしたミドルウェア・ホームとOracleホームのデフォルト値は次のとおりです。

    • Oracle Middlewareホームの場所: /u01/app/oracle/product/fmw

    • Oracleホーム・ディレクトリ: idm

    • Weblogicサーバー・ディレクトリ: /u01/app/oracle/product/fmw/wlserver_10.3

    • Oracleインスタンスの場所: /u01/app/oracle/admin/ods_inst1

    • Oracleインスタンス名: ods_inst1

    次へ」をクリックします。

  12. 「セキュリティ更新用の電子メールの指定」画面で、次の値を指定します。

    • 電子メール・アドレス: My Oracle Supportアカウント用の電子メール・アドレスを指定します。

    • My Oracle Supportパスワード: My Oracle Supportアカウント用のパスワードを指定します。

    • セキュリティ・アップデートをMy Oracle Support経由で受け取ります。」フィールドの隣にあるチェック・ボックスを選択します。

    次へ」をクリックします。

  13. 「コンポーネントの構成」画面で、次のコンポーネントを選択します。

    • Oracle Directory Integration Platform

    • 管理コンポーネント - Oracle Directory Services Manager

    その他のコンポーネントをすべて選択解除します。

    クラスタ」チェック・ボックスを選択します。

    次へ」をクリックします。

  14. 「ポートの構成」画面で、構成ファイルを使用してポートを指定を選択して、一時ディレクトリで編集したstaticports.iniファイルのフルパス名を入力します。

    次へ」をクリックします。

  15. OIDの詳細の指定画面で、次の値を指定します。

    • ホスト名: oididstore.mycompany.com

    • SSL_Port: 636

    • ユーザー名: cn=orcladmin

    • パスワード: ******

    次へ」をクリックします。

  16. 「スキーマ・データベースの指定」画面で、次の値を指定します。

    • 接続文字列:

      oiddbhost1-vip.mycompany.com:1521:idmdb1^oiddbhost2-vip.mycompany.com:1521:idmdb2@oidedg.mycompany.com
      

      注意:

      • Oracle RACデータベースの接続文字列の情報は、次の形式で指定する必要があります。

        host1:port1:instance1^host2:port2:instance2@servicename

      • インストール中にすべてのOracle RACインスタンスを起動する必要はありません。Oracle RACインスタンスが1つ起動されている場合、インストールを続行できます。

      • 指定した情報は、完全で正確である必要があります。具体的には、ホスト、ポート、およびインスタンス名が各Oracle RACインスタンスに正しく指定されている必要があります。また、指定したOracle RACインスタンスのすべてにサービス名が構成されている必要があります。

        Oracle RACデータベース接続文字列で入力した情報が適切でないと、インストール後に手動で修正する必要があります。

      • Oracle Database 11.2を使用している場合は、vipのアドレスとポートを11.2 SCANのアドレスとポートに置き換えてください。


    • ユーザー名: ODSSM

    • パスワード: ******

    次へ」をクリックします。

  17. 「インストール・サマリー」画面で選択内容が正しいことを確認し(そうでない場合は、「戻る」をクリックしてそれまでの画面で選択内容を変更する)、「構成」をクリックします。

  18. 「構成の進行状況」画面で、複数のConfiguration Assistantが連続して起動されるため、時間がかかることがあります。完了するまで待機します。

  19. 「インストール 完了」画面で「終了」をクリックして、終了を選択したことを確認します。

8.2 Oracle Directory Integration PlatformとODSMクラスタの拡張

この項では、IDMHOST2でWebLogicサーバー・ドメインを拡張する手順について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

8.2.1 IDMHOST2でのOracle Directory Integration PlatformおよびODSMのインストールと構成

次の手順に従って、IDMHOST2にOracle Directory Integration PlatformとOracle Directory Service Managerをインストールし、これらを構成します。

  1. システム、パッチ、カーネルなどの要件が満たされていることを確認します。それらの一覧は、使用しているプラットフォームおよびバージョンに対応するOracle Fusion Middlewareのドキュメント・ライブラリの『Oracle Fusion Middleware Oracle Identity Managementインストレーション・ガイド』に記載されています。

  2. インスタンス・ホームや管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを共有記憶域にプロビジョニングする場合、第2.4項「共有記憶域と推奨ディレクトリ構造」の説明に従って、適切な共有記憶域ボリュームがIDMHOST2にマウントされていることを確認します。

  3. 使用しているオペレーティング・システムに対して次のコマンドを発行して、ポート番号7006がコンピュータ上の他のサービスに使用されていないことを確認します。ポートが使用されていない場合は、コマンドから出力は返されません。

    UNIX:

    netstat -an | grep "7006"
    

    ポートが使用されている(コマンドからポートを識別する出力が返された)場合は、ポートを解放する必要があります。

    UNIX:

    このポートがサービスに使用されている場合、/etc/servicesファイル内のポート7006のエントリを削除し、第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従ってサービスを再起動するか、コンピュータを再起動します。

  4. Disk1/stage/Responseディレクトリから一時ディレクトリにstaticports.iniファイルをコピーします。

  5. 一時ディレクトリにコピーしたstaticports.iniファイルを編集し、次のカスタム・ポートを割り当てます。

    ポート

    ODSMサーバーのポート番号

    7006


  6. IDMHOST2IDM_ORACLE_HOME/binディレクトリの下にあるconfig.shスクリプトを実行して、Oracle Identity Management 11gコンフィギュレーション・アシスタントを起動します。次に例を示します。

    /u01/app/oracle/product/fmw/idm/bin/config.sh
    
  7. 「ようこそ」画面で、「次へ」をクリックします。

  8. 「ドメインの選択」画面で「クラスタを開く」オプションを選択し、これらの値を指定します。

    • ホスト名: ADMINVHN.mycompany.com

    • ポート: 7001

    • ユーザー名: weblogic

    • ユーザー・パスワード: webLogicユーザーのパスワード

    次へ」をクリックします。

  9. ダイアログ・ボックスに次のメッセージが表示されます。

    The selected domain is not a valid Identity Management domain or the installer
    cannot determine if it is a valid domain. If you created the domain using the
    Identity Management installer, you can ignore this message and continue. If you
    did not create the domain using the Identity Management installer, refer to the
    Identity Management documentation for information on how to verify the domain
    is valid.
    

    「はい」をクリックして先に進みます。

    この警告は無視してかまいません。

  10. 「インストール場所の指定」画面で、次の値を指定します。「Oracle Middlewareホームの場所」フィールドおよび「Oracleホーム・ディレクトリ」フィールドは事前に入力されています。第6.1項「IDMHOST1でのADMINVHNの有効化」IDMHOST1に以前インストールしたミドルウェア・ホームとOracleホームのデフォルト値は次のとおりです。

    • Oracle Middlewareホームの場所: /u01/app/oracle/product/fmw

    • Oracleホーム・ディレクトリ: idm

    • Weblogicサーバー・ディレクトリ: /u01/app/oracle/product/fmw/wlserver_10.3

    • Oracleインスタンスの場所: /u01/app/oracle/admin/ods_inst2

    • Oracleインスタンス名: ods_inst2

    次へ」をクリックします。

  11. 「セキュリティ更新用の電子メールの指定」画面で、次の値を指定します。

    • 電子メール・アドレス: My Oracle Supportアカウント用の電子メール・アドレスを指定します。

    • My Oracle Supportパスワード: My Oracle Supportアカウント用のパスワードを指定します。

    • セキュリティ・アップデートをMy Oracle Support経由で受け取ります。」フィールドの隣にあるチェック・ボックスを選択します。

    次へ」をクリックします。

  12. 「コンポーネントの構成」画面で、Oracle DIPおよび管理コンポーネント以外の製品をすべて選択解除し、「次へ」をクリックします。

  13. 「ポートの構成」画面で、構成ファイルを使用してポートを指定を選択して、一時ディレクトリで編集したstaticports.iniファイルのフルパス名を入力します。

    次へ」をクリックします。

  14. 「インストール・サマリー」画面で選択内容が正しいことを確認し(そうでない場合は、「戻る」をクリックしてそれまでの画面で選択内容を変更する)、「構成」をクリックします。

  15. 「構成の進行状況」画面で、複数のConfiguration Assistantが連続して起動されるため、時間がかかることがあります。完了するまで待機します。

  16. 「インストール 完了」画面で「終了」をクリックして、終了を選択したことを確認します。

8.2.2 インストール後の手順: Oracle Directory Integration Platformのwls_ods2へのコピー

Oracle Directory Integration Platformを使用していない場合は、この項は無視してください。

前の項で、インストーラが2番目の管理対象サーバー(WLS_ODS2)をIDMHOST2上に作成しました。ただし、Oracle Directory Integration PlatformアプリケーションはWLS_ODS2管理対象サーバーにデプロイされません。

次の手順に従って、IDMHOST2上でOracle Directory Integration PlatformアプリケーションおよびOracle Directory Services Managerアプリケーションのインストールと構成を完了します。

IDMHOST1上で、ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/config/fmwconfig/servers/wls_ods1/applicationsディレクトリを、ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/config/fmwconfig/servers/wls_ods2ディレクトリにコピーします。次に例を示します。

cp -rp ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/config/fmwconfig/servers/wls_ods1/applications  ORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/config/fmwconfig/servers/wls_ods2/ 

wls_ods2の起動時に、アプリケーションはIDMHOST2に自動的に伝播されます。

8.2.3 Enterprise Managerエージェントの構成

このエンタープライズにデプロイされたOracle Fusion Middlewareコンポーネントはすべて、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用して管理されます。このツールを使用してDIPおよびODSMを管理するには、正しい監視資格証明を使用してEMエージェントを構成する必要があります。次の手順に従って、このタスクを完了します。

  1. Webブラウザを使用して、http://ADMINVHN.mycompany.com:7001/emでOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにアクセスします。weblogicユーザーとしてログインします。

  2. 「ファーム」→「エージェントの監視中のターゲット」の下のメニューを使用して、「ドメイン・ホーム」ページから「エージェントの監視中のターゲット」ページに移動します。

    • 「構成」リンクをクリックして、「ターゲットの構成」ページに進みます。

    • 「ターゲットの構成」ページで、「エージェントの変更」をクリックして、ホストで適切なエージェントを選択します。

    • 「WebLogic監視ユーザー名」および「WebLogic監視パスワード」を更新します。「WebLogic監視パスワード」としてweblogicと入力し、「WebLogic監視パスワード」としてweblogicユーザーのパスワードを入力します。

    • 「OK」をクリックして変更内容を保存します。

8.3 管理対象サーバー・ディレクトリでの管理対象サーバーのプロビジョニング

この項では、管理対象サーバーをローカル・ディスクにプロビジョニングする手順について説明します。次のように実行します。

  1. IDMHOST1とIDMHOST2の両方でODSインスタンスを停止します。第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の手順に従います。

  2. IDMHOST1で、ORACLE_COMMON_HOME/common/binディレクトリにあるpackコマンドを使用して、管理対象サーバー・ドメインをパックします。必ず-managed=trueフラグを渡して管理対象サーバーをパックしてください。次を入力します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/pack.sh -managed=true \
       -domain=path_to_adminServer_domain -template=templateName.jar \
       -template_name=templateName
    

    次に例を示します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/pack.sh -managed=true \
      -domain=/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain \
      -template=/u01/app/oracle/product/fmw/templates/managedServer.jar \
      -template_name=ManagedServer_Template
    
  3. ORACLE_COMMON_HOME /common/binディレクトリにあるunpackコマンドを使用して、管理対象サーバーをIDMHOST1上の管理対象サーバー・ディレクトリに解凍します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/unpack.sh -domain=path_to_domain_on_localdisk \  
       -template=templateName.jar -app_dir=path_to_appdir_on_localdisk
    

    次に例を示します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/unpack.sh \
       -domain=/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/mserver/IDMDomain \
       -template=/u01/app/oracle/product/fmw/templates/managedServer.jar \
       -app_dir=/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/mserver/applications
    
  4. 管理対象サーバーのテンプレート・ディレクトリをIDMHOST1からIDMHOST2にコピーします。次に例を示します。

    scp -rp /u01/app/oracle/products/fmw/templates user@IDMHOST2:/u01/app/oracle/products/fmw/templates
    
  5. ORACLE_COMMON_HOME /common/binディレクトリにあるunpackコマンドを使用して、管理対象サーバーをIDMHOST2上の管理対象サーバー・ディレクトリに解凍します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/unpack.sh -domain=path_to_domain_on_localdisk \
       -template=templateName.jar -app_dir=path_to_appdir_on_localdisk
    

    次に例を示します。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/unpack.sh \
       -domain=/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/mserver/IDMDomain \
       -template=/u01/app/oracle/product/fmw/templates/managedServer.jar \
       -app_dir=/u01/app/oracle/admin/IDMDomain/mserver/applications  
    
  6. IDMHOST1IDMHOST2の両方でODSインスタンスを起動します。第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の手順に従います。

  7. IDMHOST1上のORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/servers/wls_ods1ディレクトリ、およびIDMHOST2上のORACLE_BASE/admin/IDMDomain/aserver/IDMDomain/servers/wls_ods2ディレクトリを削除します。

    これらのディレクトリは、ドメインが最初に構成されたときにOracle Universal Installerによって作成されたもので、管理対象サーバー・ディレクトリに対する管理対象サーバーのプロビジョニング後は不要になります。

8.4 Oracle Web Tierと連携するためのODSMの構成

この項では、Oracle Directory Services Managerを構成してOracle Web Tierと連携する方法について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

8.4.1 前提条件

続行する前に、次の作業が行われたことを確認してください。

  1. Oracle Web TierをWEBHOST1WEBHOST2にインストールします。

  2. IDMHOST1IDMHOST2にODSMおよびOracle Directory Integration Platformをインストールし、これらを構成します。

  3. WebサーバーWEBHOST1およびWEBHOST2を指す仮想ホスト名(admin.mycompany.com)を指定して、ロード・バランサを構成します。

8.4.2 ODSMコンソールにアクセスするためのOracle HTTP Serverの構成

WEBHOST1およびWEBHOST2上のそれぞれのWebサーバーで、admin.confという名前のファイルがディレクトリORACLE_INSTANCE/config/OHS/component/moduleconfに作成されています。第6.9項「WebLogic管理サーバー用Oracle HTTP Serverの構成」を参照してください。このファイルを編集して、次の行を仮想ホスト定義内に追加します。

<Location /odsm>
   SetHandler weblogic-handler
   WebLogicCluster idmhost1.mycompany.com:7005,idmhost2.mycompany.com:7006
 </Location> 

ファイルを編集すると、次のようになります。

NameVirtualHost *:80
 
<VirtualHost *:80>
 
   ServerName admin.mycompany.com:80
   ServerAdmin you@your.address
   RewriteEngine On
   RewriteOptions inherit
 
   # Admin Server and EM
   <Location /console>
      SetHandler weblogic-handler
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
   </Location>
 
   <Location /consolehelp>
      SetHandler weblogic-handler
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
   </Location>
 
   <Location /em>
      SetHandler weblogic-handler
      WebLogicHost ADMINVHN
      WeblogicPort 7001
   </Location>
 
   <Location /odsm>
      SetHandler weblogic-handler 
      WebLogicCluster idmhost1.mycompany.com:7005,idmhost2.mycompany.com:7006
   </Location>
 
</VirtualHost>

第21.1項「Oracle Identity Managementコンポーネントの起動と停止」の説明に従って、Oracle HTTP Serverを再起動します。

8.5 アプリケーション層の構成の検証

この項では、Oracle Directory Services ManagerとOracle Directory Integration Platformを検証する手順について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

8.5.1 Oracle Directory Services Managerの検証

次の手順に従って、Oracle Directory Services Managerのインストールを検証します。

  1. Webブラウザで、次のアドレスを指定してOracle Directory Services Manager(ODSM)にアクセスします。

    http://hostname.mycompany.com:port/odsm
    

    たとえば、IDMHOST1では次のURLを入力します。

    http://idmhost1.mycompany.com:7006/odsm
    

    また、IDMHOST2では次のURLを入力します。

    http://idmhost2.mycompany.com:7006/odsm
    
  2. ロード・バランサのアドレスhttp://admin.mycompany.com/odsmを使用してODSMにアクセスします。

  3. Oracle Directory Services ManagerがOracle Internet Directoryへの接続を作成できることを確認します。次の手順に従って、Oracle Internet Directoryへの接続を作成します。

    Oracle Internet Directoryへの接続を作成するには、それぞれのODSMインスタンス上でOracle Internet Directoryへの接続を別個に作成します。ODSMがクラスタ化されている場合でも、接続の詳細は各ノードに特有です。次のように実行します。

    1. IDMHOST1でOracle Directory Services Managerを起動します。

      http://idmhost2.mycompany.com:7006/odsm
      
    2. ODSMで次の情報を指定して、Oracle Internet Directory仮想ホストへの接続を作成します。

      サーバー: oid.mycompany.com

      ポート: 636

      「SSL」オプションを有効化

      ユーザー: cn=orcladmin

      パスワード: ldap-password

    3. IDMHOST2からOracle Directory Services Managerを起動します。手順bに従って、IDMHOST2からOracle Internet Directoryへの接続を作成します。


    注意:

    求められたら証明書を受け入れます。


8.5.2 Oracle Directory Integration Platformの検証

WLST dipStatusコマンドを使用して、Oracle Directory Integration Platformのインストールを検証します。このコマンドを実行する手順は次のとおりです。

  1. ORACLE_HOME環境変数を、Identity Managementのバイナリがインストールされているディレクトリに設定します。次に例を示します。

    export ORACLE_HOME=IDM_ORACLE_HOME
    
  2. WLS_HOME環境変数を、WebLogic Serverがインストールされているディレクトリに設定します。次に例を示します。

    export WLS_HOME=/u01/app/oracle/product/fmw/wlserver_10.3
    
  3. ORACLE_HOME/bin/dipStatus -h hostName -p port -D wlsuserコマンドを実行します。

    たとえば、IDMHOST1上で、このコマンドおよび出力は次のようになります。

    ORACLE_HOME/bin/dipStatus -h idmhost1.mycompany.com -p 7006 -D weblogic
    [Weblogic user password]
    Connection parameters initialized.
    Connecting at idmhost1.mycompany.com:7006, with userid "weblogic"..
    Connected successfully.
    
    ODIP Application is active at this host and port.
    

    たとえば、IDMHOST2上で、このコマンドおよび出力は次のようになります。

    ORACLE_HOME/bin/dipStatus -h idmhost2.mycompany.com -p 7006 -D weblogic
    [Weblogic user password]
    Connection parameters initialized.
    Connecting at idmhost2.mycompany.com:7006, with userid "weblogic"..
    Connected successfully.
    
    ODIP Application is active at this host and port.
    

8.6 アプリケーション層の構成のバックアップ

ベスト・プラクティスとしては、インストールと各層の構成が正常に完了した後や別の論理ポイントでバックアップを作成することをお薦めします。インストールが正常に行われたことを確認したら、バックアップを作成します。これは、後の手順で問題が発生した場合に即座にリストアするための迅速なバックアップになります。バックアップ先はローカル・ディスクです。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了すると、このバックアップは破棄できます。エンタープライズ・デプロイメント設定が完了したら、バックアップとリカバリの通常のデプロイメント固有プロセスを開始できます。詳細は、『Oracle Fusion Middleware管理者ガイド』を参照してください。

データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

インストールをこのポイントにバックアップする手順は次のとおりです。

  1. 第5.5項「Web層の構成のバックアップ」の説明に従って、Web層をバックアップします。

  2. データベースをバックアップします。これは全データベースのバックアップで、ホット・バックアップかコールド・バックアップになります。お薦めするツールはOracle Recovery Managerです。

  3. 次の手順に従って、アプリケーション層のインスタンスをバックアップします。

    1. ORACLE_INSTANCE/binディレクトリにあるopmnctlを使用してインスタンスを停止します。

      ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl stopall
      
    2. アプリケーション層でMiddlewareホームのバックアップを作成します。Linuxでは、rootユーザーとして次のように入力します。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/apptier.tar ORACLE_BASE 
      
    3. rootユーザーとしてアプリケーション層のインスタンス・ホームのバックアップを作成します。

      tar -cvpf BACKUP_LOCATION/instance_backup.tar ORACLE_INSTANCE 
      
    4. ORACLE_INSTANCE/binディレクトリにあるopmnctlを使用してインスタンスを起動します。

      ORACLE_INSTANCE/bin/opmnctl startall
      
  4. 第6.15項「WebLogicドメインのバックアップ」の説明に従って、管理サーバー・ドメイン・ディレクトリをバックアップします。

  5. 第7.7項「Oracle Internet Directory構成のバックアップ」の手順に従い、Oracle Internet Directoryをバックアップします。

アプリケーション層の構成をバックアップする方法の詳細は、第21.4項「バックアップとリカバリの実行」を参照してください。