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Oracle® Application Testing Suiteスタート・ガイド
バージョン9.20
B62629-01
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3 Oracle OpenScriptチュートリアル

このチュートリアルでは、Oracle OpenScriptの主な機能について順を追って説明しています。このチュートリアルは次の例から構成されています。

このチュートリアルは、始めから終わりまで続けて実行することを想定しています。例の多くは相互に関連しており、前の例の手順に基づいた内容になっています。

3.1 Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションの起動

このチュートリアルでは、Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを使用してOpenScriptスクリプトを記録および再生します。OpenScriptスクリプト・プロジェクトを作成し、スクリプトを記録する前にWebLogicサーバーおよびAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを起動しておく必要があります。

WebLogicサーバーおよびAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを起動するには、次のようにします。

  1. 「開始」メニューから「プログラム」を選択し、「Oracle Application Testing Suite」メニューから「サンプル」を選択します。

  2. MedRecアプリケーションの起動を選択します。

  3. WeblogicサーバーでAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションが起動するまで待ちます。

  4. サーバーおよびサンプル・アプリケーションが起動したらブラウザ・ウィンドウを閉じます。OpenScriptスクリプトを記録する場合は、記録するWebアドレスを指定できるようにブラウザ・ウィンドウが再び自動的に開きます。

3.2 Oracle OpenScriptの起動

OpenScriptを起動するには、次のようにします。

3.3 例1: Web機能テスト・スクリプトの作成

この例では、OpenScript Web機能テスト・スクリプト・プロジェクトを作成し、スクリプトを記録する方法を説明します。スクリプト・プロジェクトは、OpenScript scriptの基本的な構造を作成します。スクリプト・プロジェクトには最初に「Initialize」、「Run」および「Finish」スクリプト・ノードと、基礎となるJavaコードが含まれています。OpenScriptの記録機能を使用して、ページ・ナビゲーションを記録してスクリプトのJavaコードを生成できます。

3.3.1 Web機能テスト・スクリプト・プロジェクトの作成

Web機能テスト・スクリプト・プロジェクトを作成するには、次のようにします。

  1. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  2. 「機能テスト (ブラウザ/GUI 自動化)」フォルダの下の「Web」を選択します。

  3. 「次」をクリックします。

  4. リポジトリがデフォルトに設定されていることを確認します。

  5. スクリプト名にWebTutorと入力します。

  6. 「Finish」をクリックします。OpenScriptでスクリプト・プロジェクトが作成され、次のように「Initialize」、「Run」および「Finish」ノードがスクリプト・ビューに表示されます。

    図3-1 OpenScriptスクリプト・プロジェクト・ツリー

    図3-1の説明へ
    「図3-1 OpenScriptスクリプト・プロジェクト・ツリー」の説明

3.3.2 Web機能テスト・スクリプトの記録

スクリプトを記録することで、ページ・ナビゲーションが取得され、テスト用にスクリプト再生を実行するためのJavaコードが生成されます。Web機能テスト・スクリプトではブラウザ・オブジェクトで実行されるアクションを記録および再生します。

この例では、Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを開いて患者としてログインします。記録中に、テキスト・マッチング・テストを追加してログインが正常に行われたかどうかを確認します。

Web機能テスト・スクリプトを記録するには、次のようにします。

  1. 「スクリプト」メニューの「記録」を選択するか、「記録」ツールバー・ボタンをクリックします。OpenScriptでブラウザ・ウィンドウおよびOpenScriptツールバー・ウィンドウが開きます。

  2. ブラウザ・アドレス行にhttp://<machineName>:7011/medrec/と入力し、[Enter]を押します。

  3. アプリケーションがロードされたら、MedRecの使用開始をクリックします。Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを実行する2番目のブラウザ・ウィンドウが開きます。

  4. 患者セクションの下の「ログイン」をクリックします。

  5. 電子メール・アドレスにfred@golf.comと入力します。

  6. パスワードにweblogicと入力します。

  7. 「サブミット」をクリックします。

  8. OpenScriptフローティング・ツールバーの「テキスト マッチング テスト」ボタンをクリックします。

  9. テスト名にWebText1と入力します。

  10. テストする文字列にSuccessfully logged in! Click here to continueを入力します。

  11. 「ソース」「HTML 表示コンテンツ」に設定されていることを確認します。

  12. 「合格条件」「存在する場合は成功」に設定されていることを確認します。

  13. 「一致」「完全」に設定されていることを確認します。

  14. 「検証のみ (失敗なし)」が選択されていることを確認します。

  15. 「OK」をクリックします。

  16. Successfully logged in! Click here to continueをクリックします。

  17. Avitek Medical Recordsアプリケーションで「ログアウト」をクリックします。

  18. Avitek Medical Recordsアプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。

  19. WeblogicサーバーAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。

    2番目のブラウザ・ウィンドウを閉じると、記録は自動的に停止されます。スクリプト・ツリー・ビューには、追加ノードがスクリプトに追加されたことを示す正符号アイコンが次のように表示されています。

    図3-2 記録後のOpenScriptスクリプト・ツリー

    図3-2の説明へ
    「図3-2 記録後のOpenScriptスクリプト・ツリー」の説明

  20. スクリプトを保存します。

3.4 例2: スクリプトでの作業

この例では、OpenScriptスクリプト・ツリーの機能と、記録したスクリプトの構造および内容を調査する方法について説明します。

スクリプトの記録後、ツリー・ビューを開いてスクリプトに記録されたページ・ナビゲーション、アクションおよびパラメータを表示することができます。この例を始める前に、例1で記録したスクリプトがまだ表示されていることを確認します。

3.4.1 スクリプト・アイテムの情報の表示

スクリプト・アイテムの情報を表示するには、次のようにします。

  1. 「Initialize」セクションを開いて、次のようにツリーを展開します。

    図3-3 「Initialize」セクションが展開されたスクリプト・ツリー

    図3-3の説明へ
    「図3-3 「Initialize」セクションが展開されたスクリプト・ツリー」の説明

    「Initialize」セクションにはスクリプト再生時に1回のみ実行するコマンドが含まれます。この場合、「Initialize」セクションのアクションは「ブラウザ起動」だけです。

  2. 「Run」セクションを開いて、次のようにツリーを展開します。

    図3-4 「Run」セクションが展開されたスクリプト・ツリー

    図3-4の説明へ
    「図3-4 「Run」セクションが展開されたスクリプト・ツリー」の説明

    「Run」ノードには、記録されたナビゲーションがステップ・グループとして含まれます。デフォルトでは、OpenScript Web機能テスト・スクリプトはWebページ・ナビゲーションに基づいて、スクリプトに「ステップ グループ」ノードを生成します。ステップ・グループの詳細設定は、OpenScript詳細設定で変更できます。

  3. 次のようにステップ・グループ[5](/loginPatient.action)を開いて「WaitForPage」(http://systemName:7011/medrec/loginPatient.action)ノードを選択します。

    図3-5 ステップ・グループ・ノードが展開されたスクリプト・ツリー

    図3-5の説明へ
    「図3-5 ステップ・グループ・ノードが展開されたスクリプト・ツリー」の説明

    ステップ・グループ・ノードは、Webページに対する個々のナビゲーションおよびアクションとして記録された操作とパラメータを示します。

    詳細表示タブには、記録したページのスクリーン・ショット、HTMLソース、ブラウザによるページ・レンダリングなどの各ナビゲーションの詳細が表示されます。

  4. スクリプトの詳細を参照するには「スクリーン ショット」、「HTML」および「ブラウザ」タブをクリックします。

  5. 「WaitForPage」(http://systemName:7011/medrec/loginPatient.action)ノードを開きます。スクリプトは、記録中に発生するユーザー遅延時間を表示する「思考遅延時間」ノードを次のように記録します。

    図3-6 スクリプトの「遅延」ノード

    図3-6の説明へ
    「図3-6 スクリプトの「遅延」ノード」の説明

  6. 「遅延」ノードを選択してからマウスの右ボタンをクリックし、「プロパティ」を選択します。「思考遅延時間」プロパティでスクリプトに記録された遅延を次のように編集できます。

    図3-7 スクリプトの「遅延」ノード・プロパティ

    図3-7の説明へ
    「図3-7 スクリプトの「遅延」ノード・プロパティ」の説明

  7. 「思考遅延時間」の値を変更し、「OK」をクリックします。これは、スクリプト記録中に長くなる可能性がある遅延時間を短くするのに役立ちます。

  8. 「テキスト マッチング テスト: {Webテキスト}」ノードを右クリックし、「プロパティ」を選択します。「テキスト マッチング テスト」プロパティを次のように参照または変更できます。

    図3-8 「テキスト マッチング テスト」プロパティ

    図3-8の説明へ
    「図3-8 「テキスト マッチング テスト」プロパティ」の説明

  9. 「テキスト マッチング テスト」プロパティを変更しない場合は、「キャンセル」をクリックします。

  10. その他のスクリプト・ノードのプロパティを開いて参照します。

3.4.2 Javaコード・ビューの使用

スクリプト・プロジェクトを作成してスクリプトを記録すると、Javaコード・ビューが自動的に生成されます。Javaコード・ビューは、スクリプト・ナビゲーションとデータをJavaプログラミング・コードとして表示します。Javaコード・ビューはツリー ビューに対応します。コード・ビューを変更するとツリー ビューが自動的に更新されます。Javaコード・ビューには次の標準ノードがあります。

  • initialize(): 「ツリー ビュー」の「Initialize」ノードに対応し、スクリプトの再生開始時に1回追加されたカスタム・コードを実行します。

  • run(): 「ツリー ビュー」の「Run」ノードに対応し、スクリプトの再生中に、データバンクまたはその他のカスタム・プログラミングに応じて1回以上記録されたカスタム・コードを実行します。

  • finish(): 「ツリー ビュー」の「Finish」ノードに対応し、スクリプトの再生終了時に1回追加されたカスタム・コードを実行します。

使用できるプロシージャ一覧のインテリジェンス・ウィンドウを開くには、[Ctrl]キーを押しながら[Space]キーを押します。その他のプログラミング情報の詳細は、OpenScriptプラットフォーム・リファレンス・ヘルプのAPIリファレンスを参照してください。

3.5 例3: Web機能テスト・スクリプトの再生

この例では、記録したWeb機能テスト・スクリプトを再生する手順について説明します。また結果のログについても説明します。Web機能テスト・スクリプトはブラウザ・オブジェクトでアクションを実行します。再生中はブラウザが開いており、スクリプト・アクションが発生している様子を確認できます。

OpenScriptスクリプトを再生するには、次のようにします。

  1. 「スクリプト」メニューの「再生」を選択するか、「再生」ツールバー・ボタンをクリックして記録したスクリプトを再生します。スクリプトのステップ・グループのナビゲーションおよびアクションが記録した順に再生されます。ブラウザでは各ページに移動し、各ページのテストを実行して結果を「結果」ビューに表示します。

  2. 再生が終了したら、「結果」ツリーを開いて次のように各ステップ・グループの結果を参照します。

    図3-9 「結果」ビューのスクリプト再生結果

    図3-9の説明へ
    「図3-9 「結果」ビューのスクリプト再生結果」の説明

    成功と表示された結果は、参照されるすべてのリソースが使用可能であることを示します。Oracle OpenScriptによって結果レポートが自動的に生成され、生成されたレポートが「詳細」ビューで開きます。

  3. 「結果」ビューでトップ・レベルの「結果」ノードまたはスクリプト名を選択すると、次のように「詳細」ビューで結果レポートが表示されます。

    図3-10 「詳細」ビューの結果レポート

    図3-10の説明へ
    「図3-10 「詳細」ビューの結果レポート」の説明

    ここではすべてのテストが合格しています。これは、スクリプトを再生する際に、スクリプトを記録したときと同じWebページのバージョンを使用したからです。これでWebアプリケーションまたはWebサイトの内容と構造に対するテストのベースラインが確立されます。

  4. 「結果」ビューで「Run」ノードを開き、ステップ・グループ[5](/loginPatient.action)の結果を開きます。

  5. [5](/loginPatient.action)の下の「WaitForPage」ノードを選択します。「詳細」ビューに個々のステップ・グループの結果が表示されます。

  6. 「詳細」ビューで「比較」タブをクリックします。「比較」タブでは、次のように記録したHTMLコンテンツ、スクリーンショット、ブラウザによるページ・ナビゲーションのレンダリングを再生値と比較できます。

    図3-11 Web機能テストの「比較」タブを表示する「詳細」ビュー

    図3-11の説明へ
    「図3-11 Web機能テストの「比較」タブを表示する「詳細」ビュー」の説明

  7. 「比較」リストで「コンテンツ」および「ブラウザ」を選択して、HTMLソースとブラウザによるページ・レンダリングの記録結果と再生結果を比較します。

3.6 例4: スクリプトへのテストの追加

この例では、OpenScriptスクリプトにテストを追加する方法を説明します。前の例で記録したスクリプトがOpenScriptで開いていることを確認します。

OpenScriptには、次の種類のテストをWeb機能テスト・スクリプト内のページに追加する機能があります。

その他のOpenScriptテスト・モジュールは、各モジュール・タイプ固有のテストを提供します。

3.6.1 サーバー・レスポンス・テスト・ケースの挿入

サーバー・レスポンス・テスト・ケースでは、スクリプト内のページに対するサーバー・アクセスの応答時間を測定します。

サーバー・レスポンス・テストを追加するには、次のようにします。

  1. スクリプト・ツリーで、[2](/medrec/)ステップ・グループを開きます。

  2. 「WaitForPage」(http://systemName:7011/medrec/index.action)ノードを選択します。

  3. 「スクリプト」メニューから「追加」を選択してから、「その他」を選択します。

  4. 「Web テスト」フォルダを開き、「サーバー レスポンス テスト」を選択して「OK」をクリックします。OpenScriptで、次のように「サーバー レスポンス テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックスが開きます。

    図3-12 「サーバー レスポンス テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス

    図3-12の説明へ
    「図3-12 「サーバー レスポンス テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス」の説明

  5. テスト・ケース名にWebTimer1と入力します。

  6. 「下限」値を0秒に設定します。

  7. 「上限」値を5秒に設定します。

  8. 「OK」をクリックしてスクリプトでテストを表示します。OpenScriptにより、次のようにステップ・グループにテストが追加されます。

    図3-13 スクリプト・ツリーに追加されたサーバー・レスポンス・テスト

    図3-13の説明へ
    「図3-13 スクリプト・ツリーに追加されたサーバー・レスポンス・テスト」の説明

3.6.2 テーブル・テストの挿入

テーブル・テスト・テスト・ケースを使用して、Webページのテーブル・オブジェクトに対してカスタム・テストを定義できます。「テーブル テスト」プロパティでは、Webページでハイライト表示することにより直接テーブル・オブジェクトを選択できます。また、プロパティではテストするテーブル・オブジェクトのプロパティ、および実行するテストのタイプを指定できます。

テーブル・テストを追加するには、次のようにします。

  1. スクリプト・ツリーで、[5](/viewLoginResult.action)ステップ・グループを開きます。

  2. 「WaitForPage」(http://systemName:7011/medrec/patient/viewLoginResult.action)ノードを選択します。

  3. 「スクリプト」メニューから「追加」を選択してから、「その他」を選択します。

  4. 「Web テスト」フォルダを開き、「テーブル テスト」を選択して「OK」をクリックします。OpenScriptで、次のように「テーブル テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックスが開きます。

    図3-14 「テーブル テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス

    図3-14の説明へ
    「図3-14 「テーブル テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス」の説明

  5. 「パス」フィールドの隣にある「ブラウザ中のオブジェクトをキャプチャ」ボタンをクリックし、メニューから「オブジェクトをキャプチャ」を選択します。キャプチャ・モードが開始されます。

  6. ブラウザ・ウィンドウ内のMedical Recordsサンプル・アプリケーション(http://systemName:7011/medrec/)を開きます(前の例から開いた状態のままになっています)。

  7. MedRecの使用開始をクリックして、テーブル・データが含まれるページに移動します。

  8. 患者セクションの下の「ログイン」をクリックします。

  9. 電子メール・アドレスにfred@golf.comと入力します。

  10. パスワードにweblogicと入力します。

  11. 「サブミット」をクリックします。

  12. Successfully logged in! Click here to continueをクリックします。

  13. 処方箋表にカーソルを移動して、表がハイライト表示されるようにします。

  14. [F10]を押して「オブジェクトを選択」ダイアログ・ボックスにオブジェクト・パスを取得します。

  15. 「OK」をクリックします。Medical Recordsサンプル・アプリケーションWebページの表のオブジェクト・パスが次のように「テーブル テスト」プロパティに追加されます。

    図3-15 データを取得した「テーブル テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス

    図3-15の説明へ
    「図3-15 データを取得した「テーブル テスト」プロパティ・ダイアログ・ボックス」の説明

    「テーブル テスト」プロパティでは、表の各セルに対してを個々にテストを有効または無効にできます。「テスト詳細」セクションには現在選択している表のセルの詳細が表示されます。

  16. 2行目、3行目および4行目のすべてのデータ・アイテムのチェックボックスを選択解除します(必要に応じて表をスクロール)。これにより、テストは最初の行で実行され、データ行では実行されません。

  17. テスト名にWebTableと入力します。

  18. 「OK」をクリックしてスクリプトでテストを表示します。OpenScriptにより、次のように[6](/viewLoginResult.action)ステップ・グループにテストが追加されます。

    図3-16 スクリプト・ツリーに追加されたテーブル・テスト

    図3-16の説明へ
    「図3-16 スクリプト・ツリーに追加されたテーブル・テスト」の説明

  19. スクリプトを保存します。

  20. Medical Recordsサンプル・アプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。

  21. スクリプトを再生してすべてのテストが合格していることを確認します。

  22. 完了したらWebTutorスクリプトを閉じます。

3.7 例5: HTTPテスト・スクリプトの作成

この例では、HTTPテスト・スクリプト・プロジェクトを作成してアプリケーションの負荷テストに使用する方法を説明します。HTTPテスト・スクリプトでは、HTTPプロトコルを使用して実行されたナビゲーションを記録および再生します。HTTPテスト・スクリプトは通常、Oracle Load Testingアプリケーションでアプリケーションの負荷テストを実行するために使用します。

3.7.1 HTTPスクリプト・プロジェクトの作成

HTTPスクリプト・プロジェクトを作成するには、次のようにします。

  1. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  2. 「負荷テスト (プロトコル自動化)」フォルダの下の「Web/HTTP」を選択します。

  3. 「次」をクリックします。

  4. リポジトリがデフォルトに設定されていることを確認します。

  5. スクリプト名にHTTPTutor1と入力します。

  6. 「Finish」をクリックします。OpenScriptでスクリプト・プロジェクトが作成され、「Initialize」、「Run」および「Finish」ノードがスクリプト・ビューに表示されます。

3.7.2 HTTPスクリプトの記録

HTTPスクリプトを記録するには、次のステップを実行します。

  1. 「スクリプト」メニューの「記録」を選択するか、「記録」ツールバー・ボタンをクリックします。OpenScriptでブラウザ・ウィンドウおよびOpenScriptツールバー・ウィンドウが開きます。

  2. キャッシュを消去するかどうかを尋ねられたら、「はい」をクリックします。

  3. ブラウザ・アドレス行にhttp://<machineName>:7011/medrec/と入力し、[Enter]を押します。

  4. アプリケーションがロードされたら、MedRecの使用開始をクリックします。Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを実行する2番目のブラウザ・ウィンドウが開きます。

  5. 管理者セクションの下の「ログイン」をクリックします。

  6. 電子メール・アドレスにadmin@avitek.comと入力します。

  7. パスワードにweblogicと入力します。

  8. 「サブミット」をクリックします。

  9. 未処理のリクエストの参照をクリックします。

  10. Avitek Medical Recordsアプリケーションで「ログアウト」をクリックします。

  11. Avitek Medical Recordsアプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。

  12. WeblogicサーバーAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。記録は自動的に停止します。

  13. スクリプトを再生してエラーがないことを確認します。

3.8 例6: データバンクを使用したHTTPテスト・スクリプトの作成

この例ではHTTPテスト・スクリプトを作成し、データバンクを使用してテストを操作する方法を説明します。また、データバンクとテキスト・マッチング・テスト・ケースを使用してログイン結果ページを検証する方法についても説明します。データバンクには、データバンク・ファイルからデータを使用して反復テストを実行する機能があります。

3.8.1 HTTPスクリプト・プロジェクトの作成

HTTPスクリプト・プロジェクトを作成するには、次のようにします。

  1. 「ファイル」メニューから「新規」を選択します。

  2. 「負荷テスト (プロトコル自動化)」フォルダの下の「Web/HTTP」を選択します。

  3. 「次」をクリックします。

  4. リポジトリがデフォルトに設定されていることを確認します。

  5. スクリプト名にHTTPTutor2と入力します。

  6. 「Finish」をクリックします。OpenScriptでスクリプト・プロジェクトが作成され、「Initialize」、「Run」および「Finish」ノードがスクリプト・ビューに表示されます。

3.8.2 HTTPスクリプトの記録

HTTPスクリプトを記録するには、次のステップを実行します。

  1. 「スクリプト」メニューの「記録」を選択するか、「記録」ツールバー・ボタンをクリックします。OpenScriptでブラウザ・ウィンドウおよびOpenScriptツールバー・ウィンドウが開きます。

  2. Medical Recordsサンプル・アプリケーション(http://systemName:7011/medrec/)をブラウザ・ウィンドウに再ロードします。

  3. アプリケーションがロードされたら、MedRecの使用開始をクリックします。Avitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションを実行する2番目のブラウザ・ウィンドウが開きます。

  4. 患者セクションの下の「ログイン」をクリックします。

  5. 電子メール・アドレスにfred@golf.comと入力します。

  6. パスワードにweblogicと入力します。

  7. 「サブミット」をクリックします。

  8. Successfully logged in! Click here to continueをクリックします。

  9. Avitek Medical Recordsアプリケーションで「ログアウト」をクリックします。

  10. Avitek Medical Recordsアプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。

  11. WeblogicサーバーAvitek Medical Recordsサンプル・アプリケーションのブラウザ・ウィンドウを閉じます。記録は自動的に停止します。

3.8.3 スクリプトでのパラメータの参照

スクリプト・パラメータを参照するには、次のようにします。

  1. スクリプト・ツリーで、[4] Oracle WebLogic Server - Medical Recordサンプル・アプリケーションステップ・グループを開きます。ツリーの「POST データ」ノードの下で次のようにパラメータが表示されます。

    図3-17 HTTPポスト・データのスクリプト・パラメータ値

    図3-17の説明へ
    「図3-17 HTTPポスト・データのスクリプト・パラメータ値」の説明

パラメータusernameInputおよびpasswordInputは、外部ファイルからデータを渡すようにするためデータバンク・ファイルにマップできます。

3.8.4 OpenScriptスクリプトでのデータバンクの設定

データバンクにパラメータをマップできるようにするには、データバンク・ファイルとともにスクリプトを設定しておく必要があります。

OpenScriptスクリプトでデータバンクを設定するには、次のようにします。

  1. スクリプト・プロジェクトを開くか、作成します。

  2. 「スクリプト」メニューから「スクリプト プロパティ」を選択します。

  3. 「スクリプト アセット」タイプを選択します。

  4. 「データバンク」を選択します。

  5. 「追加」をクリックします。

  6. 「データバンク」を選択し「CSV ファイル」を選択します。

  7. 「マイ リポジトリ」ツリーからデフォルト・リポジトリを選択します。

  8. データバンク・リポジトリ・フォルダからavitek.csvデータバンク・ファイルを選択します。

  9. データバンクに使用する別名を入力するか、デフォルトの別名のままにします。デフォルトの別名は、.CSVデータバンク・ファイルの名前です。

  10. 「OK」をクリックします。

  11. 「OK」をクリックして、データバンク・ファイルを追加します。

データバンク・ファイルはカンマ区切り値ファイルです。フィールド名は、ファイルの先頭行にカンマ区切り(スペースなし)で指定します。フィールド・データは、2行目以降にカンマ区切り(1行に1レコード、カンマ前後のスペースはなし)で指定します。次に例を示します。

FirstName,LastName,Mail,Phone

John,Smith,JohnS@company.com,x993

Mary,Ellen,MaryE@company.com,x742

データ値にカンマが含まれている場合は、次のように値を引用符で囲みます。

John,Smith,"Anytown, MA","(603) 993-0000"

3.8.5 データバンク・レコードの取得

スクリプトで使用するデータバンク・レコードを取得するには、次のようにします。

  1. スクリプト・プロジェクトを開くか、作成します。

  2. アセット・スクリプト・プロパティのスクリプトで使用するデータバンクを設定します。

  3. データバンク・レコードを使用するスクリプト・ノードを選択します。

  4. 「スクリプト」メニューを選択した後、「追加」サブメニューから「その他」を選択します。

  5. 「一般」ノードを開いて、「データバンク 次レコード取得」を選択します。

  6. 「OK」をクリックします。

  7. データバンクavitekの別名を選択して、レコードの取得元となるデータバンク・ファイルを指定します。

  8. 「OK」をクリックします。GetNextDatabankRecord: databank aliasノードがスクリプトに追加されます。

    「Java コード」ビューで、getDatabank("databank alias").getNextDataBankRecord()メソッドがスクリプト・コードに追加されます。

    getDatabank("avitek").getNextDatabankRecord();
    
    

3.8.6 「データバンク」フィールドへのスクリプト・パラメータのマッピング

スクリプトでデータバンクを設定したら、データバンク・フィールドを特定のスクリプト・パラメータにマップできます。

データバンク・フィールドをスクリプト・パラメータにマップするには、次のようにします。

  1. [4] Oracle WebLogic Server - Medical Recordサンプル・アプリケーションスクリプト・ツリー・ノードを開きます。

  2. パラメータusernameInputを右クリックして「変数の置換」を選択します。「変数の置換」ウィンドウが次のようにデータバンク・フィールド名を表示した状態で開きます。

    図3-18 「変数の置換」ウィンドウ

    図3-18の説明へ
    「図3-18 「変数の置換」ウィンドウ」の説明

  3. 「ユーザー名」フィールドを選択し、「Finish」をクリックします。パラメータ値は、次のように二重中カッコで囲まれたデータバンク変数{{db.avitek.Username,fred#@golf.com}}に変更されます。

    図3-19 データバンク変数がマップされたスクリプト・パラメータ

    図3-19の説明へ
    「図3-19 データバンク変数がマップされたスクリプト・パラメータ」の説明

  4. パラメータpasswordInputを右クリックして「変数の置換」を選択します。「変数の置換」ウィンドウがデータバンク・フィールド名を表示した状態で開きます。

  5. 「パスワード」フィールドを選択し、「Finish」をクリックします。パラメータ値は、次のように二重中カッコで囲まれたデータバンク変数{{db.avitek.Password,weblogic}}に変更されます。

    図3-20 複数のデータバンク変数がマップされたスクリプト・パラメータ

    図3-20の説明へ
    「図3-20 複数のデータバンク変数がマップされたスクリプト・パラメータ」の説明

  6. スクリプトを保存します。

3.8.7 テキスト・マッチング テストの挿入

ここでは、正常にログインしたかどうかを確認するテキスト・マッチング・テスト・ケースを挿入します。

  1. [4] Oracle WebLogic Server - Medical Recordサンプル・アプリケーションスクリプト・ツリー・ノードの下のhttp://localhost:7011/medrec/loginPatient.actionノードを選択します。「詳細」ビューにページが表示されます。

  2. 「スクリプト」メニューから「追加」を選択してから、「その他」を選択します。

  3. 「HTTP テスト」フォルダの「テキスト マッチング テスト」を選択して「OK」をクリックします。

  4. テスト名にHTTPMatchと入力します。

  5. テストする文字列にSuccessfully logged in! Click here to continueを入力します。

  6. 「ソース」オプションが「HTML 表示コンテンツ」に設定されていることを確認します。

  7. 「合格条件」オプションが「存在する場合は成功」に設定されていることを確認します。

  8. 「一致」オプションが「完全」に設定されていることを確認します。

  9. 「OK」をクリックします。「テキスト マッチング テスト」ノードがスクリプト・ツリーのステップ・グループの最後に表示されます。

    図3-21 「テキスト マッチング テスト」ノードが表示されたスクリプト・ツリー

    図3-21の説明へ
    「図3-21 「テキスト マッチング テスト」ノードが表示されたスクリプト・ツリー」の説明

  10. スクリプトを保存します。

3.8.8 スクリプトの反復再生

これまでの手順でPOSTデータ・パラメータにマップされたデータバンクをスクリプトに設定しました。これにより、データバンク・ファイルのすべての値を使用するようにスクリプトを何度も反復再生することができます。

スクリプトを反復再生するには、次のようにします。

  1. 「スクリプト」メニューから「反復」を選択します。次のように「反復」ダイアログ・ボックスが開きます。

    図3-22 「反復」ダイアログ・ボックス

    図3-22の説明へ
    「図3-22 「反復」ダイアログ・ボックス」の説明

  2. 「データバンクを使用」が選択されていることを確認します。

  3. 「範囲」「すべてのレコード」に設定されていることを確認します。

  4. 「開始レコード」が1に設定されていることを確認します。

  5. 再生を停止する反復数が選択され、1に設定されていることを確認します。

  6. 「OK」ボタンをクリックしてスクリプトを反復再生します。

  7. 「詳細」ビューで、ログインのたびに異なるデータ値を使用してスクリプトが何度も再生されることを確認します。

  8. 「結果」ビューで、再生結果を表示します。再生終了時、「詳細」ビューに次のような結果レポートが表示されます。

    図3-23 反復再生の結果レポート

    図3-23の説明へ
    「図3-23 反復再生の結果レポート」の説明

  9. 「結果」ビューをスクロールして、Get window[@index='0'] http://systemName:7011/medrec/index.actionなどのHTTPナビゲーション・ノードのいずれかを選択します。

  10. 「詳細」ビューで「比較」タブをクリックします。HTTPスクリプトの「比較」タブでは、次のように記録したHTMLコンテンツ、リクエスト・ヘッダー、レスポンス・ヘッダー、Cookieを再生値と比較できます。

    図3-24 HTTPテストの「比較」タブを表示する「詳細」ビュー

    図3-24の説明へ
    「図3-24 HTTPテストの「比較」タブを表示する「詳細」ビュー」の説明

  11. これで、OpenScriptチュートリアルの手順は完了です。スクリプトを保存してOpenScriptアプリケーションを閉じます。

3.9 Avitek Medical Recordsサーバーの停止

チュートリアルの手順を終了したら、Medical Recordsサンプル・サーバーを必ず停止します。Oracle Load TestingまたはOracle Test Managerチュートリアルで、記録したスクリプトをMedical Recordsサンプル・サーバー・アプリケーションに対して試してみる場合は、それらの手順が完了するまでAvitek Medical Recordsサーバーを稼動させておきます。

WebLogicサーバーおよびAvitek Medical Recordsサーバーを停止するには、次のようにします。

  1. 「開始」メニューから「プログラム」を選択し、「Oracle Application Testing Suite」メニューから「サンプル」を選択します。

  2. MedRecアプリケーションの停止を選択します。

  3. Weblogicサーバーが停止するまで待ちます。

  4. サーバー停止後、コマンド・ウィンドウを閉じます。